(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では画像形成装置としてMFP(Multi−Function Peripherals)を例に挙げて説明をする。
【0009】
本実施の形態を
図1乃至
図7を参照して説明する。
図1は、実施形態に係るMFP100の構成例を概略的に示す断面図である。
図1に示すようにMFP100は、スキャナ部1、プリンタ部2、操作パネル4およびシステム制御部5を有する。
【0010】
スキャナ部1は、例えば、MFP100の本体上側に設置され、原稿の画像を読み取って画像データに変換する装置である。スキャナ部1は、周知の構成を有し、読取面における原稿の画像を画像データに変換する例えばCCDラインセンサなどにより構成する。スキャナ部1は、原稿台ガラス(図示せず)に載置された原稿をスキャンするものであっても良いし、自動原稿送り装置(ADF: Auto Document Feeder)が搬送する原稿の画像を読み取るものであっても良い。スキャナ部1は、システム制御部5により制御される。
【0011】
プリンタ部2は、記録媒体としての用紙Pに画像を形成する。本実施の形態では、プリンタ部2は、電子写真方式の画像形成部である。プリンタ部2は、カラー画像の場合、複数種類(例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、消色(D)の5種類)のトナーを用いて画像を形成する。イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)のトナーは所定の定着温度以上の熱を加えても、消色することができない消色不可能なトナーである。消色トナー(D)は定着温度を超える所定温度以上の加熱によって消色可能なトナーである。消色トナー(D)の色は、例えば濃い青色や黒色である。なお、プリンタ部2による画像の生成を行う周知構成についての詳細は、後述する。
【0012】
この実施態様で使用する消色トナーは、例えばバインダー樹脂に、色材を含有させてなる。消色可能な色材は、呈色性化合物、顕色剤、消去剤を含む。呈色性化合物は、例えばロイコ染料が挙げられる。顕色剤は、例えばフェノール類が挙げられる。消去剤は、加熱されると呈色性化合物と相溶し、顕色剤と親和性を有さない物質が挙げられる。消色可能な色材は、呈色性化合物と顕色剤との相互作用により発色し、消色温度以上の加熱により呈色性化合物と顕色剤との相互作用が絶たれるため、消色される。
【0013】
図1に示す構成例において、プリンタ部2は、給紙部として、給紙カセット20(20A、20B、20C)を有する。たとえば、各給紙カセット20A、20B、20Cは、MFP100本体の下部に挿脱可能な状態で設けられる。これらの給紙カセット20A、20B、20Cは、それぞれに設定した種類(例えば、サイズ、紙質)の用紙Pを収容する。また、これら給紙カセット20A、20B、20Cに例えばサイズの異なる用紙Pを収容した後に各サイズを対応する給紙カセットそれぞれに設定することも可能である。各給紙カセット20A、20B、20Cには給紙部センサが設けられている。給紙部センサは、給紙トレイ22に収容されている用紙の収容量を検知する。この給紙部センサは例えば赤外線センサである。他に周知のマイクロスイッチを用いるなど、機械式のセンサも使用可能である。この給紙部センサは検知結果を後述のシステム制御部5へと送信する。また、プリンタ部2は、他の給紙部として、周知の手差しトレイ(図示せず)などを有してもよい。なお、本実施形態において、例えば、給紙カセット20Aには画像形成を行うために白紙の用紙Pが載置される。そして、給紙カセット20Bには、消去を目的とした用紙Pが載置される。換言すると、給紙カセット20Bには、消色可能なトナーによって既に画像が形成された用紙Pが載置される。
【0014】
各給紙カセット20A、20B、20Cが収容する用紙Pに関する設定情報などは、不揮発性メモリに記憶される。プリンタ部2は、設定情報に従って印刷処理に使用する用紙Pを収容する給紙カセットを選択する。プリンタ部2は、選択した給紙カセットから給紙した用紙Pに画像を印刷する。なお、プリンタ部2が手差しトレイを有する場合、操作パネル4から入力された手差しトレイにセットされた用紙Pのサイズを前述の不揮発性メモリに記憶すればよい。なお、この不揮発性メモリは後述のHDD55である。
【0015】
なお、以下の説明において、用紙は給紙部20から排紙部30へと搬送されるため、給紙部20側を用紙搬送方向に対しての上流側とし、排紙部30側を用紙搬送方向に対しての下流側とする。
【0016】
図1に示す搬送ローラ22は、プリンタ部2内で用紙の搬送路に沿って配置され用紙Pを搬送する。搬送ローラ22は図示しないモータによって駆動される。搬送ローラ22は、ピックアップローラ21A、21B、又は21Cにより対応する給紙カセット20A、20B、又は20Cから供給された用紙Pを後述する転写部28よりも上流側に配置されるレジストローラ24へ搬送する。レジストローラ24は、後述する中間転写ベルト27から用紙Pに画像を転写するタイミングで、当該用紙Pを転写位置へ搬送する。
【0017】
以下に画像形成の詳細について説明する。
図1に示す、画像形成部25、露光部26、中間転写ベルト27、及び、転写部28は、画像を形成する周知の画像形成手段として機能する。画像形成部25は、用紙に転写する画像を形成する。
図1に示すカラー画像を生成する構成例において、後に詳述するが、画像形成部25Yは、原稿画像が色分解されてイエローに対応する画像をイエローのトナーで形成する。画像形成部25Mは、同様にマゼンタのトナーで対応する画像を形成する。画像形成部25Cは、シアンのトナーで対応する画像を形成する。画像形成部25Kは、ブラックのトナーで対応する画像を形成する。そして、各画像形成部25Y、25M、25C、25Kは、各色のトナー画像を中間転写ベルト27上で重ね合わせて転写する。他方、画像形成部25Dは、消色可能なトナーで、用紙を再利用する場合に使用され、消去可能な原稿画像を形成する。前述のように消色可能なトナーの色は濃い青色や黒色である。従って、画像形成部25Dで形成される画像は、モノクロ(単色)画像である。各画像形成部25Y、25M,25C,25K,25Dは、周知の構成、例えば、感光体ドラム、帯電チャージャ、トナーを含む現像部および除電部等(
図1では図示のみ)からなっている。なお、画像形成部25Dは、用紙を再利用する場合のみに使用されるが、使用するトナーのみが異なり、構成および動作が他の画像形成部と同様なので、以下の説明では同時に説明する。
【0018】
以下に、電子写真方式での画像形成について詳述する。各画像形成部25Y、25M、25C、25K、25Dは、図示しないがそれぞれ電位センサおよび濃度センサなどの周知のセンサを有する。電位センサは、各画像形成部が有する周知の感光体ドラムの表面電位を検知するセンサである。各画像形成部25Y、25M、25C、25K、25Dにおいて、周知の帯電チャージャは、感光体ドラムが後述する露光部26により露光される前に、その表面を帯電する。システム制御部5は、帯電チャージャによる帯電条件が変更できる。電位センサは、帯電チャージャにより表面が帯電された感光体ドラムにおける表面電位を検知する。濃度センサは、後述する中間転写ベルト27上に転写したトナー像の濃度を検知する。また、濃度センサは、感光体ドラム上に形成したトナー像の濃度を検知するものであっても良い。
【0019】
露光部26は、前述のように各画像形成部25Y、25M、25C、25K、25Dの帯電された感光体ドラム上にレーザ光によりスキャナ部1で取得した原稿画像の静電潜像を形成する。各感光体ドラムに形成する静電潜像は、各色のトナーで現像する画像である。即ち、露光部26は、画像データに応じて制御する各画像形成部に対応したレーザ光をポリゴンミラーなどの光学系を介して各感光体ドラムに照射する。露光部26は、システム制御部5からの制御信号に応じてレーザ光のパワーを制御する。露光部26は、レーザ光の発光を制御するためのパルス幅の変調量などもシステム制御部5からの制御信号に応じて制御する。
【0020】
前述したように、各画像形成部25Y、25M、25C、25K、25Dは、それぞれの感光体ドラムに形成された静電潜像を現像部による各色のトナーで現像する。各画像形成部25Y、25M、25C、25K、25Dは、感光体ドラム上に可視像としてのトナー像を形成する。中間転写ベルト27は、中間転写体である。前述の消色不可能なトナーでカラー画像を形成する場合には、各画像形成部25Y、25M、25C、25Kは、感光体ドラム上に形成したトナー像を中間転写ベルト27上に転写(1次転写)する。具体的には、各画像形成部25Y、25M、25C、25Kは、1次転写位置(例えば、感光体ドラムと転写ベルトが接する部位)でトナー像に転写バイアスを与える。各画像形成部25Y、25M、25C、25Kは、転写電流によって転写バイアスを制御する。各感光体ドラム上のトナー像は、それぞれの1次転写位置で転写バイアスにより中間転写ベルト27に転写される。システム制御部5は、各画像形成部が1次転写処理に用いる転写電流を制御する。他方、用紙を再利用する場合、即ち、消色可能トナーによりモノクロ画像を形成する場合には、画像形成部25Dにより感光体ドラム上に可視像としてのトナー像を形成する。このトナー像は前述のように中間転写ベルト27に転写される。
【0021】
転写部28は、前記用紙Pの搬送路に沿って設けられた支持ローラ28aおよび2次転写ローラ28bを有しており、中間転写ベルト27上のトナー像を2次転写位置において用紙Pに転写する。2次転写位置は、支持ローラ28aおよび2次転写ローラ28bが中間転写ベルト27を挟んで対向する位置である。転写部28は、2次転写位置のベルト27に転写電流によって制御する転写バイアスを与える。転写部28は、転写バイアスにより中間転写ベルト27上のトナー像を用紙Pに転写する。システム制御部5は、2次転写処理に用いる転写電流を制御する。
【0022】
上述の転写部28の下流側に配置された定着器29は、トナーを用紙Pに定着させる機能を有する。たとえば、実施形態において、定着器29は、用紙Pに与える熱および圧力により用紙Pにトナー像を定着させる。
【0023】
図1と
図5に示す構成例では、定着器29は、加熱源29aを内蔵したヒートローラ(加熱部)29bと、加圧機構29dによって加圧状態で接する加圧ローラ(加圧部)29cとにより構成する。加熱源29aは、周知の温度制御可能なヒータであれば良い。たとえば、加熱源29aは、ハロゲンランプ等のヒータランプで構成しても良いし、誘導加熱(IH)方式のヒータであっても良い。また、加熱源29aは、複数のヒータで構成しても良い。さらに定着器29は更にヒートローラ29bの温度を測定するための温度センサ29eを有する。温度センサ29eはヒートローラ29bの温度を後述のシステム制御部5へと送信する。システム制御部5は、温度センサ29eから送られてきた温度をもとに加熱原29aを制御して、ヒートローラ29bの温度を制御する。加圧機構29dは加圧ローラ29cをヒートローラ29bへと押圧する。加圧機構29dは弾性部材などによって構成される。加圧機構29dによって加圧ローラ29cがヒートローラ29bへと押圧されていない場合、加圧ローラ29cとヒートローラ29bは離間され、それらの間には隙間が形成される。また、ヒートローラ29bは駆動部29fによって回転駆動する。加圧ローラ29cはヒートローラ29bに押圧された時に、ヒートローラ29bに従動して回転駆動する。なお、
図5に示すように、レジストローラ24、転写部28、定着器29が搬送方向下流に行くに従って設けられる。
【0024】
用紙Pにトナー像を定着させる定着処理や用紙Pに形成された画像を消去する消去処理を行う場合、システム制御部5は定着器29の温度が所定の定着温度又は所定の消色温度となるよう制御する。
【0025】
定着処理において、給紙カセット20Aに収納されている用紙Pをピックアップローラ21Aにて搬送路へピックアップして、転写部28へ用紙Pを搬送する。転写部28にて前述のように用紙Pへ画像が転写される。定着器29は所定の定着温度になったヒートローラ29bと加圧ローラ29cによりトナー像が転写された用紙Pを加圧しつつ定着温度で加熱する。これにより、定着器29は、用紙Pにトナー像を定着させる。また、消去処理において、給紙カセット20Bに収納されている用紙Pをピックアップローラ21Bにて搬送路へピックアップして、定着器29へと搬送する。このとき、転写部28による転写は行われない。定着器29は、所定の消色温度になったヒートローラ29bと加圧ローラ29cにより、消色可能なトナーで画像が形成された用紙Pを、加圧しつつ消色温度で加熱する。これにより、定着器29はトナーを消色し用紙Pに形成された画像を消去する。
【0026】
定着処理又は消去処理が終わると、定着器29の下流に配置された図示しない周知の分岐機構により、使用者の処理要求に応じて、定着処理した用紙Pを排紙部30あるいはADU(Automatic Duplex Unit)31の何れかへ搬送する。定着器29により定着処理した用紙Pを排紙する場合、当該用紙Pは、排紙部30へ搬出される。また、定着器29により定着処理した用紙Pの裏面にも画像を形成する場合、用紙Pは、一旦排紙部30側へ搬送された後、スイッチバックしてADU31へ搬送される。この場合、ADU31は、スイッチバックにより反転させた用紙Pを
図1に示すように再度レジストローラ24の上流側に供給する。
【0027】
操作パネル4は、ユーザインターフェースである。操作パネル4は、通常MFP100本体の上部前側に配置され、周知の各種の入力ボタンとタッチパネル4bを具備する表示部4aとを有する。システム制御部5は、操作パネル4の表示部4aに表示する内容を制御する。また、操作パネル4は、表示部4aのタッチパネル4bあるいは入力ボタンで入力した情報をシステム制御部5へ出力する。なお、操作者はこの操作パネル4を操作して、印刷モードと消去モードの2つのモードのいずれかを選択する。印刷モードは、前述のように、給紙カセット20Aにセットされた用紙Pに消色不可能なトナーあるいは消色可能なトナーにより画像を形成して定着処理を実行するモードである。消去モードは給紙カセット20Bにセットされた用紙Pに形成された画像の消去処理を実行するモードである。つまり、消去モードはプリンタ部2のうち画像形成部25、露光部26、中間転写ベルト27、及び、転写部28を用いず、給紙部20と搬送部22と定着器29とを用いて用紙に形成された画像を消去する。印刷モード時に入力される印刷枚数や濃度などの印刷に必要な情報や、消去モード時に入力される消去枚数など、各処理に関する情報は、処理情報として後述するRAM54の所定の領域に記憶される(この操作パネル4が入力部に相当する)。
【0028】
次に、MFP100の制御系の構成について説明する。
図2は本実施の形態のMFP100のブロック図である。システムバス52を介して、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)53、RAM(Random Access Memory)54、HDD(Hard Disk Drive)55、外部I/F(Interface)56、搬送部57、プリンタ部2、操作パネル4が接続される。CPU51とROM53とRAM54とでシステム制御部5を構成する。
【0029】
ROM53には、CPU51により実行されるプログラムや閾値を予め記憶する。
【0030】
RAM54には、CPU51が実行するプログラムを展開するエリアと、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの様々なメモリエリアを動的に形成する。このRAM54には印刷する画像情報を保存する画像記憶エリアを有する。この画像記憶エリアに記憶する画像情報をもとに画像形成を行い、中間転写ベルト27に1次転写を行う。この画像記憶エリアに記憶する画像情報は、外部I/F56を通じて外部から受信を行う、又はスキャナ部1を通じて用紙Pの画像を取り込んで記憶する。
【0031】
また、RAM54には、操作パネル4などから入力された処理情報を記憶する処理情報ファイル70(
図3参照)を有する。処理情報とは各処理を実行するために、自動・手動を問わずに入力された情報である。この処理情報ファイル70は、
図3に示すように、番号エリア、処理エリア、枚数エリア、画像エリアなどからなる。なお、処理情報ファイル70に記憶する印刷情報は濃度や用紙サイズなども含むが、
図3ではその一部を例示する。番号エリアは、当該印刷の優先度である。この番号が低い順に対応する処理を行う。処理エリアは当該処理が、画像を消去する処理か画像を印刷する処理かを記憶するエリアである。この処理エリアには、消色可能なトナーで印刷を行う消去定着、消色不可能なトナーで印刷を行う通常定着、用紙Pに形成された画像の消去を行う消去処理の3つの処理が記憶される。システム制御部5は、この処理エリアの内容を読み込んで、実行する処理を決定する。枚数エリアには当該処理で印刷する枚数が記憶される。画像エリアは印刷する画像情報の名前や、保存されている保存先のパスなど、当該処理で印刷する画像情報を特定するための情報が記憶される。
【0032】
そして、システム制御部5は、この処理情報ファイル70の処理エリアを参照して、MFP100を温度変更モードで動作させるか、速度変更モードで動作させるかを決定する。温度変更モードとは、処理毎にヒートローラ29bの目標温度を変更し、用紙の定着や消去に最も適した温度でヒートローラ29bを駆動するモードである。温度変更モードは、RAM54の処理エリアに単一の処理が記憶されている場合に、システム制御部5によって選択される。温度変更モードにおいて用紙Pの搬送速度は一定である。用紙Pの搬送速度は当該MFPでの最高速度が望ましい。本実施形態では、60CPM(COPYPER MINUTES:1分間で処理する枚数。60CPMは1分間に60枚の処理を行う)であるとする。また、速度変更モードとは、処理毎にCPMを変更するモードである。速度変更モードは、RAM54の処理エリアに複数の処理が記憶されている場合に、システム制御部5によって選択される。速度変更モードでは、ヒートローラ29bの目標温度は一定である。速度変更モードでは、ヒートローラ29bの目標温度は、消色可能トナーの定着温度、消色不可能トナーの定着温度、消去処理の消色温度の3つの温度のうち、最も低い温度を目標温度とする。本実施形態では、最も低い消色可能トナーの定着温度である、例えば、96度を目標温度とする。
【0033】
HDD55は、MFP100を動作させるOS(Operating System)がインストールされる。また、前述したように、HDD55の所定の領域には、各給紙カセット20A、20B、20Cに、どのような用紙が収納されているかを記憶している。また、
図4に示すように設定ファイル80を有する。設定ファイル80は温度変更モード時と速度変更モード時に設定するための値を記憶する。設定ファイル80は、処理エリアに対応してCPMエリアと温度エリアを有する。処理エリアはMFP100が行う処理を記憶するエリアである。この処理エリアには、消色トナーで印刷を行う消去定着、消色不可能なトナーで印刷を行う通常定着、用紙Pに形成された画像の消去を行う消去処理が記憶される。CPMエリアは処理エリアに記憶する処理に対応するCPMの値である。温度エリアでは、処理エリアに記憶する処理に対応するヒートローラ29bの目標温度を記憶する。各モードの値を説明する。温度変更モード時は、
図4(a)に示すような温度変更ファイルを参照する。
図4(a)に記憶する値が温度変更モードで使用する設定値である。温度変更モードでは、前述したように60CPM固定である。そして、消色不可能トナーでの定着である通常定着では、ヒートローラ29bの目標温度は、例えば、160度である。消色可能なトナーの定着である消去定着では、ヒートローラ29bの目標温度は、例えば、96度である。用紙Pに形成された画像の消去を行う消去処理でのヒートローラ29bの目標温度は、例えば、130度である。速度変更モード時は、
図4(b)に示すような速度変更ファイルを参照する。
図4(b)に示す値が速度変更モードで使用する設定値である。速度変更モードでは、ヒートローラ29bの目標温度は、例えば、96度で固定である。そして、消色不可能トナーでの定着である通常定着では、MFP100は、例えば、30CPMで駆動する。消色可能なトナーの定着である消去定着では、MFP100は、例えば、60CPMで駆動する。用紙Pに形成された画像の消去を行う消去処理では、MFP100は、例えば、45CPMで駆動する。
【0034】
図2に戻り、外部I/F56は、例えばクライアント端末(PC)などの外部装置と通信するためのインターフェースである。外部I/F56は、外部装置からのプリント要求に応じたプリントデータを受信する。外部I/F56は、外部装置とデータ通信を行うインターフェースであれば良く、たとえば、外部装置にローカルに接続する機器(USBメモリ等)であっても良いし、ネットワークを介して通信するためのネットワークインターフェースであっても良い(この外部I/F56が入力部を担ってもよい)。
【0035】
搬送部57は、MFP100内の各搬送ローラやレジストローラ24、駆動部29fなど、用紙Pを搬送するための複数のモータやローラからなる。システム制御部5によって、搬送部57のモータは制御され、ヒートローラ29bやレジストローラ24などの各ローラの回転速度は変更される。なお、各ローラは、必要に応じて、個別に停止や駆動、速度などを変更できる。
【0036】
スキャナ部1とプリンタ部2と操作パネル4の構成は前述したので省略する。
【0037】
以上のような構成を備えるMFP100において、予め設定されているプログラムに基づいて、MFP100は
図6に示す印刷/消去ジョブを実行する。
【0038】
速度変更モードと温度変更モード、それぞれに関して説明を行う。速度変更モードが選択される場合に関して、前述したように、給紙部20の給紙カセット20Aには白紙の用紙Pが載置される。そして、給紙カセット20Bには、消色可能なトナーによって既に画像が形成された用紙Pが載置される。また、消去定着、通常定着、消去処理の3つの処理を行うために、操作者は操作パネル4を操作して、
図3に示すような処理情報を入力する。また、RAM54の処理情報ファイル70には、
図3に示すように消去定着、通常定着、消去処理の3つの処理と、対応する枚数と画像情報が記憶されているものとする。温度変更モードでは、RAM54の処理情報ファイル70の全てに「通常定着」が記憶されている場合を例に挙げて説明する。
【0039】
まず、速度変更モードに関しての説明を行う。システム制御部5は、操作パネル4のスタートキーのキー信号の入力を検知する(ACT101)。
【0040】
システム制御部5は、スタートキーのキー信号の入力を確認すると、RAM54の処理情報ファイル70の処理エリアにアクセスし、複数の処理が記憶されているか単一の処理が記憶されているかの判断を行う(ACT102)。
【0041】
図3に示すように、RAM54の処理情報ファイル70の処理エリアに複数の処理が記憶されているなら(ACT102のYes)、システム制御部5は速度変更モードでMFP100を動作させる。具体的には、システム制御部5は、
図4(b)に示すHDD55の設定ファイル80の速度変更ファイルの温度エリアの値を読出し、ヒートローラ29bを96度まで加熱する(ACT103)。
【0042】
続いて、RAM54の処理情報ファイル70の番号エリアに記憶する最も低い数値に対応する処理エリアの内容を読み出す。本実施形態では、「消去定着」が読み出される。そして、HDD55の設定ファイル80の速度変更ファイルの処理エリアから、RAM54から読み出した処理エリアの値を検索する。そして、HDD55の設定ファイル80の対応するCPMエリアの値をもとに、システム制御部5は搬送部57を制御する。
図4(b)の場合、30CPMで用紙の搬送を行う(ACT104)。
【0043】
システム制御部5は、RAM54の処理情報ファイル70の番号エリアに記憶する最も低い数値に対応する処理エリアの内容を参照し、当該処理を実行する(ACT105)。
図3の場合、消色可能なトナーを用いての印刷を行う。RAM54の処理情報ファイル70の画像エリアを参照し、画像記憶エリアに記憶する画像情報を特定し、枚数エリアに記憶する枚数分の印刷を行う。消去定着の場合、システム制御部5は、ピックアップローラ21Aを駆動させ、白紙の用紙Pを給紙する。システム制御部5は、画像形成部25、露光部26、中間転写ベルト27、転写部28、を駆動させ、用紙Pへ消色可能なトナーで形成された画像を転写する。用紙Pへ画像の転写が完了すると、用紙Pは定着器29へと搬送され、用紙Pに形成された画像が定着される。そして定着された画像は印刷を終え排紙部30へと排紙される。この工程を枚数分(3枚)実行する。
【0044】
ACT105で処理が完了すると、RAM54の処理情報ファイル70の番号エリアの最も低い数値に対応する情報を削除する(ACT106)。
図3に示すRAM54の設定情報エリアの場合、番号エリア「01」に対応する処理エリアの「消去定着」、枚数エリアの「03」、画像エリアの「AAAA」が削除される。そして、
図7に示すように、番号エリア「02」に対応する値が、番号エリア「01」に繰り上がる。つまり、ACT106完了後、RAM54の処理情報ファイル70の番号エリア「01」に対応する値は、処理エリア「通常定着」、枚数エリアの「04」、画像エリアの「BBBB」となる。
【0045】
続いて、システム制御部5は、RAM54の処理情報ファイル70に処理を行うべき処理情報が記憶されているかの判断を行う(ACT107)。システム制御部5はRAM54の処理情報ファイル70に処理情報が記憶されていると判断すると(ACT107のYes)、再度ACT104に戻り、RAM54の処理情報ファイル70の番号エリアに記憶する最も低い数値に対応する処理エリアの内容を読み出す。本実施形態では、「消去処理」が読み出される。そして、HDD55の設定ファイル80の速度変更ファイルの処理エリアから、RAM54から読み出した処理エリアの値を検索する。そして、HDD55の設定ファイル80の対応するCPMエリアの値をもとに、システム制御部5は搬送部57を制御する。
図4(b)の場合、45CPMで用紙の搬送を行う(ACT104)。
【0046】
他方、システム制御部5はRAM54の処理情報ファイル70に何も記憶されていないと判断すると(ACT107のNo)、印刷/消去ジョブを終了する。
【0047】
次に、温度変更モードに関して説明を行う。前述したように、RAM54の処理情報ファイル70の全てに「通常定着」が記憶されている場合を例に挙げる。以上の条件により、システム制御部5はRAM54の処理情報ファイル70の処理エリアに単一の処理である「通常定着」が記憶されていると判断し(ACT102のNo)、システム制御部5は温度変更モードでMFP100を動作させる。具体的には、システム制御部5は、
図4(a)に示すHDD55の設定ファイル80の温度変更ファイルのCPMエリアの値を読出し、対応するCPMの値で搬送部57を駆動させる。
図4(a)に示す例では、60CPMで駆動する(ACT108)。
【0048】
続いて、RAM54の処理情報ファイル70の番号エリアに記憶する最も低い数値に対応する処理エリアの値を読み出す。そして、HDD55の設定ファイル80の温度変更ファイルの処理エリアから、RAM54から読み出した処理エリアの内容を検索する。そして、HDD55の設定ファイル80の対応する温度エリアの値をもとに、システム制御部5はヒートローラ29bの目標温度を設定する。実施形態では、RAM54の処理情報ファイル70から「通常定着」が読み出される。そしてHDD55の設定ファイル80(
図4(a)参照)の「通常定着」に対応する温度エリアの「160度」を読みだして、ヒートローラ29bの目標温度として設定する。そして、システム制御部5はヒートローラ29bを160度まで加熱する(ACT109)。
【0049】
システム制御部5は、RAM54の処理情報ファイル70の番号エリアに記憶する最も低い数値に対応する処理エリアの値を参照し、当該処理を実行する(ACT110)。
【0050】
ACT110で処理が完了すると、RAM54の処理情報ファイル70の番号エリアの最も低い数値に対応する情報を削除する。前述のACT106と同様の処理であるため詳細な説明を省略する(ACT111)。
【0051】
続いて、システム制御部5は、RAM54の処理情報ファイル70に処理を行うべき処理情報が記憶されているかの判断を行う(ACT112)。システム制御部5はRAM54の処理情報ファイル70に何も記憶されていないと判断すると(ACT112のNo)、印刷/消去ジョブを終了する。
【0052】
他方、システム制御部5はRAM54の処理情報ファイル70に処理情報が記憶されていると判断すると(ACT112のYes)、再度ACT104に戻り、RAM54の処理情報ファイル70の番号エリアに記憶する最も低い数値に対応する処理エリアの値に対応するCPMで搬送部57を駆動させる。
【0053】
以上によって、例えば、消去処理を行い、その後に連続して消色可能なトナーで定着処理を行う場合、本実施形態のMFP100では、速度変更モード(
図4(b)参照)で動作する。つまり、ヒートローラ29bは、目標温度96度で加熱され、消去処理時において駆動部57は45CPMで、消色可能なトナーで定着処理を行う場合は、駆動部54を60CPMで動作させる。これによってヒートローラ29bの温度が、消去処理を行う温度である130度から、96度まで落ちるのを待つ必要がない。これによってMFP100の用紙を処理する速度が向上するので、操作者に使い勝手の良いMFPを提供することが可能となる。
【0054】
なお、本発明の実施形態では、消色不可能なトナーの定着温度>消色可能なトナーの消色温度>消色可能なトナーの定着温度であったが、これに限られるものではない。
【0055】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。