(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本発明の表示制御装置を適用した表示装置10、本発明の携帯端末装置を適用した携帯端末装置20を例に説明しているが、本発明の特徴を説明するための一例である。
【0014】
[1.全体構成]
図1は、本発明のファイル連携システム1を模式的に示した図を示すものである。本実施形態においては、本発明の表示制御装置を適用した表示装置10が、ネットワークNWに接続されている。また、端末装置として、携帯端末装置20が含まれており、ネットワークNWと無線LANや3G回線(第2の通信方式)を介して接続されている。また、携帯端末装置20は、ネットワークNWを介して表示装置10と接続されており、また、NFC通信(第1の通信方式)を介しても接続可能である。
【0015】
ネットワークNWを介して、更にクラウドストレージサーバ30(以下、クラウドストレージのことを「CS」という。)が接続されている。CSサーバ30は、ファイル管理サービスを提供するサーバであり公知のクラウドストレージサービスを利用するものである。
【0016】
なお、ネットワークNWは、LANとWANとを含む概念である。すなわち、携帯端末装置20は、IEEE802.11a/b/g等の規格を利用した無線LANで、アクセスポイントを介して接続しても良いし、3G回線を利用して接続しても良い。表示装置10も有線LAN、無線LANに関わらず接続されれば良い。また、CSサーバ30も、インターネットを介したクラウドストレージサービスを想定しても良いし、構内LANに設けたファイル管理サーバやNASを想定しても良い。
【0017】
[2.機能構成]
続いて、本実施形態における表示装置10と、携帯端末装置20との機能構成について図を用いて説明する。
【0018】
[2.1 表示装置]
表示装置10の機能構成について、
図2を用いて説明する。表示装置10は、制御部100と、表示部110と、操作部120と、NFC通信部130と、無線通信部140と、LAN通信部150と、記憶部160と、アプリケーション管理部170とを有して構成されている。
【0019】
制御部100は、表示装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部160に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)等により構成されている。
【0020】
表示部110は、各種情報や、データ等を表示する為の機能部である。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELディスプレイ等により構成されている。なお、本実施形態は、表示装置10に表示部110を有する構成を例として説明するが、例えば外部ディスプレイに接続される装置であっても良い。すなわち、表示制御装置として構成されており、HDMI(登録商標)等により接続された外部の表示装置に表示する制御を行う装置であっても良い。
【0021】
操作部120は、利用者が各種操作を行う為の機能部である。本実施形態においては、表示部110の上に重ねて設けられるタッチパネルを例に挙げて説明する。なお、例えばマウス、キーボードといった種々の操作装置が利用可能なことは勿論である。また、タッチパネルも複数のタッチを検出可能な装置であって、例えば静電誘導方式であったり、感圧方式であったりする。
【0022】
NFC通信部130は、近距離間無線通信(第1通信)を行う為の機能部である。NFC通信部130は、後述する携帯端末装置20のNFC通信部230と通信を行う。これにより種々のデータ(情報)、ファイルをNFC(Near Field Communication)を介して通信可能である。
【0023】
無線通信部140は、無線LAN等を利用して通信(第2通信)を行う機能部である。例えば、IEEE802.11a/b/g/n等といった無線LANの規格を利用し、携帯端末装置20と通信可能となる。
【0024】
ここで、表示装置10と、携帯端末装置20は、アドホック・モードを利用して直接接続されることとしても良いし、インフラストラクチャ・モードを利用してアクセスポイントを経由して接続されることとしても良い。
【0025】
LAN通信部150は、有線LANに接続して通信(第2通信)を行うための機能部である。有線LANを解して、他のネットワーク(例えば、インターネット)を解してCSサーバ30に接続可能となる。
【0026】
なお、説明の都合上無線通信部140と、LAN通信部150とを分けて説明するが、片方だけを利用して通信可能なことは勿論である。
【0027】
記憶部160は、表示装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部160は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0028】
また、記憶部160には、利用者がCSサーバ30(CSサーバ30において実現されるCSサービス)に接続するためのアカウント情報162と、連携するファイルについてのファイル情報164とが記憶可能である。このアカウント情報162は、後述するアカウント情報262と、ファイル情報164は後述するファイル情報264と共通の情報であり、詳細は後述する。
【0029】
アプリケーション管理部170は、表示装置10において実行されるアプリケーションを管理する機能部である。本実施形態には、CSサービスを利用するためのクラウドストレージアプリ(以下、「CSアプリ」という)172と、HTML等を表示する為のブラウザアプリ174が少なくとも記憶されている。なお、管理されているアプリケーションは、記憶部160に記憶されていても良い。
【0030】
[2.2 携帯端末装置]
続いて、携帯端末装置20の機能構成について、
図3を用いて説明する。携帯端末装置20は、制御部200と、表示部210と、操作部220と、NFC通信部230と、無線通信部240と、通話処理部250と、記憶部260と、アプリケーション管理部270と、プロセス管理部280とを備えて構成されている。
【0031】
制御部200は、携帯端末装置20の全体を制御するための機能部である。制御部200は、記憶部260に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)等により構成されている。
【0032】
表示部210は、各種情報や、データ等を表示する為の機能部である。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELディスプレイ等により構成されている。なお、本実施形態は、携帯端末装置20に表示部210を有する構成を例として説明するが、例えば外部ディスプレイに接続される装置であっても良い。すなわち、表示制御装置として構成されており、HDMI等により接続された外部の表示装置(例えば、大型の表示装置に対してワイヤレスHDMIで接続する液晶テレビ)に表示する制御を行う装置であっても良い。
【0033】
操作部220は、利用者が各種操作を行う為の機能部である。本実施形態においては、表示部210の上に重ねて設けられるタッチパネルを例に挙げて説明する。なお、例えばハードウェアキーや音声入力といった種々の操作装置が利用可能なことは勿論である。また、タッチパネルも複数のタッチを検出可能な装置であって、例えば静電誘導方式であったり、感圧方式であったりする。
【0034】
NFC通信部230は、近距離間無線通信(第1通信)を行う為の機能部である。NFC通信部230は、上述した表示装置10のNFC通信部130と通信を行う。これにより種々のデータ(情報)、ファイルをNFC(Near Field Communication)を介して通信可能である。
【0035】
無線通信部240は、無線LAN等を利用して通信(第2通信)を行う機能部である。例えば、IEEE802.11a/b/g/n等といった無線LANの規格を利用し、表示装置10と通信可能となる。
【0036】
通話処理部250は、携帯端末装置20が携帯電話機能として実現するための機能部である。例えば、音声処理部を含んでおり、音声入出力装置を利用する事により通話機能を実現することが出来る。
【0037】
さらに、外部の回線を利用することにより通信(第2通信)を行うことも出来る。すなわち携帯キャリアが用意した3G回線やLTE回線を利用することにより、データ通信等を行うことが可能となる。これにより、例えば無線通信部240において、無線LANが接続出来ない環境であっても、通話処理部250を解して3G回線やLTE回線を利用し、データ通信を行うことが可能となる。
【0038】
記憶部260は、携帯端末装置20の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部260は、例えば、内蔵される半導体メモリや、SDカード(登録商標)という着脱可能なメモリ等により構成されている。
【0039】
また、記憶部260には、利用者がCSサービスに接続するためのアカウント情報262と、連携するファイルについてのファイル情報264とが記憶可能である。
【0040】
ここで、
図4を用いてアカウント情報262(162)について説明する。アカウント情報は、CSサービスに接続するための情報であり、例えば接続サービス先の情報(例えば、「XXXクラウドサービス」)と、接続ID(例えば、「ABC001」)と、接続パスワード(例えば、「Lk9bNg」)とが記憶されている。ここで、接続サービス先の情報としては、例えばURLやIPアドレスといったものが併せて記憶されても良い。
【0041】
図5は、ファイル情報264(164)を説明するための図である。ファイル情報は、連携されるファイルのファイル名(例えば、「S001.JPG」)と、ファイルサイズ(例えば、「965kB」)と、データの整合性を確認するために利用されるハッシュ関数の方式(例えば、「SHA256」)とが記憶されている。
【0042】
アプリケーション管理部270は、表示装置10において実行されるアプリケーションを管理する機能部である。本実施形態には、ホームアプリ272と、ファイル管理アプリ274と、CSアプリ276と、ブラウザアプリ278とが一例として記憶されている。
【0043】
ホームアプリ272とは、一般的には、携帯端末装置20を起動したときに最初に表示される(操作可能となる)アプリのことをいう。例えば、時計やメールの通知を表示するアイコンやガジェットが表示されたり、各種アプリケーションを起動するためのアイコンが表示されたりする。このホームアプリ272は、携帯端末装置20の製造メーカが予めプリインストールしたり、携帯キャリアが共通のホームアプリをプリインストールしたりする場合がある。また、利用者が独自のホームアプリをインストールして利用することも出来る。
【0044】
ファイル管理アプリ274は、ファイルを選択したり、操作したりするために利用されるアプリケーションである。携帯端末装置20において実行されるOSにより予め実現されている場合もあるし、別のファイル管理アプリをインストールし、実行する場合もある。なお、通常ファイル管理アプリとは、携帯端末装置20内のファイル(ローカルファイル)と、ネットワーク上のファイルとを表示出来ることが多い。しかし、本実施形態では、CSアプリ276との説明の都合上、携帯端末装置20内のファイルを管理することとして説明する。
【0045】
CSアプリ276は、CSサーバ30上にあるファイルを表示したり、操作したりするために利用されるアプリケーションである。
【0046】
ブラウザアプリ278は、HTML等のハイパーテキストのドキュメントを表示するためのアプリケーションである。通常は、インターネット上のホームページを利用するのに利用されるアプリケーションである。
【0047】
上述した管理されているアプリケーションは、記憶部160に記憶されていても良い。本実施形態は、表示装置10、携帯端末装置20及びCSサーバ30との連携を説明するために一例として記載しているものであり、各アプリの機能は実施形態の記載に限定される訳ではなく、また、他のアプリを用いても実現出来ることもある。
【0048】
プロセス管理部280は、携帯端末装置20における実行されているプロセス、サービスを管理する機能部である。プロセス管理部280により、現在実行されているプロセス(アプリケーション)が、メインで実行されているか(フォアグランドで起動されているか)否かを管理することができる。
【0049】
例えば、
図6に示すように、実行中のプロセスリストに基づいて管理する。具体的には、現在実行中のプロセスのプロセスID(PID)、プロセス名、CPUの占有率、メモリの使用量、現在の状態(Status)等を管理している。
【0050】
ここで、現在の状態としては、例えばメインで起動している(利用者が操作可能な状態にある)ことを示す「Foreground」、実行はしているが直接操作できない、すなわちバックグランドで実行中であることを示す「Background」、利用されていないために実行レベルを落としている「Sleep」等といった状態を管理している。このような管理は、本明細書ではプロセス管理部280が行っているが制御部200が行っても良い。
【0051】
なお、説明の都合上、「Foreground」の状態で実行中のプロセス(アプリ)を「実行中アプリ」といい、「Background」の状態で実行中のプロセス(アプリ)を「待機中アプリ」という。
【0052】
[3.処理の流れ]
以下、本発明を適用した場合における処理の流れを説明する。
図7は、携帯端末装置20が、表示装置10と、NFC接続が検知された場合又は接続された場合に実行される処理である。すなわち、携帯端末装置20のNFC通信部230と、表示装置10のNFC通信部130とがそれぞれ接続を検知した場合に、携帯端末装置20の状態に応じて、複数の処理が実施される。
【0053】
まずNFC通信部230により、携帯端末装置20により接続が検知されると(ステップS102;Yes)、表示装置10のIPアドレスが受信される(ステップS104)。ここでは、NFC通信部230を介して、表示装置10のIPアドレスが受信されることになる。
【0054】
なお、表示装置10と、携帯端末装置20とが同一LANで接続できない場合は、CSサーバ30(CSサービスを提供している先)のIPアドレスが通知される。この場合、表示装置10と、携帯端末装置20とは直接通信が無線通信部を介して行えないこととなり、CSサーバを経由してデータを送受信するからである。
【0055】
続いて、携帯端末装置20において、CSアプリ276が表示中であるか否か判定する(ステップS106)。ここで、「アプリが表示中」とは、フォアグランドにより実行されており、実行されているアプリが前面表示(又はサブウィンドウで重畳表示され)、利用者が操作可能な状態となっていることを言う。当該状態の検出には、プロセス管理部280により検出可能である。
【0056】
ここで、CSアプリ276が表示中の場合、今度は表示装置10でCSアプリ172が実行中であるか否かを判定する(ステップS108)。CSアプリ172が実行されていなければ、CSアプリ起動処理(
図11)が実行される(ステップS110)。他方、CSアプリ172が実行中であれば、クラウド情報送信処理(
図12)が実行される(ステップS112)。
【0057】
ここで、表示装置10において、CSアプリ172が実行中であるか否かは、プログラムが起動しているか否かを制御部100が判定すれば良い。例えば、NFC通信部130により接続されたとき(または接続された後)に、NFC通信部130やLAN(無線通信部140。LAN通信部150)による通信により当該情報を送受信しても良いし、起動確認等を携帯端末装置20から表示装置10に行うことにより確認しても良い。
【0058】
携帯端末装置20において、CSアプリ276が表示中でない場合(実行中ではない場合)、今度はファイル管理アプリ274が表示中(実行中)であるか否かを判定する(ステップS114)。ここで、ファイル管理アプリ274が表示中である場合には、ファイル送信処理(
図15)が実行される(ステップS116)。
【0059】
他方、ファイル管理アプリ274が表示中ではなく、ブラウザアプリが表示中(実行中)の場合には(ステップS114;No→ステップS118;Yes)、ブラウザ表示要求処理(
図18)が実行される(ステップS122)。
【0060】
また、上述したアプリが表示されていない場合、例えばホームアプリ272が表示されている場合には、ファイル送信要求処理(
図8)が実行される(ステップS118;No→ステップS120)。
【0061】
ここで、本実施形態においては、ステップS120はホームアプリ272が表示されている(待機状態)として説明するが、例えば他のアプリ(メールアプリ等)が実行されているときに、ファイル送信要求が行われてもよい。
【0062】
[3.1 第1実施形態]
まず第1実施形態として、携帯端末装置20がホームアプリ272が実行中アプリである場合に実行されるファイル送信要求処理について
図8を用いて説明する。
【0063】
なお、これらのファイル連携については、携帯端末装置20においては、CSアプリ276が実行する処理となる。したがって表示されていないが、バックグランドで実行されている必要はある。
【0064】
また、以下の処理は、NFC通信により接続検知が行われた後である。したがって、これ以降の処理は無線通信部240と、無線通信部140との間の処理にて行われる。なお、アクセスポイントを介して携帯端末装置20が接続されている場合には、表示装置10においてはLAN通信部150を用いて通信を行っても良いことは勿論である。
【0065】
まず、携帯端末装置20から、表示装置10に対して接続要求を送信すると(S152)、表示装置10から接続応答が携帯端末装置20に対して送信される(S154)。携帯端末装置20は、接続応答を受信すると(S156;Yes)、ファイル情報送信要求(S158)を表示装置10に送信する。
【0066】
ここで、表示装置10は、ファイル情報送信要求を受信すると(S160;Yes)、送信するファイル情報164を生成する(S162)。そして、生成されたファイル情報164を携帯端末装置20に送信する(S164)。
【0067】
ここで、生成されるファイル情報164は、表示装置10において処理対象となっているファイルに関する情報が生成される。例えば、画像ファイルであれば表示されているファイル、動画ファイルであれば生成されているファイル、音楽ファイルであれば再生されているファイル、PDF(Portable Document Format)ファイルであれば表示されているファイルといった、現在処理対象となっているファイルである。
【0068】
また、現在処理対象となっているファイルとは、例えばWindowsのシステムであればアクティブウィンドウ(カレントウィンドウ)として選択されているファイルが対象となる。
【0069】
携帯端末装置20は、ファイル情報を受信すると、ファイル情報264として記憶部260に記憶する。そして、記憶されたファイル情報264に基づいて、ファイル送信要求を送信する(S168)。
【0070】
ファイル送信要求を受信した表示装置10は(S170;Yes)、ファイル送信要求に基づいたファイルを携帯端末装置20に送信する(S172)。ここで、携帯端末装置がファイルの受信を完了すると(S174;Yes)、ファイルを表示する(S176)。
【0071】
なお、各ステップにおいて、待機状態のとき(S156;No、S160;No、S166;No、S170;No)、所定時間内に処理が完了しなければ、再送信号を送信したり、タイムアウトとして処理を中止したりする。また、S174においても、所定時間内にファイルを正しく受信できなかった場合には(S174;No)、再送信号を送信したり、処理を中止したりする。
【0072】
また、携帯端末装置20において、受信されたファイルを表示することとして説明しているが、例えば動画ファイルであれば動画を再生したり、音楽ファイルであれば音楽を再生するといった処理を実行しても良い。
【0073】
続いて、第1実施形態における実施例を、
図9及び
図10を用いて説明する。
図9(a)は表示装置10における表示画面W110の一例である。表示画面W110には、画像ファイルに基づく画像P110が表示され、操作対象(アクティブ)となっている。
【0074】
このとき、携帯端末装置20の状態を示したのが
図9(b)である。携帯端末装置20では、ホームアプリ272が表示されている。このとき、携帯端末装置20をNFC通信により表示装置10と接続する(NFC通信による接続が検知される)と、第1実施形態におけるファイル送信要求処理が実行される。
【0075】
ファイル送信要求処理が実行された後を示すのが
図10である。
図10(a)は表示装置10における表示画面W112を、
図10(b)は携帯端末装置20における表示画面W212をそれぞれ示している。
【0076】
図10に示すように、表示装置10において表示されていた画像P110と、同様の画像P210が表示画面W212に表示されている。このように、表示装置10において表示されていたファイル(アクティブとなっていた画像ファイル)が、携帯端末装置20に転送され、携帯端末装置20上で表示されることになる。
【0077】
[3.2 第2実施形態]
続いて、第2実施形態のCSアプリ起動処理について、
図11を用いて説明する。第2実施形態のCSアプリ起動処理は、携帯端末装置20において、CSアプリ276が起動中にもかかわらず、表示装置10においてCSアプリ172が起動していない場合の実施形態である。
【0078】
まず、携帯端末装置20から表示装置10に対して接続要求が送信される(S202)。この接続要求に対して、現在の表示装置の状態を含む接続応答が携帯端末装置20に送信される(S204)。
【0079】
携帯端末装置20は、接続応答が受信されると(S206;Yes)、この接続応答に基づいて表示装置10の状態について判断する。すなわち、表示装置10においてCSアプリが起動していない場合には、携帯端末装置20は、CSアプリの起動要求を表示装置10に送信する(S208)。
【0080】
表示装置10は、携帯端末装置20からCSアプリ起動要求を受信すると(S210;Yes)CSアプリを起動する処理を実行する(S212)。
【0081】
このように、本実施形態によれば、仮に表示装置10においてCSアプリが起動してない場合であっても、利用者は容易に起動することが可能となる。なお、本実施形態では、接続要求/応答にて表示装置10の状態を確認しているが、他の方法を利用しても良い。
【0082】
例えば、それより前段階のNFC通信段階で確認しても良いし、CSサーバ側で管理するとしてもよい。また、
図8において、ファイル情報送信要求(
図8のS158)を受信時に、CSアプリが起動していなければ起動する処理を実行しても良い。
【0083】
[3.3 第3実施形態]
続いて、第3実施形態のクラウド情報送信処理について、
図12を用いて説明する。第3実施形態のクラウド情報送信処理は、携帯端末装置20において、CSアプリ276により、CSサーバにあるファイルが表示されている場合の実施形態である。
【0084】
携帯端末装置20から、表示装置10に対して接続要求が送信されると(S302)、表示装置10は、接続応答を送信する(S304)。携帯端末装置20は、接続応答受信すると(S306;Yes)、CSサーバ(CSサービス)に接続するためのCS接続情報を送信する(S308)。このCS接続情報には、携帯端末装置20において記憶されているアカウント情報262と、現在携帯端末装置20において表示されている(アクティブとなっている)ファイルリンク情報が含まれている。ファイルリンク情報とは、CSサーバにおいて、当該ファイルが何処にあるかを示す情報である。
【0085】
表示装置10は、CS接続情報を受信すると(S310;Yes)、CS接続情報から、アカウント情報162を抽出し、当該アカウント情報をCSサーバ30に送信する(S312)。すなわち、アカウント情報をCSサーバ30に送信することにより、CSサーバ(CSサービス)に対する接続要求となる。
【0086】
このアカウント情報に基づいて、CSサービスにログインが出来た場合には(S314;Yes)、ログイン完了通知を表示装置10に送信する(S316)。続いて、表示装置10は、CS接続情報に含まれるファイルリンク情報に基づいてダウンロード要求を送信する(S318)。
【0087】
CSサーバ30は、ダウンロード要求に基づくファイルを抽出し(S320)、表示装置10にファイルが送信される(S322)。
【0088】
表示装置10は、ファイル受信が完了すると(S324;Yes)、ファイルを表示する(S326)。ここで、携帯端末装置20とNFC通信が切断された場合(S328;Yes)、ファイルが更新されたか否かを判定する(S330)。
【0089】
ファイルが更新されていなければ特に処理を行わないが(S330;No)、ファイルが更新されている場合には、更新されたファイルをCSサーバ30に送信する(S332)。なお、ファイルが更新されたことを、ファイル更新通知として携帯端末装置20に送信し(S334)、携帯端末装置20においてもファイル更新処理を実行しても良い(S336)。
【0090】
第3実施形態における実施例を、
図13及び
図14を用いて説明する。
図13は、NFC通信接続前における、表示装置10の表示画面W130(
図13(a))、携帯端末装置20の表示画面W230(
図13(b))を表している。
【0091】
表示画面W230には、画像P230が表示されている。また、この画像P230は、CSサーバ上にあるファイルが表示されている。
【0092】
NFC通信が行われた後の図が、
図14である。
図14は、NFC通信接続後における、表示装置10の表示画面W132(
図14(a))、携帯端末装置20の表示画面W232(
図14(b))を表している。
【0093】
携帯端末装置20で表示されていた画像P230と、同一の画像が表示画面W132に、画像P130として表示されている。
【0094】
このように、本実施形態によれば、表示装置10と、携帯端末装置20とのファイルの連携を、CSサービスを介して実現することができる。
【0095】
[3.4 第4実施形態]
続いて、第4実施形態のファイル送信処理について、
図15を用いて説明する。第4実施形態のファイル送信処理は、携帯端末装置20において、ファイル管理アプリ274により、携帯端末装置20のファイルが表示されている場合の実施形態である。
【0096】
まず、携帯端末装置20から、表示装置10に接続要求が送信される(S402)。表示装置10は、接続応答を携帯端末装置20に送信する(S404)。そして、携帯端末装置20は、接続応答を受信すると(S406;Yes)、送信するファイル情報264を生成する(S408)。
【0097】
続いて、ファイル情報264を表示装置10に送信する(S410)。ファイル情報を受信した表示装置10は(S412;Yes)、問題が無ければファイル送信要求を携帯端末装置20に送信する(S414)。
【0098】
携帯端末装置20は、ファイル送信要求を受信すると(S416;Yes)、ファイル送信要求に対応するファイル(通常、ファイル情報264により特定されるファイル)を表示装置10に送信する(S418)。
【0099】
表示装置10は、携帯端末装置20よりファイルの受信を完了すると(S420;Yes)、ファイルを表示する(S422)。
【0100】
このように、第4実施形態によれば、携帯端末装置20においてアクティブとなっているファイルを表示装置10に容易に送信することができる。なお、S422において、ファイルを表示することとして説明したが、例えば表示装置10から接続された印刷装置に出力し、印刷を行っても良いし、音楽ファイルであれば再生を行うといった、ファイルに応じた処理を実行すれば良い。
【0101】
第4実施形態における実施例を、
図16及び
図17を用いて説明する。
図16は、NFC通信接続前における、表示装置10の表示画面W140(
図16(a))、携帯端末装置20の表示画面W240(
図16(b))を表している。
【0102】
表示画面W240には、領域R240において、携帯端末装置20内のファイルが選択され、画像P240が表示されている。
【0103】
NFC通信が行われた後の図が、
図17である。
図17は、NFC通信接続後における、表示装置10の表示画面W142(
図17(a))、携帯端末装置20の表示画面W242(
図17(b))を表している。
【0104】
携帯端末装置20で表示されていた画像P240が表示装置10に転送され、画像P140が表示されている。また、
図17(b)に示すように、転送後にメッセージM242「送信されました」と報知することで、利用者にファイルが送信されたことを視認させる構成としても良い。
【0105】
[3.5 第5実施形態]
続いて、第5実施形態のブラウザ表示要求処理について、
図18を用いて説明する。第5実施形態のブラウザ表示要求処理は、携帯端末装置20において、ブラウザアプリ278により、インターネット上のHTML(ホームページ)が表示されている場合の実施形態である。
【0106】
まず、携帯端末装置20から、表示装置10に接続要求が送信される(S502)。表示装置10は、接続応答を携帯端末装置20に送信する(S504)。そして、携帯端末装置20は、接続応答を受信すると(S506;Yes)、現在ブラウザアプリ278が起動し、表示されている(フォアグランドで動作している)ことから、ブラウザ表示要求を表示装置10に送信する(S508)。
【0107】
表示装置10は、ブラウザ表示要求を受信すると(S510;Yes)、ブラウザ表示用要求にしたがってブラウザアプリを起動する(S512)。このとき、ブラウザ表示要求に含まれているURL情報に基づいて、ホームページを表示する。
【0108】
このように、第5実施形態によれば、携帯端末装置20を利用している利用者が、大きな表示画面でホームページを確認したいときに、NFC通信により表示装置10と接続を検知するだけで、表示装置10と連携してホームページを表示することができる。
【0109】
第5実施形態における実施例を、
図19及び
図20を用いて説明する。
図19は、NFC通信接続前における、表示装置10の表示画面W150(
図19(a))、携帯端末装置20の表示画面W250(
図19(b))を表している。
【0110】
携帯端末装置20においては、ブラウザアプリ278により、ホームページが表示されている。
【0111】
NFC通信が行われた後の図が、
図20である。
図20は、NFC通信接続後における、表示装置10の表示画面W152(
図20(a))、携帯端末装置20の表示画面W252(
図20(b))を表している。
【0112】
携帯端末装置20において表示されていたホームページが、URLに基づいて表示装置10において表示されている。
【0113】
[3.6 第6実施形態]
続いて、第6実施形態について
図21を用いて説明する。第6実施形態は、例えば表示装置10から携帯端末装置20がファイルを受信する場合に、ファイル情報から適切に処理が出来ない場合はファイルを受信しない実施形態について説明する。
【0114】
まず、携帯端末装置20から、表示装置10に接続要求が送信される(S602)。表示装置10は、接続応答を携帯端末装置20に送信する(S604)。そして、携帯端末装置20は、接続応答を受信すると(S606;Yes)、受信するファイルの情報であるファイル情報送信要求を送信する(S608)。
【0115】
ここで、ファイル情報送信要求を受信した表示装置10は(S610;Yes)、送信予定のファイルに関するファイル情報164を生成し(S612)、携帯端末装置20に送信する(S614)。
【0116】
ファイル情報を受信した携帯端末装置20は(S616;Yes)、ファイル情報264として記憶する。そして、ファイル情報264により、ファイルが適切に処理できるか否かを判定する(S618)。適切に処理できない、すなわち表示したり、実行したり出来ないと判断された場合には、ファイル受信を不可として処理を実行する(S620)。ファイル受信不可処理としては、例えば表示装置10に対して、適切に処理出来ないことを表示装置10に送信する。これにより、表示装置10は、ファイル送信を中止したり、適切なファイルに変換して送信する処理を実行したりする。
【0117】
なお、ファイルが適切に処理できないか否かの判定は、例えば、ファイルサイズにより判定され、ファイルサイズが規定サイズ以下であるか否かを判定する。すなわち、必要以上にファイルサイズが大きすぎると、メモリ容量が不足したり、処理が遅くなったりするためである。また、携帯端末装置20の表示部210の解像度は限られているため、不必要に大きなサイズを受信しても表示可能な解像度を超えてしまったり、ファイルの転送に時間がかかったりするという問題が生じるためである。例えば、ファイルサイズが1メガバイト未満の場合は規定サイズ以下と判定する。
【0118】
その他にも、例えば携帯端末装置20において開けるファイルであるか否かを拡張子から判断する。例えば、表示装置10においてPDFファイルが表示可能であるが、携帯端末装置20において表示出来ない場合には、ファイルの受信を行わない。また、動画ファイルでも、再生不可能な動画形式の場合には受信しないといった処理を行う。
【0119】
ファイルを適切に処理可能な場合、ファイル送信要求を表示装置10に送信する(S622)。表示装置10は、ファイル送信要求を受信した場合には(S624;Yes)、ファイル送信要求に対応するファイルを携帯端末装置20に送信する(S626)。
【0120】
携帯端末装置20は、ファイルの受信を完了すると(S628)、受信したファイルに基づいて処理を適切に実行する(S630)。例えば、画像ファイルであれば、ファイルを表示する。
【0121】
第6実施形態における実施例を、
図22を用いて説明する。
図22は、NFC通信接続後における、表示装置10の表示画面W160(
図22(a))、携帯端末装置20の表示画面W260(
図20(b))を表している。
【0122】
表示画面W160には、画像P160が表示されている。この画像P160は、画像サイズが大きいため、携帯端末装置20で適切に表示させることが出来ない。したがって、表示画面W260に示すように、画像が大きすぎることをメッセージM260を表示して、利用者に報知している、
このように、本実施形態によれば、表示装置10において表示・実行されているファイルを携帯端末装置20に送信する場合に、適切に処理できるファイルだけが送信されることとなる。
【0123】
[3.7 第7実施形態]
続いて、第7実施形態について説明する。第7実施形態は、第6実施形態において、受信されるファイルサイズが大きすぎる場合に、表示装置10側でファイルサイズを縮小し送信する処理について説明する。
【0124】
図23は、第7実施形態の処理について説明するための図である。第7実施形態は、第6実施形態の
図21の処理のうち、S618においてファイルサイズの大きさにて判定する場合における処理を説明する図である。
図21の処理と共通部分の処理については同一の符号を付すことによりその詳細な説明を省略し、本実施形態の処理に係る部分(
図23において点線で囲まれている部分)の処理を中心に説明する。
【0125】
すなわち、携帯端末装置20がファイル情報を受信すると(S616;Yes)、ファイルサイズが規定サイズ以下か否かを判定する(S700)。ファイルサイズが規定サイズ以下であれば、特に問題無いため、第6実施形態と同様の処理(すなわち、ファイルを受信する処理)を実行する(S700;Yes)。
【0126】
他方、ファイルサイズが規定サイズより大きい場合(S700;No)、縮小して更にファイルを受信するか否かを確認する(S702)。ここで縮小してファイルを受信しない場合には処理を終了し(S702;No)、縮小してファイルを受信する場合には(S702;Yes)、ファイル縮小要求を送信する(S704)。
【0127】
ファイル縮小要求を受信した表示装置10は(S706;Yes)、規定サイズ以下にファイルを縮小する(S708)。そして、縮小されたファイルを送信する(S626)。
【0128】
すなわち、S702においては
図24のように利用に確認する。例えば、
図24は携帯端末装置20における表示画面W270である。表示画面W270に、メッセージM270を表示し、利用者に選択させることによりファイルを縮小するか否かを判定する。
【0129】
また、このような確認メッセージを表示しなくとも、予め設定により自動的に縮小することとしても良い。
【0130】
なお、上述した実施形態はファイルサイズを一例に説明したが、例えば表示可能な動画コーディックに変化したり、表示可能なファイル形式に変換したり(例えば非対応のドキュメントファイルであればPDFファイルに変換する)こととしても良い。
【0131】
また、上述した実施形態は、表示装置10で変換処理を行っているが、CSサーバ30を利用している場合には、CSサーバ30上で同様の処理をしても良い。
【0132】
このように、本実施形態によれば、携帯端末装置20に処理負担をかけることなく、適切にファイルを表示(処理)することが可能となる。
【0133】
[3.8 第8実施形態]
続いて第8実施形態について説明する。第8実施形態は、第6実施形態において、受信されるファイルが適切に処理できない場合に、CSサーバ30にファイルを保存する処理について説明する。
【0134】
図25は、第8実施形態の処理について説明するための図である。第8実施形態は、第6実施形態の
図21の処理のうち、S618においてファイルを適切に処理出来ない場合の処理について説明するための図である。
図21の処理と共通部分の処理については同一の符号を付すことによりその詳細な説明を省略し、本実施形態の処理に係る部分(
図25において点線で囲まれている部分)の処理を中心に説明する。
【0135】
すなわち、携帯端末装置20がファイルを適切に処理出来ない場合には(S618;No)、ファイルをCSサーバ30に保存するか否かを確認する(S802)。ここでファイルをCSサーバ30に保存しない場合には処理を終了し(S802;No)、ファイルをCSサーバ30に保存する場合には、ファイル転送要求を表示装置10に送信する(S802;Yes→S804)。
【0136】
表示装置10は、ファイル転送要求を受信すると(S806;Yes)、当該ファイルをCSサーバ30に保存する(S808)。その後、ファイルをCSサーバ30に保存したことを保存完了通知として携帯端末装置20に送信する(S810)。
【0137】
携帯端末装置20は、保存完了通知を受信した場合には(S812;Yes)、保存された旨を利用者に報知する(S814)。なお、S810〜S814の処理については、例えば設定により行わなくても良い。
【0138】
図26は、ファイルがCSサーバ30に保存された場合の報知画面の一例を示す図である。携帯端末装置20の表示画面W280に、メッセージM280が表示されている。これにより、利用者はファイルが携帯端末装置20に転送されず、CSサーバ30に転送された(保存)されたことが解る。
【0139】
本実施形態によれば、携帯端末装置20において適切に処理が出来ないファイルの場合には、CSサーバ30に保存するといった処理を行うことができる。これにより、例えば適切に処理可能な異なる端末で受信したりすることが可能となる。具体的には、携帯電話(スマートフォン)のような小型の端末装置で表示出来ない場合であっても、タブレット端末で表示できる場合や、Androidで表示出来ない場合でも、Windowsで表示出来る場合等有効な手段となる。
【0140】
[3.9 第9実施形態]
続いて、第9実施形態について
図27を用いて説明する。第9実施形態は、例えば携帯端末装置20から表示装置10がファイルを受信する場合に、ファイルサイズが小さすぎるために適切に受信できない実施形態について説明する。
【0141】
まず、携帯端末装置20から、表示装置10に接続要求が送信される(S902)。表示装置10は、接続応答を携帯端末装置20に送信する(S904)。そして、携帯端末装置20は、接続応答を受信すると(S906;Yes)、送信するファイルの情報であるファイル情報を生成し(S908)、生成されたファイル情報を送信する(S909)。
【0142】
表示装置10は、ファイル情報を受信すると(S910;Yes)、ファイルサイズが規定サイズ以上であるか否かを判定する(S912)。ここで、ファイルサイズが規定サイズ未満である場合、表示装置10の表示部110では適切に表示させることが出来ないと判断する。すなわち、解像度から画像が小さく表示されすぎてしまったり、拡大されることによる画質の劣化(ジャギー等の発生による劣化等)が考えられるからである。
【0143】
したがって、規定サイズ未満である場合には、ファイル受信を拒否する処理を実行する(S912;No→S914)。例えば、携帯端末装置20に対してファイル送信中止要求等を送信することにより、ファイルの送信を中止する。
【0144】
他方、ファイルサイズは規定サイズ以上(例えば、ファイルサイズが500kバイト以上や、縦のドット数が所定以上)の場合(S912;Yes)、ファイル送信要求を携帯端末装置20に送信する(S916)。
【0145】
携帯端末装置20は、ファイル送信要求を受信すると(S918;Yes)、ファイルを送信する(S920)。表示装置10は、ファイル受信が完了すると(S922;Yes)、ファイルを表示する(S924)。
【0146】
第9実施形態における実施例を、
図28を用いて説明する。
図28(a)は表示装置10の表示画面W190、
図29(b)は携帯端末装置20の表示画面W290の一例である。携帯端末装置20において、ファイルが領域R290により選択され、画像P290が表示されている。この段階でNFC通信が接続されると、表示装置10にファイルが転送される。
【0147】
ここで、領域R290で選択されている画像P290の画像サイズが小さいために、表示装置10において適切に表示することができない。したがって、表示画面W190において、メッセージM190が表示され、画像が転送されない。
【0148】
なお、この場合であっても、
図29の表示画面W192のように、利用者に確認して表示することとしても良い。すなわち、メッセージM192を表示し、利用者に確認を促す。そして、利用者が「表示する」選択を行った場合には画像が表示される。
【0149】
例え適切に表示されないとしても、利用者が表示させることを所望させる場合には表示させることが可能となる。また、利用者にとっても、画像ファイルの大きさに原因があるとわかっていて画像を表示させることにより、適切に表示されない場合であっても、解って表示していることによりシステムの不具合等を考慮する必要がなくなる。
【0150】
[3.10 第10実施形態]
続いて、第10実施形態について説明する。第10実施形態は、表示装置10に無線LANのアクセスポイントを内蔵した場合の実施形態である。
【0151】
ここで、第10実施形態の表示装置12の機能構成を
図30に示す。表示装置12は、上述した表示装置10に、AP基地局部180を備えた構成である。
【0152】
AP基地局部180は、無線LANのアクセスポイントを提供する為の機能部である。携帯端末装置20は、無線通信部240により無線通信を接続するときに、AP基地局部180を介して無線通信部140と接続することができる。
【0153】
これにより、例えば、無線LANが社内LAN等によりセキュリティとして外部端末が接続できない場合であっても、AP基地局部180を介してローカルに接続することができる。
【0154】
[3.11 第11実施形態]
続いて、第11実施形態について説明する。第11実施形態は、NFC通信により、携帯端末装置20が、無線通信部240を介して無線LANに接続するときの接続情報をやり取りする実施形態である。接続先としては、外部のアクセスポイントであっても良いし、第10実施形態で説明した表示装置12に内蔵されたアクセスポイントであっても良い。
【0155】
図31を用いて接続について説明する。まず、携帯端末装置20と表示装置10において、NFC通信が接続される(S1002)。これは、NFC通信部130と、NFC通信部230とが接続されることにより実現される。
【0156】
続いて、NFC通信を介してAP情報が表示装置10から携帯端末装置20に送信される(S1004)。AP情報として具体的には、SSIDや、接続ID、パスワード、認証方式、通信方式等、アクセスポイントに接続するのに必要な情報が送信される。
【0157】
AP情報が送信された後は、NFC通信が切断される(S1006)。このあと、携帯端末装置20は、無線通信部240から、AP情報に基づいてアクセスポイント(AP)に接続要求を送信する(S1008)。
【0158】
APは、接続要求が受信され(S1010;Yes)、認証がOKであれば(S1012;Yes)、接続許可応答を送信する(S1016)。これにより、携帯端末装置20とAPとが接続され無線通信が接続される。これにより、携帯端末装置20、AP、表示装置10と無線通信が接続されることにより、それぞれが通信可能となる(S1018)。
【0159】
他方、認証が失敗した場合には(S1012;No)、接続拒否応答が送信される(S1014)。この場合、無線通信接続は行われないことになる。
【0160】
このように、本実施形態によれば、NFC通信をトリガーに、無線通信接続を適切に解しすることが可能となる。なお、本実施形態において、表示装置10は無線通信部140により接続することとしているが、LANにて接続されればよいため、AP−表示装置10間はLAN通信部150を介して有線LANにて接続されても良い。
【0161】
[3.12 第12実施形態]
続いて、第12実施形態について
図32を用いて説明する。第12実施形態は、表示装置10から、携帯端末装置20に対してファイルを送信するときに、CSサーバ30を介して送信する手順を明確にしたものである。すなわち、
図8の処理において、CSサービスを利用した場合の動作を明確にしており、
図12における動作の逆、すなわち
図12は携帯端末装置20で表示されている画像が表示装置10で表示される実施形態であるが、本実施形態は表示装置10で表示されている画像が携帯端末装置20で表示される実施形態である。
【0162】
まず、携帯端末装置20から接続要求が表示装置10に送信され(S1102)、表示装置10から携帯端末装置20に接続応答が送信される(S1104)。携帯端末装置20は、接続応答を受信すると(S1106;Yes)、ファイル送信要求を表示装置に送信する(S1108)。
【0163】
ファイル送信要求を受信した表示装置10は(S1110;Yes)、CSサーバ30に対してアカウント情報162に基づいてログイン処理を行う。具体的には、アカウント情報をCSサーバ30に送信し(S1112)、アカウント情報によるログインがOKなら(S1114;Yes)、ログイン完了通知が送信される(S1116)。
【0164】
ログイン完了通知を受信したら、表示装置10はファイルを送信する(S1118)。ファイルが送信されたら(アップロードされたら)、当該ファイルが保存された情報としてファイルリンク情報が表示装置に送信される(S1120)。また、ファイルリンク情報は、携帯端末装置20にも送信される(S1122)。
【0165】
なお、ファイルリンク情報は携帯端末装置20が取得出来れば良いため、例えば表示装置10には送信しなくても良い。また、CSサーバ30からではなく、表示装置10から携帯端末装置20に送信されても良い。
【0166】
ファイルリンク情報を受信した携帯端末装置20は、ファイルリンク情報に基づくダウンロード要求を送信する(S1124)。CSサーバ30は、ダウンロード要求に基づくファイルを抽出し(S1126)、携帯端末装置20にファイルを送信する(S1128)。
【0167】
携帯端末装置20は、ファイルを受信の完了をすると(S1130;Yes)、ファイルを表示する(S1132)。
【0168】
このように、本実施形態によれば携帯端末装置20と、表示装置10とのファイルの連携について、CSサーバ30を介して行うことができる。これにより、例えば携帯端末装置20は、無線LANではなく携帯通信回線といった異なる回線を利用した場合であっても、表示装置10とファイルを連携することが出来る。
【0169】
本明細書に記載したように、上述した各実施形態を実施することにより、表示装置10と、携帯端末装置20とのファイル連携を容易にすることができる。
【0170】
例えば、NFC等の近接通信手段を有する移動端末および情報処理装置において、互いを近接させることにより、前記近接通信によって移動端末のユーザID情報および前記ユーザが利用するクラウドサービスのURL情報および送信したいファイル名等の情報が、情報処理装置側に送信される。前記情報処理装置は、受信した情報をもとに前記クラウドサービスに接続し、所望のデータをクラウドサービスから取得し、更新したデータを再度クラウドサービスに登録した後、近接通信の切断を検知すると、移動端末に更新済みデータを取得させる。これにより移動端末と情報処理装置間のデータ転送を行うことも可能となる。
【0171】
また、携帯端末装置と、表示制御装置とのファイル連携において、接続されたサーバ装置を介することによりファイル連携を行うことができる。これにより、携帯端末装置と、表示制御装置とが直接接続出来ない場合であってもファイル連携をすることができる。
【0172】
[4.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0173】
上述した各実施形態においては、近距離無線通信の一例としてNFCを利用する例を説明した。これ意外にも、例えばBluetooth(登録商標)、ZigBeeや、検知だけであれば、一般的なRFID(Radio Frequency IDentification)を使った仕組みでも実現可能である。
【0174】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0175】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0176】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【0177】
また、上述した実施形態における各装置の一部又は全部を典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現してもよい。各装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路又は汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能であることは勿論である。