(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の遮蔽されたワイヤケーブル(110)、第2の遮蔽されたワイヤケーブル(112)及び第3の遮蔽されたワイヤケーブル(114)をスプライス接続する方法(400)であって、
前記第1の遮蔽されたワイヤケーブル(110)は、第1の絶縁性ジャケット(124)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1の遮蔽導体(130)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1のコア導体(116)を有し、
前記第2の遮蔽されたワイヤケーブル(112)は、第2の絶縁性ジャケット(126)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2の遮蔽導体(132)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2のコア導体(118)を有し、
前記第3の遮蔽されたワイヤケーブル(114)は、第3の絶縁性ジャケット(128)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3の遮蔽導体(134)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3のコア導体(120)を有し、前記方法は、
前記第1のコア導体(116)、前記第2のコア導体(118)及び前記第3のコア導体(120)を接合するステップと、
熱収縮性プラスチック管、布テープ又はプラスチックテープから形成された可撓性絶縁層(510)を、接合された前記第1、第2、および第3のコア導体(116、118、120)の周りに巻き付けるステップ(416)と、
編組された撚り線から形成された可撓性導電層(518)を、前記第1、第2、および第3の遮蔽導体(130、132、134)及び前記可撓性絶縁層(510)の周りに巻き付けるステップ(422)であって、前記可撓性導電層(518)が、はんだを含まない、ステップ(422)と、
熱収縮管材料(520)を、前記第1の絶縁性ジャケット(124)の一部分及び前記可撓性導電層(518)の区分の周りに巻き付けるステップ(424)と、
熱収縮管材料(522)を、前記熱収縮管材料(520)が巻き付けられていない前記可撓性導電層(518)の区分、前記熱収縮管材料(520)の区分、前記第2の絶縁性ジャケット(126)の一部分及び前記第3の絶縁性ジャケット(128)の一部分の周りに巻き付けるステップ(426)と、
前記可撓性導電層(518)ならびに前記第1、第2、および第3の絶縁性ジャケット(124、126、128)の一部分を、二重壁熱収縮管材料(524)の区分内に配設するステップ(428)とを含む方法。
第1の遮蔽されたワイヤケーブル(110)の第1のコア導体(116)、第2の遮蔽されたワイヤケーブル(112)の第2のコア導体(118)及び第3の遮蔽されたワイヤケーブル(114)の第3のコア導体(120)のスプライス接続を有するワイヤハーネス組立体であって、
前記第1の遮蔽されたワイヤケーブル(110)は、第1の絶縁性ジャケット(124)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1の遮蔽導体(130)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた前記第1のコア導体(116)を有し、
前記第2の遮蔽されたワイヤケーブル(112)は、第2の絶縁性ジャケット(126)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2の遮蔽導体(132)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた前記第2のコア導体(118)を有し、
前記第3の遮蔽されたワイヤケーブル(114)は、第3の絶縁性ジャケット(128)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3の遮蔽導体(134)によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた前記第3のコア導体(120)を有し、
前記ワイヤハーネス組立体は、
前記第1のコア導体(116)、前記第2のコア導体(118)及び前記第3のコア導体(120)を接合するステップと、
熱収縮性プラスチック管、布テープ又はプラスチックテープから形成された可撓性絶縁層(510)を、接合された前記第1、第2、および第3のコア導体(116、118、120)の周りに巻き付けるステップ(416)と、
編組された撚り線から形成された可撓性導電層(518)を、前記第1、第2、および第3の遮蔽導体(130、132、134)及び前記可撓性絶縁層(510)の周りに巻き付けるステップ(422)であって、前記可撓性導電層(518)が、はんだを含まない、ステップ(422)と、
熱収縮管材料(520)を、前記第1の絶縁性ジャケット(124)の一部分及び前記可撓性導電層(518)の区分の周りに巻き付けるステップ(424)と、
熱収縮管材料(522)を、前記熱収縮管材料(520)が巻き付けられていない前記可撓性導電層(518)の区分、前記熱収縮管材料(520)の区分、前記第2の絶縁性ジャケット(126)の一部分及び前記第3の絶縁性ジャケット(128)の一部分の周りに巻き付けるステップ(426)と、
前記可撓性導電層(518)ならびに前記第1、第2、および第3の絶縁性ジャケット(124、126、128)の一部分を、二重壁熱収縮管材料(524)の区分内に配設するステップ(428)とを含む方法(400)によって形成されている、ワイヤハーネス組立体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]遮蔽されたワイヤケーブルは、一般に、絶縁されたコア導体と、コア導体絶縁材を取り囲む別個の絶縁された遮蔽導体とを含む。遮蔽導体は、編組されたワイヤメッシュ、金属箔、または金属化薄膜からなることができる。ケーブルは、一般に、遮蔽導体を覆う第2の絶縁層を有する。遮蔽されたワイヤケーブルは、ケーブルテレビ伝送線などの通信システムに長い間使用されてきている。遮蔽されたワイヤケーブルはまた、電気およびハイブリッド電気車両における高電圧用途にも使用を見出している。遮蔽されたワイヤケーブルが一緒にスプライス接続されるとき、遮蔽導体の導通を維持するために、スプライス接続されたケーブルの遮蔽導体およびコア導体を電気的に連結する必要がある。遮蔽導体を相互連結することは複雑になることがあり、その理由は、コア導体を接合するために、遮蔽導体は、ケーブルのスプライス接続された端部から切り戻されなければならないためである。遮蔽導体を相互連結することは、時にY−スプライス接続と称される一対多のスプライス接続構造ではさらに複雑になり得る。
【0004】
[0004]遮蔽されたワイヤケーブルをスプライス接続する従来技術の方法は、圧着連結を用いてケーブルの中心導体を接合し、この圧着された接合部を熱収縮性管材料などの絶縁体で覆い、次いで、露出された遮蔽導体および絶縁された接合部を、熱収縮性管材料の区分材内のフラックスで被覆されたはんだを含浸させた導電性スリーブによって覆うことを伴っていた。熱収縮管材料の区分材内のはんだを含浸させたそのような導電性スリーブは、SolderShieldという商標名で、カリフォルニア州、メンローパークのTE
Connectivity Corporation(以前はTyco Corporation)から入手可能である。
【0005】
[0005]上記の部分で論じられた主題は、当該部分におけるその言及の結果だけで従来技術であると想定されてはならない。同様に、上記の部分で言及された、または上記の部分の主題に関連付けられた問題は、従来技術においてすでに認識されていると想定されてはならない。上記の部分の主題は、それ自体発明にもなり得るさまざまな方法を表すにすぎない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本発明の第1の実施形態および第2の実施形態によれば、ワイヤハーネス組立体が、提供される。ワイヤハーネス組立体は、第1の絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1の遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1のコア導体を有する第1の遮蔽されたワイヤケーブルと、第2の絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2の遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2のコア導体を有する第2の遮蔽されたワイヤケーブルと、第3の絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3
の遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3のコア導体を有する第3の遮蔽されたワイヤケーブルとを含み、この場合、第1、第2、および第3のコア導体は、直接的に接合された部分を形成し、第1、第2、および第3の遮蔽導体は、互いから物理的に分離される。ワイヤハーネス組立体はまた、長手方向軸線ならびに第1、第2、および第3の遮蔽導体の一部分を封入する第1の軸方向通路を画定し、第1の遮蔽導体に取り付けられる第1の接点、第2の遮蔽導体に取り付けられる第2の接点、および第3の遮蔽導体に取り付けられる第3の接点を画定する導電性スリーブも含み、この場合、第1、第2、および第3の絶縁性ジャケットは、互いから分離され、第1、第2、および第3の遮蔽導体の封入された部分は、長手方向軸線に対して実質的に平行である。ワイヤケーブル組立体は、さらに、第1、第2、および第3の絶縁性ジャケットと封止可能に係合し導電性スリーブを封入する外側絶縁体を含む。
【0007】
[0007]ワイヤハーネス組立体は、第1の軸方向通路内に配設され、第1、第2、および第3のコア導体の接合された部分を封入する第2の軸方向通路を画定する内側絶縁体を含むことができる。内側絶縁体およびスリーブは、略楕円の断面を有することができる。第2の軸方向通路の一部分は、単一の遮蔽されたケーブルだけが、第2の軸方向通路のその部分内に配設され得るように狭くされ得る。スリーブは、第1の接点を形成するように構成された圧着翼を画定することができ、スリーブは、第2および第3の接点を形成するように構成されたU字形状のスロットを画定することができる。第1、第2、および第3の接点はそれぞれ、第1、第2、および第3の接点の内部へのはんだペーストの注入を可能にするように構成された穴を画定することができる。ワイヤハーネス組立体は、さらに、第1、第2、および第3の遮蔽導体の各々に取り付けられる複数のフェルール(ferrule
)を含むことができ、この場合、第1、第2、および第3の接点は、複数のフェルールの少なくとも1つにおいて取り付けられる。複数のフェルール内の少なくとも1つのフェルールは、はんだから形成され得る。
【0008】
[0008]第1、第2、および第3の接点は、複数のフェルールによって第1、第2、および第3の外側導体それぞれに取り付けられ得る。スリーブは、第2のスリーブ部分に接合されるように構成された第1のスリーブ部分を含むことができ、内側絶縁体は、第2の内側絶縁体部分に接合されるように構成された第1の内側絶縁体部分を含むことができる。
【0009】
[0009]本発明の第1または第2の実施形態による、遮蔽されたワイヤケーブルをスプライス接続する方法が、提供される。方法は、第1の絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1の遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1のコア導体を有する第1の遮蔽されたワイヤケーブルを用意するステップと、第2の絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2の遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2のコア導体を有する第2の遮蔽されたワイヤケーブルを用意するステップと、第3の絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3の遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3のコア導体を有する第3の遮蔽されたワイヤケーブルを用意するステップと、長手方向軸線、第1の軸方向通路ならびに第1、第2の、および第3の接点を画定する遮蔽体を用意するステップであって、前記遮蔽体は、導電材料から形成されるステップと、第2の軸方向通路を画定する内側絶縁体を用意するステップであって、前記内側絶縁体は、誘電性材料から形成される、ステップとを含む。方法はまた、第1のコア導体を第2のコア導体および第3のコア導体に接合するステップと、接合された第1、第2、および第3のコア導体を第2の軸方向通路内に配設するステップと、内側絶縁体ならびに第1、第2、および第3の遮蔽導体を第1の軸方向通路内に配設するステップであって、内側絶縁体内に配設された第1、第2、および第3の遮蔽導体の部分は、長手方向軸線に対して実質的に平行である、ステップと、第1、第2、および第3の絶縁性ジャケットを互いから分離するステップとを含む。方法は、さらに、第1の接点を第1の遮蔽導体に、第
2の接点を第2の遮蔽導体に、第3の接点を第3の遮蔽導体に取り付け、それによって、第1と、第2と、第3の遮蔽導体との間に導電性通路をもたらすステップと、非導電性材料から形成された外側絶縁体を用意するステップと、遮蔽体を外側絶縁体内に配設するステップと、外側絶縁体を、第1、第2、および第3の絶縁性ジャケットに封止可能に係合させ、それによって、遮蔽体を外側絶縁体内に封入するステップとを含む。接合された第1、第2、および第3のコア導体は、第2の軸方向通路内に摺動可能に配設され得、第1、第2、および第3の遮蔽導体は、第1の軸方向通路内に摺動可能に配設され得る。
【0010】
[0010]第1、第2、および第3の接点のそれぞれが穴を画定する場合、方法は、はんだペーストを第1、第2、および第3の接点の内部に、その中に画定された穴から注入するステップと、はんだペーストをこれがリフロー(reflow)するまで加熱し、それによって、第1、第2、および第3の接点を第1、第2、および第3の遮蔽導体それぞれにはんだ付けするステップとを含むことができる。方法は、任意選択で、第1、第2、および第3のフェルールを用意するステップと、第1、第2、および第3のフェルールを第1、第2、および第3の遮蔽導体それぞれに取り付けるステップと、第1、第2、および第3のフェルールを、第1、第2、および第3の接点それぞれに圧着し、それによって第1、第2、および第3の接点を第1、第2、および第3の遮蔽導体それぞれに取り付けるステップとを含むことができる。
【0011】
[0011]スリーブが、第1のスリーブ部分および第2のスリーブ部分を含む場合、方法は、追加的に、第1のスリーブ部分を第2のスリーブ部分に接合し、それによって接合された第1、第2、および第3のコア導体を第2の軸方向通路内に配設するステップを含むことができる。
【0012】
[0012]内側絶縁体が、第1の内側絶縁体部分および第2の内側絶縁体部分を含む場合、方法は、さらに、第1の内側絶縁体部分を第2の内側絶縁体部分に接合し、それによって内側絶縁体ならびに第1、第2、および第3の遮蔽導体を第1の軸方向通路内に配設するステップを含むことができる。
【0013】
[0013]外側絶縁体が、外側絶縁体および少なくとも1つの遮蔽されたワイヤケーブルを封止可能に係合するように構成された端部キャップ(end cap)をさらに含む場合、方法
はまた、端部キャップを少なくとも1つの遮蔽されたワイヤケーブルに封止可能に係合させるステップと、端部キャップを外側絶縁体に封止可能に係合させ、それによって遮蔽体を外側絶縁体内に封入するステップとを含むことができる。
【0014】
[0014]本発明の第3の実施形態による遮蔽されたワイヤケーブルをスプライス接続する別の方法が、提供される。方法は、絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれたコア導体を各々が有する第1、第2、および第3の遮蔽されたワイヤケーブルを用意するステップと、可撓性絶縁層を用意するステップと、可撓性導電層を用意するステップと、二重壁熱収縮管材料の区分を用意するステップとを含む。方法はまた、可撓性絶縁層の第1の部分を、接合された第1、第2、および第3のコア導体の周りに巻き付けるステップと、可撓性導電層を第1、第2、および第3の遮蔽導体の周りに巻き付けるステップと、可撓性導電層ならびに第1、第2、および第3の絶縁性ジャケットを二重壁熱収縮管材料の区分内に配設するステップとを含む。
【0015】
[0015]この方法は、さらに、可撓性絶縁層の第2の部分を、可撓性絶縁層の第1の部分の周りに巻き付けるステップと、可撓性絶縁層の第3の部分を、第1の遮蔽されたワイヤケーブルの絶縁層の一部分および可撓性導電層の第1の部分の周りに巻き付けるステップと、可撓性絶縁層の第4の部分を、第2および第3の遮蔽されたワイヤケーブルの絶縁層
の一部分ならびに可撓性導電層の第2の部分の周りに巻き付けるステップと、第1および第2のフェルールを用意するステップと、第1のフェルールを、第2の遮蔽されたワイヤケーブルの絶縁層の周りに巻き付けるステップと、第2のフェルールを、第1のフェルールに隣接して第3の遮蔽されたワイヤケーブルの絶縁層の周りに巻き付けるステップとを含むことができる。第1および第2のフェルールは、二重壁熱収縮管材料の区分内に配設され得る。
【0016】
[0016]可撓性絶縁層の第1の部分は、布テープから形成され得る。可撓性絶縁層の第2、第3、および第4の部分は、熱収縮管材料の区分から形成され得る。可撓性絶縁層の第4の部分は、収縮前、可撓性絶縁層の第3の部分より大きい直径を有することができる。第1および第2のフェルールもまた、熱収縮管材料の区分から形成され得る。
【0017】
[0017]この発明の第3の実施形態によれば、少なくとも3つの遮蔽されたワイヤケーブルのスプライス接続を有するワイヤハーネス組立体が、提供される。ワイヤリングハーネスは、第1の絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1の遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1のコア導体を有する第1の遮蔽されたワイヤケーブルと、絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれたコア導体を各々が有する第1、第2、および第3の遮蔽されたワイヤケーブルとを備え、この場合、第1のコア導体は、第2のコア導体および第3のコア導体に電気的および機械的に結合される。ワイヤハーネス組立体は、さらに、接合された第1、第2、および第3のコア導体の周りに巻き付けられた第1の可撓性絶縁層と、第1、第2、および第3の遮蔽導体の周りに巻き付けられた可撓性導電層と、第3および第4の可撓性絶縁層ならびに第1、第2、および第3の絶縁性ジャケットの一部分が配設される、二重壁熱収縮管材料の区分とを含む。可撓性導電層は、はんだを含まない。
【0018】
[0018]ワイヤハーネス組立体は、さらに、第1の絶縁層の周りに巻き付けられた第2の可撓性絶縁層と、第1の遮蔽されたワイヤケーブルの絶縁層の一部分および可撓性導電層の第1の部分の周りに巻き付けられた第3の可撓性絶縁層と、第2および第3の遮蔽されたワイヤケーブルの絶縁層の一部分および可撓性導電層の第2の部分の周りに巻き付けられた第4の可撓性絶縁層と、第2の遮蔽されたワイヤケーブルの絶縁層の周りに巻き付けられた第1のフェルールと、第3の遮蔽されたワイヤケーブルの絶縁層の周りにかつ第1のフェルールに隣接して巻き付けられた第2のフェルールとを含むことができ、この場合、第1および第2のフェルールもまた、二重壁熱収縮管材料の区分内に配設される。
【0019】
[0019]第1の絶縁層は、布テープから形成されてよく、可撓性導電層は、編組された撚り線から形成される。
【0020】
[0020]本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例として、添付の図を参照することによって与えられた本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読み取ることにより、よりはっきりと明確になろう。
【0021】
[0021]本発明は、次に、以下の添付の図を参照して例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】[0022]従来技術の電気負荷連結の仕組みの概略図である。
【
図2】[0023]第1および第2の実施形態による電気負荷連結の仕組みの概略図である。
【
図3】[0024]第1の実施形態による、コア導体のスプライス接続を有するワイヤハーネス組立体の図である。
【
図4】[0025]第1の実施形態による、遮蔽されたワイヤケーブル上に事前装填された内側絶縁体を有するワイヤハーネス組立体の斜視図である。
【
図5】[0026]第1の実施形態による、コア導体のスプライス接続を封入する内側絶縁体を有するワイヤハーネス組立体の斜視図である。
【
図6】[0027]第1の実施形態による、コア導体のスプライス接続を封入する
図5のワイヤハーネス組立体の内側絶縁体の半透明の斜視図である。
【
図7】[0028]第1の実施形態による、コア導体のスプライス接続を封入する
図6のワイヤハーネス組立体の内側絶縁体の切断図である。
【
図8】[0029]第1の実施形態による、遮蔽されたワイヤケーブル上に事前装填された遮蔽体を有するワイヤハーネス組立体の斜視図である。
【
図9】[0030]第1の実施形態による、内側絶縁体を封入する
図8のワイヤハーネス組立体の遮蔽体の斜視図である。
【
図10】[0031]第1の実施形態による、内側絶縁体を封入する
図9のワイヤハーネス組立体の遮蔽体の切断図である。
【
図11A】[0032]第1の実施形態による、
図10のワイヤハーネス組立体の接点を遮蔽導体に圧着する斜視図である。
【
図11B】[0033]第1の実施形態による、
図11Aのワイヤハーネス組立体の圧着された接点を示す上面の詳細図である。
【
図12】[0034]第1の実施形態による、
図10のワイヤハーネス組立体の遮蔽体を封入する外側絶縁体の上面図である。
【
図13】[0035]第1の実施形態による、ワイヤハーネス組立体の上面図である。
【
図14】[0036]第2の実施形態による、ワイヤリングハーネス(wiring harness)組立体の分解斜視図である。
【
図15】[0037]第2の実施形態による、
図14のワイヤリングハーネス組立体の内側絶縁体の斜視図である。
【
図16】[0038]第2の実施形態による、
図14のワイヤリングハーネス組立体の内側絶縁体の組み立ての斜視図である。
【
図17】[0039]第2の実施形態による、スリーブの一部分内に配設された
図14のワイヤリングハーネス組立体の内側絶縁体の組み立ての斜視図である。
【
図18】[0040]第2の実施形態による、スリーブ内に封入された
図14のワイヤリングハーネス組立体の内側絶縁体の組み立ての斜視図である。
【
図19】[0041]第2の実施形態による、締め付け装置と、
図14のワイヤリングハーネス組立体のスリーブによって画定された接点との組み立ての斜視図である。
【
図20】[0042]第2の実施形態による、
図14のワイヤリングハーネス組立体のスリーブの斜視図である。
【
図21】[0043]第2の実施形態による、
図14のワイヤリングハーネス組立体の外側絶縁体内における遮蔽組立体の組み立ての斜視図である。
【
図22】[0044]第2の実施形態による、端部キャップと、
図14のワイヤリングハーネス組立体の遮蔽されたワイヤケーブルの組み立ての斜視図である。
【
図23】[0045]第2の実施形態による、端部キャップと、
図14のワイヤリングハーネス組立体の外側絶縁体の組み立ての斜視図である。
【
図24】[0046]第2の実施形態による、別のワイヤリングハーネス組立体の別の外側絶縁体に連結されたワイヤリングハーネス組立体の外側絶縁体の斜視図である。
【
図25A】[0047]第2の実施形態による、ワイヤリング導管内に配設された2つのワイヤリングハーネス組立体の側面図である。
【
図25B】[0048]
図25Bは、第2の実施形態による、ワイヤリング導管内に配設された2つのワイヤリングハーネス組立体の端面図である。
【
図26A】[0049]第1の実施形態による、4つの遮蔽されたワイヤケーブルを有する、
図9のワイヤハーネス組立体の遮蔽体の斜視図である。
【
図26C】[0051]は、第1の実施形態による、
図26Aのワイヤハーネス組立体の遮蔽体の断面図である。
【
図27A】[0052]第1および第2の実施形態による、遮蔽されたワイヤケーブルをスプライス接続する方法の流れ図である。
【
図27B】[0053]第1および第2の実施形態による、
図27Aの続きの流れ図である。
【
図28】[0054]第3の実施形態による、遮蔽されたワイヤケーブルをスプライス接続する方法の流れ図である。
【
図29】[0055]第3の実施形態による、
図3のスプライス接続された、遮蔽されたワイヤケーブルの周りに巻き付けられた第1の可撓性絶縁層を有するワイヤハーネス組立体の上面図である。
【
図30】[0056]第3の実施形態による、
図29の第1の可撓性絶縁層の周りに巻き付けられた第2の可撓性絶縁層を有するワイヤハーネス組立体の上面図である。
【
図31】[0057]第3の実施形態による、
図30の遮蔽されたワイヤケーブルのうち2つの外側絶縁性ジャケットの周りに巻き付けされた第1および第2のフェルール絶縁体を有するワイヤハーネス組立体の上面図である。
【
図32】[0058]第3の実施形態による、
図31の遮蔽されたワイヤケーブルの露出された遮蔽導体の周りに巻き付けられた可撓性導電層を有するワイヤハーネス組立体の上面図である。
【
図33】[0059]第3の実施形態による、
図32の可撓性導電層の一部分の周りに巻き付けられた第3の可撓性絶縁層を有するワイヤハーネス組立体の上面図である。
【
図34】[0060]第3の実施形態による、
図33の可撓性導電層および第3の可撓性絶縁層の一部分の周りに巻き付けられた第4の可撓性絶縁層を有するワイヤハーネス組立体の上面図である。
【
図35】[0061]第3の実施形態による、
図34の第3および第4の可撓性絶縁層ならびに第1および第2のフェルールの周りに巻き付けられた二重壁熱収縮管材料の区分材を有する、ワイヤハーネス組立体の上面図である。
【
図36】[0062]第3の実施形態による、
図35のワイヤハーネス組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0063]2つまたはそれ以上の遮蔽されたワイヤケーブルをスプライス接続するための装置および方法が、本明細書において説明される。装置および方法は、単一のコア導体または複数のコア導体を備えた遮蔽されたワイヤケーブルをスプライス接続するために使用され得る。本明細書において説明される装置および方法は、たとえば、切断されたケーブルを補修するために、2つの遮蔽ワイヤケーブルを一緒にスプライス接続するために使用され得る。本明細書において説明される装置および方法はまた、Y−スプライス接続を形成するために、1つの遮蔽されたワイヤケーブルを2つまたはそれ以上の遮蔽されたワイヤケーブルにスプライス接続するために使用され得る。本明細書において説明される装置および方法は、たとえば、RG−59ケーブルなどの通信伝送のための遮蔽されたワイヤケーブル、または電気もしくはハイブリッド電気車両用に設計された高圧の遮蔽されたワイヤケーブルなどの多様な遮蔽されたワイヤケーブルの種類をスプライス接続するために使用され得る。
【0024】
[0064]
図1は、電気負荷1を電気車両などの電池パック2に連結するための従来技術の仕組みを示す。各々の電気負荷1は、電池パック2から電気負荷1まで延びる高圧の遮蔽されたワイヤケーブル(正3および負4の極性)の対と、回路の各々を保護する別個のヒューズ(換言すれば、可溶片)5とを必要とする。
【0025】
[0065]
図2は、本明細書において提示される装置および方法を用いて、正極ケーブルの対13および負極ケーブル14の対を一緒にスプライス接続することによって、電気車両などにおいて電気負荷11を電池パック12に連結するための仕組みの非限定的な例を示す。本発明者らは、たとえば電気負荷11が同時に使用されないという理由で、いくつかの回路が、組み合わされ、単一のヒューズ15を共有することができることを見出した。電気負荷11はまた、電気負荷11が、同時に使用されないように1つずつ作動することを可能にする制御装置22に連結されてもよく、または、制御装置は、電気負荷11の各々によって使用される電流を監視し、電気負荷11の各々を、電気負荷11によって使用される総電流が、ヒューズ15を飛ばす、すなわち開くのに必要とされる電流定格未満であるように制御することができる。本発明者らは、これらの電気負荷11に至る高圧の遮蔽されたワイヤケーブル13、14の対が、遮蔽されたケーブルスプライス接続装置20(これ以後装置20)を用いて
図2に示されるように一緒にスプライス接続され得ることを認識しており、この装置20は、遮蔽されたワイヤケーブル13、14の遮蔽導体(図示されず)の分離性および連続性を維持しながら、遮蔽されたワイヤケーブル13、14のコア導体17を連結し、それによって電気負荷11を電池パック12に相互連結するのに必要とされる遮蔽されたワイヤケーブル13、14の長さを低減し、したがって遮蔽されたワイヤケーブル13、14のコスト、重量、実装空間、およびワイヤリングハーネスのワイヤ引き回しの複雑性を低減する。複数の電気負荷11が単一のヒューズ15を共有することができるので、電池パック12内のヒューズ付き回路の数もまた低減されることが可能であり、ヒューズ15の数およびケーブル連結器16の数を、
図1の従来技術の仕組みと比べて低減することによって電池パック12のコストおよび複雑性をさらに低減する。
【0026】
[0066]
図3は、3つの高圧の遮蔽されたワイヤケーブル、すなわち、一緒にスプライス接続された、第1の遮蔽されたケーブル110、第2の遮蔽されたケーブル112、および第3の遮蔽されたケーブル114の非限定的な例を示す。遮蔽されたケーブル110、112、114の各々のコア導体116、118、120は、音波溶接プロセスによって接合されて連結部122を形成している。外側絶縁層124、126、128、遮蔽導体130、132、134、および内側絶縁層136、138、140の一部分は、連結部122を形成する前にコア導体116、118、120から取り外されている。あるいは、導体を導電性スリーブ内にはんだ付けする、または圧着するなどの、当業者によく知られている他のプロセスが、連結部122を形成するために使用されてよい。遮蔽導体130、132、134の各々のさらなる部分が、取り除かれ、または切り出されて、コア導体116、118、120と、遮蔽導体130、132、134の間に、漏出電流を防止するのに十分な電圧沿面(換言すれば、クリーページ)距離142をもたらし、それによって遮蔽されたケーブル110、112、114の内側絶縁層136、138、140を露出させる。追加的に、導電性フェルール144、146、148が、遮蔽導体130、132、134に機械的および電気的に取り付けられて、遮蔽導体130、132、134とのより耐性のある電気的連結をもたらすことができる。フェルールは、連結部122を形成する前に圧着またははんだ付けによって遮蔽導体に取り付けられる閉鎖型または樽形タイプのフェルールでよく、またはフェルールは、連結部122の形成後に圧着によって遮蔽導体に取り付けられ得る開放型またはクリップタイプのフェルールでよい。フェルールは、はんだ材料から形成されてよく、このはんだ材料は、たとえば誘導加熱によって、フェルールがリフローし、接点を遮蔽導体に接合するまで加熱される。フェルールは、遮蔽導体と内側絶縁層の間に配設された内側フェルールと、遮蔽導体の上方に配設された外側フェルールとを備えることができる。導電性フェルール144、146、148を遮蔽導体130、132、134に取り付けるために使用される材料および方法は、当業者によく知られている。
【0027】
[0067]
図4から
図15は、第1の実施形態による、3つの遮蔽されたワイヤケーブル1
10、112、114のコア導体116、118、120および遮蔽導体130、132、134の両方が一緒にスプライス接続される、遮蔽されたケーブル組立体150を形成するプロセスの非限定的な例を示す。ここで示される実施形態は、3つの遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114をYスプライス接続構成で一緒にスプライス接続するように構成される。しかし、2つだけの遮蔽されたワイヤケーブルを、または4つ以上の遮蔽されたワイヤケーブルをスプライス接続するように構成された代替的実施形態が、企図され得る。
【0028】
[0068]
図4に示されるように、ワイヤケーブル組立体150は、誘電性材料から形成された内側絶縁体152を含む。誘電性材料は、(商標名NYLONによって一般的に知られている)ガラス充填ポリアミド、またはポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリマー材料でよい。内側絶縁体152は、射出成形プロセスまたは当業者に知られている他のプラスチック形成プロセスを用いて形成され得る。内側絶縁体152は、連結部122の露出された部分および遮蔽されたケーブル110、112、114の露出された内側絶縁層136、138、140の一部分を封入するように設計される。
【0029】
[0069]内側絶縁体152は、連結部122と、接合された、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114とを収容するように設計された、これ以後溝(channel)154
と称される軸方向通路154を画定する。
図5および6に示されるように、内側絶縁体152は、次いで、単一の遮蔽されたケーブル110の上方で長手方向軸線Aに沿って方向156に連結部122の上で摺動され得、遮蔽導体130、132、134を露出させる。
【0030】
[0070]
図7に示されるように、内側絶縁体152の溝154は、肩部158を画定して、2つの接合されたコア導体118、120に対する確動停止部をもたらし、連結部122および露出された遮蔽導体130、132、134に対する内側絶縁体152の適正な位置決めを確実にする。内側絶縁体152は、対称形状を有して設計されてよく、それにより、肩部158は、内側絶縁体152が単一の遮蔽されたワイヤケーブル110上に置かれたとき、内側絶縁体152の配向に関係なく2つの接合されたコア導体118、120と接触する。
【0031】
[0071]
図8に示されるように、ワイヤケーブル組立体150は、さらに、これ以後空洞161と称される軸方向通路161を長手方向軸線Aに沿って画定する、導電性材料から形成されたスリーブ160を含む。スリーブ160を形成するために使用される導電性材料は、好ましくは、黄銅425などの銅合金であり、耐腐食性のためにスズで被覆され得る。
図9に示されるように、スリーブ160は、長手方向軸線Aに沿って方向156に内側絶縁体152の上を摺動され得、内側絶縁体を空洞161内に配設する。スリーブ160は、遮蔽導体130、132、134と機械的および電気的に接触するように圧着されるように設計された接点162、164、166を画定する。スリーブ160は、略楕円の断面を画定することができる。本明細書では、略楕円の断面とは、スリーブの円周方向形状が、楕円形断面のものから+−10%を超えて変動しないことを意味する。
【0032】
[0072]
図10に示されるように、スリーブ160は、内側絶縁体152の上で適正な位置にスリーブ160を保持する係止要素168を画定することができる。係止要素168は、傾斜構造体170の対を画定することができ、この場合、傾斜構造体170の1つは、スリーブ160が長手方向軸線Aに沿って係止部の上を方向156に摺動するときに偏向され、その後、所定位置に跳ね返るように設計され、それによって、内側絶縁体152を係止要素168間に捕捉する。あるいは、スリーブは、長手方向軸線に沿って方向156の反対の方向に摺動されてよい。スリーブ160は、対称形状を備えて設計されてよく、それにより、係止要素168は、スリーブ160が単一の遮蔽されたワイヤケーブル1
10上に置かれたとき、配向に関係なくスリーブ160を内側絶縁体152に固定する。当業者によく知られている他の係止要素が、代替的には、スリーブ160を内側絶縁体152の上で所定位置に固定するために利用されてよい。内側絶縁体152の肩部158およびスリーブ160の係止要素168は共働して、露出された遮蔽導体130、132、134またはフェルールを接点162、164、166に対して位置決めする。これは、製造プロセスにおいて、接点と遮蔽導体の間のより一貫した連結という利益を提供する。
【0033】
[0073]
図11に示されるように、接点162、164、166は、機械的な力を加えることによって遮蔽導体130、132、134、または遮蔽導体130、132、134に取り付けられたフェルールに圧着されて、スリーブ160と遮蔽導体130、132、134の間に機械的および電気的連結をもたらし、遮蔽導体130、132、134すべての間に電気的連続性をもたらす。図示された例によれば、スリーブは、スリーブを遮蔽導体またはフェルールに固定するために圧着されたときに変形するように構成された帯状部174、176、178、180を形成する複数のU字形状のスロット172を画定する。接点164、166を形成する帯状部178、180は、帯状部の中央部分が遮蔽されたワイヤケーブル112、114を押し開くように帯状部の中央部分に力を加え、遮蔽されたケーブルの絶縁層が分離されること、すなわち互いに物理的接触状態ではないことを確実にすることによって圧着される。遮蔽体内に封入された第1、第2、および第3の遮蔽導体の部分は、長手方向軸線Aに対して実質的に平行である。これは、基本的には一直線になるスプライス接続をもたらし、それによって、自動車内などの限定された空間の場所内に組み込むことをより容易にすることができる。本明細書では、実質的に平行とは、絶対的に平行の+−10°を意味する。代替的実施形態では、スリーブ160は、遮蔽導体またはフェルールの周りを包み、圧着することによってこれらと連結する、従来の圧着翼を画定することができる。圧着翼は、遮蔽されたケーブルの絶縁層を分離するように構成される。別の代替の実施形態では、接点162、164、166は、圧着ではなく、はんだ付けまたは当業者によく知られている他のプロセスによって遮蔽導体130、132、134に電気的および機械的に連結され得る。
【0034】
[0074]
図12に示されるように、誘電性材料上に形成された外側絶縁体182が、スリーブ160の上に置かれ得る。外側絶縁体182は、熱可塑性の熱収縮管材料から形成され得る。熱収縮管材料の適切な組成物および供給源は、当業者によく知られている。外側絶縁体182はまた、連結部122を形成する前に、鈍く切断された(blunt cut)単一
の遮蔽されたワイヤケーブル110上に事前装填され得る。熱収縮管材料は、次いで、当業者によく知られている方法を用いて加熱されて、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114の少なくとも1つの外側絶縁層124、126、128と封止可能に係合し、
図13に示されるようにスリーブ160を封入することができる。本明細書では、封止可能に係合されるとは、外側絶縁体182が、埃、ゴミ、または流体などの汚染物質が、外側絶縁層124、126、128と外側絶縁体182の間に入らないようにすることを意味する。これは、外側絶縁体182が気密封止部を形成することを意味しない。あるいは、外側絶縁体182は、スリーブ160および遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114の上に施された、シリコーンベース材料などのコンフォーマルコーティング184を含んでよく、またはこれからなってよい。本発明者らは、スリーブによる遮蔽されたケーブルの絶縁層の分離が、外側絶縁体と遮蔽されたケーブルの間の封止を改良するという利益をもたらすことを発見した。作動のいかなる特定の論理にも同調することなく、外側絶縁体または外側絶縁体内の封止材は、外側絶縁層126、128の円周全体と接触することができ、したがって、外側絶縁層126、128が分離されなかったまたは接触していた場合に作り出され得るいかなる空隙または隙間も回避する。
【0035】
[0075]
図14から25Bは、第2の実施形態による、3つの遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114のコア導体116、118、120および遮蔽導体130、13
2、134の両方が一緒にスプライス接続される、遮蔽されたケーブル組立体150を形成するプロセスの非限定的な例を示す。ここで示される実施形態は、3つの遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114をYスプライス接続構成で一緒にスプライス接続するように構成される。しかし、2つだけの遮蔽されたワイヤケーブルを一緒に、または4つ以上の遮蔽されたワイヤケーブルを一緒にスプライス接続するように構成された他の実施形態が、企図されてよい。
【0036】
[0076]
図14は、ワイヤケーブル組立体250の別の非限定的な例を示す。この実施形態における同一の要素に対する参照番号は、先に説明された実施形態と同じであり、類似の要素の参照番号は、100多くなる。ここで示される実施形態は、
図3に示され、上記の項0042で説明されたような、遮蔽されたケーブル110、112、114の各々のコア導体116、118、120を連結して、連結部122を形成することによって、3つの遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114を一緒にスプライス接続するように構成される。しかし、この実施形態は、4つの遮蔽されたワイヤケーブルを一緒にスプライス接続するように使用されてよく、また、2つだけの遮蔽されたワイヤケーブルを一緒に、または5つ以上の遮蔽されたワイヤケーブルを一緒にスプライス接続するように構成された代替的実施形態が、企図されてよい。
【0037】
[0077]遮蔽されたケーブル組立体250は、誘電性材料から形成された第1の内側絶縁体252Aと、誘電性材料から形成された第2の内側絶縁体252Bとを含む。誘電性材料は、ガラス充填NYLONまたはPBTなどのポリマー材料でよい。第1の内側絶縁体252Aおよび第2の内側絶縁体252Bは、同じ誘電性材料から形成されてよく、またはこれらは、異なる誘電性材料から形成されてよい。第1の内側絶縁体252Aおよび第2の内側絶縁体252Bは、射出成形プロセスまたは当業者に知られている他のプラスチック形成プロセスを用いて形成され得る。
【0038】
[0078]第1の内側絶縁体252Aは、第2の内側絶縁体252Bに接合されるように設計され、第1の内側絶縁体252Aおよび第2の内側絶縁体252Bが接合されたとき、これらは、連結部122と、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114の露出された内側絶縁層136、138、140それぞれの一部分とを封入する。
【0039】
[0079]
図15に示されるように、第1の内側絶縁体252Aおよび第2の内側絶縁体252Bは、相互連結された溝254A、254Bの対を画定して、接合された、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114を第1の内側絶縁体252Aおよび第2の内側絶縁体252B内に固定することができる。第1の内側絶縁体252Aおよび第2の内側絶縁体252Bはまた、第1の内側絶縁体252Aおよび第2の内側絶縁体252Bが、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114周りに組み立てられたときのこれらの位置合わせを容易にするために、対合するテーパにされた柱状部253および凹部255の組を含むこともできる。第1の内側絶縁体252Aおよび第2の内側絶縁体252Bは、両性質(hermaphroditic)の形状を備えて設計されてよく、それにより、単一の内側絶縁体252が、第1の内側絶縁体252Aおよび第2の内側絶縁体252Bの両方として使用され得る。ここで示される例では、接合された内側絶縁体252は、溝254Aの未使用部分を有することができる。
【0040】
[0080]
図18に示されるように、ワイヤケーブル組立体250は、さらに、長手方向軸線Aを画定する導電性材料から形成されたスリーブ260を含む。スリーブ260を形成するために使用される導電性材料は、好ましくは、黄銅425などの銅合金であり、耐腐食性のためにスズで被覆され得る。スリーブ260は、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114の遮蔽導体130、132、134と機械的および電気的に接触するように設計された接点262、264、266を画定する。接点262、264、266は
、スリーブ260から突起し、遮蔽導体130、132、134またはフェルールに適合するように構成された弧状形状を形成する。
図19に示されるように、接点262、264、266は、接点262、264、266の周りに圧着され得る帯状部またはスリーブなどの別個の締め付け装置284によって遮蔽導体130、132、134に固定され得る。
【0041】
[0081]あるいは、
図20に示されるように、接点262、264、266は、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114の各々の遮蔽導体130、132、134の周りに圧着される前に弧状形状を有する圧着翼286を画定することができる。接点262、264、266は、遮蔽導体130、132、134と接触して、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114の各々の遮蔽導体130、132、134間に電気的連結をもたらすように設計される。接点262、264、266はまた、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114をスリーブ260に機械的に固定し、ケーブルの接合されたコア導体116、118、120に歪解放(strain relief)をもたらすように設計さ
れてもよい。
【0042】
[0082]
図18に戻れば、スリーブ260は、第1の内側絶縁体252を封入するように、また、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114の各々がスリーブ260を出るためのケーブル開口を画定するように設計される。スリーブ260は、接点262A、264A、266Aの組を画定する第1のスリーブ260Aと、接点262B、264B、266Bの別の組を画定する第2のスリーブ260Bとから構成され得る。第1のスリーブ260Aは、第2のスリーブ260Bと対合されたときに内側絶縁体を封入するように構成される。特徴部が、第1のスリーブ260Aおよび第2のスリーブ260Bの接合表面に含められて、電気抵抗を低減することができる。あるいは、第1のスリーブ260Aおよび第2のスリーブ260Bは、導電性のねじ式締結具を用いて一緒に固定されてよい。第1のスリーブ260Aおよび第2のスリーブ260Bは、両性質の形状を備えて設計されてよく、それにより、単一の部分が、第1のスリーブ260Aおよび第2のスリーブ260Bの両方として使用され得る。ここで図示される例では、未使用の開口および接点が存在し得る。接点264、266は、遮蔽されたワイヤケーブル112、114を押し開き、遮蔽されたケーブルの絶縁層が分離されること、すなわち互いに物理的接触状態ではないことを確実にする。遮蔽体内に封入された第1、第2、および第3の遮蔽導体の部分は、長手方向軸線Aに対して実質的に平行である。これは、基本的には直列であるスプライス接続をもたらし、それによって、自動車内などの限定された空間の場所内に組み込むことをより容易にすることができる。
【0043】
[0083]
図21に示されるように、ワイヤケーブル組立体250は、さらに、非導電性材料から形成されスリーブ260を部分的に封入するように構成された空洞261を画定する、外側絶縁体282を含むことができる。ワイヤケーブル組立体はまた、遮蔽されたワイヤケーブル110の1つと封止可能に係合し、外側絶縁体282と封止可能に係合するように設計された第1の端部キャップ288と、他の2つの遮蔽されたワイヤケーブル112、114と封止可能に係合するように設計された第2の端部キャップ290とを含む。端部キャップおよび外側絶縁体282は、埃、ゴミ、水、および他の流体などの汚染物質を、接合されたコア導体、接合された内側絶縁体およびスリーブ260に触れさせないことによってスプライス接続されたケーブルに対して環境的保護をもたらすように設計される。外側絶縁体282および端部キャップは、NYLONまたはPBTなどのポリマー材料から形成され得る。端部キャップはまた、シリコーンゴムなどの柔軟性を有する材料から形成された封止要素292を含むこともできる。本発明者らは、スリーブによる遮蔽されたケーブルの絶縁層の分離が、封止要素292と遮蔽されたケーブルの間の封止を改良するという利益をもたらすことを発見した。作動のいかなる特定の論理にも同調することなく、封止要素292は、外側絶縁層126、128の円周全体と接触することができ
、したがって、外側絶縁層126、128が分離されなかったまたは接触していた場合に作り出され得るいかなる空隙または隙間も回避する。
【0044】
[0084]
図23に最適に示されるように、外側絶縁体282は、
図24に示されるように複数の外側絶縁体282を相互連結するように設計された、雄型取り付け要素294および雌型取り付け要素296を含むことができる。これらの取り付け要素294、296は、外側絶縁体間に空間関係を維持することによってワイヤリングハーネスの組み立てを簡易化し、より頑強なワイヤリングハーネス組立体を提供することができるが、その理由は、経時的に外側絶縁体282を劣化させ得る外側絶縁体間の振動接触が起こりにくいためである。
【0045】
[0085]
図25に示されるように、複数のワイヤケーブル組立体250は、ワイヤリング導管298によって封入され得るように互いにずらされた配置(換言すれば、ジグザグ配置)で配置され得る。ワイヤケーブル組立体250を互いにずらすことは、導管をより小さくするという利益を提供することができ、したがってその結果得られるワイヤリングハーネスのための組み込み空間をあまり必要としない。
【0046】
[0086]代替的実施形態が、
図4〜25に示された2つの実施形態のさまざまな特徴を組み合わせることによって企図され得る。たとえば、内側絶縁体152およびスリーブ160は、内側絶縁体252およびスリーブ260に類似して、2つの別個の部分を含むことができる。別の例として、スリーブ160は、スリーブ260に類似して、接点の周りに圧着され得る帯状部またはスリーブなどの別個の締め付け装置によって遮蔽導体またはフェルールに取り付けられる、スリーブから突出する接点を画定することができる。
【0047】
[0087]
図26は、遮蔽されたワイヤケーブルを一緒にスプライス接続する非限定的な方法300を示す。方法300は以下のステップを含む。
【0048】
[0088]ステップ310「第1、第2、および第3の遮蔽されたワイヤケーブルを提供する」は、第1の絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1の遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1のコア導体を有する第1の遮蔽されたワイヤケーブルを用意するステップと、第2の絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2の遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2のコア導体を有する第2の遮蔽されたワイヤケーブルを用意するステップと、第3の絶縁性ジャケットによって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3の遮蔽導体によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3のコア導体を有する第3の遮蔽されたワイヤケーブルを用意するステップとを含み、これは
図3に示される。
【0049】
[0089]ステップ312「長手方向軸線、第1の軸方向通路、ならびに第1、第2、および第3の接点を画定する遮蔽体を提供する」は、長手方向軸線、第1の軸方向通路、第1の接点、第2の接点、および第3の接点を画定する遮蔽体を用意するステップを含む。遮蔽体は、導電性材料から形成される。遮蔽体は、
図9に示されるように一体品から形成されてよく、または
図14に示されるように複数の部分から形成されてよい。
【0050】
[0090]ステップ314「第2の軸方向通路を画定する内側絶縁体を提供する」は、第2の軸方向通路を画定する内側絶縁体を用意するステップを含む。内側絶縁体は、誘電性材料から形成される。内側絶縁体は、
図5に示されるように一体品から形成されてよく、または
図14に示されるように複数の部分から形成されてよい。
【0051】
[0091]ステップ316「第1の中心導体を第2の中心導体および第3の中心導体に接合
する」は、第1のコア導体を第2のコア導体および第3のコア導体に接合して、
図3に示されるようにコア導体間の機械的および電気的連結を形成するステップを含む。コア導体は、音波溶接、はんだ付け、または当業者に知られているワイヤを接合する他の方法によって接合され得る。内側絶縁体およびフェルールは、コア導体を接合する前に遮蔽されたケーブル上に事前装填され得る。
【0052】
[0092]ステップ318「接合された第1、第2、および第3のコア導体を第2の軸方向通路内に配設する」は、
図6および
図15に示されるように、接合された第1、第2、および第3のコア導体を含む連結部を、内側絶縁体の第2の軸方向通路、または溝内に配設するステップを含む。接合された第1、第2、および第3のコア導体は、
図6に示されるように第2の軸方向通路内に摺動可能に配設され得る。
【0053】
[0093]ステップ320「内側絶縁体ならびに第1、第2、および第3の遮蔽導体を第1の軸方向通路内に配設する」は、内側絶縁体ならびに第1、第2、および第3の遮蔽導体を、
図8〜9および
図17〜18に示されるように、第1の軸方向通路内に配設するステップを含む。内側絶縁体内に配設された第1、第2、および第3の遮蔽導体の部分は、長手方向軸線に対して実質的に平行である。内側絶縁体ならびに第1、第2、および第3の遮蔽導体は、
図8〜9に示されるように第1の軸方向通路内に摺動可能に配設され得る。
【0054】
[0094]ステップ322「第1、第2、および第3の絶縁性ジャケットを互いに分離させる」は、第1、第2、および第3の絶縁性ジャケットを互いに分離させるステップを含む。これは、
図11および
図19に示されるように、第1、第2、および第3の導体を接点に連結することによって達成され得る。
【0055】
[0095]ステップ324「第1の接点を第1の遮蔽導体に、第2の接点を第2の遮蔽導体に、第3の接点を第3の遮蔽導体に取り付ける」は、第1の接点を第1の遮蔽導体に、第2の接点を第2の遮蔽導体に、第3の接点を第3の遮蔽導体に取り付けるステップであって、それによって第1、第2、および第3の遮蔽導体間に導電性通路をもたらす、ステップを含む。接点は、圧着翼、フェルール、はんだ付け、または当業者に知られている他の方法によって遮蔽導体に取り付けられ得る。
【0056】
[0096]ステップ326「遮蔽体を外側絶縁体内に配設する」は、
図12および
図21〜22に示されるように、遮蔽体を外側絶縁体内に配設するステップを含む。
【0057】
[0097]ステップ328「外側絶縁体を第1、第2、および第3の絶縁性ジャケットに封止可能に係合させる」は、外側絶縁体を第1、第2、および第3の絶縁性ジャケットに封止可能に係合させるステップであって、それによって、
図13および
図22〜23に示されるように、遮蔽体を外側絶縁体内に封入する、ステップを含む。
【0058】
[0098]方法300は、さらに、以下の任意選択のステップを含むことができる。
【0059】
[0099]ステップ324に先立って、方法300は、ステップ330「第1、第2、および第3のフェルールを提供する」を含むことができ、これは、第1、第2、および第3のフェルールを用意するステップを含む。
【0060】
[00100]ステップ330に続いて、方法300は、ステップ332「第1、第2、およ
び第3のフェルールを第1、第2、および第3の遮蔽導体それぞれに取り付ける」を含むことができ、これは、第1、第2、および第3のフェルールを第1、第2、および第3の遮蔽導体それぞれに取り付けるステップを含む。
【0061】
[00101]ステップ330に続いて、方法300は、ステップ334「第1、第2、およ
び第3のフェルールを第1、第2、および第3の接点それぞれに圧着する」を含むことができ、これは、第1、第2、および第3のフェルールを第1、第2、および第3の接点それぞれに圧着するステップであって、それによって第1、第2、および第3の接点を第1、第2、および第3の遮蔽導体それぞれに取り付ける、ステップを含む。
【0062】
[00102]ステップ324に先立って、方法300は、ステップ336「はんだペースト
を第1、第2、および第3の接点の内部に、そこに画定された穴を通して注入する」を含むことができ、これは、はんだペーストを第1、第2、および第3の接点の内部に、第1、第2、および第3の接点によって画定された穴を通して注入するステップを含む。
【0063】
[00103]ステップ336に続いて、方法300は、ステップ338「はんだペーストを
、これがリフローするまで加熱する」を含むことができ、これは、はんだペーストを、これがリフローするまで加熱するステップであって、それによって第1、第2、および第3の接点を第1、第2、および第3の遮蔽導体それぞれにはんだ付けする、ステップを含む。
【0064】
[00104]ステップ320に先立って、方法300は、ステップ340「第1のスリーブ
部分を第2のスリーブ部分に接合する」を含むことができ、これは、第1のスリーブ部分を第2のスリーブ部分に接合するステップであって、それによって、接合された第1、第2、および第3のコア導体を第2の軸方向通路内に配設するステップを含み、この場合、スリーブは、第1のスリーブ部分および第2のスリーブ部分を含む。
【0065】
[00105]ステップ318に先立って、方法300は、ステップ342「第1の内側絶縁
体部分を第2の内側絶縁体部分に接合する」を含むことができ、これは、第1の内側絶縁体部分を第2の内側絶縁体部分に接合するステップであって、それによって、内側絶縁体ならびに第1、第2、および第3の遮蔽導体を第1の軸方向通路内に配設する、ステップを含み、この場合、内側絶縁体は、第1の内側絶縁体部分および第2の内側絶縁体部分を含む。
【0066】
[00106]ステップ326に続いて、方法300は、ステップ344「端部キャップを少
なくとも1つの遮蔽されたワイヤケーブルに封止可能に係合させる」を含むことができ、これは、端部キャップを少なくとも1つの遮蔽されたワイヤケーブルに接合し、封止可能に係合させるステップを含み、この場合、外側絶縁体は、さらに、外側絶縁体および少なくとも1つの遮蔽されたワイヤケーブルと封止可能に係合するように構成された端部キャップを含む。
【0067】
[00107]ステップ344に続いて、方法300は、ステップ346「端部キャップを外
側絶縁体に封止可能に係合させる」を含むことができ、これは、端部キャップを外側絶縁体に係合させるステップであって、それによって遮蔽体を外側絶縁体内に封入する、ステップを含む。
【0068】
[00108]
図28は、遮蔽されたワイヤケーブルを一緒にスプライス接続する別の非限定
的な方法400を示している。方法400は、以下のステップを含む。
【0069】
[00109]ステップ410「第1、第2、および第3の遮蔽されたワイヤケーブル、可撓
性絶縁層、可撓性導電層ならびに二重壁熱収縮管材料を用意する」は、
図3に示されるように、第1の絶縁性ジャケット124によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1の遮蔽導体130によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1の内側絶縁層136によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第1のコア導体116を有す
る第1の遮蔽されたワイヤケーブル110を用意するステップと、第2の絶縁性ジャケット126によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2の遮蔽導体132によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2の内側絶縁層138によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第2のコア導体118を有する第2の遮蔽されたワイヤケーブル112を用意するステップと、第3の絶縁性ジャケット128によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3の遮蔽導体134によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3の内側絶縁層140によって少なくとも部分的に軸方向に取り囲まれた第3のコア導体120を有する第3の遮蔽されたワイヤケーブル114を用意するステップとを含む。ステップ410はまた、熱収縮性プラスチック(たとえばポリオレフィン)、布テープ、またはプラスチックテープから作製された熱収縮性プラスチック管材料などの可撓性の誘電性材料から形成され得る可撓性の誘電性絶縁層を用意するステップも含む。用意された可撓性絶縁層は、可変長さの複数の区分材に分割されてよく、ならびに/または可撓性絶縁層は、上記で説明され、ワイヤハーネス組立体のさまざまな部分に適用されるものなどのさまざまなタイプの絶縁を含むことができる。ステップ410は、さらに、編組された撚り線(たとえば、すずめっきされた銅撚り線)、金属箔(銅またはアルミニウム箔)または金属化プラスチックフィルム(たとえばアルミニウムめっきされたMYLARフィルム)のスリーブから形成され得る可撓性導電層518を用意するステップを含む。可撓性導電層518は、はんだに含浸されず、はんだを含まない。
【0070】
[00110]ステップ412「外側絶縁性ジャケットおよび内側絶縁層の一部分を第1、第
2、および第3の遮蔽されたワイヤケーブルから除去する」は、第1、第2、および第3の遮蔽ワイヤケーブル110、112、114の外側絶縁性ジャケット124、126、128の一部分を除去して遮蔽導体130、132、134を露出させるステップと、遮蔽導体130、132、134および内側絶縁層136、138、140の一部分を除去して
図3に示されるようにコア導体116、118、120を露出させるステップとを含む。
【0071】
[00111]ステップ414「第1のコア導体を第2のコア導体および第3のコア導体に接
合する」は、第1のコア導体116を第2のコア導体118および第3のコア導体120に接合して、
図3に示されるようにコア導体116、118、120の間に機械的および電気的連結部122を形成するステップを含む。コア導体116、118、120は、音波溶接、はんだ付け、または当業者に知られているワイヤを接合する他の方法によって接合されてよい。
【0072】
[00112]ステップ416「第1の可撓性絶縁層を第1、第2、および第3のコア導体の
露出された接合部分の周りに巻き付ける」は、第1の可撓性絶縁層510を接合された部分122およびコア導体116、118、120の露出された部分に巻き付け、それによって
図29に示されるように、遮蔽導体130、132、134を露出させながらコア導体116、118、120の露出された部分を完全に覆い、封入するステップを含む任意選択のステップである。第1の可撓性絶縁層510は、熱収縮性プラスチック管材料、布テープ、またはプラスチックテープなどの可撓性の誘電性材料から形成されてよい。
【0073】
[00113]ステップ418「第2の可撓性絶縁層を第1の可撓性絶縁層を覆って巻き付け
る」は、
図30に示されるように、遮蔽導体130、132、134を依然として露出させながら第1の可撓性絶縁層510を覆って第2の可撓性絶縁層512を巻き付けるステップを含む。第2の可撓性絶縁層512は、熱収縮性プラスチック管材料の区分材でよく、この熱収縮性プラスチック管材料は、第1の可撓性絶縁層510を覆って配置され、これが第1の可撓性絶縁層510と圧縮接触状態になり第1の可撓性絶縁層510を封入するまで加熱される。第2の可撓性絶縁層512は、第1の可撓性絶縁層510を、第1の可撓性絶縁層510の絶縁特性を劣化させ得る水分から保護することができる。第1の可
撓性絶縁層510は、接合された部分122の縁部によって引き起こされ得る摩耗から第2の可撓性絶縁層を保護するために裏面接着式のポリエステルテープでよい。裏面接着式は、布テープの貼り付けを簡単にし得る。
【0074】
[00114]ステップ420「第1および第2のフェルールを第2および第3の遮蔽された
ワイヤケーブルの外側絶縁層を覆って巻き付ける」は、第1および第2の非導電性フェルール514、516を第2および第3の遮蔽されたワイヤケーブル112、114の外側絶縁層126、128を覆って巻き付けるまたは配置するステップであって、それにより、
図31に示されるように、第1および第2のフェルール514、516は、第2および第3の遮蔽されたワイヤケーブル112、114の露出された遮蔽導体132、134に近接し、互いに隣接する、ステップを含む任意選択のステップである。第1および第2のフェルール514、516は、熱収縮性プラスチック管材料の区分材から形成されてよく、この熱収縮性プラスチック管材料は、第2および第3の遮蔽されたワイヤケーブル112、114を覆って配置され、これが、ワイヤケーブル112、114の外側絶縁層126、128と圧縮接触状態になるまで加熱される。あるいは、第1および第2のフェルール514、516は、第2および第3の遮蔽されたワイヤケーブル112、114の外側絶縁層126、128を覆って配置されたプラスチックリングでよい。第1および第2のフェルール514、516は、第2および第3の遮蔽されたワイヤケーブル112、114の外側絶縁層126、128間に空隙をもたらす。
【0075】
[00115]ステップ422「可撓性導電層を第1、第2、および第3の遮蔽されたワイヤ
ケーブルの露出された遮蔽導体の周りに巻き付ける」は、可撓性導電層518を、
図32に示されるように、遮蔽導体130、132、134のすべてと電気接触状態になるように、露出された遮蔽導体130、132、134の少なくとも一部分を覆って巻き付けるステップを含む。可撓性導電層518は、好ましくは、遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114の外側絶縁層124、126、128と接触状態にはならない。
【0076】
[00116]ステップ424「第3の可撓性絶縁層を第1の遮蔽されたワイヤケーブルの外
側絶縁層の一部分および可撓性導電層の一部分を覆って巻き付ける」は、第3の可撓性絶縁層520を、
図33に示すように、露出された遮蔽導体130に近接する第1の遮蔽されたワイヤケーブル112の外側絶縁層124の一部分を覆って、且つ可撓性導電層518の一部分を覆って巻き付けるステップを含む任意選択のステップである。ステップ424は、熱収縮性プラスチック管材料の区分材である第3の可撓性絶縁層520を、第1の遮蔽ワイヤケーブル112の外側絶縁層124および可撓性導電層518の一部分を覆って配置するステップと、熱収縮性管材料を、これが、第1の遮蔽ワイヤケーブル112の外側絶縁層124および可撓性導電層518の一部分と圧縮接触状態になり、これらを封入するまで加熱するステップとを含むことができる。遮蔽導体130は、好ましくは、第3の可撓性絶縁層520によって完全に封入される。
【0077】
[00117]ステップ426「第4の可撓性絶縁層を第2および第3の遮蔽されたワイヤケ
ーブルの外側絶縁層の一部分および可撓性導電層の一部分を覆って巻き付ける」は、
図34に示されるように、第4の可撓性絶縁層522を、露出された遮蔽導体132、134に近接する、第2および第3の遮蔽されたワイヤケーブル112、114の外側絶縁層126、128の一部分を覆って、且つ、可撓性導電層518の一部分を覆って、但し、第1および第2のフェルール514、516は覆わずに巻き付けるステップを含む任意選択のステップである。第4の可撓性絶縁層522はまた、第3の可撓性絶縁層520上に重なるように第3の可撓性絶縁層520の一部分を覆って施されてもよい。ステップ426は、熱収縮性プラスチック管材料の区分材である第4の可撓性絶縁層522を、第2および第3の遮蔽ワイヤケーブル112、114の外側絶縁層126、128および可撓性導電層518の一部分を覆って配置するステップと、熱収縮性管材料を、これが、第2およ
び第3の遮蔽されたワイヤケーブル112、114の外側絶縁層126、128および可撓性導電層518の一部分と圧縮接触状態になり、これらを封入するまで加熱するステップとを含むことができる。第4の可撓性絶縁層522はまた、第3の可撓性絶縁層520の一部分上に重なることもでき、それにより、可撓性導電層518の封入が保証される。第4の可撓性絶縁層522に使用される熱収縮管材料の区分材は、これが加熱される前は、ステップ424において第3の可撓性絶縁層520に使用される熱収縮管材料の区分材より大きい直径を有することができる。
【0078】
[00118]ステップ428「二重壁熱収縮管材料の区分材を可撓性導電層を覆って巻き付
ける」は、
図35に示されるように、二重壁熱収縮管材料524の区分材を、少なくとも可撓性導電層518ならびに第1、第2、および第3の遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114の外側絶縁層124、126、128の一部分を覆って巻き付けるステップを含む。二重壁熱収縮管材料524は、ポリオレフィンなどの熱収縮性プラスチックから作製された外壁と、熱可塑性接着封止剤526から作製された内壁とを有する。二重壁熱収縮管材料524が加熱されたとき、内壁上の熱可塑性接着封止剤526は、溶融し、外壁が、遮蔽されたケーブル110、112、114および可撓性導電層518に適合するように収縮するにつれて外側絶縁層124、126、128に接着し、こうして、封止された、遮蔽されたワイヤケーブルのスプライス接続528を形成する。封止剤526の一部分は、外壁が収縮するときに二重壁熱収縮管材料524から突出することができる。二重壁熱収縮管材料524はまた、第3および第4の可撓性絶縁層520、522ならびに第1および第2のフェルール514、516の周りに巻き付けられてもよく、こうして、加熱されたときにこれらの要素を二重壁熱収縮管材料524内に封止する。第1および第2のフェルール514、516は、第2および第3の遮蔽されたワイヤケーブル112、114の外側絶縁層126、128間に空隙をもたらし、この空隙は、封止剤526によって充填されて、第2と第3の遮蔽されたワイヤケーブル112、114間の漏出の可能性がある通路を遮る。
【0079】
[00119]
図28に示される方法400および
図35に示される封止された、遮蔽された
ワイヤケーブルのスプライス接続528は、3つの遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114を含むが、2つの遮蔽されたワイヤケーブルまたは4つ以上の遮蔽されたワイヤケーブルを有する、方法400および封止された、遮蔽されたワイヤケーブルのスプライス接続528の他の実施形態が、企図されてよい。フェルールは、別の遮蔽されたワイヤケーブルに隣接する各々の遮蔽されたワイヤケーブルの外側絶縁層の周りに巻き付けられて空隙をもたらし、この空隙は、二重壁熱収縮管材料524の接着封止剤526によって充填される。
【0080】
[00120]したがって、遮蔽されたワイヤケーブルのスプライス接続528および複数の
遮蔽されたワイヤケーブルをスプライス接続する方法400が、提供される。方法400は、環境的汚染から封止された遮蔽されたワイヤケーブルのスプライス接続528をもたらす。遮蔽されたワイヤケーブルのスプライス接続528および方法400は、可撓性導電層518を遮蔽導体130、132、134に接合するのにはんだを使用しない。これは、方法400が、可撓性絶縁層および二重壁熱収縮管材料524を、上記で説明された従来技術の方法によって必要とされる、はんだのリフローに必要とされるより低い温度に加熱することによって、遮蔽されたワイヤケーブルのスプライス接続528を形成することを可能にする。使用されるより低温の熱は、熱の印加からの遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114に対する損傷の可能性を低減するという利点をもたらす。遮蔽されたワイヤケーブル110、112、114のコア導体116、118、120が、音波溶接プロセスを用いて接合されるとき、はんだの使用は、方法400および遮蔽されたワイヤケーブルのスプライス接続528から完全に除かれる。はんだを排除することは、はんだの使用に伴って必要とされる環境的予防措置の必要性を取り除く。作動のいかなる特
定の論理にも同調することなく、第3および第4の可撓性絶縁層520、522および/または二重壁熱収縮管材料524の可撓性導電層518との圧縮接触は、可撓性導電層518を遮蔽導体130、132、134と接触状態に維持し、それによって可撓性導電層518と遮蔽導体130、132、134の間に確実な電気的連結をもたらす。
【0081】
[00121]本発明は、その好ましい実施形態に関して説明されてきたが、これは、そのよ
うに限定されるよう意図されず、それよりも、後続の特許請求の範囲に記載された程度にのみ限定されるよう意図される。さらに、用語の第1、第2などの使用は、重要性の程度を示すものではなく、用語の第1、第2などは、1つの要素を別のものと区別するために使用される。さらに、用語1つ(a)、1つ(an)などの使用は、量の限定を示すもので
はなく、参照される項目の少なくとも1つの存在を示す。