特許第6983921号(P6983921)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983921
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】空気清浄化のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20211206BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20211206BHJP
   B60H 3/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   A61L9/12
   A61L9/01 Q
   B60H3/00 J
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2020-17570(P2020-17570)
(22)【出願日】2020年2月5日
(65)【公開番号】特開2020-138012(P2020-138012A)
(43)【公開日】2020年9月3日
【審査請求日】2020年2月6日
(31)【優先権主張番号】62/811,541
(32)【優先日】2019年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ビーティン・ロウ
(72)【発明者】
【氏名】キュンフイ・グオ
(72)【発明者】
【氏名】ルシアノ・エム・パリネロ
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−523304(JP,A)
【文献】 特表2009−525118(JP,A)
【文献】 特開2014−015523(JP,A)
【文献】 特表2020−532420(JP,A)
【文献】 国際公開第2019/045760(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00−9/22
B01D 61/00−71/82
B60H 3/00
F24F 8/50
C08F 20/18
A01M 29/12
A01M 29/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部占有空間内の空気清浄化のための装置(1)であって、
a)空気清浄化及び/又は悪臭除去のための揮発性組成物(9)を含有するリザーバ(11)と、
b)前記揮発性組成物(9)と流体連通する複合膜(13)と、を備え、前記複合膜(13)が、前記リザーバ(11)に面する第1の側部(134)と、前記第1の側部(134)とは反対の第2の側部(136)と、を備え、
c)前記第1の側部(134)及び前記第2の側部(136)のうちの少なくとも1つが、拡散調節コーティング(138)を備え、前記拡散調節コーティング(138)が、疎水性/疎油性材料(2C)を含み、前記疎水性/疎油性材料(2C)が、フルオロアルキル基含有ポリマー又はコポリマーを含み、
d)前記揮発性組成物(9)が、前記組成物(9)の少なくとも20重量%の香料原材料を含み、前記少なくとも20%の香料原材料が、摂氏25度で0.01トール(1.33322Pa)以上の平均蒸気圧を有し、
e)前記装置(1)が、5m/秒+/−1m/秒の空気流量及び摂氏21度の温度で、0.2mg/時*cm2〜5mg/時*cm2の平均蒸気放出速度を含み、
前記拡散調節コーティング(138)が、ポリマー材料(2)を更に含み、前記ポリマー材料(2)が、親水性材料(2B)であり、
前記ポリマー材料(2)が、前記第1の側部(134)及び前記第2の側部(136)のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分の上にあり、
前記疎水性/疎油性材料(2C)が、前記ポリマー材料(2)上にあり、
前記装置(1)が、作動前に前記揮発性組成物(9)の放出を防止するために、前記装置(1)内に配設された蒸気不透過性基材(14)を更に備え、
前記蒸気不透過性基材(14)が、破断可能であり、前記装置(1)が、前記蒸気不透過性基材(14)を破断させるように構成されたアクチュエータ(23)に動作可能に接続されており、前記アクチュエータ(23)が、前記装置(1)を前記内部占有空間内の通気口(33)に解放可能に取り付けるための装着部分である、装置。
【請求項2】
前記ポリマー材料(2)が、前記第2の側部(136)の少なくとも一部分の上にある、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記疎水性/疎油性材料(2C)が、フルオロアルキル基含有コポリマーを含む、請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記疎水性/疎油性材料(2C)が、フルオロアルキルアクリレートコポリマー、ペルフルオロアルコキシポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ペルフルオロエラストマー、ペルフルオロポリエーテル、フルオロシリコーン、フルオロシラン、ペルフルオロシラン、及びフルオロアルキルシルセスキオキサンのうちの1つ以上を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記親水性材料(2B)が、ポリオキサゾリン、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(プロピレングリコール)−ポリ(エチレングリコール)に基づくトリブロックコポリマー、ポリアミド、酸化ポリエチレン又はその誘導体、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコール又はその誘導体、ポリプロピレンオキシド又はその誘導体、ポリ(エチレングリコール)及びポリエチレンオキシドのコポリマー、ポリビニルアルコール、セルロース又はその誘導体、コラーゲン、ポリペプチド、グアー、ペクチン、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリルアミド、多糖類、両性イオンポリマー、高分子両性電解質、ポリエチレンイミン、並びにこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記揮発性組成物(9)が、1ml〜50mlの量である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置(1)の前記平均蒸気放出速度が、0.5〜5m/秒の空気流量及び摂氏21度の温度で、1〜60日の期間にわたって、1.5mg/時*cm2〜3mg/時*cm2ある、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記複合膜(13)が、2cm2〜80cm2蒸発表面積を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記蒸気不透過性基材(14)が、前記第2の側部(136)に隣接しており、前記リザーバ(11)の周囲に取り外し可能に取り付けられて、封止されたリザーバを形成している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
内部占有空間内の空気清浄化のための方法であって、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置(1)の前記装着部分を通気口に取り付ける工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部占有空間における空気清浄化のための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
揮発性物質を分配するためのデバイスはよく知られており、部屋のような家庭及び商業施設の空間、又は車両の車室空間のような密閉空間の空気の清浄化、悪臭除去、又は香り付けなどの様々な利点を提供するために一般的に使用される。例えば、芳香油のような1つ以上の揮発性材料を含む揮発性組成物などの揮発性物質を分配するために、空気清浄化製品が設計されている。揮発性組成物は、例えば、スプレーボトル内に収容され、蒸気に移行する液滴として内部空間の空気中に噴霧され得る。しかしながら、このような製品は、連続的に清浄化しない(すなわち、揮発性組成物は、手動作動時にのみ分配される)。代替的に、揮発性組成物は、膜系、芯系、及びゲル系システムから揮発性組成物を蒸発させることなどを介して、手動作動を必要としないシステムを通して分配され得る。
【0003】
しかしながら、このような空気清浄化製品の問題は、製品寿命にわたる揮発性組成物の蒸発速度に一貫性がない、すなわち、製品使用開始時の揮発性組成物の高い蒸発速度、及び製品寿命の終了に向かう低い蒸発速度であることが多い。具体的には、揮発性組成物は典型的に、高揮発性化合物と、揮発性がより低い他の揮発性化合物(「より低い揮発性化合物」)との混合物を含む。高揮発性化合物は、一般に、より低い揮発性化合物よりも高い蒸気圧を有する。具体的には、所与の温度では、より高い蒸気圧を有する高揮発性化合物は、より低い蒸気圧を有するより低い揮発性化合物よりも容易に蒸発する。使用中、高揮発性化合物は、このような製品の使用の開始時により迅速に蒸発する傾向があり、その一方で、より低い揮発性化合物が後に蒸発すると、製品寿命にわたって揮発性組成物の全体的な一貫性のない香り強度及び芳香特性をもたらす。初期蒸発率が高いと、初期の香り強度が圧倒的に強くなり、これは、製品寿命にわたって空気清浄化製品が異なる香り強度を有している、又は初期の香り強度が存在しなくなった後に製品が効果を失ったという認識が生じ得る。
【0004】
特に、自動車の通気口に取り付け可能なエアフレッシュナは、通気口を通じて空気流が発生し、その空気流がエアフレッシュナを通過するときに自動車全体に清浄性を迅速にもたらすことによって、少なくとも1つの利点を提供する。しかしながら、空調システムや暖房、換気、空調(HVAC)システムのヒータの使用中、又は運転中など、高空気流条件で「強すぎる香り強度」を防止することも課題である。更に、一般に上、中、下の香りの「ノート(notes)」を含む「バランスのとれた」香りの特徴をユーザに提供する必要性も継続している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、揮発性組成物を低い蒸発速度で送達するため、及び揮発性組成物の制御放出のための装置が必要である。また、一定の蒸発速度、香り強度、及び/香りの特性を経時的に提供する装置及び方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内部占有空間における空気清浄化のための装置に関し、この装置は、
a)空気清浄化及び/又は悪臭除去のための揮発性組成物を含有するリザーバと、
b)揮発性組成物と流体連通する複合膜と、を備え複合膜が、リザーバに面する第1の側部と、第1の側部とは反対の第2の側部と、を含み、
c)第1の側部及び第2の側部のうちの少なくとも1つが、拡散調節コーティングを備え、拡散調節コーティングが、少なくとも1つのフルオロアルキル基を含む疎水性/疎油性材料を含み、
d)揮発性組成物が、組成物重量の少なくとも20%の香料原材料を含み、少なくとも20%の香料原材料が、摂氏25度で0.01トール以上の平均蒸気圧を有し、
e)装置が、5m/秒+/−1m/秒の空気流量及び摂氏21度の温度で、0.2mg/時cm〜5mg/時cmの平均蒸気放出速度を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明による揮発性組成物の放出を制御するための装置の側断面図である。
図2】装置が支持体上に配置されている場合の、垂直方向にある図1に示される装置の側断面図である。
図3A】本発明による装置用複合膜上の拡散調節コーティングの異なる配列の側面概略図である。
図3B】本発明による装置用複合膜上の拡散調節コーティングの異なる配列の側面概略図である。
図3C】本発明による装置用複合膜上の拡散調節コーティングの異なる配列の側面概略図である。
図4A】本発明による装置用組成物膜上の拡散調節コーティング用材料の異なる構造構成の側面概略図である。
図4B】本発明による装置用組成物膜上の拡散調節コーティング用材料の異なる構造構成の側面概略図である。
図4C】本発明による装置用組成物膜上の拡散調節コーティング用材料の異なる構造構成の側面概略図である。
図5】本発明による装置の変形例の構成要素の斜視図である。
図6A】作動前に組み立てられたときの図5に示す装置の側面断面図である。
図6B】作動後の図6Aの装置の側断面図である。
図7】自動車環境で使用されている、図6A及び6Bの装置の正面斜視図である。
図8】経時的に放出された比較例1及び本発明の実施例2、3、及び4に含まれる揮発性組成物の揮発性組成物の累積量を示すグラフである。
図9】経時的に放出された比較例1及び本発明の実施例2、3、及び4に含まれる揮発性組成物の1時間当たりミリグラムでの蒸気放出速度/香料蒸発速度を示すグラフである。
図10】経時的に放出された比較例2及び本発明の実施例5及び6に含まれる揮発性組成物の累積量を示すグラフである。
図11】経時的に放出された比較例2及び本発明の実施例5及び6に含まれる揮発性組成物1時間当たりのミリグラムでの蒸気放出速度/香料蒸発速度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、連続的な形態で内部占有空間における空気清浄化のための装置及び方法に関する。具体的には、装置は、揮発性組成物の液相又は固相を収容するためのリザーバを備える。揮発性組成物は、外部エネルギー源を必要とせずに室温及び大気圧で又はその付近で蒸発することができる香料原材料の混合物を含む。驚くべきことに、空調システムの通気口に揮発性組成物を有する装置内に拡散調節コーティングを複合膜に設けることは、装置からの揮発性組成物の制御された放出を可能にし、それにより、空調システムがオンになったとき揮発性組成物の平均蒸気放出速度の低下を可能にし、内部占有空間の揮発性組成物の香り強度を低減することも発見された。
【0009】
香料原料と拡散調節コーティングを有する複合膜との混合物を有する揮発性組成物の技術的効果は、揮発性組成物と組み合わせた装置の蒸気放出速度が、自動車などの内部空間の通気口で装置を使用している間、測定可能に低減することができ、それによりエアフレッシュナの空気流の開口部の調整に頼るのではなく、香り強度を低減する。
【0010】
以下の説明において、説明される装置は、自動車の室内占有空間内の揮発性組成物を蒸発させて、車両の客室空間などの内部占有空間の空気清浄化、悪臭除去、又は香り付けなどの様々な利点をもたらすための自動車用エアフレッシュナなどの消費者製品である。しかしながら、装置は、様々な用途で使用されて揮発性組成物を供給することで、空調システムを備えた家庭内の部屋及び商業施設などの内部占有空間に効果をもたらすように構成され得ることが考えられ、装置としては、これらに限定されるものではないが、例えば、エアフレッシュニング製品、エアフレッシュナなどの消費者製品が挙げられ得る。
【0011】
本発明を詳細に説明する目的で、本発明を、揮発性組成物と流体連通した膜を有する非エネルギー印加式装置として以下に述べる。しかしながら、本発明の装置は、エネルギー印加式でもよく、又は非エネルギー印加式であってもよいことが理解されよう。本発明を詳細に説明するのに先立ち、説明を分かりやすくするために以下の用語を定義する。定義されない用語には、関連する技術分野の当業者によって理解される通常の意味が与えられるべきである。
【0012】
本明細書で使用するとき、「親水性」は、親水性コーティングが適用される膜の側部が、Kruss Drop Shape Analysisを使用して90°未満の水接触角を示すことを意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「疎水性」は、疎水性材料が適用される膜の側部が、Kruss Drop Shape Analysisを使用して少なくとも90°の水接触角を示すことを意味する。
【0014】
本明細書で使用するとき、「疎油性」は、疎水性/疎油性材料が適用される膜の側部が、AATCC試験方法118−2007に基づいて、少なくとも6、例えば少なくとも7又は少なくとも8の油等級を示すことを意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「水平方向」は、膜が上向き又は下向きの位置で環境に面する、本発明に基づく装置の位置を指す。
【0016】
「内部占有空間」は、住宅環境、商業環境、又は車両環境における空間の有限容積を指す。
【0017】
本明細書で使用するとき、「膜」は、物質の特定の成分は通過させるが、他の成分は止める、半透性材料を指す。膜を通過する成分について、膜は、成分の透過性を調節する(すなわち、特定の成分は他の成分よりも速く透過する)。かかる成分としては、分子、イオン、又は粒子を挙げることができる。
【0018】
本明細書で使用するとき、「微多孔膜」は、細孔の網状組織を有する材料を指す。
【0019】
本明細書で使用するとき、「複合膜」は、2つ以上の異なる材料を有する膜を指す。複合膜は、複合膜を形成するために基材に適用された2つ以上の異なる材料を有する基材を含み得る。
【0020】
「非エネルギー印加式」は、装置が受動的であり、外部のエネルギー源によって動力供給される必要がないことを意味する。特に、装置は、熱源、ガス、又は電流によって動力供給される必要はない。装置は、エネルギー印加式デバイスとして構成されてもよい。例示的なエネルギー印加式デバイスは、電気的デバイスであってよい。エネルギー印加式デバイスは、揮発性組成物を輸送し、かつ/又は揮発性組成物をそこから蒸発させるための、以下の説明において説明されるような膜を有する、自動車の電気コンセント又は電池で作動されるエアフレッシュナ;又は他の加熱デバイス(例えば、触媒燃料システムなどの化学反応による電源のデバイス;太陽光電源のデバイスなど)であってもよい。
【0021】
本明細書で使用するとき、「タッチポイント」は、エアフレッシュナ(又は装置)の使用と揮発性組成物の消費者との間の接触点又は相互作用点を指す。
【0022】
本明細書で使用するとき、「垂直方向」は、膜が前方に面する位置又は後方に面するような位置で環境に面する、本発明に基づく装置の位置を指す。
【0023】
本明細書で使用するとき、「揮発性材料」は、更なるエネルギー源を必要とすることなく室温及び大気圧で揮発可能な材料を指す。揮発性組成物は、空気清浄化、脱臭、臭気除去、悪臭中和、気分強化、アロマセラピー助剤、香り付け組成物、非香り付け組成物などの様々な用途のために構成されてもよい。更に、揮発性組成物の成分材料の全てが揮発性である必要はない。液体、固体、ゲル、又はエマルションを含む、任意の量若しくは形態の任意の適当な揮発性材料を使用することができる。本明細書での使用に適した材料には、担体物質(例えば、水、溶媒など)のような不揮発性化合物が含まれてもよい。本明細書において揮発性組成物が、「供給される」、「揮散される」、又は「放出される」ものとして述べられる場合、これは、揮発性組成物の揮発性成分の揮散を指し、揮発性組成物の不揮発性成分が放散される必要はない点も理解されるべきである。
【0024】
図1は、装置1が支持体上に配置されている場合の、水平方向にある本発明に基づく装置1の側断面図である。装置1は、使い捨て式の1回使用の物品として、又は揮発性材料で補充される物品として構成することができる。装置1は、揮発性組成物9を有するリザーバ11を収容した容器10を備えている。容器10は、揮発性組成物9の気相の拡散に抗するように設計された、実質的に蒸気不透過性の材料で形成することができる。例えば、容器10は、これらに限定されるものではないが、熱可塑性材料、並びに熱成形、射出成形、及びブロー成形に適した他の既知の材料を含む、金属、ガラス、セラミック、磁器、タイル、及びプラスチックで形成することができる。膜13は、容器10内に配置し、揮発性組成物9と流体連通するように構成することができる。装置1は、膜13に隣接して蒸気不透過性基材14を更に含んでもよく、蒸気不透過性基材14は、使用前の揮発性組成物9の放出を防止するように構成されている。具体的には、装置1は、5m/秒の空気流量及び摂氏21度の温度で、0.2mg/時cm〜5mg/時cmの平均蒸気放出速度を含み、これは、圧倒的ではない香り強度、すなわち、ちょうどよい香り強度の消費者知覚感覚に対応する。
【0025】
複合膜
複合膜13は、蒸気透過性の多孔性材料の層を含み、液体を吸い上げることができるように設計されているが、複合膜13から液体が自由に流出することを防止する。図2を参照すると、複合膜13は、リザーバ11に面する第1の側部134と、第1の側部134とは反対の第2の側部136とを含んでもよく、第2の側部136は、大気に面し、リザーバ11から離れている。第1及び第2の側部134、136は、例えば、コーティングされていない微多孔膜12(以下「膜」)などの基材12に含まれてもよい。膜12は、ポリオレフィンを含む熱可塑性有機ポリマーを含む。膜12は、微多孔膜12全体に実質的に通じる相互接続孔のネットワークを画定する。細かく分割された粒子状充填剤は、膜12全体に分布していてもよい。その後の材料を膜12に適用して、膜12の第1の側部134及び第2の側部136のうちの少なくとも1つに拡散調節コーティング138を形成してもよい。いくつかの実施例では、膜12の第1の側部134のみが材料を受け取る。いくつかの実施例では、膜12の第2の側部136のみが材料を受け取る。いくつかの実施例では、膜12の第1の側部134及び第2の側部136の両方は、材料を受け取る。拡散調節コーティング138は、0.01〜5.5g/m、0.05〜2.0g/m、0.05〜0.5g/mのコーティング重量、又は上記の上側及び下側百分率の異なる組み合わせ、又は上記に列挙した範囲の任意の整数の組み合わせを含んでもよい。
【0026】
図3A〜3Cを参照すると、拡散調節コーティング138は、第1の側部134及び第2の側部136のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分を被覆してもよい。拡散調節コーティング138は、膜12の第1の側部134に(図3Aに示すように)、膜12の第2の側部136(図3Bに示すように)、又は膜12の第1及び第2の側部134、136(図3Cに示すように)の両方に適用されてもよい。
【0027】
拡散調節コーティング138の少なくとも一部は、少なくとも1つのフルオロアルキル基を含む疎水性/疎油性材料2Cを含む。理論に束縛されるものではないが、疎水性/疎油性材料2Cを提供する技術的効果は、装置1が通気口に載置されたときに装置1の全体的な低減された蒸気放出速度をもたらす。
【0028】
例示的な実施形態では、拡散調節コーティング138は、ポリマー材料2を更に含んでもよい。図4Cを参照すると、ポリマー材料は、第1の側部134及び第2の側部136のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分の上に配置されてもよい。図4Cを参照すると、疎水性/疎油性材料2Cは、拡散調節コーティング138を画定するポリマー材料2上にある。
【0029】
ポリマー材料2は、親水性材料又は疎水性材料であってもよい。ポリマー材料2は、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、及びこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む疎水性材料であってもよい。
【0030】
例示的な実施形態では、ポリマー材料2は、親水性材料、好ましくは以下に記載される親水性コーティング層2Bである。
【0031】
A.第1の疎水性/疎油性材料
疎水性/疎油性材料2Cは、拡散調節コーティング138を画定するために膜12に適用され得る第1の疎水性/疎油性材料2Cであってもよい。図4Aは、第1の疎水性/疎油性材料2Cを含む拡散調節コーティング138の断面概略図を示す。第1の疎水性/疎油性材料2Cは、疎水性であってもよい。第1の疎水性/疎油性材料2Cが適用される膜12の側部は、例えば、少なくとも110°、少なくとも115°、少なくとも120°、少なくとも125°、少なくとも130°、少なくとも135°、少なくとも140°、又は少なくとも150°など、少なくとも105°の水接触角を示すことができる。第1の疎水性/疎油性材料2Cは、疎油性であってもよい。疎油性は、第1の疎水性/疎油性材料18が適用される膜12の側部が、AATCC試験方法118−2007に基づいて、少なくとも6、例えば少なくとも7又は少なくとも8の油等級を示すことを意味する。
【0032】
第1の疎水性/疎油性材料2Cは、疎水性及び疎油性であってもよい。いくつかの実施例では、第1の疎水性/疎油性材料2Cは、膜12上にコーティングを形成してもよい。他の例では、第1の疎水性/疎油性材料2Cは、膜12の上にコーティングを形成しなくてもよいが、代わりに膜12への表面処理であってもよい。表面処理は、この状況では、第1の疎水性/疎油性材料2Cが膜12(膜12全体に分散されたケイ質充填剤など)と化学反応して、膜12の疎水性/疎油性領域を形成することを意味する。
【0033】
第1の第1の疎水性/疎油性材料2Cは、少なくとも1つのフルオロアルキル基を含んでもよく、及び/又は少なくとも1つのフルオロアルキル基を含むポリマーを含んでもよい。第1の疎水性/疎油性材料2Cは、フルオロアルキル基含有コポリマーであってもよい。例示的な疎水性/疎油性材料2Cは、フルオロアルキルアクリレートコポリマー、ペルフルオロアルコキシポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン−プロピレン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ペルフルオロ系エラストマー、ペルフルオロポリエーテル、フルオロシリコーン、フルオロシラン、ペルフルオロシラン、及びフルオロアルキルシルセスキオキサンのうちの1つ以上を含む。
【0034】
更に、第1の疎水性/疎油性材料2Cは、フッ素化ポリマーを有するポリアクリレートコポリマーであってもよい。1つの非限定的な例では、第1の疎水性/疎油性材料2Cは、ダイキン工業(株)(大阪、日本)から入手可能なUnidyneの商標名で販売されている製品を挙げることができる。第1の疎水性/疎油性材料2Cは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,013,732号又は米国特許第8,551,895号に記載されているフルオロアルキル基含有ポリマー又はコポリマーのいずれかを含んでもよい。第1の疎水性/疎油性材料2Cは、ポリマーの側鎖又は末端にいくつかのフッ素化を含むポリマーを含んでもよく、ポリマーの主鎖は、フッ素基を実質的に含まない(ペルフッ素化ポリマーと区別可能である)。
【0035】
第1の疎水性/疎油性材料2Cは、少なくとも1つのフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含んでもよい。少なくとも1つのフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含む第1の疎水性/疎油性材料2Cは、充填剤との縮合反応を通じて膜12と(ケイ質充填剤などと)相互作用し、膜12の疎水性/疎油性領域を形成してもよい。少なくとも1つのフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物の非限定的な例は、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン(下記式Iを参照)又は(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリメトキシシランである。
【0036】
【化1】
【0037】
図4Aに示されるように、第1の疎水性/疎油性材料2Cは、拡散調節コーティング138を画定するために第2の側部136上に材料を適用せずに膜12の第1の側部134に適用してもよい。代替的に、第1の疎水性/疎油性材料2Cは、拡散調節コーティング138を画定するために第1の側部134上に材料を適用せずに膜12の第2の側部136に適用してもよい。代替的に、第1の疎水性/疎油性材料2Cは、膜12の第1の側部134上に適用されて第1の拡散調節コーティング138を画定し、第2の材料も第2の側部136(図3C参照)に適用されて第2の拡散調節コーティング138を画定する。
【0038】
例示的な実施例では、第1の疎水性/疎油性材料2Cの上部又は下部に追加の材料を適用することができる。疎水性/疎油性材料(複数可)、親水性コーティング層、疎水性材料、又はこれらのいくつかの組み合わせを膜12に適用してもよい。
【0039】
図4Bを参照すると、第1の疎水性/疎油性材料2Cは、膜12の第1の側部134及び/又は第2の側部136と直接接触している。第1の疎水性/疎油性材料2Cは、例えばドクターブレード又はドローダウンバー技術によって、スプレー塗布、カーテンコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、スクリーン印刷、及び/又はドローダウンコーティングなどの任意の好適な方法を使用して、膜12の第1の側部134及び/又は第2の側部136に適用されてもよい。
【0040】
B.第2の疎水性/疎油性材料
図4Bを参照すると、膜12は、第2の疎水性/疎油性材料2Dでコーティングされてもよい。第2の疎水性/疎油性材料2Dは、膜12の第1の側部134及び/又は膜12の第2の側部136に適用されて、拡散調節コーティング138を画定してもよい(図3A〜3Cに示されるように)。第2の疎水性/疎油性材料2Dは疎水性であってもよい。第2の疎水性/疎油性材料2Dが適用される膜12の側部(第1の側部134又は第2の側部136など)は、少なくとも110°、少なくとも115°、少なくとも120°、少なくとも125°、少なくとも130°、少なくとも135°、少なくとも140°、又は少なくとも150°など、少なくとも105°の水接触角を示すことができる。第2の疎水性/疎油性材料2Dは、前述の第1の疎水性/疎油性材料2Dの材料のいずれかから選択されてもよい。
【0041】
図4Bを参照すると、第2の疎水性/疎油性材料2Dは、その上に適用された第1の疎水性/疎油性材料2Cを有する第1の側部134とは反対の膜12の第2の側部136の上に適用されてもよい。第2の側部136上の第2の疎水性/疎油性材料2Dは、第1の側部134上の第1の疎水性/疎油性材料2Cと同じ疎水性/疎油性材料又は異なる疎水性/疎油性材料であってもよい。追加の材料は、第2の疎水性/疎油性材料2Dの上部又は下部に適用されてもよい。代替的に、第2の疎水性/疎油性材料2Dは、膜12の第1の側部134及び/又は第2の側部136と直接接触する別個のコーティングであってもよい。
【0042】
第2の疎水性/疎油性材料2Dは、例えばドクターブレード又はドローダウンバー技術によって、スプレー塗布、カーテンコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、スクリーン印刷、及び/又はドローダウンコーティングなどの任意の好適な方法を使用して、膜12の第1の側部134及び/又は第2の側部136に適用されてもよい。1つの非限定的な実施形態では、第2の疎水性/疎油性材料2Dは、膜12の第2の側部136のみが第2の疎水性/疎油性材料2Dでコーティングされ、第1の側部134ではないように、膜12の第2の側部136に適用される。
【0043】
C.親水性コーティング層
図4Aを参照すると、膜12は、少なくとも1つの親水性コーティング2Bでコーティングされてもよい。親水性コーティング2Bは、膜12の膜の第1の側部134及び/又は膜12の第2の側部136に適用されてもよい(図3A〜3Cに示されるように)。親水性コーティング2Bは親水性であってもよい。親水性とは、親水性コーティング2Bが適用される膜12の側部が、Kruss Drop Shape Analysisを使用して90°未満の水接触角を示すことを意味する。親水性コーティング2Bが適用される膜12の側部は、例えば、80°未満、70°未満、60°未満、50°未満、40°未満、30°未満、20°未満、又は10°未満など、85°未満の水接触角を示し得る。親水性コーティング2Bは、ポリオキサゾリン、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(プロピレングリコール)−ポリ(エチレングリコール)に基づくトリブロックコポリマー、ポリアミド、酸化ポリエチレン又はその誘導体、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコール又はその誘導体、ポリプロピレンオキシド又はその誘導体、ポリ(エチレングリコール)及びポリエチレンオキシドのコポリマー、ポリビニルアルコール、セルロース又はその誘導体、コラーゲン、ポリペプチド、グアー、ペクチン、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリルアミド、多糖類、両性イオンポリマー、高分子両性電解質、並びにポリエチレンイミンを含み得る。
【0044】
図4Cに示すように、親水性コーティング2Bは、第1の側部134とは反対の膜12の第2の側部136上に適用されてもよく、第1の疎水性/疎油性材料2Cは、その上に適用されて、拡散調節コーティング138を画定する。親水性コーティング2Bの上部又は下部に追加の材料を適用してもよい。いくつかの実施例では、親水性コーティング2Bは、膜12の第1の側部134及び/又は第2の側部136と直接接触している。本発明による本発明の装置1の低減された蒸気放出速度を示すデータは、図8〜11を参照して以下に説明する実施例に示されている。
【0045】
親水性コーティング2Bは、例えばドクターブレード又はドローダウンバー技術によって、スプレー塗布、カーテンコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、スクリーン印刷、及び/又はドローダウンコーティングなどの任意の好適な方法を使用して、膜12の第1の側部134及び/又は第2の側部136に適用されてもよい。
【0046】
いくつかの実施例では、膜12は、(任意の他の材料が第1の疎水性/疎油性材料2C、第2の疎水性/疎油性材料2D、又は他の親水性コーティング2Bなどの、膜12に適用される前に、前処理されてもよい。前処理は、膜12へのコーティングとして適用されてもよく、前処理は、前述のように親水性コーティングであってもよい。前処理は、疎水性/疎油性材料又は他の親水性コーティングなどの、続いて適用される材料(複数可)の均一性を改善することができる。親水性前処理は、任意の好適な方法を使用して膜12に適用することができる。一実施例では、膜12は、親水性前処理を含む浴に浸漬される。
【0047】
親水性前処理は、スプレー塗布、カーテンコーティング、スロットダイコーティング、スクリーン印刷、及び/又はドローダウンコーティングとして、例えばドクターブレード又はドローダウンバー技術によってコーティングなどの他の技術的関連方法を使用して適用されてもよい。親水性前処理は、第1の側部134、第2の側部136、又は膜12全体に適用されてもよい。親水性の前処理が適用された後、前処理された膜12は、後続の材料の任意の適用前に乾燥されてもよい。
【0048】
更に、複合膜13の特定の特性は、膜12内に1つ以上の充填剤を分散させることによって変更され得る。充填剤は、強度、剛性、及び他の引張特性などの複合膜13の物理的特性を調節することができる。シリカ、粘土、ゼオライト、炭酸塩、炭、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない、多くの既知の充填剤及び可塑剤材料が存在する。充填された膜12の一例としては、米国特許第7,498,369号に記載のものなどの、シリカで充填された超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)膜がある。任意の適当な充填材料及び重量%を使用することができるが、シリカの一般的な充填率(%)は、膜の総重量の約50%〜約80%、約60%〜約80%、約70%〜約80%、又は約70%〜約75%とすることができる。好適な膜厚の例としては、限定されるものではないが、約0.01mm〜約1mm、約0.1mm〜0.4mm、約0.15mm〜約0.35mm、又は約0.25mmが挙げられる。複合膜13用の例示的な微多孔膜12を以下に説明する。
【0049】
微多孔膜
微多孔膜12は、熱可塑性有機ポリマーを含んでもよい。いくつかの例では、熱可塑性有機ポリマーは、実質的に非水溶性の熱可塑性有機ポリマーであってもよい。実質的に非水溶性とは、25℃の純水中で<50mg/Lの溶解度を有することを意味する。
【0050】
膜12に使用するのに好適なポリマーの種類は多数である。概して、フィルムに、シートに、ストリップに、又はウェブに押出され得る、カレンダー加工され得る、加圧され得る、又はロール加工され得る任意の実質的に非水溶性の熱可塑性有機ポリマーを使用されてもよい。ポリマーは単一ポリマー又はそれはポリマーの混合物であってもよい。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、アタクチックポリマー、アイソタクチックポリマー、シンジオタクチックポリマー、線状ポリマー、又は分枝ポリマーであってもよい。ポリマーの混合物が使用されるとき、この混合物は均質であってもよく、あるいはそれは2つ以上のポリマー位相を含んでもよい。
【0051】
好適な実質的に非水溶性の熱可塑性有機ポリマーの例には、熱可塑性ポリオレフィンが挙げられる。ポリオレフィンは、微粒子充填剤を含む膜12の総重量に基づいて、膜12の少なくとも2重量%、例えば、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも25重量%、少なくとも35重量%、少なくとも45重量%、少なくとも55重量%、少なくとも65重量%、少なくとも75重量%、又は少なくとも85重量%を含み得る。ポリオレフィンは、粒子状充填剤を含む膜12の総重量に基づいて、最大95重量%、例えば、膜12の最大85重量%、最大75重量%、最大65重量%、最大55重量%、最大45重量%、最大35重量%、最大25重量%、又は最大15重量%を含み得る。ポリオレフィンは、微粒子充填剤を含む膜12の総重量に基づいて、膜12の2〜95重量パーセントを含み得る。他の好適な実質的に非水溶性の熱可塑性有機ポリマーのクラスの例は、ポリ(ハロ置換オレフィン)、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ(ビニルハロゲン化物)、ポリ(ビニリデンハロゲン化物)、ポリスチレン、ポリ(ビニルエステル)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリスルフィド、ポリイミド、ポリシラン、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリアクリレート、及びポリメタクリレートを含み得る。そこから実質的に非水溶性熱可塑性有機ポリマーが選択され得る熟考された合成クラスには、例えば熱可塑性ポリ(ウレタン−尿素)、ポリ(エステル−アミド)、ポリ(シラン−シロキサン)、及びポリ(エーテル−エステル)が挙げられる。好適な実質的に非水溶性の熱可塑性有機ポリマーの更なる例は、熱可塑性高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン(アタクチック、アイソタクチック、又はシンジオタクチック)、ポリ(ビニルクロライド)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン及びアクリル酸のコポリマー、エチレン及びメタクリル酸のコポリマー、ポリ(ビニリデンクロライド)、ビニリデンクロライド及びビニルアセテートのコポリマー、ビニリデンクロライド及びビニルクロライドのコポリマー、エチレン及びプロピレンのコポリマー、エチレン及びブテンのコポリマー、ポリ(ビニルアセテート)、ポリスチレン、ポリ(ω−アミノウンデカン酸)ポリ(ヘキサメチレンアジポアミド)、ポリ(エプシロン−カプロラクタム)、並びにポリ(メチルメタクリレート)を含み得る。これらのクラスの詳細説明及び実質的に非水溶性の熱可塑性有機ポリマーの例は、包括されるものではなく、説明の目的のみで提供される。
【0052】
実質的に非水溶性熱可塑性有機ポリマーは、特に、例えばポリ(塩化ビニル)、塩化ビニルのコポリマー、これらの混合物が挙げられ得る。一実施形態では、水不溶性熱可塑性有機ポリマーは、以下から選択される超高分子量ポリオレフィンを含む:超高分子量ポリオレフィン、例えば、少なくとも10デシリットル/グラムの固有粘度を有する本質的に線状超高分子量ポリオレフィン、又は少なくとも6デシリットル/グラムの固有粘度を有する超高分子量ポリプロピレン)、例えば、本質的に線状超高分子量ポリプロピレン)、又はこれらの混合物。具体的な実施形態では、非水溶性熱可塑性有機ポリマーは、少なくとも18デシリットル/グラムの固有粘度を有する超高分子量ポリエチレン(例えば、線状超高分子量ポリエチレン)を含む。
【0053】
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)は、無限分子量を有する熱可塑性ポリマーではないが、技術的には熱可塑性として分類される。しかしながら、分子は実質的に非常に長い鎖であるため、加熱されたときにUHMWPEは軟化するが、通常の熱可塑性の方式では溶解した液体としては流れない。非常に長い鎖及びそれらがUHMWPEにもたらす独特の特性は、このポリマーを使用して作製された膜12の望ましい特性に大いに寄与し得る。
【0054】
前述のように、UHMWPEの固有粘度は少なくとも約10デシリットル/グラムである。通常は、固有粘度は少なくとも約14dL/gである。固有粘度は少なくとも約18dL/gであることが多い。多くの場合では、固有粘度は少なくとも約19dL/gである。固有粘度の上限に具体的な制限があるわけではないが、固有粘度は、しばしば約10〜約39デシリットル/グラムの範囲、例えば、約14〜約39デシリットル/グラムの範囲にある。場合によっては、UHMWPEの固有粘度は、約18〜約39デシリットル/グラム、又は約18〜約32デシリットル/グラムの範囲である。
【0055】
UHMWPEの公称分子量は、次式に従って、ポリマーの固有粘度に経験的に関連付けられる:
M(UHMWPE)=5.3×104[η]1.37
式中、M(UHMWPE)は公称分子量であり、[η]はdL/gで表記されるUHMWポリエチレンの固有粘度である。
【0056】
本明細書において使用されるとき、固有粘度は、ゼロ濃度に、UHMWPEのいくつかの希釈液の減少した粘度又は固有粘度を外挿することによって判定され、ここで、溶媒は、蒸留したばかりのデカヒドロナフタレンであり、これには0.2重量%の3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロけい皮酸、ネオペンタンテトライルエステル[CAS登録番号6683−19−8]が添加されている。UHMWPEの減少した粘度又は固有粘度は、異なる濃度のいくつかの希釈溶液が用いられることを除き、ASTM D4020−81の一般的な手順に従う、ウベローデ(Ubbelohde)No.1の粘度計の使用が採用され、135℃で得られる相対粘度から確かめられる。ASTM D4020−81はその全体が、本書に組み込まれる。
【0057】
特定の一例では、マトリックスは、固有粘度が少なくとも10デシリットル/グラムの実質的に線状超高分子量ポリエチレンと、50グラム/10分未満のASTM D1238−86条件Eメルト・インデックス及び少なくとも0.1グラム/10分のASTM D1238−86条件Fメルト・インデックスを有するより小さい低分子量ポリエチレン(LMWPE)の混合物を含む。LMWPEの公称分子量は、UHMWPEの分子量よりも低い。LMWPEは熱可塑性であり、多くの異なるタイプが既知である。分類の1つの方法は、以下に要約されるように、ASTM D1248−84(1989年再承認)に従って、密度によって、グラム/立方センチメートルで表記され、小数第4位で四捨五入される。
【0058】
【表1】
【0059】
これらのポリエチレンのいずれか又は全ては、本発明のLMWPEとして使用され得る。いくつかの応用に関して、HDPEが使用されてもよく、それが通常、MDPE又はLDPEよりも、より線状である傾向を有するためである。ASTM D1248−84(再承認、1989年)はその全体が、本書に組み込まれる。
【0060】
様々なLMWPEを作製するプロセスは、周知であり、よく文書化されている。それらは、高圧プロセスである、Phillips Petroleum Companyプロセス、Standard Oil Company(Indiana)プロセス、及びZieglerプロセスが挙げられる。
【0061】
LMWPEの、ASTM D1238−86の条件E(すなわち、190℃及び負荷2.16kg)のメルト・インデックスは、約50g/10分未満である。条件Eのメルト・インデックスは約25g未満/10分であることが多い。条件Eメルト・インデックスは、約15g/10分未満であることが望ましい。
【0062】
LMWPEの、ASTM D1238−86の条件F(すなわち、190℃及び負荷21.6kg)のメルト・インデックスは少なくとも0.1g/10分未満である。多くの場合では、条件Fのメルト・インデックスは少なくとも約0.5g/10分である。条件Fメルト・インデックスは、少なくとも約1.0g/10分であることが望ましい。ASTM D1238−86は、その全体が、本書に組み込まれる。
【0063】
膜12にそれらの特性をもたらすために、マトリクッス内に十分なUHMWPE及びLMWPEが存在しなければならない。その存在が逆に作用する方式で膜12の特性に物質的に影響を与えない限り、他の熱可塑性有機ポリマーもまたマトリックスに存在してもよい。1つ以上の他の熱可塑性ポリマーがマトリックス中に存在してもよい。存在してもよい他の熱可塑性ポリマーの量は、かかるポリマーの性質による。任意選択的に存在してもよい熱可塑性有機ポリマーの例には、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリプロピレン、エチレン及びプロピレンのコポリマー、エチレン及びアクリル酸のコポリマー、並びにエチレン及びメタクリル酸のコポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。所望すれば、カルボキシル含有コポリマーのカルボキシル基の全て又は一部分は、ナトリウム、亜鉛等で中和化されてもよい。
【0064】
いくつかの例では、UHMWPE及びLMWPEは共に、マトリックスのポリマーの少なくとも約65重量パーセントを構成する。いくつかの例では、UHMWPE及びLMWPEは共に、マトリックスのポリマーの少なくとも約85重量パーセントを構成する。いくつかの例では、他の熱可塑性有機ポリマーは、UHMWPE及びLMWPEが共にマトリックスのポリマーの実質的に100重量パーセントを構成するように、実質的に存在しない。いくつかの例では、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの実質的に全てを構成する(例えば、LMWPEは製剤に含まれない)。
【0065】
UHMWPEは、マトリックスのポリマーの少なくとも1重量%を構成し得る。UHMWPE及びLMWPEが共に、膜12のマトリックスのポリマーの100重量%を構成し得るところでは、UHMWPEは、マトリックスのポリマーの40重量%以上、例えばマトリックスのポリマーの45重量%以上、又は48重量%以上、又は50重量%以上、又は55重量%以上を構成し得る。またUHMWPEは、マトリックスのポリマーの99重量%以下、例えばマトリックスのポリマーの80重量%以下、又は70重量%以下、又は65重量%以下、又は60重量%以下を構成し得る。マトリックスのポリマーを含むUHMWPEのレベルは、列挙された値を含む、これらの値の任意の間の範囲であってもよい。
【0066】
同様に、UHMWPE及びLMWPEが共に、膜12のマトリックスのポリマーの100重量%を構成し得るところでは、LMWPEは、マトリックスのポリマーの1重量%以上、例えばマトリックスのポリマーの5重量%以上、又は10重量%以上、又は15重量%以上、又は20重量%以上、又は25重量%以上、30重量%以上、又は35重量%以上、又は40重量%以上、又は45重量%以上、又は50重量%以上、又は55重量%以上を構成し得る。またLMWPEは、マトリックスのポリマーの70重量%以下、例えばマトリックスのポリマーの65重量%以下、又は60重量%以下、又は55重量%以下、又は50重量%以下、又は45重量%以下を構成し得る。LMWPEのレベルは、列挙された値を含む、これらの値の任意の間の範囲であってもよい。
【0067】
これまで記載された本発明の膜12のいずれかに関して、LMWPEは、高密度ポリエチレンを含み得るということに注意されたい。膜12はまた、後で説明するように、全体にわたって分布した超微粒子充填剤を含んでもよい。膜12はまた、少量の他の材料を含んでもよい。少量とは、膜12微粒子充填剤及び他の材料の総重量に基づいて、10重量パーセント以下であり得る。加工に使用される他の材料は、潤滑剤、加工可塑剤、有機抽出液、水などであってもよい。特定の目的のための更なる他の材料、例えば、熱、紫外線、寸法安定性は、任意選択で、膜12、微粒子充填剤、及び他の材料に基づいて、少量、例えば15重量%以下で膜12に存在してもよい。このような更なる材料の例には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、強化繊維(例えば短く刻んだガラス繊維ストランド等)が挙げられるが、これらに限定されない。充填材及びいかなるコーティング、印刷インク、又は1つ以上の特別な目的のために適用された含浸剤も除き、膜12の残部は、本質的に熱可塑性有機ポリマーである。
【0068】
超微粒子充填剤
前述したように、膜12は、膜12を通して分布する超微粒子充填剤を含んでもよい。一実施例では、微粒子充填剤は、微粒子シリカを有するケイ質粒子を含む。特定の充填剤は、有機微粒子材料及び/又は無機微粒子材料を含み得る。微粒子充填剤は、着色していてもそうでなくてもよい。例えば、微粒子充填剤材料は、ケイ質又は粘土微粒子材料などの白色又はオフホワイト微粒子充填材料であってもよい。微粒子充填剤は、実質的に非水溶性充填剤粒子であってもよい。実質的に非水溶性とは、25℃の純水中で<50mg/Lの溶解度を有することを意味する。
【0069】
超微細な実質的に水不溶性の充填剤粒子は、膜12、充填剤粒子、及び他の材料(膜12に適用されたコーティングを除く)の10〜90重量パーセントを構成し得る。例えば、このような充填剤粒子は、例えば30パーセント〜70パーセント、又は40パーセント〜60パーセントなどの、20重量パーセント〜90重量パーセントの膜12、充填剤粒子、及び他の材料(膜12に適用されるコーティングを除く)を構成してもよい。
【0070】
超微粒子充填剤は、究極粒子、究極粒子の集合体、又はこれらの両方の混合の形態であってもよい。膜12の調製に使用される微粒子充填剤の少なくとも約90重量%は、0.04マイクロメートルもの小さな粒径を測定可能な、レーザー回折粒径機器(Beckman CoultonからのLS230)の使用によって測定されるとき、0.5〜約200マイクロメートルの範囲の、例えば1〜100マイクロメートルの総粒径を有する。微粒子充填剤の少なくとも90重量%は、5〜40、例えば10〜30マイクロメートルの範囲の総粒径を有する。微粒子充填剤粒塊の寸法は、膜12を調製するのに使用された成分の処理中に減少され得る。したがって、膜12における総粒径の分布は、未加工の充填剤自体よりも小さい場合がある。
【0071】
本発明の膜12に使用され得る、好適な有機及び無機粒子状物質の非限定的な例は、米国特許第6,387,519(B1)号、9段、4行目〜13段、62行目に記載されているものが含まれ得、その列挙された部分は、本書に組み込まれる。
【0072】
本発明の特定の実施形態では、微粒子充填剤材料は、ケイ酸含有物質を含む。微多孔性材料を調製するのに使用され得るケイ酸含有充填剤の非限定的な例は、シリカ、マイカ、モンモリロナイト、カオリナイト、Southern Clay Products(Gonzales,TX)から入手可能なクロイサイト(cloisite)などのナノ粘土、タルク、珪藻土、バーミキュライト、天然及び合成ゼオライト、カルシウムシリケート、アルミニウムシリケート、ナトリウムアルミニウムシリケート、アルミニウムポリシリケート、アルミナシリカゲル、及びガラス粒子が挙げられる。ケイ質充填剤に加えて、他の超微粒子状実質的に非水溶性の充填剤は、任意選択で、用いられてもよい。かかる任意の微粒子状充填剤の非限定的な例には、カーボンブラック、炭、グラファイト、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アンチモン、ジルコニア、マグネシア、アルミナ、二硫化モリブデン、硫化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウムが挙げられる。このような任意の充填剤のいくつかは、色生成充填剤であり、使用される量に応じて、微多孔性材料に色相又は色を加えてもよい。非限定的な実施形態では、ケイ酸含有充填剤は、シリカ及び上述の粘土のいずれかを含み得る。シリカの非限定的な例は、沈殿シリカ、シリカゲル、ヒュームドシリカ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0073】
シリカゲルは概して、可溶性金属シリケート、例えば、低pH酸でケイ酸ナトリウムの水溶液を酸性化することによって商業的に生産される。採用される酸は、概して強力な鉱酸、例えば硫酸又は塩酸であるが、二酸化炭素が使用され得る。粘度が低い間は、ゲル位相と包囲する液体位相との間の密度に、本質的に差がないため、ゲル位相は沈降せず、すなわち、それは沈殿しない。結果として、シリカゲルは、非沈殿であり、凝集性の、剛性の三次元ネットワークのコロイド状の非晶質シリカの連続した粒子として記載され得る。細分割した範囲の状態は、大きな固体の塊からの極微小までであり、及びほぼ無水シリカから柔軟なゼラチン状の塊までの水和度は、シリカ1重量部当たり約100重量部の水を含有する。
【0074】
沈殿シリカは、シリカのコロイド粒子が、弱いアルカリ性溶液内で成長し、得られる溶解性アルカリ金属塩のアルカリ金属イオンによって凝固されるように、可溶性金属シリケートの水溶液、通常は、ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属シリケートと、酸とを組み合わせることによって、一般的に商業的に生産される。鉱酸を含むがこれに限定されない、様々な酸が使用され得る。使用され得る酸の非限定的な例は、塩酸及び硫酸を含むが、二酸化炭素もまた沈殿シリカを生産するのにも使用され得る。凝固剤のない場合は、いかなるpHにおいても、シリカは溶液から沈殿しない。非限定的な実施形態では、シリカの沈殿を実行するのに使用される凝固剤は、コロイドシリカ粒子の形成中に生産される、可溶性アルカリ金属塩であってもよく、又はそれは、可溶性無機塩若しくは有機塩など、添加された電解質であってもよく、あるいはそれはこれら両方の組み合わせであってもよい。
【0075】
微多孔性材料を調製するために使用されるケイ質充填剤として、多くの異なる沈殿シリカを用いることができる。沈殿シリカは、周知の市販材料であり、それらを製造するためのプロセスは、米国特許第2,940,830号及び同第4,681,750号を含む多くの米国特許に詳細に記載されている。微多孔性材料を調製するために使用される沈降シリカの平均最終粒径(最終粒子が凝集しているかどうかにかかわらず)は、透過型電子顕微鏡によって判定されるように、一般に0.1マイクロメートル未満、例えば、0.05マイクロメートル未満、又は0.03マイクロメートル未満である。沈殿シリカは、PPG Industries,Inc.(Pittsburgh,PA)から多くのグレード及び形態で入手可能である。これらのシリカは、Hi−Silの商標で販売されている。
【0076】
本発明の目的に関して、超微粒子ケイ質充填剤は、超微粒子充填剤材料の少なくとも50重量%、例えば、少なくとも65重量%、少なくとも75重量%、又は少なくとも90重量%を含み得る。ケイ質充填剤は、微粒子充填材の50〜90重量%、例えば60重量%〜80重量%、を構成してもよく、又はケイ質充填剤は、微粒子充填材の実質的に全て(90パーセント重量を超えて)を構成してもよい。
【0077】
微粒子充填剤、例えば、ケイ質充填剤、は、典型的に、高表面積を有し、本発明の微多孔性材料を生産するのに使用されるプロセス可塑剤組成物の多くを運ぶことを可能にする。高表面積充填剤は、非常に小さい粒径の材料、高い気孔率を有する材料、又はそのような特性の両方を呈する材料である。微粒子充填剤、例えば、ケイ質充填剤粒子、の表面積は、ASTM D1993−91に従って、Brunauer,Emmett,Teller(BET)法によって判定されるように、1グラム当たり20〜1000平方メートル、例えば、1グラム当たり25〜400平方メートル、又は1グラム当たり40〜200平方メートルの範囲であり得る。BET表面積は、Micromeritics TriStar3000(商標)機器を使用して作製された窒素吸着等温線測定から5つの相対圧力点を当てはめることによって判定される。FlowPrep−060(商標)ステーションを使用して、サンプル調製中に熱及び連続ガス流を提供することができる。窒素吸着前に、シリカサンプルを、窒素(PS)を流しながら160℃に1時間加熱することによって乾燥させる。使用される任意の非ケイ質充填剤粒子の表面積はまた、これらの範囲のうちの1つの範囲内であってもよい。充填剤粒子は、実質的に非水溶性であり、また微多孔性材料を調製するのに使用される任意の有機プロセス液体に実質的に非可溶性であってもよい。実質的に非水溶性とは、25℃で純水中に<50mg/L溶解度を有することを意味する。実質的に不溶性とは、有機処理液体中に<50mg/Lの溶解度を有することを意味する。これは、微多孔性材料内に微粒子充填剤の保持を促進することができる。膜12はまた、相互接続する孔のネットワークを含み得、これは実質的に膜12全体に連通している。コーティングがなく、印刷用インクがなく、かつ含浸剤のないベースでは、膜12の総容積を基準として、本明細書に更に記載されるプロセスによって作製されるとき、孔は典型的に35〜95容積%を構成する。孔は、微多孔性材料の総容積を基準として、膜12の60〜75容積%を構成し得る。本明細書において使用されるとき、膜12の多孔率(ボイド容積としても知られる)は、容積%によって表され、次式に従って判定される:
多孔率=100[1−d1/d2](式中、d1は、サンプルの密度であり、サンプルの寸法の測定から確認されたサンプルの重量とサンプルの量から判定され、d2は、サンプルの固体部分の密度であり、サンプルの重量とサンプルの固体部分の容積から判定される。)微多孔性材料の固体部分の容積は、Quantachrome stereopycnometer(Quantachrome Instruments(Boynton Beach,FL))を使用して、この機器の操作マニュアルに従って判定される。
【0078】
膜12の孔の容積平均直径は、Autoscan水銀ポロシメータ(Quantachrome Instruments(Boynton Beach,FL))を使用して、水銀ポロシメトリによって、この機器に付随する操作マニュアルに従って判定される。1回のスキャンに対する容積平均孔半径は、ポロシメータによって自動的に判定される。ポロシメータの操作において、スキャンは高圧範囲(絶対圧138kPa〜絶対圧227MPa)においてされる。2%未満の合計の侵入容積が、高圧範囲の下方端(絶対圧138〜250kPa)において発生した場合、容積平均孔直径は、ポロシメータによって判定される容積平均孔寸法の2倍としてみなされる。他の方法では、追加のスキャンが低圧範囲(絶対圧7〜165kPa)においてなされ、容積平均孔直径は、以下の方程式によって産出される:
d=2[v1r1/w1+v2r2/w2]/[v1/w1+v2/w2]
式中、dは、容積平均孔径であり、v1は、高圧力範囲で圧入された水銀の総容積であり、v2は、低圧力範囲で圧入された水銀の総容積であり、r1は、高圧力スキャンから判定される容積平均孔半径であり、r2は、低圧力スキャンから判定される容積平均孔半径であり、w3は、高圧力スキャンに供されるサンプルの重量であり、w2は、低圧力スキャンに供されるサンプルの重量である。
【0079】
一般に、コーティングを含まず、印刷インクを含まず、含浸剤を含まない基準では、膜12の孔の容積平均直径(平均孔径)は、最大0.5マイクロメートル、例えば最大0.3マイクロメートル、又は最大0.2マイクロメートルであり得る。孔の平均直径は、少なくとも0.02マイクロメートル、例えば、少なくとも0.04マイクロメートル、又は少なくとも0.05マイクロメートルであり得る。このベースにおいて、孔の容積平均直径は、列挙された値を含む、これらの値の任意の間の範囲であってもよい。例えば、膜12の孔の容積平均直径は、0.02〜0.15マイクロメートル、又は0.02〜0.1マイクロメートル、又は0.02〜0.075マイクロメートルの範囲であってよく、それぞれの場合は、列挙された値を含む。
【0080】
上記の手順によって容積平均孔直径を判定する過程で、検出される最大孔半径もまた判定され得る。これは、実行される場合、低圧力範囲スキャンから取得され、そうでなければ、高圧力範囲スキャンから取得される。微多孔性材料の最大孔直径は、典型的に最大孔半径の2倍である。
【0081】
コーティング、印刷、及び含浸プロセスは、膜12の孔の少なくとも一部を充填することになり得る。更に、このようなプロセスはまた、膜12を不可逆的に圧縮し得る。したがって、多孔性に関するパラメータ、孔の容積平均直径、及び最大孔直径は、これらのプロセスの1つ以上の適用の前に、膜12に関して判定される。微粒子状充填剤及び/又は他の材料(膜12に適用されたコーティングを除く)を含む膜12は、0.4g/cm3〜1.0g/cm3の密度を有し得る。密度は、列挙された値を含む、上述の値の任意の間の範囲であり得る。本明細書で使用されるとき、膜12の密度は、微多孔性材料のサンプルの重量及び容積を測定することによって判定される。
【0082】
膜12の多孔率は、本明細書で測定され、Gurley多孔率として報告される、サンプルを通る空気流の速度に関して測定することができる。超微粒子充填剤及び/又は他の材料(膜12に適用されるコーティングを除く)を含む膜12のGurley多孔率は、15秒超、例えば、100秒超、200秒超、300秒超、400秒超、又は500秒超であってもよい。Gurley多孔率は、Gurleyデンソメータ、GPI Gurley Precision Instruments(Troy,NY)により製造されたモデル4340を使用して判定される。報告されたGurley多孔率は、サンプルを通る空気流の速度、又はサンプルを通る空気流に対するその抵抗の尺度であった。測定単位は「Gurley秒」であり、4.88インチの水(12.2×10 2Pa)の圧力差を使用して、1インチ平方(6.4×10−4m2)の領域に100ccの空気を通過させる時間を秒単位で表す。より低い値は、空気流抵抗が小さくなることに等しい(より空気が自由に通過することが可能である)。マニュアル、MODEL4340Automatic Densometer and Smoothness Tester Instruction Manualに列挙されている手順を使用して測定を完了した。TAPPI法T460om−06−Air Resistance of Paperもまた、測定の基本原理について参照することができる。
【0083】
揮発性組成物
例示的な実施形態では、揮発性組成物9は、組成物9が、摂氏25度で0.01トール以上の平均蒸気圧を有する香料原材料を少なくとも20%含むように構成され得る。
【0084】
揮発性組成物9は、1つ以上の香料化合物、又は香料化合物の混合物を含んでもよい。揮発性組成物9は、香料油の形態であってもよく、1つ以上の精油、揮発性有機化合物、又はこれらの混合物を含むことができる。更に、揮発性組成物9は、合成又は天然に形成された材料を含み得る。例としては、以下に限定されないが、ベルガモット、ダイダイ、レモン、マンダリン、ヒメウイキョウ、シダーリーフ、クローブリーフ、シダーウッド、ゼラニウム、ラベンダー、オレンジ、オリガナム、プチグレン、ホワイトシダー、パチョリ、ネロリ(neroili)、ローズアブソリュートなどの油が挙げられる。
【0085】
揮発性組成物9は代替的に、周囲温度で気相へ昇華する能力又は液体に香りを与えるのに用いられる能力を有する結晶性固体の形態であり得る。任意の好適な結晶性固体が、任意の好適な量又は形態において使用されてもよい。例えば、好適な結晶性固体としては、バニリン、エチルバニリン、クマリン、トナリド、カロン、ヘリオトロペン、ムスクキシロール、セドロール、ムスクケトンベンゾヘノン(musk ketone benzohenone)、ラズベリーケトン、メチルナフチルケトンβ、サリチル酸フェニルエチル、ベルトール、マルトール、メープルラクトン、プロオイゲノールアセテート、エヴェミルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
エアフレッシュナ又は芳香剤の場合には、異なる揮発性材料は、類似する、関連する、補完する、及び/又は対照的であり得る。装置1は、揮発性材料に加えて、臭気を中和するように構成された任意の既知の化合物を含んでもよい。
【0087】
揮発性組成物は、場合により、臭気マスキング剤、臭気遮断剤、及び/又は希釈剤を含むことができる。「臭気遮断」は、人の嗅覚を鈍らせる化合物の能力を指す。「臭気マスキング」は、悪臭化合物をマスキングする又はその臭いを隠す化合物の能力を指す。臭気マスキングは、悪臭化合物を感知する能力を制限するように投与される、不快ではない匂い又は心地よい匂いを有する化合物を含むことができる。臭気マスキングは、予期される悪臭と協調することで臭気化合物の組み合わせによって与えられる全体的な匂いの知覚を変化させる化合物の選択を伴い得る。例示的な希釈剤としては、ジプロピレングリコールメチルエーテル、及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、並びにこれらの混合物が挙げられる。揮発性組成物は、場合により、単に快楽効果を与える香料原料(すなわち、カビを抑制しないが、心地よい香りは与える香料原料)を含んでもよい。揮発性組成物9は、本発明に基づく図に示されるように装置1に含まれてもよい。本発明を詳細に説明する目的で、本発明を、自動車との関連で以下に述べる。しかしながら、本発明は、HVACシステムを使用する任意の内部占有空間内で実施することが可能である点は理解されよう。
【0088】
図1を参照すると、蒸気不透過性基材14は、膜13の外周に解放可能に取り付けられて、装置1の剥離可能なカバーを形成することができる。蒸気不透過性基材14は、破断される際に揮発性組成物12を通過させるように破断可能なものとすることができる。例えば、図6A及び6Bに示されるように、蒸気不透過性基材14は、複合膜13に隣接して配置されかつ容器10の内周に取り付けられて膜13に隣接する封止されたリザーバを形成する、破断可能な基材とすることができる。
【0089】
装置1は、図2に示されるような、垂直方向を含むがそれに限定されない任意の所望の方向で使用されるように構成することができる。図2は、図1の装置1の側面概略図を示し、装置1は、装置1が使用中の場合、膜13が、揮発性組成物12と流体連通するように配置された第1の側部134と、ユーザが装置1を作動する必要がある場合に蒸気不透過性基材14が削除されるとき、環境に面し、揮発性組成物12から離れる第2の側部136と、を含むことを除いて、図1の装置1と実質的に同じである。
【0090】
本発明の方法は、内部占有空間における揮発性組成物の制御された放出の方法を対象とし得、本方法は、
本発明の装置1を装着部分に動作可能に接続する工程と、装着部分を通気口33に取り付ける工程と、を含む。
【0091】
本発明の装置1は、揮発性組成物9を大気及び/又は表面に送達するための様々な用途で使用するように構成することができる。
【0092】
したがって、膜13の特定の物理的特性は、蒸気不透過性基材14を剥離することによって又は蒸気不透過性基材14を破断させることによって作動されるように設計された装置1の特定の所望の用途に基づいて選択することができる。蒸気不透過性基材14を破断させることによって作動されるように設計された装置1に好適な蒸気不透過性基材14の好適な物理的パラメータの例を以下に説明する。
【0093】
蒸気不透過性基材14は、所定の力を加えることによって破断させることができる(かかる破断を助ける破断要素などの要素の有無によらず)任意の材料で形成することができる。装置1が使用されていないときに蒸気不透過性基材40が揮発性組成物を含有することが意図された実施形態では、蒸気不透過性基材40は、揮発性組成物12の蒸発を低減又は防止する任意の適当なバリア材料で形成することができる。かかる材料は、蒸気及び液体に対して不透過性とすることができる。蒸気不透過性基材40に適したバリア材料としては、限定されるものではないが、ポリマーフィルム、ウェブ、箔、及び箔/ポリマーフィルム積層体などの複合材料などの、コーティングされた又はコーティングされないフィルムが挙げられる。バリア材料として使用することが可能な箔の例としては、ニトロセルロース保護ラッカー、ポリウレタンプライマー、及びAlcan Packaging社より販売される15g/mのポリエチレンコーティング(Lidfoil118−0092)を含む、ミクロン単位のアルミニウム箔がある。適当なポリマーフィルムとしては、限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アクリロニトリルコポリマーバリアフィルム(例えば、INOES社より商標名Barex(登録商標)で販売されるものなど)、エチレンビニルアルコールフィルム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。コーティングされたバリアフィルムを蒸気不透過性基材14として使用することも考えられる。かかるコーティングされたバリアフィルムとしては、限定されるものではないが、金属化PET、金属化ポリプロピレン、シリカ又はアルミナコーティングフィルムが挙げられる。
【0094】
図5は、本発明による装置1の変形例における各構成要素の斜視図である。図5の装置1は、図1の装置1と実質的に同じ特徴を備え、更なる構成部品について以下に述べる。
【0095】
図5を参照すると、装置1は、フロントカバー42及びリアフレーム44を有するハウジング40を備え、フロントカバー42とリアフレーム44とは内部空間を画定している。リアフレーム44は、フレーム開口部46に隣接して配置され、リアフレーム44から延在する一対の突起48を有してもよい。突起48は、装着部分23から延出するピン25と係合するような形状及びサイズに構成することができる。装着部分23は、装置1に取り付けるか、可動に取り付けるか、回転可能に取り付けるか、又は枢動可能に取り付けることができる。例示的な実施例では、装着部分23は、装置1を作動させるためにハウジング40に対して可動であるように構成されたアクチュエータ23であり得る。そのような例では、リアフレーム44に、リアフレーム44の実質的に中央に位置するフレーム開口部46を設けることができる。装着部分23は、図7に示されるように装置1を通気口33に取り付けるための可動又は弾性クリップとして構成することができる。
【0096】
揮発性組成物12が液体揮発性組成物である場合、装置1は、装置1が作動されるまで揮発性組成物12が放出されることを防止するためにリザーバ11に封止可能に取り付けられてリザーバ11を覆う、破断可能な蒸気不透過性基材14を備えることができる。破断可能な蒸気不透過性基材14は、破断可能な蒸気不透過性基材14に隣接して配置された破断機構50を作動させることによって破断して、揮発性組成物12を放出することができる。破断機構50は、弾性部材54によって外側フレーム53に可動に取り付けられた可動部材52を備えている。弾性部材54は、1つ以上のばねで形成することができる。1つ以上の破断要素56は、破断可能な蒸気不透過性基材14に穴を開けるように、破断機構50の内部に配置されている。破断要素56は、ピンであってよい。複合膜13は、容器10の外周58に位置するフランジ57に封止可能に取り付けることができる。複合膜13は、容器10、揮発性組成物12、破断可能な蒸気不透過性基材14、及び破断機構50を封入する。複合膜13は、装着部分23によって圧力又は作動力が膜13に加えられると屈曲するように構成することができる。
【0097】
図6A及び6Bは、揮発性組成物12と共に組み立てられた形態の図5の装置1を示し、作動前の第1の位置(図6A)及び作動後の第2の位置(図6B)にある状態が示されている。図6Aを参照すると、装置1を作動するには、ユーザは、装着部分23をハウジング40に対して回転させて、複合膜13及び破断要素56の少なくとも一部を破断可能な蒸気不透過性基材14に向かって動かして破断可能な蒸気不透過性基材に穿孔することで、揮発性組成物9なくとも一部を容器10から放出させることで、揮発性組成物9の一部を装置1から蒸発させる。装着部分23は、複合膜13及び破断要素56の少なくとも一部を破断可能な蒸気不透過性基材14に向かって動かして破断可能な蒸気不透過性基材に穿孔するように直線的に又は回転運動で移動させるための既知の機械的方法を用いて構成することができる点は理解されよう。破断可能な蒸気不透過性基材14が突き刺されると、容器10から揮発性組成物9が流出して複合膜13を濡らし、その後、第2の側部136を介する複合膜13からの蒸発によって周辺大気に送達される。複合膜13は、揮発性組成物9の液相が複合膜13から流出することを防ぐが、揮発性組成物9の気相が第2の側部136から蒸発するのは可能とするように構成されていることで、揮発性組成物9が環境に送達される。
【0098】
以下の実施例は、本発明をより完全に説明することを意図しており、本発明の範囲から逸脱することなく、その多くの変形例が可能であるので、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。本明細書における全ての部、割合(%)、及び比率は、特に断らない限りは重量%として表される。
【実施例】
【0099】
最初に、試験装置/材料及び試験揮発性組成を「材料」において説明し、次に「試験方法」を示し、最後に結果を論じる。空調システムで使用されるときに、低減された蒸気放出速度を有する、本発明の装置1を実証するためにデータが提供される。以下に述べる試験方法で使用する機器及び材料を、下記表2に列挙する。本発明の組成物及び比較組成物の配合を下記表3に提供する。実施例で使用される揮発性組成物は、従来の方法を使用して調製される。
【0100】
材料
【0101】
【表2】
【0102】
エアフレッシュナ実施例の調製
本発明の実施例は、以下の工程に従って調製される。
1.380度F、50psig及び3sでヒートシーラを使用して、複合膜のコーティングされていない側を、リザーバを有するポリエチレン系熱成形容器(図5の容器10を参照)上に取り付ける。複合膜の有効膜面積(蒸発表面積)は、7cmである。
2.熱成形容器に封止された調製された膜に、2.4mlの揮発性組成物を添加する。
3.図5に示すように、揮発性組成物を含有する熱成形リザーバを装置内に載置する。
【0103】
比較例は、上記の工程に従って調製され、使用される膜がコーティングされていないという点で異なる。
【0104】
以下に記載される試験方法/計算のために、エアフレッシュナ又は気相系での使用に好適な任意の揮発性組成物を用いてもよい。例示目的のため、並びに後続の実施例に関して、揮発性組成物は、以下の表3の製剤に示される香料組成物である。しかしながら、揮発性組成物は、香料原材料の少なくとも20%が摂氏25度で0.01トール以上の平均蒸気圧を有する限り、空気清浄化に好適な任意の数の材料を構成し得る。
【0105】
【表3】
【0106】
複合膜の調製
表4は、実施例I及びIIで評価された比較膜(非コーティング膜)及び本発明の複合膜(コーティング膜)の実施例を記載している。
【0107】
【表4】
【0108】
実施例IIIでは、膜比較例は、コーティングされていないままであるか、又は親水性コーティングのみでコーティングされる。比較例11(「CE−11」)及び比較例12(「CE−12」)は、両方とも上記の組成物2Aで処理される。CE−12は、側部A(図2の第1の側部134に対応する)上に追加の疎水性溶液2Bと共にコーティングされ、上記の組成物2Cに関して記載したものと同じ方法で適用される。超疎水性組成物と融合したPVDF膜である比較例13が提供される。この材料は、MilliporeSigma(Billerica,MA)から入手可能なDURAPEL(登録商標)GVSPとして市販されている。
【0109】
複合膜は以下の工程に従って調製される。
【0110】
工程1.コーティング溶液の調製
親水性コーティング組成物2A
ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、(20g、重量平均分子量(Mw)〜50,000)を、4000mLビーカー内で穏やかに撹拌しながら冷水(910g)中に分散させる。混合物を4時間撹拌した後、PLURONIC(登録商標)17R2(10g、BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能なBlock Copolymer Surfactant)及び2−ブトキシエタノール(60g)を添加し、その後、得られた溶液を更に30分間撹拌する。
【0111】
親水性コーティング組成物2B
SELVOL(登録商標)325(4g、Sekisui Specialty Chemicals America(Dallas,TX)から入手可能なポリビニルアルコール)を、電気撹拌モータによって駆動される1インチ(2.54cm)パドル撹拌機を使用して、300mLビーカー内で穏やかに撹拌しながら冷水(96g)中に分散させる。混合物を190°F(87.8℃)に加熱し、完全に溶解するまでおよそ25分間撹拌する。得られる溶液を撹拌しながら室温まで冷却する。
【0112】
疎水性/疎油性コーティング組成物2C
UNIDYNE(登録商標)8112(15g、Daikin America,Inc.から入手可能(Orangeburg,NY))を、400mLビーカー内で穏やかに撹拌しながら冷水(85g)中に分散させる。
【0113】
工程2.コーティング手順
全ての膜/基材12は、任意のコーティング組成物で処理する前に、8.5×11インチ[0.22×0.28m]シートに切断される。各場合において、8.5×11インチ[0.22×0.28m]シートを汚れのないガラス表面上に載置し、短い側部に沿ってテープで貼り付ける。
【0114】
複合膜サンプルの各々は、以下の工程に従って調製される。
1.各基材は、シートを載置する前に天秤上でテープを貼り、汚れのないガラス表面上側部Bを上にして、テープを使用してシートの上角部をガラスに接着する。
2.透明な10ミル厚のポリエステル片11インチ(0.28m)×3インチ(.08m)が、シートの上縁部にわたって重なり、テープでガラス表面に貼り付けられるように位置決めされる。
3.Diversified Enterprisesからのワイヤ包装された計量ロッド#3が、ポリエステルの上縁部付近に載置される。
4.10〜20mLの量のコーティングを、使い捨てピペットを使用して計量ロッドの直ぐ隣に、かつ計量ロッドに触れるビーズストリップ(およそ1/4インチ(0.64cm)幅)として堆積される。
5.バーは、およそ一定の速度でシートを横切って引き下げられる。
6.得られた湿潤シートをガラス表面から取り出し、直ちに先にタール付けした秤量した天秤上に置き、秤量した後、強制空気オーブンに入れ、95℃で2分間乾燥させる。
7.乾燥したシートをオーブンから取り出し、同じコーティング手順を側部B上で繰り返し、膜12を最初に第2の側部136のみに親水性組成物2B(側部B)でコーティングし、疎水性/疎油性組成物2Cを側部136上の親水性組成物2Bに適用して、拡散調節コーティング138を形成する。
8.次いで、コーティングされた微多孔性材料は、乾燥中にフィルムが収縮するのを防ぐために、ガスケットが取り付けられたアルミニウムフレーム上にクランプされる。
9.フレーム付きは、その後95℃で15分間乾燥される。
【0115】
上記のコーティング手順は、実施例IIIに記載されるように、又は以下の記述で説明されるように、複合膜を達成するように修正され得ることが理解されるであろう。
【0116】
試験方法/計算
A.膜の物理的特性試験
膜、処理膜(「複合膜」)及び比較未処理膜の各々は、以下に記載される試験方法に従って以下に記載される物理的特性を試験することによって特徴付けられる。
【0117】
A1.Gurley多孔率試験方法
Gurley Porosity Test Methodは、乾燥膜サンプル上で実施される。多孔率は、Gurley Precision Densometer、GPI Gurley Precision Instruments(Troy,NY)によって製造されたモデル4340を使用して判定される。報告された多孔率は、サンプルを通る空気流の速度、又はサンプルを通る空気流に対する抵抗の尺度である。測定単位は「Gurley秒」であり、4.88インチの水の圧力差を使用して、1インチ平方の領域に100ccの空気を通過させる時間を秒単位で表す。低い値は、空気流抵抗がより小さいこと(より多くの空気は、自由に、例えば、より多孔性である)と同等である。測定は、マニュアル、MODEL4340Automatic Densometer及びSmoothness Tester Instruction Manualに記載されている手順を使用して完了する。TAPPI 法T460om−06−Air Resistance of Paperもまた、測定の基本原理について参照することができる。
【0118】
A2.密度試験法
上記の実施例の密度は、各サンプルから切り取られた4.5×5インチ(11.43cm×12.7cm)の寸法の2つの標本の平均重量を、それらの標本の平均容積で除算することによって判定される。
【0119】
A3.孔サイズ試験方法
微多孔性材料の孔の容積平均直径は、Autoscan水銀ポロシメータ(Quantachrome Instruments(Boynton Beach,FL))を使用して、水銀ポロシメトリによって、この機器に付随する操作マニュアルに従って判定される。1回のスキャンに対する容積平均孔半径は、ポロシメータによって自動的に判定される。ポロシメータの操作において、スキャンは高圧範囲(絶対圧138kPa〜絶対圧227MPa)においてされる。2%未満の合計の侵入容積が、高圧範囲の下方端(絶対圧138〜250kPa)において発生した場合、容積平均孔直径は、ポロシメータによって判定される容積平均孔寸法の2倍としてみなされる。他の方法では、追加のスキャンが低圧範囲(絶対圧7〜165kPa)においてなされ、容積平均孔直径は、以下の方程式によって産出される:
d=2[v1r1/w1+v2r2/w2]/[v1/w1+v2/w2]
(式中、
dは、容積平均孔径であり、v1は、高圧力範囲で圧入された水銀の総容積であり、v2は、低圧力範囲で圧入された水銀の総容積であり、r1は、
高圧力スキャンから判定された容積平均孔半径であり、r2は、
低圧力スキャンから判定された容積平均孔半径であり、w1は、
高圧スキャンに供されるサンプルの重量であり、w2は、
低圧力スキャンに供されるサンプルの重量である。
【0120】
A4.接触角試験方法
接触角は、1マイクロリットルの超純水を使用して、AST Products,Inc.(Billerica,MA)から入手可能なVCA2500XEビデオ接触角システムで測定される。全てのサンプルにおいて、接触角は、側部Aで測定される。
【0121】
A5.油等級試験方法
油等級は、AATCC試験方法118−2007で測定される。側部A及びBが異なる場合、油等級は、側部Aが、リザーバの内部に露出した試験膜の側部である側部Aで測定される。
【0122】
B.膜性能試験方法
試験装置を使用して、試験膜の以下の性能パラメータを評価する。試験装置の例示的な実施形態の構成要素が以下に記載され、試験装置は、膜の蒸発速度及び性能試験に使用されるホルダアセンブリである。
【0123】
B1.試験装置のアセンブリ
ホルダアセンブリは、リングガスケットを有する前部クランプと、後部クランプと、試験リザーバカップと、4つのねじと、からなる。試験リザーバカップは、透明な熱可塑性ポリマーから製作され、およそ4センチメートルの開口面の縁部の円形直径と1センチメートル以下の深さで定義される内部寸法を有する。開放面は、揮発性材料の移動速度を測定するために使用される。ホルダアセンブリの各クランプは、試験リザーバカップを収容するための直径1.5インチ(3.8cm)の円形開口部を有し、試験中の膜を露出させるための開口部を提供する。試験中に膜を載置するとき、ホルダアセンブリの後部クランプは、コルクリングの上部に載置される。試験リザーバカップは、後部クランプ内に載置され、芳香剤組成物をシミュレートするために使用される、以下に記載されるような量のベンジルアセテートを充填する。
【0124】
ホルダの前部クランプは、アセンブリ全体にわたって慎重に載置され、ねじ穴は、膜ディスクを妨げないように整列されている。ねじは、漏出を防止するのに十分に取り付けられ、締め付けられる。リングガスケットは、シールを生成する。試験した各膜に対して5つの複製物を組み立てる。
【0125】
空気流条件
「非制限」条件下で試験された実施例は、およその寸法が5フィート(1.52m)(高さ)×5(1.52m)フィート(幅)×2(0.61m)フィート(深さ)を有する実験室化学煙霧フードに載置される。煙霧フードのガラスドアが引き下げられ、フードを通る空気流が調整されて、1時間あたりフード容積の8ターン(又はターンオーバー)になるように調整される。
【0126】
「非制限」条件下で試験した実施例は、HDPE密閉ボックス内に載置され、ボックスは、およその寸法が11インチ(0.28m)(高さ)×19インチ(0.48m)(幅)×11インチ(0.28m)(深さ)を有する。容器を密閉することは、11×19インチ(0.28×0.48m)のダクトテープで包まれた厚紙シートである。
【0127】
B2.揮発性材料の移動速度試験
膜の揮発性材料移動速度を、以下の工程に従って評価する。
1.各ホルダアセンブリは、全体的に充填されたアセンブリの初期重量を有するように測量される。
2.次いで、アセンブリは、膜が垂直に配向され、ベンジルアセテートが試験膜の少なくとも一部と直接接触するように直立に載置される。
3.直立(垂直方向に向けられた)アセンブリは、25°±5℃に維持された空気流に従って以下に定義される環境内に載置される。環境内の湿度は、周囲となる。
4.試験リザーバは、最低14日間、24時間毎に計量される。
5.全期間にわたるベンジルアセテートの算出された重量損失は、経過時間、及び試験リザーバに露出された微多孔性シートの表面積と組み合わせて、mg(時間cm2)の単位で、微多孔性シートの揮発性材料移動速度を測定するのに使用される。
6.平均蒸発速度は、以下の式に従って揮発性材料移動速度に変換される。
平均蒸発速度(mg/時)/12.5cm2=揮発性材料移動速度(mg/(時cm2))
7.全ての複製についての経時的な全ての評価の平均を使用して、試験リザーバの平均蒸発速度を判定する。
【0128】
B3.結露等級
試験膜の結露等級を、以下の工程に従って評価する。
1.揮発性材料移動速度試験と同時に、少なくとも24時間毎に少なくとも14日間、各アセンブリ上の外部膜表面を液体蓄積について目視検査する。
2.結露等級は、番号付けシステムを使用し、「0」は、液体蓄積がない「1」は、基材単独上に液体蓄積があり、「2」は、基材及びホルダのリングガスケット上に液体蓄積があり、「3」は、基板、シール、及びホルダの底部金属リップの液体蓄積がある。
3.全ての複製についての経時的な全ての評価の平均を使用して、試験膜の平均結露等級を判定する。
【0129】
C.装置/エアフレッシュナ性能試験方法
C1.通気性蒸気放出速度試験法(AF on Vent Test Method))におけるエアフレッシュナ
エアフレッシュナサンプルの蒸気放出速度を、以下の工程に従って評価する。
1.初期の総サンプル重量を測定する。
2.3〜6m/秒の空気速度(およそ5m/秒の平均空気速度)で2時間ファンが動作する状態で、試験膜のコーティングされた側部(2Bの2C)がファンに面するように、デスクトップファンにサンプルをクリップ留めして空調システムのファンがオンになっているときの換気状態をシミュレートする。デスクトップファンは、例えば自動車などの空調システムのファンをシミュレートするように選択される。
3.サンプルがその上にクリップされたファンは、2.0m×3.4m×2.8mの部屋に載置される。部屋の条件は以下のとおりである:
空気速度−1時間当たりの空気変化(ACH)10回、速度約0.1m/秒、
空気温度−21度C
相対湿度−40%RH。
4.ファンからサンプルを取り外し、ファンがオンにされた状態のオン−通気性条件「オン」状態に対応するサンプル重量を測定する。
5.21度C、60%RH及び10ACHで22時間、部屋にサンプルを載置する(ファンがオンにされていない通気口オフ状態をシミュレートする)。
6.サンプルを部屋から取り出し、サンプル重量を測定して、通気口オフ状態に対応するサンプル重量を得る、すなわち、装置が通気孔(「オフ」状態)に載置されていないときの、サンプル重量を測定する。
7.上記の工程4〜6を毎日繰り返す。
8.サンプルの重量の変化を測定し、30日間にわたる香料蒸発速度を計算する。
9.記録された時間をそれらの対応する重量で使用した後に、揮発性組成物の累積重量損失を判定する。
10.記録された時間及びそれらの対応する重量を使用して、以下に記載される揮発性組成物の時間平均蒸気放出速度を計算する。
【0130】
C2.累積重量損失計算方法
作動後の時間における累積重量損失は、式(1)に従って計算される。
=WcumTx=WTi−WTx(1)における累積重量損失
式中、
Ti=作動前の揮発性組成物(mg)の初期重量
Tx=作動後に指定された時間(日数)における揮発性組成物(mg)の重量
【0131】
C3.平均蒸気放出速度計算方法
エアフレッシュナの平均蒸気放出速度は、式(2)を使用して計算される。
【0132】
【数1】
式中、
=作動後の第1の期間
=作動後の第2の期間
=tにおける揮発性組成物の重量
=tにおける揮発性組成物の重量。
【0133】
(実施例I)
この例では、図5の装置に基づく本発明のエアフレッシュナ及び表3の揮発性組成物(「発明例2、3、及び4」)及び図5の装置に基づく比較エアフレッシュナ並びに表3の揮発性組成物(「比較例1」)は、試験方法で前述した蒸気放出速度試験方法に従って評価される。以下の表5、6、及び7は、本発明のエアフレッシュナ2、3、4、及び比較エアフレッシュナ1からの揮発性組成物の累積重量損失及び蒸気放出速度を示す。図8及び9は、表5、6、及び7の対応するグラフである。
【0134】
【表5】
【0135】
【表6】
【0136】
【表7】
【0137】
上述したように、本発明の実施例2、3、及び4の各々は、疎水性/疎油性コーティング2C及び親水性コーティング2Bを含む複合膜を含む。揮発性組成物9と、疎水性/疎油性コーティング2C及び親水性コーティング2Bを有する複合膜13との組み合わせを有することにより、本発明のサンプルの各々の全体的な累積香料蒸発は、図8に示すようなコーティングされていない微多孔膜(比較例1)の累積香料蒸発と比較して減少する。
【0138】
表5、6及び7を参照すると、本発明の実施例2、3及び4の蒸気放出速度又は香料蒸発速度は、膜表面を横切る空気流が大きいとき(例えば、平均空気流量が5m/秒)、0.08日目の比較例1(複合膜がないが、コーティングされていない膜を使用)の蒸気放出速度/香料蒸発速度と比較して58%〜96%減少する(蒸気放出率試験方法に記載されているようにサンプルを2時間ファンに置いたとき)。比較例1に対して、本発明の実施例2、3、及び4について、0.08日目(「オン」/ファンターンオン)における蒸気放出速度の百分率減少率のサンプル計算を以下に示す。
【0139】
【表8】
【0140】
したがって、本発明の技術的効果は、本発明による装置が、車が移動しているとき、又は空調システム(「オン」−高い空気流量)のファンに流体連通する通気口に載置されたとき自動車内に載置されたなどの高空気流条件に供されるとき、全体的に減少した香料蒸発速度を提供し、それにより空調システムのファンがオンになったときの内部空間の香り強度の低下に対応する。
【0141】
(実施例II)
本発明の実施例5及び6並びに比較例2は、試験方法の下で上述した蒸気放出速度試験方法に従って評価される。以下の表8は、比較例2からの揮発性組成物の累積重量損失、蒸気放出速度を示す。以下の表9は、本発明の実施例5、6からの揮発性組成物の累積重量損失、蒸気放出速度を示す。図10及び図11は、表8及び9の対応するグラフである。
【0142】
【表9】
【0143】
【表10】
【0144】
本発明の実施例5及び6は、親水性材料と疎水性及び疎油性材料とを含む複合膜を使用して、拡散調節コーティングを画定する。比較例2に対する本発明の実施例5及び6について、0.08日目(「オン」/ファンターンオン)における蒸気放出速度の百分率減少率のサンプル計算を以下に示す。
【0145】
【表11】
【0146】
したがって、本発明の技術的効果は、本発明による装置が、例えば車が移動しているとき、又は空調システム(「オン」−高い空気流量)のファンに流体連通する通気口に載置されたときなどの高空気流条件に供されるとき、全体的に減少した香料蒸発速度を提供し、それにより空調システムのファンがオンになったときの内部空間の香り強度の低下に対応する。
【0147】
(実施例III)
装置1の所望の蒸気放出速度(例えば、平均空気流量5m/秒で0.2mg/時cm以上〜5mg/時cmの範囲の蒸気放出率など)に基づく膜(複合膜など)の物理的及び/又は性能特性は、Gurley多孔率、密度、孔サイズ、接触角、油等級、揮発性物質移動速度及び前述の結露等級試験方法によって判定され得る。
【0148】
表10は、本発明による装置における複合膜のための1つ以上の拡散調節コーティングを画定する、異なる処理を有する複合膜の異なる組み合わせを示す。表11は、コーティング(基材)の前の充填微多孔膜の組成を示す。表11は、表10の複合膜の各々の蒸気材料移動速度を示す。
【0149】
【表12】
【0150】
【表13】
【0151】
【表14】
MilliporeSigma(Billerica,MA)から入手可能な超疎水性表面を有するPVDF多孔性膜。
Durapel GVSPは、0.22ミクロンの報告された平均孔径を有する。 表9のデータは、上記の試験方法に従って測定したものである。
Celanese Corporation(Irving,TX)から入手可能な超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)
Celanese Corporation(Irving,TX)から入手可能な超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)
Total Petrochemicals USA Inc.(Houston,TX)から入手可能な高密度ポリエチレン(HDPE)。
PPG Industries,Inc.(Pittsburgh,PA)から入手可能な沈殿シリカ
Chemours Company(Wilmington,DE)から入手可能なルチル二酸化チタン
Cytec Solvay Group(Woodland Park,NJ)から入手可能なフェノール性酸化防止剤
PPC Lubricants(Jonestown,PA)から入手可能なプロセス油
10日間にわたって、制限された条件下で測定可能な重量変化は観察されず、膜が蒸気透過性膜として動作していないことを示した。したがって、結露等級は関連しなかった。
【0152】
表12の結果は、親水性コーティング2A及び疎水性/疎油性コーティング2Cを有する複合膜を提供すること(実施例7)が、0.29mg/時cm2の蒸気放出速度を有するコーティングされていない膜(CE−10)に対して、複合膜の蒸気放出速度(0.18mg/時cm2)をおよそ60%低下させることを示す。
【0153】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0154】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0155】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくその他の種々の変更及び修正を行うことができる点が、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるこのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲において網羅することを意図したものである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11