(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983880
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】干渉源セルの位置決定方法、装置及び基地局
(51)【国際特許分類】
H04W 24/00 20090101AFI20211206BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20211206BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20211206BHJP
【FI】
H04W24/00
H04W72/04 132
H04W72/04 136
H04W16/14
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-518305(P2019-518305)
(86)(22)【出願日】2017年7月25日
(65)【公表番号】特表2019-531033(P2019-531033A)
(43)【公表日】2019年10月24日
(86)【国際出願番号】CN2017094268
(87)【国際公開番号】WO2018064909
(87)【国際公開日】20180412
【審査請求日】2019年4月4日
(31)【優先権主張番号】201610881893.4
(32)【優先日】2016年10月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ハイホン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ウェンファン
(72)【発明者】
【氏名】チン,ホンフェン
【審査官】
野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第103796219(CN,A)
【文献】
国際公開第2006/001672(WO,A1)
【文献】
国際公開第2005/086397(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のセルにより送信された、パイロットシーケンスに基づいて生成された特定データを受信することと、
前記特定データを解析して、他の各セルのエイリアシング帯域幅に対応する周波数領域データを取得することと、
ローカルでTD−LTEシステムの全ての可能な特殊パイロットシーケンスに基づいて、対応する周波数領域データを生成することと、
ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに基づいて、対応する時間領域データを生成することと、
取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定することとを含む
干渉源セルの位置決定方法であって、
前記他のセルにより送信された、パイロットシーケンスに基づいて生成された特定データを受信することは、
前記他のセルにより送信された、
各セルのパイロットシーケンスに基づいて、時間領域データを生成することと、
各セルの生成された時間領域データにサイクリックプレフィックスCPを付けて前記特定データを生成することと、
により確定された特定データを受信することを含み、
前記ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに基づいて、対応する時間領域データを生成することは、
ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに対し共役点乗算操作を行い、Rを取得することと、
Rに対しIFFT操作を行ってNFFT点の時間領域データRtを取得することとを含み、
前記取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定することは、
他の各セルに対応する時間領域データRtに対しピーク検索を行い、
Rtに顕著なピークが現れた場合、対応する他のセルが前記干渉源セルであることを含み、
前記各セルのパイロットシーケンスに基づいて、時間領域データを生成する前に、さらに、
システム全体のエイリアシング帯域幅BInvを設定することと、
前記エイリアシング帯域幅BInvを基本単位とし、前記システムの内の各セルのパイロッ
トシーケンスを設定することとを含む
干渉源セルの位置決定方法。
【請求項2】
前記システムに複数のエイリアシング帯域幅が存在する場合、システム全体のエイリアシング帯域幅BInvとして帯域幅が最小であるエイリアシング帯域幅を選択する
請求項1に記載の干渉源セルの位置決定方法。
【請求項3】
前記各セルのパイロットシーケンス基づいて時間領域データを生成することは、
前記パイロットシーケンスの前及び/又は後に0値補間を行い、長さがNsubcarrierであるシーケンスを生成することと、
前記長さがNsubcarrierであるシーケンスに対し正負周波数切替を行い、中央に0値補間を行い、NFFT点の周波数領域データを生成することと、
前記NFFT点の周波数領域データに対し逆高速フーリエ変換IFFT操作を行い、NFFT点の時間領域データを生成することとを含み、
ここで、Nsubcarrierが前記エイリアシング帯域幅BInvに含まれるサブキャリアの数
である
請求項1に記載の干渉源セルの位置決定方法。
【請求項4】
1つのセルの帯域幅が2n*BInvに等しい場合、2n個の前記パイロットシーケンスを設定し、それに応じて、2n個の前記NFFT点の時間領域データを生成し、生成された2n個のNFFT点の時間領域データを結合し、結合されたデータにNcp点CPを付け、
ここで、nが非負の整数である
請求項3に記載の干渉源セルの位置決定方法。
【請求項5】
前記特定データが(Ncp+2n*NFFT)点データであり、
前記特定データを解析して、他の各セルのエイリアシング帯域幅に対応する周波数領域データを取得することは、
前記特定データに対しNcp点CPを除去することと、
エイリアシング帯域幅に対応するNFFT点の時間領域データを取得することと、
前記NFFT点の時間領域データに対し高速フーリエ変換FFT操作を行い、NFFT点の周波数領域データYinvを取得することとを含む
請求項4に記載の干渉源セルの位置決定方法。
【請求項6】
基地局のベースバンド処理ユニットに応用される干渉源セルの位置決定装置であって、
他のセルにより送信された、パイロットシーケンスに基づいて生成された特定データを受信するように構成される受信モジュールと、
前記特定データを解析して、他の各セルのエイリアシング帯域幅に対応する周波数領域データを取得するように構成される解析モジュールと、
ローカルでTD−LTEシステムの全ての可能な特殊パイロットシーケンスに基づいて、対応する周波数領域データを生成し、ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに基づいて、対応する時間領域データを生成するように構成される生成モジュールと、
取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定するように構成される確定モジュールとを含む
干渉源セルの位置決定装置であって、
前記受信モジュールは、さらに、
前記他のセルにより送信された、
各セルのパイロットシーケンスに基づいて、時間領域データを生成することと、
各セルの生成された時間領域データにサイクリックプレフィックスCPを付けて前記特定データを生成することと、
により確定された特定データを受信するように構成され、
前記生成モジュールがローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに基づいて、対応する時間領域データを生成することは、
前記ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに対し共役点乗算操作を行ってRを取得し、Rに対しIFFT操作を行ってNFFT点の時間領域データRtを取得することを含み、
前記確定モジュールは、さらに、
前記取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定することは、
他の各セルに対応する時間領域データRtに対しピーク検索を行い、
Rtに顕著なピークが現れた場合、対応する他のセルが前記干渉源セルであることを含むように構成され、
設定モジュールをさらに含み、
前記設定モジュールは、システム全体のエイリアシング帯域幅BInvを設定し、前記エイリアシング帯域幅BInvを基本単位とし、前記システムの内の各セルのパイロットシーケンスを設定するように構成される
干渉源セルの位置決定装置。
【請求項7】
前記生成モジュールが各セルのパイロットシーケンス基づいて時間領域データを生成することは、
前記パイロットシーケンスの前及び/又は後に0値補間を行い、長さがNsubcarrierであるシーケンスを生成し、
前記長さがNsubcarrierであるシーケンスに対し正負周波数切替を行い、中央に0値補間を行い、NFFT点の周波数領域データを生成し、
前記NFFT点の周波数領域データに対し逆高速フーリエ変換IFFT操作を行い、NFFT点の時間領域データを生成することを含み、
ここで、Nsubcarrierが前記エイリアシング帯域幅BInvに含まれるサブキャリアの数
である
請求項6に記載の干渉源セルの位置決定装置。
【請求項8】
ベースバンド処理ユニットを含む基地局であって、
前記ベースバンド処理ユニットは、
他のセルにより送信された、パイロットシーケンスに基づいて生成された特定データを受信し、
前記特定データを解析して、他の各セルのエイリアシング帯域幅に対応する周波数領域データを取得し、
ローカルでTD−LTEシステムの全ての可能な特殊パイロットシーケンスに基づいて、対応する周波数領域データを生成し、
ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに基づいて、対応する時間領域データを生成し、
取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定するように構成される、基地局であって、
前記ベースバンド処理ユニットは、さらに、
各セルのパイロットシーケンス基づいて、時間領域データを生成し、
各セルの生成された時間領域データにサイクリックプレフィックスCPを付けて前記特定データを生成し送信するように構成され、
前記ベースバンド処理ユニットは、さらに、
ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに対し共役点乗算操作を行ってRを取得し、Rに対しIFFT操作を行ってNFFT点の時間領域データRtを取得するように構成され、
前記ベースバンド処理ユニットは、さらに、
他の各セルに対応する時間領域データRtに対しピーク検索を行い、
Rtに顕著なピークが現れた場合、対応する他のセルが前記干渉源セルであるように構成され、
前記ベースバンド処理ユニットは、さらに、
前記他のセルにより送信された、
各セルのパイロットシーケンスに基づいて、時間領域データを生成することと、
各セルの生成された時間領域データにサイクリックプレフィックスCPを付けて前記特定データを生成することと、
により確定された特定データを受信するように構成され、
システム全体のエイリアシング帯域幅BInvを設定し、
前記エイリアシング帯域幅BInvを基本単位とし、前記システム内の各セルのパイロットシーケンスを設定するように構成される
基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は通信技術分野に関し、特に、干渉源セルの位置決定方法、装置及び基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
TD−LTE(Time Division Long Term Evolution:時分割長期進化)システムにおいて、基地局が厳格な時間同期を保持することが要求されており、通常、GPS同期の方式を利用して基地局の間のタイミング同期を保証する。同じ周波数カバーの方式によってネットワークを構成されるため、隣接するセルの間の相互干渉が存在している。さらに、TD−LTEシステムのアップリンク・ダウンリンクの伝送共有周波数により、TD−LTEシステムにおいて、従来のセル間の干渉の以外に、遠端の基地局のダウンリンク信号がターゲットセルのアップリンク信号を干渉することもある。
【0003】
電磁波の伝搬特性により、あるシーン(例えば、空気の伝搬環境が良く、大気ダクトがある)において、TD−LTEシステムの長距離の同じ周波数干渉が、遠く離れた基地局の間(数十キロあるいは数百キロ)で発生する可能性もあり、さらに、遠端の送信ソースからのダウンリンク信号が伝搬遅延により近端の同じ周波数のターゲット基地局に到着した後、ターゲット基地局の他の伝送タイムスロットに進入する可能性があるため、近端のターゲットシステムの正常動作に影響を与え、さらに、このような干渉が、複数の基地局の累積されて重畳される効果である。
【0004】
実際の応用において、干渉を印加するセルの一定のタイムスロットで特定のカスタムパイロットシーケンスを送信し、干渉を受けるセル側で当該パイロットシーケンスを検定すると考える。当該パイロットシーケンスが一定の方式によって干渉の印加するセルに一対一対応するため、干渉を受ける干渉セルは、どの遠端のセルが自身に干渉することを把握することができる。
【0005】
しかし、実際のシステムにおいて、各セルによって異なる帯域幅が存在し、従来の技術案を採用する場合、ターゲットセルは、全ての可能な帯域幅の組み合わせを経て探索してから、干渉の印加するセルを見つける可能性がある。また、ターゲットセルによって検定方式が異なる。システム全体において、干渉源セルの位置を決定するプロセスが非常に複雑になる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施例は、TD−LTEシステムにおいて干渉源セルの位置を簡易かつ高効率に決定することができる干渉源セルの位置決定方法、装置及び基地局を提供する。
【0007】
本発明の実施例は、干渉源セルの位置決定方法を提供し、当該方法は、他のセルにより送信された、パイロットシーケンスに基づいて生成された特定データを受信することと、前記特定データを解析して、他の各セルのエイリアシング帯域幅に対応する周波数領域データを取得することと、ローカルで前記システムの全ての可能な特殊パイロットシーケンスに基づいて、対応する周波数領域データを生成することと、ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに基づいて、対応する時間領域データを生成することと、取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定することとを含む。
【0008】
選択可能で、当該方法は、前記他のセルにより送信された、パイロットシーケンスに基づいて生成された特定データを受信する前に、さらに、各セルのパイロットシーケンス基づいて、時間領域データを生成することと、各セルの生成された時間領域データにサイクリックプレフィックスCPを付けて前記特定データを生成し送信することとを含む。
【0009】
選択可能で、当該方法は、前記各セルのパイロットシーケンス基づいて、時間領域データを生成する前に、さらに、システム全体のエイリアシング帯域幅B
Invを設定することと、前記エイリアシング帯域幅B
Invを基本単位とし、前記システム内の各セルのパイロットシーケンスを設定することとを含む。
【0010】
選択可能で、前記システムに複数のエイリアシング帯域幅が存在する場合、システム全体のエイリアシング帯域幅B
Invとして帯域幅が最小であるエイリアシング帯域幅を選択する。
【0011】
選択可能で、前記各セルのパイロットシーケンス基づいて、時間領域データを生成することは、前記パイロットシーケンスの前及び/又は後に0値補間を行い、長さがN
subcarrierであるシーケンスを生成することと、前記長さがN
subcarrierであるシーケンスに対し正負周波数切替を行い、中央に0値補間を行い、N
FFT点の周波数領域データを生成することと、前記N
FFT点の周波数領域データに対し逆高速フーリエ変換IFFT操作を行い、N
FFT点の時間領域データを生成することとを含み、ここで、N
subcarrierが前記エイリアシング帯域幅B
Invに含まれるサブキャリアの数である。
【0012】
選択可能で、1つのセルの帯域幅が2
n*B
Invに等しい場合、2
n個の前記パイロットシーケンスを設定し、2
n個の前記N
FFT点の時間領域データを対応に生成し、生成された2
n個のN
FFT点の時間領域データを結合し、結合されたデータにN
cp点CPを付け、ここで、nが非負の整数である。
【0013】
選択可能で、前記特定データが(N
cp+2
n*N
FFT)点データであり、前記特定データを解析して、他の各セルのエイリアシング帯域幅に対応する周波数領域データを取得することは、前記特定データに対しN
cp点CPを除去することと、エイリアシング帯域幅に対応するN
FFT点の時間領域データを取得することと、前記N
FFT点の時間領域データに対し高速フーリエ変換FFT操作を行い、N
FFT点の周波数領域データY
invを取得することとを含む。
【0014】
選択可能で、前記ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに基づいて、対応する時間領域データを生成することは、ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに対し共役点乗算操作を行い、Rを取得することと、Rに対しIFFT操作を行ってN
FFT点の時間領域データR
tを取得することとを含む。
【0015】
選択可能で、前記取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定することは、他の各セルに対応する時間領域データR
tに対しピーク検索を行い、R
tに顕著なピークが現れた場合、対応する他のセルが前記干渉源セルであることを含む。
【0016】
本発明の実施例はまた、干渉源セルの位置決定装置を提供し、当該装置は、受信モジュール、解析モジュール、生成モジュール及び確定モジュールを含み、受信モジュールは、他のセルにより送信された、パイロットシーケンスに基づいて生成された特定データを受信するように構成され、解析モジュールは、前記特定データを解析して、他の各セルのエイリアシング帯域幅に対応する周波数領域データを取得するように構成され、生成モジュールは、ローカルで前記システムの全ての可能な特殊パイロットシーケンスに基づいて、対応する周波数領域データを生成し、ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに基づいて、対応する時間領域データを生成するように構成され、確定モジュールは、取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定するように構成される。
【0017】
選択可能で、前記生成モジュールは、さらに、各セルのパイロットシーケンス基づいて、時間領域データを生成し、各セルの生成された時間領域データにサイクリックプレフィックスCPを付けて前記特定データを生成するように構成され、当該装置は、さらに、送信モジュールを含み、送信モジュールは、生成された特定データを他のセルに送信するように構成される。
【0018】
選択可能で、当該装置は、さらに、設定モジュールを含み、設定モジュールは、システム全体のエイリアシング帯域幅B
Invを設定し、前記エイリアシング帯域幅B
Invを基本単位とし、前記システム内の各セルのパイロットシーケンスを設定するように構成される。
【0019】
選択可能で、前記生成モジュールが各セルのパイロットシーケンス基づいて、時間領域データを生成することは、前記パイロットシーケンスの前及び/又は後に0値補間を行い、長さがN
subcarrierであるシーケンスを生成することと、前記長さがN
subcarrierであるシーケンスに対し正負周波数切替を行い、中央に0値補間を行い、N
FFT点の周波数領域データを生成することと、前記N
FFT点の周波数領域データに対し逆高速フーリエ変換IFFT操作を行い、N
FFT点の時間領域データを生成することとを含み、ここで、N
subcarrierが前記エイリアシング帯域幅B
Invに含まれるサブキャリアの数である。
【0020】
選択可能で、前記生成モジュールがローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに基づいて、対応する時間領域データを生成することは、前記ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに対し共役点乗算操作を行ってRを取得し、Rに対しIFFT操作を行ってN
FFT点の時間領域データR
tを取得することを含む。
【0021】
本発明の実施例はまた、ベースバンド処理ユニットを含む基地局を提供し、前記ベースバンド処理ユニットは、他のセルにより送信された、パイロットシーケンスに基づいて生成された特定データを受信し、前記特定データを解析して、他の各セルのエイリアシング帯域幅に対応する周波数領域データを取得し、ローカルで前記システムの全ての可能な特殊パイロットシーケンスに基づいて、対応する周波数領域データを生成し、ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに基づいて、対応する時間領域データを生成し、取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定するように構成される。
【0022】
選択可能で、前記ベースバンド処理ユニットは、さらに、各セルのパイロットシーケンス基づいて、時間領域データを生成し、各セルの生成された時間領域データにサイクリックプレフィックスCPを付けて前記特定データを生成し送信するように構成される。
【0023】
選択可能で、前記ベースバンド処理ユニットは、さらに、システム全体のエイリアシング帯域幅B
Invを設定し、前記エイリアシング帯域幅B
Invを基本単位とし、前記システム内の各セルのパイロットシーケンスを設定するように構成される。
【0024】
本発明の実施例による干渉源セルの位置決定方法、装置及び基地局は、当該システムに複数の種類の異なる帯域幅が混在してエイリアシングされる場合、各種の帯域幅の組み合わせを経て検定する必要がなく、エイリアシング帯域幅で関連する可能なシーケンスを検定して、干渉源セルの位置を決定することができ、干渉源セルの位置決定の複雑さを低減させ、干渉源セルの位置を簡易かつ高効率に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の干渉源セルの位置決定方法の好ましい実施例のフローチャートである。
【
図2】本発明のTD−LTEシステムの実施例における各セルの帯域幅の模式図である。
【
図3】
図2の第1干渉セルと第2干渉セルが特定データを生成する過程の好ましい実施例のフローチャートである。
【
図4】
図2の第3干渉セルが特定データを生成する過程の好ましい実施例のフローチャートである。
【
図5】
図2のターゲットセルが干渉源セルの位置を決定する過程の好ましい実施例のフローチャートである。
【
図6】本発明の干渉源セルの位置決定装置の好ましい実施例のモジュールの模式図である。
【0026】
本発明の目的の実現、機能、特徴及び利点は、実施例を結合し、図面に基づいて説明する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の解決しようとする課題、技術案、効果を明らかになるために、以下、図面及び実施例を参照して、本発明を詳しく説明する。なお、ここで記載される具体的な実施例は、本発明を解釈するものであり、本発明を限定するものでない。
【0028】
図1に示すように、本発明の1つの実施例は、干渉源セルの位置決定方法を提供し、TD−LTEシステムの基地局に応用され、ターゲットセル(被干渉セル)が遠端のセルからの信号干渉を受ける場合、干渉源セルの位置を正確に決定するために用いられる。当該方法は、以下のステップを含む。
【0029】
S102において、通信システム全体のエイリアシング帯域幅を設定する。
【0030】
具体的に、上記通信システムがTD−LTEシステムである。通信システム全体の各セルに多種の帯域幅の組合せが存在する場合、それらの間に帯域幅の重畳部分が存在し、各重畳部分が1つのエイリアシング帯域幅B
Inv_xとなる。
【0031】
エイリアシング帯域幅として、B
Inv_x=(2)
-N*B
cell_nであり、ここで、B
cell_nが当該通信システムの全てのセル帯域幅である。同一の通信システムにおいて、エイリアシング帯域幅が1つ又は複数であってもよい。複数のエイリアシング帯域幅B
Inv_xが存在する場合、通信システム全体のエイリアシング帯域幅B
Invとしてその中の帯域幅が最小であるものを選択する。エイリアシング帯域幅B
InvはN
subcarrier個のサブキャリアを含む。
【0032】
例えば、
図2に示すように、
図2の通信システムが20M及び10M帯域幅のセルからなり、ターゲットセルが3つのセルからの干渉を受ける。ここで、ターゲットセルの帯域幅が20M、第1干渉セルの帯域幅が20M、第2干渉セルの帯域幅が20M、第3干渉セルの帯域幅が10M、当該通信システムのエイリアシング帯域幅B
Invが10Mである。
【0033】
S104において、前記エイリアシング帯域幅を基本単位とし、当該通信システム内の各セルのパイロットシーケンスを設定する。
【0034】
具体的に、エイリアシング帯域幅B
Invを基本単位とし、当該通信システム内の各セルの帯域幅をいくつかの部分に分け、各部分に対応する周波数領域データに対し、パイロットシーケンスを生成する。当該パイロットシーケンスは、mシーケンス、goldシーケンス、ZCシーケンス、又は他の自己相関性が良く、相互相関性が良くないシーケンスであってもよい。前記パイロットシーケンスの長さがN
subcarrierより小さく、N
Sequenceと記載される。
【0035】
例えば、
図2の第1干渉セル(又は第2干渉セル)の帯域幅が2つのエイリアシング帯域幅B
Invに等しく、この場合、当該第1干渉セル(又は第2干渉セル)が2つのパイロットシーケンスN
Sequenceを設定する必要がある。
【0036】
S106において、各セルのパイロットシーケンス基づいて、時間領域データを生成する。
【0037】
本実施例において、パイロットシーケンスN
Sequenceの前及び/又は後に0値補間を行い、長さがN
subcarrierであるシーケンスを生成し、次に、正負周波数切替を行い、中央に0値補間を行い、N
FFT点の周波数領域データを生成し、N
FFT点の周波数領域データに対しIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)操作を行い、N
FFT点の時間領域データを生成する。
【0038】
S108において、各セルの生成された時間領域データにCP(CyclicPrefix:サイクリックプレフィックス)を付けて特定データを生成し、それを送信する。
【0039】
具体的に、あるセルの帯域幅が2
n*B
Invに等しい場合(n=0,1,2,3…)、2
n個のパイロットシーケンスN
Sequenceを設定し、これに対応し、2
n個のN
FFT点の時間領域データを生成し、生成された2
n個のN
FFT点の時間領域データを結合し、結合されたデータにN
cp点CPを付ける。ここで、n=0即ち当該セルの帯域幅がエイリアシング帯域幅B
Invに等しい場合、1つのパイロットシーケンスN
Sequenceを設定し、これに対応し、N
FFT点の時間領域データを生成し、生成されたN
FFT点の時間領域データにN
cp点CPを直接に付ける。
【0040】
例えば、
図3及び
図4に示すように、
図2の第1干渉セル(又は第2干渉セル)と第3干渉セルが前記特定データを生成する過程に(即ち、上記のステップS104〜S108)対応するフローチャートである。
【0041】
なお、多種の方式で、各エイリアシング帯域幅B
Invに対応する周波数領域データに基づいて、時間領域データを生成することができるが、本実施例はその中の1つを挙げる。他の方式が本発明に同様応用されることは、当業者が容易想到するものである。
【0042】
さらに、ターゲットセルが干渉を受ける場合、以下のように干渉源セルの位置を決定する。
【0043】
S110において、他のセルにより送信された特定データを受信する。
【0044】
具体的に、ターゲットセルは、他の各セルにより送信された前記特定データを受信し、前記特定データが(N
cp+2
n*N
FFT)点データである。
【0045】
S112において、受信された特定データを解析し、他の各セルのエイリアシング帯域幅に対応する周波数領域データを取得する。
【0046】
具体的に、他の各セルからの前記特定データに対し、まず、当該特定データにN
cp点CPを除去し、エイリアシング帯域幅に対応するN
FFT点の時間領域データを取得する。次に、当該N
FFT点の時間領域データに対しFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)操作を行って、N
FFT点の周波数領域データY
invを取得する。
【0047】
S114において、ローカルで当該通信システム内の全ての可能な特殊パイロットシーケンスに基づいて、対応する周波数領域データを生成する。
【0048】
具体的に、ターゲットセルは、ローカルで当該通信システム内の全ての長さがN
Sequenceである特殊パイロットシーケンスに対し、上記のステップS106のように周波数領域データSを生成する。
【0049】
S116において、ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに対し、共役点乗算操作及びIFFT操作を行って、対応する時間領域データを取得する。
【0050】
具体的に、ターゲットセルは、ローカルで生成された周波数領域データS及び解析された周波数領域データY
invに対し、共役点乗算操作を行ってR即ちR=S
*.*Y
invを取得する。次に、Rに対しN
FFT点のIFFT操作を行ってN
FFT点の時間領域データR
tを取得する。他の各セルも1つの対応する時間領域データR
tを取得する。
【0051】
S118において、取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定する。
【0052】
具体的に、他の各セルに対応する時間領域データR
tに対し、ピーク検索を行い、ローカルのパイロットシーケンスが送信側(他のセル)のパイロットシーケンスと同じである場合、R
tに明らかなピークが存在し、当該他のセルが干渉源セルであることを示し、受信側(ターゲットセル)がこれによって干渉源セルの情報を確定することができる。
【0053】
例えば、
図5に示すように、
図2のターゲットセルが干渉源セルの位置を決定するする過程(即ち、上記ステップS110〜S118)に対応するフローチャートである。
【0054】
前記干渉源セルの位置決定方法は、干渉を印加するセルが特定の時間領域及び周波数領域リソースにおいて、特定のパイロットシーケンスに基づいて生成された特定データを送信し、ターゲットセルが特定の時間領域及び周波数領域リソースにおいて、当該特定データを検定し、各セルの送信した当該特定データが、通信システムにおいて他の全てのセルに対して既知のものである。当該通信システムに多種の異なる帯域幅が混在してエイリアシングされる場合、各種の帯域幅の組合せを経て検定する必要がなく、エイリアシング帯域幅において関連するシーケンスを検定し、干渉源セルの位置決定を行うことができる。当該方法は、干渉源セルの位置決定の複雑さを低減させ、干渉源セルの位置を簡易かつ高効率に決定することができる。
【0055】
図6に示すように、本発明の実施例は、干渉源セルの位置決定装置600を提供し、TD−LTEシステムの基地局のベースバンド処理ユニットに応用され、ターゲットセルが遠端のセルからの信号干渉を受ける場合、干渉源セルの位置を正確に決定する。
【0056】
本実施例において、干渉源セルの位置決定装置600は、設定モジュール602、生成モジュール604、送信モジュール606、受信モジュール608、解析モジュール610及び確定モジュール612を含む。
【0057】
前記設定モジュール602は、通信システム全体のエイリアシング帯域幅を設定するように構成される。
【0058】
具体的に、前記通信システムがTD−LTEシステムである。通信システム全体の各セルに多種の帯域幅の組合せが存在する場合、それらの間に帯域幅の重畳部分が存在し、各重畳部分が1つのエイリアシング帯域幅B
Inv_xとなる。
【0059】
エイリアシング帯域幅として、B
Inv_x=(2)
-N*B
cell_nであり、ここで、B
cell_nが当該通信システムの全てのセル帯域幅である。同一の通信システムにおいて、エイリアシング帯域幅が1つ又は複数であってもよい。複数のエイリアシング帯域幅B
Inv_xが存在する場合、通信システム全体のエイリアシング帯域幅B
Invとしてその中の帯域幅が最小であるものを選択する。エイリアシング帯域幅B
InvはN
subcarrier個のサブキャリアを含む。
【0060】
前記設定モジュール602は、前記エイリアシング帯域幅を基本単位とし、当該通信システム内の各セルのパイロットシーケンスを設定するように構成される。
【0061】
具体的に、エイリアシング帯域幅B
Invを基本単位とし、当該通信システム内の各セルの帯域幅をいくつかの部分に分け、各部分に対応する周波数領域データに対し、パイロットシーケンスを生成する。当該パイロットシーケンスは、mシーケンス、goldシーケンス、ZCシーケンス、又は他の自己相関性が良く、相互相関性が良くないシーケンスであってもよい。前記パイロットシーケンスの長さがN
subcarrierより小さく、N
Sequenceと記載される。
【0062】
前記生成モジュール604は、各セルのパイロットシーケンス基づいて、時間領域データを生成するように構成される。
【0063】
本実施例において、パイロットシーケンスN
Sequenceの前及び/又は後に0値補間を行い、長さがN
subcarrierであるシーケンスを生成し、そして、正負周波数切替を行い、中央に0値補間を行い、N
FFT点の周波数領域データを生成し、N
FFT点の周波数領域データに対しIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)操作を行い、N
FFT点の時間領域データを生成する。
【0064】
前記生成モジュール604は、さらに、各セルの生成された時間領域データにCP(Cyclic Prefix:サイクリックプレフィックス)を付けて特定データを生成するように構成される。
【0065】
具体的に、あるセルの帯域幅が2
n*B
Invに等しい場合(n=0,1,2,3…..)、2
n個のパイロットシーケンスN
Sequenceを設定し、これに対応し、2
n個のN
FFT点の時間領域データを生成し、生成された2
n個のN
FFT点の時間領域データを結合し、結合されたデータにN
cp点CPを付ける。ここで、n=0即ち当該セルの帯域幅がエイリアシング帯域幅
B
Invに等しい場合、1つのパイロットシーケンスN
Sequenceを設定し、これに対応し、N
FFT点の時間領域データを生成し、生成されたN
FFT点の時間領域データにN
cp点CPを直接に付ける。
【0066】
前記送信モジュール606は、前記特定データを他のセルに送信するよう構成される。
【0067】
前記受信モジュール608は、他のセルにより送信された特定データを受信するように構成される。
【0068】
具体的に、ターゲットセルは、他の各セルにより送信された前記特定データを受信し、前記特定データが(N
cp+2
n*N
FFT)点のデータである。
【0069】
前記解析モジュール610は、受信された特定データを解析し、他の各セルのエイリアシング帯域幅に対応する周波数領域データを取得するように構成される。
【0070】
具体的に、他の各セルからの前記特定データに対し、まず、当該特定データにN
cp点CPを除去し、エイリアシング帯域幅に対応するN
FFT点の時間領域データを取得する。次に、当該N
FFT点の時間領域データに対しFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)操作を行って、N
FFT点の周波数領域データY
invを取得する。
【0071】
前記生成モジュール604は、ローカルで当該通信システム内の全ての可能な特殊パイロットシーケンスに基づいて、対応する周波数領域データを生成するように構成される。
【0072】
具体的に、ターゲットセルは、ローカルで当該通信システム内の全ての長さがN
Sequenceである特殊パイロットシーケンスに対し、送信側と同じ方式で周波数領域データSを生成する
【0073】
前記生成モジュール604は、ローカルで生成された周波数領域データ及び解析された周波数領域データに対し、共役点乗算操作及びIFFT操作を行って、対応する時間領域データを取得するように構成される。
【0074】
具体的に、ターゲットセルは、ローカルで生成された周波数領域データS及び解析された周波数領域データY
invに対し、共役点乗算操作を行ってR即ちR=S
*.*Y
invを取得する。そして、Rに対しN
FFT点のIFFT操作を行ってN
FFT点の時間領域データR
tを取得する。他の各セルも1つの対応する時間領域データR
tを取得する。
【0075】
前記確定モジュール612は、取得された時間領域データに基づいて干渉源セルを確定するように構成される。
【0076】
具体的に、他の各セルに対応する時間領域データR
tに対し、ピーク検索を行い、ローカルのパイロットシーケンスが送信側(他のセル)のパイロットシーケンスと同じである場合、R
t に明らかなピークが存在し、当該他のセルが干渉源セルであることを示し、受信側(ターゲットセル)がこれによって干渉源セルの情報を確定することができる。
【0077】
なお、前記干渉源セルの位置決定装置600は、当該TD−LTEシステムの各セル(基地局)にベースバンド処理ユニットに応用され、前記モジュール602〜606の機能を実行して他のセルに特定データを送信する。1つのセルが干渉を受ける場合(ターゲットセルとなる場合)、当該セル内の干渉源セルの位置決定装置600は、前記モジュール608〜612の機能を実行して干渉源セルを見つけることができる。
【0078】
なお、本明細書において、「含む」、「含まれる」又はこのような他の単語は、非排他的インクルージョンを意味し、この場合、一連の要素を含む過程、方法、部品又は装置は、これらの要素だけでなく、他の以外の要素も含み、又は、この過程、方法、部品又は装置に固有される要素を含む。特に限定しない場合、「1つの……を含む」に限定される要素は、当該要素を含む過程、方法、物又は装置に以外に、同様の他の要素が存在することがある。
【0079】
上記の実施例によって、上記の実施例の方法がソフトウェア及びユニバーサルハードウェアプラットフォームにより実現してもよいし、ハードウェアで実現してもよいし、前者が好ましい実施例であることは、当業者が分かるものである。このように、本発明の技術案の従来技術に貢献する部分は、ソフトウェアで体現し、当該コンピュータソフトウェア製品が記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、いくつかの命令を含み、これによって、1つの端末(携帯電話、コンピュータ、サーバー、エアコン、又はネットワーク機器など)で本発明各の実施例の方法を実行する。
【0080】
以上、図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明するが、本発明の請求項を限定しない。上記の本発明の実施例の番号は例示的なのものであり、実施例の良いか悪いかを意味しない。また、フローチャートに論理的順序を示すが、ここでの順序と相違してもよい。
【0081】
以上、本発明の好ましい実施例を説明しており、これは本発明を限定したものでなく、当業者は、本発明が各種の変更及び変化を有すると理解される。本発明の精神と原則内の如何なる改良、同等の交換、変更等のいずれも、本発明の保護範囲に含まれる。
産業上の利用可能性
【0082】
本発明の実施例による技術案は、通信技術分野に応用される。本発明の実施例による干渉源セルの位置決定方法、装置及び基地局は、当該システムに多種の異なる帯域幅が混在してエイリアシングされる場合、各種の帯域幅の組合せを経て検定する必要がなく、エイリアシング帯域幅で関連するシーケンスを検定して、干渉ソースの位置を決定することができる。