特許第6983902号(P6983902)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983902
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】垂直スライド窓
(51)【国際特許分類】
   E05F 11/04 20060101AFI20211206BHJP
   E05F 11/38 20060101ALI20211206BHJP
   E05F 1/16 20060101ALI20211206BHJP
   E06B 3/44 20060101ALI20211206BHJP
   E05C 9/12 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   E05F11/04
   E05F11/38 Z
   E05F1/16 F
   E06B3/44
   E05C9/12
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-550674(P2019-550674)
(86)(22)【出願日】2018年3月14日
(65)【公表番号】特表2020-510146(P2020-510146A)
(43)【公表日】2020年4月2日
(86)【国際出願番号】CN2018078945
(87)【国際公開番号】WO2018166467
(87)【国際公開日】20180920
【審査請求日】2019年9月13日
(31)【優先権主張番号】201720260875.4
(32)【優先日】2017年3月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519260290
【氏名又は名称】▲長▼春▲闊▼▲爾▼科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲闊▼天
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 大▲鵬▼
【審査官】 鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−003733(JP,A)
【文献】 実公昭37−002984(JP,Y1)
【文献】 米国特許第09163437(US,B1)
【文献】 実開昭63−127587(JP,U)
【文献】 特開2010−242491(JP,A)
【文献】 特開2009−228285(JP,A)
【文献】 特開2007−204978(JP,A)
【文献】 特開昭62−059779(JP,A)
【文献】 特開昭62−059780(JP,A)
【文献】 特開2012−162188(JP,A)
【文献】 米国特許第05169205(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00−17/00
E06B 3/44
E05C 9/12
E05D 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横枠(11)と、前記横枠(11)と固定接続され、方向転換ガイドレール(13)が設けられている縦枠(12)と、前記方向転換ガイドレール(13)に沿って上下にスライド可能な開放扉(2)と、を備える垂直スライド窓であって、
前記垂直スライド窓は、
ハウジング(31)と、一部が前記ハウジング内に設けられる回転軸(32)と、両端が前記ハウジング(31)の内壁と前記回転軸(32)とにそれぞれ固定接続される渦巻きばね(34)と、前記回転軸(32)に固定接続され、テーパ面に螺旋凹溝(331)が設けられている段プーリ(33)と、を備えるバランスウェイト装置(3)と、
下端が前記開放扉(2)に固定接続され、上端が前記段プーリ(33)に固定接続されているバランスウェイト牽引ロープ(4)と、
ギアと、ラックと、ガイド位置決め部材とを有するラッチ駆動機構と、を備え、
前記開放扉(2)が下から上に移動する際に、前記渦巻きばね(34)による弾性変形力は、前記バランスウェイト牽引ロープ(4)が前記螺旋凹溝(331)に巻き取られていくようにするとともに、前記渦巻きばね(34)の弾性変形力が小さくなっていき、
前記開放扉(2)と前記縦枠(12)とのいずれか一方にラッチが設けられ、他方にラッチ穴またはラッチ溝が設けられ、
前記ラッチは、前記ラッチ穴または前記ラッチ溝内に挿入されて、前記開放扉(2)を所定の位置に位置決めさせるためのものであり
前記ギアは、前記ラックと噛み合い、前記ラックは、前記ギアの回転によって連動されて前記ガイド位置決め部材に沿って移動し、
前記ラッチは、前記ラックの自由端に取り付けられることを特徴とする垂直スライド窓。
【請求項2】
前記開放扉(2)が前記方向転換ガイドレール(13)に沿って上に移動する際に、前記バランスウェイト牽引ロープ(4)は、前記段プーリ(33)のテーパ基部からテーパ頂部へ前記螺旋凹溝(331)に巻き取られていくことを特徴とする請求項1に記載の垂直スライド窓。
【請求項3】
前記渦巻きばね(34)が回転軸(32)に作用するモーメントと前記バランスウェイト牽引ロープ(4)が巻き取られる螺旋凹溝(331)の最小半径との比は、恒常値であ
ることを特徴とする請求項2に記載の垂直スライド窓。
【請求項4】
前記ギアを駆動して回転させるためのハンドル(21)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の垂直スライド窓。
【請求項5】
駆動機構と駆動牽引ロープとをさらに備え、
前記駆動牽引ロープは、下端が前記開放扉(2)に固定接続され、上端が前記駆動機構に接続され、
前記駆動機構は、前記駆動牽引ロープに連動されて前記開放扉(2)が方向転換ガイドレール(13)に沿って上下にスライドするようにすることを特徴とする請求項1に記載の垂直スライド窓。
【請求項6】
前記バランスウェイト装置(3)は、前記横枠(11)に取り付けられ、
前記横枠(11)の縁部に取り付けられる案内定滑車(5)をさらに備え、
前記バランスウェイト牽引ロープ(4)は、前記案内定滑車(5)を経由して転向することを特徴とする請求項1に記載の垂直スライド窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年3月16日に中国国家知識財産権局に提出した、出願番号が201720260875.4であり、発明の名称が「垂直スライド窓」の中国特許出願の優先権を要求し、その全ての内容が本願に参照として組み込まれる。
【0002】
本願は、窓の技術分野に関し、特に、垂直スライド窓に関する。
【背景技術】
【0003】
垂直スライド窓は、窓の扉を縦方向に開放可能な新型の窓であり、ビル建設分野での使用が日増しに普及されている。垂直スライド窓は、開放扉と、横枠と、縦枠と、開放装置とを備え、縦枠には方向転換ガイドレールが取り付けられ、開放扉は縦枠と接する表面にガイド部材が取り付けられ、ガイド部材は、開放扉が方向転換ガイドレールに沿って上下に移動するように、方向転換ガイドレールに挿入され、開放装置は、牽引ロープと動力部材とを備え、牽引ロープは、一端が開放扉に固定接続され、他端が動力部材に接続され、動力部材は、開放扉が方向転換ガイドレールに沿って上下に移動するように、牽引ロープの巻き取りや巻き出しを制御する。
【0004】
使用のニーズが高まることに伴い、垂直スライド窓における開放扉のサイズや重さが大きくなっている。開放扉の上下移動のニーズを満たすために、開放装置が供給する開放動力や開放パワーも大きくなり、垂直スライド窓の生産と使用とのコストが増加してしまう。
【発明の概要】
【0005】
本願は、開放扉のサイズや重さが大きくなることで、可動扉の開放時の開放動力や開放パワーが増加されるような問題を解決することができる、新たな垂直スライド窓を提供する。
【0006】
横枠と、前記横枠と接続され、方向転換ガイドレールが設けられている縦枠と、前記方向転換ガイドレールに沿って上下にスライド可能な開放扉と、を備える垂直スライド窓であって、
前記垂直スライド窓は、
ハウジングと、一部が前記ハウジング内に設けられる回転軸と、両端が前記ハウジングの内壁と前記回転軸とにそれぞれ固定接続される渦巻きばねと、前記回転軸に固定接続され、テーパ面に螺旋凹溝が設けられている段プーリと、を備えるバランスウェイト装置と、
下端が前記開放扉に固定接続され、上端が前記段プーリに固定接続されているバランスウェイト牽引ロープと、を備え、
前記開放扉2が下から上に移動する際に、前記渦巻きばねによる弾性変形力は、前記バランスウェイト牽引ロープが前記螺旋凹溝に巻き取られていくようにするとともに、前記渦巻きばねの弾性変形力が小さくなっていく。
【0007】
また、前記開放扉が前記方向転換ガイドレールに沿って上に移動する際に、前記バランスウェイト牽引ロープは、前記段プーリのテーパ基部からテーパ頂部へ前記螺旋凹溝に巻き取られていく。
【0008】
また、前記渦巻きばねの弾性変形力と前記バランスウェイト牽引ロープが巻き取られる螺旋凹溝の最小半径との比は恒常値である。
【0009】
また、前記開放扉と前記縦枠とのいずれか一方にラッチが設けられ、他方にラッチ穴またはラッチ溝が設けられ、
前記ラッチは、前記ラッチ穴または前記ラッチ溝内に移動可能に挿入される。
【0010】
また、ラッチ駆動機構をさらに備え、
前記ラッチ駆動機構は、ギアと、ラックと、ガイド位置決め部材とを備え、前記ギアは、前記ラックと噛み合い、前記ラックは、前記ギアの回転によって連動されて前記ガイド位置決め部材に沿って移動し、
前記ラッチは、前記ラックの自由端に取り付けられる。
【0011】
また、前記ギアを駆動して回転させるハンドルをさらに備える。
【0012】
また、駆動機構と駆動牽引ロープとをさらに備え、
前記駆動牽引ロープは、下端が前記開放扉に固定接続され、上端が前記駆動機構に接続される。
【0013】
また、前記バランスウェイト装置は、前記横枠に取り付けられ、
前記横枠の縁部に取り付けられる案内定滑車をさらに備え、
前記バランスウェイト牽引ロープは、前記案内定滑車を経由して転向する。
【0014】
本願の実施例に係る垂直スライド窓は、バランスウェイト装置と、バランスウェイト牽引ロープと、を備え、バランスウェイト牽引ロープは、下端が開放扉に固定接続され、上端がバランスウェイト装置における段プーリに固定接続される。開放扉が下から上に移動する際に、渦巻きばねの弾性変形力が回転軸に作用して発生されるモーメントが、バランスウェイト牽引ロープが段プーリに作用するモーメントより僅かに大きいので、バランスウェイト牽引ロープは、回転軸の回転によって段プーリの螺旋凹溝に巻き取られていく。この過程において、渦巻きばねの弾性力によるポテンシャルエネルギーは、開放扉の一部の重力によるポテンシャルエネルギーに転換され、可動扉が上から下に移動する際に、上記と逆にバランスウェイト牽引ロープが段プーリに作用するモーメントが、渦巻きばねの弾性変形力が回転軸に作用するモーメントより大きいので、開放扉の重力によるポテンシャルエネルギーが渦巻きばねの弾性力によるポテンシャルエネルギーに転換される。弾性力によるポテンシャルエネルギーと重力によるポテンシャルエネルギーとの相互転換により、垂直スライド窓は、開放扉が駆動されて上下に移動する際の外部作用力とエネルギー消耗を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本願の技術事項をより明確に説明するために、実施例で参照される図面を簡単に紹介し、当業者であれば、創造的な労力が必要なく、これらの図面から他の図面を得ることができるようにする。
【0016】
図1】本願の実施例に係る垂直スライド窓の概略立体図である。
図2】本願の実施例に係る垂直スライド窓の断面の概略正面図である。
図3図2のA−Aに沿う断面図である。
図4図2のB部分の拡大図である。
図5】バランスウェイト装置の正面図である。
図6図5のC−Cに沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本願の実施例における図面を参照して、本願の実施例における技術的解決手段を
詳細に説明する。
【0018】
図1は、本願の実施例に係る垂直スライド窓の概略立体図である。図1に示すように、本願の実施例に係る垂直スライド窓は、窓枠1と、窓枠1内に取り付けられる開放扉2と、を備える。
【0019】
窓枠1は、横枠11と縦枠12とを備え、横枠11の端部は、縦枠12の端部に固定接続される。縦枠12の内側には、方向転換ガイド13が設けられ、開放扉2の側面には、方向転換ガイドレール13に挿入可能なガイド部材が設けられ、ガイド部材と方向転換ガイドレール13とは、開放扉2が方向転換ガイドレール13に沿って上下にスライド可能でるように係合されている。
【0020】
図1に示すように、開放扉2の開閉を容易にするために、本実施例では、各縦枠12に、それぞれ2つの方向転換ガイドレール13が設けられており、各方向転換ガイドレール13は、開放扉2を上下にスライドさせるための縦部131と、開放扉2を窓枠1に密着するように移動させるための方向転換折り曲げ部132と、を備える。
【0021】
図2は、本願の実施例に係る垂直スライド窓の断面概略正面図であり、図3は、図2のA−Aに沿う断面図であり、図4は、図2のB部分の拡大図である。図2図4に示すように、本実施例における垂直スライド窓は、前述した窓枠1及び開放扉2に加えて、バランスウェイト装置3と、バランスウェイト牽引ロープ4と、をさらに備える。
【0022】
図5は、バランスウェイト装置の正面図であり、図6は、図5のC−Cに沿う断面図である。本実施例のバランスウェイト装置3は、図5及び図6に示すように、ハウジング31と、回転軸32と、渦巻きばね34と、段プーリ33と、を備える。ハウジング31は、中空チャンバを有し、ハウジング31の側壁には回転軸穴が設けられ、回転軸32の一部は回転軸穴を通ってハウジング31の中空チャンバ内に挿入される。段プーリ33も、その軸心部分に回転軸穴を有し、回転軸32は、回転軸穴に挿入され、接続固定キーを介して段プーリ33に固定接続され、段プーリ33は、回転軸32の回転に伴ってこの回転軸32と共に回転される。また、段プーリ33のテーパ面には、螺旋凹溝331が設けられている。渦巻きばね34は、ハウジング31の中空チャンバ内に取り付けられ、一端がハウジング31の内側壁に固定接続され、他端が回転軸32のハウジング31内に位置する部分に固定接続される。
【0023】
バランスウェイト牽引ロープ4は、図3に示すように、その下端が開放扉2に固定接続され、上端がバランスウェイト装置3における段プーリ33に固定接続されて、段プーリ33の螺旋凹溝331に巻き取られる。
【0024】
以下、本願の実施例では、バランスウェイト装置3を利用して垂直スライド窓を開放する際にどのように動力消耗を軽減するかを原理的に説明する。
【0025】
本実施例では、渦巻きばね34は、回転軸32がバランスウェイト牽引ロープ4を巻き取る傾向を持つように、回転軸32に弾性変形力を作用する。開放扉2が下から上に移動する際に、渦巻きばね34の弾性変形力は、回転軸32に一定のモーメントを発生させて外力の作用と協力し、このモーメントは、バランスウェイト牽引ロープ4が段プーリ33に作用するモーメントより僅かに大きいので、バランスウェイト牽引ロープ4は回転軸32の回転によって段プーリ33の螺旋凹溝331に巻き取られていく。この過程で、渦巻きばね34の弾性変形力は小さくなっていき、渦巻きばね34の弾性力によるポテンシャルエネルギーは、回転軸32、段プーリ33及びバランスウェイト牽引ロープ4を介して開放扉2の一部の重力によるポテンシャルエネルギーに転換される。
【0026】
開放扉2が方向転換ガイドレールに沿って下に移動する場合、バランスウェイト牽引ロープ4が段プーリ33に作用するモーメントは、渦巻きばね34が回転軸32に作用するモーメントより僅かに大きくなり、回転軸32の回転によって、バランスウェイト牽引ロープ4が螺旋凹溝331から巻き出されていく。この過程で、開放扉2の一部の重力によるポテンシャルエネルギーは、バランスウェイト牽引ロープ4、段プーリ33及び回転軸32を介して渦巻きばね34の弾性力によるポテンシャルエネルギーに転換される。
【0027】
渦巻きばね34の弾性力によるポテンシャルエネルギーと開放扉2の重力によるポテンシャルエネルギーとの転化によって、開放扉2を駆動して上下に移動させる際の外部作用力を低減して、外部エネルギーの消耗を節約することができる。
【0028】
前述したように、開放扉2の上方への移動に伴って渦巻きばね34の弾性変形力は小さくなっていき、渦巻きばね34が回転軸32に作用するモーメントも小さくなっていく。本実施例では、弾性変形力が小さくなっていく場合にもバランスウェイト牽引ロープ4が段プーリ33に良好に巻き取られるように、開放扉2の上方への移動過程においてバランスウェイト牽引ロープ4は段プーリ33のテーパ基部から段プーリ33のテーパ頂部へ移動していきながら螺旋凹溝331内に巻き取られる。バランスウェイト牽引ロープ4が段プーリ33のテーパ基部からテーパ頂部に移動していくため、バランスウェイト牽引ロープ4が段プーリに作用するフォースアームが小さくなっていくことによって、バランスウェイト牽引ロープ4が段プーリに作用するモーメントも小さくなっていき、これに対応する、渦巻きばね34の抗するねじりモーメントも小さくなっていく。
【0029】
本実施例では、各時刻において、渦巻きばね34が回転軸32に作用するモーメントとバランスウェイト牽引ロープに巻き取られる螺旋凹溝331の最小半径との比が恒常値となっている。渦巻きばね34が回転軸32に作用するモーメントアームが不変であり、バランスウェイト牽引ロープ4が段プーリ33に作用する牽引力が不変であるので、渦巻きばね34が回転軸32に作用するモーメントとバランスウェイト牽引ロープに巻き取られる螺旋凹溝331の最小半径との比が恒常である前提下で、渦巻きばね34がバランスウェイト牽引ロープの牽引力を抗する力が不変であり、外部からの力が抗すべきである開放扉2の重力も恒常である。従って、外部からの力が恒常に維持されることができる。
【0030】
ある実際の応用では、垂直スライド窓を手動で開放する方式を採用する。この場合には、渦巻きばね34が回転軸32に作用するねじりモーメントが、バランスウェイト牽引ロープ4が段プーリ33に作用するねじりモーメントより小さいため、垂直スライド窓は全開まで落下することが多い。これらの問題を回避するために、本願の実施例に係る垂直スライド窓は、開放扉2にラッチが設けられ、垂直スライド窓には間隔をあけてラッチ穴またはラッチ溝が設けられ、開放扉2が設定された位置まで移動すると、開放扉2のラッチを対応するラッチ穴に挿入させることにより、開放扉2の可動扉に対する位置を固定させる。
【0031】
勿論、他の実施例において、縦枠12にラッチを設け、開放扉2にラッチ溝またはラッチ穴を設けることにより、開放扉2の位置決め機能を実現することができる。
【0032】
本実施例では、ラッチは、開放扉2の下枠の内側でありかつ縦枠12に面する側に設けられ、ラッチ溝またはラッチ穴は、縦枠12の開放扉2に面する側に設けられる。さらに、開放扉2はラッチ駆動機構をさらに備える。例えば、ラッチ駆動機構は、ギアと、ラックと、位置決めガイド部材と、を備え、ギアは、ラックと噛み合って接続され、ラックは、ギアが回転する際に連動されてガイド部材に沿って移動する。ラッチは、ラックの自由端に取り付けられるため、ギアの回転を制御することによって、ラッチをラッチ溝または
ラッチ穴に出入させる。勿論、他の実施例では、ラッチ駆動機構は他のタイプであってもよいが、ここでそれに対する説明を省略する。
【0033】
さらに、本願の実施例では、開放扉2には、ギアを駆動して回転させるためのハンドル21が設けられる。実際の応用において、オペレータがハンドル21を操作することにより、ラッチを制御して開放扉2を上下に移動させる。
【0034】
他の実際の応用においては、垂直スライド窓は自動オープン方式を採用する。具体的には、垂直スライド窓は、駆動機構と駆動牽引ロープとを備え、駆動牽引ロープの下端は開放扉2に固定接続され、上端は駆動機構に接続され、開放扉2の開放位置は、駆動機構の閉鎖状況によって決定される。駆動機構及び駆動牽引ロープは、重力に抗する方式で開放扉2の昇降を実現するので、開放扉2の自動的な上昇を防止するためには、渦巻きばね34が回転軸32に作用するモーメントを、バランスウェイト牽引ロープ4が段プーリ33に作用するモーメントより小さくすべきである。
【0035】
図2に示すように、本実施例では、横枠11の縁部に案内定滑車5が取り付けられ、バランスウェイト牽引ロープ4は案内定滑車5を経由してバランスウェイト装置3における段プーリ33に固定接続される。
【0036】
図2に示すように、本実施例に係る垂直スライド窓は、2つのバランスウェイト装置3を備え、2つのバランスウェイト装置3は、いずれも横枠11に取り付けられる。他の実施例では、バランスウェイト装置の数は2つに限定されるものではなく、バランスウェイト装置は、横枠に設けられることに限定されることでもなく、縦枠または窓の他の位置に取り付けられてもよい。
【0037】
以上、本願の実施例における垂直スライド窓に対して詳細に説明した。本部分は、具体的な実施例で本発明の原理及び実施形態を説明したものであり、以上の実施例に対する説明は、本出願の要旨を理解するためのものであり、本願の原理を逸脱しない前提下で、当業者であれば創造的な労力が必要なく想到し得る他の実施例も本願の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1:窓枠、11:横枠、12:縦枠、13:方向転換ガイドレール、
131:縦部、132:方向転換折り曲げ部、2:開放扉、21:ハンドル、
3:バランスウェイト装置、31:ハウジング、32:回転軸、
33:段プーリ、331:螺旋凹溝、34:渦巻きばね、
4:バランスウェイト牽引ロープ、5:案内定滑車
図1
図2
図3
図4
図5
図6