【文献】
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【文献】
Ericsson,Narrowband IoT - Random Access Design[online],3GPP TSG-RAN WG1#83 R1-157424,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_83/Docs/R1-157424.zip>,2015年11月07日,pp.1-9
【文献】
Nokia Networks, Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,NB-PRACH design for NB-IoT[online],3GPP TSG-RAN WG1#84 R1-160457,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84/Docs/R1-160457.zip>,2016年02月05日,pp.1-3
【文献】
Nokia Networks, Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Random Access procedure for NB-IoT[online],3GPP TSG-RAN WG1#84 R1-160458,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84/Docs/R1-160458.zip>,2016年02月05日,p.1
【文献】
Ericsson,NB-IoT - NPRACH Configurations[online],3GPP TSG RAN WG1 NB-IoT Ad-Hoc Meeting R1-161835,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/LTE_NB-IoT_1603/Docs/R1-161835.zip>,2016年03月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
通信ネットワークへアクセスするためにUE(ユーザ装置)によって実行される方法であって、前記UEは、ネットワークアクセスを実行するためのランダムアクセスプリアンブルシーケンスの異なる繰り返し回数の送信に各々関連付けられている二つ以上のカバレッジクラスのセットのうちのあるカバレッジクラスに関連付けられており、前記二つ以上のカバレッジクラスのセットはネットワークアクセスを実行するための周波数バンドを共有し、前記方法は、
二つ以上の連続したプリアンブルシンボルグループを有する、SC−FDMA(シングルキャリア周波数分割多元接続)のランダムアクセスプリアンブル信号を生成することであって、各プリアンブルシンボルグループは、サイクリックプレフィックス部と、SC−FDMAの前記ランダムアクセスプリアンブル信号の単一のサブキャリアを占有する複数のシンボルとを有し、前記プリアンブルシンボルグループの少なくとも一つのための前記単一のサブキャリアは第一のサブキャリア周波数に対応し、前記プリアンブルシンボルグループの直後の一つのための前記単一のサブキャリアは第二のサブキャリア周波数に対応する、ことと、
前記UEが前記ランダムアクセスプリアンブル信号を送信すべき開始機会であって、前記ランダムアクセスプリアンブル信号の、異なるカバレッジクラスに関連付けられている他のユーザ装置により送信される他のどのランダムアクセスプリアンブル信号との衝突も回避する開始機会を決定することであって、当該決定は、前記UEが関連付けられている前記カバレッジクラスに関連する一つ以上のあり得る開始機会が少なくとも一つのより高いカバレッジクラスに関連する一つ以上のあり得る開始機会と衝突するかをチェックし、及び、前記チェックにしたがって、衝突を起こすどのあり得る開始機会からもバックオフすることによって行われ、前記少なくとも一つのより高いカバレッジクラスは、前記UEの前記カバレッジクラスに関連付けられている繰り返し回数よりも多くのランダムアクセスプリアンブルシーケンスの繰り返し回数に関連付けられる、ことと、
決定した前記開始機会において、及び共有される前記周波数バンドにおいて、前記ランダムアクセスプリアンブル信号を送信することによってネットワークアクセスを開始することと、を有する、方法。
請求項1に記載の方法であって、前記ランダムアクセスプリアンブル信号を送信するための前記開始機会は、少なくとも、送信側の前記UEの前記カバレッジクラスより高い前記少なくとも一つのカバレッジクラスに関連した物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースによって占有されるサブフレームによって与えられる制限に基づいている、方法。
請求項3に記載の方法であって、前記受信された一つ以上のパラメータは、開始機会を含むサブフレームを、前記カバレッジクラスのセット内のすべてのカバレッジクラスにとって共通の開始サブフレームであって、前記開始機会を含む前記サブフレームを決定し得る起点である当該開始サブフレームを示すことによって示す、方法。
請求項3に記載の方法であって、前記受信された一つ以上のパラメータは、プリアンプル送信試行ごとの繰り返し回数を示し、前記受信された一つ以上のパラメータは、前記カバレッジクラスのセット内の各カバレッジクラスについて固有の値を有する、方法。
UE(ユーザ装置)が通信ネットワークへアクセスすることを可能にするための基地局であって、前記UEは、ネットワークアクセスを実行するためのランダムアクセスプリアンブルシーケンスの異なる繰り返し回数の送信に各々関連付けられている二つ以上のカバレッジクラスのセットのうちのあるカバレッジクラスに関連付けられており、前記二つ以上のカバレッジクラスのセットはネットワークアクセスを実行するための周波数バンドを共有し、前記基地局は、処理回路と、一つ以上の送信機および一つ以上の受信機を有する通信インターフェースとを有し、前記処理回路は、前記基地局に、
前記UEが関連付けられている前記カバレッジクラスに関連するあり得る開始機会であって少なくとも一つのより高いカバレッジクラスに関連するあり得る開始機会と衝突するものからバックオフすることによって、ランダムアクセスプリアンブル信号の、異なるカバレッジクラスに関連付けられている他のユーザ装置により送信される他のどのランダムアクセスプリアンブル信号との衝突も回避されるという制約の対象として、前記UEが共有される前記周波数バンドにおいて前記ランダムアクセスプリアンブル信号を送信することによりネットワークアクセスを開始することを許可される開始機会を指定するネットワークアクセス情報を、前記UEへ送信することであって、前記少なくとも一つのより高いカバレッジクラスは、前記UEの前記カバレッジクラスに関連付けられている繰り返し回数よりも多くのランダムアクセスプリアンブルシーケンスの繰り返し回数に関連付けられる、ことと、
前記UEから、指定した前記開始機会であるか又は指定した前記開始機会からバックオフされたものである開始機会において、SC−FDMA(シングルキャリア周波数分割多元接続)の、二つ以上の連続したプリアンブルシンボルグループを有するランダムアクセスプリアンブル信号を受信することであって、各プリアンブルシンボルグループは、サイクリックプレフィックス部と、SC−FDMAの前記ランダムアクセスプリアンブル信号の単一のサブキャリアを占有する複数のシンボルとを有し、前記プリアンブルシンボルグループの少なくとも一つについての前記単一のサブキャリアは、第一のサブキャリア周波数に対応し、前記プリアンブルシンボルグループの直後の一つについての前記単一のサブキャリアは第二のサブキャリア周波数に対応する、ことと、
を行わせるように構成される、基地局。
通信ネットワークへアクセスするように構成されたUE(ユーザ装置)であって、前記UEは、ネットワークアクセスを実行するためのランダムアクセスプリアンブルシーケンスの異なる繰り返し回数の送信に各々関連付けられている二つ以上のカバレッジクラスのセットのうちのあるカバレッジクラスに関連付けられるようにさらに構成され、前記二つ以上のカバレッジクラスのセットはネットワークアクセスを実行するための周波数バンドを共有し、前記UEは、処理回路と、一つ以上の送信機を有する通信インターフェースとを有し、前記処理回路は、前記UEに、
二つ以上の連続したプリアンブルシンボルグループを有する、SC−FDMA(シングルキャリア周波数分割多元接続)のランダムアクセスプリアンブル信号を生成することであって、各プリアンブルシンボルグループは、サイクリックプレフィックス部と、SC−FDMAの前記ランダムアクセスプリアンブル信号の単一のサブキャリアを占有する複数のシンボルとを有し、前記プリアンブルシンボルグループの少なくとも一つのための前記単一のサブキャリアは第一のサブキャリア周波数に対応し、前記プリアンブルシンボルグループの直後の一つのための前記単一のサブキャリアは第二のサブキャリア周波数に対応する、ことと、
前記UEが前記ランダムアクセスプリアンブル信号を送信すべき開始機会であって、前記ランダムアクセスプリアンブル信号の、異なるカバレッジクラスに関連付けられている他のユーザ装置により送信される他のどのランダムアクセスプリアンブル信号との衝突も回避する開始機会を決定することであって、当該決定は、前記UEが関連付けられている前記カバレッジクラスに関連する一つ以上のあり得る開始機会が少なくとも一つのより高いカバレッジクラスに関連する一つ以上のあり得る開始機会と衝突するかをチェックし、及び、前記チェックにしたがって、衝突を起こすどのあり得る開始機会からもバックオフすることによって行われ、前記少なくとも一つのより高いカバレッジクラスは、前記UEの前記カバレッジクラスに関連付けられている繰り返し回数よりも多くのランダムアクセスプリアンブルシーケンスの繰り返し回数に関連付けられる、ことと、
決定した前記開始機会において、及び共有される前記周波数バンドにおいて、前記ランダムアクセスプリアンブル信号を送信することによってネットワークアクセスを開始することと、
を行わせるように構成される、UE。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では本発明的コンセプトのある種の実施形態を示す添付の図面を参照しながら本発明的コンセプトがより完全に説明される。しかし、本発明的コンセプトは、多くの異なる形態によって実現可能であり、ここに開示される実施形態にのみ限定されるものと解釈されてはならず、これらの実施形態は本開示を十分かつ完全なものとするために一例として提供されており、当業者に本発明的コンセプトの範囲を完全に伝えるであろう。本説明の全般にわたって同様の要素には同様の番号が付与される。点線により示されたいずれのステップまたは特徴もオプションとしてみなされてもよい。
【0026】
シングルトーン周波数ホッピングNB−IoT PRACH(NPRACHと称す)信号は低いPAPRを有し、それゆえに、NPRACHの使用はPAバックオフの必要性を低減し、PA効率を増加させる。NPRACH信号はSC−FDMAおよび直交周波数分割多元接続(OFDMA)と互換性を有するが、これはいずれのOFDMシンボルにおいてもNPARCH信号が一つの単一サブキャリアのOFDM信号のように現れるからである。
【0027】
ランダムアクセスデザインをサポートするために、ネットワークノードは、時間リソース情報と周波数リソース情報とを設定できるべきであり、ここで時間リソース情報は(時間的に)いつNPRACHが送信されるかを示し、周波数リソース情報は(周波数において)どこでNPRACHが送信されるかを示すものである。
【0028】
NB−IoTのランダムアクセスにおいて、三つの異なるカバレッジクラスまでであればNPRACHによりサポート可能であろう。カバレッジクラスは、また、カバレッジレベル、カバレッジ拡張レベル(CEレベルまたはCEL)または拡張カバレッジレベルと呼ばれるが、用語としてカバレッジクラスが以下では使用される。たとえば、カバレッジクラスは最小カップリングロス(MCL)の値に対応していても良く、これは144dB MCLまたは164dB MCLのように、−アンテナゲインを含みうる−アンテナコネクタ間における最小距離損失を示しうるものである。より一般には、カバレッジクラスはx dB MCLに対応していてもよく、ここでxは、たとえば{144, 164}といった二つ以上の値のように予め決定された収集値から選択される。あるいは、カバレッジクラスは、無線デバイスが受信する信号、とりわけ基準信号の受信電力の値にそれぞれ関連付けられていてもよい。以下でより詳細に説明されるように、カバレッジクラスUEが送信するNPRACH信号の繰り返し数に対応していてもよい。
【0029】
それぞれ異なるカバレッジクラスにおける無線デバイスからのNPRACH送信の受信電力は、顕著に異なることがあり、これらの送信のために同一の時間および周波数のNPRACH機会が使用された場合、厳しい遠-近問題がもたらされる。一例として、164dBの最大カップリングロスをサポートすることはNB−IoTの設計上の目標であるが、ノーマルのカバレッジにおける無線デバイスの最大カップリングロスはしばしば144dBに制限される。これは、無線デバイスが事故のカップリングロスを完璧に推定でき、NPRACH送信において使用されるオープンループ電力制御が完璧であるような理想的な状況下において、20dBの受信電力差をもたらす。実際のところ、無線デバイスによるカップリングロスの推定は、たとえば[−6, 6] dBの範囲のエラーを被り、NPRACH送信においてさらに大きな受信電力差をもたらすことになる。したがって時間領域および/または周波数領域において異なるカバレッジクラスのNPRACH機会を分離することが提案される。
【0030】
異なるカバレッジクラスのNPRACHを分離するための一つの案は、周波数領域において、異なるカバレッジクラスのために異なるNPRACH周波数バンドを設定することである。しかし、ネットワークノードがたった一つまたは二つのNPRACH周波数バンドしか設定できない場合、時間領域において、三つの異なるカバレッジクラスのためのNPRACHを分離するための更なるメカニズムが必要となる。
【0031】
既存のLTEのランダムアクセスプロシージャにおいて、ランダムアクセスは、無線デバイスと通信ネットワークとの間で無線リンクを確立するときの初期ネットワークアクセスや無線デバイスのためのスケジューリングリクエストなど、複数の目的のために使用される。これらのうちで、ランダムアクセスの一つの目的はLTEにおいてアップリンクの直交性を維持するためのアップリンク同期を達成することである。OFDMAまたはSC−FDMAシステムにおいて異なる無線デバイス間で直交性を維持するには、各無線デバイスの信号が到着する時間がネットワークノードでのOFDMAまたはSC−FDMA信号のサイクリックプレフィックス(CP)の範囲内でなければならない。
【0032】
LTEランダムアクセスはコンテンションベースであってもよいし、コンテンションフリーであってよい。コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャは
図1に示されるように四つのステップからなる。
【0033】
図1はここで提示される実施形態を適用可能な通信ネットワーク100を示すブロック図である。通信ネットワーク100は無線アクセスネットワーク110、コアネットワーク120およびサービスネットワーク130を含む。無線アクセスネットワーク100は少なくとも一つの無線アクセスネットワークノード(RANN)140を有する。無線アクセスネットワークノード140は、無線基地局、無線トランシーバ局、リモート無線ヘッド、アクセスポイント、アクセスノード、NodeB、または、エボルブドNodeBのいずれかによって提供可能である。無線アクセスネットワークノード140は、少なくとも一つの無線デバイス(WD)200に対してサービスとネットワークアクセスを提供する。無線デバイス200は、ポータブル無線デバイス、移動局、モバイルフォン、ハンドセット、無線ローカルループ電話機、UE(ユーザ装置)、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ネットワークイクイップドセンサーデバイス、インターネット・オブ・シングス・デバイスまたは無線ブロードバンドモデムであってもよい。
【0034】
無線アクセスネットワーク110はコアネットワーク120に対して動作可能に接続されており、さらにそこからサービスネットワーク130に対して動作可能に接続されている。無線デバイス200は無線アクセスネットワークノード140に対して動作可能に接続されており、それによりサービスにアクセスしたり、サービスネットワーク130とデータを送受信したりすることが可能となっている。
【0035】
通信ネットワーク100は少なくとも一つのネットワークノード300を含む。ネットワークノード300のさらに詳細は以下で説明される。
【0036】
コンテンションベースのランダムアクセスプロシージャは以下のステップ1−4を含む:
ステップ1:無線デバイス200がネットワークノード300にランダムアクセスプリアンブルを送信する。
【0037】
ステップ2:ネットワークノード300が、たとえばアップリンクグラントを含むランダムアクセスレスポンスを無線デバイス200へ送信することによって、ランダムアクセスプリアンブルに応答する。
【0038】
ステップ3:無線デバイス200がネットワークノード300にスケジュールされた送信を送信する。
【0039】
ステップ4:ネットワーク300が無線デバイス200のコンテンションレゾリューションのためのメッセージを送信する。
【0040】
なお、ステップ1だけがランダムアクセスのための特別にデザインされた物理レイヤー処理を有しており、残りのステップ2−4はアップリンクとダウンリンクのデータ送信において使用される同一の物理レイヤー処理を踏襲している。コンテンションフリーのランダムアクセスについては、無線デバイスが、基地局によって割り当てられた予約されたプリアンブルを使用する。この場合、コンテンションレゾリューションは不要であり、それゆえにステップ1、2だけが必要となる。
【0041】
NPRACHはLTEにおけるものと同様の目的を提供するものであり、LTEにおけるランダムアクセスプロシージャを再利用する。
図1に示されているように、第一のステップで、
図2に示されたランダムアクセスタイムセグメント中に、PRACHプリアンブルシーケンスがUEによって送信される。無線アクセスノードに近い無線デバイスについては、ランダムアクセスプリアンブルが時間t = t
1に受信される。(無線アクセスノードから遠くに離れた)セルエッジの無線デバイスについては、ランダムアクセスプリアンブルが時間t = t
1+Δに受信される。PRACHプリアンブルシーケンスがランダムアクセスセグメントの全体を占有することはなく、ガードタイム(GT)のようないくらかの時間が残される。上述されたように、PA効率とカバレッジを増大するためには、できる限り一定のエンベロープに近づくようなPRACHプリアンブルを有することが望ましい。また、PRACHプリアンブルは、基地局によって正確な到着時刻の推定を実行可能となるように、設計されるべきである。以下で説明されるように、用語としてのPRACH信号およびPRACHプリアンブルは相互に置換可能である。
【0042】
PRACHシンボルグループの基本構造の一例が
図3に示されている。これは基本的にシングルトーンのOFDM信号である。非CP部分が単一のシンボルからなる伝統的なOFDMシンボルとは異なり、
図3におけるPRACHシンボルグループの非CP部分は一つ以上のシンボルを有してもよい。一例として、一つのCP(266.7マイクロ秒または66.7マイクロ秒のどちらか)と五つのシンボルは基本シンボルグループを形成する。266.7マイクロ秒のCPと五つのシンボルとを用いるシンボル構造が
図3に示されている。
【0043】
いくつかのOFDMシンボルグループであって、
図3に示されたような一つ一つが、コンカチネート(連結)されてPRACHプリアンブルを形成する。しかし、同一のPRACHプリアンブルにおけるシンボルグループの周波数位置はいくつかのホッピングパターンに従って変化する。ホッピングパターンの一例が
図4に示されている。
【0044】
シングルトーンの周波数ホッピングNPRACHを使用することに基づいて、12個のトーン(トータルのバンド幅は3.75X12=45kHz)が、設定デザインのための基本的な周波数リソースバンド(LTE PRACHにおける6個のPRBのような)として、利用可能である。12トーンのNPRACHバンドコンセプトが
図5に示されている。
【0045】
ノーマルカバレッジにおける無線デバイスについては、4個または8個のシンボルグループを有するNPRACHプリアンブル送信が、無線デバイスがランダムアクセスプロシージャを成功裏に完了するためには、十分であろう。たとえば、164dBの最大カップリングロスを有する極めて低いカバレッジにおける無線デバイスについては、128個またはそれ以上のシンボルグループを有するNPRACHプリアンブル送信が必要とされるだろう。
【0046】
これは、それぞれが同一のNPRACH周波数バンドを使用する、異なるカバレッジクラスにおける無線デバイスからのNPRACH送信の衝突を回避するために、有利であろう。したがって時間領域において異なるカバレッジクラスのNPRACH機会を分離するためのメカニズムが提案される。
【0047】
たとえばeMTCによれば、PRACH開始サブフレーム周期性(PRACH期間の観点から表現される)のためRRCパラメータについての範囲は、prachStartingSubframeによって定義され、これは {2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256}といったセット内のいずれか一つの値をとり、ここでprachStartingSubframeはPRACH開始サブフレームを定義するパラメータである。さらに、オフセット(PRACH期間の観点から表現される)は次のように定義され、
N × prachStartingSubframe + numRepetitionPerPreambleAttempt,
ここで、Nは0以上の整数であり、numRepetitionPerPreambleAttemptはプリアンブルの試行ごとに許容されるランダムアクセス送信の繰り返し回数を定義するパラメータである。eMTCの3GPP規格仕様によれば、プリアンブルの初回送信は「繰り返し回数」にカウントされ、たとえば、一回の試行につきプリアンブルシーケンスが二回送信されることは、numRepetititionsPerPreambleAttemptが2に等しいことに対応しうる。トータルでの繰り返し回数は許容されるプリアンブル送信試行の回数に依存していてもよいし、許容回数は他のパラメータに対応していてもよい。
【0048】
ここでprachStartingSubframeはPRACH機会の観点から表現され、 シンボルの絶対的な時間や数ではない。時間領域のPRACH機会は、
図8に示されているように、PRACH送信のために使用可能な、時間領域リソースにおけるスロットとして理解されてもよい。スロット間の時間領域リソースは、データ送信など、他の目的のために使用されてもよい。PRACH機会間の時間領域リソースはここで開示される実施形態にとって関連していないため、そのような時間領域リソースは以下で参照される
図7−
図12においては省略される。
【0049】
非限定の図解例示が、eMTCのためのランダムアクセスプロシージャがどのようにNB−IoTのために使用できるのかを図解するために、使用される。一例として、128ミリ秒ごとに16個の機会があるものと仮定する。以下でリストされる特性を有するカバレッジクラス1、カバレッジクラス2、およびカバレッジクラス3と称される三つの異なるカバレッジクラスが考慮される。
【0050】
カバレッジクラス1について、四個のシンボルグループが使用され(つまり、四個のシンボルグループのセットに関して繰り返しは生じず、これは繰り返しパラメータの値が1であることに対応してもよく)、一回のPRACH機会を使用することで完全に送信可能である。
【0051】
カバレッジクラス2について、八個のシンボルグループが必要とされ(つまり、四個のシンボルグループのセットに関して2回の繰り返しが生じ、これは繰り返しパラメータの値が2であることに対応してもよく)、二回のPRACH機会を使用することで送信可能である。
【0052】
カバレッジクラス3について、32個のシンボルグループが必要とされ(つまり、四個のシンボルグループのセットに関して8回の繰り返しが生じ、これは繰り返しパラメータの値が8であることに対応してもよく)、八回のPRACH機会を使用することで送信可能である。
【0053】
原理的には、eMTCにおいて、異なるカバレッジクラスには異なるprachStartingSubframeが許容される。しかし、これは、異なるカバレッジクラスにおける無線デバイスのPRACH衝突を回避するためにネットワーク設定を複雑にしてしまうだろう。そのようなケースの一例が以下に提供され、これは
図7によって図示されている。
【0054】
カバレッジクラス2は2つの繰り返しを有する。prachStartingSubframe= 4であり、オフセットは16個の機会の範囲において{0, 1, 2, 3} × 4 + 2 = {2, 6, 10, 14}というセットのうちのいずれかの値である。
図7から見て分かるように、カバレッジクラス2についてはN = 0, 1, 2 または3である。
図7は四つのプリアンブル送信試行とそれぞれ二つの受信とを示している。
【0055】
カバレッジクラス3は8つの繰り返しを有する。prachStartingSubframe= 16であり、オフセットは16個の機会の範囲において 0 × 16 + 8 = 8である。
図7から見て分かるように、カバレッジクラス3についてはN = 0である。
【0056】
ここで開示される実施形態は、異なるカバレッジクラスのPRACH機会の時間的衝突を処理するためのメカニズムに関する。
【0057】
ここで実施形態は無線デバイスの通信ネットワークに対するネットワークアクセスのためのメカニズムに関する。そのようなメカニズムを取得するために、無線デバイス200と、無線デバイス200によって実行される方法と、無線デバイス200の処理回路上で実行されると無線デバイス200に当該方法を実行させる、たとえば、コンピュータプログラムのフォームをした、コードを含むコンピュータプログラムプロダクトと、が提供される。そのようなメカニズムを取得するために、ネットワークノード300と、ネットワークノード300によって実行される方法と、ネットワークノード300の処理回路上で実行されるとネットワークノード300に当該方法を実行させる、たとえば、コンピュータプログラムのフォームをした、コードを含むコンピュータプログラムプロダクトと、が提供される。
【0058】
図13および
図14は無線デバイス200によって実行されるものである、無通信ネットワーク100に対する線デバイス200のネットワークアクセスのための方法の実施形態を示すフローチャートである。
図15および
図16はネットワークノード300によって実行されるものである、無線デバイス100のネットワークアクセスを実現ならしめるための方法の実施形態を示すフローチャートである。本方法はコンピュータプログラム420a、420bとして有利に提供される。
【0059】
次に実施形態にしたがって無線デバイス200によって実行されるものである、通信ネットワーク100に対する無線デバイス200のネットワークアクセスのための方法の実施形態を示す
図13が参照される。
【0060】
無線デバイス200はカバレッジクラスのセットからのカバレッジクラスに関連付けられる。好ましくは、当該セットは二つ、三つまたはそれ以上のカバレッジクラスを含む。
【0061】
S110:無線デバイス200はPRACH(物理ランダムアクセスチャネル)上でランダムアクセスのためのプリアンブルシーケンスを送信することによって、通信ネットワーク100へのネットワークアクセスを開始する。ネットワークアクセスは、無線デバイス200のカバレッジクラスによって定義された開始機会中に開始される。したがって、プリアンブルシーケンスは開始機会中に送信され、これが繰り返されることもある。
【0062】
次に、他の実施形態にしたがって無線デバイス200によって実行されるものである、通信ネットワーク100に対する無線デバイス200のネットワークアクセスのための方法の実施形態を示す
図14が参照される。ステップS110は
図13を参照しながら実行されるものと仮定される。
【0063】
無線デバイス200がネットワークアクセス設定を取得するためには異なる方法があってもよい。たとえば、実施形態にしたがって、無線デバイス200はステップS102を実行するように構成されてもよい。
【0064】
S102:無線デバイス200がネットワークノード300からネットワークアクセス設定を取得する。
【0065】
さらに以下で説明されるように、無線デバイス200は、カバレッジクラスのセット内の何個のカバレッジクラスが無線デバイス200のカバレッジクラスの周波数バンドを共有するかについての情報をネットワークノード300から提供されてもよい。実施形態にしたがって、無線デバイス200はステップS104を実行するように構成されてもよい。
【0066】
S104:無線デバイス200は、カバレッジクラスのセット内の何個のカバレッジクラスが無線デバイス200のカバレッジクラスの周波数バンドを共有するかについての情報をネットワークノード300から取得する。
【0067】
次に実施形態にしたがってネットワークノード300によって実行されるものである、通信ネットワーク100に対する無線デバイス200のネットワークアクセスを可能ならしめるための方法の実施形態を示す
図15が参照される。
【0068】
上述したように、無線デバイス200はカバレッジクラスのセットからのカバレッジクラスに関連付けられる。
【0069】
S202:ネットワークノード300は、無線デバイス200にネットワークアクセスコンフィギュレーション(設定)を提供する。ネットワークアクセスコンフィギュレーションは無線デバイス200のための通信ネットワーク100へのネットワークアクセスの開始を指定する。ネットワークアクセスコンフィギュレーションは、無線デバイス200のカバレッジクラスによって定義された開始機会の期間にネットワークアクセスが開始されることを指定する。実施形態によれば、ネットワークノード300は、異なるカバレッジクラスに関連付けられ複数の開始機会を含むネットワークアクセスコンフィギュレーションを、無線デバイス200に提供する。開始機会は明確な時間リソースに関連していてもよい。複数の開始機会のうちで、無線デバイス200のカバレッジクラスは、物理ランダムアクセスチャネル上でランダムアクセスのためのプリアンブルシーケンスを送信することによってネットワークアクセスを開始することになる開始機会を定義する。これは、無線デバイス200の一つ以上の開始機会に加え、少なくとも一つの他の開始機会を指定するネットワークアクセスコンフィギュレーションを無線デバイス200が受信することを示唆しており、ここで他の開始機会は他のカバレッジクラスに関連付けられた無線デバイスによって使用されてもよい。
【0070】
次に、他の実施形態にしたがってネットワークノード300によって実行されるものである、通信ネットワーク100に対する無線デバイス200のネットワークアクセスを可能ならしめるための方法の実施形態を示す
図16が参照される。ステップS202は
図15を参照しながら実行されるものと仮定される。
【0071】
実施形態によれば、ネットワークノード300はステップS204を実行するように構成されてもよい。
【0072】
S204:ネットワークノード300は、カバレッジクラスのセット内の何個のカバレッジクラスが無線デバイス200のカバレッジクラスの周波数バンドを共有するかについての情報を無線デバイス200へ提供する。
【0073】
次に無線デバイス200とネットワークノード300に対して共通となる実施形態が提供される。
【0074】
再び
図1を参照すると、ステップS110で無線デバイス200によって実行されるものであるネットワークアクセス開始13および
図14)は、ステップ1でランダムアクセスプリアンブルの送信の代わりに実行される。無線デバイス200によって送信されるものであるランダムアクセスのためのプリアンブルシーケンスはネットワークノード300によって受信されることが仮定されている。
図1のステップ2−4が続いて実行され、ここでコンテンションレゾリューションが不要である場合、ステップ1とステップ2だけが実行されることを必要とする。
【0075】
いくつかの観点によれば、開始機会は各カバレッジごとに固有であってもよい。ゆえに、実施形態によれば、カバレッジクラスのセット内に共通の開始機会を共有する二つの異なるカバレッジクラスは存在しない。いくつかの他の観点によれば、開始機会はいくつかのカバレッジによって共有されてもよい。とりわけ、実施形態によれば、カバレッジクラスのセット内における各カバレッジクラスが受信電力レベルに関連付けられており、閾値未満の差のある受信電力レベルを有するこれらのカバレッジクラスは少なくとも部分的に重なっている開始機会を有する。
【0076】
実施形態によれば、カバレッジクラスのセット内におけるすべてのカバレッジクラスがネットワークアクセスを開始するための共通の開始サブフレームを共有する。ネットワークアクセスが開始される開始機会は共通の開始サブフレームに基づき決定される。衝突を回避するために、共通のprachStartingSubframeが設定されてもよい。そして、異なるカバレッジクラスには異なるオフセットが使用されるため、衝突は回避される。一例として、共通の開始機会に比例した異なる時間オフセットが使用されてもよい。換言すれば、オフセットは、カバレッジクラスに依存することができ、各カバレッジクラスは自己のオフセットを有してもよい。つまり、実施形態によれば、カバレッジクラスのセット内におけるすべてのカバレッジクラスが、ネットワークアクセスを開始するための共通の開始サブフレームを共有しており、カバレッジクラスのセット内における各カバレッジクラスは、共通の開始サブフレームに関連したネットワークアクセスのための固有のオフセットを有し、ネットワークアクセスは固有のオフセットにしたがって開始される。オフセットは共通の開始サブフレームに関連して定義されてもよい。オフセットは、たとえば、共通の開始サブフレームから開始機会への時間的な距離を示すサブフレーム数を含んでもよい。あるいは、オフセットは、共通の開始サブフレームから開始機会への時間的な距離を含んでもよい。よって、カバレッジクラスについてのオフセットがゼロである場合、一つの開始機会は共通の開始サブフレームと同じであり、このカバレッジクラスに関連付けられている無線デバイスは共通の開始サブフレームの期間においてネットワークアクセスを開始するよう試行することになる。
【0077】
PRACH衝突を回避するために無線デバイス200によって使用される明示的な開始機会の決定に関連した実施形態が以下で説明される。
【0078】
実施形態によれば、カバレッジクラスのセット内における各カバレッジクラスはネットワークアクセスを実行するための固有の繰り返し回数に関連付けられている。上述したようなeMTCと同様に、繰り返し回数は、一つの試行あたりの繰り返し回数を示すパラメータと試行回数を示すオプションのパラメータとによってシグナリングされてもよい。開始機会を含むサブフレーム中にネットワークアクセスが開始される一方で、後続の繰り返しはこのサブフレームの外で実行される。カバレッジクラスのセット内における所与のカバレッジクラスのための固有のオフセットは、所与のカバレッジクラスのための固有の繰り返し回数に比例している。非限定の例の実行を継続し、ネットワークノードが、開始サブフレームを、 N=0とし、第一のピリオドでprachStartingSubframe = 16と指定した場合、
カバレッジクラス1は繰り返しを有せず(繰り返しパラメータ=1)、ゆえにオフセットは0 × 16 + 1 = 1である。
【0079】
カバレッジクラス2は2回の繰り返しを有し(繰り返しパラメータ=2)、ゆえにオフセットは0 × 16 + 2 = 2である。
【0080】
カバレッジクラス3は8回の繰り返しを有し(繰り返しパラメータ=8)、ゆえにオフセットは0 × 16 + 8 = 8である。
【0081】
三つのカバレッジクラスのためのPRACH機会が
図8に示されている。
図8は三つの異なるオフセットの使用を示している。
図8に示されているように、ネットワークアクセスは一つのサブフレーム(開始機会)において開始されるが、後続のサブフレームに継続してもよい(たとえば、プリアンブルシーケンスの一つ以上の繰り返し送信)。一つの欠点はすべてのPRACH機会が利用可能ではない点である。
【0082】
実施形態によれば、カバレッジクラスのセット内における各カバレッジクラスは開始機会の固有の数に関連付けられている。さらに、実施形態によれば、カバレッジクラスのセット内における各カバレッジクラスはネットワークアクセスを開始するための固有の繰り返し回数に関連付けられていてもよい。ネットワークアクセスはそのようなサブフレームで開始され、後続のサブフレームは、同一のランダムアクセスプリアンブルシーケンスを繰り返す一つ以上の送信を含んでもよい。相対的に少ない繰り返し数を伴うカバレッジクラスのための開始機会の数は、相対的に多い繰り返し数を伴うカバレッジクラスのための開始機会の数より高い。PRACH機会を完全に利用するためには、以下のような開始機会のスケジューリングが使用されてもよい。
【0083】
カバレッジクラス1はj × P+ k × N
rep,1とインデックスを付与された開始サブフレームを有し、ここでk = 0, 1, ..., (P/(4 × N
rep,1) - 1)である。N
rep,1は、カバレッジクラス1の繰り返し数であり、jは周期(長さPのタイムインターバル)のシーケンス番号である。一度、プリアンブルシーケンスを送信することは、N
rep,1 = 1に対応していてもよい。
【0084】
カバレッジクラス2はj × (j + 1/4) × P + k × N
rep,2という開始サブフレームを有し、ここでk = 0, 1, ..., (P/(4 × N
rep,2) - 1)である。N
rep,2は、カバレッジクラス2の繰り返し回数である。
【0085】
カバレッジクラス3はj × (j + 1/2) × P + k × N
rep,3という開始サブフレームを有し、ここでk = 0, 1, ..., (P/(2 × N
rep,3) - 1)である。N
rep,3は、カバレッジクラス3の繰り返し回数である。
【0086】
上述によれば、三つのカバレッジクラスのPRACHが同一のPRACH周波数バンドを共有するものと仮定可能である。上述の開始機会のスケジューリングを使用することで、長さPの周期におけるPRACH機会の数は、所与のカバレッジクラスの繰り返し回数の関数である。
【0087】
継続している非限定の例のために、以下の開始機会が取得される。
【0088】
カバレッジクラス1は繰り返しを有せず、サブフレーム0、1、2、3において開始機会を有する。
【0089】
カバレッジクラス2は2回の繰り返しを有し、サブフレーム4、6において開始機会を有する。
【0090】
カバレッジクラス3は8回の繰り返しを有し、サブフレーム8において開始機会を有する。
【0091】
三つのカバレッジクラスのためのPRACH機会が
図9に示されている。一つの欠点は所与のカバレッジクラスのためのPRACH機会のすべてがクラスタ化されてしまうことである。
【0092】
ネットワークアクセスが周波数バンドで開始されることが仮定可能である。実施形態によれば、開始機会は、カバレッジクラスのセット内の何個のカバレッジクラスが無線デバイス200のカバレッジクラスの周波数バンドを共有するかに依存する。上記のステップS104、S204のように、無線デバイス200は、カバレッジクラスのセット内の何個のカバレッジクラスが無線デバイス200のカバレッジクラスの周波数バンドを共有するかについての情報をネットワークノード300から提供されてもよい。たとえば、たった二つのカバレッジクラスが同一のPRACH周波数バンドを共有しており、Pが共通のprachStartingSubframeである場合、が同一のPRACH周波数バンドを共有しているそのようなカバレッジクラスだけが考慮されることを必要とする。たとえば、カバレッジクラス1およびカバレッジクラス3が同一のPRACH周波数バンドAを共有しており、カバレッジクラス2は他のPRACH周波数バンドBを使用する場合、以下の開始機会のスケジューリングが使用可能である。
【0093】
カバレッジクラス1は 開始機会j × P
bandA+ k × N
rep,1を有し、ここでk = 0, 1, ..., (P
bandA/(2 × N
rep,1) - 1)である。N
rep,1は、カバレッジクラス1の繰り返し数であり、jは周期(長さPのタイムインターバル)のシーケンス番号である。
【0094】
カバレッジクラス2は、j × P
bandBという開始サブフレームを有する。パラメータ P
bandBは、P
bandB × N
rep,2という値を用いて設定可能であり、ここでP
bandB = N
rep,2 のときにカバレッジクラス2のためのPRACH機会の数が最大になる。
【0095】
カバレッジクラス3は、開始機会 (j + 1/2) × P
bandA + k × N
rep,3を有し、ここでk = 0, 1, ..., (P
bandA/(2 × N
rep,3) - 1)である。N
rep,3は、カバレッジクラス3の繰り返し回数である。
【0096】
カバレッジクラス2が単一のPRACH周波数バンドを使用しているため、衝突は発生しない。カバレッジクラス1とカバレッジクラス3とについては、
図10に示されるように衝突が回避される。
【0097】
実施形態によれば、いくつかの可能な開始機会が存在する。これらのいくつかの可能な開始機会のうちの少なくとも二つが、カバレッジクラスのセット内における他のカバレッジクラスの開始機会によって分離されるように、これらのいくつかの可能な開始機会は時間的に分散されてもよい。ゆえに、開始機会は、時間的にPRACH機会が分散するように、開始機会がスケジューリングされうる。これは
図11に示されている。無線デバイス200は、ネットワークノード300からの情報を受信することによってこの設定を認識するが、一つのカバレッジクラスが、異なるカバレッジクラスによって定義される少なくとも一つの開始機会がその間に挿入されることになる、いくつかの可能な開始機会を定義する。
【0098】
カバレッジクラスにしたがった無線デバイス200のランキングに基づいてPRACH衝突を回避し、開始機会を割り当てるために、無線デバイス200によって使用される、黙示的な開始機会の決定方法に関連した実施形態が開示される。無線デバイスのランキングは、各無線デバイス200がカバレッジクラスに関連付けられており、カバレッジクラスのセット内におけるカバレッジクラスが、所与の第一カバレッジクラスが所与の第二カバレッジクラスに対して高い、低いまたは一致しているといった感覚で、ランキングされているといった事実に基づき、実行されてもよい。
【0099】
実施形態によれば、開始機会は、ネットワークアクセスの開始をバックオフする無線デバイス200によって定義される。(何らかの疑義を避けるために、この感覚における「バックオフ」は初期に説明された「PAバックオフ」のコンセプトとは一般に関係していない。)無線デバイス200は可能な開始機会に基づきバックオフを実行してもよい。無線デバイス200は、ある可能な一つの開始機会におけるネットワークアクセスの開始からバックオフしている場合、次の可能な開始機会におちえネットワークアクセスを開始するかどうかを決定する。その結果として、異なる二つのカバレッジクラスが共通の開始機会を共有することはないだろう。
【0100】
より詳細には、ここで開示された観点によれば、開始機会のスケジューリングはランキングアプローチに基づいている。とりわけ、無線デバイスは自己のカバレッジクラスにしたがってランキングされている。より高いカバレッジクラスには、低いカバレッジクラスと比較して、より高い優先度が付与される。実施形態によれば、カバレッジクラスのセット内における各カバレッジクラスはネットワークアクセスのための固有の開始機会のセットを有している。換言すれば、より低いカバレッジクラスにおける無線デバイスは自己の開始機会を決定するときに、より高いカバレッジクラスにおける無線デバイスによって使用されるであろう開始機会からバックオフする。実施形態によれば、カバレッジクラスのセット内におけるすべてのカバレッジクラスはランキングされており、無線デバイスは、より高くランク付けされたカバレッジクラスにおける無線デバイスによって使用される開始機会からバックオフする。無線デバイスは、より高い拡張されたカバレッジクラスのPRACHリソースを含むサブフレームによって付与された制限によって許容される、次に利用可能なサブフレーム(PRACHを含む)を決定することが可能となる。
【0101】
非限定の図解的な例を継続して説明すると、以下の開始機会は、以下のように(
図12に図示されているように)スケジューリングされる。
【0102】
カバレッジクラス3は8つの繰り返しを有する。prachStartingSubframe= 16であり、オフセットは16個の開始機会の範囲において 0 × 16 + 8 = 8である。カバレッジクラス3はより高い優先度を有し、いずれのNPRACHリソースからもバックオフすることを必要としない。
【0103】
カバレッジクラス2は2つの繰り返しを有する。prachStartingSubframe= 4であり、オフセットは16個の開始機会の範囲において{0, 1, 2, 3} × 4 + 2 = {2, 6, 10, 14} である。カバレッジクラス2はカバレッジクラス3よりも低い優先度を有している。このカバレッジクラスにおける無線デバイスは、カバレッジクラス3によって使用される可能な開始機会をチェックし、オフセット{2, 3}が衝突を招くことを発見し、衝突するPRACHリソースからバックオフする。
【0104】
図14を参照すると、実施形態にしたがって、無線デバイスは、以下のようにステップS106およびS108を実行するように構成される。
【0105】
S106:無線デバイスは自己のカバレッジクラスの可能な開始機会と、より高くランキングされたカバレッジクラスの可能な開始機会とをチェックする。
【0106】
S108:無線デバイスは、より高いカバレッジクラスによって使用されうる可能な開始機会におけるネットワークアクセスの開始からバックオフする。
【0107】
カバレッジクラス1は繰り返しを有せず(これは繰り返しパラメータの値を1にすることによって表現可能であり)、潜在的に、以下の制限にしたがったいずれかのPRACH機会を使用することができる。カバレッジクラス1は最低の優先度を有している。このカバレッジクラスにおける無線デバイスは、カバレッジクラス2とカバレッジクラス3とによって利用される可能な開始機会をチェックし、カバレッジクラス2とカバレッジクラス3と衝突するPRACHリソースからバックオフするが、これらはステップS106とS108とを実行した結果である。
【0108】
ランキング手法は、異なるprachStartingSubframeを、異なるカバレッジクラスのために設定することを可能とする。ランキング手法は、すべてのPRACH機会の完全な利用を可能とする。ランキング手法は、いずれのカバレッジクラスのPRACH機会のクラスタリングを回避することを可能とする。さらに、所与のカバレッジクラスのための可能な開始機会のうちから利用可能な開始機会を探索するタスクは無線デバイス200に委任されるため、ランキング手法はセントラルスケジューリングを簡潔にする。
【0109】
ランキング手法は異なる方法によって実現可能である。実施形態によれば、バックオフは、通信ネットワークに関連付けられた、物理レイヤーの仕様またはメディアアクセスレイヤーの仕様にしたがって指定される。以下に二つの例がある。
【0110】
開始機会は、たとえば、無線デバイスに許容される開始機会の決定するように仕向ける明示的な数式および/または疑似コードを使用することによって、物理レイヤーの仕様にしたがってスケジュールされてもよい。
【0111】
開始機会は、衝突の存在における動作を指定することによってメディアアクセスレイヤーにおいて実現することによって、無線デバイスの動作の一部として、定義されてもよい。
【0112】
図17は、いくつかの機能ユニットの観点から、実施形態にしたがった無線デバイス200のコンポーネントを示している。処理回路210は、たとえば、記憶媒体230のフォームをしたコンピュータプログラムプロダクト410a(
図21)に記憶されたソフトウエアインストラクションを実行可能な、適切な中央処理装置(CPU)、マルチプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、その他などのうちの一つ以上のいずれかの組み合わせを使用して提供される。処理回路210は、さらに、少なくとも一つの特定用途集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として提供されてもよい。
【0113】
とりわけ、処理回路210は、上述されたように、無線デバイス200にオペレーションのセットまたはステップS102−S110を実行させるように構成されている。たとえば、記憶媒体230は、オペレーションのセットを記憶していてもよいし、処理回路210は、記憶媒体230からオペレーションのセットを抽出して、無線デバイス200にオペレーションのセットを実行させるように構成されてもよい。オペレーションのセットは実行可能なインストラクションとして提供されてもよい。よって、これにより処理回路210はここで開示されるような方法を実行するように構成されている。
【0114】
記憶媒体230は、さらに、たとえば、磁気メモリ、光学メモリ、ソリッドステートメモリ、またはリモートでマウントされたメモリのうちのいずれか一つまたは組み合わせである、持続的な記憶装置を含んでもよい。
【0115】
無線デバイス200は、さらに、少なくともネットワークノード300と通信するための通信インインターフェース220を有していてもよい。同様に、通信インターフェース220は、アナログおよびデジタルコンポーネントや無線通信のための適切な数のアンテナや適切な数の有線通信のためのポートを含む、一つ以上の送信機及び受信機を含んでもよい。
【0116】
処理回路210は、たとえば、データおよび制御信号を通信インターフェース220や記憶媒体230に送信したり、通信インターフェース220からデータや報告を受信したり、記憶媒体230からデータやインストラクションを抽出することによって、無線デバイス200の一般的なオペレーションを制御する。機能的に関連している限りにおいて、無線デバイス200の他のコンポーネントは、ここで提供されるコンセプトを邪魔しないように、省略されている。
【0117】
図18は、いくつかの機能モジュールの観点から、実施形態にしたがった無線デバイス200のコンポーネントを示している。
図18の無線デバイス200は、ステップS110を実行するように構成された開始モジュール210aを有する。
図18の無線デバイス200は、さらに、ステップS102を実行するように構成された取得モジュール210bと、ステップS104を実行するように構成された取得モジュール210cと、ステップS106を実行するように構成されたチェックモジュール210dと、ステップS108を実行するように構成されたバックオフモジュール210eとのうちのいずれかのようなオプションの機能モジュールのいくつかを含んでいてもよい。一般論として、機能モジュール20a−210eのそれぞれは、ハードウエアまたはソフトウエアにより実装されうる。好ましくは、機能モジュール210a−210eの一つ以上またはすべては、可能であれば、通信インターフェース220および/または記憶媒体230と協働して、処理回路210によって実装されてもよい。処理回路210は、よって、記憶媒体230から、機能モジュール210a−210eによって提供されるものであるインストラクションをフェッチし、これらのインストラクションを実行するように構成されてもよく、これによりここに開示される無線デバイス200のいずれかのステップを実行してもよい。
【0118】
図19は、いくつかの機能ユニットの観点から、実施形態にしたがったネットワークノード300のコンポーネントを示している。処理回路310は、たとえば、データ記憶装置330のフォームをしたコンピュータプログラムプロダクト410b(
図21)に記憶されたソフトウエアインストラクションを実行可能な、適切な中央処理装置(CPU)、マルチプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、その他などのうちの一つ以上のいずれかの組み合わせを使用して提供される。処理回路310は、さらに、少なくとも一つの特定用途集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として提供されてもよい。
【0119】
とりわけ、処理回路310は、上述されたように、ネットワークノード300にオペレーションのセットまたはステップS202−S204を実行させるように構成されている。たとえば、記憶媒体330は、オペレーションのセットを記憶していてもよいし、処理回路310は、記憶媒体330からオペレーションのセットを抽出して、ネットワークノード300にオペレーションのセットを実行させるように構成されてもよい。オペレーションのセットは実行可能なインストラクションとして提供されてもよい。よって、これにより処理回路310はここで開示されるような方法を実行するように構成されている。
【0120】
記憶媒体330は、たとえば、磁気メモリ、光メモリ、固体メモリ、または、リモートでマウントされるメモリ、または、これらのタイプのメモリの二つ以上の組み合わせなど、固定記憶装置を含んでもよい。
【0121】
ネットワークノード300は、さらに、少なくとも無線デバイス200と通信するための通信インインターフェース320を有していてもよい。同様に、通信インターフェース320は、アナログおよびデジタルコンポーネントや無線通信のための適切な数のアンテナや適切な数の有線通信のためのポートを含む、一つ以上の送信機及び受信機を含んでもよい。
【0122】
処理回路310は、たとえば、データおよび制御信号を通信インターフェース320や記憶媒体330に送信したり、通信インターフェース320からデータや報告を受信したり、記憶媒体330からデータやインストラクションを抽出することによって、ネットワークノード300の一般的なオペレーションを制御する。機能的に関連している限りにおいて、ネットワークノード300の他のコンポーネントは、ここで提供されるコンセプトを邪魔しないように、省略されている。
【0123】
図20は、いくつかの機能モジュールの観点から、実施形態にしたがったネットワークノード300のコンポーネントを示している。
図20のネットワークノード300は、ステップS202を実行するように構成された提供モジュール310aを有する。
図20のネットワークノード300は、さらに、ステップS204を実行するように構成された他の提供モジュール310bのようないくつかのオプション的な機能ジュールを含んでいてもよい。一般論として、機能モジュール310a−310bのそれぞれは、ハードウエアまたはソフトウエアにより実装されうる。好ましくは、機能モジュール310a−310bの一つ以上またはすべては、可能であれば、機能ユニット320および/または330と協働して、処理回路310によって実装されてもよい。処理回路310は、よって、記憶媒体330から、機能モジュール310a−310beによって提供されるものであるインストラクションをフェッチし、これらのインストラクションを実行するように構成されてもよく、これによりここに開示されるネットワークノード300のいずれかのステップを実行してもよい。
【0124】
ネットワークノード300はスタンドアローンデバイスとして提供されてもよいし、他の少なくとも一つのデバイスの一部として提供されてもよい。たとえば、ネットワークノード300は、無線アクセスネットワーク110におけるノード内や、コアネットワーク120におけるノード内や、サービスネットワーク130のノード内でさえ提供されてもよい。あるいは、ネットワークノード300の機能は、少なくとも二つのデバイスまたはノード間で分散配置されてもよい。これらの少なくとも二つのノードまたはデバイスは、同一のネットワークパートの一部(無線アクセスネットワーク110またはコアネットワーク120)またはそのような少なくとも二つのネットワークパート間に分散配置されていてもよい。一般論として、リアルタイムで実行されることが必要とされるインストラクションは、リアルタイム実行される必要が無いインストラクションと比較して、セルにより近いデバイスまたはノードにおいて実行されてもよい。
【0125】
よって、ネットワークノード300によって実行されるインストラクションの第一の部分は、第一デバイスによって実行されてもよいし、ネットワークノード300によって実行されるインストラクションの第二の部分は、第二デバイスによって実行されてもよいし、ここで開示される実施形態は、ネットワークノード300によって実行されるインストラクションを実行することになるデバイスの特定の数には限定されることはない。ゆえに、ここで開示される実施形態にしたがった方法は、クラウドコンピューティング環境に設けられたネットワークノード300によって実行されるのに適している。したがって、
図18には単一の処理回路310が図示されているが、処理回路310は複数のデバイスまたはノードに分散配置されてもよい。
図20の機能モジュール320a−310bや
図21(以下)のコンピュータプログラム420bにも同様のことが言える。
【0126】
図21はコンピュータ可読手段430を含むコンピュータプログラムプロダクト410a、410bの一例を示している。このコンピュータ可読手段430上には、コンピュータプログラム420aが記憶可能であり、コンピュータプログラム420aは、処理回路210とそれに実行可能に結合された、通信インターフェース220および記憶媒体230のようなエンティティおよびデバイスに対して、ここで記述される実施形態にしたがった方法を実行させることを可能とする。よって、コンピュータプログラム420aおよび/またはコンピュータプログラムプロダクト410aはここで記述される無線デバイス200のいずれかのステップを実行するための手段を提供してもよい。このコンピュータ可読手段430上には、コンピュータプログラム420bが記憶可能であり、コンピュータプログラム420bは、処理回路310とそれに実行可能に結合された、通信インターフェース320および記憶媒体330のようなエンティティおよびデバイスに対して、ここで記述される実施形態にしたがった方法を実行させることを可能とする。よって、コンピュータプログラム420bおよび/またはコンピュータプログラムプロダクト410bはここで記述されるネットワークノード300のいずれかのステップを実行するための手段を提供してもよい。
【0127】
図21の例示によれば、コンピュータプログラムプロダクト410a、410bは、CD(コンパクトディスク)またはDVD(デジタルバーサタイルディスク)またはブルーレイディスク(登録商標)のような、光ディスクとして図示されている。コンピュータプログラムプロダクト410a、410bは、また、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)などのメモリとして実現可能であり、より具体的なものとしてUSB(ユニバーサルシリアルバス)メモリまたはコンパクトフラッシュメモリのようなフラッシュメモリのような外部メモリ内のデバイスの不揮発性記憶媒体として実現されてもよい。よって、コンピュータプログラム420a、420bは、図示された光ディスク上のトラックとして示されており、コンピュータプログラム420a、420bはコンピュータプログラムプロダクト410a、410bとして適したいずれかの方法で記憶可能である。
【0128】
本発明的コンセプトはいくつかの実施形態に関連して説明されてきた。しかし、当業者であればすぐに理解できるように、添付のクレームのリストによって定義されているように、本発明的コンセプトの範囲内で、上述の実施形態とは異なる他の実施形態も等しく可能である。たとえば、少なくともいくつかの実施形態はNB−IoTのコンテキストにおいて説明されてきたが、ここで開示された実施形態はeMTCにも同様に適用される。