特許第6983886号(P6983886)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983886
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】コーティング剤塗布用プリントヘッド
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20211206BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20211206BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   B05C5/00 101
   B05B12/00 A
   B05C11/10
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-527330(P2019-527330)
(86)(22)【出願日】2017年12月1日
(65)【公表番号】特表2020-501877(P2020-501877A)
(43)【公表日】2020年1月23日
(86)【国際出願番号】EP2017081141
(87)【国際公開番号】WO2018108576
(87)【国際公開日】20180621
【審査請求日】2020年8月17日
(31)【優先権主張番号】102016014947.7
(32)【優先日】2016年12月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、ハンス−ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーア、ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】クライナー、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ブベック、モーリッツ
(72)【発明者】
【氏名】ベイル、ティモ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルレ、フランク
(72)【発明者】
【氏名】ゾツニー、シュテッフェン
【審査官】 河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/048112(WO,A1)
【文献】 特表2012−506305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00− 5/04
7/00−21/00
B05B12/00−12/14
13/00−13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品にコーティング剤を塗布するプリントヘッドであって、
a)ノズルプレート(1)と、
b)前記ノズルプレート(1)において前記コーティング剤を吐出する少なくとも1つのノズル(2)と、
c)前記ノズル(2)を通してコーティング剤の解放を制御する前記ノズルプレート(1)に相対的に可動なバルブ要素(9)であって、当該可動バルブ要素(9)は閉鎖位置において前記ノズル(2)を閉じ、当該可動バルブ要素(9)は開放位置において前記ノズル(2)を解放する、バルブ要素(9)と、
d)前記バルブ要素(9、11)の前記閉鎖位置において、前記可動バルブ要素(9、11)に対して前記ノズル(2)を封止する封止部(11、12)と、を備え、
e)前記封止部(11、12)は、前記バルブ要素(9、11)上の弾性体挿入部として形成されておらず、
f)前記可動バルブ要素(9、11)は、前記ノズル(2)の形状に相補的な形状に適合し、前記ノズル(2)を貫通し、及び/又は、
g)前記封止部(11、12)は、前記ノズル(2)の内側面に配置されていることを特徴とする、
プリントヘッド。
【請求項2】
a)前記封止部(12)は、前記ノズルプレート(1)に接続され、及び/又は、
b)前記封止部(12)は、平坦であり、及び、前記閉鎖位置において前記可動バルブ要素(9、11)と前記封止部(12)との間に平坦な接触を形成し、及び/又は、
c)前記封止部(12)は、前記バルブ要素が前記閉鎖位置から前記開放位置に移動するときに、前記ノズル(2)に対して相対的に移動しないことを特徴とする、
請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項3】
部品にコーティング剤を塗布するプリントヘッドであって、
a)ノズルプレート(1)と、
b)前記ノズルプレート(1)において前記コーティング剤を吐出する少なくとも1つのノズル(2)と、
c)前記ノズル(2)を通してコーティング剤の解放を制御する前記ノズルプレート(1)に相対的に可動なバルブ要素(9)であって、当該可動バルブ要素(9)は閉鎖位置において前記ノズル(2)を閉じ、当該可動バルブ要素(9)は開放位置において前記ノズル(2)を解放する、バルブ要素(9)と、
d)柔軟なシーリング膜(13)と、を備え
)前記柔軟なシーリング膜(13)は、前記可動バルブ要素を形成し、閉鎖位置において前記ノズル(2)を閉じ、開放位置において解放し、及び、
)前記シーリング膜(13)は、前記閉鎖位置と前記開放位置との間のバルブ駆動部によって歪められることを特徴とする、
リントヘッド。
【請求項4】
前記シーリング膜(13)は弾性を有し、静止位置に、前記シーリング膜(13)を押し込むリターンスプリングを形成することを特徴とする、
請求項に記載のプリントヘッド。
【請求項5】
部品にコーティング剤を塗布するプリントヘッドであって、
a)ノズルプレート(1)と、
b)前記ノズルプレート(1)において前記コーティング剤を吐出する少なくとも1つのノズル(2)と、
c)前記ノズル(2)を通してコーティング剤の解放を制御する前記ノズルプレート(1)に相対的に可動なバルブ要素(9)であって、当該可動バルブ要素(9)は閉鎖位置において前記ノズル(2)を閉じ、当該可動バルブ要素(9)は開放位置において前記ノズル(2)を解放する、バルブ要素(9)と、
d)前記開放位置と前記閉鎖位置との間で前記バルブ要素(9)を動かすバルブ駆動部(14、15)と、を備え
)前記バルブ駆動部(14、15)は、駆動膜(14)であって、前記駆動膜(14)を歪ませて、前記バルブ要素を動かすために、前記バルブ要素(9)と結合され、駆動流体によって作動させられ得る、柔軟な駆動膜(14)、を有することを特徴とする、
リントヘッド。
【請求項6】
駆動膜(14)及び前記シーリング膜(13)は、前記ノズル(2)と駆動流体との間で二重の封止部を形成することを特徴とする、
請求項に記載のプリントヘッド。
【請求項7】
部品にコーティング剤を塗布するプリントヘッドであって、
a)ノズルプレート(1)と、
b)前記ノズルプレート(1)において前記コーティング剤を吐出する少なくとも1つのノズル(2)と、
c)前記ノズル(2)を通してコーティング剤の解放を制御する前記ノズルプレート(1)に相対的に可動なバルブ要素(19)であって、当該可動バルブ要素(19)は閉鎖位置において前記ノズル(2)を閉じ、当該可動バルブ要素(19)は開放位置において前記ノズル(2)を解放する、バルブ要素(19)と、を備え、
前記バルブ要素(19)は、前記プリントヘッドに固定的に配置され、
)前記ノズルプレート(1)は、弾性的に柔軟であり、
)前記開放位置において、前記バルブ要素(19)から離れるように前記ノズルプレート(1)を押すことで前記ノズル(2)を解放するバルブ駆動部が提供され、一方、前記閉鎖位置において、前記ノズルプレート(1)は、曲げられていない静止位置にあり、そこで、前記バルブ要素(19)は前記ノズル(2)を閉鎖し、
)前記ノズルプレート(1)は、好ましくは、前記閉鎖位置と前記開放位置との間において、±200μm、±100μm、±50μm、±30μm、±20μm又は±10μmのストロークで曲がることができることを特徴とする、
リントヘッド。
【請求項8】
a)前記バルブ要素(9)の前記閉鎖位置への移動を制限するために、機械的な停止部が設けられ、
b)前記機械的な停止部は、前記バルブ要素(9)側に金属、前記ノズル(2)側に金属、の材料の対を有し、及び、
c)前記封止部(11、12)は、弾性を有し、前記閉鎖位置において、前記機械的な停止部によって規定される特定の材料の圧縮を受けることを特徴とする、
請求項1又は2に記載のプリントヘッド。
【請求項9】
部品にコーティング剤を塗布するプリントヘッドであって、
a)ノズルプレート(1)と、
b)前記ノズルプレート(1)において前記コーティング剤を吐出する少なくとも1つのノズル(2)と、
c)前記ノズル(2)を通してコーティング剤の解放を制御する前記ノズルプレート(1)に相対的に可動なバルブ要素(9)であって、当該可動バルブ要素(9)は閉鎖位置において前記ノズル(2)を閉じ、当該可動バルブ要素(9)は開放位置において前記ノズル(2)を解放する、バルブ要素(9)と、
d)板状であり、バルブ駆動部(5、6、9)によって動かされることができるバルブ要素(17)と、を備え
)前記閉鎖位置において、前記バルブ要素(17)は、前記バルブ駆動部(5、6、9)から離れて前記ノズルプレート(1)の下側にあり、又は、
)内部で前記バルブ要素(9)が動かされることができるノズル流路(18)は、前記ノズルプレート(1)を貫き、前記バルブ要素(9)は、閉鎖位置において、前記バルブ駆動部(5、6、9)に面する、前記ノズル流路(18)の上側を密閉することを特徴とする、
リントヘッド。
【請求項10】
部品にコーティング剤を塗布するプリントヘッドであって、
a)ノズルプレート(1)と、
b)前記ノズルプレート(1)において前記コーティング剤を吐出する少なくとも1つのノズル(2)と、
c)前記ノズル(2)を通してコーティング剤の解放を制御する前記ノズルプレート(1)に相対的に可動なバルブ要素(9)であって、当該可動バルブ要素(9)は閉鎖位置において前記ノズル(2)を閉じ、当該可動バルブ要素(9)は開放位置において前記ノズル(2)を解放する、バルブ要素(9)と、
d)前記バルブ要素(9、11)の前記閉鎖位置において、前記可動バルブ要素(9、11)に対して前記ノズル(2)を封止する封止部(11、12)と、を備え、
e)前記封止部(11、12)は、前記バルブ要素(9、11)上の弾性体挿入部として形成されておらず、
f)前記ノズル(2)は、珪素でできているか、又は珪素のノズル挿入部を含み、前記可動バルブ要素(9)は、少なくとも部分的には、鉄、ゴム又はプラスチックからなることを特徴とする、
リントヘッド。
【請求項11】
a)前記プリントヘッドは、スプレーとは反対に、狭く閉じ込められたコーティング媒体のジェットを運搬し、及び/又は、
b)前記プリントヘッドは、前記ジェットの長手方向に連続的なコーティング材料のジェットとは反対に、液滴のジェットを吐出し、又は、
c)前記プリントヘッドは、液滴のジェットとは対照的な、前記ジェットの長手方向に接続されたコーティング剤のジェットを吐出し、及び/又は、
d)前記プリントヘッドは、オーバースプレーなしに、実質的にすべての塗布されるコーティング剤が完全に前記部品に堆積させられるように、少なくとも80%、90%、95%又は99%の塗布効率を有し、及び/又は、
e)前記プリントヘッドは、少なくとも、毎分0.5m、毎分1m、毎分2m又は毎分3mものコーティング性能を有し、及び/又は、
f)前記プリントヘッドは、前記プリントヘッドからの前記コーティング剤の液滴の排出をする少なくとも1つの電気的に制御可能なアクチュエータを備えることを特徴とする、
請求項1から1のいずれか1項記載のプリントヘッド。
【請求項12】
部品への塗布をするコーティング設備であって、前記コーティング剤を塗布する塗布装置を有し、
前記塗布装置が請求項1から1のいずれか1項に記載のプリントヘッドであることを特徴とする、部品塗布のためのコーティング設備。
【請求項13】
列的な運動力学及び少なくとも6つの可動ロボット軸を備え、前記プリントヘッドを案内する多軸塗装ロボットによることを特徴とする、
請求項1に記載のコーティング設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品へのコーティング剤塗布用プリントヘッド、特に、車体部品への塗料の塗布用プリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
回転噴霧器は、車体部品に連続的に塗装するための塗布装置として通常使用されるが、これらの機器は、限定的な塗布効率、即ち、塗布される塗料の一部だけがコーティングされるべき部品上に堆積し、塗布される塗料の残りは、いわゆるオーバースプレーとして処分されなければならない、という欠点を有する。
【0003】
より新しい開発ラインは、他方で、例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3から知られるような塗布装置として、いわゆるプリントヘッドを提供する。既知の回転噴霧器に対して、このようなプリントヘッドは、塗布されるべき塗料のスプレーを吐出せず、むしろ空間的に狭く閉じ込められた塗料のジェットを吐出し、それがほとんど完全に塗布されるべき部品上に堆積させられるため、オーバースプレーが実質的に生じない。
【0004】
この場合、通常、多数のノズルがプリントヘッドのノズルプレートに配置され、これにより、可動バルブ要素によって個々のノズルはそれぞれ開閉され得る。可動バルブ要素は通常、シールとしての弾性体挿入部を備えるバルブニードルである。ここで、弾性体挿入部を備えるバルブニードルは、閉鎖位置と開放位置との間を移動可能であり、それにより、バルブニードルの閉鎖位置において、弾性体挿入部はノズルを封止するが、開放位置において弾性体挿入部は引き上げられることでノズルを通して流体の流れ(通常、最先端技術に従ったインク)を解放する。
【0005】
この周知の種類の可動バルブ要素(例えば、バルブニードル)とノズルとの間の封止の欠点は、第1に、弾性体挿入部の製造に関する複雑な製造工程である。
【0006】
別の欠点は、弾性体挿入部を備えるバルブニードルは特定の限界の範囲内で小型化され得るにすぎないため、隣接するノズル間のノズル間隔が下限を下回ることができないということである。
【0007】
さらに、弾性体挿入部の製造の精度に限界があるため、必要とされるバルブのストロークに関して大きな変動が生じる。
【0008】
本発明の技術的背景は、特許文献4、特許文献5及び特許文献6においても見出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許出願公開第102013002412号明細書
【特許文献2】米国特許第9108424号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102010019612号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第3634747号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102014012705号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第4138491号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第102013092412号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このため、本発明は、可動バルブ要素のノズルに対する封止の別の解決を創造するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、主要な請求項による本発明に係るプリントヘッドによって達成される。
【0012】
まず、本発明の文脈において用いられる「プリントヘッド」という用語は、一般的に理解されるべきであり、塗布されるべきコーティング剤のスプレーを吐出する噴霧器(例えば、回転噴霧器、円盤噴霧器、エアレス噴霧器、エアミックス噴霧器、超音波噴霧器)から区別するに役立つだけであることに注意されたい。反対に、本発明に係るプリントヘッドはコーティング剤の空間的に限定されたジェットを吐出する。このようなプリントヘッドは、最新技術から知られており、例えば、特許文献7、特許文献2及び特許文献3に記載されている。
【0013】
本発明に係るプリントヘッドは、好ましくは、塗料(例えば、ベースコート、クリアコート、水性塗料、溶剤系塗料)の塗布のために用いられることにも言及されるべきである。しかし、本発明に係るプリントヘッドは、その代わりに、僅かな数例の名前を挙げると、シーラント、絶縁材料、接着剤、プライマー等の他のコーティング剤の塗布のために設計され得る。
【0014】
最新技術に従い、本発明に係るプリントヘッドは、コーティング剤を吐出する少なくとも1つのノズルを含むノズルプレートを備える。好ましくは、このノズルは、コーティングされるべき部品上に前述のコーティング剤のジェットを吐出する。しかし、ノズルがプリントヘッドの内部に配置され、コーティング剤を外部吐出ノズルに通過させるだけであり、その後、ノズルがコーティング剤のジェットを部品に塗布する可能性もあり得る。
【0015】
加えて、最新技術に従い、本発明に係るプリントヘッドは、ノズルを通したコーティング剤の解放を制御するバルブ要素を備える。このバルブ要素は、ノズルプレートに対して相対的に可動であり、閉鎖位置においてノズルを閉鎖するが、この可動バルブ要素は、開放位置においてノズルを解放する。
【0016】
好ましくは、閉鎖位置と開放位置との間のバルブ要素の移動は純粋な直線運動(変位運動)であるが、本発明の範囲内で、開放位置と閉鎖位置との間で他の運動の可能性も基本的にあり得る。バルブ要素の回転運動、旋回運動又は組み合わされた回転と直線の運動は、少数の例にすぎない。
【0017】
さらに、本発明に係るプリントヘッドは、バルブ要素の閉鎖位置において、可動バルブ要素に対してノズルを封止する封止部を含む。
【0018】
しかし、本発明に係るプリントヘッドの場合には、上述の問題に関連するため、この封止部は、好ましくはバルブ要素上の弾性体挿入部としては設計されない。
【0019】
例えば、封止部はノズルプレート上に配置され得る、即ち、既知の弾性体挿入部と同様に可動バルブ要素上には配置されない。その代わりに、本発明に係る封止部は、ノズルプレートではなく、可動バルブ要素と接続されることも可能である。加えて、これらの2つの代替を組み合わせることも可能であり、これによって、封止部は可動バルブ要素とノズルプレートの両方に接続され、この場合には、ノズルと、2つの封止部が互いに相互作用する。
【0020】
封止部は、好ましくは平坦であり、閉鎖位置において、動くバルブ要素と封止部との間に平坦な接触を形成することにも言及されるべきである。例えば、平坦な封止プレート又は封止層がこの目的のためにノズルプレートの内部に適用され得る。
【0021】
さらに、本発明の一実施形態において、可動バルブ要素の形状は、ノズルの形状と相補的であり、閉鎖位置におけるノズルに投影する可能性がある。例えば、ノズルは流れの方向に円錐状に狭まり得る。可動バルブ要素は、好ましくは、ノズルと同一の円錐角で自由端に向けて円錐状に先細るはずであり、このため、バルブ要素とノズルは対応する形状適合を形成し、このことは、封止の効果を改善する。代わりに、好ましくは、可動バルブ要素も半球型の外部輪郭を有するように、例えば、ノズルが半球型の内部輪郭を有することも可能である。
【0022】
封止部は、ノズルの内側面に適用され得ることも言及されるべきである。ノズルの内部輪郭が先細るならば、封止部は、好ましくは、ノズルの内側面を覆うであろう。
【0023】
本発明の別の実施形態においては、プリントヘッドは、柔軟なシーリング膜を備え、それにより、柔軟なシーリング膜は可動バルブ要素を形成し、閉鎖位置においてノズルを閉鎖し、開放位置においてノズルを解放する。このシーリング膜は、閉鎖位置と開放位置との間でバルブアクチュエータによって歪められる。一方で、柔軟なシーリング膜は、閉鎖位置でこのようにしてノズルを封止する。他方で、シーリング膜は、バルブアクチュエータがコーティング剤と接することにならないように、コーティング剤の供給部のバルブアクチュエータからの分離も行う。これは、異なる複数の色のコーティング剤が次々に塗布されることになっていて、そのため、プリントヘッドがフラッシング剤で濯がれなければならない場合に、特に有利である。柔軟なシーリング膜は、バルブアクチュエータ内にコーティングが堆積することを防止し、滑らかな表面のおかげで、良好なフラッシング性能をも可能にする。
【0024】
加えて、シーリング膜は弾性を有していてもよく、そうならばリターンスプリングの機能を実現し、シーリング膜を静止位置、特に、閉鎖位置に押し入れる。バルブアクチュエータは、好ましくは、シーリング膜を開放位置に歪ませるが、シーリング膜はばねの弾性のためバルブアクチュエータによって動かされることなく閉鎖位置に押し込まれる。しかし、本発明の範囲内において、シーリング膜はばねの弾性のため開放位置に押し込まれてもよく、バルブアクチュエータはシーリング膜を閉鎖位置に押し込む可能性もある。
【0025】
可動バルブ駆動部を動かすため、好ましくは、プリントヘッドは可動バルブ駆動部を有する。この発明の一例において、バルブ駆動部は、可動バルブ要素と機械的に結合された柔軟な駆動膜を備え、駆動膜を歪めることによりバルブ要素を動かすため、駆動流体(例えば、作動油、圧縮空気)を供給され得る。
【0026】
アクチュエータ膜は、コーティング剤自身による作用を受ける可能性もある。その代わりに、駆動流体は、塗料の一部、例えば、バインダ、溶剤、Mesamol(商標)又は類似物から構成されていてもよい。膜が破れる場合、このことは、化学反応又は不適合ではないであろう。
【0027】
バルブアクチュエータのこの変更例は、ノズルとアクチュエータ流体との間に2つの封止部があり、一方はアクチュエータ膜を介した封止部であり、他方は柔軟なシーリング膜を介した封止部であるため、上記の柔軟なシーリング膜との組合せで特に有利である。このようにして、ノズルを通したアクチュエータ流体(例えば、作動油)の漏れは、二重の安全性をもって予防され得る。
【0028】
しかし、本発明の範囲内において、バルブ駆動部の他の設計も可能である。例えば、バルブ駆動部は、コイルとそのコイル内の可動電機子を備えるソレノイドアクチュエータとして設計されてもよく、それにより、電機子は、可動バルブ要素と機械的に結合され、コイルに供給される電流に応じて開放位置と閉鎖位置との間を移動させられる。
【0029】
本発明の一実施形態において、バルブ要素(例えば、タペット)はプリントヘッド内に固定されているが、ノズルプレートは弾力的で柔軟であり、バルブアクチュエータによって曲げられる。閉鎖位置においては、ノズルプレートが平坦で、可動バルブ要素(例えば、タペット)の自由端にノズルで密封するように、バルブ駆動部は、好ましくは、ノズルプレートに力をかけない。他方、開放位置においては、ノズルが一定のストロークでバルブ要素の自由端から離され、コーティング剤がノズルから離れられるように、バルブ駆動部はノズルプレートを曲げる。閉鎖位置と開放位置との間ノズル領域におけるノズルプレートのストロークは、好ましくは、約30μmである。
【0030】
封止部は平坦であってもよいことがすでに冒頭で簡潔に言及された。例として、封止部は、例えば、ノズルプレート上に加硫され、蒸発させられ、層形成プロセスによって塗布され又は印刷された、封止層を備えてもよい。
【0031】
代わりに、封止部は、例えば、ノズルプレート上に糊付けされ、配置され、接着され、又はラミネート加工され得るフィルムを備えることも可能である。
【0032】
本発明の範囲内における材料の選択に関して、可動要素は、好ましくは、少なくとも部分的には、金属、プラスチック又は珪素からなることに言及されるべきである。
【0033】
さらに、本発明に係るプリントヘッドは、好ましくは、バルブ要素側とノズル側との間のノズル上に、次の材料の組合せの1つを有する。
金属上の金属、
金属上のプラスチック、
プラスチック上の金属、
珪素上のプラスチック、
珪素上の珪素、又は、
珪素上の金属。
【0034】
例えば、可動バルブ要素は、金属でできており、かつ、プラスチックのタペットに結合され得る。
【0035】
加えて、開口部は珪素でできているか、又は珪素の開口挿入部を備えていてもよいが、可動バルブ要素は、少なくとも部分的には鉄、ゴム又はプラスチック(例えば、PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)でできている。
【0036】
可動バルブ要素が開放位置から閉鎖位置に移動するとき、封止部は、通常、バルブ要素の移動も閉鎖位置までに限定する機械的な停止部を形成する。そのため、封止部は、2つの機能、第1に実際の封止機能、第2に機械的な停止部の機能を有する。
【0037】
本発明の別の実施形態において、バルブ要素の移動を閉鎖位置までに限定するための別途の機械的な停止部が提供される。これは、規定の圧縮力が封止部に作用するため、有利であり得る。
【0038】
機械的な停止部は、好ましくは、バルブ要素側とノズル側との間に材料の対を有し、両側に金属を提供する。他方、封止部は、好ましくは、弾性を有し、閉鎖位置において、機械的な停止部によって規定される特定の材料の圧縮を受ける。
【0039】
本発明の別の実施形態において、他方で、可動バルブ要素は、好ましくは、開放位置と閉鎖位置との間でタペットを通してバルブアクチュエータによって動かされ得るバルブプレートとして設計される。
【0040】
本発明の変更例において、タペットはノズルから突き出し、バルブプレートはバルブ駆動部とは反対側のノズルプレートの下側の閉鎖位置にある。そして、バルブプレートは、ノズルを閉じるためにノズルに向かって引っ張られ、一方、ノズルプレートは、ノズルを開けるためにノズルから押し出される。
【0041】
別の変更例において、ノズル流路は、少なくとも1つのノズルに供給されるノズルプレートを貫く。閉鎖位置において、板状のバルブ要素は、バルブ駆動部に面するノズル流路の上部と密着している。
【0042】
プリントヘッドが、従来の噴霧器(例えば、回転噴霧器)によって吐出されるようなスプレーミストとは対照的に、好ましくは、狭く限定されたコーティング剤のジェットを吐出することは、すでに説明された。
【0043】
ジェットの長手方向に連続的なコーティング剤のジェットとは対照的に、プリントヘッドが液滴のジェットを吐出してもよいことに言及されるべきである。しかし、本発明の範囲内で、液滴のジェットとは対照的に、プリントヘッドがジェットの長手方向に互いに接続されるコーティング剤のジェットを吐出することも可能である。
【0044】
特定の応用において、より高い塗布効率及び/又はエッジにおける静電気的な回り込み(帯電した塗料は電気力線に沿って移動して、エッジ近くの塗布器から離れた表面に塗布する。)などの静電塗装の追加的な長所を利用するために、プリントヘッド全体に対して、又はプリントヘッドの個別の構成要素に対して(例えば、ノズルプレート1に対して)、高電圧(30−90kV)を加えることは、有利であり得る。
【0045】
もし静電気的な帯電が使われるならば、導電性の塗料を扱うときに、材料供給部において電位の分離システムが用いられなければならないかもしれない。この場合には、塗布器のすべての構成要素も高電圧に耐えるように設計されなければならない。
【0046】
本発明に係るプリントヘッドの特別な長所は、ほとんどオーバースプレーする必要なく上手くできるという事実、即ち、このプリントヘッドは、好ましくは、少なくとも80%、90%、95%又は99%の塗布効率を達成するので、本質的に全体的な塗布されるコーティング剤が、オーバースプレー形成をすることなしに、部品上に完全に堆積することである。
【0047】
プリントヘッドが車体部品に連続的に塗装するときに面のコーティングにも適するように、プリントヘッドは、好ましくは、大きな面のコーティング能力を備えることにも言及されるべきである。プリントヘッドは、そのため、好ましくは、少なくとも、毎分0.5m、毎分1m、毎分2m又は毎分3mもの表面コーティング性能を備える。
【0048】
さらに、本発明は、本発明に係る上述のプリントヘッドの保護を単一の部品として求めるだけではないことに言及されるべきである。むしろ、本発明は、部品(例えば、自動車の車体部品)に塗布するための完全なコーティングシステム(例えば、塗布システム)の保護をも求め、それにより、本発明に係るプリントヘッドは、塗布装置として用いられる。
【0049】
例えば、本発明に係るプリントヘッドは、好ましくは、少なくとも6つの可動ロボット軸を有する直列的な運動力学を備える、多軸塗布ロボットによって導かれることができる。
【0050】
本発明の他の有利な変形は、従属請求項において示されるか、又は次に示す図面を用いた本発明の好適な実施形態の記載とともに、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】平坦な封止部を有する本発明に係るプリントヘッドの一部の概略図である。
図2】ノズルとバルブ要素の形状適合を有する図1の変形例である。
図3】柔軟な膜を封止部として有する図1及び図2の変形例である。
図4】油圧駆動される追加のアクチュエータ膜を有する別の変更例である。
図5】可動で、ノズル流路においてバルブプレートを移動させるタペットを有する更なる変更例である。
図6図5の1つの変更例であり、プリントヘッドの外側に密着し得るバルブプレートである。
図7A】ノズルを開閉するために曲げられる柔軟なノズルプレートを有する変更例である。
図7B】ノズルを開閉するために曲げられる柔軟なノズルプレートを有する変更例である。
図8A】発明されたプリントヘッドにおけるノズルの種々の可能な輪郭である。
図8B】発明されたプリントヘッドにおけるノズルの種々の可能な輪郭である。
図8C】発明されたプリントヘッドにおけるノズルの種々の可能な輪郭である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下においては、まず、図1に従った実施形態を説明する。この図面は、車体部品の塗布のための塗布ラインでの塗料の塗布のための本発明に係るプリントヘッドにおける制御バルブの概略的な説明を示し、これによるプリントヘッドは、少なくとも6つのロボット軸を備える標準的なロボット運動力学を備える多軸塗装ロボットによって動かされるが、最新技術から知られているため、詳細に説明される必要はない。
【0053】
本発明に係るプリントヘッドは、複数のノズル2を備えるノズルプレート1を有し、簡潔さのため、ここでは1つのノズル2だけが示されている。
【0054】
塗布されるべき塗料は、プリントヘッドにおける塗料供給部3から供給され、図面における塗料供給部3は、底部でノズルプレート1によって、上部で別のプレート4によって、制限されている。
【0055】
上部プレート4は、ノズルプレート1においてノズル2と軸を同じくして開口を有し、その上に、コイルチューブ5が軸を同じくして配置され、コイルチューブ5には、コイル6が巻かれている。
【0056】
コイルチューブ5には、封止部8によってコイルチューブ5に対して、コイルチューブ5の上端で封止されるコイルコア7がある。
【0057】
加えて、コイルチューブ5には、電機子9があり、両矢印の方向に動かされることができ、電機子9の動きは、コイル6への電流の供給に依存する。
【0058】
図面は、ノズル2を封止するために下の閉鎖位置にある電機子9を示す。塗布の応用で、他方で、ノズル2を解放するため、アンカー9が図面における上方に引っ張られるように、コイル6に電気が流される。
【0059】
加えて、制御バルブは、コイル6に電流を流さずに図面において示されている閉鎖位置に電機子9を押し込むリターンスプリング10を有する。
【0060】
自由端において、電機子9は、閉鎖位置においてノズル2を封止するため、封止部11を移動させる。
【0061】
電機子9上の封止部11は、ノズルプレート1の内側で平坦な封止部12と閉鎖位置において協調して動作する。
【0062】
示されている閉鎖位置において、2つの封止部11と12は、一方は電機子9上、他方はノズルプレート1上にあり、これらの間は平坦に接触している。
【0063】
ノズルプレートの内側の平坦な封止部12は、例えば、封止層からできていてもよく、それは、ノズルプレート1の内側に加硫され、蒸発され、層形成プロセスによって塗布され、又は印刷されている。
【0064】
代わりに、封止部12は、ノズルプレート1の内側に配置され、糊付けされ、ラミネート加工された箔であってもよい。
【0065】
さらに、対となる一方の封止部11と他方の封止部12の材料には様々な可能性がある。例えば、金属上の金属、金属上のプラスチック、プラスチック上の金属、珪素上のプラスチック、珪素上の珪素又は珪素上の金属が、材料の対として使われ得る。
【0066】
図2は、図1に係る実施形態の変形例を示し、繰り返しを避けるために上記の記載が参照され、同一の参照符号は対応する詳細に用いられる。
【0067】
この実施形態の特別な特徴は、ノズル2が流れの方向の入口領域において円錐状に先細り、横方向のノズル側面を有することである。このため、封止部12は、ノズル2の横方向のノズル側面に適用される。
【0068】
加えて、封止部11はこの形状のノズルに適応され、このため、自由端に向けて円錐状に先細り、一方の封止部11と他方のノズル2とは適合する形状であり、良好な封止効果に繋がる。
【0069】
図3は、上述の実施形態の更なる変形例を示すので、繰り返しを避けるため、上記の記載が再度参照される。
【0070】
この実施形態の特別な特徴は、封止部11の代わりの柔軟なシーリング膜13である。図面は、電機子9が上方に持ち上げられ、シーリング膜13がノズルを解放する開放位置を示している。しかし、ノズル2を閉じるため、シーリング膜13がノズルプレート1内のノズル2の内部開口に接するまで電機子9が図面におけるリターンスプリング10によって下向きに押されて、このようにノズル2を閉じるように、コイル6が電源から切断される。
【0071】
しかし、シーリング膜13は、ノズル2を開閉する機能を有するだけではない。多くの場合において、シーリング膜13は、塗料供給部3と電機子9、コイルチューブ5、コイルコア7などの制御バルブの他の部品との間に封止部をも提供する。これは、制御バルブ内、特に、コイルチューブ5内での塗料の堆積を防止するので、有利である。このことは、制御バルブ自体は濯がれなくてもよく、塗料と全く接触しないので、色を変更するときに特に重要である。
【0072】
図4は、図3による実施形態の変形例を示すので、繰り返しを避けるため、上記の記載が参照される。
【0073】
この実施形態の特別な特徴は、図3におけるように電磁的ではなく、油圧で動作する、バルブアクチュエータの設計である。この目的のため、バルブアクチュエータは、アクチュエータ膜14を動かすことができるように油圧接続15を介して作動油を供給され得る別々のアクチュエータ膜14と、両矢印の方向にシーリング膜13に取り付けられた封止部11を備えるシーリング膜13をも備える。
【0074】
アクチュエータ膜14とシーリング膜13は、油圧接続15とノズル2との間で二重の封止部を提供することに注意されたい。これは、二重の確実性をもって不具合の発生時にノズル2を通して作動油が漏出することを防止する。
【0075】
図5は、図1に係る実施形態の変形例を示すので、繰り返しを避けるため、上記の記載が参照される。
【0076】
この実施形態の特別な特徴は、リターンスプリング10が省かれていること、即ち、電機子9の動きがコイル6への電流の供給のみによって閉鎖位置と開放位置との両方において制御されることである。
【0077】
別の特別な特徴は、電機子9がタペット16を介してバルブプレート17に接続されており、両矢印の方向に、ノズル流路18において動かされ得ることである。図面は、閉鎖位置におけるバルブプレート17の位置を示し、ここでバルブプレート17はノズル流路18の上側に接することで、ノズル2を封止している。
【0078】
ノズル2を開けるため、バルブプレート17を備えるタペット16は、図面の下向きに押されており、もはやノズル流路18の上側の壁に接しない。そして、塗料は、塗料供給部からノズル流路18に流入し、ノズル2を通して流れ出すことができる。
【0079】
図6は、図5に係る実施形態の変形例を示すので、繰り返しを避けるため、上記の記載が参照される。
【0080】
この実施形態の特別な特徴は、ノズルプレート1にノズル流路18が配置されていないことである。むしろ、図面に示されている閉鎖位置において、バルブプレート17は、凹部内にノズルプレート1の外側に対して密封している。
【0081】
図7A及び7Bは、ノズル2を開閉する異なる概念を示す。図7Aは、閉鎖位置を示す一方、図7Bは、ノズル2の解放される開放位置を示す。
【0082】
ノズル2は、固定されたタペット19によって封止され、又は解放される。ノズルプレート1がノズル2の領域に固定されたタペット19から持ち上げられるように、ノズルプレート1は、曲げられていないか(図7A)又は曲げられている(図7B)。ここで、もしノズル2の領域におけるノズルプレート1が曲げに関連するストロークを、例えば30μm達成するならば、十分である。
【0083】
図8Aから8Cは、ノズル2の様々な可能な輪郭、主に、円筒状の輪郭(図8A)、円錐状の輪郭(図8B)及びノズル2の吐出口側に隆起部20を備える輪郭(図8C)を示す。
【0084】
本発明は、上述の好適な実施形態に限定されない。むしろ、本発明の思想を利用する多数の変更例及び変形例も可能であり、そのため、保護の範囲に入る。特に、本発明は、それぞれの場合に参照され、特に、主要な請求項の特徴をも備えない請求項から独立した従属請求項の特徴及び主題の保護も求める。本発明は、このように、互いに独立して保護を享受する本発明の様々な観点を含む。
【0085】
[付記]
[付記1]
部品にコーティング剤を塗布する、特に、自動車の車体部品に塗料を塗布するプリントヘッドであって、
a)ノズルプレート(1)と、
b)前記ノズルプレート(1)において前記コーティング剤を吐出する少なくとも1つのノズル(2)と、
c)前記ノズル(2)を通してコーティング剤の解放を制御する前記ノズルプレート(1)に相対的に可動なバルブ要素(9)であって、当該可動バルブ要素(9)は閉鎖位置において前記ノズル(2)を閉じ、当該可動バルブ要素(9)は開放位置において前記ノズル(2)を解放する、バルブ要素(9)と、
d)前記バルブ要素(9、11)の前記閉鎖位置において、前記可動バルブ要素(9、11)に対して前記ノズル(2)を封止する封止部(11、12)と、を備え、
e)前記封止部(11、12)が前記バルブ要素(9、11)上の弾性体挿入部として形成されていないことを特徴とする、
プリントヘッド。
【0086】
[付記2]
a)前記封止部(12)は、前記ノズルプレート(1)に接続され、及び/又は、
b)前記封止部(12)は、平坦であり、及び、前記閉鎖位置において前記可動バルブ要素(9、11)と前記封止部(12)との間に平坦な接触を形成し、及び/又は、
c)前記封止部(12)は、前記バルブ要素が前記閉鎖位置から前記開放位置に移動するときに、前記ノズル(2)に対して相対的に移動しないことを特徴とする、
付記1に記載のプリントヘッド。
【0087】
[付記3]
a)前記可動バルブ要素(9、11)は前記ノズル(2)の形状に相補的な形状に適合し、前記ノズル(2)を貫通し、及び/又は、
b)前記封止部(11、12)は、前記ノズル(2)の内側面に配置されていることを特徴とする、
付記1又は2に記載のプリントヘッド。
【0088】
[付記4]
a)前記プリントヘッドは柔軟なシーリング膜(13)を有し、
b)前記柔軟なシーリング膜(13)は、前記可動バルブ要素を形成し、閉鎖位置において前記ノズル(2)を閉じ、開放位置において解放し、及び、
c)前記シーリング膜(13)は、前記閉鎖位置と前記開放位置との間のバルブ駆動部によって歪められることを特徴とする、
付記1から3のいずれか1つに記載のプリントヘッド。
【0089】
[付記5]
前記シーリング膜(13)は弾性を有し、静止位置、特に、前記閉鎖位置に、前記シーリング膜(13)を押し込むリターンスプリングを形成することを特徴とする、
付記4に記載のプリントヘッド。
【0090】
[付記6]
a)前記プリントヘッドは、前記開放位置と前記閉鎖位置との間で前記バルブ要素(9)を動かすバルブ駆動部(14、15)を有し、及び、
b)前記バルブ駆動部(14、15)は、駆動膜(14)であって、前記駆動膜(14)を歪ませて、前記バルブ要素を動かすために、前記バルブ要素(9)と結合され、駆動流体、特に作動油若しくは圧縮空気又は前記コーティング剤によって作動させられ得る、柔軟な駆動膜(14)、を有することを特徴とする、
付記1から5のいずれか1つに記載のプリントヘッド。
【0091】
[付記7]
駆動膜(14)及び前記シーリング膜(13)は、前記ノズル(2)と駆動流体との間で二重の封止部を形成することを特徴とする、
付記4又は6に記載のプリントヘッド。
【0092】
[付記8]
a)バルブ要素(19)は、前記プリントヘッドに固定的に配置され、
b)前記ノズルプレート(1)は、弾性的に柔軟であり、
c)前記開放位置において、前記バルブ要素(19)から離れるように前記ノズルプレート(1)を押すことで前記ノズル(2)を解放するバルブ駆動部が提供され、一方、前記閉鎖位置において、前記ノズルプレート(1)は、曲げられていない静止位置にあり、そこで、前記バルブ要素(19)は前記ノズル(2)を閉鎖し、
d)前記ノズルプレート(1)は、好ましくは、前記閉鎖位置と前記開放位置との間において、±200μm、±100μm、±50μm、±30μm、±20μm又は±10μmのストロークで曲がることができることを特徴とする、
付記1から7のいずれか1つに記載のプリントヘッド。
【0093】
[付記9]
a)前記封止部(12)は、封止層を有し、当該封止層は、好ましくは、前記ノズルプレート(1)に適用され、及び、
a1)加硫され、
a2)蒸発させられ、
a3)層形成プロセスによって塗布され、又は、
a4)印刷され、及び/又は、
b)前記封止部(2)は、好ましくは、前記ノズルプレート(1)に適用された箔が、
b1)表面上にあり、
b2)糊付けされ、
b3)接着され、又は、
b4)ラミネート加工され、及び/又は、
c)前記可動バルブ要素(9)は、少なくとも部分的には、
c1)金属、
c2)プラスチック、又は、
c3)珪素、からなり、及び/又は、
d)前記バルブ要素(9)側と前記ノズル(2)側との間の前記ノズル(2)上に、
d1)金属上の金属、
d2)金属上のプラスチック、
d3)プラスチック上の金属、
d4)珪素上のプラスチック、
d5)珪素上の珪素、
d6)珪素上の金属、の材料の対の1つが提供され、及び/又は、
e)前記バルブ要素(9)を動かす金属製の前記プリントヘッドは、プラスチック材料でできているバルブのタペットを有し、及び/又は、
f)前記ノズル(2)は、珪素でできているか、又は珪素のノズル挿入部を含み、前記可動バルブ要素(9)は、少なくとも部分的には、鉄、ゴム又はプラスチック、特に、ポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする、
付記1から8のいずれか1つに記載のプリントヘッド。
【0094】
[付記10]
a)前記バルブ要素(9)の前記閉鎖位置への移動を制限するために、機械的な停止部が設けられ、
b)前記機械的な停止部は、前記バルブ要素(9)側に金属、前記ノズル(2)側に金属、の材料の対を有し、及び、
c)前記封止部(11、12)は、弾性を有し、前記閉鎖位置において、前記機械的な停止部によって規定される特定の材料の圧縮を受けることを特徴とする、
付記1から9のいずれか1つに記載のプリントヘッド。
【0095】
[付記11]
a)バルブ要素(17)は、板状であり、バルブ駆動部(5、6、9)によって動かされることができ、及び、
b)前記閉鎖位置において、前記バルブ要素(17)は、前記バルブ駆動部(5、6、9)から離れて前記ノズルプレート(1)の下側にあり、又は、
c)内部でバルブ要素(9)が動かされることができるノズル流路(18)は、前記ノズルプレート(1)を貫き、前記バルブ要素(9)は、閉鎖位置において、前記バルブ駆動部(5、6、9)に面する、前記ノズル流路(18)の上側を密閉することを特徴とする、
付記1から10のいずれか1つに記載のプリントヘッド。
【0096】
[付記12]
a)前記プリントヘッドは、スプレーとは反対に、狭く閉じ込められたコーティング媒体のジェットを運搬し、及び/又は、
b)前記プリントヘッドは、前記ジェットの長手方向に連続的なコーティング材料のジェットとは反対に、液滴のジェットを吐出し、又は、
c)前記プリントヘッドは、液滴のジェットとは対照的な、前記ジェットの長手方向に接続されたコーティング剤のジェットを吐出し、及び/又は、
d)前記プリントヘッドは、オーバースプレーなしに、実質的にすべての塗布されるコーティング剤が完全に前記部品に堆積させられるように、少なくとも80%、90%、95%又は99%の塗布効率を有し、及び/又は、
e)前記プリントヘッドは、少なくとも、毎分0.5m、毎分1m、毎分2m又は毎分3mものコーティング性能を有し、及び/又は、
f)前記プリントヘッドは、前記プリントヘッドからの前記コーティング剤の液滴の排出をする少なくとも1つの電気的に制御可能なアクチュエータ、特に、磁気アクチュエータ又はピエゾアクチュエータ、を備えることを特徴とする、
付記1から11のいずれか1つに記載のプリントヘッド。
【0097】
[付記13]
部品への塗布、特に、自動車の車体部品への塗料の塗布をするコーティング設備であって、前記コーティング剤を塗布する塗布装置を有し、
前記塗布装置が付記1から12のいずれか1つに記載のプリントヘッドであることを特徴とする、部品塗布のためのコーティング設備。
【0098】
[付記14]
特に、直列的な運動力学及び少なくとも6つの可動ロボット軸を備え、前記プリントヘッドを案内する多軸塗装ロボットによることを特徴とする、
付記13に記載のコーティング設備。
【符号の説明】
【0099】
1 ノズルプレート
2 ノズル
3 塗料供給部
4 上部プレート
5 コイルチューブ
6 コイル
7 コイルコア
8 コイルコアとコイルチューブとの間の封止部
9 電機子
10 リターンスプリング
11 ノズルを封止するための電機子上の封止部
12 ノズルを封止するためのノズルプレート上の封止部
13 シーリング膜
14 アクチュエータ膜
15 油圧接続
16 タペット
17 バルブプレート
18 ノズル流路
19 タペット
20 ノズルの外側の隆起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C