(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1区間で前記第1長さに対応する区間で1−m1、1−m2、1−m3、1−m4、1−m5、1−m6、1−m7、1−m8及び1−m9の順序で9つの前記第1電機子モジュールが配置され、前記1−m1、1−m2及び1−m3にはU相群、前記1−m4、1−m5及び1−m6にはV相群、前記1−m7、1−m8及び1−m9にはW相群の電流が供給され、
前記第4区間で前記第1長さに対応する区間に4−m1、4−m3、4−m4、4−m6、4−m7及び4−m9の順序で6つの前記第4電機子モジュールが配置され、前記4−m1及び4−m3にはU相群、前記4−m4及び4−m6にはV相群、前記4−m7及び4−m9にはW相群の電流が供給され、
前記第2区間で前記第1長さに対応する区間に2−m2、2−m5及び2−m8の順序で3つの前記第2電機子モジュールが配置され、前記2−m2にはU相、前記2−m5にはV相、前記2−m8にはW相の電流が供給されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリニアモータ。
前記第2区間以降の第3区間に配置された第3電機子モジュールの磁性体コアが含む突出部の第3個数は、前記第1個数と同じであり、前記第2個数より大きいことを特徴とする、請求項9に記載のリニアモータ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付された図面を参照して、本発明に係るリニアモータを用いた搬送システムの好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0015】
本発明の出願人は、進行方向に一列に配置される多数の電機子モジュールで構成される1次部材及び進行方向に極を変えながら配置される複数の永久磁石を含む永久磁石モジュールを複数含む2次部材を含む密閉型とオープンリニアモータに対して、出願番号KR10−2010−0081522とKR10−2010−0129947を通じて出願した。
【0016】
出願番号KR10−2010−0081522とKR10−2010−0129947に記載されたリニアモータの中で
図1のようなオープンリニアモータにおいて、電機子モジュールのコアは、2次部材である永久磁石モジュールを囲むためのC字形状ではなく、例えば、直線状であり、複数の突極はコアから同じ方向に、例えば、直角に突出した形であり、2次部材の複数の永久磁石モジュールも並ぶように置かれた各突極間にコアの方向に突出した形をしている。
【0017】
出願番号KR10−2010−0081522とKR10−2010−0129947に記載された他のリニアモータは電機子モジュールのコアで突極の突出角度が互いに異なり、金型製作にコストがたくさんかかり、精度を上げるには限界がある。しかし、
図1のリニアモータにおいて、各電機子モジュールで、すべて突極は、コアのような角度、例えば直角をなし、各永久磁石モジュールもベースと同じ角度、例えば直角を成した状態で固定されているので、製造精度を上げることができ、金型コストも削減することができる。
【0018】
本発明に係るリニアモータは、出願番号KR10−2010−0081522とKR10−2010−0129947に記載されたリニアモータの内、
図1のオープンリニアモータを永久磁石可動型に変形したものである。永久磁石可動型リニアモータを用いる本発明では、搬送システムが要求する速度区間に対応するように電機子モジュール間の間隔を調節して長距離移送を可能にし、また、実際の走行速度と目標速度の差を最小にすることができる。
【0019】
図2は、本発明の出願人によって出願された出願番号KR10−2011−0020599に記載されたリニアモータを図示したものであり、磁束を発生させるコイルを含む1次部材と磁束を横切る永久磁石を含む2次部材とを含んで構成することができる。
図1のリニアモータと比較して、
図2のリニアモータは、突極の数と永久磁石モジュールの数がそれぞれ2個と1個で減ったことを除外しては、動作原理は同じである。
【0020】
図3は、本発明に係るリニアモータを示すものである。
【0021】
本発明に係るリニアモータは電機子モジュールがベースに固定され永久磁石を含む可動子が移動する永久磁石可動型で、磁束を発生させるコイルを含む1次部材と磁束を横切る永久磁石を含む2次部材とを含んで構成することができる。
図1と
図2のリニアモータと比較して、
図3のリニアモータは、突極の数と永久磁石モジュールの数がそれぞれ3個と2個で表示されているが、基本的な動作原理は同じである。
【0022】
1次部材(Primary Module)30は、分離された状態で進行方向に一列に配置される多数の電機子モジュール(Armature Module)10で構成されるが、各電機子モジュール10は、磁性体コア(Core)11、3つの突極12及びコイル13で構成され、磁性体コア11は、各突極12を接続し、各突極12に同じ位相の電流が流れるコイル13が巻かれるようになる。
図3で突極12の数は、3つであるが、本発明はこれに限定されず、2つ以上複数個が可能である。
【0023】
磁性体コア11から同じ方向に突出する各突極12は、磁性体コア11のような材質であるから、磁性体コア11と、各突極12は、一つの磁性体コア11と呼ぶことができ、各突極12を磁性体コア11の突出部12と称することもできる。
【0024】
2次部材は、複数の永久磁石21を含む永久磁石モジュール20で構成され、永久磁石モジュール20は、電機子モジュール10のコア11の方向に突出して、各突極12との間に置かれ、電動機の進行方向に複数の永久磁石21が極を変えながら配置することができる。永久磁石モジュール20は、可動子ベース22に固定することができる。1次部材を固定する地上ベース41には、案内レール42が設置され、2次部材を搭載した可動子ベース22には、案内ガイド43を設置し、電機子モジュール10の突極12と永久磁石モジュール20の永久磁石21との間に一定の空隙が維持されながら、1次部材と2次部材とが相互に機械的干渉を受けずに自由に走行することができる構造を形成する。
【0025】
各電機子モジュール10内で、各突極12に移動磁界が形成されるようにコイル13に電流が供給されるが、突極12の端に形成される電子極及びこれに対応する永久磁石21との間に吸引力と反発力によって進行推力が発生するように、少なくとも一つの電機子モジュール10のコイル13には、他の電機子モジュール10のコイル13とは、位相差を有する電流を供給することができる。
【0026】
各電機子モジュール10内において各突極12の電磁石の極性を互いに異なるようにし、磁束閉ループが形成されるようにすることにより、電機子モジュール10の各突極12と永久磁石21との間に高い密度の磁束がスムーズに流れるようにする。このため、電機子モジュール10ごとに同じ位相の電流が流れるコイル13を、各突極12に巻くが、各突極12の電磁石極性が互いに異なるように巻線方向を設定して巻く。
【0027】
図4は、本発明に係るリニアモータが適用される搬送システムの構成を示したものである。
【0028】
リニアモータの固定子が、可動子(Mover)が通過する通路(Runway)を閉じたループで形成され、可動子が通過する複数の位置に作業領域(Work area)が形成される。可動子が作業領域と作業領域の間に一定の速度で移動することもできる。または、移動速度を高めるために、可動子が現在の作業領域で、次の作業領域に移動を開始するとき、加速され、次の作業領域に到達する頃に減速することができる。つまり、作業領域と作業領域との間に加速、等速、減速区間を有することができる。
【0029】
図5は、本発明の一実施形態に基づいて、1次部材の1次モジュール(Primary Module)を連続的に配置したA Modelと1次モジュールを間欠的に配置したB Modelを示したものである。
【0030】
リニアモータ可動子の進行方向に所定間隔で配置される複数の電機子モジュールをまとめて一つの電機子グループ(または1次モジュール)を形成させ、複数の電機子グループを連続的にまたは間欠的に配置して搬送システムの軌道を形成することができる。永久磁石のN極とS極の永久磁石のピッチをτとするとき、1つの電機子グループの全長(または長さ)は、τの偶数倍が理想的であるが、電機子モジュールの各相間の絶対的な位相差と移動磁界の方向が一致するように製作するとしたら、奇数倍も可能である。
【0031】
ここで、各電機子グループを配置するとき、各相の誘導起電力(逆起電力)が同位相になるように配置しなければならず、そのために進行方向に複数の電機子グループを配置する際、各電機子グループの第1電機子モジュール間の間隔(または同じ相の電機子モジュール間の間隔)は、2*τのn倍(nは1以上の整数)にしなければならない。
【0032】
図6は、本発明の一実施形態に基づいて、1次モジュールを連続的に配置し、それぞれの1次モジュールにインバータ(Inverter)51を1つずつ結線してインバータ全体を上位コントローラ(Controller)50が制御する搬送システムを示したものである。
【0033】
図6においては、電機子グループ(または1次モジュール)ごとに、その電機子グループに属する各電機子モジュールのコイルを駆動するインバータを別々に備えている。しかし、複数の電機子モジュール同士を互いに同相にすることができるので、電機子モジュールの端子線を直列、並列、または直並列結線をして、インバータの使用台数を減らすことができる。
【0034】
図7は、本発明の一実施形態に基づいて、1次部材の1次モジュールを間欠的に配置し、それぞれの1次モジュールにリレー(Relay)を1つずつ結線してインバータ1つで複数の1次モジュールを上位コントローラが制御する搬送システムを示したものである。もちろん、場合によっては、リレーの代わりに、電機子グループごとにインバータを別々に接続して使用することもできる。
【0035】
1次モジュール(または電機子グループ)が配置されない区間では、ホールセンサ(Hall sensor)53を配置し、制御部(Controller)50が、永久磁石可動子(Mover)の位置を把握し、リレーを介して可動子が移動する次の1次モジュールを接続し、その1次モジュールを制御することができるようにする。
【0036】
図8は、3相同期電動機の電機子モジュール数と永久磁石極数の組み合わせの関係を示したものである。
【0037】
図8の表において、永久磁石極数8の場合には、電機子モジュールを3個、6個、9個すべて共用に使用することができる。同様に、永久磁石極数10の場合にも、電機子モジュールを3個、6個、9個すべて共用に使用することができる。
【0038】
図9は、リニアモータで3つの電機子モジュールで構成した1次部材と、複数の永久磁石の組み合わせによって直線方向の推力が発生する動作原理を示したもので、2以上の電機子モジュールと永久磁石モジュールの組み合わせにより、進行方向に推力が発生する原理を
図9に示している。たとえば、3つの電機子モジュール(10U、10V、10W)に2つの永久磁石21を対応させる場合、
図9の上部の図のような電機子モジュール3相と永久磁石2極の組み合わせになる。
【0039】
図9において、U、V、Wは、3つの電機子モジュール(10U、10V、10W)の各突極12の内、一方の突極12を進行方向に並べたものであり、S/Nは突極U、V、Wに対峙する位置に置かれた永久磁石21を並べたものである。
【0040】
各電機子モジュール10のコイル13に単一位相の電流を供給するが、3相である場合、隣接するモジュールと120度の位相差を有する電流を各電機子モジュール10のコイル13に印加することができる。
【0041】
また、
図9の上図に示したように、進行方向に交互に配置された永久磁石SまたはNの極間隔をτ(1/2周期180度)とするとき、3つの電機子モジュール10が2/3τ(120度)に対応する間隔で配置されることができる。
【0042】
永久磁石S極とN極との間に位置する突極Vを巻いたコイルに(+)方向にピーク値(P)の交流電流を流し突極VがN極になるとき、突極UとWに巻いたコイルには(−)の方向にピーク値(P)/平方根(2)サイズの交流電流を流して突極UとWがS極になるので、N極である突極Vが永久磁石S極に吸引力を永久磁石N極には反発力を作用して永久磁石を右に移動させる。突極VのN極より小さなサイズの自力でS極になった突極UとWは、それぞれ永久磁石S極と永久磁石N極に反発力と吸引力を作用するが、互いに相殺されて進行方向に影響を及ぼさないようになる。
【0043】
永久磁石21が2/3τだけ移動して、今度は突極Wが永久磁石S極とN極との間に位置するようになり、この瞬間には、各突極12のコイル13に位相が120度進行した電流を流して、突極Wに巻いたコイルに(+)方向にピーク値(P)の交流電流が流れて突極WがN極となり、突極UとVに巻いたコイルには、(−)方向にピーク値(P)/平方根(2)サイズの交流電流が流れ、突極UとVがS極になる。N極になった突極Wが永久磁石S極には吸引力を永久磁石N極には反発力を作用して永久磁石21を右に移動させ、同様に突極WのN極より小さなサイズの自力でS極になった突極UとVは、それぞれ永久磁石N極と永久磁石S極に吸引力と反発力を作用するが、互いに相殺される。
【0044】
このような過程を繰り返して、永久磁石21は右に移動することになる。つまり、各電機子モジュール10に印加される3相の電流が突極U、V、Wに移動磁界を発生させ、これにより、永久磁石21には、右に移動する推力が発生する。
【0045】
理想的なモデルである場合、永久磁石21を移動させる推力は、突極12と永久磁石21が接する表面積の和に比例し、また、進行方向に配置される電機子モジュール10の数にも比例して大きくなり、コイル13に印加される電流の大きさ、突極12を巻くコイル13の巻線数、永久磁石21の磁力大きさなどにも比例関係を有する。
【0046】
図9の最初の例(上図)は、電機子モジュール3相と永久磁石2極の基本の組み合わせの例であり、
図9の2番目の例(下図)は、最初の組み合わせの拡張である電機子モジュール3相と永久磁石4極の組み合わせの例として推力が発生する原理は同一であり、3相8極、10極などの組み合わせも可能である。
【0047】
一般化すると、モータ定数の倍数となる電機子モジュール10の数Sと2(N極とS極)の倍数である永久磁石21の数Pの組み合わせに基づいて推力が発生するが、ここで、モータ定数3相電源で電機子を駆動する場合、3、5相電源で駆動する場合、5として、3以上の奇数とするのが一般的であり、モータ定数によって各電機子モジュール10のコイル13に印加される電流の位相差が決定される。
【0048】
もちろん、S個の電機子モジュール、P個の永久磁石が空隙を介して対峙する部分の長さ(移動方向への長さ)を1次部材の単位長さとしたときに、多数の電機子モジュール10で構成される1次部材または複数の永久磁石21で構成される2次部材の内、いずれか一方は、単位長さよりは長く構成すべき可動子を移動させる推力を発生させることができる有効な距離を確保することができるようになる。
【0049】
つまり、1次部材と2次部材が重畳する長さを単位長さより長く(電機子モジュールの数をS個以上、または永久磁石の数をP個以上)構成すべき推力発生のための有効距離を確保することになり、互いに重畳する1次部材と2次部材の間に形成される空隙の面積に比例して推力を増加することができる。
【0050】
1次部材の各電機子モジュール10に、進行方向にUuU(U相群)、VvV(V相群)、WwW(W相群)の順序で3相電流を印加する。ここで、小文字アルファベットは大文字アルファベットと逆位相の電流が供給されることを意味する。
【0051】
1次部材は(1次部材のコア11のような材質である強磁性体で)互いに接続されず、独立した電機子モジュール10で構成されるため、同じ大きさの電源が各電機子モジュール10に提供されると、各電機子モジュール10には、独立して、同じ大きさの磁束が流れるようになり、各電機子モジュール10を介して生成される推進力にばらつきが少なく推力にリップルが少なくなる。
【0052】
突極12と永久磁石21を通過する磁束の量は、突極12から出てきたり突極12に入る磁束の分布が一定であるとすると、突極12の表面と永久磁石21の表面が互いに重畳する部分の面積に比例することになる。
【0053】
電機子モジュール10の突極12から出てきた磁束または突極12に入る磁束が通過する永久磁石21の断面は、長方形や平行四辺形に限定されず、菱形、円形または楕円形も可能であり、長方形や平行四辺形の四隅をカットした八角形の形状も可能である。
【0054】
図10は、本発明の一実施形態に基づいて、同じ構造の永久磁石10極ユニット(10-Pole Unit)に対して、電機子モジュール9個で構成された第1電機子グループ(9-core type)、電機子モジュール6個で構成された第2電機子グループ(6-core type)及び電機子モジュール3個で構成された第3電機子グループ(3-core type)をそれぞれ示したものである。
【0055】
各電機子グループは永久磁石10極ユニットで構成した2次部材の単位長さL(2τ*5=10極)と同じように設計することができる。
【0056】
第1電機子グループは9つの電機子モジュールが2次部材の単位長さLの範囲内で、同じ間隔で配置され、第2電機子グループは、2次部材の単位長さLの範囲内で、第1電機子グループで3つの電機子モジュールが抜けた形で6つの電機子モジュールが配置され、第3電機子グループは、2次部材の単位長さLの範囲内で、第1電機子グループで6つの電機子モジュールが抜けた形で3つの電機子モジュールが配置される。
【0057】
すなわち、第2電機子グループは、第1電機子グループで3つの電機子モジュールの間隔で第2、第5及び第8電機子モジュールが抜け、第1、第3、第4、第6、第7、第9電機子モジュールのみ配置された形態である。また、第3電機子グループは、第1電機子グループで3つの電機子モジュールの間隔で第2、第5及び第8電機子モジュールのみ残り、残りの電機子モジュールが抜けた形態である。したがって、第1電機子グループ、第2電機子グループ及び第3電機子グループに配置される電機子モジュールの数の比は3:2:1である。
【0058】
第1電機子グループにおいて電機子モジュール間の第1間隔は、第3電機子グループから電機子モジュール間の第3間隔よりも小さい。また、第2電機子グループで電機子モジュール間の間隔は、第1間隔と第2間隔のいずれか1つになる。
【0059】
本発明のリニアモータは、電機子モジュールごとに個別のコイルが巻かれ、他電機子モジュール同士が互いに影響を与えないので、同じ間隔で連続的に配置される電機子グループでいくつかの電機子モジュールを抜いても、動作に問題がない。
【0060】
すなわち、
図10において、第1電機子グループは、10個の永久磁石、つまり10極ユニットの単位長さLにm1、m2、m3、m4、m5、m6、m7、m8及びm9の順に9つの電機子モジュールが配置され、m1、m2及びm3にはU相群、m4、m5及びm6にはV相群、m7、m8及びm9にはW相群の電流が供給され、2次部材である永久磁石モジュールを移動させる推力を生成することができる。
【0061】
また、第2電機子グループは10極ユニットの単位長さLにm1、m3、m4、m6、m7及びm9の順に6つの電機子モジュールが配置され、m1とm3にはU相群、m4とm6にはV相群、m7とm9はW相群の電流が供給され、2次部材である永久磁石モジュールを移動させる推力を生成することができる。
【0062】
同様に、第3電機子グループは10極ユニットの単位長さLにm2、m5及びm8の順に3つの電機子モジュールが配置され、m2にはU相、m5にはV相、m8にはW相の電流が供給され、2次部材である永久磁石モジュールを移動させる推力を生成することができる。
【0063】
同じ構造の永久磁石8極ユニットで構成された2次部材の単位長さL(2τ*4=8極)に対しても、9つの電機子のモジュールで構成される第1電機子グループ、6つの電機子モジュールで構成される第2電機子グループ及び3つの電機子モジュールで構成される第3電機子グループを共通に使用することができる。
【0064】
推力を発生させる単位長さの範囲の内で、第1電機子グループに配置される電機子モジュールの数と永久磁石の極数の比は、9:10または9:8で有り得る。
【0065】
図11は、本発明の一実施形態に応じて、同じ電機子グループを連続配置した例を示したものであり、2次部材はどのタイプでも共通に使用することができる。
【0066】
9つの電機子のモジュールで構成される第1電機子グループを連続的に配置すると、同じ間隔で電機子モジュールが連続的に配置される。6つの電機子のモジュールで構成される第2電機子グループを連続的に配置すると、3つの電機子モジュールを周期で、2つの電機子モジュールが連続的に配置された後、1つの電機子モジュールが抜けた形が繰り返される。3つの電機子モジュールで構成される第3電機子グループを連続的に配置すると、3つの電機子モジュールを周期で1つの電機子モジュールが配置された後、2つの電機子モジュールが抜けた形が繰り返される。
【0067】
図12は、加速、等速、減速の速度区間に応じて必要な推力の相対的な大きさ、及び、本発明の一実施形態に基づいて互いに異なる1次部材の配置形態に対し各速度区間での速度の変化を図示したものである。
【0068】
図12において、A Modelは9つの電機子モジュールの第1電機子グループを連続配置したものであり、B Modelは、第1電機子グループを間欠配置したものであり、C Modelは9つの電機子モジュールの第1電機子のグループ、6つの電機子モジュールの第2電機子のグループ、3つの電機子モジュールの第3電機子のグループ、第2電機子グループ及び第1電機子グループをこの順に連続配置したものである。
【0069】
搬送システムが、電機子モジュール9つが同じ間隔で配置された第1電機子グループを連続的に配置したA Modelのリニアモータを利用すれば、速度変化が最も小さくて理想的であるが、移動距離が長くなるほど必要とする1次部材のコストが上昇し搬送システムの全体の重量も重くなる。
【0070】
B Modelのように、第1電機子グループを間欠配置することにより、1次部材のコスト上昇を削減し、全体の重量を減らすことができるが、可動子の走行中の速度変化が大きく用途によっては使用することに制約がある。
【0071】
図12の下のグラフに示すように、第1の位置から出発して、第2の位置に到達して停止するまでのパスが加速区間(Acceleration)、等速区間(Constant velocity)及び減速区間(Decelaration)で構成されることができる。
区間ごとに、その区間の速度形に応じて必要な推力が異なるが、加速区間には加わるための推力が相対的に多く必要とし、等速区間には推力がほとんど必要とせず、減速区間には反対方向に推力が相対的に多く必要である。つまり、区間に必要な速度に応じて、必要な推力の相対的な大きさが変わる。
【0072】
図12の下のグラフにおいて、A Modelのグラフは、時間によるリニアモータの理想的な速度に該当するが、B Modelのグラフは、加速区間、等速区間及び減速区間でオーバーシュート(Overshoot)とアンダーシュート(Undershoot)が発生して、可動子が減速するときと加速するときにガタガタになる。
【0073】
したがって、加速区間と減速区間には、推力を多く発生させることができるように、電機子モジュールが抜けず、同じ間隔で配置される第1電機子グループを配置することができる。等速区間には推力がほとんど必要ないので、電機子モジュール間のギャップが最も長い第3電機子グループを配置し、加速区間と等速区間及び等速区間と減速区間のそれぞれの間には、第2電機子グループを配置することができる。
【0074】
すなわち、本発明においては、区間に必要な速度(必要な推力)に基づいて電機子モジュール間の間隔が他の電機子グループを連続的に配置して、資源を効率的に使用してコストの上昇を低減させながら重量を削減しながら目標速度との誤差を減らすことができる。
【0075】
図12においては、第1電機子グループ、第2電機子グループ、第3電機子グループ、第2電機子グループ、第1電機子グループの順に配置したが、第2電機子グループを削除して、第1電機子グループ、第3電機子グループ、第1電機子グループの順で配置することもでき、また、第3電機子グループを削除し、第1電機子グループ、第2電機子グループ、第1電機子グループの順序で配置することもできる。
【0076】
図13は、本発明の他の実施形態に基づいて、
図12のB Modelを第1部材に採択したときに可動子の長さを増やして速度誤差を減らすことを示したものである。
【0077】
図12の下のグラフは、電機子グループの長さと永久磁石モジュールの長さが同じであるという仮定でシミュレーションしたもので、B Modelの場合、隣接する2つの電機子グループの間に推力が発生しないので、速度誤差がさらに発生する可能性がある。
【0078】
図12のB Modelのように9つの電機子モジュールで構成される第1電機子グループを間欠的に配置するときに、
図13のように、2次部材の中心が隣接する2つの第1電機子グループ間を通るときも、2次部材の両方の一部が2つの第1電機子グループに重畳されるように、2次部材である永久磁石モジュールの長さを第1電機子グループの長さよりも長くして、例えば、2次部材を永久磁石20極ユニットで構成して、目標速度との違いを減らすこともできる。
【0079】
図14は、本発明の他の実施形態に基づいて速度区間別に突極数が異なる電機子モジュールが配置された1次部材の配置形態を示したものである。
【0080】
本発明のリニアモータは、進行方向と垂直方向に配置される永久磁石モジュールの数を自由に選択して設計することができる特徴がある。例えば、
図1では、永久磁石モジュール20が4つであり、
図2では、永久磁石モジュール20が1つであり、
図3では、永久磁石モジュール20が2つであるが、永久磁石モジュール20を3個使用しても同じ原理でリニアモータを構成することが可能である。
【0081】
図14のように、大きな推力が必要とする加速区間と減速区間では、永久磁石モジュール3つをすべて駆動することができるよう4つの突極で構成される電機子モジュールを1次部材の一部で配置して、普通の推力が必要とする区間には永久磁石モジュール2つを駆動することができるよう3つの突極で構成される電機子モジュールを1次部材の一部で配置し、小さな推力が必要な区間は、永久磁石モジュール1つだけ駆動することができるよう2つの突極で構成される電機子モジュールを1次部材の一部で配置することができる。
【0082】
図14においては、駆動することができる永久磁石モジュールの数を調節するように区間ごとに電機子モジュールの突極の数を変える例を挙げているが、
図14の実施形態を、
図12のC Modelと組み合わせて、駆動することができる永久磁石モジュールの数だけでなく、永久磁石モジュールの長さに対応する区間に含まれた電機子モジュールの数(または電機子モジュール間の間隔)を異なるように調節することもできる。
【0083】
このように、1次部材を構成する1次モジュールをさまざまな種類で構成しこれを速度や推力に合うように連続配置することにより、速度変化を最小化しながら、1次部材のコスト上昇を減らし、搬送システムの全体の重量も軽量化することができる効果がある。
【0084】
本発明のリニアモータを利用した搬送システムにおいて、1次部材、2次部材は走行を案内するガイド部以外にはどの区間でも、不必要な機械的干渉がないので、耐久性が良く、製品寿命が長くなる。
【0085】
本発明のリニアモータと搬送システムの様々な実施形態を簡単かつ明瞭に説明すると、次の通りである。
【0086】
本発明の一実施形態に係るリニアモータは、1次部材と2次部材を含んで構成され、1次部材は、複数の電機子モジュールを含み、各電機子モジュールは、2つ以上の突出部を含む磁性体コア及び磁性体コアに巻かれて同じ位相の電流が流れるコイルを含み、2次部材は、進行方向に極を変えながら配置される複数の永久磁石を含む磁石モジュールを1つ以上含み、磁石モジュールは隣接する2つの本突出部の間に置くことができ、2の倍数であるP個の永久磁石と進行方向にP個の永久磁石が整列された第1長さに対応する区間に配置された電機子モジュールを一単位とし、移動磁界による推力が生成されるように所定の位相差を有する電源が各電機子モジュールのコイルに印加され、1次部材が固定され生成される推力によって2次部材で構成される可動子が移動し、進行方向に基づいて、第1区間に配置された第1電機子モジュール間の第1間隔が、第1区間以降の第2区間に配置された第2電機子モジュール間の第2間隔と異なることがある。
【0087】
一実施形態において、第2区間以降の第3区間に配置された第3電機子モジュール間の第3間隔は、第1間隔と同じで有り得る。
【0088】
一実施形態において、第2間隔が第1間隔より大きいことがある。
【0089】
一実施形態において、第1区間と第3区間は可動子の速度が変わる区間であり、第2区間は可動子の速度が一定の区間で有り得る。
【0090】
一実施形態において、第1区間と第2区間との間、及び、第2区間と第3区間との間に、それぞれ第4区間と第5区間とが配置され、第4区間及び第5区間に配置された第4電機子モジュールの間の間隔は、第1間隔と第2間隔の内いずれか1つで有り得る。
【0091】
一実施形態において、第1区間で第1長さに対応する区間に配置される第1電機子モジュールの個数、第4区間で第1長さに対応する区間に配置される第4電機子モジュールの個数及び第2区間で第1長さに対応する区間に配置される第2電機子モジュールの個数の比は3:2:1で有り得る。
【0092】
一実施形態において、第1区間で第1長さに対応する区間で1−m1、1−m2、1−m3、1−m4、1−m5、1−m6、1−m7、1−m8及び1−m9の順序で9つの第1電機子モジュールが配置され、1−m1、1−m2及び1−m3にはU相群、1−m4、1−m5及び1−m6にはV相群、1−m7、1−m8及び1−m9にはW相群の電流が供給され、第4区間で第1長さに対応する区間で4−m1、4−m3、4−m4、4−m6、4−m7及び4−m9の順序で6つの第4電機子モジュールが配置され、4−m1及び4−m3にはU相群、4−m4及び4−m6にはV相群、4−m7及び4−m9にはW相群の電流が供給され、第2区間で第1長さに対応する区間で2−m2、2−m5及び2−m8の順序で3つの第2電機子モジュールが配置され、2−m2にはU相、2−m5にはV相、2−m8にはW相の電流が供給されることができる。なお、「1−m1」等の表記について、ハイフン(−)の前の数字は、電機子モジュールの冒頭の「第1」に対応し、mの後ろの数字は、
図10のように、配置される電機子モジュール(例えば9つの第1電機子モジュール)を区別するためのものである。つまり、「1−m1」は、9つの第1電機子モジュールの内の一つ目を意味する。
【0093】
一実施形態において、第1区間で第1長さに対応する区間に配置される第1電機子モジュールの数MとP(2の倍数であるP個の永久磁石)の関係は、M:P=9:(9±1)で有り得る。
【0094】
一実施形態において、第1電機子モジュールの磁性体コアが含む突出部の第1個数と第2電機子モジュールの磁性体コアが含む突出部の第2個数とが互いに異なることができる。
【0095】
一実施形態において、第2区間以降の第3区間に配置された第3電機子モジュールの磁性体コアが含む突出部の第3個数は、第1個数と同じであり、第2個数より大きいことがある。
【0096】
本発明の他の実施形態に係る搬送システムは、先に説明したリニアモータと1次部材を固定しレールが設置される地上ベースと、2次部材が固定される可動子ベースと、可動子ベースに搭載されてレールと結合するガイドを含んで構成することができる。
【0097】
以上説明した内容を通じて当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変更及び修正が可能することを分かる。したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定まるべきである。