(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カートリッジ及びハウジングを更に含み、該カートリッジは前記リザーバ及び輸送部材を含み、かつ、該カートリッジは該ハウジングに解除自在に連結可能である、請求項1又は2に記載のディスペンサ。
前記空気ポンプに電気的に接続されているコントローラと、該空気ポンプ及びコントローラに電気的に接続されている電源とを更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のディスペンサ。
カートリッジ内に空気をポンプ圧送する前記工程が、該カートリッジを加圧するために、前記揮発性組成物を収容する該カートリッジ内に空気を断続的にポンプ圧送する工程を含み、かつ、該揮発性組成物を蒸発性表面へ方向付ける工程が、該揮発性組成物を該蒸発性表面へ断続的に方向付ける工程を含む、請求項9又は10に記載の方法。
カートリッジ内に空気をポンプ圧送する前記工程が、該カートリッジを空気ポンプで加圧するために該カートリッジ内に空気をポンプ圧送する工程を含み、該空気ポンプは前記揮発性組成物に接触しない、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、経時的に、より一貫した流量を維持する揮発性組成物ディスペンサを提供することが有益であろう。更に、経時的に、より均一な香料特性プロファイルを送達する揮発性組成物ディスペンサを提供することが、経時的に有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
「組み合わせ:」
A.
揮発性組成物を収容するリザーバであって、リザーバが、空気入口と、空気入口から離間している液体出口とを有する、リザーバと、
第1の端部及び反対側の第2の端部を有する輸送部材であって、第1の端部がリザーバに液体連通しており、かつ第2の端部が液体出口を通って延在する、輸送部材と、
輸送部材の第2の端部に対して近位側に配置される蒸発性表面と、
リザーバの空気入口に気体連通している空気ポンプと、
を含む、揮発性組成物ディスペンサ。
B.蒸発性表面に連通しているヒータを更に含む、段落Aに記載のディスペンサ。
C.蒸発性表面に隣接して配置されたファンを更に含む、段落A〜Bのいずれか一項に記載のディスペンサ。
D.カートリッジ及びハウジングを更に含み、カートリッジはリザーバ及び輸送部材を含み、かつ、カートリッジはハウジングに解除自在に連結可能である、段落A〜Cのいずれか一つに記載のディスペンサ。
E.蒸発性表面がカートリッジに連結されている、段落Dに記載のディスペンサ。
F.蒸発性表面が、金属、プラスチック、ガラス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、段落D又は段落Eに記載のディスペンサ。
G.蒸発性表面が空気透過性である、段落A〜Fのいずれか一つに記載のディスペンサ。
H.空気ポンプに電気的に接続されているコントローラと、空気ポンプ及びコントローラに電気的に接続されている電源とを更に含む、段落A〜Hのいずれか一つに記載のディスペンサ。
I.輸送部材が、第2の端部に配置された制限部材を更に含む、段落Hに記載のディスペンサ。
J.揮発性組成物を分注する方法であって、方法が、
カートリッジを加圧するためにカートリッジの内部に空気をポンプ圧送する工程であって、カートリッジが揮発性組成物を収容する、工程と、
揮発性組成物を蒸発性表面へ方向付ける工程と、
揮発性組成物を蒸発性表面から蒸発させる工程と、
を含む、方法。
K.蒸発性表面に隣接する空気を加熱する工程を更に含む、段落Jに記載の方法。
L.蒸発性表面の上又は回りのある量の空気を方向付けて、蒸発する揮発性組成物を空気中に方向付ける工程を更に含む、段落J又は段落Kに記載の方法。
M.カートリッジ内に空気をポンプ圧送する工程が、カートリッジを加圧するためにカートリッジ内に空気を断続的にポンプ圧送する工程を含み、かつ、揮発性組成物を蒸発性表面へ方向付ける工程が、揮発性組成物を蒸発性表面へ断続的に方向付ける工程を含む、段落J〜Lのいずれか一つに記載の方法。
N.カートリッジ内に空気をポンプ圧送する工程が、カートリッジを空気ポンプで加圧するためにカートリッジ内に空気をポンプ圧送する工程を含み、空気ポンプは揮発性組成物に接触しない、段落J〜Nのいずれか一つに記載の方法。
O.空気ポンプがカートリッジを少なくとも約0.5kPaで加圧する、段落J〜Nのいずれか一つに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、リザーバと、輸送部材と、空気ポンプと、蒸発性表面を有する蒸発要素と、を有する揮発性組成物ディスペンサを提供する。この空気ポンプは、リザーバから輸送部材を介して蒸発性表面への揮発性組成物の適用量を、連続的又は断続的に送達するように構成される。
【0007】
この空気ポンプは、空気のみに接触し、揮発性組成物には接触しないように構成される。その結果、空気ポンプは腐食する可能性が低くなり、したがって、比較的長い寿命を有し得る。
【0008】
更に、この空気ポンプは、経時的に揮発性組成物の適用量を蒸発性表面に送達するので、蒸発した揮発性組成物の強度及び特性は、経時的に実質的に均一なままであり得る。この蒸発流量は、経時的に実質的に一定の速度で維持され得る。
【0009】
この揮発性組成物ディスペンサは、蒸発性表面からの揮発性組成物の蒸発を補助するためのヒータを含んでもよい。
【0010】
この揮発性組成物は、蒸発した揮発性組成物の室内全体への分散を補助するファンを含んでもよい。
【0011】
この揮発性組成物は、様々な材料を含み得る。例えば、この揮発性組成物は、1つ又は複数の香料原材料、希釈剤、溶媒、水性キャリアなどを含んでもよい。この揮発性組成物は、揮発性組成物の総重量に対して、少なくとも30重量%、あるいは少なくとも40重量%、あるいは少なくとも50重量%、あるいは少なくとも60重量%、あるいは少なくとも75重量%の香料原材料を含んでもよい。この揮発性組成物は、香料に加えて、又は香料の代替として、悪臭中和剤、防虫剤などを含んでもよい。
【0012】
図1〜
図4を参照して、揮発性組成物ディスペンサ10は、ハウジング12と、カートリッジ14と、カートリッジ14に流体連通している輸送部材16と、輸送部材16に流体連通している外側表面20(本明細書において「蒸発性表面」20と呼ばれる)を有する蒸発部材18と、を含み得る。揮発性組成物ディスペンサ10は、カートリッジ14と気体連通している空気ポンプ22を含む。
図1の揮発性組成物ディスペンサ10は、電気コンセントプラグの形態の電源28を有する。以下でより詳細に説明されるように、この空気ポンプはカートリッジを加圧し、その中に収容された揮発性組成物が輸送部材を通って蒸発性表面へと流れ、ここで揮発性組成物が空気中に蒸発する。
【0013】
揮発性組成物ディスペンサ10は更に、
図1〜
図4に示されるようなヒータ24及びファン26を含んでもよい。
【0014】
ハウジング12は、揮発性組成物ディスペンサ10の要素の多く又は全てを収容するように構成されてもよい。ハウジング12は、単一要素からなっていてよく、又は、一緒に接合されて内側チャンバ30を画定する複数の要素からなっていてもよい。ハウジング12は、任意の形状をとることができ、プラスチック、金属、樹脂などの様々な材料から構成されてもよい。
【0015】
図2〜
図4を参照すると、カートリッジ14は、揮発性組成物44を収容するように構成される。カートリッジ14は、リザーバ32と、リザーバ32を封入するためのキャップ34とを含み得る。リザーバ32は、底部36と、少なくとも1つの側壁38とを含み得る。カートリッジ14は、内部40及び外部42を画定する。カートリッジ14の内部40は、カートリッジ14の外部42から封止されて、揮発性組成物44がカートリッジ14から漏出するのを防ぎ、かつ、カートリッジ14内の空気圧の生成を可能にして、これにより揮発性組成物44を蒸発性表面20上に分注させる。カートリッジ14は、空気ポンプ22に気体連通している空気入口46を含む。カートリッジ14は更に、揮発性組成物出口48を含み、ここで揮発性組成物44は、輸送部材16を通ってカートリッジ14から蒸発性表面20に方向付けられる。空気入口46及び/又は組成物出口48は、例えば
図2及び
図3に示されるように、カートリッジ14のキャップ34内に配置されてもよいが、これは要件ではない。
【0016】
カートリッジ14は、ハウジング12に解除自在に連結可能であってもよく、又は、ハウジング12に恒久的に連結されてもよい。ハウジング12は、カートリッジ14が空になった時点でカートリッジ14を交換するように構成されてもよい。カートリッジ14は様々な方法でハウジング12に連結することができる。例えば、カートリッジ14のキャップ34はハウジング12に解除自在に連結可能であってもよい。カートリッジ14は、ハウジング12に摺動可能又は回転可能に連結可能であってもよく、又はバネ仕掛けであってもよい。
【0017】
カートリッジ14は、プラスチック、ガラス、金属、複合材料など、及びこれらの組み合わせを含む様々な材料から構成されてもよい。カートリッジ14のリザーバ32及びキャップ34は、1つの要素として構成されてもよく、又は一緒に接合及び封止される別個の要素として構成されてもよい。キャップ34及びリザーバ32は、同じ材料で構成されてもよく、又は異なる材料で構成されてもよい。キャップ34及び/又はリザーバ32は、透明、半透明、又は不透明であってもよい。
図2及び
図3に示されるカートリッジ14は実質的に円筒形であるが、カートリッジ14は、立方体若しくは卵形、又は任意の固有の形状などの、様々な異なる共通形状を取り得ることが理解されよう。リザーバ32及びキャップ34は、一体形成されてもよく、又は一緒に接合される別個の構成要素であってもよい。
【0018】
図3及び
図4を参照すると、輸送部材16は、カートリッジ14内に収容された揮発性組成物44を蒸発性表面20に送達するために、カートリッジ14に流体連通している。輸送部材16は、リザーバ32内に収容された揮発性組成物の実質的に全てを分注するために、リザーバ32の底部36と流体連通していてもよい。輸送部材16は、第1の端部52、第2の端部54、及び、第1の端部52と第2の端部54とを隔てる中央部56により画定され得る。輸送部材16の第1の端部52は、カートリッジ14内に配置されてもよく、揮発性組成物44と流体連通していてもよい。輸送部材16の少なくとも一部は、カートリッジ14の内部40内に配置される。輸送部材16の一部は、外部42からカートリッジ14まで延在してもよい。第1の端部52は、リザーバ32の底部36に接触してもよい。輸送部材16は、揮発性組成物44をリザーバ32から蒸発性表面20へと方向付けるように構成され得る。
【0019】
輸送部材16は種々の方式で構成され得る。例えば、輸送部材は、
図3及び
図4に示されるような外壁58及び中空内部60を有するチューブとして構成されてもよい。このチューブは、毛細管の形態であってもよい。輸送部材16は、プラスチック、ガラス、金属、ゴム、シリコーン、及びこれらの組み合わせを含む様々な材料で構成されてもよい。輸送部材はまた、非空気透過性外側ラップに包まれた多孔質又は半多孔質の芯で構成されてもよい。芯は、オーバーラップ(例えば、不織布シートオーバーラップ)を介して様々な形状に圧縮及び/若しくは成形されるか、又はPE、HDPE、若しくは他のポリオレフィンなどの焼結プラスチックで作製される束ね繊維が挙げられるがこれらに限定されない、様々な材料及び構築方法で構成され得る。例えば、芯は、ポリエチレン又はポリエチレンブレンドなどのプラスチック材料から作製され得る。
【0020】
図3及び
図4を参照すると、輸送部材は、第2の端部に配置された流体制限部材62を有するように構成され得る。流体制限部材は、例えば、単純なオリフィス又は多孔質部材を含んでもよい。蒸発部材は、多孔質材料を含む場合、流体制限部材としても機能し得る。輸送部材は、例えば、2mmの内径を有するチューブであってもよい。流体制限部材は、例えば、0.5mmの直径を有するオリフィスであってもよい。
【0021】
上述したように、及び
図3〜
図4を参照して、揮発性組成物ディスペンサ10は更に、蒸発性表面20を有する蒸発部材18を含んでもよい。揮発性組成物は蒸発性表面20から空気中に蒸発する。蒸発性表面20は、輸送部材16の第2の端部54に近接して配置され得る。輸送部材16は、リザーバ32から蒸発性表面20に揮発性組成物44を送達することができる。蒸発性表面20は、様々な異なる形態をとることができる。
【0022】
例えば、蒸発部材18(例えば例示目的のみのために示される
図3〜
図4の蒸発部材18など)は、多孔質、半多孔質、及び/又はスポンジ若しくは芯などの空気透過性基材として構成されてもよい。蒸発部材18が多孔質、半多孔質又は空気透過性基材を含む場合、揮発性組成物44は蒸発部材18内に吸収されてから、蒸発性表面20から空気中に揮発することができる。
【0023】
図5を参照すると、蒸発部材18は、金属、ガラス、プラスチック、及びこれらの組み合わせなどの材料から構成される、プレート、ボウル、皿などの実質的に非多孔質又は非空気透過性の基材であってもよい。
図5に示すように、揮発性組成物は蒸発性表面20の上に流れ落ちてもよい。蒸発部材18が実質的に非多孔質又は非空気透過性基材を含む場合、揮発性組成物44は、蒸発性表面20上に分注されてもよく、また、揮発性組成物44が空気中に揮発するまで蒸発要素18内に吸収されずに蒸発性表面20上に配置されていてもよい。見やすくするために、
図5の揮発性組成物ディスペンサは、空気ポンプなしで示されている。
【0024】
図6を参照すると、輸送部材16及び蒸発性表面20は、揮発性組成物が、ボウル又はプレートとして成形された周囲の蒸発性表面20上に輸送部材16から流れるように構成されてもよい。
【0025】
図2及び
図3は、蒸発部材18がカートリッジ14に固定的に又は解除自在に連結され得ることを示す。しかしながら、蒸発部材18は、カートリッジ14に連結されることなくカートリッジ14に隣接して配置されてもよいことが理解されよう。
【0026】
再び
図2を参照すると、揮発性組成物ディスペンサ10は、空気ポンプ22を含む。空気ポンプ22は、空気入口46を介してリザーバ32に気体連通している。空気ポンプ22は、カートリッジ14の内部40内に空気をポンプ圧送してカートリッジ14の内部40を加圧するよう構成され、これによって揮発性組成物44が輸送部材16を通って蒸発性表面20上へと流れる。空気ポンプ22は、圧電、ダイアフラム、スクイレル、ラジアル、ピストンポンプなどの多くの異なる形態をとることができるが、これらに限定されない。空気ポンプはまた、二酸化炭素などの加圧ガスカートリッジの形態、又は燃料電池の形態であってもよい。空気ポンプ22は、空気ポンプ22をカートリッジ14と連結するコネクタ50を含んでもよい。空気ポンプ22は空気をポンプ圧送するだけであり、揮発性組成物44と接触しないため、空気ポンプ22の腐食及び摩耗が制限される。例示的な空気ポンプとしては、例えば、DC空気ポンプ、又はDCミニ空気ポンプが挙げられ得る。
【0027】
空気ポンプは、流体輸送部材によって生成された液柱に等しい圧力をリザーバに送達することができ、この圧力は、少なくとも約0.5キロパスカル(kPa)のオーダーであってよい。より好ましい一実施形態は、この最小圧力の倍数、例えば、リザーバの液柱の10倍、又は5kPaを送達する空気ポンプを有し得る。より高い圧力により、輸送部材を通る移動時間を最小限に抑え、したがって、蒸発性表面へのより一貫した適用量をもたらす。圧力は、蒸発性表面への流れの調節を困難にするほど高くすべきではない。
【0028】
揮発性組成物ディスペンサは、
図2〜
図4に示されるようなヒータ24を含んでもよい。ヒータ24は、蒸発性表面20からの揮発性組成物44の蒸発を補助することができる。ヒータは、熱伝導、対流、又は誘導によって蒸発性表面を加熱してもよい。ヒータは、例えばチップ/表面実装抵抗器、貫通孔、又は印刷抵抗器などの抵抗器の形態であってもよい。ヒータは、抵抗器を有するヒータブロックの形態であってもよい。
【0029】
ヒータ24は、様々な場所及び様々な構成で配置され得る。ヒータは蒸発要素と一体であってもよく、又は蒸発要素から分離していてもよい。更に、ヒータは、蒸発性表面及び/又はヒータの構成に応じて、蒸発性表面に隣接して、又は蒸発性表面に接触して配置されてもよい。
【0030】
ヒータ24は、
図7に示されるように、蒸発性表面20を取り囲んでもよい。ヒータ24は、
図2〜
図4に示されるように、蒸発性表面20の上方に配置されてもよく、あるいは
図5及び
図6に示されるように、蒸発性表面20の下方に配置されてもよい。ヒータ24はまた、蒸発性表面20の1つ又は複数の側面に配置されてもよい。ヒータ4は、蒸発性表面20を部分的又は完全に取り囲むことができる。ヒータの温度は、所望の蒸発速度及び/又は特定の揮発性組成物に基づいて設定することができる。
【0031】
ヒータは蒸発要素と一体であってもよい。例えば、蒸発要素は、電流源と電気的に連通している導電性材料で少なくとも部分的に構成されてもよい。蒸発要素の蒸発性表面又は別の部分は、炭素繊維紙を含んでもよく、この炭素繊維紙は、電流が導入されると加熱され得る。蒸発部材は更に、ホットプレートの形態であってもよい。
【0032】
図1〜
図2を参照すると、蒸発組成物ディスペンサ10はファン26を含み得る。ファン26は、ある体積の空気を、ハウジング入口62を通ってハウジング12の内部チャンバ30内へと動かし、蒸発性表面20の周囲で動かし、更にハウジング出口64を通ってハウジング12から外へと動かすように構成されている。ハウジング12を通る空気流は、蒸発した揮発性組成物を部屋全体又は部屋内の領域全体に分散させるのを補助する。この空気流は更に、蒸発性表面からの揮発性組成物の蒸発を補助することができる。ファン26は、蒸発性表面20に隣接して配置され得る。遠心(すなわち、径方向)ファン及び軸流ファンなど、様々な種類のファン26が使用され得る。本開示に好適なファンとしては、Sunon Wealth Electric Machine Industry Co.,Ltd of Taiwanにより供給されている30×30×6mm MagLevモータファン(Model MC30060V1−000U−A99);及びMabuchi Motorにより供給されているファンモデルRF−330TK 07800が挙げられる。本発明の別の好適なファンは、以下の仕様を有し得る。
寸法:120×120×25mm
ファン速度:800〜1500rpm±250RPM
最大流量:66.55CFM
最大空気圧:1.42mm H2O
ベアリングタイプ:スリーブ
動作電圧:5V
【0033】
揮発性組成物ディスペンサは、電源28を含む。電源28は、空気ポンプ22、ヒータ24、及びファン26(存在する場合)を含む揮発性組成物ディスペンサ10の電気部品を作動させるために必要な電力を供給する。電源28は、揮発性組成物ディスペンサをAC/DCコンセントに接続するためのプラグ及び/又はコード、電池(例えば単三電池、単四電池、9ボルト電池、充電式電池、及び/又は他の好適な電池)を含み得る。電源は、太陽電池などのソーラー電源であってもよく、例えばこれは、光を受け取り、それをエネルギーに変換して、揮発性組成物ディスペンサの構成要素に電力を供給することができる。
図2は、例示目的のみのために、電源28としてAC/DCプラグを有する例示的な揮発性組成物ディスペンサ10を示す。しかしながら、揮発性組成物ディスペンサ10は、電気構成要素を作動させるために必要な電力を供給する任意のタイプの電源28で構成され得ることが理解されよう。
【0034】
図2に示すように、揮発性組成物ディスペンサは更に、コントローラ62を含む。コントローラ62は、空気ポンプ22、ヒータ24、及びファン26(揮発性組成物ディスペンサ10内に存在する場合)などの電気構成要素を制御する。コントローラ62は、例えば、マイクロコントローラ(「MCU」)又は特定用途向け集積回路(「ASIC」)として構成され得る。コントローラ62は、イベント及びタイミングのシーケンスを含む、揮発性組成物ディスペンサの機能を送達する役割を担っている。例示的なコントローラ62には、Texas Instruments MSP430F2132コントローラが挙げられる。
【0035】
図7は、例示的な揮発性組成物ディスペンサ10の一部の断面図を示す。
図7に示すように、蒸発部材18は、多孔質又は半多孔質基材の形態であってもよい。ヒータ24は、蒸発性表面20を部分的に又は完全に取り囲むように構成されてもよい。
【0036】
揮発性組成物ディスペンサは、1つ又は複数のユーザ入力ボタン又はスイッチを含んでもよく、これはユーザによって作動されたときにコントローラに入力信号を提供するように構成されており、それにより、コントローラは、対応する出力信号を電気構成要素に送信することができる。例示的な入力ボタン又はスイッチには、揮発性組成物ディスペンサの電源をオン又はオフにするように構成された電源オン/オフスイッチ、ユーザが揮発性組成物ディスペンサによって分注される揮発性組成物の量を調整することを可能にするように構成された強度ボタン又はダイヤルが挙げられる。理解されるように、入力ボタン又はスイッチは、例えば押しボタン、スライダ、ダイヤル、ノブのようなボタン及び/又はスイッチの任意の組み合わせであってよい。
【0037】
揮発性組成物ディスペンサは、揮発性組成物ディスペンサの状態に関してユーザにフィードバックを提供するように構成された、可視インジケータ、光源、及び/又は警報音などのセンサを備え得る。このセンサを使用して、揮発性組成物ディスペンサの特性をユーザに警告することができる。そのフィードバックは可視及び/又は可聴のものであってもよく、特に、揮発性組成物ディスペンサの電源がオンであるかどうか、分注されている揮発性組成物の適用量、電源の電力レベル、リザーバ内の揮発性組成物の量、タイプ、若しくはレベル、及び/又はユーザにとって有用又は有益な任意の他の好適なフィードバックをユーザに示すことができる。温度センサ、運動センサ、及び/又は空気品質センサなどの様々な他のセンサが使用されてもよい。
【0038】
存在する場合、このセンサは、コントローラ及び/又は電源に電気的に連結された例えば複数の光源のような1つ又は複数のインジケータ、並びにハウジング内の半透明の部分を備えてよく、その結果、ユーザは、ハウジングを通して1つ又は複数のインジケータを見ることができる。存在する場合、この1つ又は複数のインジケータは、どのようなタイプのフィードバックがユーザに提供されるかに応じて、1つ又は複数のインジケータの様々な光がハウジングの半透明の部分を通して可視光を発することができるように、任意の好適なやり方で方向付けられてよい。ハウジングの半透明の部分は、任意の好適な形を有することができ、1つ又は複数のインジケータを同様の形に構成して、例えば光源などの1つのインジケータへの電気が供給又は遮断されると、ユーザに第1のフィードバックが提供され、2つ以上の光源への電気が給電又は遮断されると、ユーザに少なくとも第2のフィードバックが提供され、以下同様にフィードバックが提供されるようにしてもよい。任意のボタン又はスイッチは更に、1つ又は複数のインジケータがボタンを通して見えるように少なくとも部分的に半透明であり得る。
【0039】
リザーバの全寿命の指標として蓄電池の電圧又はランタイムを見る場合、リザーバが空であること及び/又はカートリッジが交換を必要とすることを示すために、赤色光の点灯などの信号をユーザに提供する又は点滅光を提供するようにコントローラをプログラムすることができる。
【0040】
本開示はまた、揮発性組成物を空気中に蒸発させる方法を含む。
図1〜
図4を参照すると、この方法は、リザーバ32を有する揮発性組成物ディスペンサ10と、蒸発性表面20を有する蒸発要素18とを提供する工程を含み得る。この方法は、空気ポンプ22を使用してリザーバ32を加圧して、揮発性組成物44をリザーバ32から蒸発性表面20に方向付ける工程を含む。揮発性組成物44は、リザーバ32から蒸発性表面20へと輸送部材16を通って流れることができ、この輸送部材は、一方の端部でリザーバ32に流体連通し、反対側の端部で蒸発性表面20に流体連通している。この方法は更に、揮発性組成物44を蒸発性表面20から蒸発させる工程を含む。ヒータ24は、蒸発性表面からの揮発性組成物44の蒸発を補助するために使用され得る。揮発性組成物を蒸発させる方法は更に、ファン26を作動させて、蒸発性表面20の上又は周囲の、ある体積の空気を方向付けることを含み得る。
【0041】
揮発性組成物44は、所望の強度、部屋の大きさなどに応じて、様々な蒸発速度で蒸発性表面20から蒸発し得る。
【0042】
空気ポンプ22は、リザーバ32から蒸発性表面20に揮発性組成物44を断続的又は連続的に送達するように構成され得る。リザーバ32から蒸発性表面20への揮発性組成物44の流量は、特定の期間にわたる所望の強度又は気付きやすさに基づいて、及び/又は部屋の大きさに基づいて、選択することができる。例えば、空気ポンプは、何分かおきに1回ずつ、蒸発性表面に1回適用量の揮発性組成物をポンプ圧送してもよく、又は一定期間にわたってある量の揮発性組成物を蒸発性表面に連続的に送達してもよい。
【0043】
揮発性組成物ディスペンサはまた、オーバーフロードレーンを含んでもよく、これにより、空気ポンプによって蒸発性表面に一度に過剰に流体が適用された場合、一部の流体がリザーバ内に逆流することが可能になる。一方向弁を使用して、空気がカートリッジから漏れるのを防止することができ、かつ/又は、カートリッジが傾けられた場合に揮発性組成物がリザーバから流出するのを防ぐことができる。
【0044】
存在する場合、ヒータ24は、連続的又は断続的に動作するように構成され得る。ヒータ24は、揮発性組成物44の適用量が蒸発性表面20に送達された後にオンになるように構成され得る。例えば、空気ポンプ22は、1秒などの一定時間起動されてもよく、その後、ヒータ24は、蒸発性表面20から揮発性組成物44の適用量を蒸発させるために一定時間オンにすることができる。断続的に動作する場合、ヒータ24は、1分間〜20分間、あるいは約5分間〜約15分間、あるいは約10分間の範囲の時間にわたってオンにされ得る。
【0045】
存在する場合、ファン26は、連続的又は断続的に動作するように構成され得る。ファン26は、ヒータ24がオンにされている間に回転されてもよく、これによって、揮発性組成物44が蒸発している間に、ファン26は蒸発した揮発性組成物を揮発性組成物ディスペンサ10から空気中へと方向付ける。ファンからの空気流量は、部屋の大きさ、所望の強度などに応じて、任意の所望の流量であってもよい。例えば、ファン26は、ハウジング12の内部チャンバ30を通る空気流量を、1時間当たり約3.5m
3の範囲で生成することができる。ファン26の起動持続時間又はファン26が提供する空気体積の流量を調節して、揮発性組成物ディスペンサ10からの揮発性組成物の蒸発及び/又は分散を、より高い強度又はより低い強度で提供することができる。ファン26は、約5%〜約50%の負荷サイクル、又は約8%〜約20%の負荷サイクルでオンオフを切り替えることができる。
【0046】
蒸発性表面20から揮発性組成物44を蒸発させるのに必要な時間に実質的に等しい期間にわたってファン26及び/又はヒータ24を断続的に動作させることによって、電力を節約することができ、及び/又は電池などの電源28の寿命を延ばすことができる。加えて、空気ポンプ22、ヒータ24及び/又はファン26を断続的に動作させることで、揮発性組成物の蒸発速度を制御することもできる。
【0047】
揮発性組成物ディスペンサは、Wi−Fi又はアドホックのワイヤレスメッシュネットワークを介して、通信ネットワークと接続可能であってもよい。例えば、通信ネットワークは、揮発性組成物ディスペンサをオン又はオフにするか、又は流量、ファン速度、又はヒータを調整することを含む、揮発性組成物ディスペンサの遠隔制御を行うために使用され得る。通信ネットワークを使用することにより更に、他の電気器具、照明、HVAC装置などの使用と、揮発性組成物ディスペンサの使用とをリンクさせることもできる。
【0048】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0049】
本明細書全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも低い全ての数値限定を、かかるより低い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含することを理解すべきである。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。
【0050】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0051】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。