特許第6983935号(P6983935)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983935
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/981 20170101AFI20211206BHJP
【FI】
   A47B88/981
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-40427(P2020-40427)
(22)【出願日】2020年3月10日
(65)【公開番号】特開2021-30055(P2021-30055A)
(43)【公開日】2021年3月1日
【審査請求日】2020年3月10日
(31)【優先権主張番号】108129735
(32)【優先日】2019年8月19日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】翁 子承
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−017485(JP,A)
【文献】 米国特許第4331369(US,A)
【文献】 米国特許第4712927(US,A)
【文献】 実開昭60−031845(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドレールアセンブリであって、
対象物体に取り付けられるように構成されたレール部材であって、該レール部材は長手体を有、該長手体は設置孔を備える、レール部材と、
支持部及び接続部を含む取り付け構造であって、該接続部は前記レール部材を前記対象物体に取り付けるために前記レール部材の設置孔内に挿入されて前記対象物体に接続されるように構成されている、取り付け構造と、
を含み、
支持部は前記接続部の輪郭よりも大きい輪郭ののブロック部を含み、前記レール部材は第2のブロック部及び第3のブロック部を含み、該第1のブロック部は、該第2のブロック部と該第3のブロック部との間に配置され、該第2のブロック部は前記対象物体と該第1のブロック部との間に配置され、
前記第1のブロック部と前記対象物体の間に第1の横方向幅が定義され、前記第2のブロック部と前記第3のブロック部との間に第2の横方向幅が定義され、
前記第2のブロック部の厚さは前記第1の横方向幅よりも小さく、前記第1のブロック部の厚さは前記第2の横方向幅よりも小さく、前記レール部材及び前記取り付け構造は、前記第2のブロック部と前記第3のブロック部との間に前記第1のブロック部が配置されることを介して、限られた範囲内で互いに対して横方向に動かすことができる、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記支持部は貫通孔を有し、
前記接続部は前記支持部の貫通孔内に挿入されるように構成され、
前記第2のブロック部及び前記第3のブロック部は、前記設置孔内に設けられる、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記支持部は本体部をさらに含み、前記第1のブロック部は前記本体部に接続され、前記第1のブロック部の輪郭は前記本体部の輪郭よりも大きく、前記貫通孔は、前記第1のブロック部及び前記本体部を貫通する、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記接続部はヘッド区画と、該ヘッド区画に接続される本体区画とを含み、該ヘッド区画は該本体区画よりも大きく、前記接続部の本体区画は、前記レール部材の設置孔及び前記支持部の貫通孔に挿入されるように構成され、
前記支持部は、前記接続部のヘッド区画の外周上でスリーブ状に設けられている、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記接続部の本体区画は前記対象物体に接続されるように構成され、前記支持部は、前記対象物体と前記接続部のヘッド区画との間に支持を提供するように構成され、
前記対象物体は複数の接続機構を有し、前記レール部材は補強部材を備え、該補強部材は、前記複数の接続機構に取り付けられるように構成された複数の取り付け機構を備える、請求項4に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
スライドレールアセンブリであって、
対象物体に取り付けられるように構成されたレール部材であって、該レール部材は長手体を有し、該長手体は設置孔を備える、レール部材と、
支持部及び接続部を含む取り付け構造であって、該接続部は前記レール部材を前記対象物体に取り付けるために前記レール部材の設置孔内に挿入されて前記対象物体に接続されるように構成されている、取り付け構造と、
を含み、
前記支持部は前記接続部の輪郭よりも大きい輪郭の第1のブロック部を含み、前記レール部材は第2のブロック部を含み、該第2のブロック部は前記対象物体と該第1のブロック部との間に配置され、
前記第1のブロック部と前記対象物体の間に第1の横方向幅が定義され、
前記第2のブロック部の厚さは前記第1の横方向幅よりも小さい、スライドレールアセンブリ
【請求項7】
前記レール部材は第3のブロック部をさらに含み、前記第1のブロック部は、前記第2のブロック部と該第3のブロック部との間に配置され、
前記第2のブロック部と前記第3のブロック部との間に第2の横方向幅が定義され、
前記第1のブロック部の厚さは前記第2の横方向幅よりも小さく、前記レール部材及び前記取り付け構造は、前記第2のブロック部と前記第3のブロック部との間に前記第1のブロック部が配置されることを介して、限られた範囲内で互いに対して横方向に動かすことができる、請求項6に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記支持部及び前記接続部は一体形成されている、請求項6に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレールアセンブリに関し、より具体的には、より大きな取り付け公差(greater mounting tolerance)に適用可能なスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ラックシステムにおいて、スライドレールアセンブリはラックに取り付けられるように構成されている。特許文献1には、接続部(ブラケット)を介してラックの2つのポストに固定される前側部及び後ろ側部を有するスライドレールアセンブリが開示されている。スライドレールアセンブリを介して、保持物体(例えば、電子機器又は引き出し)をラックに取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8028965号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加えて、どのようにスライドレールアセンブリをラックに取り付けても、スライドレールアセンブリの取り付け位置は通常固定されており、スライドレールアセンブリがラックに一度取り付けられるとスライドレールアセンブリを動かすことができない。
【0005】
一般に、ラックの2つのポストの間の距離は所定の仕様を満たす。そのため、保持物体の大きさは制限される。すなわち、保持物体の寸法が異なる場合(例えば、異なる幅)、スライドレールアセンブリの位置又は寸法(例えば幅)を必要に応じて変更する必要がある。
【0006】
したがって、異なるスライドレール製品を開発することが重要である。
【0007】
本発明は、より大きな取り付け公差に適用可能であるとともに、所定の範囲に幅が制限される保持物体を取り付けるように構成されたスライドレールアセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリはレール部材と、取り付け構造とを含む。レール部材は長手体を有する。取り付け構造はレール部材に取り付けられる。取り付け構造は接続部及び支持部を含む。接続部はレール部材を対象物体に取り付けるように構成されている。支持部はレール部材が横方向に移動できるようにするように構成されている。支持部及びレール部材のうちの少なくとも一方には、レール部材が第1の所定の位置と第2の所定の位置との間で支持部に対して横方向に動かすことができるようにするためにブロック部が設けられる。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリはレール部材と、取り付け構造とを含む。レール部材は長手体を有する。長手体は設置孔を備える。取り付け構造はレール部材の設置孔内に挿入されるように構成されている。レール部材及び取り付け構造のうちの一方は第1のブロック部を含み、レール部材及び取り付け構造のうちの他方は第2のブロック部及び第3のブロック部を含む。第1のブロック部は、第2のブロック部と第3のブロック部との間に配置される。第2のブロック部と第3のブロック部との間に横方向幅が定義される。第1のブロック部の厚さは横方向幅よりも小さい。レール部材及び取り付け構造は、第2のブロック部と第3のブロック部との間に第1のブロック部が配置されることを介して、限られた範囲内で互いに対して横方向に動かすことができる。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは取り付け構造と、レール部材とを含む。取り付け構造は第1のブロック部を含む。レール部材は長手体を有する。長手体は、長手体を横方向に貫通する貫通孔を備える。レール部材は第2のブロック部及び第3のブロック部を含む。第1のブロック部は第2のブロック部と第3のブロック部との間に配置される。第2のブロック部と第3のブロック部との間に横方向幅が定義される。レール部材及び取り付け構造は、第2のブロック部と第3のブロック部との間に第1のブロック部が配置されることを介して、限られた範囲内で互いに対して横方向に動かすことができる。
【0011】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態に係る、保持物体が取り付けられたスライドレールアセンブリ及びラックの分解図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態に係る、スライドレールアセンブリを介してラックに取り付けられた保持物体を示す図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態に係る、一対のスライドレールアセンブリを介してラックに取り付けられた保持物体の両側を示す図である。
図6図6は、本発明の第1の実施形態に係る、取り付け構造を介してラックに取り付けられたスライドレールアセンブリを示す図である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態に係る、スライドレールアセンブリのレール部材が第1の所定の位置に位置する状態で、取り付け構造を介してラックに取り付けられたスライドレールアセンブリを示す図である。
図8図8は、本発明の第1の実施形態に係る、スライドレールアセンブリのレール部材が第2の所定の位置に位置する状態で、取り付け構造を介してラックに取り付けられたスライドレールアセンブリを示す図である。
図9図9は、本発明の第2の実施形態に係る、取り付け構造を介してラックに取り付けられたスライドレールアセンブリを示す図である。
図10図10は、本発明の第3の実施形態に係る、取り付け構造を介してラックに取り付けられたスライドレールアセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態によれば、スライドレールアセンブリ20はレール部材22(例えば、外側レール)及び取り付け構造24を含む。レール部材22は長手方向に配置されている。スライドレールアセンブリ20は、補強部材22a、内側レール26及び中間レール28をさらに含むことが好ましい。補強部材22aは、レール部材22の一部とみなされるようにレール部材22に接続(例えば固定接続)されている。補強部材22aは、レール部材22の構造強度を改善するように構成されている。他方、中間レール28は、レール部材22と内側レール26との間で可動に取り付けられて、所謂3段階(three sectional)スライドレールアセンブリを形成する。しかしながら、本発明において、スライドレールアセンブリ20のレールの数は限定されない。内側レール26は、中間レール28を介してレール部材22に対して長手方向に可動である。
【0014】
レール部材22及び補強部材22aは、長手体30、30aをそれぞれ有する。レール部材22及び補強部材22aの長手体30、30aはそれぞれ、設置機構、例えば互いに連通する設置孔32、32aを備えるが、本発明はこのような構成に限定されない。補強部材22aがレール部材22の一部とみなされる場合、設置孔32、32aを同一の設置孔32とみなすことができる。補強部材22aは、複数の取り付け機構34、例えば吊り下げピンを備えるが、本発明はこのような構成に限定されない。補強部材22aは複数の支持機構35をさらに備えることが好ましい。支持機構35は突起であり得るが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0015】
取り付け構造24は、レール部材22及び補強部材22aの設置孔32、32aに取り付けられるように構成されている。例えば、取り付け構造24は、レール部材22及び補強部材22aの設置孔32、32aに挿入できる。取り付け構造24は、支持部36及び接続部38を含むことが好ましい。第1の実施形態では、支持部36及び接続部38は2つの別個の構成要素であるが、本発明はこのような構成に限定されない。支持部36はスリーブ、ワッシャー、ガスケット等であり、接続部38はネジであることが好ましいが、本発明はこのような構成に限定されない。さらに、第1の実施形態において、取り付け構造24の支持部36は、レール部材22及び補強部材22aの長手体30、30aとの間で制限されるように、予め設置孔32に可動に取り付けることができる。これにより、支持部36はレール部材22から外れるのが防止される。
【0016】
図3及び図4に示すように、レール部材22は、少なくとも1つの対象物体に取り付けられるように構成されている。少なくとも1つの対象物体は、ラックの少なくとも1つのポストであり得る。本実施形態では、少なくとも1つの対象物体は、ラックの第1のポスト40a及び第2のポスト40bであり得るが、本発明においてポストの数は限定されない。第1のポスト40a及び第2のポスト40bの双方は、複数の接続機構42及び複数の対応機構44を有する。接続機構42は接続孔であり、対応機構44は孔(又は凹部)であり得るが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0017】
さらに、補強部材22aの複数の取り付け機構34(吊り下げ爪等)は、第1のポスト40a及び第2のポスト40bのうちの一方の複数の接続機構42(例えば接続孔)に取り付けられるように構成されている。取り付け機構34のそれぞれは、第1の取り付け部34aと、第1の取り付け部34aに接続される第2の取り付け部34bとを含み、第1の取り付け部34aは第2の取り付け部34bよりも大きい。接続機構42のそれぞれは、第1の孔部42aと、第1の孔部42aと連通する第2の孔部42bとを含み、第1の孔部42aは第2の孔部42bよりも大きい。取り付け機構34の第1の取り付け部34aは、接続機構42の第1の孔部42aに挿入されるように構成されている。取り付け機構34の第1の取り付け部34aが接続機構42の第1の孔部42aに挿入されると、取り付け機構34の第2の取り付け部34bは、補強部材22aを若干動かすことにより、接続機構42の第2の孔部42bに取り付けられるように構成されている。
【0018】
他方、補強部材22aの複数の支持機構35(例えば突起)は、第1のポスト40a及び第2のポスト40bのうちの一方の複数の対応機構44(例えば孔又は凹部)に取り付けられるように構成されている。第1のポスト40aは複数のネジ孔46を有し、取り付け構造24の接続部38は、第1のポスト40aのネジ孔46のうちの1つにねじ込むことができることが好ましい。取り付け構造24の接続部38が、第1のポスト40aのネジ孔46のうちの1つにねじ込まれる、取り付け機構34の第2の取り付け部34bを接続機構42の第2の孔部42bでしっかり保持できる。加えて、内側レール26は保持物体48を保持するように構成されている。
【0019】
図5に示すように、保持物体48の両側にはスライドレールアセンブリ20が設けられている。スライドレールアセンブリ20のそれぞれは、対応する第1のポスト40a(又は第2のポスト40b)に取り付けられている。さらに、ラックの第1のポスト40a(又は第2のポスト40b)のうちの2つの間に定義されるポスト距離W1は、通常、所定の仕様幅を満たす。保持物体48が保持物体幅W2を有し、スライドレールアセンブリ20の幅が所定の幅W3と等しくない場合、保持物体幅W2をポスト距離W1内に合わせるために、スライドレールアセンブリ20はポストに対して横方向に動かすことができなければならない。
【0020】
図6に示すように、補強部材22aはレール部材22の一部とみなされ、設置孔32、32aは同じ設置孔32とみなされる。レール部材22の設置孔32は、長手体30の第1の側L1及び第2の側L2と連通している。本実施形態では、レール部材22の設置孔32は、長手体30を横方向に貫通するように構成されている。
【0021】
さらに、レール部材22及び取り付け構造24のうちの一方は、第2のブロック部B2及び第3のブロック部B3を含む。本実施形態では、レール部材22及び補強部材22aは、第3のブロック部B3及び第2のブロック部B2をそれぞれ含むが、本発明はこのような構成に限定されない。レール部材22は第2のブロック部B2及び第3のブロック部B3の両方を含むことができるか又はレール部材22及び補強部材22aは、それぞれ第3のブロック部B3及び第2のブロック部B2を含むことができる。補強部材22aは、レール部材22の一部とみなされるようにレール部材22に接続(例えば固定接続)されているため、レール部材22は、全体として、第2のブロック部B2及び第3のブロック部B3を含むと考えることができる。
【0022】
第2のブロック部B2と第3のブロック部B3との間には横方向幅(transverse width)Tが定義されることが好ましい。
【0023】
第2のブロック部B2及び第3のブロック部B3は、レール部材22の設置孔32内に設けられることが好ましい。例えば、レール部材22は、設置孔32に設けられた溝33(又は凹部)を有し、第2のブロック部B2及び第3のブロック部B3は溝33(又は凹部)の2つの内壁であるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0024】
他方、レール部材22及び取り付け構造24のうちの他方は、第2のブロック部B2と第3のブロック部B3との間に配置される第1のブロック部B1を含む。本実施形態では、取り付け構造24が第1のブロック部B1を含むが、本発明はこのような構成に限定されない。第1のブロック部B1の寸法(例えば、厚さ)は、横方向幅Tよりも小さい。レール部材22及び取り付け構造24は、第2のブロック部B2と第3のブロック部B3との間に第1のブロック部B1を配置されることを介して、限られた範囲内で互いに対して横に(横方向)に動かすことができる。図6に示すように、取り付け構造24は、接続部38を介して第1のポスト40aに接続(例えばねじ止め)されている。したがって、本実施形態では、レール部材22は、限られた範囲内で取り付け構造24に対して横方向に動かすことができる(図7及び図8を参照されたい)。
【0025】
さらに、取り付け構造24の支持部36は第1のブロック部B1を含み、支持部36は貫通孔Hを有する。接続部38は、レール部材22の設置孔32及び支持部36の貫通孔H内に挿入されるように構成されている。
【0026】
支持部36は本体部54をさらに含み、第1のブロック部B1は、本体部54に接続されることが好ましい。第1のブロック部B1の輪郭は本体部54の輪郭よりも大きく、貫通孔Hは、第1のブロック部B1及び本体部54を貫通する。
【0027】
接続部38はヘッド区画38aと、ヘッド区画38aに接続される本体区画38bとを含むことが好ましい。ヘッド区画38aは本体区画38bよりも大きい。接続部38の本体区画38bはレール部材22の取り付け孔32及び支持部36の貫通孔Hに挿入される。接続部38の本体区画38bは、第1のポスト40aのネジ孔46に接続(例えばねじ止め)されるように構成されている。支持部36は、接続部38のヘッド区画38aの外周にスリーブ状に設けられ、支持部36は、第1のポスト40aの壁面と接続部38のヘッド区画38aとの間に支持を提供するように構成されている。
【0028】
図6及び図7に示すように、レール部材22及び取り付け構造24は、第2のブロック部B2と第3のブロック部B3との間に第1のブロック部B1が配置されることを介して、限られた範囲内で互いに対して横方向に動かすことができる。本実施形態では、レール部材22(及び補強部材22a)は、取り付け構造24の接続部38に対して、第1の方向D1に沿って横方向に第1の距離G1(図7に示す)移動させて第1の所定の位置P1に動かすことができる。全体として、レール部材22(及び補強部材22a)は、レール部材22が接続部38によって第1の所定の位置P1に取り付けられるとみなすことができるように取り付け構造24の支持部36を介して第1の所定の位置P1に横方向に動かすことができる。
【0029】
図6及び図8に示すように、レール部材22及び取り付け構造24は、第2のブロック部B2と第3のブロック部B3との間に第1のブロック部B1が配置されることを介して、限られた範囲内で互いに対して横方向に動かすことができる。本実施形態では、レール部材22(及び補強部材22a)は、取り付け構造24の接続部38に対して、第1の方向D1と反対側の第2の方向D2に沿って横方向に第2の距離G2移動させて、(図8に示す)第2の所定の位置P2に動かすことができる。全体として、レール部材22(及び補強部材22a)は、レール部材22が接続部38によって第2の所定の位置P2に取り付けられるとみなすことができるように取り付け構造24の支持部36を介して第2の所定の位置P2に横方向に動かすことができる。
【0030】
したがって、1つの場合には、保持物体48(図5に示す第1の保持物体)の保持物体幅W2よりも大きい幅を有する別の保持物体(例えば第2の保持物体)をラックに取り付ける特定の市場の要求のために、ユーザーは、レール部材22を調節して(図7に示す)第1の所定の位置P1に動かすことができる。あるいは、別の場合には、保持物体48(図5に示す第1の保持物体)の保持物体幅W2よりも小さい幅を有する別の保持物体(例えば第3の保持物体)をラックに取り付ける特定の市場の要求のために、ユーザーは、レール部材22を調節して(図8に示す)第2の所定の位置P2に動かすことができる。
【0031】
さらに、取り付け構造24が第1のポスト40aにまだ接続(例えばねじ止め)されていない場合、レール部材22及び取り付け構造24は、第2のブロック部B2と第3のブロック部B3との間に第1のブロック部B1が配置されることを介して、限られた範囲内で互いに対して横に(横方向に)動かすことができる。
【0032】
図9は、本発明の第2の実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。第1の実施形態とは異なり、第2の実施形態のレール部材200は第1の実施形態の第3のブロック部B3を含まない。さらに、レール部材200の第2のブロック部B2は、対象物体(例えば第1のポスト40aの壁面)と、取り付け構造24の支持部36の第1のブロック部B1との間に設けられている。このような構成によれば、レール部材200も限られた範囲内で横方向に動かすことができる。さらに、レール部材200は第3のブロック部B3を含まないため、レール部材200を対象物体(例えば第1のポスト40a)に取り付けるためのキットとして、取り付け構造24の支持部36及び接続部38を提供できる。
【0033】
図10は、本発明の第3の実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。第1の実施形態とは異なり、第3の実施形態の取り付け構造300の接続部302及び支持部304は一体化されて1つの部品になっている。さらに、係る部品はボルト状の部品である。例えば、取り付け構造300は一体形成された接続部302及び支持部304を含み、支持部304は接続部302よりも大きい。このような構成によれば、取り付け構造300は、第1の実施形態又は第2の実施形態と同じ効果を提供するために、簡素な構造を有することができる。
【0034】
したがって、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリは以下のように特徴付けられる。
【0035】
1)レール部材22は、レール部材22の長手方向に対して横方向に配置された設置構造を有し、取り付け構造24はレール部材22の設置構造に取り付けられる。取り付け構造24を介してレール部材22が対象物体(例えば、第1のポスト40a)に取り付けられると、レール部材22は取り付け構造24に対して横方向に動かすことができる。
【0036】
2)ユーザーは、レール部材22の横方向位置を調節して、幅の異なる保持物体をポスト距離W1内に合わせることができる。
【0037】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0038】
20 スライドレールアセンブリ
22 レール部材
24 取り付け構造
26 内側レール
28 中間レール
30、30a 長手体
32、32a 設置孔
34 取り付け機構
36 支持部
38 接続部
40a、40b ポスト
42 接続機構
44 対応機構
46 ネジ孔
48 保持物体
B1 第1のブロック部
B2 第2のブロック部
B3 第3のブロック部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10