特許第6983870号(P6983870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6983870フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための方法及びシステム
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  • 特許6983870-フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための方法及びシステム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983870
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/14 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   G01N15/14 B
   G01N15/14 A
【請求項の数】15
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2019-510421(P2019-510421)
(86)(22)【出願日】2017年6月14日
(65)【公表番号】特表2019-529883(P2019-529883A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】US2017037508
(87)【国際公開番号】WO2018067210
(87)【国際公開日】20180412
【審査請求日】2020年5月22日
(31)【優先権主張番号】62/403,553
(32)【優先日】2016年10月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ノートン,ピィアス オー.
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−522597(JP,A)
【文献】 特表2011−520102(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/115409(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定する方法であって、
前記フローストリームの画像を取り込んで、画像化されたフローストリームを取得することと、
前記画像化されたフローストリーム内の中断点における変化を有する外乱を特定することと、
前記特定した外乱に基づいて前記フローストリームの前記滴下遅延を計算することと
を含む方法。
【請求項2】
前記外乱は前記フローストリームの開扇または前記フローストリームの偏向である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フローストリームの前記滴下遅延を計算することは、
前記外乱の最大振幅における前記滴下遅延を決定することと、
前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延に所定の滴等量を添加することとを含み、
前記所定の滴等量を加えた前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延は、最適化された滴下遅延を与える請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の滴等量は1/2滴等量である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延を決定することは、位相マスクを適用することを含む請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記位相マスクは1/32滴等量増分を含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延を決定することは、8/32滴等量位相マスクを適用することを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記フローストリームの前記滴下遅延を計算することは、
1/2滴等量オフセット位相マスクを適用する一方で前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延を決定することと、
前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延と同等の所定の滴を添加して、前記フローストリームの前記滴下遅延を決定することとを含む請求項3または4に記載の方法。
【請求項9】
前記1/2滴等量オフセット位相マスクが適用されたときに、外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延に滴等量を添加しないことを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記フローストリームの前記画像を検出フィールドにおいて取り込む請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記検出フィールドは、フローストリーム中断点から上流でレーザ照射点から下流のフローストリームを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フローストリームを光源によって照明する請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記決定した滴下遅延に応じて前記フローサイトメータの1つ以上のパラメータを調整することをさらに含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
フローサイトメータのフローストリームの1つ以上の画像を取り込むように構成された画像センサと、
メモリが動作可能に結合されたプロセッサであって、前記メモリには、画像化されたフローストリーム内の中断点における変化を有する外乱を特定することと、特定した外乱に基づいて前記フローストリームの滴下遅延を計算することとを行う命令が記憶されている、プロセッサと
を含むシステム。
【請求項15】
フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記命令は、
画像センサを用いてフローストリームの画像を取り込むためのアルゴリズムと、
画像化されたフローストリーム内の中断点における変化を有する外乱を特定するためのアルゴリズムと、
前記特定した外乱に基づいて前記フローストリームの滴下遅延を計算するためのアルゴリズムとを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
流体サンプル中の粒子(たとえば、血液サンプルの細胞、または任意の他のタイプの生物学または化学サンプル中の対象粒子)を分析及びソートするために、フローサイトメータが用いられる。フローセル内では、粒子を含むストリームの周りに液体シースが形成されて、フローストリームに略均一な速度を与えている。フローストリームがフローセルを出るときに経由するノズルは、望ましい流体システム及びソートレートにとって適切なノズル直径を有している。フローセルは、ストリーム内の粒子(たとえば、細胞)を流体力学的にフォーカスして、照射源(たとえば、レーザビーム)の中心を通っている。
【0002】
フローストリーム内の対象粒子が照射源を通過する交差部は、検査点と言われることが多い。対象粒子(たとえば、細胞)が、検査点を通って移動するときに、照射源(たとえば、レーザ)からの光が散乱される。光はまた、蛍光特性を有するセルストリーム内の構成要素(たとえば流体サンプルに添加されて、対象とする特定のセルに付着している蛍光マーカー)を励起することができる。
【0003】
静電気の方法によってセルをソートするフローサイトメータでは、所望のセルは、帯電された液滴内に含まれている。液滴を帯電させるために、フローセルは帯電要素を含んでいる。セルストリームはフローセルから実質的に下方に垂直方向に出るため、液滴もその形成後にその方向に伝搬する。検査レーザによって標的粒子が検出されたときに、標的粒子を含む液滴に電荷を印加する。滴下遅延値は、標的粒子が検出されたレーザ検査点と連続流ストリームから液滴が中断する点との間の時間距離である。中断点より上方では、フローストリームは連続的で接続しており、それより下方では、フローストリームは離散液滴として分離している。一般的に、滴下遅延は、液滴に電荷を印加する前から標的粒子を検査レーザを用いて検出した後までセルソーターが待機する時間(滴等量における)である。フローサイトメータ構成要素内のフローストリームまたはドリフト内に存在する粒子のサイズに変動性があると、フローストリーム内の滴が対象粒子を含むか否かの予測可能性に影響を与える可能性がある。粒子を含む液滴の不正確な予測(たとえば、間違った液滴に電荷を印加すること)があると定性分析にとって有害であり、不正確なセルソートティング、ソートされたサンプルの汚染、ならびに生体サンプルの量的減少に至る可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための方法を含む。ある実施形態による方法は、フローストリームの画像を取り込んで、画像化されたフローストリームを取得することと、画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定することと、特定した外乱に基づいてフローストリームの滴下遅延を計算することとを含む。いくつかの実施形態では、外乱は中断点におけるフローストリームの開扇である。他の実施形態では、外乱は中断点におけるフローストリームの偏向である。実施形態において、方法は、検出フィールドにおいてフローストリームの1つ以上の画像を取り込むことと、検出フィールドにおいてフローストリーム内の外乱を特定することとを含む。いくつかの実施形態では、検出フィールドは、フローストリーム中断点から上流でレーザ照射点から下流のフローストリームを含む。
【0005】
また方法は、いくつかの実施形態により、特定した外乱の最大振幅を形成する滴下遅延を決定することを含む。フローサイトメータの滴下遅延を、ある範囲の滴下遅延に渡って設定してもよく、中断点における外乱を各滴下遅延において視覚化して、特定した外乱の最大振幅を形成する滴下遅延を特定する。いくつかの実施形態では、外乱は中断点におけるフローストリームの開扇であり、本方法は、滴下遅延の範囲に渡ってフローサイトメータを設定することと、中断点においてフローストリームの最大の開扇量を形成する滴下遅延を特定することとを含む。他の実施形態では、外乱はフローストリームの偏向(すなわち、軌道のずれ)であり、本方法は、滴下遅延の範囲に渡ってフローサイトメータを設定することと、フローストリームの長手軸からの最大の偏向量を形成する滴下遅延を特定することとを含む。特定した外乱の最大振幅を形成する滴下遅延を決定するために、位相マスクを適用してもよく、たとえば1/32滴等量増分を有する位相マスクである。
【0006】
本開示のある実施形態により滴下遅延を計算することは、特定した外乱の最大振幅を形成する滴下遅延を決定することと、特定した外乱の最大振幅を形成する決定した滴下遅延に所定の滴等量を添加することとを含む。結果としての滴下遅延は、特定のストリーム条件にとって最適化された滴下遅延である。たとえば、滴等量は1/32滴等量〜1滴等量(たとえば1/2滴等量)の範囲であってもよい。ある状況では、特定した外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に滴等量は添加しない。いくつかの実施形態では、所定の滴等量は半分の滴である。他の実施形態では、フローストリームの滴下遅延を計算することは、所定のオフセットを適用しながら、特定した外乱の最大振幅を形成する滴下遅延を決定することを含む。たとえば、滴下遅延の計算を、1/2滴等量オフセットが適用された後に、特定した外乱の最大振幅を形成する滴下遅延を決定することによって行ってもよい。
【0007】
ある実施形態では、主題の方法によって、フローサイトメータのセットアップ中かまたは異なるサンプルの分析の間にユーザ入力または手動調整を行う必要性が減る。いくつかの実施形態では、対象とする方法は、フローサイトメータを部分的または完全に自動化して、フローサイトメータのパラメータ(たとえば滴下遅延の計算)をプロセッサ制御してもよい。ある実施形態では、本方法は、何らの人間の入力も用いずにフローサイトメータの滴下遅延を決定することを含む。たとえば、方法は、較正粒子(たとえば、蛍光ビーズ)がない状態でフローストリームの滴下遅延を決定することを含んでいてもよい。フローサイトメータのパラメータを、決定した滴下遅延に応じて調整してもよい。たとえばフローストリームの電荷を印加するタイミングを変えること、帯電パルスの継続時間、電荷の電圧を調整すること、またはフローストリームの流量を変えることである。
【0008】
また本開示の態様は、フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するためのシステムを含む。ある実施形態によるシステムは、フローストリームの1つ以上の画像を取り込むように構成された画像センサと、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサとを含み、メモリは、画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定することと、特定した外乱に基づいてフローストリームの滴下遅延を計算することとを行う命令を含む。たとえば、メモリは、中断点におけるフローストリームの開扇または中断点におけるフローストリームの偏向を特定する命令を含んでいてもよい。実施形態において、主題のシステムは、検出フィールドにおいてフローストリームの1つ以上の画像を取り込むことと、検出フィールドにおいてフローストリーム内の外乱を特定することとを行うように構成されている。ある場合には、検出フィールドは、フローストリーム中断点から上流でレーザ照射点から下流のフローストリームを含む。
【0009】
また本開示の態様は、フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含む。ある実施形態による非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、画像センサを用いてフローストリームの画像を取り込むためのアルゴリズム、画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定するためのアルゴリズムと、特定した外乱に基づいてフローストリームの滴下遅延を計算するためのアルゴリズムと、を有する命令が記憶されている。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、特定した外乱の最大振幅を形成する滴下遅延を決定するためのアルゴリズムを含んでいてもよい。これらの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、滴下遅延の範囲に渡ってフローサイトメータを設定するためのアルゴリズムと、特定した外乱のその最大振幅を形成する滴下遅延を決定するためのアルゴリズムとを含む。たとえば、コンピュータ可読記憶媒体は、中断点においてフローストリームの最大開扇量を形成する滴下遅延を決定するアルゴリズム、またはフローストリームの長手軸からの最大の偏向量を形成する滴下遅延を決定するアルゴリズムを含んでいてもよい。
【0010】
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面とともに読んだときに最も良く理解され得る。図面には以下の図が含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ある実施形態によるフローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の態様は、フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための方法及びシステムを含む。ある実施形態による方法は、フローストリームの画像を取り込んで、画像化されたフローストリームを取得することと、画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定することと、特定した外乱に基づいてフローストリームの滴下遅延を計算することとを含む。フローストリームの1つ以上の画像を取り込むための画像センサと、画像化されたフローストリーム内の中断における外乱を特定し、画像化されたフローストリームを用いて滴下遅延を計算するように構成されたプロセッサとを有する主題の方法を実施するためのシステムが提供される。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体も記載されている。
【0013】
本発明をより詳細に説明する前に、当然のことながら、本発明は記載した特定の実施形態には限定されず、したがって変わってもよい。また当然のことながら、本明細書で用いる専門用語は特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することは意図していない。なぜならば、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ限定されるからである。
【0014】
ある値の範囲が与えられた場合、当然のことながら、その範囲の上限値と下限値との間に存在する各値(文脈から明らかにそうでないと示される場合を除いて下限値の単位の10分の1まで)及びその記載範囲における任意の他の記載値または間に存在する値が本発明に包含される。これらのより小さい範囲の上限値及び下限値は、独立してより小さい範囲に含めてもよく、やはり本発明に包含されるが、記載範囲における任意の具体的に除外された限界の支配を受ける。記載範囲に限界の一方または両方が含まれる場合、含まれるこれらの限界の一方または両方を除外する範囲も本発明に含まれる。
【0015】
別に定義がない限り、本明細書で用いる技術及び科学用語はすべて、本発明が属する当業者が広く理解するものと同じ意味を有する。本明細書で説明したものと同様または同等の任意の方法及び材料を、本発明を実施または試験するときに用いることもできるが、典型的な例示的方法及び材料について次に説明する。
【0016】
本明細書中で引用した刊行物及び特許はすべて、個々の刊行物または特許が参照により取り入れられることを具体的及び別個に示されたかのように、本明細書において参照により取り入れられ、また刊行物を引用する際に伴う方法及び/または材料を開示及び記載するように、本明細書において参照により取り入れられている。任意の刊行物を引用することは、出願日前にそれを開示するためであり、本発明には先行発明によってこのような刊行物に先行する権利がないと認めていることであると解釈すべきではない。さらに、記載した刊行物の日付は、独立に確認する必要があり得る実際の刊行日付と異なっている場合がある。
【0017】
本明細書で用いる場合、また添付の請求項では、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈から明らかにそうでないと示される場合を除いて複数の指示対象を含むことに注意されたい。さらに、任意の随意的な要素を除外するように請求項が作成されている場合があることに注意されたい。したがって、この記載は、「単に(solely)」、「単に(only)」などの排他的な専門用語を請求項要素の説明と共に用いるためのまたは「否定的な(negative)」限定を用いるための先行詞として機能することが意図されている。
【0018】
本開示を読めば当業者には明らかとなるように、本明細書で記載及び例示する個々の実施形態がそれぞれ有する別個の部品及び特徴は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離してもよいしまたはそれらと組み合わせてもよい。任意の説明した方法を、説明した事象の順序で行うこともできるし、または論理的に可能な任意の他の順序で行うこともできる。
【0019】
上記に要約したように、本開示によって、フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための方法が提供される。開示の実施形態についてさらに説明するなかで、中断点におけるフローストリーム内の特定した外乱に基づいて滴下遅延を決定するための方法について、最初により詳細に記載する。次に、フローストリームの1つ以上の画像を取り込むための画像センサと、取り込み画像のうちの1つ以上を用いて滴下遅延を計算するように構成されたプロセッサとを有するシステムについて説明する。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0020】
フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための方法
上記に要約したように、本開示の態様は、フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための方法を含む。ある実施形態による方法は、フローストリームの画像を取り込んで、画像化されたフローストリームを取得することと、画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定することと、特定した外乱に基づいてフローストリームの滴下遅延を計算することとを含む。実施形態において、主題の方法を完全に自動化して、フローストリームの滴下遅延をユーザ入力するかまたは手動で決定する必要性を減らすかまたは全体的になくしてもよい。ある実施形態では、主題の方法によって、たとえばフローサイトメータのセットアップ中に、または異なるサンプルの分析において、フローサイトメータシステムの滴下遅延を決定するために蛍光粒子(たとえば、ビーズ)を用いることがなくなる。言い換えれば、ある実施形態において滴下遅延を決定することは、人間の介入またはユーザによる手動入力の必要が皆無かそれに近くてもよい。後に詳述するように、方法はまた、何らの人間の介入もなく、決定した滴下遅延を用いてフローサイトメータの1つ以上のパラメータを調整することを含んでいてもよい。たとえば、フローストリームに電荷を印加するタイミング、電荷を印加するときのパルス幅またはフローストリームの流量を、決定した滴下遅延を用いて調整してもよい。
【0021】
ある実施形態による方法を実施するとき、フローサイトメータフローストリームの1つ以上の画像を、たとえば検出フィールドにおいて取り込む。「検出フィールド」によって意味するところは、1つ以上の画像センサによって画像化されるフローストリームの領域である。実施形態において、方法は、検出フィールドにおいて、フローストリームの0.001cm以上、たとえば0.005cm以上、たとえば0.01cm以上、たとえば0.05cm以上、たとえば0.1cm以上、たとえば0.5cm以上、たとえば1cm以上、たとえば2cm以上、たとえば5cm以上、またたとえばフローストリームの10cm以上に及ぶ画像を取り込むことを含んでいてもよい。画像化される検出フィールドは変わってもよい。実施形態において、検出フィールドはフローストリームの所定の長さである。いくつかの実施形態では、検出フィールドは、フローストリーム中断点から上流でサンプル検査点(たとえば、レーザ検査点)から下流のフローストリームを含む。後に詳述するように、フローストリーム内の外乱を、画像化されたフローストリームの中で特定する。たとえば中断点におけるフローストリームの開扇または偏向である。いくつかの例では、検出フィールドの境界はフローセルノズルオリフィスを含む。
【0022】
フローストリームの1つ以上の画像を取り込むとき、検出フィールドを光源によって照明する。いくつかの実施形態では、フローストリームを広帯域光源または狭帯域の光を用いて照明する。好適な広帯域光源プロトコルとしては以下のものを挙げてもよい(しかし、これらに限定されない)。数ある広帯域光源の中で、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定されたファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを伴う広帯域LED、超放射発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広スペクトルLED白色光源、マルチLED内蔵白色光源、またはそれらの任意の組み合わせである。好適な狭帯域光源としては以下が挙げられる(しかし、これらに限定されない)。1つ以上の光バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、またはそれらの任意の組み合わせに結合された狭波長LED、レーザーダイオード、または広帯域光源である。ある実施形態では、フローストリームの1つ以上の画像を、赤外線LEDのアレイを用いて検出フィールドを照明することによって取り込む。
【0023】
ある実施形態では、光源はストロボ光源であり、フローストリームを周期的な光の点滅を用いて照明する。たとえば、光ストロボの周波数は、0.01キロヘルツ以上、たとえば0.05キロヘルツ以上、たとえば0.1キロヘルツ以上、たとえば0.5キロヘルツ以上、たとえば1キロヘルツ以上、たとえば2.5キロヘルツ以上、たとえば5キロヘルツ以上、たとえば10キロヘルツ以上、たとえば25キロヘルツ以上、たとえば50キロヘルツ以上、またたとえば100キロヘルツ以上であってもよい。ある場合には、ストローブ周波数を液滴駆動周波数と同期させる。他の場合では、ストローブ周波数を画像取り込みと同期させる。
【0024】
フローストリームの1つ以上の画像を取り込むことは、フローストリームを光源の組み合わせ、たとえば2つ以上の光源、たとえば3つ以上の光源、たとえば4つ以上の光源、またたとえば5つ以上の光源を用いて照明することを含んでいてもよい。2つ以上の光源を用いる場合、フローストリームを、光源を用いて同時にまたは順次に、またはそれらの組み合わせで照明してもよい。たとえば、2つの光源を用いて照明することによってフローストリームの画像を取り込む場合、主題の方法は、両方の光源を用いてフローストリームを同時に照明することを含んでいてもよい。他の実施形態では、フローストリームの画像を取り込むことは、2つの光源を用いて順次に照明することを含んでいてもよい。2つの光源で順次に照明する場合、各光源がフローストリームを照明する時間は独立に、0.001秒以上、たとえば0.01秒以上、たとえば0.1秒以上、たとえば1秒以上、たとえば5秒以上、たとえば10秒以上、たとえば30秒以上、またたとえば60秒以上であってもよい。2つ以上の光源を用いて順次に照明することによってフローストリームの画像を取り込む実施形態では、フローストリームを各光源によって照明する継続時間は同じであってもよいしまたは異なっていてもよい。
【0025】
フローストリームの画像を連続的にまたは別個の間隔で取り込んでもよい。ある場合には、方法は連続的に画像を取り込むことを含んでいてもよい。他の場合では、方法は、画像を離散間隔で取り込むことを含む。たとえばフローストリームの画像を、0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごと、またたとえば1000ミリ秒ごと、または何らかの他の間隔で取り込む。
【0026】
1つ以上の画像を検出フィールドにおいて取り込んでもよい。たとえば各検出フィールドにおいてフローストリームの2つ以上の画像、たとえば3つ以上の画像、たとえば4つ以上の画像、たとえば5つ以上の画像、たとえば10個以上の画像、たとえば15個以上の画像、またたとえば25個以上の画像である。後に詳述するように、方法は、特定した外乱の最大振幅を形成する滴下遅延を、異なる滴下遅延の範囲に渡って掃引することによって決定することと、各滴下遅延における外乱の振幅を決定することとを含む。これらの実施形態では、1つ以上の画像を、異なる滴下遅延設定のそれぞれにおいて取り込む。
【0027】
各検出フィールドにおけるフローストリームの画像は、フローストリームの利用可能な画像が取り込まれる限り、フローストリームから任意の好適な間隔で取り込んでもよい。たとえば、各検出フィールドにおける画像を、フローストリームから0.01mm以上、たとえば0.05mm以上、たとえば0.1mm以上、たとえば0.5mm以上、たとえば1mm以上、たとえば2.5mm以上、たとえば5mm以上、たとえば10mm以上、たとえば15mm以上、たとえば25mm以上、またたとえばフローサイトメータフローストリームから50mm以上において取り込んでもよい。また各検出フィールドにおけるフローストリームの画像を、フローストリームから任意の角度で取り込んでもよい。たとえば、各検出フィールドにおける画像を、フローストリームの軸に対して10°〜90°、たとえば15°〜85°、たとえば20°〜80°、たとえば25°〜75°、またたとえば30°〜60°の範囲の角度で取り込んでもよい。ある実施形態では、各検出フィールドにおける画像を、フローストリームの軸に対して90°の角度で取り込んでもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数の異なる滴下遅延においてフローサイトメータを設定することと、異なる滴下遅延のそれぞれにおいてフローストリームの1つ以上の画像を取り込むこととを含む。ある場合には、フローストリームの1つ以上の画像を取り込むことを、フローサイトメータの滴下遅延を、1/128滴等量以上、たとえば1/64滴等量以上、たとえば1/32滴等量以上、たとえば1/16滴等量以上、たとえば1/8滴等量以上、たとえば1/4滴等量以上、たとえば1/2滴等量以上、たとえば1滴等量以上、たとえば2滴等量以上、たとえば3滴等量以上、たとえば4滴等量以上の滴等量増分で変えながら行い、またたとえば、フローストリームの1つ以上の画像を取り込むことを、フローサイトメータの滴下遅延を5滴等量以上の増分で変えながら行う。
【0029】
一例では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1/32滴等量の増分で変えながらフローストリームの1つ以上の画像を取り込むことを含む。別の例では、本方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1/4滴等量の増分で変えながらフローストリームの1つ以上の画像を取り込むことを含む。さらに別の例では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1/2滴等量の増分で変えながらフローストリームの1つ以上の画像を取り込むことを含む。さらに別の例では、本方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1滴等量の増分で変えながらフローストリームの1つ以上の画像を取り込むことを含む。さらに別の例では、本方法は、フローサイトメータの滴下遅延を2滴等量の増分で変えながらフローストリームの1つ以上の画像を取り込むことを含む。
【0030】
ある実施形態では、本方法は、フローサイトメータの滴下遅延を連続的に変えることと、フローストリームをリアルタイムでモニタすることとを含む。フローサイトメータの滴下遅延を任意の好適なレートで変えてもよい。たとえば、滴下遅延を、1分あたり1/128滴等量以上、たとえば1分あたり1/64滴等量以上、たとえば1分あたり1/32滴等量以上、たとえば1分あたり1/16滴等量以上、たとえば1分あたり1/8滴等量以上、たとえば1分あたり1/4滴等量以上、たとえば1分あたり1/2滴等量以上、たとえば1滴等量以上/分、たとえば1分あたり2滴等量以上、たとえば1分あたり3滴等量以上、たとえば1分あたり5滴等量以上、またたとえば1分あたり10滴等量以上で変える。
【0031】
上記に要約したように、本方法は、画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定することを含む。用語「中断点」は、本明細書ではその従来の意味で用いられ、フローストリームが別個の液滴として分離されるフローストリームの位置を指す。言い換えれば、中断点から上流では、フローストリームは連続的で接続された流体ストリームであり、中断点から下流では、フローストリームは互いとの物理的接触がない複数の液滴からなる。中断点におけるフローストリーム内の「外乱」によって意味するところは、フローストリームの1つ以上の特性の望ましくない変化である。たとえば、中断点におけるフローストリームの外乱は、フローストリーム液滴中の標的粒子の存在から生じてもよい。いくつかの実施形態では、外乱は中断点におけるフローストリームの流量の変化である。他の実施形態では、外乱は、フローストリームの望ましくない偏向(すなわち、軌道の角度のずれ)である。ある実施形態では、外乱は中断点におけるフローストリームの開扇である。用語「開扇」は、本明細書ではその従来の意味で用いられ、中断点におけるフローストリームから発する複数の液滴の軌道の望ましくないずれを指す。言い換えれば、中断点においてフローストリームの開扇があると、液滴がフローストリームの長手軸に対して1つ以上の望ましくない角度で偏向することになる。
【0032】
中断点におけるフローストリーム内の外乱を、任意の好都合なプロトコルを用いて特定してもよい。いくつかの実施形態では、フローストリーム内の外乱を、画像化されたフローストリームの中で中断点においてフローストリームが開扇していることを視覚化することによって特定する。たとえば、方法は、中断点におけるフローストリームの液滴が、フローストリームの長手軸に対して2つ以上の望ましくない角度、たとえば3つ以上の望ましくない角度、たとえば4つ以上の望ましくない角度、たとえば5つ以上の望ましくない角度、またたとえば10以上の望ましくない角度で偏向していることを視覚化することを含んでいてもよい。これらの実施形態では、複数の液滴の軌道は、5°以上、たとえば10°以上、たとえば15°以上、たとえば20°以上、たとえば25°以上、たとえば30°以上、たとえば35°以上、たとえば40°以上、たとえば45°以上、たとえば60°以上、たとえば75°以上、またたとえば85°以上、外れていてもよい。たとえば、複数の液滴の軌道は、5°〜90°、たとえば10°〜85°、たとえば15°〜80°、たとえば20°〜75°、たとえば25°〜70°、たとえば30°〜65°、たとえば35°〜60°、またたとえば40°〜55°、外れてもよい。
【0033】
他の実施形態では、フローストリーム内の外乱を、画像化されたフローストリームの中の中断点において望ましくない角度でフローストリームが偏向していることを視覚化することによって特定する。ある場合には、フローストリームは、5°以上、たとえば10°以上、たとえば15°以上、たとえば20°以上、たとえば25°以上、たとえば30°以上、たとえば35°以上、たとえば40°以上、たとえば45°以上、たとえば60°以上、たとえば75°以上、またたとえば85°以上、偏向される。たとえば、方法は、フローストリームが中断点において、5°〜90°範囲の角度、たとえば10°〜85°、たとえば15°〜80°、たとえば20°〜75°、たとえば25°〜70°、たとえば30°〜65°、たとえば35°〜60°、またたとえば40°〜55°で偏向されていることを視覚化することによって、フローストリーム内の外乱を特定することを含んでいてもよい。
【0034】
本開示の実施形態では、フローストリームの滴下遅延を特定した外乱に基づいて計算する。ある実施形態では、滴下遅延の計算を、中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定することと、外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に所定の滴等量を添加することとによって行う。取り込み画像から、フローストリームが中断点において外乱の最大振幅を示すときを判定することは、たとえばユーザが各取り込み画像を観察することによって手動で実現してもよいし、または取り込み画像のそれぞれを評価するアルゴリズムを有するプロセッサが、外乱の最大振幅(たとえば、フローストリームの最大開扇または最大ストリーム偏向)を決定するように構成されたコンピュータ制御を行ってもよい。中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定するために、フローサイトメータを複数の異なる滴下遅延に渡って変えてもよく、フローストリームの中断点における外乱の1つ以上の画像を、異なる滴下遅延のそれぞれにおいて取り込んでもよい。たとえば、中断点における外乱の1つ以上の画像の取り込みを、フローサイトメータの滴下遅延を1/32滴等量以上、たとえば1/16滴等量以上、たとえば1/8滴等量以上、たとえば1/4滴等量以上、たとえば1/2滴等量以上、たとえば1滴等量以上、たとえば2滴等量以上、たとえば3滴等量以上、たとえば4滴等量以上の増分で変えながら行ってもよく、またたとえば、フローストリームの1つ以上の画像の取り込みを、フローサイトメータの滴下遅延を5滴等量以上の増分で変えながら行ってもよい。
【0035】
一例では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1/128滴等量の増分で変えながらフローストリームの中断点における外乱の1つ以上の画像を取り込むことを含む。別の例では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1/64滴等量の増分で変えながらフローストリームの中断点における外乱の1つ以上の画像を取り込むことを含む。別の例では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1/32滴等量の増分で変えながらフローストリームの中断点における外乱の1つ以上の画像を取り込むことを含む。別の例では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1/16滴等量の増分で変えながらフローストリームの中断点における外乱の1つ以上の画像を取り込むことを含む。別の例では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1/18滴等量の増分で変えながらフローストリームの中断点における外乱の1つ以上の画像を取り込むことを含む。別の例では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1/4滴等量の増分で変えながらフローストリームの中断点における外乱の1つ以上の画像を取り込むことを含む。さらに別の例、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1/2滴等量の増分で変えながらフローストリームの中断点における外乱の1つ以上の画像を取り込むことを含む。さらに別の例では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を1滴等量の増分で変えながらフローストリームの中断点における外乱の1つ以上の画像を取り込むことを含む。さらに別の例では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を2滴等量の増分で変えながらフローストリームの中断点における外乱の1つ以上の画像を取り込むことを含む。
【0036】
ある実施形態では、方法は、フローサイトメータの滴下遅延を連続的に変えることと、フローストリームの中断点における外乱をリアルタイムで(たとえば、肉眼でまたはリアルタイムカメラで)モニタすることとを含む。これらの実施形態では、フローストリームの中断点における外乱をモニタしながら、フローサイトメータの滴下遅延を、1分あたり1/128滴等量以上で、たとえば1分あたり1/64滴等量以上で、たとえば1分あたり1/32滴等量以上で、たとえば1分あたり1/16滴等量以上で、たとえば1分あたり1/8滴等量以上で、たとえば1分あたり1/4滴等量以上で、たとえば1分あたり1/2滴等量以上で、たとえば1滴等量以上/分で、たとえば1分あたり2滴等量以上で、たとえば1分あたり3滴等量以上で、たとえば1分あたり5滴等量以上で、またたとえば1分あたり10滴等量以上で変えてもよい。
【0037】
本開示のある実施形態によりフローストリームの滴下遅延を計算することは、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する決定した滴下遅延に所定の滴等量を添加することを含む。たとえば、本方法は、1/32滴等量以上、たとえば2/32滴等量以上、たとえば3/32滴等量以上、たとえば4/32滴等量以上、たとえば5/32滴等量以上、たとえば6/32滴等量以上、たとえば7/32滴等量以上、たとえば8/32滴等量以上、たとえば10/32滴等量以上、たとえば12/32滴等量以上、たとえば14/32滴等量以上、またたとえば16/32滴等量(すなわち、1/2滴等量)以上を添加することを含んでいてもよい。ある場合には、フローストリームの滴下遅延を計算することは、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する決定された滴下遅延に0.01滴〜5滴の範囲の滴等量を添加することを含む。たとえば0.05滴〜4.5滴、たとえば0.1滴〜4滴、たとえば0.5滴〜3.5滴、またたとえば1滴〜3滴の範囲の滴等量である。
【0038】
いくつかの実施形態では、中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定することは、位相マスクを適用することを含む。用語「位相マスク」は、本明細書ではその従来の意味で用いられ、フローサイトメータが用いるあるタイプのセルソーティングマスクであって、液滴の端部またはその付近に標的粒子がないフローストリーム内の液滴のソーティングをもたらすセルソーティングマスクを指す。位相マスクは任意の好都合なサイズであってもよい。たとえば1/128滴等量以上、たとえば1/64滴等量以上、たとえば1/32滴等量以上、たとえば2/32滴等量以上、たとえば3/32滴等量以上、たとえば4/32滴等量以上、たとえば5/32滴等量以上、たとえば6/32滴等量以上、たとえば7/32滴等量以上、またたとえば8/32滴等量以上の位相マスクである。
【0039】
ある状況では、フローストリームの滴下遅延を計算することは、オフセット位相マスクを適用して、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に所定の滴等量を添加しながら、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定することを含む。これらの実施形態では、オフセット位相マスクは、1/128滴等量以上、たとえば1/64滴等量以上、たとえば1/32滴等量以上、たとえば2/32滴等量以上、たとえば3/32滴等量以上、たとえば4/32滴等量以上、たとえば5/32滴等量以上、たとえば6/32滴等量以上、たとえば7/32滴等量以上、たとえば8/32滴等量以上、たとえば10/32滴等量以上、たとえば12/32滴等量以上、たとえば14/32滴等量以上、またたとえば16/32滴等量(すなわち、1/2滴等量)以上であってもよい。
【0040】
オフセット位相マスクのサイズに応じて、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に添加する所定の滴等量を変える。たとえば、本方法は、1/128滴等量以上、たとえば1/64滴等量以上、たとえば1/32滴等量以上、たとえば2/32滴等量以上、たとえば3/32滴等量以上、たとえば4/32滴等量以上、たとえば5/32滴等量以上、たとえば6/32滴等量以上、たとえば7/32滴等量以上、たとえば8/32滴等量以上、たとえば10/32滴等量以上、たとえば12/32滴等量以上、たとえば14/32滴等量以上、またたとえば16/32滴等量(すなわち、1/2滴等量)以上を添加することを含んでいてもよい。ある場合には、フローサイトメータの滴下遅延を計算するために、オフセット位相マスクが適用された滴下遅延に0.01滴〜5滴の範囲の滴等量を添加する。たとえば0.05滴〜4.5滴、たとえば0.1滴〜4滴、たとえば0.5滴〜3.5滴、またたとえば1滴〜3滴の範囲の滴等量である。
【0041】
上記で要約したように、主題の方法はまた、何らの人間の介入も伴うことなく、決定した滴下遅延を用いてフローサイトメータの1つ以上のパラメータを調整することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、フローストリームに電荷を印加するタイミングを、決定した滴下遅延に応じて調整してもよい。たとえば、ある場合には、フローストリームに電荷を印加することを0.001ミリ秒以上、たとえば0.005ミリ秒以上、たとえば0.01ミリ秒以上、たとえば0.05ミリ秒以上、たとえば0.1ミリ秒以上、たとえば0.5ミリ秒以上、たとえば1ミリ秒以上、たとえば5ミリ秒以上、たとえば10ミリ秒以上、たとえば100ミリ秒以上、遅延させてもよく、またたとえばフローストリームに対する電荷の印加を500ミリ秒以上、遅延させてもよい。
【0042】
他の実施形態では、フローストリームに電荷を印加する間のパルス幅を、決定した滴下遅延に応じて調整してもよい。一例では、パルス幅の増加を、たとえば0.001ミリ秒以上、たとえば0.005ミリ秒以上、たとえば0.01ミリ秒以上、たとえば0.05ミリ秒以上、たとえば0.1ミリ秒以上、たとえば0.5ミリ秒以上、たとえば1ミリ秒以上、たとえば5ミリ秒以上、たとえば10ミリ秒以上、たとえば100ミリ秒以上、またたとえば500ミリ秒以上、行ってもよい。別の例では、パルス幅の減少を、たとえば0.001ミリ秒以上、たとえば0.005ミリ秒以上、たとえば0.01ミリ秒以上、たとえば0.05ミリ秒以上、たとえば0.1ミリ秒以上、たとえば0.5ミリ秒以上、たとえば1ミリ秒以上、たとえば5ミリ秒以上、たとえば10ミリ秒以上、たとえば100ミリ秒以上、またたとえば500ミリ秒以上、行ってもよい。
【0043】
さらに他の実施形態では、フローストリームの流量を、決定した滴下遅延を用いて調整してもよい。ある場合には、決定した滴下遅延に応じてフローストリームの流量を増加させることを、たとえばフローストリームの流量を0.1μL/分以上、たとえば0.5μL/分以上、たとえば1μL/分以上、たとえば5μL/分以上、たとえば10μL/分以上、たとえば25μL/分以上、たとえば50μL/分以上、たとえば100μL/分以上、たとえば250μL/分以上、またたとえば500μL/分以上、増加させることによって行ってもよい。たとえば、フローストリームの流量を、決定した滴下遅延に応じて1%以上、たとえば5%以上、たとえば10%以上、たとえば15%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、たとえば75%以上、増加させてもよく、またたとえばフローストリームの流量を90%以上、増加させてもよい。他の場合では、決定した滴下遅延に応じてフローストリームの流量を減少させることを、たとえば流量を0.1μL/分以上、たとえば0.5μL/分以上、たとえば1μL/分以上、たとえば5μL/分以上、たとえば10μL/分以上、たとえば25μL/分以上、たとえば50μL/分以上、たとえば100μL/分以上、たとえば250μL/分以上、またたとえば500μL/分以上、減少させることによって行ってもよい。たとえば、フローストリームの流量を、決定した滴下遅延に応じて1%以上、たとえば5%以上、たとえば10%以上、たとえば15%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、たとえば75%以上、減少させてもよく、またたとえばフローストリームの流量を90%以上、減少させてもよい。
【0044】
さらに他の実施形態では、液滴の帯電電圧を、決定した滴下遅延に応じて調整してもよい。たとえば、ある場合には、液滴の帯電電圧を、たとえば0.01V以上、たとえば0.05V以上、たとえば0.1V以上、たとえば0.5V以上、たとえば1V以上、たとえば5V以上、たとえば10V以上、たとえば15V以上、たとえば25V以上、たとえば50V以上、増加させ、またたとえば液滴の帯電電圧を75V以上、増加させる。たとえば、液滴の帯電電圧を1%以上、たとえば5%以上、たとえば10%以上、たとえば15%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、たとえば75%以上、増加させてもよく、またたとえば液滴の帯電電圧を90%以上、増加させてもよい。他の場合では、液滴の帯電電圧を、たとえば0.01V以上、たとえば0.05V以上、たとえば0.1V以上、たとえば0.5V以上、たとえば1V以上、たとえば5V以上、たとえば10V以上、たとえば15V以上、たとえば25V以上、たとえば50V以上、減少させ、またたとえば液滴の帯電電圧を75V以上、減少させる。たとえば、液滴の帯電電圧を、1%以上、たとえば5%以上、たとえば10%以上、たとえば15%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、たとえば75%以上、減少させてもよく、またたとえば液滴の帯電電圧を90%以上、減少させてもよい。
【0045】
図1に、ある実施形態によるフローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するためのフロー図を示す。ステップ1において、フローストリームの1つ以上の画像を取り込む。前述したように、フローストリームの画像を検出フィールドにおいて(たとえば、フローストリームの中断点を含む検出フィールドにおいて)取り込んでもよい。ステップ2において、フローストリームの中断点における外乱を特定する。たとえば、外乱はフローストリームの偏向またはフローストリームの開扇であってもよい。滴下遅延を特定した外乱に基づいて計算する。ステップ3Aでは、中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定する。ステップ3Bにおいて、オフセット位相マスクを適用して、中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定する。ステップ4Aにおいて、ステップ3Aで決定した滴下遅延に所定の滴等量を添加する。ステップ4Bにおいて、ステップ3Bで決定した滴下遅延に所定の滴等量を添加する。ステップ5において、フローサイトメータの1つ以上のパラメータを、決定した滴下遅延に応じて調整してもよい。
【0046】
フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するためのシステム
また本開示の態様は、フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するためのシステムを含む。ある実施形態によるシステムは、フローストリームの1つ以上の画像を取り込むように構成された画像センサと、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサとを含み、メモリは、画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定することと、特定した外乱に基づいてフローストリームの滴下遅延を計算することとを行う命令を含む。前述したように、対象とするシステムを完全に自動化して、フローサイトメータの滴下遅延をユーザ入力するかまたは手動で決定する必要性を減らすかまたは全体的になくしてもよい。実施形態において、システムは、蛍光粒子(たとえば、ビーズ)を用いることなく、フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するように構成されている。たとえば、システムを、フローサイトメータのセットアップ中かまたは異なるサンプルの分析の間に滴下遅延を自動的に決定するように構成してもよい。言い換えれば、ある実施形態において滴下遅延を決定することは、人間の介入、ユーザによる手動入力または開始の必要が皆無かそれに近くてもよい。
【0047】
上記で要約したように、システムは、たとえば1つ以上の検出フィールドにおいてフローサイトメータフローストリームの画像を取り込むように構成された1つ以上の画像センサを含む。前述したように、用語「検出フィールド」は、1つ以上の画像センサによって画像化されるフローストリームの領域を指す。検出フィールドは、検査しているフローストリームの特性に応じて変わってもよい。実施形態において、検出フィールドは、フローストリームの0.001mm以上、たとえば0.005mm以上、たとえば0.01mm以上、たとえば0.05mm以上、たとえば0.1mm以上、たとえば0.5mm以上、たとえば1mm以上、たとえば2mm以上、たとえば5mm以上、またたとえばフローストリームの10mm以上に及んでもよい。実施形態において、検出フィールドはフローストリームの所定の長さである。いくつかの実施形態では、検出フィールドは、フローストリーム中断点から上流でサンプル検査点(たとえば、レーザ検査点)から下流のフローストリームを含む。いくつかの例では、検出フィールドの境界はフローセルノズルオリフィスを含む。
【0048】
システムは、検出フィールドにおけるフローストリームの画像を取り込むように構成された1つ以上の画像センサを含む。画像センサは、光学画像を取り込んで電子データ信号に変換することができる任意の好適なデバイスであってもよい。たとえば、限定することなく、電荷結合素子、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、またはN型金属酸化膜半導体(NMOS)画像センサである。いくつかの実施形態では、画像センサはCCDカメラである。たとえば、カメラは電子増倍CCD(EMCCD)カメラまたは増強CCD(ICCD)カメラであってもよい。他の実施形態では、画像センサはCMOS型カメラである。
【0049】
検査している検出フィールドの長さ及びフローサイトメータのサイズに応じて、主題のシステムにおける画像センサの数は、必要に応じて変わってもよい。たとえば、主題のシステムは、1つの画像センサ以上、たとえば2つの画像センサ以上、たとえば3つの画像センサ以上、たとえば4つの画像センサ以上、たとえば5つの画像センサ以上、またたとえば10個の画像センサ以上を含んでいてもよい。ある実施形態では、システムは1つの画像センサを含む。他の実施形態では、システムは2つの画像センサを含む。システムが2つ以上の画像センサを含む場合、各画像センサを他に対して(X−Y平面内で参照して)、10°〜90°、たとえば15°〜85°、たとえば20°〜80°、たとえば25°〜75°、またたとえば30°〜60°の範囲の角度で配向してもよい。ある実施形態では、各画像センサは互いに直交して(X−Y平面内で参照して)配向されている。たとえば、主題のシステムが2つの画像センサを含む場合、第1の画像センサは、第2の画像センサに対して直交して(X−Y平面内で参照して)配向されている。
【0050】
主題のシステムが2つ以上の画像センサを含む場合、各画像センサは同じであってもよいしまたは異なるセンサの組み合わせであってもよい。たとえば、主題のシステムが2つの画像センサを含む場合、いくつかの実施形態では、第1の画像センサはCCDタイプのデバイスであり、第2の画像センサはCMOSタイプのデバイスである。他の実施形態では、第1及び第2の画像センサは両方ともCCD型デバイスである。さらに他の実施形態では、第1及び第2の画像センサは両方ともCMOS型デバイスである。
【0051】
いくつかの実施形態では、画像センサは固定されていて、フローサイトメータ内での単一位置を維持している。他の実施形態では、画像センサをフローストリームの経路に沿って動くように構成してもよい。たとえば、画像センサを、フローストリームと並んで上流及び下流に動いて、複数の検出フィールドにおいて画像を取り込むように構成してもよい。たとえば、システムは、フローストリームに沿った2つ以上の異なる検出フィールドにおいて画像を取り込むように適合された画像センサを含んでいてもよい。たとえばフローストリーム中断点から上流でサンプル検査点から下流のフローストリームを含む第1の検出フィールドと、偏向プレートから下流のフローストリームを含む第2の検出フィールド(フローストリームは偏向プレートから上流で電荷を受ける)とである。画像センサがフローストリームに沿って動くように構成されている場合、画像センサをフローストリーム経路に沿って連続的にまたは別個の間隔で動かしてもよい。いくつかの実施形態では、画像センサを連続的に変位させる。他の実施形態では、画像センサを、別個の間隔(たとえば、1mm以上の増分、たとえば2mm以上の増分、またたとえば5mm以上の増分)でフローストリーム経路に沿って変位させてもよい。
【0052】
画像センサを、振動トランスデューサによって複数の周波数をそれぞれ(前述したように)印加する間に連続的にまたは別個の間隔で画像を取り込むように構成してもよい。ある場合には、対象とする画像センサは画像を連続的に取り込むように構成されている。他の場合では、画像センサは、離散間隔で測定するように、たとえばフローストリームの画像を0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごと、またたとえば1000ミリ秒ごと、または何らかの他の間隔で取り込むように構成されている。
【0053】
後に詳述するように、画像センサはフローストリームの1つ以上の画像を取り込むように構成されている。たとえば、画像センサを、検出フィールドにおいてフローストリームの2つ以上の画像、たとえば3つ以上の画像、たとえば4つ以上の画像、たとえば5つ以上の画像、たとえば10個以上の画像、たとえば15個以上の画像、またたとえば25個以上の画像を取り込むように構成してもよい。複数の画像を検出フィールドにおいて取り込む場合、プロセッサは、複数の画像を(必要に応じて)組み合わせるためにデジタル画像処理アルゴリズムを含んでいてもよい。
【0054】
フローストリームレート及び所望の画像分解能に応じて、フルセンサを読み出すときの画像センサの露光時間は100ms以下、たとえば75ms以下、たとえば50ms以下、たとえば25ms以下、たとえば10ms以下、たとえば5ms以下、たとえば1ms以下、たとえば0.1ms以下、たとえば0.01ms以下、たとえば0.001ms以下、たとえば0.0001ms以下、たとえば0.00001ms以下であってもよく、またたとえば露光時間は0.000001ms以下であってもよい。たとえば、フローストリーム中断点から上流でサンプル検査点から下流のフローストリームを含む検出フィールドにおいてフローストリームの画像を取り込む検出フィールドでの画像センサの露光時間は、0.0001ms〜10ms、たとえば0.001ms〜5ms、たとえば0.01ms〜2ms、またたとえば0.1ms〜1msの範囲の露光時間を有していてもよい。
【0055】
ある実施形態では、主題のシステムにおける画像センサは、1Mのアクティブピクセル以上、たとえば1.5M以上、たとえば、2M以上、2.5M以上、または3M以上を有していてもよい。ある態様では、ピクセルは約0.3μmの実際の物理的寸法に対応する。検出フィールドに応じて、ある場合には、画像センサのセンサ領域は150mm2 以上、たとえば約150mm2 〜約175mm2 、約175mm2 〜約200mm2 、200mm2 〜約225mm2 、約225mm2 〜約250mm2 、約250mm2 〜約300mm2 、約300mm2 〜約400mm2 、約400mm2 〜約500mm2 、約500mm2 〜約750mm2 、約750mm2 〜約1000mm2 、または約1000mm2 以上である。
【0056】
画像センサは、センサが検出フィールドにおいてフローストリームの画像を取り込むことができる限り、フローサイトメータフローストリームから任意の好適な間隔に位置してよい。たとえば、画像センサは、フローストリームから0.01mm以上、たとえば0.05mm以上、たとえば0.1mm以上、たとえば0.5mm以上、たとえば1mm以上、たとえば2.5mm以上、たとえば5mm以上、たとえば10mm以上、たとえば15mm以上、たとえば25mm以上、またたとえばフローサイトメータフローストリームから50mm以上に位置していてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、画像センサはフローストリーム軸に対してある角度で位置する。たとえば、画像センサはフローストリームの軸に対して10°〜90°、たとえば15°〜85°、たとえば20°〜80°、たとえば25°〜75°、またたとえば30°〜60°の範囲の角度で位置していてもよい。ある実施形態では、画像センサはフローストリームの軸に対して90°の角度で位置する。
【0058】
ある場合には、画像センサは光学調整プロトコルも含む。「光学調整」によって意味するところは、画像センサによる検出フィールドの画像の取り込みを必要に応じて変えて、取り込んだ寸法を増加もしくは減少させるかまたは画像の光学分解能を高めてもよいことである。ある場合には、光学調整は、画像センサが取り込んだ検出フィールドのサイズを、たとえば5%以上、たとえば10%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、増加させるように、またたとえば画像センサの検出フィールドを75%以上、増加させるように構成された拡大プロトコルである。他の場合では、光学調整は、画像センサが取り込んだ検出フィールドのサイズを、たとえば5%以上、たとえば10%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、減少させるように、またたとえば画像センサが取り込んだ検出フィールドのサイズを75%以上、減少させるように構成された縮小プロトコルである。ある実施形態では、光学調整は、取り込み画像の分解能を、たとえば5%以上、たとえば10%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、向上させるように、またたとえば取り込み画像の分解能を75%以上、高めるように構成された強化された分解能プロトコルである。画像センサによって検出フィールドの画像を取り込むことを、任意の好都合な光学調整プロトコルを用いて調整してもよい。たとえば、限定することなく、レンズ、ミラー、フィルタ、及びそれらの組み合わせである。ある実施形態では、画像センサは集束レンズを含む。集束レンズは、たとえば縮小レンズであってもよい。他の実施形態では、集束レンズは拡大レンズである。
【0059】
本開示の画像センサはまた、1つ以上の波長分離器を含んでいてもよい。用語「波長分離器」は、本明細書ではその従来の意味で用いて、多色光をその成分波長に分離して検出するための光プロトコルを指す。波長分離は、ある実施形態によれば、特定の波長または波長範囲の多色光を選択的に通すかまたは遮ることを含んでいてもよい。光の波長を分離するために、透過光を任意の好都合な波長分離プロトコルに通してもよい。たとえば、数ある波長分離プロトコルの中で、限定することなく、色ガラス、バンドパスフィルタ、干渉フィルタ、ダイクロイックミラー、回折格子、モノクロメータ、及びそれらの組み合わせである。システムは1つ以上の波長分離器を含んでいてもよい。たとえば2つ以上、たとえば3つ以上、たとえば4つ以上、たとえば5つ以上、またたとえば10個以上の波長分離器である。一例では、画像センサは1つのバンドパスフィルタを含んでいる。別の例では、画像センサは2つ以上のバンドパスフィルタを含んでいる。別の例では、画像センサは2つ以上のバンドパスフィルタと回折格子とを含んでいる。さらに別の例では、画像センサは複数のバンドパスフィルタとモノクロメータとを含んでいる。ある実施形態では、画像センサは、フィルタホイールセットアップ内に構成された複数のバンドパスフィルタと回折格子とを含んでいる。画像センサが2つ以上の波長分離器を含む場合、波長分離器を別個にまたは連続して用いて、多色光を成分波長に分離してもよい。いくつかの実施形態では、波長分離器を連続して並べる。他の実施形態では、波長分離器を別個に並べて、1つ以上の測定を各波長分離器を用いて行う。
【0060】
いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の光学フィルタ、たとえば1つ以上のバンドパスフィルタを含んでいる。たとえば、ある場合には、対象とする光学フィルタは、バンドパスフィルタの最小帯域幅が2nm〜100nm、たとえば3nm〜95nm、たとえば5nm〜95nm、たとえば10nm〜90nm、たとえば12nm〜85nm、たとえば15nm〜80nmの範囲であり、またたとえばバンドパスフィルタの最小帯域幅が20nm〜50nmの範囲である。他の場合では、光学フィルタはロングパスフィルタであり、たとえば、1600nm以下、たとえば1550nm以下、たとえば1500nm以下、たとえば1450nm以下、たとえば1400nm以下、たとえば1350nm以下、たとえば1300nm以下、たとえば1000nm以下、たとえば950nm以下、たとえば900nm以下、たとえば850nm以下、たとえば800nm以下、たとえば750nm以下、たとえば700nm以下、たとえば650nm以下、たとえば600nm以下、たとえば550nm以下、たとえば500nm以下の光の波長を減衰させるロングパスフィルタであり、またたとえば450nm以下の光の波長を減衰させるロングパスフィルタである。さらに他の状況では、光学フィルタショートパスフィルタであり、たとえば、200nm以上、たとえば250nm以上、たとえば300nm以上、たとえば350nm以上、たとえば400nm以上、たとえば450nm以上、たとえば500nm以上、たとえば550nm以上の光の波長を減衰させるショートパスフィルタであり、またたとえば600nm以上の光の波長を減衰させるショートパスフィルタである。
【0061】
他の実施形態では、波長分離器は回折格子である。回折格子は透過、分散または反射型回折格子を含んでいてもよい(しかし、これらに限定されない)。回折格子の好適な間隔は、光源、検出フィールド、及び画像センサ、ならびに他の存在する光学調整プロトコル(たとえば、集束レンズ)の構成に応じて変わってもよく、0.01μm〜10μm、たとえば0.025μm〜7.5μm、たとえば0.5μm〜5μm、たとえば0.75μm〜4μm、たとえば1μm〜3.5μm、またたとえば1.5μm〜3.5μmの範囲である。
【0062】
いくつかの実施形態では、各画像センサは、検出フィールドにおけるフローストリームを照明するための1つ以上の光源に動作可能に結合されている。いくつかの実施形態では、光源は広帯域光源であり、広範囲の波長を有する光を発する。たとえば、50nm以上、たとえば100nm以上、たとえば150nm以上、たとえば200nm以上、たとえば250nm以上、たとえば300nm以上、たとえば350nm以上、たとえば400nm以上に及び、またたとえば500nm以上に及ぶ。たとえば、1つの好適な広帯域光源は波長が200nm〜1500nmの光を発する。好適な広帯域光源の別の例としては、波長が400nm〜1000nmの光を発する光源が挙げられる。任意の好都合な広帯域光源プロトコルを用いてもよい。たとえば、数ある広帯域光源の中で、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定されたファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを伴う広帯域LED、超放射発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広スペクトルLED白色光源、マルチLED内蔵白色光源、またはそれらの任意の組み合わせである。ある実施形態では、画像取り込み中に検出フィールドにおけるフローストリームを照明するための光源としては赤外線LEDのアレイが挙げられる。
【0063】
他の実施形態では、光源は、特定の波長または狭い範囲の波長を発する狭帯域光源である。ある場合には、狭帯域光源は狭い波長範囲の光を発し、たとえば、50nm以下、たとえば40nm以下、たとえば30nm以下、たとえば25nm以下、たとえば20nm以下、たとえば15nm以下、たとえば10nm以下、たとえば5nm以下、たとえば2nm以下であり、またたとえば光源は特定の波長の光(すなわち、単色光)を発する。任意の好都合な狭帯域光源プロトコルを用いてもよい。たとえば、1つ以上の光バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータまたはそれらの任意の組み合わせに結合された狭波長LED、レーザーダイオード、または広帯域光源である。
【0064】
上記で要約したように、システムは、画像センサに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを含み、プロセッサは、取り込み画像からデータ信号を生成してフローストリームの滴下遅延を決定するように構成されている。実施形態において、プロセッサは、主題の方法のステップ(前述したように)を行なうための複数の命令を有するメモリを含む。たとえば画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定することと、特定した外乱に基づいてフローストリームの滴下遅延を計算することとである。ある実施形態では、主題のプロセッサは、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定することと、外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に所定の滴等量を添加することと、を行うための複数の命令を有するメモリを含む。他の実施形態では、主題のプロセッサはメモリを含み、このメモリは、オフセット位相マスクを適用しながら、フローサイトメータのフローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定することと、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に所定の滴等量を添加することと、を行うため複数の命令を有する。
【0065】
主題のシステムは、ハードウェア及びソフトウェア構成要素の両方を含んでいてもよい。ハードウェア構成要素は、1つ以上のプラットフォームという形を(たとえば、サーバの形態で)取ることで、機能要素(すなわち、システムの特定のタスク(たとえば、情報の入力及び出力を管理すること、情報を処理することなど)を行なうシステムの要素)を、システムの示された1つ以上のコンピュータプラットフォーム上で及びそれに渡ってソフトウェアアプリケーションを実行することによって行え得るようにしてもよい。プロセッサは、本明細書で説明する異なる実施形態による主題の方法のステップ(たとえば、フローサイトメータフローストリームを光源で照明すること、フローストリームの1つ以上の画像を取り込むこと、画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定すること、及び特定した外乱に基づいてフローストリームの滴下遅延を計算すること)を行なうための命令が記憶されたメモリを含む。
【0066】
実施形態において、プロセッサは、フローストリームの1つ以上の画像を取得すること及びフローストリームの中断点における外乱を特定することを行うように構成されている。前述したように、中断点におけるフローストリーム内の「外乱」は、フローストリームの1つ以上の特性の任意の望ましくない変化であってもよい。たとえば、中断点におけるフローストリームの外乱は、フローストリーム液滴中の標的粒子の存在から生じてもよい。いくつかの実施形態では、外乱は中断点におけるフローストリームの流量の変化である。他の実施形態では、外乱はフローストリームの望ましくない偏向(すなわち、軌道の角度のずれ)である。ある実施形態では、外乱は中断点におけるフローストリームの開扇である。
【0067】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、画像化されたフローストリームにおいてフローストリームが中断点で開扇していることを視覚化することによってフローストリーム内の外乱を特定するように構成されている。たとえば、プロセッサは、中断点におけるフローストリームの液滴が、フローストリームの長手軸に対して2つ以上の望ましくない角度、たとえば3つ以上の望ましくない角度、たとえば4つ以上の望ましくない角度、たとえば5つ以上の望ましくない角度、またたとえば10個以上の望ましくない角度で偏向していることを決定する命令を伴うメモリを含んでいてもよい。これらの実施形態では、プロセッサは、5°以上、たとえば10°以上、たとえば15°以上、たとえば20°以上、たとえば25°以上、たとえば30°以上、たとえば35°以上、たとえば40°以上、たとえば45°以上、たとえば60°以上、たとえば75°以上、またたとえば85°以上、外れた複数の液滴の軌道を決定するように構成されている。たとえば、プロセッサを、5°〜90°、たとえば10°〜85°、たとえば15°〜80°、たとえば20°〜75°、たとえば25°〜70°、たとえば30°〜65°、たとえば35°〜60°、またたとえば40°〜55°だけ外れた複数の液滴の軌道を決定するように構成してもよい。
【0068】
他の実施形態では、プロセッサは、画像化されたフローストリームの中で中断点において望ましくない角度でフローストリームが偏向されていることを視覚化することによって、フローストリーム内の外乱を特定するように構成されている。ある場合には、フローストリームは、5°以上、たとえば10°以上、たとえば15°以上、たとえば20°以上、たとえば25°以上、たとえば30°以上、たとえば35°以上、たとえば40°以上、たとえば45°以上、たとえば60°以上、たとえば75°以上、またたとえば85°以上、偏向されている。たとえば、プロセッサを、フローストリームが中断点において5°〜90°、たとえば10°〜85°、たとえば15°〜80°、たとえば20°〜75°、たとえば25°〜70°、たとえば30°〜65°、たとえば35°〜60°、またたとえば40°〜55°の範囲の角度で偏向されていることを視覚化することによって、フローストリーム内の外乱を特定するように構成してもよい。
【0069】
対象とするシステムはまた、特定した外乱に基づいてフローストリームの滴下遅延を計算するように構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定することと、外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に所定の滴等量を添加することと、によって滴下遅延を計算する命令を有するメモリを含む。ある場合には、プロセッサは、複数の異なる滴下遅延に渡ってフローサイトメータの滴下遅延を変えて、異なる滴下遅延のそれぞれにおいて1つ以上の画像を取り込むように構成されている。たとえば、プロセッサは、中断点における外乱の1つ以上の画像の取り込みを、フローサイトメータの滴下遅延を1/32滴等量以上、たとえば1/16滴等量以上、たとえば1/8滴等量以上、たとえば1/4滴等量以上、たとえば1/2滴等量以上、たとえば1滴等量以上、たとえば2滴等量以上、たとえば3滴等量以上、たとえば4滴等量以上、またたとえば5滴等量以上の増分で変えながら行うように構成してもよい。
【0070】
ある実施形態では、プロセッサは、滴下遅延を連続的に変えることと、フローストリームの中断点における外乱をリアルタイムでモニタすることと、を行うための命令を有するメモリを含む。これらの実施形態では、フローストリームの中断点における外乱をモニタしながら、プロセッサは、フローサイトメータの滴下遅延を1分あたり1/128滴等量以上で、たとえば1分あたり1/64滴等量以上で、たとえば1分あたり1/32滴等量以上で、たとえば1分あたり1/16滴等量以上で、たとえば1分あたり1/8滴等量以上で、たとえば1分あたり1/4滴等量以上で、たとえば1分あたり1/2滴等量以上で、たとえば1滴等量以上/分で、たとえば1分あたり2滴等量以上で、たとえば1分あたり3滴等量以上で、たとえば1分あたり5滴等量以上で、またたとえば1分あたり10滴等量以上で変えるように構成されている。
【0071】
フローサイトメータの滴下遅延を計算するために、プロセッサは、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に所定の滴等量を添加する命令を有するメモリを含む。たとえば、プロセッサを、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に1/128滴等量以上を添加するように構成してもよい。たとえば1/64滴等量以上、たとえば1/32滴等量以上、たとえば2/32滴等量以上、たとえば3/32滴等量以上、たとえば4/32滴等量以上、たとえば5/32滴等量以上、たとえば6/32滴等量以上、たとえば7/32滴等量以上、たとえば8/32滴等量以上、たとえば10/32滴等量以上、たとえば12/32滴等量以上、たとえば14/32滴等量以上、またたとえば16/32滴等量(すなわち、1/2滴等量)以上である。ある場合には、プロセッサは、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に、0.01滴〜5滴の範囲の滴等量を添加する命令を有するメモリを含む。たとえば0.05滴〜4.5滴、たとえば0.1滴〜4滴、たとえば0.5滴〜3.5滴、またたとえば1滴〜3滴の範囲の滴等量である。
【0072】
ある実施形態では、プロセッサは、位相マスクを適用しながら、フローサイトメータのフローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する滴下遅延を決定するように構成されている。前述したように、位相マスクは任意の好都合なサイズであってもよく、たとえば1/128滴等量以上、たとえば1/64滴等量以上、たとえば1/32滴等量以上、たとえば2/32滴等量以上、たとえば3/32滴等量以上、たとえば4/32滴等量以上、たとえば5/32滴等量以上、たとえば6/32滴等量以上、たとえば7/32滴等量以上、またたとえば8/32滴等量以上の位相マスクである。
【0073】
対象とするシステムはまた、オフセット位相マスクを適用しながら、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定することと、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に所定の滴等量を添加することと、によって滴下遅延を計算するように構成してもよい。これらの実施形態では、オフセット位相マスクは、1/128滴等量以上、たとえば1/64滴等量以上、たとえば1/32滴等量以上、たとえば2/32滴等量以上、たとえば3/32滴等量以上、たとえば4/32滴等量以上、たとえば5/32滴等量以上、たとえば6/32滴等量以上、たとえば7/32滴等量以上、たとえば8/32滴等量以上、たとえば10/32滴等量以上、たとえば12/32滴等量以上、たとえば14/32滴等量以上、またたとえば16/32滴等量(すなわち、1/2滴等量)以上であってもよい。オフセット位相マスクのサイズに応じて、プロセッサは、異なる所定の滴等量を添加するように構成されている。たとえば、メモリは、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する、オフセット位相マスクが適用された滴下遅延に1/128滴等量以上、たとえば1/64滴等量以上、たとえば1/32滴等量以上を添加するための命令を含んでいてもよい。たとえば2/32滴等量以上、たとえば3/32滴等量以上、たとえば4/32滴等量以上、たとえば5/32滴等量以上、たとえば6/32滴等量以上、たとえば7/32滴等量以上、たとえば8/32滴等量以上、たとえば10/32滴等量以上、たとえば12/32滴等量以上、たとえば14/32滴等量以上、またたとえば16/32滴等量(すなわち、1/2滴等量)以上である。ある場合には、メモリは、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する、オフセット位相マスクが適用された滴下遅延に、0.01滴〜5滴の範囲の滴等量、たとえば0.05滴〜4.5滴、たとえば0.1滴〜4滴、たとえば0.5滴〜3.5滴、またたとえば1滴〜3滴の範囲の滴等量を添加するための命令を含んでいてもよい。
【0074】
上記で要約したように、主題のシステムはまた、何らの人間の介入もなく、決定した滴下遅延を用いてフローサイトメータの1つ以上のパラメータを調整するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、対象とするシステムは、決定した滴下遅延に応じてフローストリームに電荷を印加するタイミングを調整するように構成されている。たとえば、主題のシステムは、フローストリームに対する電荷の印加を0.001ミリ秒以上、たとえば0.005ミリ秒以上、たとえば0.01ミリ秒以上、たとえば0.05ミリ秒以上、たとえば0.1ミリ秒以上、たとえば0.5ミリ秒以上、たとえば1ミリ秒以上、たとえば5ミリ秒以上、たとえば10ミリ秒以上、たとえば100ミリ秒以上、遅延させるように、またたとえばフローストリームに対する電荷の印加を500ミリ秒以上、遅延させるように構成してもよい。
【0075】
他の実施形態では、対象とするシステムは、決定した滴下遅延に応じてフローストリームに電荷を印加しながら、パルス幅を調整するように構成されている。一例では、主題のシステムは、パルス幅を0.001ミリ秒以上、たとえば0.005ミリ秒以上、たとえば0.01ミリ秒以上、たとえば0.05ミリ秒以上、たとえば0.1ミリ秒以上、たとえば0.5ミリ秒以上、たとえば1ミリ秒以上、たとえば5ミリ秒以上、たとえば10ミリ秒以上、たとえば100ミリ秒以上、またたとえば500ミリ秒以上、増加させるように構成されている。別の例では、主題のシステムは、パルス幅を0.001ミリ秒以上、たとえば0.005ミリ秒以上、たとえば0.01ミリ秒以上、たとえば0.05ミリ秒以上、たとえば0.1ミリ秒以上、たとえば0.5ミリ秒以上、たとえば1ミリ秒以上、たとえば5ミリ秒以上、たとえば10ミリ秒以上、たとえば100ミリ秒以上、またたとえば500ミリ秒以上、減少させるように構成されている。
【0076】
さらに他の実施形態では、対象とするシステムは、決定した滴下遅延に応じてフローストリームの流量を調整するように構成されている。ある場合には、主題のシステムはフローストリームの流量の増加を、たとえばフローストリームの流量を0.1μL/分以上、たとえば0.5μL/分以上、たとえば1μL/分以上、たとえば5μL/分以上、たとえば10μL/分以上、たとえば25μL/分以上、たとえば50μL/分以上、たとえば100μL/分以上、たとえば250μL/分以上、またたとえば500μL/分以上、増加させることによって行う。他の場合では、主題のシステムはフローストリームの流量の減少を、たとえばフローストリームの流量を0.1μL/分以上、たとえば0.5μL/分以上、たとえば1μL/分以上、たとえば5μL/分以上、たとえば10μL/分以上、たとえば25μL/分以上、たとえば50μL/分以上、たとえば100μL/分以上、たとえば250μL/分以上、またたとえば500μL/分以上、減少させることによって行う。
【0077】
さらに他の実施形態では、対象とするシステムは、決定した滴下遅延に応じて液滴の帯電電圧を調整するように構成されている。ある場合には、主題のシステムは、液滴の帯電電圧をたとえば0.01V以上、たとえば0.05V以上、たとえば0.1V以上、たとえば0.5V以上、たとえば1V以上、たとえば5V以上、たとえば10V以上、たとえば15V以上、たとえば25V以上、たとえば50V以上、増加させるように、またたとえば滴の帯電電圧を75V以上、増加させるように構成されている。他の場合では、主題のシステムは、液滴の帯電電圧をたとえば0.01V以上、たとえば0.05V以上、たとえば0.1V以上、たとえば0.5V以上、たとえば1V以上、たとえば5V以上、たとえば10V以上、たとえば15V以上、たとえば25V以上、たとえば50V以上、減少させるように、またたとえば滴の帯電電圧を75V以上、減少させるように構成されている。
【0078】
ある実施形態では、主題のシステムは、フローセルノズルを用いたフローサイトメータシステムと、フローストリーム中でサンプルが発した光を検出するための光学部品サブシステムと、を含む。サンプルを分析するための好適なフローサイトメータシステム及び方法としては、Ormerod(ed.),Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997);Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997);Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley−Liss(1995);Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17−28;Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502−11;Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335−344;及びHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203−255が挙げられる(しかし、これらに限定されない)。なおこれらの開示内容は本明細書において参照により取り入れられている。ある状況では、対象とするフローサイトメトリーシステムとしては、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVantage(商標)、BD Biosciences FACSort(商標)、BD Biosciences FACSCount(商標)、BD Biosciences FACScan(商標)、及びBD Biosciences FACSCalibur(商標)システム、BD Biosciences Influx(商標)セルソーター、BD Biosciences Jazz(商標)セルソーター及びBD Biosciences Aria(商標)セルソーターなどが挙げられる。
【0079】
ある実施形態では、主題のシステムは、米国特許第3,960,449号;第4,347,935号;第4,667,830号;第4,704,891号;第4,770,992号;第5,030,002号;第5,040,890号;第5,047,321号;第5,245,318号;第5,317,162号;第5,464,581号;第5,483,469号;第5,602,039号;第5,620,842号;第5,627,040号;第5,643,796号;第5,700,692号;第6,372,506号;第6,809,804号;第6,813,017号;第6,821,740号;第7,129,505号;第7,201,875号;第7,544,326号;第8,140,300号;第8,233,146号;第8,753,573号;第8,975,595号;第9,092,034号;第9,095,494号及び第9,097,640号に記載するフローサイトメータの1つ以上の構成要素を組み込むフローサイトメータシステムである。なおこれらの開示内容は本明細書において参照により取り入れられている。
【0080】
いくつかの実施形態では、フローサイトメータは、米国特許出願第14/260,177号(US2014/0320861として公開);米国仮出願第62/090,248号及び米国仮出願第62/091,421号に記載するサイトメータからの1つ以上の構成要素を含むフローサイトメータである。なおこれらの開示内容は本明細書において参照により取り入れられている。
【0081】
フローサイトメータフローストリームの滴下遅延を決定するためのコンピュータ可読記憶媒体
本開示の態様はさらに、主題の方法を実施するための命令を有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体を1つ以上のコンピュータ上で用いて、本明細書で説明する方法を実施するためにシステムの完全自動化または部分自動化を行うようにしてもよい。ある実施形態では、本明細書で説明する方法による命令を、コンピュータ可読記憶媒体上に「プログラミング」の形態でコーディングすることができる。用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、本明細書で用いる場合、命令及びデータをコンピュータに与えて実行及び処理させることに関与する任意の非一時的な記憶媒体を指す。好適な非一時的な記憶媒体の例としては、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM、DVD−ROM、ブルーレイディスク、ソリッドステートディスク、及びネットワーク接続ストレージ(NAS)(このようなデバイスがコンピュータの内部であろうと外部であろうと)が挙げられる。情報を収容するファイルをコンピュータ可読記憶媒体上に「記憶する」ことができる。「記憶する」は、情報がコンピュータによって後の日付でアクセス可能及び読み出し可能となるように情報を記録することを意味する。本明細書で説明するコンピュータ実装方法を、任意の数のコンピュータプログラミング言語のうちの1つ以上で書くことができるプログラミングを用いて実行することができる。このような言語としては、たとえば、Java(登録商標)(Sun Microsystems,Inc.,Santa Clara,CA),Visual Basic(Microsoft Corp.,Redmond,WA)、及びC++(AT&T Corp.,Bedminster,NJ)、ならびに任意の他の多くが挙げられる。
【0082】
いくつかの実施形態では、対象とするコンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されている。コンピュータプログラムは、コンピュータ上にロードされると、画像センサを用いてフローストリームの画像を取り込むためのアルゴリズム、画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定するためのアルゴリズム、特定した外乱に基づいてフローストリームの滴下遅延を計算するためのアルゴリズムを有する命令を含む。
【0083】
コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームの1つ以上の画像、たとえばフローストリームの2つ以上の画像、たとえば3つ以上の画像、たとえば4つ以上の画像、たとえば5つ以上の画像、たとえば10個以上の画像、たとえば15個以上の画像、またたとえば25個以上の画像を取り込むための命令を含んでいてもよい。ある実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、画像の光学分解能を高めるために取り込み画像の光学調整を行うための命令を含む。ある実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、取り込み画像の分解能を、5%以上、たとえば10%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、高めるための、またたとえば取り込み画像の分解能を75%以上、高めるための命令を含んでいてもよい。
【0084】
実施形態において、対象とするコンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームの中断点における外乱を特定するためのアルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、中断点におけるフローストリームの流量の変化を検知するためのアルゴリズムを含む。他の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームの望ましくない偏向(すなわち、軌道の角度のずれ)を特定するためのアルゴリズムを含む。コンピュータ可読記憶媒体は、中断点におけるフローストリームの開扇を特定するためのアルゴリズムを含む。
【0085】
コンピュータ可読記憶媒体はまた、特定したフローストリームの中断点における外乱に基づいて滴下遅延を計算するためのアルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、対象とするコンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定することと、外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に所定の滴等量を添加することと、を行うためのアルゴリズムを含む。他の実施形態では、対象とするコンピュータ可読記憶媒体は、オフセット位相マスクを適用しながら、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成するフローサイトメータの滴下遅延を決定することと、フローストリームの中断点において外乱の最大振幅を形成する滴下遅延に所定の滴等量を添加することと、を行うアルゴリズムを含む。
【0086】
コンピュータ可読記憶媒体を、ディスプレイとオペレータ入力デバイスとを有する1つ以上のコンピュータシステム上で用いてもよい。オペレータ入力デバイスはたとえば、キーボード、マウスなどであってもよい。処理モジュールは、主題の方法のステップを行なうための命令が記憶されたメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、及び入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、ならびに他の多くのデバイスを含んでいてもよい。プロセッサは市販のプロセッサであってもよいし、または入手可能であるかまたは入手可能になる他のプロセッサの1つであってもよい。プロセッサはオペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムインターフェースは、ファームウェア及びハードウェアと良く知られた方法で相互作用し、プロセッサが種々のコンピュータプログラムの機能を調整及び実行することを容易にする。コンピュータプログラムは、種々のプログラミング言語(たとえば、Java、Perl、C++、他の高レベルまたは低レベル言語、ならびに当該技術分野で知られるようにそれらの組み合わせ)で書いてもよい。オペレーティングシステムは、典型的にプロセッサと協同して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整及び実行する。またオペレーティングシステムによって、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、ならびに、通信制御及び関連サービス(すべて、周知の技術による)がもたらされる。
【0087】
有用性
主題の方法、システム、及びコンピュータ可読記憶媒体は、フローサイトメータの滴下遅延を正確及び便利に決定することが望ましい種々の異なる応用例において用途がある。また本開示は、フローサイトメータの較正及びセットアップを自動化して、生体サンプルからのセルを特徴付けてソートするための速くて信頼性が高いシステムをもたらすところに用途がある。本開示の実施形態は、人間の入力に依存する量及びシステムに対する調整の量を最小限にすることが望ましいところ、たとえば研究及び高スループット実験室試験において用途がある。本開示はまた、フローサイトメータにセルソートティング精度の向上、粒子収集の強化、粒子帯電効率、粒子帯電の精度の向上、及びセルソートティング中の粒子偏向の強化をもたらすことが望ましいところに用途がある。実施形態において、本開示によって、フローサイトメータをセットアップするためにまたはフローサイトメータを用いたサンプル分析の間にユーザ入力または手動調整を行う必要性が減る。ある実施形態では、主題のシステムは、完全に自動化されたプロトコルを提供しているため、フローサイトメータの滴下遅延の計算、ならびに正確な滴下遅延(たとえば、フローストリーム帯電のタイミング)に基づくフローサイトメータのパラメータの調整は、人間の入力を、たとえあったとしても、ほとんど必要としない。
【0088】
また本開示は、生体サンプルから調製したセルが研究、実験室試験にとって望ましいかまたは治療で用いるために望ましい場合がある応用例で用途がある。いくつかの実施形態では、主題の方法及びデバイスは、標的流体または組織生体サンプルから調製された個々のセルを取得すること(すなわち、単一のセル分解能)を容易にする場合がある。たとえば、主題の方法及びシステムによって、疾患たとえば癌に対する研究または診断用試料として用いるべき流体または組織サンプルからセルを取得することが容易になる。同様に、主題の方法及びシステムによって、治療で用いるべき流体または組織サンプルからセルを取得することが容易になる。本明細書で説明する方法、システム、及びコンピュータ可読記憶媒体によって、従来のフローサイトメトリーシステムと比べて高効率で低コストで生体サンプル(たとえば、臓器、組織、組織片、流体)からセルを分離及び収集することが可能になる。
【0089】
添付の請求項にもかかわらず、本明細書に記載される開示は、以下の付記によっても定義される。
1.フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定する方法であって、
前記フローストリームの画像を取り込んで、画像化されたフローストリームを取得することと、
前記画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定することと、
前記特定した外乱に基づいて前記フローストリームの前記滴下遅延を計算することと
を含む方法。
2.前記外乱は前記フローストリームの開扇である付記1に記載の方法。
3.前記外乱は前記フローストリームの偏向である付記1に記載の方法。
4.前記フローストリームの前記滴下遅延を計算することは、
前記外乱の最大振幅における前記滴下遅延を決定することと、
前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延に所定の滴等量を添加することとを含み、
前記所定の滴等量を加えた前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延は、最適化された滴下遅延を与える付記1〜3のいずれか一つに記載の方法。
5.前記所定の滴等量は1/2滴等量である付記4に記載の方法。
【0090】
6.前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延を決定することは、位相マスクを適用することを含む付記4または5に記載の方法。
7.前記位相マスクは1/32滴等量増分を含む付記6に記載の方法。
8.前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延を決定することは、8/32滴等量位相マスクを適用することを含む付記7に記載の方法。
9.前記フローストリームの前記滴下遅延を計算することは、
1/2滴等量オフセット位相マスクを適用する一方で前記外乱の最大振幅における前記滴下遅延を決定することと、
前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延に所定の滴等量を添加して、前記フローストリームの前記滴下遅延を決定することとを含む付記4または5に記載の方法。
10.前記1/2滴等量オフセット位相マスクが適用されたときに、外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延に滴等量を添加しないことを含む付記9に記載の方法。
【0091】
11.前記フローストリームの前記画像を検出フィールドにおいて取り込む付記1〜10のいずれか一つに記載の方法。
12.前記検出フィールドは前記フローストリーム中断点から上流で前記レーザ照射点から下流の前記フローストリームを含む付記11に記載の方法。
13.前記フローストリームを光源によって照明する付記1〜12のいずれか一つに記載の方法。
14.前記光源はレーザである付記13に記載の方法。
15.前記光源は発光ダイオードである付記13に記載の方法。
【0092】
16.前記決定した滴下遅延に応じて前記フローサイトメータの1つ以上のパラメータを調整することをさらに含む付記1〜15のいずれか一つに記載の方法。
17.前記フローストリームに電荷を印加することを前記決定した滴下遅延に応じて調整する付記16に記載の方法。
18.前記フローストリームに電荷を印加するタイミングを前記決定した滴下遅延に応じて調整する付記17に記載の方法。
19.前記フローストリームに電荷を印加する帯電パルス幅を前記決定した滴下遅延に応じて調整する付記17に記載の方法。
20.前記帯電パルス幅を前記決定した滴下遅延に応じて減少させる付記19に記載の方法。
【0093】
21.前記帯電パルス幅を前記決定した滴下遅延に応じて増加させる付記19に記載の方法。
22.前記フローストリームはビーズを含まない付記1〜21のいずれか一つに記載の方法。
23.前記フローストリームは蛍光較正粒子を含まない付記1〜22のいずれか一つに記載の方法。
24.フローサイトメータのフローストリームの1つ以上の画像を取り込むように構成された画像センサと、
メモリが動作可能に結合されたプロセッサであって、前記メモリには、前記画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定することと、前記特定した外乱に基づいて前記フローストリームの滴下遅延を計算することとを行う命令が記憶されている、プロセッサと
を含むシステム。
25.前記メモリには、前記フローストリームの開扇を特定する命令が記憶されている付記24に記載のシステム。
【0094】
26.前記メモリには、前記フローストリームの偏向を特定する命令が記憶されている付記24に記載のシステム。
27.前記メモリには、
前記外乱の最大振幅において前記滴下遅延を決定することと、
前記外乱の前記最大振幅において前記滴下遅延に所定の滴等量を添加することとを行う命令が記憶され、
前記所定の滴等量を加えた前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延は、最適化された滴下遅延を与える付記24〜26のいずれか一つに記載のシステム。
28.前記所定の滴等量は1/2滴等量である付記27に記載のシステム。
29.前記メモリには、位相マスクが適用された前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延を決定する命令が記憶されている付記27または28に記載のシステム。
30.前記位相マスクは1/32滴等量増分を含む付記29に記載のシステム。
【0095】
31.前記メモリには、8/32滴等量位相マスクが適用された前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延を決定する命令が記憶されている付記29に記載のシステム。
32.前記メモリには、
1/2滴等量オフセット位相マスクを適用しながら、前記外乱の最大振幅において前記滴下遅延を決定することと、
前記外乱の前記最大振幅において前記滴下遅延に所定の滴等量を添加することとを行う命令が記憶され、
前記所定の滴等量を加えた前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延は、最適化された滴下遅延を与える付記28〜31のいずれか一つに記載のシステム。
33.前記メモリには、前記1/2滴等量オフセット位相マスクが適用されたときの外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延に滴等量を添加しない命令が記憶されている付記32に記載のシステム。
34.前記画像センサは、検出フィールドにおいて前記フローストリームの前記画像を取り込むように構成されている付記24〜33のいずれか一つに記載のシステム。
35.前記検出フィールドは、前記フローストリーム中断点から上流で前記レーザ照射点から下流の前記フローストリームを含む付記34に記載のシステム。
【0096】
36.さらに光源を含む付記24〜35のいずれか一つに記載のシステム。
37.前記光源はレーザである付記36に記載のシステム。
38.前記光源は発光ダイオードである付記36に記載のシステム。
39.前記メモリは、前記決定した滴下遅延に応じて前記フローサイトメータの1つ以上のパラメータを調整する命令を含む付記24〜38のいずれか一つに記載のシステム。
40.前記メモリは、前記決定した滴下遅延に応じて前記フローストリームへの電荷の前記印加を調整する命令を含む付記39に記載のシステム。
【0097】
41.前記メモリは、前記決定した滴下遅延に応じて前記フローストリームに電荷を印加するタイミングを調整する命令を含む付記40に記載のシステム。
42.前記メモリは、前記決定した滴下遅延に応じて前記帯電パルス幅を調整する命令を含む付記40に記載のシステム。
43.前記メモリは、前記決定した滴下遅延に応じて前記帯電パルス幅を減少させる命令を含む付記42に記載のシステム。
44.前記メモリは、前記決定した滴下遅延に応じて前記帯電パルス幅を増加させる命令を含む付記42に記載のシステム。
45.フローサイトメータにおけるフローストリームの滴下遅延を決定するための命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記命令は、
画像センサを用いてフローストリームの画像を取り込むためのアルゴリズムと、
画像化されたフローストリーム内の中断点における外乱を特定するためのアルゴリズムと、
前記特定した外乱に基づいて前記フローストリームの滴下遅延を計算するためのアルゴリズムとを含むコンピュータ可読記憶媒体。
【0098】
46.前記命令は、前記フローストリームの開扇を特定するためのアルゴリズムを含む付記45に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
47.前記命令は、前記フローストリームの偏向を特定するためのアルゴリズムを含む付記45に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
48.前記命令は、
前記外乱の最大振幅における前記滴下遅延を決定することと、
前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延に所定の滴等量を添加することとを行うためのアルゴリズムを含み、
前記所定の滴等量を加えた前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延は、最適化された滴下遅延を与える付記45〜47のいずれか一つに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
49.前記所定の滴等量は1/2滴等量である付記48に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
50.前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延を決定することは、位相マスクを適用することを含む付記48または49に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0099】
51.前記位相マスクは1/32滴等量増分を含む付記50に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
52.前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延を決定することは、8/32滴等量位相マスクを適用することを含む付記51に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
53.前記滴下遅延を計算するためのアルゴリズムであって、
1/2滴等量オフセット位相マスクを適用する一方で前記外乱の最大振幅における前記滴下遅延を決定することと、
前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延に所定の滴等量を添加することとを含む前記アルゴリズムをさらに含み、
前記所定の滴等量を加えた前記外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延は、最適化された滴下遅延を与える、付記48〜52のいずれか一つに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
54.前記命令は、前記1/2滴等量オフセット位相マスクが適用されたときの外乱の前記最大振幅における前記滴下遅延に何らの滴等量も添加しないアルゴリズムを含む付記53に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
55.前記命令は、検出フィールドにおいて前記フローストリームの前記画像を取り込むためのアルゴリズムを含む付記45〜54のいずれか一つに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0100】
56.前記検出フィールドは、前記フローストリーム中断点から上流で前記レーザ照射点から下流のフローストリームを含む付記55に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
57.前記命令は、光源を用いて前記フローストリームを照明するためのアルゴリズムをさらに含む付記45〜56のいずれか一つに記載のコンピュータ可読記憶媒体
58.前記光源はレーザである付記57に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
59.前記光源は発光ダイオードである付記57に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
60.前記命令は、前記決定した滴下遅延に応じて前記フローサイトメータの1つ以上のパラメータを調整するためのアルゴリズムをさらに含む付記45〜59のいずれか一つに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0101】
61.前記命令は、前記決定した滴下遅延に応じて前記フローストリームへの印加された電荷を調整するためのアルゴリズムを含む付記60に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
62.前記命令は、前記決定した滴下遅延に応じて前記フローストリームに対する前記印加電荷のタイミングを調整するためのアルゴリズムを含む付記61に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
63.前記命令は、前記決定した滴下遅延に応じて前記帯電パルス幅を調整するためのアルゴリズムを含む付記61に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
64.前記命令は、前記決定した滴下遅延に応じて前記帯電パルス幅を増加させるためのアルゴリズムを含む付記63に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
65.前記命令は、前記決定した滴下遅延に応じて前記帯電パルス幅を減少させるためのアルゴリズムを含む付記64に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0102】
前述した発明を、理解を明瞭にするために例示及び実施例としてある程度詳細に説明してきたが、本開示の教示を考慮すれば当業者には容易に明らかであるように、添付の請求項の趣旨または範囲から逸脱することなく発明に対して変形及び変更を行ってもよい。
【0103】
したがって、前述は単に本発明の原理を例示しているだけである。当然のことながら、当業者は種々の取り合わせを考案することができる。これらは本明細書では明示的に記載も図示もされていないが、本発明の原理を具体化し、その趣旨及び範囲に含まれる。さらに、本明細書で説明したすべての実施例及び条件付き言語は、このような具体的に説明した実施例及び条件に限定することなく、主として読者が本発明の原理を理解することを助けることを意図している。また、本発明の原理、態様、及び実施形態、ならびにその具体例を説明する本明細書におけるすべての記述は、その構造的及び機能的な等価物の両方を包含することが意図されている。さらに、このような等価物は、現時点で知られている等価物と、将来に開発される等価物(すなわち、構造にかかわらず同じ機能を行なう開発される任意の要素)との両方を含むことが意図されている。したがって、本発明の範囲は、本明細書で図示及び説明した典型的な実施形態に限定されることは意図してはいない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は添付の請求項によって具体化される。
【0104】
関連出願の相互参照
米国特許法§119(e)に従って、本出願は米国仮特許出願第62/403,553号)(2016年10月3日に出願)の出願日に対して優先権を主張する。なおこの出願の開示内容は本明細書において参照により取り入れられている。
図1