(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1発明)
本発明の第1発明の一実施形態によるコネクタについて図面を参照して説明する。
図1は、プラグコネクタ10(以下、単にコネクタ10と記すことがある)の構成を示している。コネクタ10は、各種の電気エネルギーを動力源とする各種の機器、装置(以下、電気機器100と記す)に接続可能である。
【0022】
コネクタ10は、ケーブル50の先端部に設けられている。コネクタ10は、給電端子11Aと、給電ライン11とを備えている。給電端子11Aは、コネクタ10の接続先の電気機器100に直流電力を供給する。給電端子11Aは、給電ライン11の先端部に設けられている。コネクタ10の接続先である電気機器には、給電端子11A及び給電ライン11を介して直流電力が供給される。給電端子11A及び給電ライン11は、入出力電圧毎に複数経路に分けて設けられていてもよい。
【0023】
給電ライン11には、ブレーカー1が設けられている。ブレーカー1は、温度変化に応じて給電ライン11を流れる電流を遮断する。例えば、何らかの事情により、コネクタ10が過熱した場合、ブレーカー1が動作して、給電ライン11を流れる電流が遮断される。また、コネクタ10の給電ラインに短絡が生じた場合等、給電ライン11に過電流が流れた場合にあっても、ブレーカー1が動作して、給電ライン11を流れる電流が遮断される。これにより、コネクタ10の発熱が停止し、コネクタ10及びその接続先が保護される。
【0024】
図2は、コネクタ10の断面を示している。
図1及び2に示されるように、コネクタ10は、回路基板12と、絶縁体13とをさらに備える。
【0025】
回路基板12は、矩形状に形成されている。回路基板12は、絶縁性の基板上に、導電体の回路がパターン状に形成されてなる。基板は、例えば、ガラス繊維等の繊維材料とエポキシ樹脂等の樹脂材料との複合材からなる。このような基板は、剛性が高くかつ比誘電率が低いため、高周波の信号処理に好適である。回路基板12がコネクタ10に内挿されることにより、コネクタ10の外力に対する強度及び剛性が高められる。なお、高強度及び高剛性が要求されないコネクタ10にあっては、回路基板12として、例えば、フレキシブルプリント基板が適用されてもよい。
【0026】
ブレーカー1は、その長手方向が回路基板12の長手方向に一致された状態で、回路基板12に実装される。本実施形態では、回路基板12には、給電端子11A及び給電ライン11等を構成する導電パターン12Aが形成されている。
【0027】
給電端子11A及び給電ライン11を含む導電パターン12Aは、回路基板12の表面(
図1及び2において上側に位置する面)及び裏面のうち、いずれか一面又は両面に形成されている。導電パターン12Aは、回路基板12の基板に固着されて支持されている。本実施形態では、ブレーカー1を基準として、給電端子11Aの側の給電ライン11は、回路基板12の表面に形成さている。給電端子11Aとは反対に設けられていた端子11B側の給電ライン11は、回路基板12を貫通するビアホールに充填された導電ペースト12Dを介して回路基板12の表面から裏面に形成されている。
【0028】
絶縁体13は、合成樹脂等によって構成されている。また、絶縁体13に用いられる樹脂材料としては、難燃性に適した樹脂材料、例えば、UL(Underwriters Laboratories, Inc)94規格でV−0グレード以上の樹脂材料が好ましい。絶縁体13は、ブレーカー1が実装された回路基板12の周囲に形成されている。絶縁体13は、例えば、ブレーカー1が実装された回路基板12を金型内に装填(インサート)し、キャビティ空間に樹脂材料を射出し硬化させることにより成形される。これにより、ブレーカー1及び回路基板12は、絶縁体13の内部に埋設され、絶縁体13によって支持されている。絶縁体13は、給電ライン11を構成する導電パターンとコネクタ10の外部とを絶縁する。また、絶縁体13は、回路基板12及びコネクタ10を保護すると共に、コネクタ10の強度及び剛性を高める。
【0029】
回路基板12に形成されている導電パターン12Aは、回路基板12の基板と絶縁体13とによって挟持され固定されている。また、絶縁体13の外部に形成されている導電パターン12A(例えば、給電端子11A等)は、回路基板12の基板に固着されて支持されている。これにより、給電端子11A等の位置決め精度が向上する。
【0030】
ブレーカー1は、電流を遮断する電流遮断手段1Aが設けられた本体部1Bと、本体部1Bの外側に突出する一対の端子部1Cとを有している。電流遮断手段1Aは、本体部1Bの内部に封入されている。これにより、コネクタ10の内部に異物が混入しても、電流遮断手段1Aの動作が正常に維持される。各端子部1Cは、給電ライン11に接続される。本実施形態では、各端子部1Cは、給電ライン11に設けられているランド11C、11Dと、例えば、リフローはんだ又はレーザー溶接等を介して接続される。
【0031】
ランド11Cは、給電端子11Aから離れた位置に配設され、その間の給電ライン11は、回路基板12の基板によって強固に固定されている。このため、給電端子11Aは、ブレーカー1の実装及び端子部1Cとランド11Cとの接続の影響を受けることなく、基板上に正確に位置決めされる。これにより、コネクタ10の接続精度が高められる。
【0032】
図2に示されるように、回路基板12は、退避部12Bを有している。退避部12Bは、ブレーカー1の本体部1Bから回路基板12の厚さ方向に退避する。これにより、ブレーカー1の本体部1Bの一部又は全体が退避部12Bに収容され、本体部1Bが回路基板12の厚さ方向の外側に突出することが抑制される。従って、コネクタ10の全厚寸法を抑制し、小型化を図ることが可能となる。
【0033】
上述した絶縁体13の成形工程にあっては、金型のキャビティ空間に射出される樹脂材料の圧力によって、回路基板12及びブレーカー1に過度の応力がかかり、回路基板12及びブレーカー1に反り変形が生ずるおそれがある。このような反り変形は、ブレーカー1の電流遮断手段1Aが電流を遮断するときの動作温度、又は導通状態に復帰するときの復帰温度等に影響を及ぼすおそれがある。
【0034】
しかしながら、本実施形態では、回路基板12に退避部12Bが設けられていることによって、ブレーカー1の本体部1Bの回路基板12からの突出が抑制されるので、絶縁体13の成形工程で回路基板12及びブレーカー1にかかる応力が低減される。従って、回路基板12及びブレーカー1の反り変形が抑制され、電流遮断手段1Aの動作温度及び復帰温度が正常に維持されうる。
【0035】
本実施形態では、退避部12Bは、回路基板12を厚さ方向に貫通する貫通孔12Cによって構成されている。貫通孔12Cは、プレス加工等によって回路基板12を打ち抜くことにより、容易に形成されうる。このような貫通孔12Cは、本体部1Bの厚さが比較的大きいブレーカー1に対して特に有効に作用し、コネクタ10の小型化を図りつつ、電流遮断手段1Aの動作温度及び復帰温度を正常に維持することが容易となる。
【0036】
図3は、ブレーカー1が実装された回路基板12を、その厚さ方向から視た平面図である。導電パターン12Aは、信号伝送ライン14を含んでいる。信号伝送ライン14は、給電ライン11に並行して設けられ、接続先の電気機器100との間で電気信号を伝送する。電気信号の伝送方式は、シリアル伝送であってもよく、パラレル伝送であってもよい。導電パターン12Aに給電ライン11及び信号伝送ライン14を含むコネクタ10によれば、電気機器100に電力を供給しつつ、電気信号の入出力を行なうことができる。
【0037】
信号伝送ライン14は、剛性が高くかつ比誘電率が低い回路基板12上に形成されているので、ノイズの発生が抑制され、高速な信号伝送処理が可能となる。さらに、本実施形態では、回路基板12を包摂する絶縁体13によって回路基板12の変形が抑制されるので、より一層高速な信号伝送処理が可能となる。
【0038】
信号伝送ライン14は、回路基板12の厚さ方向から見た平面視で、退避部12Bの外側領域に配されている。すなわち、信号伝送ライン14は、退避部12Bを迂回しながら、給電ライン11に沿ってのびている。本実施形態では、一対の信号伝送ライン14が設けられている。さらに多くの信号伝送ライン14が設けられていてもよい。このような信号伝送ライン14の配置によれば、コネクタ10の全厚寸法を抑制しつつ、電気機器100に電力を供給し、かつ電気機器100との間で有線通信を行なうことが可能となる。
【0039】
本実施形態では、信号伝送ライン14は、回路基板12の裏面に配されている。信号伝送ライン14は、回路基板12の表面に配されていてもよい。回路基板12が多層基板の場合、信号伝送ライン14は、回路基板12の内部に埋設されていてもよい。
【0040】
導電パターン12Aは、グランド(GND)ライン15を含んでいる。グランドライン15は、ケーブル50の両端機器のグランド同士を接続する。グランドライン15は、回路基板12の裏面に配されている。グランドライン15は、回路基板12の表面に配されていてもよい。
【0041】
回路基板12が多層基板の場合、グランドライン15は、回路基板12の内部に埋設されていてもよい。この場合にあっては、平面視で回路基板12の略全域にわたって形成されたいわゆるベタパターン(solid pattern)によってグランドライン15が構成されていてもよい。このようなベタパターンのグランドライン15によって、いわゆる電磁シールドが構成され、電磁波の遮蔽効果が得られる。これにより、信号伝送ライン14に混入するノイズが低減され、高速な通信が可能となる。
【0042】
信号伝送ライン14の先端には信号伝送端子14Aが、グランドライン15の先端には、グランド端子15Aがそれぞれ接続されている。給電端子11A、信号伝送端子14A及びグランド端子15Aは、回路基板12の短手方向に配列されている。給電端子11A、信号伝送端子14A及びグランド端子15A等によって、プラグ端子が構成される。本実施形態では、回路基板12の先端部が絶縁体13から突出され、その先端部に給電端子11A、信号伝送端子14A及びグランド端子15Aを含むプラグ端子が形成されている。従って、コネクタ10の構成が簡素化され、部品点数の削減を容易に図ることが可能となる。
【0043】
そして、給電端子11A、信号伝送端子14A及びグランド端子15Aは、回路基板12に形成されている導電パターン12A(給電ライン11、信号伝送ライン14及びグランドライン15)を介して、ケーブル50の各ワイヤー51と接続されている。なお、給電端子11A、信号伝送端子14A及びグランド端子15A並びに給電ライン11、信号伝送ライン14及びグランドライン15の配列は、
図3に示される形態に限られることなく、コネクタ10が接続される電気機器100の仕様等に応じて適宜変更可能である。
【0044】
給電ライン11、信号伝送ライン14及びグランドライン15の他端には、端子11B、14B及び15Bが設けられている。端子11B、14B及び15Bは、回路基板12の短手方向に配列されている。本実施形態では、端子11B、14B及び15Bは、回路基板12の裏面で、導電パターン12Aの一部を構成する。端子11B、14B及び15Bは、回路基板12の厚さ方向から視た平面視でブレーカー1の本体部1Bの外側領域に配されている。
【0045】
本実施形態では、ランド11Dが回路基板12の表面側に、端子14B、15Bが回路基板12の裏面側にそれぞれ配されているので、ランド11Dと端子14B、15Bとの短絡を抑制しつつ、回路基板12ひいてはコネクタ10の小型化を図ることが可能になる。例えば、端子14B又は15Bを平面視でランド11Dに重複する位置に配置することが可能となる。また、導電パターン12Aの設計自由度が高められ、信号伝送ライン14の増設にも容易に対応可能となる。
【0046】
図2に示されるように、ケーブル50には、複数本のワイヤー51が内挿されている。各ワイヤー51は、絶縁性を有する被覆51Aによって絶縁されている。また、各ワイヤー51は、コネクタ10の内部で、回路基板12の短手方向に離隔されている。各ワイヤー51の先端部は、回路基板12の裏面側に配され、端子11B、14B又は15Bと電気的に接続されている。各ワイヤー51と端子11B、14B又は15Bとは、例えば、はんだ52によって接続されている。各ワイヤー51と端子11B、14B又は15Bとのはんだ付け工程は、絶縁体13の成形工程の前になされるのが一般的である。
【0047】
各ワイヤー51と端子11B、14B又は15Bとの接続箇所では、回路基板12の裏面から各ワイヤー51及びはんだ52が突出するので、絶縁体13の成形工程では、各ワイヤー51及びはんだ52は、成形金型のキャビティ空間に突出する。このため、各ワイヤー51及びはんだ52は、キャビティ空間に絶縁体13の樹脂材料が射出されるとき、圧力を受ける。
【0048】
既に述べたように、本実施形態では、導電パターン12Aとワイヤー51との接続箇所である端子11B、14B及び15Bは、平面視でブレーカー1の本体部1Bの外側領域に配されている。このため、絶縁体13の成形工程でブレーカー1にかかる応力が低減され、キャビティ空間に射出される樹脂材料の圧力によって、ブレーカー1に反り変形が生ずるおそれが抑制される。従って、ブレーカー1の動作温度及び復帰温度を適正に維持できる。
【0049】
絶縁体13の成形工程で、各ワイヤー51及びはんだ52が樹脂材料から受ける圧力は、射出成形金型内での回路基板12の裏面側のキャビティ空間の高さに依存する。従って、回路基板12の裏面側のキャビティ空間の高さが大きくなるようにコネクタ10を設計、すなわち、絶縁体13の底面から十分な距離を隔てて回路基板12を配置することにより、ブレーカー1の反り変形をある程度抑制できる。しかしながら、コネクタ10の仕様や小型化の要請等に起因して、回路基板12の配置の自由度が制限される場合にあっては、端子11B、14B及び15Bが平面視でブレーカー1の本体部1Bの外側領域に配された本発明の構成は、ブレーカー1の反り変形を抑制できるといった優れた作用効果を奏する。
【0050】
図2に示されるように、コネクタ10は、保護膜16と、保護層17と、補強板18とをさらに備える。
【0051】
保護膜16は、ブレーカー1が回路基板12に実装された後、回路基板12の裏面に形成される。保護膜16には、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、アラミド等を主成分とする樹脂材料からなる粘着シート等が適用される。保護膜16は、例えば、シリコン系の接着剤によってブレーカー1及び回路基板12の裏面に固着される。保護膜16によって貫通孔12Cが被われる。これにより、絶縁体13の成形工程で、回路基板12の裏面側から樹脂材料が貫通孔12Cに侵入することが回避される。また、ブレーカー1の本体部1Bと絶縁体13の樹脂材料との接触が回避され、ブレーカー1が保護される。絶縁体13の樹脂材料から本体部1Bを保護する必要がない場合は、保護膜16は、適宜廃されていてもよい。
【0052】
保護層17は、ブレーカー1が回路基板12に実装された後、回路基板12の表面に形成される。保護層17には、例えば、紫外線硬化樹脂が適用されうる。保護層17は、ブレーカー1の一方の端子部1Cから本体部1Bを経て他方の端子部1Cに亘って形成されている。保護層17によって貫通孔12Cが被われる。これにより、回路基板12の表面側から、絶縁体13の成形工程で樹脂材料が貫通孔12Cに侵入することが回避される。また、ブレーカー1の本体部1Bと絶縁体13の樹脂材料との接触が回避され、ブレーカー1が保護される。さらに、保護層17によって回路基板12の剛性が高められ、回路基板12の変形が抑制される。
【0053】
絶縁体13の樹脂材料から本体部1Bを保護する必要がなく、回路基板12の剛性が十分に得られている場合にあっては、保護層17は、適宜廃されていてもよい。なお、本体部1Bと絶縁体13の樹脂材料との接触のみが問題となる場合は、保護層17に替えて保護膜16が回路基板12の表面に形成されていてもよい。
【0054】
補強板18は、保護層17の外側に設けられている。補強板18には、金属や合成樹脂等を用いることができる。補強板18は、コネクタ10の内部構造を補強し、コネクタ10の外部から加えられる圧力から、ブレーカー1及び回路基板12を保護する。回路基板12及び保護層17等によって十分な剛性及び強度が期待できる場合には、補強板18は、適宜廃されていてもよい。
【0055】
本実施形態では、板状の補強板18が適用されているが、これに替えて、箱状の補強部材が適用されていてもよい。この場合、箱状の補強部材の内部にブレーカー1の本体部1Bを収容することにより、保護膜16及び保護層17が廃された構造であってもよい。
【0056】
図2に示されるように、本実施形態では、ワイヤー51を端子11Bに接続するためのはんだ52が回路基板12から裏面側に最も突出している。従って、絶縁体13の成形工程で回路基板12のそり変形を抑制するためには、回路基板12が金型に装填されたとき、はんだ52の頂部が金型の成形面から十分な距離で離間され、はんだ52の頂部に絶縁体13を構成する樹脂材料が十分な厚さで形成されることが重要である。
【0057】
より好ましい態様では、
図1及び
図2に示されるように、回路基板12は、絶縁体13の厚さ方向の略中央に位置されているのが望ましい。回路基板12が絶縁体13の厚さ方向の略中央に位置されているとは、例えば、
図2に示される回路基板12の断面内に、絶縁体13の厚さ方向の中心が存在することである。このような回路基板12の配置によって、絶縁体13の成形工程で、回路基板12が金型に装填されたとき、回路基板12の表側と裏側に略均等かつ十分なキャビティ空間を容易に確保することが可能となる。従って、絶縁体13の成形工程で回路基板12及びブレーカー1にかかる曲げ応力が低減され、ブレーカー1に反り変形が生ずるおそれが抑制される。従って、ブレーカー1の動作温度及び復帰温度を適正に維持できる。
【0058】
絶縁体13から露出する回路基板12の先端部には、必要に応じて金属カバーが設けられていてもよい。金属カバーは、回路基板12の導電パターン12Aから間隔を隔てて形成され、導電パターン12Aと絶縁されている。金属カバーによって、回路基板12の先端部が保護されるとともに、導電パターン12Aの短絡が抑制される。
【0059】
図4は、コネクタ10の変形例であるコネクタ10Aを示している。コネクタ10Aのうち、以下で説明されてない部分については、上述した回路基板12の構成が採用されうる。コネクタ10Aでは、絶縁体13の外側に金属枠19Aが配され、さらに、金属枠19Aの外側に樹脂カバー19Bが配されている。
【0060】
金属枠19Aは、例えば、ステンレス等の金属板をプレス成形することによって形成されうる。金属枠19Aは、絶縁体13の全周に亘って配されるのが望ましいが、表面、側面及び裏面のうちいずれか一面に配されていてもよい。樹脂カバー19Bに用いられる樹脂材料は、例えば、絶縁体13に用いられる樹脂材料よりも融点が低く、かつ硬化後の剛性及び強度が高く、さらには、耐摩耗性や耐候性に優れたものが好ましい。また、樹脂カバー19Bに用いられる樹脂材料としては、難燃性に適した樹脂材料、例えば、UL94規格でV−0グレード以上の樹脂材料が好ましい。金属枠19A及び樹脂カバー19Bによって、コネクタ10Aの剛性及び強度がより一層高められる。また、金属枠19Aによっていわゆる電磁シールドが構成され、電磁波の遮蔽効果が得られる。これにより、信号伝送ライン14に混入するノイズが低減され、高速な通信が可能となる。なお、金属枠19Aの先端部を延長し樹脂カバー19Bから露出させて、回路基板12の先端部を保護するための上記金属カバーが形成されていてもよい。
【0061】
図5は、回路基板12の変形例である回路基板12Fを示している。回路基板12Fのうち、以下で説明されてない部分については、上述した回路基板12の構成が採用されうる。回路基板12Fは、退避部12Bとして切り欠き部12Gが適用されている点で、回路基板12とは異なる。これに伴い、給電ライン11、信号伝送ライン14及びグランドライン15の配列も変更されている。切り欠き部12Gは、回路基板12Fの端縁に開放されている。切り欠き部12Gは、プレス加工等によって回路基板12を打ち抜くことにより、容易に形成されうる。
【0062】
図6は、回路基板12の変形例である回路基板12Jを備えたコネクタ10Jの断面を示している。回路基板12Jのうち、以下で説明されてない部分については、上述した回路基板12の構成が採用されうる。回路基板12Jは、退避部12Bとして有底の凹部12Kが適用されている点で、回路基板12とは異なる。凹部12Kは、回路基板12Jを多層基板にて構成することにより、容易に形成されうる。
【0063】
コネクタ10Jにおいては、回路基板12Jの厚さ方向から視た平面視で、信号伝送ライン14及びグランドライン15をブレーカー1に重複するように配置でき、回路基板12Jの小型化を図ると共に、導電パターン12Aの設計自由度が高められる。また、保護膜16を省略することにより、コネクタ10Jの構造を簡素化することが可能となる。なお、
図5に示される回路基板12Fにおいて、退避部12Bを有底の凹部にて構成することも可能である。この場合においても、上記と同等の作用効果が期待できる。
【0064】
図7は、ブレーカー1の構成を示している。ブレーカー1は、一方の端子部1C及び固定接点21を有する固定片2と、他方の端子部1Cが形成されている端子片3と、先端部に可動接点41を有する可動片4と、温度変化に伴って変形する熱応動素子5と、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスター6と、固定片2、端子片3と、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6を収容するケース7等によって構成されている。ケース7は、ケース本体(第1ケース)71とケース本体71の上面に装着される蓋部材(第2ケース)81等によって構成されている。固定接点、可動接点41、可動片4及び熱応動素子5等によって、電流遮断手段1Aが構成される。
【0065】
固定片2は、例えば、銅等を主成分とする金属板(この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅などの金属板)をプレス加工することにより形成され、ケース本体71にインサート成形により埋め込まれている。固定片2の一端には外部回路と電気的に接続される端子22(1C)が形成され、他端側には、PTCサーミスター6を支持する支持部23が形成されている。PTCサーミスター6は、固定片2の支持部23に3箇所形成された凸状の突起(ダボ)24の上に載置されて、突起24に支持される。
【0066】
固定接点21は、銀、ニッケル、ニッケル−銀合金の他、銅−銀合金、金−銀合金などの導電性の良い材料のクラッド、メッキ又は塗布等により可動接点41に対向する位置に形成され、ケース本体71の内部に形成されている開口73aの一部から露出されている。端子22はケース本体71の端縁から外側に突き出されている。支持部23は、ケース本体71の内部に形成されている開口73dから露出されている。
【0067】
端子片3は、固定片2と同様に、銅等を主成分とする金属板をプレス加工することにより形成され、ケース本体71にインサート成形により埋め込まれている。端子片3の一端には外部回路と電気的に接続される端子32(1C)が形成され、他端側には、可動片4と電気的に接続される接続部33が形成されている。端子32はケース本体71の端縁から外側に突き出されている。接続部33は、ケース本体71の内部に設けられた開口73bから露出し、例えば、レーザー溶接等によって可動片4と電気的に接続される。
【0068】
端子22又は端子32のうち、いずれか一方が、コネクタ10の給電端子11A側のランド11Cと、他方が端子11B側のランド11Dと接続される。
【0069】
可動片4は、板状の金属材料をプレス加工することにより、長手方向の中心線に対して対称なアーム状に形成されている。可動片4の材料としては、固定片2と同等の銅等を主成分とするものが好ましい。この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅などの導電性弾性材料を用いてもよい。
【0070】
可動片4と端子片3とは、1枚の金属板から一体に形成されていてもよい。かかる趣旨を実現するブレーカーとして、例えば、特開2012−238615号公報及び特開2013−110032号公報には、端子片と一体に形成されている可動片が開示されている。
【0071】
可動片4の先端部には、可動接点41が形成されている。可動接点41は、固定接点21と同等の材料によって形成され、溶接の他、クラッド、かしめ(crimping)等の手法によって可動片4の先端部に接合されている。
【0072】
可動片4の基端部には、端子片3の接続部33と電気的に接続される接続部42が形成されている。端子片3の接続部33と可動片4の接続部42とは、例えば、溶接によって固着されている。
【0073】
可動片4は、可動接点41と接続部42との間に、弾性部43を有している。弾性部43は、接続部42から可動接点41の側に延出されている。接続部42において端子片3の接続部33と固着されることにより可動片4が固定され、弾性部43が弾性変形することにより、その先端に形成されている可動接点41が固定接点21の側に押圧されて接触し、固定片2と可動片4とが通電可能となる。可動片4と端子片3とは、電気的に接続されているので、固定片2と端子片3とが通電可能となる。
【0074】
可動片4は、弾性部43において、プレス加工により湾曲又は屈曲されている。湾曲又は屈曲の度合いは、熱応動素子5を収納できる限り特に限定はなく、動作温度及び復帰温度における弾性力、接点の押圧力などを考慮して適宜設定すればよい。
【0075】
熱応動素子5は円弧状に湾曲した初期形状をなし、熱膨張率の異なる薄板材を積層することにより形成される。過熱により動作温度に達すると、熱応動素子5の湾曲形状は、スナップモーションを伴って逆反りし、冷却により復帰温度を下回ると復元する。熱応動素子5の初期形状は、プレス加工により形成することができる。所期の温度で熱応動素子5の逆反り動作により可動片4の弾性部43が押し上げられ、かつ弾性部43の弾性力により元に戻る限り、熱応動素子5の材質及び形状は特に限定されるものでないが、生産性及び逆反り動作の効率性の観点から矩形が望ましく、小型でありながら弾性部43を効率的に押し上げるために正方形に近い長方形であるのが望ましい。なお、熱応動素子5の材料としては、例えば、高膨脹側に銅−ニッケル−マンガン合金又はニッケル−クロム−鉄合金、低膨脹側に鉄−ニッケル合金をはじめとする、洋白、黄銅、ステンレス鋼など各種の合金からなる熱膨張率の異なる2種類の材料を積層したものが、所要条件に応じて組み合わせて使用される。
【0076】
また、可動片4をバイメタル又はトリメタル等の積層金属によって形成することにより、可動片4と熱応動素子5とを一体的に形成する構成であってもよい。この場合、ブレーカーの構成が簡素化されて、さらなる小型化を図ることができる。
【0077】
PTCサーミスター6は、固定片2と熱応動素子5との間に配設されている。すなわち、PTCサーミスター6を挟んで、固定片2は熱応動素子5の直下に位置している。熱応動素子5の逆反り動作により固定片2と可動片4との通電が遮断されたとき、PTCサーミスター6に流れる電流が増大する。PTCサーミスター6は、温度上昇と共に抵抗値が増大して電流を制限する正特性サーミスターであれば、動作電流、動作電圧、動作温度、復帰温度などの必要に応じて種類を選択でき、その材料及び形状はこれらの諸特性を損なわない限り特に限定されるものではない。本実施形態では、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸カルシウムを含むセラミック焼結体が用いられる。セラミック焼結体の他、ポリマーにカーボン等の導電性粒子を含有させたいわゆるポリマーPTCを用いてもよい。
【0078】
上記素材からなるPTCサーミスター6は、変形に対して脆い傾向を有する。従って、上述した絶縁体13の成形工程において、キャビティ空間に射出される樹脂材料の圧力によって、回路基板12に過大な反り変形が生じた場合、PTCサーミスター6が破損するおそれがある。しかしながら、本実施形態では、回路基板12に退避部12Bを設けることにより、ブレーカー1のケース7の反り変形が抑制されるので、PTCサーミスター6の破損を抑制することが可能となる。
【0079】
熱応動素子5の動作時に、PTCサーミスター6は、発熱によって熱応動素子5の変形を維持し、ブレーカー1の電流遮断状態を保持する。このようなブレーカー1の自己保持機能が不要である場合、PTCサーミスター6は廃されていてもよい。
【0080】
ケース7を構成するケース本体71及び蓋部材81は、難燃性のポリアミド、耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性樹脂により成形されている。ケース7を構成する熱可塑性樹脂は、ブレーカー1の外側に絶縁体13を形成する関係上、絶縁体13を構成する樹脂よりも融点の高い樹脂が望ましい。ケース本体71及び蓋部材81に用いられる樹脂材料としては、難燃性に適した樹脂材料、例えば、UL94規格でV−0グレード以上の樹脂材料が好ましい。また、上述した樹脂と同等以上の特性が得られるのであれば、熱硬化性樹脂又は樹脂以外の材料を適用してもよい。
【0081】
ケース本体71には、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6などを収容するための収容凹部73が形成されている。収容凹部73は、可動片4を収容するための開口73a,73b、可動片4及び熱応動素子5を収容するための開口73c、並びに、PTCサーミスター6を収容するための開口73d等を有している。なお、ケース本体71に組み込まれた可動片4、熱応動素子5の端縁は、収容凹部73の内部に形成されている枠によってそれぞれ当接され、熱応動素子5の逆反り時に案内される。
【0082】
蓋部材81には、カバー片9がインサート成形によって埋め込まれている。カバー片9は、例えば、ステンレス鋼等の金属板をプレス加工することにより形成される。カバー片9は、後述する
図8及び
図9に示すように、可動片4の表面と適宜当接し、可動片4の動きを規制すると共に、蓋部材81のひいては筐体としてのケース7の剛性・強度を高めつつブレーカー1の小型化に貢献する。カバー片9の外面側には、樹脂が配されている。
【0083】
図7に示すように、固定片2、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6等を収容したケース本体71の開口73a、73b、73c等を塞ぐように、蓋部材81が、ケース本体71に装着される。ケース本体71と蓋部材81とは、例えば超音波溶着によって接合される。ケース本体71と蓋部材81とは、収容凹部73の外側で全周に亘って接合されているので、収容凹部73の内部空間は、密閉されてブレーカー1の外部から隔離される。これにより、ケース7の気密性が高められる。従って、ブレーカー1の内部構成がコネクタ10の製造工程の影響を受けるおそれが低減され、ブレーカー1の動作の確実性が高められる。
【0084】
ケース本体71と蓋部材81との接合手法は、超音波溶着に限られることなく、両者が強固に接合され十分な気密性が得られる手法であれば、適宜適用することができる。例えば、液状又はゲル状の接着剤を塗布・充填し、硬化させることにより、両者が接着されてもよい。
【0085】
図2に示されるように、本実施形態では、ブレーカー1は、天地を逆にして回路基板12等に実装される。ケース7から突出する端子22及び32は、必要に応じてクランク状に段曲げ加工されている。段曲げ部の段差は、回路基板62等の退避部12Bの深さに応じて適宜設定されうる。
【0086】
図8は、通常の充電又は放電状態におけるブレーカー1の動作を示している。通常の充電又は放電状態においては、熱応動素子5は初期形状を維持し(逆反り前であり)、固定接点21と可動接点41は接触し、可動片4の弾性部43などを通じてブレーカー1の両端子22、32間は導通している。可動片4の弾性部43と熱応動素子5とは接触しており、可動片4、熱応動素子5、PTCサーミスター6及び固定片2は、回路として導通している。しかし、PTCサーミスター6の抵抗は、可動片4の抵抗に比べて圧倒的に大きいため、PTCサーミスター6を流れる電流は、固定接点21及び可動接点41を流れる量に比して実質的に無視できる程度である。
【0087】
図9は、過充電状態又は異常時などにおけるブレーカー1の動作を示している。過充電又は異常により高温状態となると、動作温度に達した熱応動素子5は逆反りし、可動片4の弾性部43が押し上げられて固定接点21と可動接点41とが離反する。このとき、固定接点21と可動接点41の間を流れていた電流は遮断され、僅かな漏れ電流が熱応動素子5及びPTCサーミスター6を通して流れることとなる。PTCサーミスター6は、このような漏れ電流の流れる限り発熱を続け、熱応動素子5を逆反り状態に維持させつつ抵抗値を激増させるので、電流は固定接点21と可動接点41の間の経路を流れず、上述の僅かな漏れ電流のみが存在する(自己保持回路を構成する)。この漏れ電流は安全装置の他の機能に充てることができる。
【0088】
過充電状態を解除し、又は異常状態を解消すると、PTCサーミスター6の発熱も収まり、熱応動素子5は復帰温度に戻り、元の初期形状に復元する。そして、可動片4の弾性部43の弾性力によって可動接点41と固定接点21とは再び接触し、回路は遮断状態を解かれ、
図8に示す導通状態に復帰する。
【0089】
図10は、電気機器100に搭載されるレセプタクルコネクタ60(以下、単にコネクタ60と記すことがある)を含むコネクタモジュールの構成を示している。コネクタ60は、コネクタ10又は他のプラグコネクタと組み合わせて使用される。コネクタ60のうち、以下で説明されてない部分については、上述したコネクタ10の構成が採用されうる。
【0090】
コネクタ60は、レセプタクル給電端子(以下、単に給電端子と記す)61Aと、給電ライン61とを備えている。給電端子61Aは、コネクタ10のケーブル50の接続先(相手方)の電気機器に直流電力を供給する。また、給電端子61Aは、コネクタ10を介して直流電力の供給を受ける。給電端子61Aは、給電ライン61の先端部に設けられている。
【0091】
給電ライン61には、ブレーカー1が設けられている。コネクタ10と同様に、ブレーカー1の動作によって、コネクタ60の発熱が停止し、コネクタ60及び電気機器100が保護される。
【0092】
コネクタ60は、回路基板62をさらに備える。回路基板62、給電端子61A及び給電ライン61については、
図3に示される回路基板12、給電端子11A及び給電ライン11と同等であるので、その説明を省略する。
【0093】
ブレーカー1は、電流を遮断する電流遮断手段1Aが設けられた本体部1Bと、本体部1Bの外側に突出する一対の端子部1Cとを有している。各端子部1Cは、給電ライン61に接続される。本実施形態では、各端子部1Cは、給電ライン61に設けられているランド61C、61Dと、例えば、リフローはんだ又はレーザー溶接等を介して接続される。
【0094】
回路基板62は、退避部62Bを有している。退避部62Bは、ブレーカー1の本体部1Bから回路基板62の厚さ方向に退避する。これにより、ブレーカー1の本体部1Bの一部又は全体が退避部62Bに収容され、本体部1Bが回路基板62の厚さ方向の外側に突出することが抑制される。従って、コネクタ60の全厚寸法を抑制し、電気機器100の薄型化を図ることが可能となる。
【0095】
本実施形態では、退避部62Bは、回路基板62を厚さ方向に貫通する貫通孔62Cによって構成されている。貫通孔62Cは、プレス加工等によって回路基板62を打ち抜くことにより、容易に形成されうる。このような貫通孔62Cは、本体部1Bの厚さが比較的大きいブレーカー1に対して特に有効に作用し、コネクタ60のより一層の小型化を図ることが容易となる。
【0096】
導電パターン62Aは、信号伝送ライン64を含んでいる。信号伝送ライン64は、給電ライン61に並行して設けられ、コネクタ10との間で電気信号を入出力する。導電パターン62Aに給電ライン61及び信号伝送ライン64を含むコネクタ60によれば、電力及び電気信号の入出力を同時に行なうことができる。
【0097】
信号伝送ライン64は、回路基板62の平面視で、退避部62Bの外側領域に配されている。すなわち、信号伝送ライン64は、退避部62Bを迂回しながら、給電ライン61に沿ってのびている。本実施形態では、一対の信号伝送ライン64が設けられている。さらに多くの信号伝送ライン64が設けられていてもよい。このような信号伝送ライン64の配置によれば、コネクタ60の全厚寸法を抑制しつつ、電力の入出力及び有線通信を同時に行なうことが可能となる。
【0098】
本実施形態では、信号伝送ライン64は、回路基板62の裏面に配されている。信号伝送ライン64は、回路基板62の表面に配されていてもよい。回路基板62が多層基板の場合、信号伝送ライン64は、回路基板62の内部に埋設されていてもよい。
【0099】
導電パターン62Aは、グランド(GND)ライン65を含んでいる。グランドライン65は、電気機器100のグランドと接続される。グランドライン65は、回路基板62の裏面に配されている。グランドライン65は、回路基板62の表面に配されていてもよい。回路基板62が多層基板の場合、グランドライン65は、回路基板62の内部に埋設されていてもよい。
【0100】
信号伝送ライン64の先端にはレセプタクル信号伝送端子(以下、単に信号伝送端子と記す)64Aが、グランドライン65の先端には、レセプタクルグランド端子(以下、単にグランド端子と記す)65Aがそれぞれ接続されている。給電端子61A、信号伝送端子64A及びグランド端子65Aは、回路基板62の短手方向に配列されている。給電端子61A、信号伝送端子64A及びグランド端子65Aによって、レセプタクル端子が構成される。なお、給電端子61A、信号伝送端子64A及びグランド端子65A並びに給電ライン61、信号伝送ライン64及びグランドライン65の配列は、
図10に示される形態に限られることなく、コネクタ60が接続される電気機器100の仕様等に応じて適宜変更可能である。
【0101】
給電ライン61、信号伝送ライン64及びグランドライン65の他端には、端子61B、64B及び65Bが設けられている。端子61B、64B及び65Bは、回路基板62の短手方向に配列されている。端子61B、64B及び65Bは、回路基板62の裏面で、導電パターン62Aの一部を構成する。
【0102】
端子61B、64B及び65Bは、例えば、フレキシブルケーブル55等を介して、電気機器100のメイン回路基板(図示せず)と接続される。フレキシブルケーブル55の先端には、コネクタ56が配されている。コネクタ60とコネクタ56とを接続することにより、給電ライン61、信号伝送ライン64及びグランドライン65とフレキシブルケーブル55の各ラインとが接続される。
【0103】
本実施形態では、端子61B、64B及び65Bは、ブレーカー1の本体部1Bの外側領域に配されている。従って、コネクタ56が本体部1Bと干渉することなく、容易にコネクタ60とコネクタ56とを接続することが可能となる。
【0104】
コネクタ60においても、
図5に示される回路基板12Fと同様に、退避部62Bを切り欠き部に変形することができる。また、
図6に示される回路基板12Jと同様に、退避部62Bを有底の凹部に変形することができる。
【0105】
コネクタ60に搭載されるブレーカー1の詳細は、コネクタ10に搭載されるブレーカー1と同等であるため、その説明は省略される。
【0106】
コネクタ60は、
図10に示されるような独立したコネクタモジュールの形態の他、電気機器100のメイン回路基板の一端に設けられた形態であってもよい。
【0107】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも、接続先に直流電力を供給する給電端子11Aと、給電端子11Aが先端部に設けられた給電ライン11とを備え、温度変化に応じて電流を遮断するブレーカー1が、給電ライン11に設けられていればよい。
【0108】
(第2発明)
以下、本発明の第2発明である回路基板について説明する。
図10に示されるように、回路基板62は、電気機器100に内蔵され、プラグコネクタ10を介して外部機器と接続される。回路基板62は、外部機器との間で直流電力を入出力するレセプタクル給電端子61Aと、給電端子61Aが先端部に接続された給電ライン61とを備える。給電端子61A及び給電ライン61の詳細については、コネクタ60にて既に説明済であるため、その説明は省略される。
【0109】
給電ライン61には、温度変化に応じて電流を遮断するブレーカー1が設けられている。ブレーカー1の詳細についても、コネクタ10にて既に説明済であるため、その説明は省略される。
【0110】
回路基板62には、ブレーカー1の本体部1Bから回路基板62の厚さ方向に退避する退避部62Bが設けられている。退避部62Bの詳細についても、コネクタ10に設けられている退避部12Bと同等であるため、その説明は省略される。
【0111】
導電パターン62Aは、外部機器との間で電気信号を入出力する信号伝送ライン64を含む。信号伝送ライン64の詳細についても、コネクタ10に設けられている信号伝送ライン14と同等であるため、その説明は省略される。
【0112】
図11は、コネクタ60Aが一端に設けられた電気機器100のメイン回路基板101を示している。回路基板101のうち、以下で説明されてない部分については、上述した回路基板62の構成が採用されうる。この回路基板101では、給電ライン61、信号伝送ライン64及びグランドライン65が、電気機器100のメイン回路基板101に直接的に形成されている。このため、
図10に示されるフレキシブルケーブル55等は不要となり、電気機器100の構成を簡素化することが可能となる。
【0113】
回路基板101には、例えば、電気機器100の制御を司るCPU(Central Processing Unit)等が実装されている。回路基板101のコネクタ60Aに搭載されるブレーカー1の詳細については、コネクタ10に搭載されるブレーカー1と同等であるため、その説明は省略される。
【0114】
回路基板101では、温度変化に応じて電流を遮断するブレーカー1が、給電ラインに設けられているので、回路基板101のうちコネクタ60Aの近傍領域が過熱した場合には、ブレーカー1によって電流が遮断され、回路基板101及びコネクタ60Aが保護される。また、回路基板101の給電ライン61に短絡が生じた場合等、過電流が流れた場合であっても、過熱されたブレーカー1が電流を遮断する。これにより、回路基板101及びコネクタ60Aの発熱が停止し、回路基板101及びコネクタ60A等が保護される。
【0115】
回路基板101には、ブレーカー1の本体部1Bから回路基板101の厚さ方向に退避する退避部62Bが設けられている。退避部62Bの詳細については、回路基板62に設けられている退避部62Bと同等であるため、その説明は省略される。
【0116】
回路基板101の導電パターン62Aは、信号伝送ライン64を含んでいる。本実施形態の回路基板101では、広大な領域に導電パターン62Aが形成可能であるため、導電パターン62Aの自由度が高い。従って、信号伝送ライン64は、例えば、給電ライン61に略垂直な方向に延出されている。
【0117】
図12は、電気機器のメイン回路基板101にも搭載可能なレセプタクルコネクタ60Bを示している。コネクタ60Bのうち、以下で説明されてない部分については、上述したコネクタ60の構成が採用されうる。コネクタ60Bは、内部の回路基板62にブレーカー1が設けられている。回路基板62の端子61B、64B及び65B(
図10参照)には、複数のピン端子66が接続されている。端子61B、64B及び65Bとピン端子66との接続には、例えば、はんだ(図示せず)等が適用されている。
【0118】
ピン端子66の先端部は、回路基板101に設けられた導電パターン101Aと接続される。ピン端子66と導電パターン101Aとの接続には、はんだ102が適用される。回路基板62の周囲には、必要に応じて、金属カバー67が設けられている。
図12では、回路基板62及びブレーカー1を透視しうるように、金属カバー67が一点鎖線で描かれている。
【0119】
金属カバー67は、回路基板62の導電パターン62A(
図10参照)及びブレーカー1等から間隔を隔てて形成され、導電パターン62Aと絶縁されている。金属カバー67によって、回路基板62及びブレーカー1が保護される。また、金属カバー67によって、導電パターン62Aの短絡が抑制される。金属カバー67の正面には、給電端子11A、信号伝送端子14a及びグランド端子15Aを露出させるための開口67Aが形成されている。開口67Aにコネクタ10等を挿入することにより、コネクタ10等とコネクタ60Bとが接続される。
【0120】
図13は、コネクタ60Bの変形例であるコネクタ60Cを示している。コネクタ60Bと同様に、コネクタ60Cは、内部の回路基板62にブレーカー1が設けられ、ピン端子66と導電パターン101Aとの接続には、はんだ102が適用される。回路基板62の周囲には、絶縁体68が設けられている。
図13では、回路基板62及びブレーカー1を透視しうるように、絶縁体68が一点鎖線で描かれている。絶縁体68によって、回路基板62の導電パターン62A(
図10参照)等がコネクタ60Cの外部と絶縁される。また、絶縁体68によって、回路基板62及びブレーカー1が保護される。
【0121】
図13に示される態様では、コネクタ60Cにフレキシブルケーブル110が接続される。絶縁体68の正面には、給電端子11A、信号伝送端子14a及びグランド端子15Aを露出させるための開口68Aが形成されている。開口68Aには、開閉可能な開閉部68Bが設けられている。開口68Aからフレキシブルケーブル110を挿入し、開閉部68Bを閉じることにより、フレキシブルケーブル110とコネクタ60Cとが接続され、フレキシブルケーブル110が固定される。
【0122】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも、電気機器100に内蔵され、プラグコネクタ10を介して外部機器と接続され、外部機器との間で直流電力を入出力する給電端子61Aと、給電端子61Aが先端部に接続された給電ライン61とを備え、温度変化に応じて電流を遮断するブレーカー1が、給電ライン61に設けられていればよい。
【0123】
本発明のコネクタ10、10J、60及び60Aは、例えば、商用交流電圧を所望の直流電圧に変換するAC/DCコンバータ(いわゆるACアダプタ)と電気機器との接続にも好適に用いられる。このような接続では、AC/DCコンバータと電気機器との間では、コネクタは直流電力の供給のみに用いられていてもよい。従って、
図3等に示される信号伝送ライン14等は不要である。