特許第6983923号(P6983923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6983923外科器具の作動機構及び荷重調節アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983923
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】外科器具の作動機構及び荷重調節アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20211206BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   A61B17/32 510
   A61B17/00 700
【請求項の数】10
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2020-17892(P2020-17892)
(22)【出願日】2020年2月5日
(62)【分割の表示】特願2017-505540(P2017-505540)の分割
【原出願日】2015年7月13日
(65)【公開番号】特開2020-73080(P2020-73080A)
(43)【公開日】2020年5月14日
【審査請求日】2020年2月5日
(31)【優先権主張番号】14/448,430
(32)【優先日】2014年7月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ファラー・クレイグ・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジー・ジェイコブ・エス
(72)【発明者】
【氏名】リステンバーグ・ポール・エフ
(72)【発明者】
【氏名】バトロス・ジョナサン・ティ
(72)【発明者】
【氏名】モンロー・デビッド・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ディッカーソン・ベンジャミン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】メサーリー・ジェフリー・ディー
【審査官】 家辺 信太郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0135804(US,A1)
【文献】 米国特許第06056735(US,A)
【文献】 特開2009−082710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波外科器具に使用される内側管と超音波ブレードとを互いに位置決めする位置決め方法であって、
前記超音波外科器具は、
シャフトアセンブリであって、
長手方向軸を画定し、第1のアライメント要素を含む、前記内側管と、
前記長手方向軸に沿って延び、前記内側管を少なくとも部分的に包囲する、外側管と、を含む、シャフトアセンブリと、
超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサアセンブリと、
エンドエフェクタアセンブリであって、
第2のアライメント要素を含む前記超音波ブレードであって、前記超音波トランスデューサに音響的に連結され、前記内側管を通って延在し、前記第1のアライメント要素が前記第2のアライメント要素と整列されている、前記超音波ブレードと、
前記超音波ブレードに対して開いた形態と近づいた形態との間で枢動可能に動くことができるクランプ部材であって、前記外側管に枢動可能に連結された、クランプ部材と、を含み、前記外側管と前記内側管との相対運動によって、前記クランプ部材が、前記開いた形態と前記近づいた形態との間で移行する、エンドエフェクタアセンブリと、
を含み、
前記第2のアライメント要素がスロットを含み、前記第1のアライメント要素が、前記スロット内に受容されるように構成された制限部材を含み、
前記内側管が、壁、及び、前記壁に形成された側部開口部を含み、
前記位置決め方法は、
前記スロットが前記側部開口部と対向している際に、前記制限部材を前記側部開口部に挿入し、前記制限部材の基端部が前記側部開口部に位置している状態で、前記制限部材の先端部を、前記側部開口部よりも内方に突出させて前記スロットに受容させる工程と、
前記制限部材の前記基端部を前記側部開口部の周りの前記壁の部分に固定的に取り付ける工程と、
を含む、位置決め方法
【請求項2】
前記第2のアライメント要素が前記超音波ブレードの遠位節に配置されている、請求項1に記載の位置決め方法
【請求項3】
前記内側管が遠位連結部材を含み、前記クランプ部材が前記遠位連結部材に枢動可能に連結され、前記第1のアライメント要素が前記遠位連結部材の内側壁上に配置されている、請求項1に記載の位置決め方法
【請求項4】
前記超音波ブレードが、少なくとも部分的に前記超音波ブレードの周囲に配置されたシール部材を含み、前記シール部材が前記第2のアライメント要素を含む、請求項1に記載の位置決め方法
【請求項5】
前記第1のアライメント要素が第1の平坦部を含み、前記第2のアライメント要素が、前記第1の平坦部と対応した第2の平坦部を含む、請求項1に記載の位置決め方法
【請求項6】
前記クランプ部材が、クランプ力を発生するように作動可能であり、前記クランプ力が、前記第2の平坦部によって画定される平面に垂直である、請求項5に記載の位置決め方法
【請求項7】
前記第2のアライメント要素が平面を画定し、前記第1のアライメント要素が前記平面の前面側に位置し、前記クランプ部材が前記平面の背面側に位置する、請求項1に記載の位置決め方法
【請求項8】
前記クランプ部材が、クランプ力を発生するように作動可能であり、前記クランプ力が、前記第2のアライメント要素を前記第1のアライメント要素に向かって付勢する、請求項1に記載の位置決め方法
【請求項9】
前記制限部材の前記基端部を前記側部開口部の周りの前記壁の部分に固定的に取り付ける前記工程において、前記制限部材の前記基端部を前記側部開口部の周りの前記壁の前記部分に溶接する、請求項1に記載の位置決め方法。
【請求項10】
前記制限部材の前記基端部を前記側部開口部の周りの前記壁の部分に固定的に取り付ける前記工程において、前記制限部材の前記基端部を接着剤により前記側部開口部の周りの前記壁の前記部分に固定する、請求項1に記載の位置決め方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、概して超音波器具を含む外科器具に関する。超音波メスなどの超音波外科器具が、その固有の性能特性のために外科手術における多くの用途で用いられている。超音波外科器具は、開腹手術における使用、ロボット支援手術を含む腹腔鏡又は内視鏡外科手術に合わせて構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
特許請求の範囲において、様々な実施形態の特徴を詳細に記載する。しかしながら、様々な実施形態は、その構成及び動作方法の両方に関して、それらの利点と共に、以下の説明文を添付図面と併せて参照することで最もよく理解することができる。
図1】外科器具と超音波発生装置とを含む外科システムを示す。
図2図1に示される外科器具を示す。
図2A】超音波エンドエフェクタを含む図2の外科器具の遠位部分を示す。
図3】超音波エンドエフェクタを含む図2の外科器具の遠位部分を示す。
図4図3の遠位部分の分解図を示す。
図5図2の外科器具のクランプ部材を示す。
図6図2Aの遠位部分の縦断面図を示す。
図6A図2の外科器具の長尺シャフトアセンブリの部分縦断面図を示す。
図7図2の外科器具の内側管及びアライメント要素の部分斜視図を示す。
図8図2の外科器具の超音波ブレードの部分斜視図を示す。
図9図7の超音波ブレードの部分縦断面図を示す。
図10図2の外科器具の長尺シャフトアセンブリの横断面図を示す。
図11】外側管を取り外した、図2の外科器具の遠位部分の断面図を示す。
図12図11の遠位部分の保持キャップの断面斜視図を示す。
図13図2の外科器具の超音波ブレード、内側管、及び挿入部材の横断面図を示す。
図14図2の外科器具の超音波ブレード及びチャネルの横断面図を示す。
図15図14の超音波ブレード及びチャネルの部分縦断面図を示す。
図16】外科器具の側面立面図を示す。
図17図16の外科器具の横断面図を示す。
図18図16の外科器具のブレードの斜視図を示す。
図19図16の外科器具の支持シャフトの部分縦断面図を示す。
図20図19の支持シャフトの部分斜視図を示す。
図21図2の外科器具のハンドルアセンブリの荷重調節アセンブリ及び往復作動部材を露出させるために、ハンドルアセンブリからいくつかの部品が取り外された、図2の外科器具の部分斜視図を示す。
図21A】往復作動部材が非作動位置にある、図21の荷重調節アセンブリを示す。
図21B】往復作動部材が作動位置にある、図21の荷重調節アセンブリを示す。
図22図2の外科器具の部分分解図を示す。
図23図21の荷重調節アセンブリの鍔体及び荷重調節部材の部分縦断面図を示す。
図24図2の外科器具の荷重調節アセンブリの斜視図を示す。
図25図24の荷重調節アセンブリの鍔体、駆動シャフト、及び荷重調節部材の分解図を示す。
図26】荷重調節部材が取り付けられていない状態で示された図2の外科器具の荷重調節アセンブリの側面立面図を示す。
図26A】荷重調節部材が取り付けられた状態で示された図2の外科器具の荷重調節アセンブリの側面立面図を示す。
図27】荷重調節アセンブリを露出させるためにハンドルアセンブリの左側のシェルが取り外された、図2の外科器具のハンドルアセンブリの斜視図を示す。
図28図27のハンドルアセンブリの荷重調節アセンブリの分解図を示す。
図29図2の外科器具の荷重調節アセンブリの側面立面図を示す。
【0003】
対応する参照符合は、複数の図を通じて対応する部材を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
明細書に記載され添付の図面に示される実施形態の全体的な構造、機能、製造及び使用の完全な理解をもたらすように、多くの具体的詳細が示される。しかしながら、実施形態はそのような具体的詳細なくして実施され得ることが、当業者には理解されるであろう。他の例においては、周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため詳細に記載されていない。本明細書に記載及び図示される実施形態は非限定例であることが当業者には理解され、それ故、本明細書に開示される特定の構造及び機能の詳細は典型及び例示であり得ることが理解されるであろう。これに対する変形及び変更は、特許請求の範囲を逸脱することなく行なわれ得る。
【0005】
本明細書の全体を通じて、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、又は「ある実施形態」などと言う場合、その実施形態との関連において述べられる特定の機構、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通して各所で、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「一実施形態において」、又は「ある実施形態において」などの語句が出現するが、これらは必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。更に、特定の機構、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。故に、一実施形態に関して図示又は説明される特定の機構、構造、又は特性は、制限なしに1つ以上のその他の実施形態の機構、構造、又は特性と、全体として又は部分的に組み合わされてもよい。更に、簡潔にするため、また明確にするために、例えば、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間に関する用語は、本明細書において、図示した実施形態を基準にして使用できることが理解できる。しかしながら、これらの用語は、読者を補助するために使用され、制限かつ絶対的であることを意図しない。
【0006】
ここで図面を参照すると、図1は、超音波外科器具10の一実施形態の右側面図を示している。示される実施形態において、超音波外科器具10は、内視鏡又は従来の開腹外科手術を含む様々な外科的処置において使用され得る。例示的な一実施形態において、超音波外科器具10は、ハンドルアセンブリ12、長尺シャフトアセンブリ14、超音波トランスデューサ16、及びブレード66を備える。ハンドルアセンブリ12は、トリガアセンブリ24、遠位回転アセンブリ13、及びスイッチアセンブリ28を備える。長尺シャフトアセンブリ14はエンドエフェクタアセンブリ26を備え、これは、組織を切開するか、又は血管及び/若しくは組織を相互に掴む、切断する、並びに凝固させる要素と、エンドエフェクタアセンブリ26を作動させる要素と、を備える。ハンドルアセンブリ12は、超音波トランスデューサ16を近位端に受容するように適合される。超音波トランスデューサ16は、長尺シャフトアセンブリ14及びエンドエフェクタアセンブリ26の一部に機械的に係合させることができる。超音波トランスデューサ16は、ケーブル22を介して発生装置20に電気的に連結させることができる。特定の例では、例えば発生装置をハンドルアセンブリ12に統合することができる。図面の大半は腹腔鏡外科手術と関連して用いられる複数のエンドエフェクタアセンブリ26を図示するが、超音波外科器具10は従来の開腹外科手術で採用されてもよく、また他の実施形態では内視鏡手術での使用に構成されてもよい。本明細書における目的のために、超音波外科器具10は内視鏡器具に関して説明されるが、開腹型及び/又は腹腔鏡型の超音波外科器具10もまた、本明細書中に記載されるものと同じ若しくは同様の動作構成要素及び特徴を含み得ることが想定される。
【0007】
様々な実施形態において、発生装置20は、モジュール及び/又はブロックのようないくつかの機能的要素を備える。異なる機能要素又はモジュールが、異なる種類の外科用装置を駆動させるために構成され得る。例えば、超音波発生装置モジュール21は、超音波外科器具10などの超音波装置を駆動させることができる。いくつかの例示的実施形態において、発生装置20は更に電気外科装置(又は超音波外科器具10の電気外科実施形態)を駆動する電気外科/RF発生装置モジュール23を備える。図1に図示される例示的な実施形態では、発生装置20は、発生装置20と一体化された制御システム25と、ケーブル27を介して発生装置に接続されたフットスイッチ29と、を含む。発生装置20は、外科器具、例えば器具10を作動させるためのトリガ機構も備えていてよい。トリガ機構は、電源スイッチ(図示せず)並びにフットスイッチ29を含み得る。フットスイッチ29によって起動されると、発生装置20は外科器具10の音響アセンブリを駆動させる、及びエンドエフェクタ18を所定の実行レベルで駆動させるためのエネルギーを提供し得る。発生装置20は、音響アセンブリの任意の適切な共振周波数にて音響アセンブリを駆動若しくは励起し、かつ/又は治療レベル/治療レベル未満の電磁/RFエネルギーを誘導する。
【0008】
1つの実施形態において、電気外科的/RF発生装置モジュール23は、高周波(RF)エネルギーを用いてバイポーラ電気外科手術を行うのに充分な電力を供給することができる電気外科ユニット(ESU)として実施することができる。一実施形態において、ESUは、ERBE USA,Inc.(Marietta,Ga)から販売されている2極ERBE ICC 350であり得る。バイポーラ電気外科手術用途では、上述のように、活性電極及びリターン電極を有する外科器具を使用することができ、その場合、電流が組織を通って活性電極からリターン電極まで流れることができるように、活性電極及びリターン電極は、処置対象組織に接するか又は隣接して配置され得る。したがって、電気外科的/RFモジュール23発生装置は、組織Tを処置(例えば、焼灼)するのに充分な電気エネルギーを組織に印加することにより、治療目的に合うように構成することができる。
【0009】
1つの実施形態において、電気外科的/RF発生装置モジュール23は、組織インピーダンス測定モジュールを実施するために、治療レベル未満のRF信号を供給するように構成されてもよい。1つの実施形態において、電気外科的/RF発生装置モジュール23は、以下により詳細に述べられるバイポーラ高周波発生装置を備える。1つの実施形態において、電気外科的/RF発生装置モジュール12は、組織Tの電気的インピーダンスZを監視し、エンドエフェクタアセンブリ26のクランプ部材上に設けられた戻り電極により、組織Tに基づいて時間及び電力レベルの特性を制御するよう、構成することができる。したがって、電気外科的/RF発生装置モジュール23は、組織Tのインピーダンス又はその他の電気的特性を測定するための治療レベル未満の目的に合わせて構成することができる。組織Tのインピーダンス又はその他の電気的特性を測定するための技術及び回路構成については、本願と同一譲受人に譲渡された、発明の名称が「Electrosugical Generator for Ultrasonic Surgical Instrument」である米国特許公開第2011/0015631号により詳細に検討されており、その開示内容は参照によりその全体にわたって本明細書に援用するものである。
【0010】
好適な超音波発生装置モジュール21は、以下の米国特許の1つ以上に開示されるような、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されるGEN300と似た要領で機能的に動作するように構成することができる。なお、これらの米国特許はいずれもその全体にわたって本明細書に参照によって援用するものである:米国特許第6,480,796号(METHOD FOR IMPROVING THE START UP OF AN ULTRASONIC SYSTEM UNDER ZERO LOAD CONDITIONS);米国特許第6,537,291号(METHOD FOR DETECTING BLADE BREAKAGE USING RATE AND/OR IMPEDANCE INFORMATION);米国特許第6,662,127号(METHOD FOR DETECTING PRESENCE OF A BLADE IN AN ULTRASONIC SYSTEM);米国特許第6,977,495号「DETECTION CIRCUITRY FOR SURGICAL HANDPIECE SYSTEM);米国特許第7,077,853号(METHOD FOR CALCULATING TRANSDUCER CAPACITANCE TO DETERMINE TRANSDUCER TEMPERATURE);米国特許第7,179,271号(METHOD FOR DRIVING AN ULTRASONIC SYSTEM TO IMPROVE ACQUISITION OF BLADE RESONANCE FREQUENCY AT STARTUP);及び米国特許第7,273,483号(APPARATUS AND METHOD FOR ALERTING GENERATOR FUNCTION IN AN ULTRASONIC SURGICAL SYSTEM)。更に、発明の名称が「ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS WITH DISTALLY POSITIONED TRANSDUCERS」である2012年6月29日出願の米国特許出願公開第2014/0005702(A1)号をその全体にわたって参照により本明細書に援用する。
【0011】
様々な実施形態において、発生装置20は、いくつかのモードで作動するように構成されてもよいことが理解されるであろう。1つのモードでは、発生装置20は、超音波発生装置モジュール21及び電気外科的/RF発生装置モジュール23が独立して作動できるように構成されてよい。
【0012】
例えば、超音波発生装置モジュール21を起動させて超音波エネルギーをエンドエフェクタアセンブリ26に印加し、続いて治療レベル又は治療レベル未満のRFエネルギーを電気外科的/RF発生装置モジュール23によりエンドエフェクタアセンブリ26に印加することができる。上記に述べたように、治療レベル未満の電気外科的/RFエネルギーを、エンドエフェクタアセンブリ26のクランプ要素(claim elements)間にクランプ締めされた組織に印加することによって、組織のインピーダンスを測定して超音波発生装置モジュール21の起動を制御するか又は起動を変更することができる。治療レベル未満のエネルギーの印加からの組織インピーダンスのフィードバックを利用して、治療レベルの電気外科的/RF発生装置モジュール23を起動させることによって、エンドエフェクタアセンブリ26のクランプ要素(claim elements)間にクランプ締めされた組織(例えば、血管)を封止することもできる。
【0013】
別の実施形態では、超音波発生装置モジュール21及び電気外科的/RF発生装置モジュール23は同時に起動されてもよい。一例において、超音波発生装置モジュール21は治療レベル未満のRFエネルギーレベルで同時に起動させて、エンドエフェクタアセンブリ26の例えばブレード66のような超音波ブレードがエンドエフェクタアセンブリ26のクランプ要素間に挟まれた組織(又は血管)を切断及び凝固する間に組織インピーダンスを同時に測定する。そのようなフィードバックは、例えば、超音波発生装置モジュール21の駆動出力を修正するために採用できる。別の例では、超音波発生装置モジュール21を電気外科的/RF発生装置モジュール23と同時に駆動させてよく、その結果、組織(又は血管)を封止するためにエンドエフェクタクランプアセンブリ26の電極部分に電気外科的/RFエネルギーが印加される間、エンドエフェクタアセンブリ26の超音波ブレード66が損傷した組織を切断するために採用される。
【0014】
発生装置20がトリガ機構によって起動されると、電気エネルギーは発生装置20によって音響アセンブリのトランスデューサ積層体又はアセンブリに連続的に印加される。別の実施形態では、電気エネルギーは発生装置20によって断続的に印加(例えば、パルス状)される。発生装置20の制御システム内のフェーズロックループは、音響アセンブリからのフィードバックを監視することができる。フェーズロックループは、発生装置20によって送られる電気エネルギーの周波数を、音響アセンブリの振動の選択された縦モードの共振周波数と一致するように調節する。更に、制御システム25内の第2のフィードバックループは、音響アセンブリのエンドエフェクタ18においてほぼ一定の偏位を達成するために、音響アセンブリに供給される電流を予め選択された一定レベルに維持する。更に別の実施形態では、制御システム25内の第3のフィードバックループは、エンドエフェクタアセンブリ26内に位置する電極間のインピーダンスを監視する。
【0015】
超音波作動モードでは、音響アセンブリに供給される電気信号は、エンドエフェクタ18の遠位端を、例えば約20kHz〜250kHzの範囲で縦方向に振動させてもよい。様々な実施形態によれば、ブレード66は、約54kHz〜56kHzの範囲、例えば約55.5kHzで振動してよい。他の実施形態では、ブレード66は、例えば約31kHz又は約80kHzなどの、その他の振動数で振動してよい。ブレード66における振動の偏位は、例えば、発生装置20によって音響アセンブリのトランスデューサアセンブリに適用される電気信号の振幅を制御することにより制御され得る。前述のように、発生装置20のトリガ機構によって、使用者は、電気エネルギーを音響アセンブリに連続的又は断続的に供給できるように発生装置20を起動させることができる。発生装置20はまた、電気外科ユニット又は従来の電気コンセントへの差込用の電力線を有する。電池などの直流(DC)源によって発生装置20に電力を供給することもできることが想到される。発生装置20は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.より入手可能なモデル番号GEN04及び/又はモデル番号GEN11などの任意の好適な発生装置を含むことができる。
【0016】
様々な例において、音響アセンブリが通電されると、音響アセンブリを通じて振動運動定常波が発生する。音響アセンブリに沿った任意の点での振動運動の振幅は、振動運動が測定される音響アセンブリに沿った場所によって決まる。振動運動定在波内の最小又はゼロ交差は、一般に、節(すなわち、通常、運動が最小である場所)と称され、定在波内の最大絶対値又はピークは、一般に、波腹と称される。
【0017】
図2は、ハンドルアセンブリ12、遠位回転アセンブリ13、長尺シャフトアセンブリ14、及びエンドエフェクタアセンブリ26を示す、超音波外科器具10の例示的な一実施形態の左斜視図である。示される実施形態では、長尺シャフトアセンブリ14は、エンドエフェクタアセンブリ26を機械的に係合する寸法の遠位端52と、ハンドルアセンブリ12及び遠位回転アセンブリ13を機械的に係合する近位端50と、を備える。長尺シャフトアセンブリ14の近位端50は、ハンドルアセンブリ12及び遠位回転アセンブリ13内に受容される。
【0018】
示される実施形態では、トリガアセンブリ24は、固定ハンドル34と併せて動作するトリガ32を備える。固定ハンドル34及びトリガ32は人間工学的に形成され、使用者と快適に相互作用するように適合される。固定ハンドル34は、ハンドルアセンブリ12と一体的に関連づけられている。トリガ32は、超音波外科器具10の動作について以下に詳述するように、固定ハンドル34に対して枢動可能である。使用者がトリガ32に対して圧迫力をかけると、トリガ32は、固定ハンドル34に向かって方向33Aに枢動可能である。バネ要素は、使用者がトリガ32に対する圧迫力を解放すると、トリガ32を方向33Bに枢動可能に動かすことができる。
【0019】
例示的な一実施形態において、トリガ32は長尺トリガフック36を備え、それは、長尺トリガフック36とトリガ32との間の開口38を画定する。開口38は、使用者の1つ又は複数の指をそこを通して受容するのに好適な寸法である。トリガ32は、トリガ32の基材を覆うように成型される弾性部分32aも備えてよい。オーバーモールドされた弾性部分32aは、外向きの方向33Bでのトリガ32の制御のためのより快適な接触面を提供するように形成される。例示的な一実施形態において、オーバーモールドされた弾性部分32aは長尺トリガフック36の一部分を覆うように提供されてもよい。長尺トリガフック32の近位面は、使用者が指を開口38の内外へ容易に摺動することを可能にするために被覆されないままであるか、又は非弾性基材で被覆される。別の実施形態では、トリガの形状は、完全に閉じたループを形成し、使用者の1つ又は複数の指をそこを通して受容するために好適な寸法である開口を画定する。完全に閉じたループトリガは、トリガ基材を覆うように成型される弾性部分も備えることができる。
【0020】
例示的な一実施形態において、固定ハンドル34は、近位接触面40と、グリップアンカー又はサドル面42と、を備える。サドル面42は、手の親指及び人差し指が合わさる水かき部分の上に載る。近位接触面40は、リング又は開口を有さない通常のピストルグリップで手のひらを受容するピストルグリップ輪郭を有する。近位接触面40の形状曲線は、手のひらに適合するか、又はこれを受容するような輪郭を有し得る。安定化尾部44は、ハンドルアセンブリ12のより近位の部分に向かって配される。安定化尾部44は、ハンドルアセンブリ12を安定させハンドルアセンブリ12をより制御可能にするために、親指と人差し指との間に位置する手の最も上の水かき部分と接触していてもよい。
【0021】
例示的な一実施形態において、スイッチアセンブリ28はトグルスイッチ30を備えていてもよい。トグルスイッチ30は、同時起動の可能性を排除するために、ハンドルアセンブリ12の内側に位置する中心枢動軸304を有する単一構成要素として実装されてもよい。例示的な一実施形態において、トグルスイッチ30は、最小電力レベル(例えば、MIN)と最大電力レベル(例えば、MAX)との間で超音波トランスデューサ16の電力設定を設定するための第1の突起ノブ30a及び第2の突起ノブ30bを備える。別の実施形態では、ロッカスイッチが標準設定と特別設定との間を枢動してもよい。特別設定は、装置によって1つ以上の特別プログラムを実行させることができる。トグルスイッチ30は、第1の突起ノブ30a及び第2の突起ノブ30bが作動すると中心枢動軸の周りを回転する。1つ以上の突起ノブ30a、30bは1つ以上のアームに連結され、その1つ以上のアームは小アークを通って移動し、電気接触によって、第1又は第2の突起ノブ30a、30bの起動によって超音波トランスデューサ16を通電させるか又は電力を断つように電気回路を開閉させる。トグルスイッチ30は、超音波トランスデューサ16の起動を制御するために発生装置20に連結される。トグルスイッチ30は、超音波トランスデューサ16を起動させて超音波トランスデューサ16に対して1つ以上の電力設定を設定するための、1つ以上の電力設定スイッチを備える。トグルスイッチ30を起動するために必要な力は実質的にサドル点42に向けられるため、トグルスイッチ30が起動されたときに手中で器具が回転するあらゆる傾向を回避する。
【0022】
例示的な一実施形態において、第1及び第2の突起ノブ30a、30bはハンドルアセンブリ12の遠位端上に位置し、その結果、それらは、ハンドグリップの最小限の再配置を伴うか、又は実質的に再配置を伴わずして使用者により容易にアクセスして電力を起動することができ、トグルスイッチ30を起動させている間に制御を維持し、注意を手術部位(例えば、腹腔鏡処置におけるモニタ)に集中させるのに好適である。突起ノブ30a、30bは様々な指の長さからより容易にアクセスすることができ、扱いにくい位置で、又は短い指で起動するために自由度のより高いアクセスを可能にするために、ある程度までハンドルアセンブリ12の側面を包み込むように構成されてもよい。
【0023】
示される実施形態では、第1の突起ノブ30aは、使用者が第1の突起ノブ30aを第2突起ノブ30bから区別するのを可能にするために、示される実施形態では複数の触覚要素30c、例えば、凹凸のある突起即ち「隆起」を備える。当業者であれば、ハンドルアセンブリ12にいくつかの人間工学的特性を組み込み得ることがわかるであろう。かかる人間工学的特性は、本明細書にその全体にわたって参照により援用するところの「Ergonomic Surgical Instruments」と題される米国特許出願公開第2009/0105750号に記載されている。
【0024】
例示的な一実施形態において、トグルスイッチ30は使用者の手によって操作されてもよい。使用者は、不注意又は意図的でない起動を常に回避しつつ、任意の時点で第1及び第2の突起ノブ30a、30bに容易にアクセスすることができる。トグルスイッチ30は、超音波アセンブリ16及び/又は超音波アセンブリ16への電力を制御するために指で容易に操作され得る。例えば、人差し指を使って第1の接触部分30aを起動し、超音波アセンブリ16を最大(MAX)電力レベルまでオンにしてよい。人差し指を使って、第2の接触部分30bを起動し、超音波アセンブリ16を最小(MIN)電力レベルまでオンにしてもよい。別の実施形態では、ロッカスイッチは標準設定と特別設定との間で器具10を枢動させてもよい。特別設定は、器具10によって1つ以上の特別プログラムを実行させることができる。トグルスイッチ30は、使用者が第1又は第2の突起ノブ30a、30bを見ることなく操作することができる。例えば、第1の突起ノブ30a又は第2の突起ノブ30bは、見ずに第1の突起ノブ30aと第2の突起ノブ30bを触覚的に区別するための凹凸又は突起を備えてもよい。
【0025】
例示的な一実施形態において、遠位回転アセンブリ13は、縦軸「T」の周りをいずれの方向でも制限なく回転可能である。遠位回転アセンブリ13は長尺シャフトアセンブリ14に機械的に係合している。遠位回転アセンブリ13は、ハンドルアセンブリ12の遠位端に位置する。遠位回転アセンブリ13は、円筒形のハブ46と、ハブ46を覆うように形成される回転ノブ48と、を備える。ハブ46は、長尺シャフトアセンブリ14と機械的に係合する。回転ノブ48は縦溝彫りの高分子特徴部を含んでいてもよく、長尺シャフトアセンブリ14を回転させるために、指(例えば、人差し指)によって係合され得る。ハブ46は、回転ノブ48を形成するために、一次構造を覆うように成型される材料を備えていてもよい。回転ノブ48は、ハブ46を覆うようにオーバーモールドされていてもよい。ハブ46は、遠位端で露出される端部キャップ部分46aを備える。ハブ46の端部キャップ部分46aは、腹腔鏡下手術中にトロカールの表面と接触してもよい。ハブ46は、端部キャップ部分46aとトロカールとの間に生じ得るいかなる摩擦も軽減するために、ポリカーボネートなどの耐久性硬質プラスチックで形成されていてもよい。回転ノブ48は、より正確な回転グリップを提供するために、隆起リブ48a、及びリブ48aの間に位置する凹部分48bで形成される「スカラップ」又は縦溝を備えていてもよい。例示的な一実施形態において、回転ノブ48は複数の縦溝(例えば、3つ以上の縦溝)を備えていてもよい。他の実施形態では、任意の好適な数の縦溝が使用され得る。回転ノブ48は、硬質プラスチック材料上にオーバーモールドされるより柔らかい高分子材料で形成されていてもよい。例えば、回転ノブ48は、例えば、GLS Corporationによって作製されるVersaflex(登録商標)TPE合金を含む柔軟な弾性可撓性高分子材料から形成されてもよい。このより柔らかいオーバーモールド材料は、より大きなグリップ及び回転ノブ48の動作のより正確な制御を提供することができる。滅菌に対して充分な抵抗を提供し、生体適合性であり、外科用手袋に対して充分な摩擦抵抗を提供する任意の材料を、回転ノブ48を形成するために使用してもよいことが理解されるであろう。
【0026】
例示的な一実施形態において、ハンドルアセンブリ12は、第1の部分12aと第2の部分12bとを備える2つのハウジング部分又は側板から形成される。第1及び第2の部分12a及び12b(並びに以下に記載されるその他の構成要素)は、当該技術分野において既知の任意の方法で一緒に組み立てられてもよい。例えば、整合ピン、スナップ様インターフェース、舌部及び溝インターフェース、ロックタブ、接着ポートはすべて、組立の目的で、単独で、又は組み合わせのいずれかで利用され得る。
【0027】
図1〜2Aを参照すると、長尺シャフトアセンブリ14は、ハンドルアセンブリ12及び遠位回転アセンブリ13を機械的に係合するように適合される近位端50と、エンドエフェクタアセンブリ26と機械的に係合するように適合される遠位端52と、を備える。長尺シャフトアセンブリ14は、外部管状シース56と、外部管状シース56内に位置する往復管状作動部材58と、を備える。管状往復管状作動部材58の近位端は、トリガ32の作動及び/又は解放に応答して方向60A又は60Bのいずれかの方向に移動するように、ハンドルアセンブリ12のトリガ32に機械的に係合されている。枢動可能に動くことができるトリガ32は、縦軸「T」に沿って往復動作を起こすことができる。そのような動作は、例えば、エンドエフェクタアセンブリ26の顎部又はクランピング機構を作動させるために用いられ得る。一連の連鎖は、トリガ32の枢動回転を、作動機構に連結するヨークの軸動作に変換し、これによってエンドエフェクタアセンブリ26のクランピング機構の顎部の開閉が制御される。管状往復管状作動部材58の遠位端は、エンドエフェクタアセンブリ26に機械的に係合されている。示される実施形態において、管状往復管状作動部材58の遠位端は、トリガ32の作動及び/又は解放に応答してクランプ部材64を開閉するために、枢動点70の周りで枢動可能であるクランプ部材64に機械的に係合されている。例えば、示される実施形態において、クランプ部材64は、トリガ32が方向33Aに圧迫されると、枢動点70の周りを、方向62Aで開いた位置から閉じた位置に移動可能である。クランプ部材64は、トリガ32が解放されるか、又は方向33Bに外向きに接触するとき、枢動点70の周りを、方向62Bで閉じた位置から開いた位置に移動可能である。
【0028】
例示的な一実施形態において、エンドエフェクタアセンブリ26は、長尺シャフトアセンブリ14の遠位端52に取り付けられ、クランプ部材64とブレード66とを含む。エンドエフェクタアセンブリ26のクランピング機構の顎部は、クランプ部材64及びブレード66によって形成される。ブレード66は、超音波で作動可能であり、超音波トランスデューサ16に音響的に連結される。ハンドルアセンブリ12上のトリガ32は、合わせて、クランプ部材64が動作するように機械的に連携する駆動アセンブリと最終的に接続される。トリガ32を方向33Aに圧迫することで、開いた位置からクランプ部材64を方向62Aに移動させ、クランプ部材64及びブレード66が、互いに対して離間した関係でクランプしたか、又は閉じた位置に配置され、クランプ部材64及びブレード66は連携して、その間の組織を掴む。クランプ部材64は、ブレード66とクランプ部材64との間の組織に係合するクランプパッドを備えていてもよい。トリガ32を方向33Bに解放することで、クランプ部材64は方向62Bに、閉じた関係から開いた位置に移動し、クランプ部材64及びブレード66は、互いに離間した関係に配置される。
【0029】
ハンドルアセンブリ12の近位部分は、超音波アセンブリ16の遠位端を受容するための近位開口部68を備える。超音波アセンブリ16は、近位開口部68に挿入され、長尺シャフトアセンブリ14に機械的に係合される。
【0030】
次に図3〜5を参照すると、特定の場合において、外科器具10は、長尺シャフトアセンブリ14と多くの点で似た長尺シャフトアセンブリ114を含み得る。更に、図3に示されるように、外科器具10は、例えばエンドエフェクタアセンブリ26と多くの点で似たエンドエフェクタアセンブリ126を含み得る。特定の場合において、エンドエフェクタアセンブリ126は、例えばクランプ部材164を含み得る。特定の場合において、長尺シャフトアセンブリ114は、例えば外側管状往復部材156及び内側管状部材158を含み得る。特定の場合において、外側管状往復部材156及び内側管状部材158は、例えば長手方向軸Tに沿って同軸的に延在することができる。特定の場合において、内側管状部材158は、例えば外側管状往復部材156によって部分的に包囲され得る。特定の場合において、ブレード66は、内側管状部材158を通って延在してよく、内側管状部材158は、ブレード66を受容するように構成することができる。
【0031】
特定の場合において、ブレード66は、例えば内側管状部材158に協働するように連結することができる。特定の場合において、シール部材131(図4)は、ブレード66と内側管状部材158との間に配置されることができ、例えば長尺シャフトアセンブリ114内への液体の浸入を防ぐことができる。特定の場合において、シール部材131は、例えばブレード66の周囲又は少なくとも周囲の一部に配置されることができる。特定の場合において、シール部材131は、振動の遠位節に、又はこれに隣接して位置することができる。特定の場合において、シール部材131は、例えば、ブレード66の遠位端に最も近い節に、又はこれに隣接して位置することができる。様々な場合において、シール部材131は、例えば、ブレード66の周囲に配置されたシールリップ又はリングを含むことができる。
【0032】
特定の場合において、外側管状往復部材156は、内側管状部材158に対して軸方向に動くことができる。例えば、外側管状往復部材156は、内側管状部材158に対して近位方向に後退及び/又は遠位方向に前進させることができる。特定の場合において、ブレード66は、内側管状部材158と連結することができる。このような場合、外側管状往復部材156は、例えばブレード66及び内側管状部材158に対して近位方向に後退及び/又は遠位方向に前進させることができる。
【0033】
外側管状往復部材156の近位部分は、トリガ32の作動及び/又は解除に応じて方向160A又は160Bのいずれかに動くようにハンドルアセンブリ12のトリガ32と動作可能に連結することができる。外側管状往復部材156の遠位部分127は、エンドエフェクタアセンブリ126に可動に連結することができる。少なくとも1つの例では、外側管状往復部材156の遠位部分127は、クランプ部材164に枢動可能に連結することができる。例えば、外側管状往復部材156を第1の位置すなわち後退位置と第2の位置すなわち前進位置との間で往復運動させることにより、クランプ部材164を例えば超音波ブレード66の近づいた形態と開いた形態との間で移行させることができる。例えば、図3は、ブレード66に対して部分的に開いた形態にあるクランプ部材164を示している。
【0034】
特定の場合において、クランプ部材164は、例えば外側管状往復部材156の遠位部分127の指定されたスロット171(図4)内に受容され得る枢動ピン170(図5)によって画定される枢動点において外側管状往復部材156に枢動可能に連結することができる。そのような場合、クランプ部材164は、外側管状往復部材156の往復運動に応じてピン170を中心として枢動することでブレード66に対して近づいた形態と開いた形態との間で移行することができる。
【0035】
上記に加えて、クランプ部材164は、内側管状部材158に枢動可能に連結されてもよく、例えば外側管状往復部材156の往復運動に応じて内側管状部材158に対して枢動するように構成することができる。特定の場合において、内側管状部材158は、図3に示されるように、内側管状部材158の遠位端部分に配置された連結部材157を含み得る。特定の場合において、クランプ部材164は、連結部材157に枢動可能に連結することができる。例えば、枢動ピン159がクランプ部材164の開口部161を通り、更に連結部材157を通って延在することで、クランプ部材164を連結部材157に枢動可能に連結することができる。
【0036】
いずれの場合も、例えば、外側管状往復部材156を第1の位置と第2の位置との間で往復運動させることで、クランプ部材164をピン159及びピン170を中心として枢動させてブレード66に対して開いた形態と近づいた形態との間で移行させることができる。特定の場合において、クランプ部材164を連結部材157に連結するピン159、及びクランプ部材164を外側管状往復部材156の遠位部分127に連結するピン170は、図3に示されるようにブレード66の両側に位置し得る。別の言い方をすれば、ブレード66は、遠位部分127とブレード66との間に配置することができる。
【0037】
図3に示されるような特定の場合において、ブレード66は、外側管状往復部材156の遠位部分127と連結部材157との間に延在し得る。遠位部分127が部分的に開かれることで、例えば連結部材157が露出又は部分的に露出することができる。特定の場合において、例えば、連結部材157の側面は、ブレード66と相補的な形状を含み得る。
【0038】
特定の場合において、連結部材157は、内側管状部材158と単一部品として製造してもよい。例えば、連結部材157及び内側管状部材158は、単一部品として共に射出成形することができる。他の場合において、連結部材157及び内側管状部材158は別々に製造し、外科器具10の組立時に共に取り付けてもよい。少なくとも1つの例では、連結部材157及び内側管状部材158は、それぞれ相補的部分165及び167を含み、これらを例えば互いに溶接することによって連結部材157を内側管状部材158に取り付けることができる。内側管状部材158及び連結部材157を製造及び/又は取り付けるためのその他の機構は、本開示によって想到される。読者には、連結部材157を別に製造することによって連結部材157の寸法においてより高い精度を得ることができ、これにより、外科器具10の組立時にクランプ部材164とブレード66との間のより良いアライメントにつながり得ることが認識されるであろう。
【0039】
図4に示されるように、特定の場合では、連結部材157は内側管状部材158の壁よりも大きな厚さを備えることができる。連結部材157の厚さが大きくなることによって、開いた形態と近づいた形態との間で移行する際にクランプ部材164に安定性を与えることができる。更に、連結部材157の厚さが大きくなると、例えばピン159を受容するための通孔169を設けるための充分なスペースを得ることができる。
【0040】
上記に加えて、本開示は、例えば外科器具10のような外科器具を組み立てるための方法を提供する。特定の場合において、外科器具10を組み立てるための方法は、ブレード66とクランプ部材164との間の適正なアライメントを確実にすることができる。読者には、近づいた形態でブレード66を通ってクランプ部材164とブレード66との間に捕捉された組織に超音波エネルギーを適切に伝達するためには、クランプ部材164とブレード66とを正確に整列させることが望ましい場合があることが認識されるであろう。特定の場合では、例えばクランプ部材164の曲率をブレード66の曲率と確実に整列させるために、例えばクランプ部材164をブレード66と回転方向に整列させることが望ましい場合がある。特定の場合では、例えばブレード66の遠位端66aをクランプ部材164の遠位端164aと軸方向に整列させることが望ましい場合がある。
【0041】
いずれの場合も、外科器具10を組み立てるための方法は、ブレード66を内側管状部材158に対して位置決めする工程、内側管状部材158を外側管状往復部材156に対して位置決めする工程、クランプ部材164を外側管状往復部材156に連結する工程、クランプ部材164を連結部材157に連結する工程、及び/又は連結部材157を内側管状部材158に取り付ける工程を含むことができる。読者には、組立段階まで内側管状部材158への連結部材157の取り付けを保留することによって、クランプ部材164と連結部材157との相対位置の精密な調節が容易となり、これにより、ブレード66とクランプ部材164との間の適正な回転方向及び軸方向のアライメントが確実になることが認識されるであろう。
【0042】
ここで図6〜9を参照すると、外科器具10は長尺シャフトアセンブリ214を含むことができる。図6は、長尺シャフトアセンブリ214の部分断面図を示す。長尺シャフトアセンブリ214は、長尺シャフトアセンブリ14及び/又は長尺シャフトアセンブリ114に多くの点で似ている。特定の場合において、長尺シャフトアセンブリ214は、例えば長尺シャフトアセンブリ14と同様の要領でクランプ部材64を作動させるためにエンドエフェクタアセンブリ26と連結係合されるように適合させることができる。特定の場合において、長尺シャフトアセンブリ214は、例えば長尺シャフトアセンブリ114と同様の要領でクランプ部材164を作動させるためにエンドエフェクタアセンブリ126と連結係合されるように適合されることができる。
【0043】
いずれの場合も、長尺シャフトアセンブリ214は、例えば外側管状部材56及び/又は外側管状部材156と多くの点で似ている外側管256を含むことができる。更に、長尺シャフトアセンブリ214は、例えば内側管状部材58及び/又は内側管状部材158と多くの点で似ている内側管258を含むことができる。更に、長尺シャフトアセンブリ214は、超音波ブレード66と多くの点で似ている超音波ブレード266を含むことができる。例えば、超音波ブレード66と同様に、超音波ブレード266はトランスデューサ16に音響的に連結することができる。
【0044】
様々な場合において、外科器具10の例示的な組立形態では、外側管256及び内側管258は、図6Aに示されるように長手方向軸Tに沿って同軸的に延在することができる。特定の場合において、内側管258は、例えば外側管256によって部分的に包囲され得る。特定の場合において、ブレード266は内側管258を通って延在してよく、内側管258はブレード266を受容するように構成することができる。特定の場合において、ブレード266は、例えば内側管258に協働するように連結されることができる。
【0045】
上記に述べたように、例えば超音波ブレード266のような超音波ブレードの、外科器具10のその他の構成要素に対する回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントは、超音波エネルギーの効率的な伝達が挙げられるがこれに限定されない外科器具10の適正な性能を保証するうえで重要となり得る。様々な場合において、内側管258及び/又はブレード266は、外科器具10のその他の構成要素に対するブレード266の回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立すると共に、そのような回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを、例えば外科手術における外科器具10の使用中に維持することができる1つ以上のアライメント要素を含むことができる。図6に示されるように、少なくとも1つの例では、内側管258はアライメント要素258aを含むことができ、ブレード266はアライメント要素266aを含むことができる。
【0046】
様々な場合において、図6及び8を主として参照すると、アライメント要素258a及び/又は266aは、ブレード266に沿った振動の節に配置することができる。上記に述べたように、振動の節では、振動運動の交差が最小であるか又はまったくない可能性があり、アライメント要素258a及び/又は266aを振動の節に配置することでブレード266の動作との干渉を低減することができ、これにより、例えば超音波エネルギーの伝達効率を高めることができる。特定の場合において、アライメント要素258a及び/又は266aは振動の遠位節に配置することができる。特定の場合において、アライメント要素258a及び/又は266aは、例えばブレード266の遠位端に最も近い節に配置することができる。
【0047】
様々な場合において、図6〜9を参照すると、アライメント要素258a及び/又はアライメント要素266aは、例えばオーバーモールド成形されたシリコーンゴムブッシングのような1つ以上の振動隔離部分259を含むことができる。様々な場合において、振動隔離部分259は、例えばブレード266及び/又は内側管258上にオーバーモールド成形することができる。特定の場合では、図6に示されるように、振動隔離部分259はシール部材131と一体形成することができる。
【0048】
特定の場合では、図6Aに示されるように、ブレード266のアライメント要素266aは、例えば内側管258のアライメント要素258aの制限部材258cを受容するように構成することができる受容部分266cで構成することができる。様々な場合において、受容部分266cは、制限部材258cと当接することによって、外科器具10のその他の構成要素に対するブレード266の回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立すると共に、そのような回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを、例えば外科手術における外科器具10の使用中に維持することができる。図6Aに示されるように、受容部分266cは、例えば制限部材258cと嵌合係合するように適合されることができるブレード266の本体のスロット、切欠き、溝、開口、及び/又は間隙で構成されることができる。例えば、制限部材258cは、受容部分266cのソケット内に挿入され得るタブ、舌状要素、又はラッチを含むことによって、外科器具10のその他の構成要素に対するブレード266の回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立すると共に、そのような回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを、例えば外科手術における外科器具10の使用中に維持することができる。図10に示されるように、特定の場合では、アライメント要素258aは、ブレード266の対応する平坦部266bと整列させることができる平坦部258bを含むことにより、ブレード266と内側管258との間の回転方向のアライメントを確立すると共に、そのようなアライメントを、例えば外科手術における外科器具10の使用中に維持することができる。
【0049】
図7を参照すると、特定の場合では、内側管258は、例えば内側管258の壁に側部開口部272を有することができる。特定の場合では、例えば、制限部材258cの少なくとも一部を内側管258の側部開口部272を通して挿入して受容部分266cと係合させることによって、制限部材258cを受容部分266cと当接させることができる。特定の場合において、ブレード266は、受容部分266cが内側管の側部開口部272と対向するようにして、内側管258内に挿入して内側管258と整列させることができる。これにより、制限部材258cを内側管258の側部開口部272を通して挿入又は少なくとも部分的に挿入して受容部分266cと係合させることができ、これにより例えばブレード266と内側管258との間の回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立し維持することができる。特定の場合において、制限部材258cは、例えば側部開口部272において内側管258に固定的に取り付けることができる。特定の場合において、制限部材258cは、例えば側部開口部272において内側管258の壁に溶接することができる。特定の場合において、制限部材258cは、例えばスナップ状の接触面、ロックタブ、及び/又は接着剤によって内側管258に組み付けることができる。少なくとも1つの例では、制限部材258cは、例えば内側管258に溶接することができるCクリップ又はピンを含むことができる。
【0050】
図11及び12を主に参照すると、特定の場合では、シール部材131は、ブレード266のアライメント要素266aに多くの点で似ているアライメント要素131aを含むことができる。例えば、アライメント要素131aは、外科器具10のその他の構成要素に対するブレード266の回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立し維持するうえでアライメント要素266aと同じ要領で使用することができる。特定の場合において、アライメント要素131aは、制限部材258cを受容するように適合されることができる受容部分266cと似た受容部分131cを含むことができる。特定の場合において、アライメント要素131aは、アライメント要素266aの平坦部266bに多くの点で似た平坦部131bを含むことができる。特定の場合では、図12に示されるように、平坦部131bは内側管258の平坦部258bと当接するように適合されることができる。
【0051】
特定の場合では、図11及び12に示されるように、内側管258のアライメント要素258aは、内側管258の遠位部分に配置することができる。特定の場合において、内側管258は、内側管258の遠位部分に保持キャップ258dを含むことができる。特定の場合において、アライメント要素258aは、例えば保持キャップ258dの内壁に配置されることができる。特定の場合では、図12に示されるように、保持キャップ258dは、例えば側部開口部272を含むことができる。制限部材258cの少なくとも一部を保持キャップ258dの側部開口部272を通して挿入して受容部分131cに係合させることによって、例えば制限部材258cなどの制限部材を受容部分131cと当接させることができる。
【0052】
様々な場合において、シール部材131はブレード266と連結することができる。例えば、図12に示されるように、シール部材131は、ブレード266の周囲又は少なくとも周囲の一部にぴったりと嵌着することができる。そのような場合、シール部材131のアライメント要素131aを保持キャップ258dのアライメント要素258aと当接させることによって、シール部材131と保持キャップ258dとの間の回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立及び維持することができ、これにより、例えばブレード266と内側管258との間の回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立及び維持することができる。
【0053】
様々な場合において、図13を主に参照すると、長尺シャフトアセンブリ214は、内側管258とブレード266との間に配置されることができる挿入部材274を含むことができる。特定の場合において、挿入部材274は、図13に示されるように、ブレード266の複数の対応する平坦部266d〜266fと当接するように適合されることができる複数の平坦部274a〜274cを含むことができる。かかる構成によって、挿入部材274とブレード266との間の回転方向の位置決め及び/又はアライメントを確立及び維持することができ、これにより、例えばブレード266と内側管258との間の回転方向の位置決め及び/又はアライメントを確立及び維持することができる。
【0054】
特定の場合において、挿入部材274は、内側管258に固定的に取り付けることができる。少なくとも1つの例では、挿入部材274は、内側管258に溶接することができる。そのような場合、挿入部材274は、外科器具10の組立時にブレード266と内側管258との間で定位置に配置されることができる。挿入部材274とブレード266との間の回転方向の位置決め及び/又はアライメントを必要な程度で調節した後、そのような回転方向の位置決め及び/又はアライメントを維持するために、例えば挿入部材274は内側管258に溶接されることができる。
【0055】
特定の場合において、挿入部材274は、振動の遠位節に、又はこれに隣接して配置することができる。特定の場合において、挿入部材274は、例えばブレード266の遠位端に最も近い節に配置することができる。少なくとも1つの例では、挿入部材274は、ブレード266と内側管258との間に挿入可能な単一の平坦な壁を備えることができる。少なくとも1つの例では、挿入部材274は、ブレード266と内側管258との間に挿入可能な2つの平坦な壁を備えることができる。平坦な壁同士は、垂直な、又は少なくともほぼ垂直な角度で交差することができる。図13に示されるように、少なくとも1つの例では、挿入部材274は、ブレード266と内側管258との間に挿入可能な3つの平坦な壁を備えることができる。
【0056】
様々な場合において、図14を主に参照すると、長尺シャフトアセンブリ214は、特定の場合にて例えば半円形の横断面を含み得るチャネル258’で内側管258を置き換えることによって改変することができる。様々な場合において、ブレード266に多くの点で似ているブレード266’は、チャネル258’と組み付けることができる。図15に示されるように、チャネル258’及びブレード266’は、それぞれ相補的なアライメント要素276及び278を含むことができる。様々な場合において、アライメント要素276及び278は、例えばアライメント要素258a及び266aと多くの点で似たものであり得る。特定の場合では、アライメント要素276と278とを当接させることによって、例えばチャネル258’とブレード266’との間の回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立及び維持することができる。
【0057】
図15に示されるように、特定の場合では、チャネル258’のアライメント要素276は1つ以上のディボット276aを含むことができる。特定の場合では、各ディボット276aは、例えばブレード266’のアライメント要素278の2つのディボット278aの間に受容され得る。ディボット276a及び278aは、例えばチャネル258’とブレード266’との間の回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立及び維持するように協働し、例えば外科手術における外科器具10の使用中にこれを維持して回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立及び維持することができる。
【0058】
特定の場合において、アライメント要素276及び278は、例えばチャネル258’とブレード266’との間の回転方向の位置決め及び/又はアライメントを確立及び維持するように当接させることができる相補的な平坦部を含むことができる。少なくとも1つの例では、アライメント要素276は図14に示されるように、チャネル258’の3つの内壁上に配置することができる3つの平坦部276bを含むことができる。更に、ブレード266’は、例えば平坦部276bと嵌合係合するための3つの平坦部278bを含んでもよい。様々な場合において、アライメント要素276及び/又は278は、1つ以上の振動の節に、又はこれに隣接して配置することができる。特定の場合において、アライメント要素276及び/又は278は、例えばブレード266の遠位部分で1つ以上の振動の節に配置することができる。
【0059】
様々な場合においては、図6に示されるように、長尺シャフトアセンブリ214は、例えばクランプ部材64とブレード266との間に組織を捕捉するために、開いた形態と近づいた形態との間でクランプ部材64を作動させるようにエンドエフェクタアセンブリ26に連結係合されるように適合されることができる。そのような場合、クランプ部材64を作動させることによってブレード266に対するクランプ力を発生させることができる。様々な場合において、長尺シャフトアセンブリ214は、例えばクランプ部材164とブレード266との間に組織を捕捉するために、開いた形態と近づいた形態との間でクランプ部材164を作動させるようにエンドエフェクタアセンブリ126に連結係合されるように適合されることができる。そのような場合、クランプ部材164を作動させることによってブレード266に対するクランプ力を発生させることができる。
【0060】
特定の場合では、クランプ部材164又はクランプ部材64によって発生されるクランプ力は、例えばブレード266の平坦部266bによって画定される平面Pと交差するベクトルに沿って適用されることができる。特定の場合では、発生するクランプ力のベクトルは、例えば平面Pと垂直な、又は少なくともほぼ垂直な角度をなすことができる。特定の場合では、発生するクランプ力のベクトルとブレード266の平坦部266bによって画定される平面Pとの間の角度は、約85°〜約95°の範囲から選択される任意の値であってよい。特定の場合では、発生するクランプ力のベクトルとブレード266の平坦部266bによって画定される平面Pとの間の角度は、約89°〜約91°の範囲から選択される任意の値であってよい。特定の場合では、発生するクランプ力のベクトルとブレード266の平坦部266bによって画定される平面Pとの間の角度は、約90°であってよい。
【0061】
様々な場合において、図6に示されるように、エンドエフェクタアセンブリ26のクランプ部材64は、ブレード266の平坦部266bによって画定される平面Pと交差する平面P1に沿って、又は少なくとも実質的に沿って、開いた形態と閉じた形態との間で動かすことができる。特定の場合では、平面P1は平面Pと垂直、又は少なくともほぼ垂直であってよい。特定の場合では、平面P1と平面Pとの間の角度は、約85°〜約95°の範囲から選択される任意の角度である。特定の場合では、平面P1と平面Pとの間の角度は、約89°〜約91°の範囲から選択される任意の角度である。
【0062】
同様に、エンドエフェクタアセンブリ126のクランプ部材164は、ブレード266の平坦部266bによって画定される平面Pと交差する平面P2に沿って、又は少なくとも実質的に沿って、開いた形態と閉じた形態との間で動かすことができる。特定の場合では、平面P2は平面Pと垂直、又は少なくともほぼ垂直であってよい。特定の場合では、平面P2と平面Pとの間の角度は、約85°〜約95°の範囲から選択される任意の角度である。特定の場合では、平面P2と平面Pとの間の角度は、約89°〜約91°の範囲から選択される任意の角度である。
【0063】
様々な場合において、図6に示されるように、エンドエフェクタアセンブリ26のクランプ部材64及び内側管258の平坦部258bは、ブレード266の平坦部266bによって画定される平面Pの両側に配置することができる。そのような場合、クランプ部材64によって発生するクランプ力は、ブレード266のアライメント要素266aを、内側管258のアライメント要素258aに向かって付勢、誘導及び/又は動かすことができる。特定の場合では、クランプ部材64によって発生するクランプ力は、ブレード266のアライメント要素266aを、内側管258のアライメント要素258aと接触させることができる。
【0064】
同様に、エンドエフェクタアセンブリ126のクランプ部材164及び内側管258の平坦部258bは、ブレード266の平坦部266bによって画定される平面Pの両側に配置することができる。そのような場合、クランプ部材164によって発生するクランプ力は、ブレード266のアライメント要素266aを、内側管258のアライメント要素258aに向かって付勢、誘導及び/又は動かすことができる。特定の場合では、クランプ部材164によって発生するクランプ力は、ブレード266のアライメント要素266aを、内側管258のアライメント要素258aと接触させることができる。
【0065】
次に図16〜20を参照すると、超音波外科器具310が示されている。超音波外科器具310は、超音波外科器具10に多くの点で似ている。例えば、器具310は、超音波ブレード66に多くの点で似ている超音波ブレード366を含む。ブレード66と同様、ブレード366は、例えば超音波トランスデューサ16と音響的に連結することができる。更に、器具310は、例えばクランプ部材64及び/又はクランプ部材164に多くの点で似ているクランプ部材364を含むことができる。
【0066】
様々な場合において、超音波外科器具310は開腹手術で使用することができる。特定の場合では、クランプ部材364は、例えばハンドル301を作動することによって超音波ブレード366に対して近づいた形態と開いた形態との間で移行することができる。特定の場合では、クランプ部材364は、枢動点370において支持シャフト358と枢動可能に連結することができる。そのような場合、クランプ部材364は、ハンドル301を作動することによって点370を中心として枢動させることができる。ブレード366は支持シャフト358を通って延在してよく、支持シャフト358はブレード266を受容するように構成することができる。
【0067】
様々な場合において、例えば超音波ブレード366のような超音波ブレードの、外科器具310のその他の構成要素に対する回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントは、超音波エネルギーの効率的な伝達が挙げられるがこれに限定されない外科器具310の適正な性能を保証するうえで重要となり得る。様々な場合において、支持シャフト358及び/又はブレード366は、外科器具310の他の構成要素に対するブレード366の回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを確立することができる1つ以上のアライメント要素を含むことができる。アライメント要素は、例えば外科手術における超音波外科器具310の使用中、回転方向及び/又は軸方向の位置決め及び/又はアライメントを維持することもできる。図17に示されるように、少なくとも1つの例では、支持シャフト358はアライメント要素358aを含むことができ、ブレード366はアライメント要素366aを含むことができる。
【0068】
様々な場合において、図16〜18を主に参照すると、アライメント要素358a及び/又は366aは、ブレード366に沿って振動の節に配置することができる。上記に述べたように、振動の節では、振動運動の交差が最小であるか又はまったくない可能性があり、アライメント要素358a及び/又は366aを振動の節に配置することでブレード366の動作との干渉を低減することができ、これにより、例えば超音波エネルギーの伝達効率を高めることができる。特定の場合では、アライメント要素358a及び/又は366aは振動の遠位節に配置することができる。特定の場合では、アライメント要素358a及び/又は366aは、例えばブレード366の遠位端に最も近い節に配置することができる。
【0069】
様々な場合において、図16〜18を参照すると、アライメント要素358a及び/又はアライメント要素366aは、例えばオーバーモールド成形されたシリコーンゴムブッシングのような1つ以上の振動隔離部分259を含むことができる。様々な場合において、振動隔離部分259は、例えばブレード366及び/又は支持シャフト358上にオーバーモールド成形することができる。特定の場合では、振動隔離部分259はシール部材131と一体形成することができる。図17に示されるように、シール部材131はブレード366と支持シャフト358との間に配置することができる。特定の場合では、シール部材131は、例えばブレード366の周囲又は少なくとも周囲の一部に配置することができる。特定の場合では、シール部材131は、振動の遠位節に、又はこれに隣接して配置することができる。特定の場合では、シール部材131は、例えばブレード366の遠位端に最も近い節に、又はこれに隣接して配置することができる。様々な場合において、シール部材131は、例えばブレード366の周囲に配置されたシールリップ又はリングを含むことができる。
【0070】
図17〜20に示されるように、特定の場合では、アライメント要素358aは、ブレード266の対応する平坦部366bと整列させることができる平坦部358bを含むことにより、ブレード366と支持シャフト358との間で回転方向のアライメントを確立し、そのようなアライメントを、例えば外科手術における外科器具310の使用中、維持することができる。特定の場合では、当接する平坦部358b及び/又は366bの表面積が大きいほど、それらの間で得られるアライメントはより安定したものとなる。少なくとも1つの例では、当接する平坦部358b及び/又は366bの表面積の一方又は両方が、例えば正方形などの多辺形状を有してよい。少なくとも1つの例では、当接する平坦部358b及び/又は366bの表面積の一方又は両方が、円形の形状を有してもよい。
【0071】
様々な場合において、支持シャフト358は上述したように、例えばクランプ部材364とブレード366との間に組織を捕捉するために、ハンドル301の作動によってクランプ部材364を開いた形態と近づいた形態との間で移行させることができるように、クランプ部材364に枢動可能に連結することができる。そのような場合、クランプ部材364は、ブレード366に対するクランプ力を発生させることができる。
【0072】
特定の場合では、クランプ部材364によって発生するクランプ力は、例えばブレード366の平坦部366bによって画定される平面Pと交差するベクトルに沿って適用されることができる。特定の場合では、発生するクランプ力のベクトルは、例えば平面Pと垂直な、又は少なくともほぼ垂直な角度をなすことができる。特定の場合では、発生するクランプ力のベクトルとブレード366の平坦部366bによって画定される平面Pとの間の角度は、約85°〜約95°の範囲から選択される任意の値であってよい。特定の場合では、発生するクランプ力のベクトルとブレード366の平坦部366bによって画定される平面Pとの間の角度は、約89°〜約91°の範囲から選択される任意の値であってよい。
【0073】
様々な場合において、図16に示されるように、クランプ部材364は、ブレード366の平坦部366bによって画定される平面Pと交差する平面P1に沿って、又は少なくとも実質的に沿って、開いた形態と閉じた形態との間で動くことができる。特定の場合では、平面P1は平面Pと垂直、又は少なくともほぼ垂直であってよい。特定の場合では、平面P1と平面Pとの間の角度は、約85°〜約95°の範囲から選択される任意の角度である。特定の場合では、平面P1と平面Pとの間の角度は、約89°〜約91°の範囲から選択される任意の角度である。
【0074】
様々な場合において、図16及び18を主に参照すると、クランプ部材364及び支持シャフト358の平坦部358bは、例えばブレード366の平坦部366bによって画定される平面Pの両側に配置することができる。そのような場合、クランプ部材364によって発生するクランプ力は、ブレード266のアライメント要素366aを、支持シャフト358のアライメント要素358aに向かって付勢、誘導及び/又は動かすことができる。特定の場合では、クランプ部材364によって発生するクランプ力は、ブレード366のアライメント要素366aを、内側管358のアライメント要素358aと接触させることができる。図17に示されるように、特定の場合では、超音波外科器具310の組立後にわずかな回転方向のアライメントずれが残っている場合がある。しかしながら、そのようなわずかな回転方向のアライメントずれは、例えば、クランプ部材364によってブレード366に対して発生するクランプ力の適用によりブレード266のアライメント要素366aが支持シャフト358のアライメント要素358aに向かって付勢される際に補正される。
【0075】
上記に述べたように、超音波外科器具10(図2)は、例えばハンドルアセンブリ12(図2)のようなハンドルアセンブリ、例えばエンドエフェクタアセンブリ26(図2A)のようなエンドエフェクタアセンブリ、及びハンドルアセンブリ12とエンドエフェクタアセンブリ26との間に延在する、例えば長尺シャフトアセンブリ14(図2)のような長尺シャフトアセンブリを含むことができる。ハンドルアセンブリ12は、近位端において超音波トランスデューサ16を受容するように適合させることができる。超音波トランスデューサ16は、長尺シャフトアセンブリ14及びエンドエフェクタアセンブリ26の一部に機械的に係合させることができる。更に、ハンドルアセンブリ12は、例えばトリガアセンブリ24のようなトリガアセンブリを含むことができる。上記に述べたように、トリガアセンブリ24は、固定ハンドル34と共に動作するトリガ32を含むことができる。
【0076】
様々な場合において、トリガ32は、往復作動部材402(図21)に動作可能に連結することができる。少なくとも1つの例では、連結アセンブリを用いてトリガ32を往復作動部材402に連結させることができる。図21に示されるように、特定の場合では、往復作動部材402はクランプ部材64に動作可能に連結されることができる。少なくとも1つの例では、例えば長尺シャフトアセンブリ14の外側管状シース56などの駆動シャフトを用いて、例えば往復作動部材402からの作動運動をクランプ部材64に伝達することができる。読者には、特定の場合では長尺シャフトアセンブリ114の内側管状部材158を駆動シャフトとして用いることができることが認識されるであろう。このような場合、内側管状部材158は、例えば往復作動部材402に動作可能に連結されることができる。
【0077】
いずれの場合も、トリガ32は、固定ハンドル34に対して枢動可能に動くことができることによって、往復作動部材402を図21Aに示される第1の位置と図21Bに示される第2の位置との間で往復運動させることができる。特定の場合では、第1の位置は、例えば第2の位置に対して遠位の位置とすることができる。特定の場合では、クランプ部材64は、例えば往復作動部材402の第1の位置と第2の位置との間の往復運動に応じて超音波ブレード66に対して開いた形態と閉じた形態との間で移行することができる。少なくとも1つの例では、クランプ部材64は、往復作動部材402が図21に示されるように第1の位置にある間、完全に開いた形態となることができる。少なくとも1つの例では、超音波ブレード66に向かうクランプ部材64の経路が妨げられなければ、クランプ部材64は、往復作動部材402が第2の位置にある間、完全に閉じた形態となることができる。
【0078】
特定の場合では、トリガ32は、固定ハンドル34に向かって方向33Aに枢動可能に動くことができることによって往復作動部材402を第2の位置に向かって移行させ、クランプ部材64を閉じた形態に向かって移行させる。特定の場合では、トリガ32は、例えば固定ハンドル34から遠ざかる方向33Bに枢動可能に動くことができることによって往復作動部材402を第1の位置に向かって移行させ、クランプ部材64を閉じた形態に向かって移行させる。
【0079】
特定の場合では、使用者がトリガ32に対する圧迫力を解放する際、付勢機構404によってトリガ32を方向33Bに枢動可能に動かすことができる。付勢機構404は、図21Aに示されるように第1の位置に向かって往復作動部材402を付勢し、クランプ部材64を開いた形態に向かって付勢することができる。特定の場合では、付勢機構404は1つ以上のばねを備えることができる。少なくとも1つの例では、付勢機構404は、例えば図21に示されるように近位ばね406及び/又は遠位ばね408を含むことができる。
【0080】
様々な場合において、付勢機構404は、第1の位置に往復作動部材402を維持するように往復作動部材402に初期荷重を適用するように構成することができ、これにより、往復作動部材402は図21に示されるようにクランプ部材64を開いた形態に維持する。例えば、付勢機構404によって往復作動部材402に対して適用される初期荷重は、初期荷重に打ち勝って往復作動部材402を例えば第1の位置から第2の位置に向かって誘導し、クランプ部材64を開いた形態から閉じた形態に向かって誘導するのに必要な初期力を少なくともある程度規定することが読者には認識されるであろう。
【0081】
初期荷重を正確かつ再現可能に設定及び維持することで、初期荷重に打ち勝つのに必要な初期力を確実に均一にすることができることも読者には認識されるであろう。このような均一性は、外科器具10の使用者が、初期力を発生させるためにトリガ32を圧迫する際にある種の触覚的な記憶を生じさせるうえで助けとなるものである。別の言い方をすれば、初期荷重の変動をなくすか又は少なくとも低減させることによって、外科器具10の使用者は、例えばトリガ32を使用するうえでトリガ32を圧迫することに伴う触覚的な記憶を生じさせることを促進する予測性の要素が得られる。更に、初期荷重を正確かつ再現可能に設定及び維持することで、外科器具10は一定かつ最適化されたクランプ力を組織上に確実に生じさせ、これにより、一定かつ最適な止血及び組織効果が作り出される。
【0082】
様々場合において、ハンドルアセンブリ12は、往復作動部材402に対する初期荷重を所定の値に設定及び維持するために用いることができる荷重調節アセンブリ410を備えてもよい。図21に示されるように、特定の場合では、荷重調節アセンブリ410は、例えば外側管状シース56又は内側管状部材158のような外科器具10の駆動シャフトに連結することができる。荷重調節アセンブリ410は、停止部412及び荷重調節部材414を含むことができる。特定の場合では、停止部412は、例えば荷重調節部材414に対して遠位の位置に配置されることができる。少なくとも1つの例では、停止部412は、荷重調節部材414に対して近位の位置に配置されることができる。
【0083】
図21に示されるように、特定の場合では、付勢機構404は、停止部412と荷重調節部材414との間に配置されることができる。往復作動部材402は、停止部412と付勢機構404との間に配置されることができる。特定の場合において、往復作動部材402は、図21Aに示されるように、第1の位置において停止部412に対して当接される。上記に述べたように、特定の場合では、付勢機構404は近位ばね406及び遠位ばね408を含むことができる。第1の(fist)ワッシャ407は、例えば近位ばね407と遠位ばね408との間に配置されることができる。第2のワッシャ409は、例えば遠位ばね408と往復作動部材402との間に配置されることができる。停止部412、荷重調節部材414、及び付勢機構404の互いに対するその他の相対位置及び/又は配置も、本開示によって想到される。
【0084】
様々な場合において、停止部412と荷重調節部材414との間の距離によって、往復作動部材402に対する初期荷重を決めることができる。特定の場合では、荷重調節部材414が停止部412に対して動かすことができることにより、停止部412と荷重調節部材414との間の距離を調節することによって往復作動部材402に対して適用される初期荷重を所定の値に調節することができる。特定の場合では、初期荷重の所定の値に達した時点で、下記により詳細に述べるように荷重調節部材414を停止部412に対して定位置に固定することにより、停止部412と荷重調節部材414との間の距離が固定される。
【0085】
特定の場合では、停止部412に対して荷重調節部材414を動かすことで、付勢機構404のばね406及び/又は408が、付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる荷重を変えるように誘導される。少なくとも1つの例では、停止部412に向かって荷重調節部材414を動かすことで、付勢機構404のばね406及び/又は408が圧縮され、これにより付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる初期荷重が大きくなる。少なくとも1つの例では、停止部412から遠ざかる方向に荷重調節部材414を動かすことで、付勢機構404のばね406及び/又は408が少なくとも部分的に圧縮から解放され、これにより付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる初期荷重が小さくなる。
【0086】
特定の場合では、荷重調節アセンブリ410は鍔体416を含んでもよい。鍔体416は、例えば外側管状シース56又は内側管状部材158のような外科器具10の駆動シャフトに取り付けることができる。図23は、外側管状シース56と組み立てられた鍔体416を示している。図23に示されるように、鍔体416は、外側管状シース56の周囲に配置することができる、例えば円筒状又は少なくともほぼ円筒状の形状を有することができる。図23に示されるように、特定の場合では、鍔体416は、例えば外側管状シース56の複数の対応する開口部56Aと嵌合係合するように構成された複数の嵌合部材416Aを備えることができる。図23に示されるように、嵌合部材416Aは、鍔体416の内壁上に配置することができる。少なくとも1つの例では、鍔体416は外側管状シース56に接着することができる。別の例では、鍔体416は外側管状シース56に溶接することができる。鍔体416を外側管状シース56に取り付けるためのその他の技法は、本開示によって想到される。
【0087】
図23に示されるように、鍔体416は外側管状シース56の近位部分に取り付けることができる。特定の場合では、鍔体416及び停止部412は、単一の部品として製造することができる。停止部412は、例えば鍔体416の遠位端に配置されたフランジで構成されることができる。特定の場合では、荷重調節部材414は鍔体416と連結されることができる。例えば、鍔体416は、荷重調節部材414を受容するように構成することができる螺刻近位部分416bを含むことができる。荷重調節部材414は、例えば図23に示されるように、螺刻近位部分416bと螺着することができる。このような場合、荷重調節部材414を鍔体416に対して第1の方向、例えば時計回りの方向に回転させることによって、荷重調節部材414を停止部412に向かって前進させ、荷重調節部材414を鍔体416に対して第2の方向、例えば反時計回りの方向に回転させることによって、荷重調節部材414を停止部412から遠ざかる方向に後退させることができる。荷重調節部材414を停止部412に向かって前進させることでばね406及び/又は408が圧縮され、これにより往復作動部材402に対して加えられる荷重を大きくすることができる。これに対して、荷重調節部材414を停止部412から遠ざかる方向に後退させることでばね406及び/又は408が圧縮から少なくとも部分的に解放され、これにより往復作動部材402に対して加えられる荷重を小さくすることができる。
【0088】
特定の場合では、往復作動部材402に対して加えられる初期荷重を所定の値に設定するために、荷重観測ユニットを用いることができる。付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる荷重は、荷重観測ユニットによって観測することができる。一方で、例えば荷重調節部材414を時計回り及び/又は反時計回りに回転させることによって、荷重観測ユニットからのフィードバックに基づいた所定の値に初期荷重を調節することができる。初期荷重が所定の値に設定された時点で、特定の場合では、荷重調節部材414の最終位置を固定することで初期荷重を所定の値に維持することができる。特定の場合では、荷重調節部材414の最終位置は、荷重調節部材414を鍔体416に固定することによって固定することができる。少なくとも1つの例では、荷重調節部材414の最終位置は、荷重調節部材414を最終位置において鍔体416に溶接することによって固定することができる。少なくとも1つの例では、荷重調節部材414の最終位置は、荷重調節部材414を最終位置において鍔体416に接着することによって固定することができる。荷重調節部材414を最終位置において鍔体416に固定するためのその他の技法は、本開示によって想到される。
【0089】
主に図24を参照すると、特定の場合では、外科器具10のハンドルアセンブリ12は、荷重調節アセンブリ410に多くの点で似た荷重調節アセンブリ510を含むことができる。例えば、荷重調節アセンブリ510は付勢機構404を含む。また、荷重調節アセンブリ410と同様に、荷重調節アセンブリ510は、例えば外側管状シース56(図24)又は内側管状部材158のような外科器具10の駆動シャフトに動作可能に連結されている。更に、荷重調節アセンブリ410と同様に、荷重調節アセンブリ510を用いることで、外科器具10のクランプ部材に対して加えられる初期荷重を調節することができる。
【0090】
図24を参照すると、荷重調節アセンブリ510は荷重調節部材514を含むことができる。荷重調節部材514は、停止部512、本体部分516、及び本体部分516から近位方向に延在する複数の突起部516Aで構成されている。特定の場合では、停止部512は、図24に示されるように、本体部分516の遠位端に配置されたフランジ部材で構成されることができる。特定の場合では、複数の突起部516Aのそれぞれは、図25に示されるように、本体部分516から近位方向に延びるタブで構成されることができる。
【0091】
図24及び25に示されるように、特定の場合において、荷重調節アセンブリ510の本体部分516は、外科器具10の駆動シャフトの周囲に配置することができる円筒状、又は少なくともほぼ円筒状の形状を有することができる。例えば、図24は、外側管状シース56の周囲に配置された本体部分516を示している。
【0092】
上記に加えて、図24に示されるように、荷重調節アセンブリ510は、例えば外側管状シース56又は内側管状部材158のような外科器具10の駆動シャフトの近位端に配置されたフランジ部材で構成することができる受容端部530を更に含むことができる。特定の場合では、受容端部530は、突起部516Aを受容するように構成することができる複数のスロット530A(図25)を含むことができる。特定の場合では、受容端部530は、外科器具10の駆動シャフトと一体化することができる。特定の場合では、受容端部530及び外科器具10の駆動シャフトは、単一の部品として共に製造することができる。他の場合では、受容端部530及び外科器具10の駆動シャフトは別々に製造し、例えば外科器具10の組立時に互いに取り付けることができる。
【0093】
図24に示されるように、特定の場合では、付勢機構404を停止部512と受容端部530との間に配置することができる。往復作動部材402は、停止部512と付勢機構404との間に配置することができる。停止部512、受容端部530、及び付勢機構404の互いに対する他の相対位置及び/又は配置も、本開示によって想到される。
【0094】
上記に述べたように、特定の場合では、クランプ部材64は、例えば往復作動部材402の第1の位置と第2の位置との間の往復運動に応じて超音波ブレード66に対して開いた形態と閉じた形態との間で移行することができる。特定の場合では、往復作動部材402は第1の位置において停止部512に対して当接される。
【0095】
様々な場合において、停止部512と荷重調節アセンブリ510の受容端部530との間の距離によって、第1の位置における往復作動部材402に対する初期荷重を決めることができる。特定の場合では、荷重調節部材514が外側管状シース56に対して摺動可能に動くことができることにより、停止部512と受容端部530との間の距離を調節することによって往復作動部材402に対して適用される初期荷重を所定の値に調節することができる。特定の場合では、初期荷重の所定の値に達した時点で、突起部516Aを受容端部530に固定することにより、停止部512と受容端部530との間の距離が固定される。
【0096】
特定の場合では、荷重調節部材514を受容端部530に対して動かすことで、付勢機構404のばね406及び/又は408が、付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる荷重を変化させるように誘導される。少なくとも1つの例では、受容端部530に向かって荷重調節部材514を動かすことで、付勢機構404のばね406及び/又は408が圧縮され、これにより付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる初期荷重が大きくなる。少なくとも1つの例では、受容端部530から遠ざかる方向に荷重調節部材514を動かすことで、付勢機構404のばね406及び/又は408が少なくとも部分的に圧縮から解放され、これにより付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる初期荷重が小さくなる。
【0097】
特定の場合において、初期荷重を所定の値に設定するために、荷重観測ユニットを用いることができる。付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる荷重は、荷重観測ユニットによって観測することができる。一方、荷重調節部材514が受容端部530に対して摺動可能に動くことができることにより、初期荷重の所定の値が実現されるまで、荷重観測ユニットからのフィードバックに基づいて停止部512と受容端部530との間の距離を調節することができる。荷重調節部材514が外側管状シース56に対して動かされるのにしたがって、突起部516Aがスロット530Aに対して摺動する。
【0098】
初期荷重が所定の値に設定された時点で、特定の場合において、荷重調節部材514の最終位置を固定することで初期荷重を所定の値に維持することができる。特定の場合において、荷重調節部材514の最終位置は、突起部516Aを受容端部530に固定することによって固定することができる。少なくとも1つの例では、荷重調節部材514の最終位置は、図24に示されるように、それらの対応するスロット530Aを超えて近位方向に延びる突起部516Aの遠位端を折り曲げるか又は圧着することによって固定することができる。特定の場合において、それらの対応するスロット530Aを超えて近位方向に延びる突起部516Aの遠位端は、例えば荷重調節部材514の最終位置で受容端部530に溶接することができる。少なくとも1つの例では、それらの対応するスロット530Aを超えて近位方向に延びる突起部516Aの遠位端は、例えば荷重調節部材514の最終位置で受容端部530に接着することができる。荷重調節部材514を最終位置において受容端部530に固定するためのその他の技法は、本開示によって想到される。
【0099】
主に図26及び26Aを参照すると、特定の場合において、外科器具10のハンドルアセンブリ12は、荷重調節アセンブリ410及び/又は510に多くの点で似た荷重調節アセンブリ610を含むことができる。例えば、荷重調節アセンブリ610は付勢機構404を含む。また、荷重調節アセンブリ410及び510と同様に、荷重調節アセンブリ610は、例えば外側管状シース56又は内側管状部材158のような外科器具10の駆動シャフトと動作可能に連結されている。更に、荷重調節アセンブリ410及び510と同様に、荷重調節アセンブリ610を用いることで、外科器具10のクランプ部材に対して加えられる初期荷重を調節することができる。
【0100】
図26及び26Aを参照すると、荷重調節アセンブリ610は、停止部612及び荷重調節部材614を含むことができる。特定の場合において、停止部612は、例えば外側管状シース56及び内側管状部材158のような外科器具10の駆動シャフトの近位部分の周囲に、又は少なくとも周囲の一部に配置されたフランジ部材で構成することができる。例えば、図26は、外側管状シース56の近位部分の周囲に配置された停止部612を示している。
【0101】
特定の場合では、図26Aに示されるように、荷重調節部材614は、付勢機構404が停止部612と荷重調節部材614との間に配置されるようにして外側管状シース56と組み立てることができる。特定の場合において、荷重調節アセンブリ614は、外科器具10の駆動シャフトの近位端の周囲に摺動可能に嵌着することができる円筒状、又は少なくともほぼ円筒状の形状を有することができる。例えば、図26Aは、外側管状シース56の近位部分の周囲に配置された荷重調節部材614を示している。特定の場合において、停止部612は、例えば荷重調節部材614に対して遠位の位置に配置することができる。あるいは、停止部612は、荷重調節部材614に対して近位の位置に配置してもよい。往復作動部材402は、停止部612と付勢機構404との間に配置することができる。特定の場合において、往復作動部材402は、図26Aに示されるように、第1の位置において停止部612に対して当接される。停止部612、荷重調節部材614、及び付勢機構404の互いに対する他の相対位置及び/又は配置も、本開示によって想到される。
【0102】
様々な場合において、停止部612と荷重調節部材614との間の相対距離によって、往復作動部材402に対する初期荷重を決めることができる。特定の場合では、荷重調節部材614が停止部612に対して摺動可能に動くことができることにより、停止部612と荷重調節部材614との間の距離を調節することによって往復作動部材402に対して適用される初期荷重を所定の値に調節することができる。特定の場合では、初期荷重の所定の値に達した時点で、下記により詳細に述べるように停止部612と荷重調節部材614との間の距離を固定することにより、荷重調節部材614が停止部612に対して定位置に固定される。
【0103】
特定の場合では、停止部612に対して荷重調節部材614を動かすことで、付勢機構404のばね406及び/又は408が、付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる荷重を変化させるように誘導される。少なくとも1つの例では、停止部612に向かって荷重調節部材416を動かすことで、付勢機構404のばね406及び/又は408が圧縮され、これにより付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる初期荷重が大きくなる。少なくとも1つの例では、停止部612から遠ざかる方向に荷重調節部材614を動かすことで、付勢機構404のばね406及び/又は408が少なくとも部分的に圧縮から解放され、これにより付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる初期荷重が小さくなる。
【0104】
特定の場合では、初期荷重を所定の値に設定するために、荷重観測ユニットを用いることができる。付勢機構404によって往復作動部材402に対して加えられる荷重は、荷重観測ユニットによって観測することができる。一方、荷重調節部材614が停止部612に対して摺動可能に動くことができることにより、初期荷重の所定の値が実現されるまで、荷重調節部材614と停止部612との間の距離を調節することができる。初期荷重が所定の値に設定された時点で、特定の場合では、荷重調節部材614と停止部612との間の距離を固定することにより、荷重調節部材614の最終位置を固定することで、初期荷重を所定の値に維持することができる。特定の場合において、荷重調節部材614の最終位置は、荷重調節部材614を外側管状シース56に固定することによって固定することができる。少なくとも1つの例では、荷重調節部材614の最終位置は、荷重調節部材614を最終位置において外側管状シース56に溶接することによって固定することができる。少なくとも1つの例では、荷重調節部材614の最終位置は、荷重調節部材614を最終位置において外側管状シース56に接着することによって固定することができる。荷重調節部材614を最終位置において外側管状シース56に固定するためのその他の技法は、本開示によって想到される。
【0105】
主に図27を参照すると、特定の場合において、外科器具10のハンドルアセンブリ12は、荷重調節アセンブリ410、510及び/又は610に多くの点で似た荷重調節アセンブリ710を含むことができる。例えば、荷重調節アセンブリ410、510及び610と同様に、荷重調節アセンブリ710は、例えば外側管状シース56又は内側管状部材158のような外科器具10の駆動シャフトに動作可能に連結されている。更に、荷重調節アセンブリ710を用いることで、付勢部材704に対して加えられる初期荷重(予備荷重)を調節することができる。以下により詳細に述べられるように、付勢部材704は、外科器具10のクランプ部材に予備荷重よりも大きい過剰な作動力が伝達されることから守るように構成することができる。
【0106】
図27を参照すると、荷重調節アセンブリ710は、遠位ヨーク部分712、近位ヨーク部分716、及び遠位ヨーク部分712と近位ヨーク部分716との間に延在する荷重調節部材714を含むことができる。特定の場合において、付勢部材704は、図27に示されるように、荷重調節部材714の周囲の少なくとも一部に配置することができる引張ばねを備えることができる。特定の場合において、付勢部材704の遠位端は遠位ヨーク部分712に接続されることができ、付勢部材704の近位端は近位ヨーク部分716に接続されることができる。
【0107】
上記に加えて、遠位ヨーク部分712は、例えば外側管状シース56又は内側管状部材158のような外科器具10の駆動シャフトと動作可能に連結されることができる。図27は、遠位ヨーク部分712を内側管状部材158に連結させる駆動鍔体711を示している。更に、近位ヨーク部分716は、ハンドルアセンブリ12のトリガ32に動作可能に連結することができる。例えば、図27に示されるように、連結アセンブリ732は、トリガ32を近位ヨーク部分716に連結させることができる。
【0108】
特定の場合では、トリガ32は、固定ハンドル34に対して枢動可能に動くことによって、内側管状部材158を第1の位置と第2の位置との間で軸方向に往復運動させることができる。上記に述べたように、内側管状部材158は、例えばクランプ部材164のようなクランプ部材と枢動可能に連結することができる。特定の場合では、第1の位置は、例えば第2の位置に対して遠位の位置とすることができる。特定の場合では、クランプ部材164は、例えば内側管状部材158の第1の位置と第2の位置との間の往復運動に応じて超音波ブレード66に対して開いた形態と閉じた形態との間で移行することができる。少なくとも1つの例では、クランプ部材164は、内側管状部材158が第1の位置にある間、完全に開いた形態となることができる。少なくとも1つの例では、超音波ブレード66に向かうクランプ部材164の経路が妨げられなければ、クランプ部材164は、内側管状部材158が第2の位置にある間、完全に閉じた形態となることができる。
【0109】
使用時には、トリガ32を固定ハンドル34に向かって枢動させて荷重調節アセンブリ710に力を加えることによって荷重調節アセンブリ710及び内側管状部材158を近位方向に移行させることができ、それによって、例えばクランプ部材164を閉じた形態に向かって作動させることができる。特定の場合では、荷重調節アセンブリ710を介して作用するトリガ32の枢動運動によって外科器具10のクランプ部材164に加えられる力は、付勢部材704によって制限されるか、又は少なくとも一部制限され得る。特定の場合では、付勢部材704は、付勢部材の予備荷重を所定の値に設定するために近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間で引き伸ばすことができる引張コイルばねとすることができる。以下により詳細に述べるように、予備荷重は、荷重調節部材714を用いて近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間の距離を調節することによって所定の値に調節することができる。
【0110】
特定の場合では、付勢部材704は、外科器具10の使用者によってトリガ32に過剰な力が加えられた場合にトリガ32からクランプ部材164に伝達される力を制限することができる。使用者によりトリガ32に加えられる力が付勢部材704の予備荷重限界値よりも小さい場合には、荷重調節アセンブリ710は単一の部品として動いて内側管状部材158を往復運動させ、クランプ部材164を作動させる。別の言い方をすれば、付勢部材704の予備荷重限界値よりも小さい力は、近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間の相対運動を引き起こさない。
【0111】
しかしながら、使用者によりトリガ32に加えられる力が付勢部材704の予備荷重限界値を上回ると、付勢部材704が近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間で更に引き伸ばされることにより、近位ヨーク部分716を遠位ヨーク部分712から独立してある程度動かし、これにより、内側管状部材158及びクランプ部材164への過剰な力の伝達が制限される。
【0112】
図28に示されるように、特定の場合では、荷重調節部材714は螺刻近位部分714A及び遠位停止部714Bを備えることができる。遠位停止部714Bは、遠位ヨーク部分712に対して当接することができる。螺刻近位部分714Aは、近位ヨーク部分716の受容部分716A内に受容、又は少なくとも一部受容され得る。例えば、受容部分716Aは、例えば螺刻近位部分714Aと螺合することができる螺刻を受容部分716Aの内壁に含むことができる。
【0113】
荷重調節部材714を用いて、近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間の距離を調節することにより、付勢部材704の引張ばねを近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間で所望の予備荷重に対応する初期引き伸ばし状態にまで引き伸ばすことができる。例えば、荷重調節部材714を近位ヨーク部分716に対して第1の方向、例えば時計回り方向に回転させることによって近位ヨーク部分716を遠位ヨーク部分712に向かって動かすことができ、これにより、近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間の距離が小さくなる。あるいは、荷重調節部材714を近位ヨーク部分716に対して第1の方向と反対の第2の方向、例えば反時計回り方向に回転させることによって近位ヨーク部分716を遠位ヨーク部分712から遠ざかる方向に動かすことができ、これにより、近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間の距離が大きくなる。付勢部材が近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間で引き伸ばされるため、近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間の距離を大きくすることで付勢部材704に適用される予備荷重を大きくすることができる。これに対して、近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間の距離を小さくすることで、付勢部材704に適用される予備荷重を小さくすることができる。
【0114】
特定の場合において、付勢部材704に対して適用される予備荷重は、外科器具10の組立中に所定の値に設定される。予備荷重を設定するには、例えば荷重観測ユニットによって予備荷重の所定の値が得られるまで、例えば荷重調節部材714を時計回り及び/又は反時計回りに回すことができる。予備荷重が所定の値に設定された時点で、荷重調節アセンブリ710をハンドルアセンブリ12と組み立てることができる。
【0115】
特定の場合において、近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間の距離を固定することによって予備荷重を所定の値に維持することができる。特定の場合において、近位ヨーク部分716と遠位ヨーク部分712との間の距離は、荷重調節部材714を近位ヨーク部分716に固定することによって固定することができる。少なくとも1つの例では、荷重調節部材714は、荷重調節部材714を近位ヨーク部分716に溶接することによって近位ヨーク部分716に固定することができる。少なくとも1つの例では、荷重調節部材714は、荷重調節部材714を近位ヨーク部分716に接着することによって近位ヨーク部分716に固定することができる。荷重調節部材714を近位ヨーク部分716に固定するためのその他の技法は、本開示によって想到される。
【0116】
ここで図29を参照すると、特定の場合において、外科器具10のハンドルアセンブリ12は、荷重調節アセンブリ710に多くの点で似た荷重調節アセンブリ810を含むことができる。例えば、荷重調節アセンブリ710と同様に、荷重調節アセンブリ810は、例えば外側管状シース56又は内側管状部材158のような外科器具10の駆動シャフトと動作可能に連結されている。更に、荷重調節アセンブリ710と同様に、荷重調節アセンブリ810を用いることで付勢部材804に対して加えられる初期荷重(予備荷重)を調節することができる。以下により詳細に述べられるように、付勢部材804は、外科器具10のクランプ部材に予備荷重よりも大きい過剰な作動力が伝達されることから守るように構成することができる。
【0117】
図29に示されるように、荷重調節アセンブリ810は、遠位ヨーク部分812、近位ヨーク部分816、及び荷重調節部材814を含むことができる。特定の場合において、荷重調節部材814は、螺刻近位部分814a及び遠位停止部814bを備えることができる。特定の場合において、付勢部材804は、荷重調節部材814の本体部分814cの周囲の少なくとも一部に位置することができる圧縮ばねを備えることができる。このような場合、付勢部材804は、遠位停止部814bと遠位ヨーク部分812の連結部材812aとの間で圧縮され得る。
【0118】
特定の場合では、図29に示されるように、連結部材812aは荷重調節部材814に可動に係合することができる。例えば、連結部材812aは、荷重調節部材814の本体部分814cを受容するように構成することができる通孔を含むことができる。特定の場合において、連結部材812aは、例えば荷重調節部材814の本体部分814cに対して摺動可能に動くことができる。このような場合、図29に示されるように、付勢部材804は、遠位ヨーク部分812の連結部材812aを近位ヨーク部分816に対して当接させることができる。
【0119】
上記に加えて、再び図29を参照すると、螺刻近位部分814aは、近位ヨーク部分816の受容部分816a内に受容、又は少なくとも一部受容され得る。例えば、受容部分816aは、例えば螺刻近位部分814aと螺合することができる螺刻を受容部分816aの内壁に含むことができる。
【0120】
上記に加えて、遠位ヨーク部分812は、例えば外側管状シース56又は内側管状部材158のような外科器具10の駆動シャフトと動作可能に連結することができる。図29は、遠位ヨーク部分812を内側管状部材158に連結させる駆動鍔体811を示している。加えて、近位ヨーク部分816は、ハンドルアセンブリ12のトリガ32に動作可能に連結することができる。例えば、連結アセンブリによってトリガ32を近位ヨーク部分816に連結させることができる。上記に述べたように、トリガ32は固定ハンドル34に対して枢動可能に動くことで内側管状部材158を第1の位置と第2の位置との間で軸方向に往復運動させることができ、クランプ部材164は内側管状部材158の第1の位置と第2の位置との間の往復運動に応じて超音波ブレード66に対して開いた形態と閉じた形態との間で移行することができる。
【0121】
使用時には、トリガ32を固定ハンドル34に向かって枢動させて荷重調節アセンブリ810に力を加えることによって荷重調節アセンブリ810及び内側管状部材158を近位方向に移行させることにより、例えばクランプ部材164を閉じた形態に向かって作動させることができる。荷重調節アセンブリ810を介して作用する、トリガ32の枢動運動によって外科器具10のクランプ部材164に加えられる力は、付勢部材804によって制限されるか、又は少なくとも一部制限され得る。特定の場合において、上記に述べたように、付勢部材804は、近位ヨーク部分816に対して当接し、遠位停止部814bと連結部材812aとの間で圧縮されることで、付勢部材の予備荷重を所定の値に設定することができる圧縮ばねを備えることができる。以下により詳細に述べるように、予備荷重は、荷重調節部材714を用いて遠位停止部814bと遠位ヨーク部分812の連結部材812aとの間の距離を調節することによって所定の値に調節することができる。
【0122】
特定の場合において、付勢部材804は、外科器具10の使用者によってトリガ32に過剰な力が加えられた場合にトリガ32からクランプ部材164に伝達される力を制限することができる。使用者によりトリガ32に加えられる力が付勢部材704の予備荷重限界値よりも小さい場合には、荷重調節アセンブリ810は単一の部品として動いて内側管状部材158を往復運動させ、クランプ部材164を作動させる。別の言い方をすれば、付勢部材804の予備荷重限界値よりも小さい力は、遠位停止部814bと連結部材812aとの相対運動を引き起こさない。別の言い方をすれば、使用者によってトリガ32を介して加えられる力が付勢部材804の予備荷重限界値よりも小さい場合、荷重調節アセンブリ810が動いて内側管状部材158にクランプ部材164を閉じた形態へと作動させる際に、連結部材812aは近位ヨーク部分816に対して当接したままである。
【0123】
しかしながら、使用者によりトリガ32に加えられる力が付勢部材804の予備荷重限界値を上回ると、付勢部材804が遠位停止部814bと連結部材812aとの間で更に圧縮されることにより、連結部材812aを近位ヨーク部分816から遠ざかる方向にある程度まで動かし、これにより、内側管状部材158及びクランプ部材164への過剰な力の伝達が制限される。
【0124】
荷重調節部材814を用い、遠位停止部814bと連結部材812aに対して当接している近位ヨーク部分816との間の距離を調節することにより、付勢部材804を遠位停止部814bと連結部材812aとの間で所望の予備荷重に対応した初期圧縮状態にまで圧縮することができる。例えば、荷重調節部材814を近位ヨーク部分816に対して第1の方向、例えば時計回り方向に回転させることによって、近位ヨーク部分816を遠位ヨーク部分812に向かって動かすことができ、これにより、遠位停止部814bと連結部材812aとの間の距離が小さくなる。あるいは、荷重調節部材814を近位ヨーク部分816に対して第1の方向と反対の第2の方向、例えば反時計回り方向に回転させることによって、近位ヨーク部分816を遠位ヨーク部分812から遠ざかる方向に動かすことができ、これにより、遠位停止部814bと連結部材812aとの間の距離が大きくなる。付勢部材が遠位停止部814bと連結部材812aとの間で圧縮されているため、遠位停止部814bと連結部材812aとの間の距離を大きくすることによって付勢部材804にかかる予備荷重を小さくすることができる。これに対して、遠位停止部814bと連結部材812aとの間の距離を小さくすることで、付勢部材804にかかる予備荷重を大きくすることができる。
【0125】
特定の場合において、付勢部材804にかかる予備荷重は、外科器具10の組立中に所定の値に設定される。予備荷重を設定するために、例えば荷重観測ユニットによって予備荷重の所定の値が得られるまで、例えば荷重調節部材814を時計回り及び/又は反時計回りに回すことができる。予備荷重が所定の値に設定された時点で、荷重調節アセンブリ810をハンドルアセンブリ12と共に組み立てることができる。
【0126】
特定の場合、遠位停止部814bと連結部材812aとの間の距離を固定することによって予備荷重を所定の値に維持することができる。特定の場合において、遠位停止部814bと連結部材812aとの間の距離は、荷重調節部材814を近位ヨーク部分816に固定することによって固定することができる。少なくとも1つの例では、荷重調節部材814は、荷重調節部材814を近位ヨーク部分816に溶接することによって近位ヨーク部分816に固定することができる。少なくとも1つの例では、荷重調節部材814は、荷重調節部材814を近位ヨーク部分816に接着することによって近位ヨーク部分816に固定することができる。荷重調節部材814を近位ヨーク部分816に固定するためのその他の技法は、本開示によって想到される。
【0127】
特定の開示された実施形態と結びつけて本明細書で装置の様々な実施形態について説明したが、それらの実施形態に対して多くの修正及び変更が実施可能である。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態により、所定の機能又は複数の機能を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素によって置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素によって置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形をすべて包含することが意図される。
【0128】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよいし、又は複数回使用されるように設計されてもよい。しかしながら、いずれの場合も、本装置は、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り除くことができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換したら、装置を後の使用のために、再調整施設で、又は外科処置の直前に外科チームによるいずれかによって再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
【0129】
好ましくは、本明細書に記載する発明は、手術の前に処理されるであろう。最初に、新しい又は使用済みの器具を入手し、必要であれば洗浄する。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され封止された容器に入れられる。次に、容器及び器具は、γ線、X線、及び高エネルギー電子など、容器を透過することができる放射線照射野に入れられる。放射線は、器具上又は容器内の細菌を死滅させる。次に、滅菌された器具を滅菌容器に格納することができる。封止された容器は、医療設備において開封されるまで器具を滅菌状態に保つ。
【0130】
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。更に、本出願は、本開示からのかかる逸脱を、本発明が関連する分野において知られている又は慣例になってきたものとして包含するものとする。
【0131】
全体又は部分的に、参照により本明細書に組み込まれるとされるいずれの特許、刊行物又は他の開示物も、援用される内容が現行の定義、記載、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれるものとする。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0132】
〔実施の態様〕
(1) 超音波外科器具であって、
シャフトアセンブリであって、
長手方向軸を画定する内側管と、
前記内側管を少なくとも部分的に包囲し、前記長手方向軸に沿って第1の位置と第2の位置との間で前記内側管に対して動くことができる外側管と、を有する、シャフトアセンブリと、
超音波トランスデューサを有する超音波トランスデューサアセンブリと、
エンドエフェクタアセンブリであって、
前記超音波トランスデューサに音響的に連結された超音波ブレードであって、前記内側管を通って延在し、前記長手方向軸に沿って少なくとも部分的に延在する、超音波ブレードと、
前記超音波ブレードに対して開いた形態と近づいた形態との間で前記超音波ブレードに対して枢動可能に動くことができるクランプ部材であって、前記内側管に枢動可能に連結され、前記外側管に枢動可能に連結された、クランプ部材と、を含み、前記外側管が前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記内側管に対して動くことによって、前記クランプ部材が前記開いた形態と前記近づいた形態との間で移行する、エンドエフェクタアセンブリと、
を含む、超音波外科器具。
(2) 前記超音波ブレードが前記内側管と連結されている、実施態様1に記載の超音波外科器具。
(3) 前記内側管が遠位連結部材を含み、前記クランプ部材が前記遠位連結部材に枢動可能に連結されている、実施態様1に記載の超音波外科器具。
(4) 前記遠位連結部材が近位嵌合要素を含み、前記内側管が、前記遠位連結部材の前記近位嵌合要素と嵌合係合するための対応した嵌合要素を含む、実施態様3に記載の超音波外科器具。
(5) 遠位連結部材の前記近位嵌合要素が、前記内側管の前記対応した嵌合要素に固定して取り付けられている、実施態様4に記載の超音波外科器具。
【0133】
(6) 前記外側管が、部分的に開いた遠位部分を含み、前記クランプ部材が、前記部分的に開いた遠位部分に枢動可能に連結されている、実施態様5に記載の超音波外科器具。
(7) 前記超音波ブレードが、前記遠位連結部材と前記部分的に開いた遠位部分との間に延在している、実施態様6に記載の超音波外科器具。
(8) 前記外側管が前記内側管に対して遠位方向に前進されて、前記クランプ部材を前記近づいた形態から前記開いた形態に移行させる、実施態様1に記載の超音波外科器具。
(9) 前記外側管が前記内側管に対して近位方向に後退されて、前記クランプ部材を前記開いた形態から前記近づいた形態に移行させる、実施態様1に記載の超音波外科器具。
(10) 前記内側管と前記超音波ブレードとの間に配置されたシール部材を更に含む、実施態様1に記載の超音波外科器具。
【0134】
(11) 超音波外科器具であって、
シャフトアセンブリであって、
長手方向軸を画定し、第1のアライメント要素を含む、内側管と、
前記長手方向軸に沿って延び、前記内側管を少なくとも部分的に包囲する、外側管と、を含む、シャフトアセンブリと、
超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサアセンブリと、
エンドエフェクタアセンブリであって、
第2のアライメント要素を含む超音波ブレードであって、前記超音波トランスデューサに音響的に連結され、前記内側管を通って延在し、前記第1のアライメント要素が前記第2のアライメント要素と整列されている、超音波ブレードと、
前記超音波ブレードに対して開いた形態と近づいた形態との間で枢動可能に動くことができるクランプ部材であって、前記外側管に枢動可能に連結された、クランプ部材と、を含み、前記外側管と前記内側管との相対運動によって、前記クランプ部材が、前記開いた形態と前記近づいた形態との間で移行する、エンドエフェクタアセンブリと、
を含む、超音波外科器具。
(12) 前記第2のアライメント要素が前記超音波ブレードの遠位節に配置されている、実施態様11に記載の超音波外科器具。
(13) 前記内側管が遠位連結部材を含み、前記クランプ部材が前記遠位連結部材に枢動可能に連結され、前記第1のアライメント要素が前記遠位連結部材の内側壁上に配置されている、実施態様11に記載の超音波外科器具。
(14) 前記超音波ブレードが、少なくとも部分的に前記超音波ブレードの周囲に配置されたシール部材を含み、前記シール部材が前記第2のアライメント要素を含む、実施態様11に記載の超音波外科器具。
(15) 前記第1のアライメント要素が第1の平坦部を含み、前記第2のアライメント要素が、前記第1の平坦部と対応した第2の平坦部を含む、実施態様11に記載の超音波外科器具。
【0135】
(16) 前記クランプ部材が、クランプ力を発生するように作動可能であり、前記クランプ力が、前記第2の平坦部によって画定される平面にほぼ垂直である、実施態様15に記載の超音波外科器具。
(17) 前記第2のアライメント要素がスロットを含み、前記第1のアライメント要素が、前記スロット内に受容されるように構成された制限部材を含む、実施態様11に記載の超音波外科器具。
(18) 前記内側管が、側部開口部を含む壁を含み、前記制限部材が前記側部開口部を通じて前記スロットに受容されている、実施態様17に記載の超音波外科器具。
(19) 前記制限部材が、前記側部開口部において前記壁に固定して取り付けられている、実施態様18に記載の超音波外科器具。
(20) 前記第2のアライメント要素が平面を画定し、前記第1のアライメント要素と前記クランプ部材とが前記平面の両側にある、実施態様11に記載の超音波外科器具。
【0136】
(21) 前記クランプ部材が、クランプ力を発生するように作動可能であり、前記クランプ力が、前記第2のアライメント要素を前記第1のアライメント要素に向かって付勢する、実施態様11に記載の超音波外科器具。
(22) 前記内側管が挿入部材を含み、前記第1のアライメント要素が前記挿入部材の壁上に配置されており、前記超音波ブレードが前記壁に沿って部分的に延在している、実施態様11に記載の超音波外科器具。
(23) 前記第1のアライメント要素が第1の平坦部を含み、前記第2のアライメント要素が、前記第1の平坦部に対応した第2の平坦部を含む、実施態様11に記載の超音波外科器具。
(24) 超音波外科器具であって、
超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサアセンブリと、
第1のアライメント要素を含む支持シャフトと、
第2のアライメント要素を含む超音波ブレードであって、前記超音波トランスデューサに音響的に連結された、超音波ブレードと、
前記超音波ブレードに対して開いた形態と近づいた形態との間で枢動点を中心として枢動可能に動くことができるクランプ部材であって、前記クランプ部材が、前記クランプ部材と前記超音波ブレードとの間に捕捉された組織に対してクランプ力を発生させるように作動可能であり、前記クランプ力が前記第2のアライメント要素を前記第1のアライメント要素に向かって付勢する、クランプ部材と、を含む、超音波外科器具。
(25) 前記第1のアライメント要素と前記クランプアームとが前記第2のアライメント要素の両側にある、実施態様24に記載の超音波外科器具。
【0137】
(26) 外科手術で使用するための超音波外科器具であって、
駆動シャフトであって、
遠位端部と、
近位端部と、を含む、駆動シャフトと、
超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサアセンブリと、
前記超音波トランスデューサに音響的に連結された超音波ブレードと、
前記駆動シャフトの前記近位端部に動作可能に連結された往復作動部材であって、第1の位置と第2の位置との間で作動可能である、往復作動部材と、
前記駆動シャフトの前記遠位端部に枢動可能に連結されたクランプ部材であって、前記第1の位置と前記第2の位置との間での前記往復作動部材の運動に応じて前記超音波ブレードに対して開いた形態と近づいた形態との間で枢動可能に動くことができる、クランプ部材と、
前記往復作動部材に対して適用される初期荷重を設定するための荷重調節アセンブリであって、前記初期荷重が前記外科手術中に、前記荷重調節アセンブリによって所定の値に維持されている、荷重調節アセンブリと、
を含む、超音波外科器具。
(27) 前記荷重調節アセンブリが、
前記近位端部において前記駆動シャフトに連結された停止部と、
前記停止部の近位位置において前記駆動シャフトに取り付け可能な荷重調節部材と、
前記停止部と前記荷重調節部材との間に延在する付勢部材であって、前記往復作動部材に対して前記初期荷重を適用するように構成され、前記初期荷重が、前記停止部と前記荷重調節部材との間の距離を調節することによって前記所定の値に調節可能である、付勢部材と、
を含む、実施態様26に記載の超音波外科器具。
(28) 前記荷重調節部材が、前記停止部と前記荷重調節部材との間の最終距離で前記駆動シャフトに固定して取り付けられ、前記最終距離が前記初期荷重の前記所定の値に対応している、実施態様27に記載の超音波外科器具。
(29) 前記荷重調節アセンブリが、
前記駆動シャフトの前記近位端部の周囲に少なくとも部分的に配置される鍔体であって、その遠位端に停止部を含む、鍔体と、
前記停止部の近位位置にある荷重調節部材と、
前記停止部と前記荷重調節部材との間に延在する付勢部材であって、前記往復作動部材に対して前記初期荷重を適用するように構成され、前記初期荷重が、前記停止部と前記荷重調節部材との間の距離を調節することによって前記所定の値に調節可能である、付勢部材と、
を含む、実施態様26に記載の超音波外科器具。
(30) 前記鍔体が螺刻近位部分を含み、前記荷重調節部材が前記螺刻近位部分に螺着されている、実施態様29に記載の超音波外科器具。
【0138】
(31) 前記荷重調節アセンブリが、
前記駆動シャフトに対して摺動可能に動くことができる荷重調節部材であって、
本体部分と、
前記本体部分から遠位方向に延在する停止部と、
前記本体部分から近位方向に延在する少なくとも1つの突起部と、
を含む、荷重調節部材と、
前記少なくとも1つの突起部を受容するように構成された少なくとも1つのスロットを含む受容端部を含むヨークと、を含む、実施態様26に記載の超音波外科器具。
(32) 前記停止部と前記往復作動部材との間で圧縮された付勢部材を更に含み、前記付勢部材が、前記往復作動部材に対して前記初期荷重を適用することによって前記往復作動部材を前記ヨークに対して当接させるように構成され、前記初期荷重が、前記停止部と前記ヨークとの間の距離を調節することによって前記所定の値に調節可能である、実施態様31に記載の超音波外科器具。
(33) 前記少なくとも1つの突起部が、前記停止部と前記ヨークとの間の最終距離で前記受容端部に固定され、前記最終距離が前記初期荷重の前記所定の値に対応している、実施態様32に記載の超音波外科器具。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図6A
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図21A
図21B
図22
図23
図24
図25
図26
図26A
図27
図28
図29