特許第6984028号(P6984028)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6984028車両用点火装置、点火制御装置及び、車両用点火装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984028
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】車両用点火装置、点火制御装置及び、車両用点火装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F02P 17/12 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   F02P17/00 N
   F02P17/00 F
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-540960(P2020-540960)
(86)(22)【出願日】2018年9月7日
(86)【国際出願番号】JP2018033123
(87)【国際公開番号】WO2020049704
(87)【国際公開日】20200312
【審査請求日】2021年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】小林 圭介
【審査官】 小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−241987(JP,A)
【文献】 特開2007−162619(JP,A)
【文献】 実開平02−126077(JP,U)
【文献】 特開平09−100772(JP,A)
【文献】 特開2005−042643(JP,A)
【文献】 特開2018−009461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02P 1/00−3/12、7/00−17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリから点火用電圧が供給されるバッテリ端子と、
一端が前記バッテリ端子に接続され、他端が検出用端子に接続された一次側イグニッションコイルと、
一端が前記バッテリ端子に接続され、他端がプラグ端子に接続され、一次側コイルとトランスを構成する二次側イグニッションコイルと、
前記プラグ端子に接続された第1の電極、及び、固定電位に接続された第2の電極を有する点火プラグと、
一端が前記検出用端子に接続され、他端が前記固定電位に接続された制御スイッチング素子と、
前記検出用端子の1次電圧又は前記検出用端子から前記制御スイッチング素子に流れる通電電流を検出する検出部と、
前記制御スイッチング素子を駆動してオン又はオフに制御する駆動部と、
前記検出部が検出した前記1次電圧の値及び/又は前記通電電流の値に基づいて、前記駆動部により前記制御スイッチング素子を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
予め設定された検出期間において、前記検出部が検出した前記1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、前記検出部が検出した前記通電電流の値と予め設定された閾値電流とを比較した電流比較結果とに基づいて、前記点火プラグが正常に点火されているか否かを判断し、
前記電圧比較結果及び/又は電流比較結果に基づいて、前記点火プラグが正常に点火していないと判断した場合には、前記制御スイッチング素子をオフさせて、前記点火プラグの点火を停止するものであり、
前記バッテリのバッテリ電圧を取得し、取得したバッテリ電圧に基づいて、前記閾値電圧及び/又は前記閾値電流を変化させる
ことを特徴とする車両用点火装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記検出期間において、検出した前記1次電圧が前記閾値電圧を超えている期間が予め設定された基準時間以上である場合には、前記点火プラグが正常に点火していないと判断し、
一方、前記検出期間において、検出した前記1次電圧が前記閾値電圧を超えている期間が前記基準時間未満である場合には、前記点火プラグが正常に点火していると判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用点火装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記点火プラグの点火動作を開始してから予め設定された第1待機時間が経過したときに、検出した前記1次電圧が予め設定された第1閾値電圧を超えている場合には、前記点火プラグが正常に点火していないと判断し、
一方、前記第1待機時間が経過したときに、検出した前記1次電圧が第1閾値電圧を超えていない場合には、前記点火プラグが正常に点火していると判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用点火装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記点火プラグの点火動作を開始してから前記第1待機時間より長い予め設定された第2待機時間が経過したときに、検出した前記1次電圧が予め設定された第2閾値電圧を超えている場合には、前記点火プラグが正常に点火していると判断し、
一方、前記第1待機時間が経過したときに、検出した前記1次電圧が前記第2閾値電圧を超えていない場合には、前記点火プラグが正常に点火していないと判断する
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用点火装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記点火プラグの点火動作を開始してから予め設定された第3待機時間が経過したときに、検出した前記通電電流が予め設定された前記閾値電流を超えている場合には、前記点火プラグが正常に点火していると判断し、
一方、前記第3待機時間が経過したときに、検出した前記通電電流が前記閾値電流を超えていない場合には、前記点火プラグが正常に点火していないと判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用点火装置。
【請求項6】
前記点火プラグが正常に点火していない場合とは、2次側にオープン故障が発生している場合、前記点火プラグの前記第1の電極と前記第2の電極との間のギャップ幅が予め設定された値より大きい場合、前記第1の電極と前記第2の電極との間のギャップに異物が混入している場合、又は、前記バッテリのバッテリ電圧が低下している場合である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用点火装置。
【請求項7】
前記制御スイッチング素子は、
コレクタが前記検出用端子に接続され、エミッタが前記固定電位に接続され、ベース電流が前記駆動部により制御されるバイポーラトランジスタである
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用点火装置。
【請求項8】
前記制御部により制御され、ユーザに提供するための所定の情報を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記点火プラグが正常に点火されているか否かを判断した結果を、前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用点火装置。
【請求項9】
前記車両用点火装置は、
二輪車に積載され、前記制御部は、前記二輪車のエンジンの動作を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用点火装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記電圧比較結果及び/又は電流比較結果に基づいて、前記点火プラグが正常に点火していないと判断した場合には、前記エンジンの燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタの動作を停止させる
ことを特徴とする請求項9に記載の車両用点火装置。
【請求項11】
前記バッテリの正極と前記バッテリ端子との間に接続され、ユーザによりオン/オフが制御されるメインスイッチをさらに備え、
前記メインスイッチがオンされると、前記制御部は、前記点火プラグの点火制御を開始する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用点火装置。
【請求項12】
バッテリから点火用電圧が供給されるバッテリ端子と、一端が前記バッテリ端子に接続され、他端が検出用端子に接続された一次側イグニッションコイルと、一端が前記バッテリ端子に接続され、他端がプラグ端子に接続され、一次側コイルとトランスを構成する二次側イグニッションコイルと、前記プラグ端子に接続された第1の電極、及び、固定電位に接続された第2の電極を有する点火プラグと、を備えた車両用点火装置に適用される点火制御装置であって、
一端が前記検出用端子に接続され、他端が前記固定電位に接続された制御スイッチング素子と、
前記検出用端子の1次電圧又は前記検出用端子から前記制御スイッチング素子に流れる通電電流を検出する検出部と、
前記制御スイッチング素子を駆動してオン又はオフに制御する駆動部と、
前記検出部が検出した前記1次電圧の値及び/又は前記通電電流の値に基づいて、前記駆動部により前記制御スイッチング素子を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
予め設定された検出期間において、前記検出部が検出した前記1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、前記検出部が検出した前記通電電流の値と予め設定された閾値電流とを比較した電流比較結果とに基づいて、前記点火プラグが正常に点火されているか否かを判断し、
前記電圧比較結果及び/又は電流比較結果に基づいて、前記点火プラグが正常に点火していないと判断した場合には、前記制御スイッチング素子をオフさせて、前記点火プラグの点火を停止するものであり、
前記バッテリのバッテリ電圧を取得し、取得したバッテリ電圧に基づいて、前記閾値電圧及び/又は前記閾値電流を変化させる
ことを特徴とする点火制御装置。
【請求項13】
バッテリから点火用電圧が供給されるバッテリ端子と、一端が前記バッテリ端子に接続され、他端が検出用端子に接続された一次側イグニッションコイルと、一端が前記バッテリ端子に接続され、他端がプラグ端子に接続され、一次側コイルとトランスを構成する二次側イグニッションコイルと、前記プラグ端子に接続された第1の電極、及び、固定電位に接続された第2の電極を有する点火プラグと、一端が前記検出用端子に接続され、他端が前記固定電位に接続された制御スイッチング素子と、前記検出用端子の1次電圧又は前記検出用端子から前記制御スイッチング素子に流れる通電電流を検出する検出部と、前記制御スイッチング素子を駆動してオン又はオフに制御する駆動部と、前記検出部が検出した前記1次電圧の値及び/又は前記通電電流の値に基づいて、前記駆動部により前記制御スイッチング素子を制御する制御部と、を備えた車両用点火装置の制御方法であって、
前記制御部は、予め設定された検出期間において、前記検出部が検出した前記1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、前記検出部が検出した前記通電電流の値と予め設定された閾値電流とを比較した電流比較結果とに基づいて、前記点火プラグが正常に点火されているか否かを判断し、
前記電圧比較結果及び/又は電流比較結果に基づいて、前記点火プラグが正常に点火していないと判断した場合には、前記制御スイッチング素子をオフさせて、前記点火プラグの点火を停止するものであり、
前記バッテリのバッテリ電圧を取得し、取得したバッテリ電圧に基づいて、前記閾値電圧及び/又は前記閾値電流を変化させる
ことを特徴とする車両用点火装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用点火装置、点火制御装置及び、車両用点火装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、二輪車のシステムにおいては、OBD2(On-board diagnostics 2)対応等により、点火装置の点火プラグが点火放電しているか判断する必要がある。
【0003】
例えば、エンジンの回転変動から点火放電しているか判断は可能である。この場合、低回転は判断可能だが、高回転では変動が少なく判断が難しい。
【0004】
一方、四輪車のシステムにおいてはコストの余裕があるため、点火装置の2次側を直接検出している(例えば、特開2009−92035、特開2015−200246参照)。
【0005】
ここで、点火プラグの点火放電が正常に行われない場合、点火を制御するスイッチング素子には正常時よりも大きなエネルギーがかかるので、当該スイッチング素子が壊れてしまう可能性がある。
【0006】
そして、壊れないように大きなエネルギーがかかっても大丈夫な素子を選定すると、点火装置のコストアップに繋がる。
【0007】
そして、既述の二輪車のシステムにおいては、点火装置において火花放電が正常かを判断する場合、検出回路で電圧を読み込むことで点火装置の1次側が正常接続、断線、地絡、天絡の状態を判断している。
【0008】
このような従来技術で用いられる当該検出回路では、点火装置の2次側の状態は検出できておらず、制御上正常に動作していても、実際火花放電しているのかわからない問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明では、1次側の点火動作時の電圧値(電流値)及び印加時間から、正常に火花放電しているかを判断することが可能な車両用点火装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る実施形態に従った車両用点火装置は、
バッテリから点火用電圧が供給されるバッテリ端子と、
一端が前記バッテリ端子に接続され、他端が検出用端子に接続された一次側イグニッションコイルと、
一端が前記バッテリ端子に接続され、他端がプラグ端子に接続され、一次側コイルとトランスを構成する二次側イグニッションコイルと、
前記プラグ端子に接続された第1の電極、及び、固定電位に接続された第2の電極を有する点火プラグと、
一端が前記検出用端子に接続され、他端が前記固定電位に接続された制御スイッチング素子と、
前記検出用端子の1次電圧又は前記検出用端子から前記制御スイッチング素子に流れる通電電流を検出する検出部と、
前記制御スイッチング素子を駆動してオン又はオフに制御する駆動部と、
前記検出部が検出した前記1次電圧の値及び/又は前記通電電流の値に基づいて、前記駆動部により前記制御スイッチング素子を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
予め設定された検出期間において、前記検出部が検出した前記1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、前記検出部が検出した前記通電電流の値と予め設定された閾値電流とを比較した電流比較結果とに基づいて、前記点火プラグが正常に点火されているか否かを判断する
ことを特徴とする。
【0011】
前記車両用点火装置において、
前記制御部は、
前記電圧比較結果及び/又は電流比較結果に基づいて、前記点火プラグが正常に点火していないと判断した場合には、前記制御スイッチング素子をオフさせて、前記点火プラグの点火を停止する
ことを特徴とする。
【0012】
前記車両用点火装置において、
前記制御部は、
前記検出期間において、検出した前記1次電圧が前記閾値電圧を超えている期間が予め設定された基準時間以上である場合には、前記点火プラグが正常に点火していないと判断し、
一方、前記検出期間において、検出した前記1次電圧が前記閾値電圧を超えている期間が前記基準時間未満である場合には、前記点火プラグが正常に点火していると判断する
ことを特徴とする。
【0013】
前記車両用点火装置において、
前記制御部は、
前記点火プラグの点火動作を開始してから予め設定された第1待機時間が経過したときに、検出した前記1次電圧が予め設定された第1閾値電圧を超えている場合には、前記点火プラグが正常に点火していないと判断し、
一方、前記第1待機時間が経過したときに、検出した前記1次電圧が第1閾値電圧を超えていない場合には、前記点火プラグが正常に点火していると判断する
ことを特徴とする。
【0014】
前記車両用点火装置において、
前記制御部は、
前記点火プラグの点火動作を開始してから前記第1待機時間より長い予め設定された第2待機時間が経過したときに、検出した前記1次電圧が予め設定された第2閾値電圧を超えている場合には、前記点火プラグが正常に点火していると判断し、
一方、前記第1待機時間が経過したときに、検出した前記1次電圧が前記第2閾値電圧を超えていない場合には、前記点火プラグが正常に点火していないと判断する
ことを特徴とする。
【0015】
前記車両用点火装置において、
前記制御部は、
前記点火プラグの点火動作を開始してから予め設定された第3待機時間が経過したときに、検出した前記通電電流が予め設定された前記閾値電流を超えている場合には、前記点火プラグが正常に点火していると判断し、
一方、前記第3待機時間が経過したときに、検出した前記通電電流が前記閾値電流を超えていない場合には、前記点火プラグが正常に点火していないと判断する
ことを特徴とする。
【0016】
前記車両用点火装置において、
前記制御部は、
前記バッテリのバッテリ電圧を取得し、取得したバッテリ電圧に基づいて、前記閾値電圧及び/又は前記閾値電流を変化させる
ことを特徴とする。
【0017】
前記車両用点火装置において、
前記点火プラグが正常に点火していない場合とは、2次側にオープン故障が発生している場合、前記点火プラグの前記第1の電極と前記第2の電極との間のギャップ幅が予め設定された値より大きい場合、前記第1の電極と前記第2の電極との間のギャップに異物が混入している場合、前記バッテリのバッテリ電圧が低下している場合、又は1次側オープン・シュート故障が発生している場合である
ことを特徴とする。
【0018】
前記車両用点火装置において、
前記制御スイッチング素子は、
コレクタが前記検出用端子に接続され、エミッタが前記固定電位に接続され、ベース電流が前記駆動部により制御されるバイポーラトランジスタである
ことを特徴とする。
【0019】
前記車両用点火装置において、
前記制御部により制御され、ユーザに提供するための所定の情報を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記点火プラグが正常に点火されているか否かを判断した結果を、前記表示部に表示させる
ことを特徴とする。
【0020】
前記車両用点火装置において、
前記車両用点火装置は、
二輪車に積載され、前記制御部は、前記二輪車のエンジンの動作を制御する
ことを特徴とする。
【0021】
前記車両用点火装置において、
前記制御部は、
前記電圧比較結果及び/又は電流比較結果に基づいて、前記点火プラグが正常に点火していないと判断した場合には、前記エンジンの燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタの動作を停止させる
ことを特徴とする。
【0022】
前記車両用点火装置において、
前記バッテリの正極と前記バッテリ端子との間に接続され、ユーザによりオン/オフが制御されるメインスイッチをさらに備え、
前記メインスイッチがオンされると、前記制御部は、前記点火プラグの点火制御を開始する
ことを特徴とする。
【0023】
本発明の一態様に係る実施形態に従った点火制御装置は、
バッテリから点火用電圧が供給されるバッテリ端子と、一端が前記バッテリ端子に接続され、他端が検出用端子に接続された一次側イグニッションコイルと、一端が前記バッテリ端子に接続され、他端がプラグ端子に接続され、一次側コイルとトランスを構成する二次側イグニッションコイルと、前記プラグ端子に接続された第1の電極、及び、固定電位に接続された第2の電極を有する点火プラグと、を備えた車両用点火装置に適用される点火制御装置であって、
一端が前記検出用端子に接続され、他端が前記固定電位に接続された制御スイッチング素子と、
前記検出用端子の1次電圧又は前記検出用端子から前記制御スイッチング素子に流れる通電電流を検出する検出部と、
前記制御スイッチング素子を駆動してオン又はオフに制御する駆動部と、
前記検出部が検出した前記1次電圧の値及び/又は前記通電電流の値に基づいて、前記駆動部により前記制御スイッチング素子を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
予め設定された検出期間において、前記検出部が検出した前記1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、前記検出部が検出した前記通電電流の値と予め設定された閾値電流とを比較した電流比較結果とに基づいて、前記点火プラグが正常に点火されているか否かを判断する
ことを特徴とする。
【0024】
本発明の一態様に係る実施形態に従った車両用点火装置の制御方法は、
バッテリから点火用電圧が供給されるバッテリ端子と、一端が前記バッテリ端子に接続され、他端が検出用端子に接続された一次側イグニッションコイルと、一端が前記バッテリ端子に接続され、他端がプラグ端子に接続され、一次側コイルとトランスを構成する二次側イグニッションコイルと、前記プラグ端子に接続された第1の電極、及び、固定電位に接続された第2の電極を有する点火プラグと、一端が前記検出用端子に接続され、他端が前記固定電位に接続された制御スイッチング素子と、前記検出用端子の1次電圧又は前記検出用端子から前記制御スイッチング素子に流れる通電電流を検出する検出部と、前記制御スイッチング素子を駆動してオン又はオフに制御する駆動部と、前記検出部が検出した前記1次電圧の値及び/又は前記通電電流の値に基づいて、前記駆動部により前記制御スイッチング素子を制御する制御部と、を備えた車両用点火装置の制御方法であって、
前記制御部は、予め設定された検出期間において、前記検出部が検出した前記1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、前記検出部が検出した前記通電電流の値と予め設定された閾値電流とを比較した電流比較結果とに基づいて、前記点火プラグが正常に点火されているか否かを判断する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様に係る点火装置は、バッテリから点火用電圧が供給されるバッテリ端子と、一端がバッテリ端子に接続され、他端が検出用端子に接続された一次側イグニッションコイルと、一端がバッテリ端子Tに接続され、他端がプラグ端子に接続され、一次側コイルL1とトランスを構成する二次側イグニッションコイルと、プラグ端子に接続された第1の電極(中心電極)、及び、固定電位(接地電位)に接続された第2の電極(接地電極)を有する点火プラグと、一端が検出用端子に接続され、他端が固定電位に接続された制御スイッチング素子と、検出用端子の1次電圧又は検出用端子から制御スイッチング素子に流れる通電電流を検出する検出部と、制御スイッチング素子を駆動してオン又はオフに制御する駆動部と、検出部が検出した1次電圧の値及び/又は通電電流の値に基づいて、駆動部により制御スイッチング素子を制御する制御部と、を備える。
【0026】
そして、制御部は、予め設定された検出期間において、検出部が検出した1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、検出部が検出した通電電流の値と予め設定された閾値電流とを比較した電流比較結果に基づいて、点火プラグが正常に点火されているか否かを判断する。
【0027】
すなわち、本発明の点火装置によれば、1次側の点火動作時の電圧値(電流値)及び印加時間から、正常に火花放電しているかを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、実施例1に係る車両用点火装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、通電電流が小さく、ギャップ幅が正常であり、正常点火している場合における、検出用端子TCの1次電圧、検出用端子TCに流れる通電電流、プラグ端子TPの2次電圧の波形の一例を示す図である。
図3図3は、通電電流が大きく、ギャップ幅が正常であり、正常点火している場合における、検出用端子TCの1次電圧、検出用端子TCに流れる通電電流、プラグ端子TPの2次電圧の波形の一例を示す図である。
図4図4は、通電電流が大きく、ギャップ幅が大きく、正常点火している場合における、検出用端子TCの1次電圧、検出用端子TCに流れる通電電流、プラグ端子TPの2次電圧の波形の一例を示す図である。
図5図5は、通電電流が小さく、点火不良である場合における、検出用端子TCの1次電圧、検出用端子TCに流れる通電電流、プラグ端子TPの2次電圧の波形の一例を示す図である。
図6図6は、図5の時間を長くした波形の一例を示す図である。
図7図7は、通電電流が大きく、点火不良である場合における、検出用端子TCの1次電圧、検出用端子TCに流れる通電電流、プラグ端子TPの2次電圧の波形の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0030】
図1は、実施例1に係る車両用点火装置100の構成の一例を示す図である。
【0031】
本実施例1に係る車両用点火装置100は、二輪車(図示せず)に積載され、制御部CNTは、当該二輪車のエンジン(内燃機関)Eの動作を制御するようになっている。
【0032】
なお、この車両用点火装置100は、四輪車(図示せず)に積載され、制御部CNTは、当該四輪車のエンジン(内燃機関)Eの動作を制御するようにしてもよい。
【0033】
この車両用点火装置100は、例えば、図1に示すように、バッテリ端子TBと、一次側イグニッションコイルL1と、二次側イグニッションコイルL2と、点火プラグPと、インジェクタEと、表示部Aと、制御スイッチング素子CSWと、検出部Cと、駆動部Dと、メインスイッチMSWと、制御部CNTと、を備える。
【0034】
なお、例えば、図1に示すように、制御スイッチング素子CSW、検出部C、駆動部D、及び、制御部CNTは、点火制御部(点火制御装置)Xを構成する。
【0035】
そして、バッテリ端子TBは、例えば、図1に示すように、直流電源であるバッテリBから点火用電圧が供給されるようになっている。
【0036】
また、一次側イグニッションコイルL1は、例えば、図1に示すように、一端がバッテリ端子TBに接続され、他端が検出用端子TCに接続されている。
【0037】
また、二次側イグニッションコイルL2は、例えば、図1に示すように、一端がバッテリ端子TBに接続され、他端がプラグ端子TPに接続されている。
【0038】
この二次側イグニッションコイルL2は、一次側コイルL1とトランスXを構成するようになっている。
【0039】
また、点火プラグPは、例えば、図1に示すように、プラグ端子TPに接続された第1の電極(中心電極)P1、及び、固定電位(接地電位)に接続された第2の電極(接地電極)P2を有する。
【0040】
また、メインスイッチMSWは、例えば、図1に示すように、バッテリBの正極とバッテリ端子TBとの間に接続されている。このメインスイッチMSWは、ユーザによりオン/オフが制御されるようになっている。
【0041】
例えば、後述のように、このメインスイッチMSWがオンされると、制御部CNTは、バッテリBから電力が供給されて、点火プラグPの点火制御を開始するようになっている。一方、このメインスイッチMSWがオフされると、制御部CNTは、バッテリBからの電力の供給が停止されて、制御動作を停止するようになっている。
【0042】
また、表示部Aは、制御部CNTにより制御され、ユーザに提供するための所定の情報を表示するようになっている。
【0043】
なお、後述のように、制御部CNTは、点火プラグPが正常に点火されているか否かを判断した結果を、当該表示部Aに表示させるようになっている。
【0044】
また、制御スイッチング素子CSWは、例えば、図1に示すように、一端が検出用端子TCに接続され、他端が固定電位(接地電位)に接続されている。
【0045】
この制御スイッチング素子CSWは、例えば、図1に示すように、コレクタが検出用端子TCに接続され、エミッタが固定電位(接地電位)に接続され、ベース電流が駆動部Dにより制御されるNPN型バイポーラトランジスタ(IGBT:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを含む)である。
【0046】
また、検出部Cは、例えば、図1に示すように、検出用端子TCの1次電圧、又は検出用端子TCから制御スイッチング素子CSWに流れる通電電流を、検出するようになっている。
【0047】
また、駆動部Dは、制御スイッチング素子CSWに供給するベース電流を制御することにより、制御スイッチング素子CSWを駆動してオン又はオフに制御するようになっている。
【0048】
また、制御部CNTは、検出部Cが検出した1次電圧の値、及び/又は既述の通電電流の値に基づいて、駆動部Dにより制御スイッチング素子CSWを制御するようになっている。
【0049】
この制御部CNTは、予め設定された検出期間において、検出部Cが検出した1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、検出部Cが検出した通電電流の値と予め設定された閾値電流とを比較した電流比較結果に基づいて、点火プラグPが正常に点火されているか否かを判断するようになっている。
【0050】
そして、制御部CNTは、例えば、既述の電圧比較結果及び/又は既述の電流比較結果に基づいて、点火プラグPが正常に点火していないと判断した場合には、制御スイッチング素子CSWをオフさせて、点火プラグPの点火を停止するようになっている。
【0051】
このように、車両用点火装置100は、異常時に点火を止めるようになっている。
【0052】
なお、後述のように、通電電流又はバッテリ電圧も同時に監視して、通電電流又はバッテリ電圧の値に応じて、既述の閾値電圧及び/又は閾値電流の値を変更するようにしてもよい。これにより、異常検出(点火不良の検出)の精度を向上することができる。
【0053】
ここで、例えば、制御部CNTは、検出期間において、検出した1次電圧が閾値電圧を超えている期間が予め設定された基準時間以上である場合には、点火プラグPが正常に点火していないと判断するようにしてもよい。
【0054】
一方、制御部CNTは、当該検出期間において、検出した1次電圧が既述の閾値電圧を超えている期間が基準時間未満である場合には、点火プラグPが正常に点火していると判断するようにしてもよい。
【0055】
また、例えば、制御部CNTは、点火プラグPの点火動作を開始してから予め設定された第1待機時間が経過したときに、検出した1次電圧が予め設定された第1閾値電圧(例えば、400V)を超えている場合には、点火プラグPが正常に点火していないと判断するようにしてもよい。
【0056】
一方、制御部CNTは、当該第1待機時間が経過したときに、検出した1次電圧が第1閾値電圧を超えていない場合には、点火プラグPが正常に点火していると判断するようにしてもよい。
【0057】
また、例えば、制御部CNTは、点火プラグPの点火動作を開始してから第1待機時間より長い予め設定された第2待機時間が経過したときに、検出した1次電圧が予め設定された第2閾値電圧(例えば、0V)を超えている場合には、点火プラグPが正常に点火していると判断するようにしてもよい。
【0058】
一方、制御部CNTは、当該第1待機時間が経過したときに、検出した1次電圧が第2閾値電圧を超えていない場合には、点火プラグPが正常に点火していないと判断するようにしてもよい。
【0059】
また、例えば、制御部CNTは、点火プラグPの点火動作を開始してから予め設定された第3待機時間が経過したときに、検出した通電電流が予め設定された閾値電流を超えている場合には、点火プラグPが正常に点火していると判断するようにしてもよい。
【0060】
一方、制御部CNTは、当該第3待機時間が経過したときに、検出した通電電流が既述の閾値電流を超えていない場合には、点火プラグPが正常に点火していないと判断するようにしてもよい。
【0061】
また、制御部CNTは、バッテリBのバッテリ電圧を取得し、取得したバッテリ電圧に基づいて、既述の閾値電圧及び/又は既述の閾値電流を変化させるようにしてもよい。
【0062】
なお、点火プラグPが正常に点火していない(点火不良である)場合とは、例えば、2次側にオープン故障が発生している場合、点火プラグPの第1の電極P1と第2の電極P2との間のギャップ幅が予め設定された値より大きい場合、又は、第1の電極P1と第2の電極P2との間のギャップに異物(絶縁物)が混入している場合等である。
【0063】
なお、既述のように、メインスイッチMSWがオンされると、この制御部CNTは、バッテリBから電力が供給されて、点火プラグPの点火制御を開始するようになっている。
【0064】
また、既述のように、制御部CNTは、点火プラグPが正常に点火されているか否かを判断した結果を、当該表示部Aに表示させるようになっている。
【0065】
なお、制御部CNTは、電圧比較結果及び/又は電流比較結果に基づいて、点火プラグPが正常に点火していないと判断した場合には、エンジンEの燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタFの動作を停止させるようになっている。
【0066】
以上のように、実施例1に係る車両用点火装置100は、1次側の点火動作時の電圧値(電流値)及び印加時間から、正常に火花放電しているかを判断することができるようになっている。
【0067】
次に、以上のような構成を有する車両用点火装置100の制御方法の一例について説明する。ここで、図2は、通電電流が小さく、ギャップ幅が正常であり、正常点火している場合における、検出用端子TCの1次電圧、検出用端子TCに流れる通電電流、プラグ端子TPの2次電圧の波形の一例を示す図である。また、図3は、通電電流が大きく、ギャップ幅が正常であり、正常点火している場合における、検出用端子TCの1次電圧、検出用端子TCに流れる通電電流、プラグ端子TPの2次電圧の波形の一例を示す図である。また、図4は、通電電流が大きく、ギャップ幅が大きく、正常点火している場合における、検出用端子TCの1次電圧、検出用端子TCに流れる通電電流、プラグ端子TPの2次電圧の波形の一例を示す図である。また、図5は、通電電流が小さく、点火不良である場合における、検出用端子TCの1次電圧、検出用端子TCに流れる通電電流、プラグ端子TPの2次電圧の波形の一例を示す図である。また、図6は、図5の時間を長くした波形の一例を示す図である。また、図7は、通電電流が大きく、点火不良である場合における、検出用端子TCの1次電圧、検出用端子TCに流れる通電電流、プラグ端子TPの2次電圧の波形の一例を示す図である。
【0068】
なお、図2ないし図7において、時刻t0は、制御部CNTが駆動部Dにより制御スイッチング素子CSWをオンして点火動作を開始した時刻である。
【0069】
また、図2ないし図7において、閾値電圧は、簡単のため、第1閾値電圧TH1と同じ値になっているが、当該閾値電圧は、第1閾値電圧TH1と異なる値に設定してもよい。
【0070】
なお、既述のように、点火プラグPが正常に点火していない(点火不良である)場合とは、例えば、2次側にオープン故障が発生している場合、点火プラグPの第1の電極P1と第2の電極P2との間のギャップ幅が予め設定された値より大きい場合、第1の電極P1と第2の電極P2との間のギャップに異物(絶縁物)が混入している場合、バッテリBのバッテリ電圧が低下している場合、又は、1次側オープン・シュート故障が発生している場合等である。
【0071】
既述のように、制御部CNTは、検出部Cが検出した1次電圧の値、及び/又は通電電流の値に基づいて、駆動部Dにより制御スイッチング素子CSWを制御する。
【0072】
この制御部CNTは、予め設定された検出期間(例えば、時刻t0〜時刻t1)において、検出部Cが検出した1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、検出部Cが検出した通電電流の値と予め設定された閾値電流(図示せず)とを比較した電流比較結果に基づいて、点火プラグPが正常に点火されているか否かを判断する。
【0073】
なお、制御部CNTは、バッテリBのバッテリ電圧を取得し、取得したバッテリ電圧に基づいて、既述の閾値電圧及び/又は既述の閾値電流を変化させる。
【0074】
そして、制御部CNTは、例えば、既述の電圧比較結果及び/又は既述の電流比較結果に基づいて、点火プラグPが正常に点火していないと判断した場合には、制御スイッチング素子CSWをオフさせて、点火プラグPの点火を停止する。
【0075】
このように、車両用点火装置100は、異常時に点火を止める。
【0076】
なお、既述のように、メインスイッチMSWがオンされると、この制御部CNTは、バッテリBから電力が供給されて、点火プラグPの点火制御を開始する。
【0077】
また、既述のように、制御部CNTは、点火プラグPが正常に点火されているか否かを判断した結果を、当該表示部Aに表示させる。
【0078】
なお、制御部CNTは、電圧比較結果及び/又は電流比較結果に基づいて、点火プラグが正常に点火していないと判断した場合には、エンジンEの燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタFの動作を停止させる。
【0079】
ここで、例えば、制御部CNTは、該検出期間(例えば、時刻t0〜時刻t1)において、検出した1次電圧が閾値電圧を超えている期間が予め設定された基準時間以上である場合には、点火プラグPが正常に点火していないと判断する(図5図6図7)。
【0080】
一方、制御部CNTは、当該検出期間(例えば、時刻t0〜時刻t1)において、検出した1次電圧が既述の閾値電圧を超えている期間が基準時間未満である場合には、点火プラグPが正常に点火していると判断する(図2図3図4)。
【0081】
また、例えば、制御部CNTは、点火プラグPの点火動作を開始してから予め設定された第1待機時間(例えば、30μsec)が経過したとき(例えば、時刻t1)に、検出した1次電圧が予め設定された第1閾値電圧(例えば、400V)TH1を超えている場合には、点火プラグPが正常に点火していないと判断する(図5図6図7)。
【0082】
一方、制御部CNTは、当該第1待機時間が経過したときに、検出した1次電圧が第1閾値電圧を超えていない場合には、点火プラグPが正常に点火していると判断する(図2図3図4)。
【0083】
この場合、継続的な時間による判定でなく、電圧(“High”レベル/“Low”レベル)で判定可能なので、車両用点火装置100のハードウェアの構成の容易化を図ることができる。
【0084】
なお、制御部CNTは、当該第1待機時間を、例えば、通電電流(若しくはバッテリ電圧)の値に応じて変更するようにしてもよい。
【0085】
また、例えば、制御部CNTは、点火プラグPの点火動作を開始(時刻t0)してから第1待機時間より長い予め設定された第2待機時間(例えば、80μsec)が経過したとき(例えば、時刻t2)に、検出した1次電圧が予め設定された第2閾値電圧(例えば、0V)TH2を超えている場合には、点火プラグPが正常に点火していると判断する(図2図3図4)。
【0086】
一方、制御部CNTは、当該第1待機時間が経過したときに、検出した1次電圧が第2閾値電圧を超えていない場合には、点火プラグPが正常に点火していないと判断する(図5図6図7)。
【0087】
この場合、検出した1次電圧が負であれば、点火プラグPが正常に点火していないと判断する。点火不良時には、マイナス方向に電流が流れるので、このように検出可能である。
【0088】
なお、制御部CNTは、当該第2待機時間を、例えば、通電電流(若しくはバッテリ電圧)の値に応じて変更するようにしてもよい。
【0089】
また、例えば、制御部CNTは、点火プラグPの点火動作を開始してから予め設定された第3待機時間(時刻t3)が経過したときに、検出した通電電流が予め設定された閾値電流(例えば、0A)THXを超えている(正電流である)場合には、点火プラグPが正常に点火していると判断する(図2)。
【0090】
一方、制御部CNTは、当該第3待機時間(時刻t3)が経過したときに、検出した通電電流が既述の閾値電流を超えていない(負電流である)場合には、点火プラグPが正常に点火していないと判断する(図5図6)。
【0091】
このように、点火後、通電電流を確認することで、点火不良時には、マイナス方向に電流が流れるので、検出可能である。
【0092】
なお、制御部CNTは、当該第3待機時間を、例えば、通電電流(若しくはバッテリ電圧)の値に応じて変更するようにしてもよい。
【0093】
ここで、既述のように、車両用点火装置100は、図1に示すように、バッテリBから点火用電圧が供給されるバッテリ端子TBと、一端がバッテリ端子TBに接続され、他端が検出用端子TCに接続された一次側イグニッションコイルL1と、一端がバッテリ端子TBに接続され、他端がプラグ端子TPに接続され、一次側コイルL1とトランスを構成する二次側イグニッションコイルL2と、プラグ端子TPに接続された第1の電極(中心電極)P1、及び、固定電位(接地電位)に接続された第2の電極(接地電極)P2を有する点火プラグPと、一端が検出用端子TCに接続され、他端が固定電位に接続された制御スイッチング素子CSWと、検出用端子TCの1次電圧又は検出用端子から制御スイッチング素子CSWに流れる通電電流を検出する検出部Cと、制御スイッチング素子を駆動してオン又はオフに制御する駆動部Dと、検出部Cが検出した1次電圧の値及び/又は通電電流の値に基づいて、駆動部Dにより制御スイッチング素子CSWを制御する制御部CNTと、を備える。
【0094】
そして、制御部CNTは、予め設定された検出期間において、検出部Cが検出した1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、検出部Cが検出した通電電流の値と予め設定された閾値電流とを比較した電流比較結果に基づいて、点火プラグPが正常に点火されているか否かを判断する。
【0095】
すなわち、実施例1に係る車両用点火装置100によれば、1次側の点火動作時の電圧値(電流値)及び印加時間から、正常に火花放電しているかを判断することができる。
【実施例2】
【0096】
既述の実施例1では、制御スイッチング素子CSWが、NPN型バイポーラトランジスタである例(図1)について説明したが、他の半導体素子を適用するようにしてもよい。
【0097】
すなわち、この制御スイッチング素子CSWは、同様の機能を実施できるように、例えば、PNP型バイポーラトランジスタ(IGBT:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを含む)、MOSFETや他の半導体素子で代替するようにしてもよい。
【0098】
なお、この実施例2におけるその他の車両用点火装置の構成は、実施例1と同様である。
【0099】
以上のように、本発明の一態様に係る点火装置は、バッテリBから点火用電圧が供給されるバッテリ端子TBと、一端がバッテリ端子TBに接続され、他端が検出用端子TCに接続された一次側イグニッションコイルL1と、一端がバッテリ端子TBに接続され、他端がプラグ端子TPに接続され、一次側コイルL1とトランスを構成する二次側イグニッションコイルL2と、プラグ端子TPに接続された第1の電極(中心電極)P1、及び、固定電位(接地電位)に接続された第2の電極(接地電極)P2を有する点火プラグPと、一端が検出用端子TCに接続され、他端が固定電位に接続された制御スイッチング素子CSWと、検出用端子TCの1次電圧又は検出用端子から制御スイッチング素子CSWに流れる通電電流を検出する検出部Cと、制御スイッチング素子を駆動してオン又はオフに制御する駆動部Dと、検出部Cが検出した1次電圧の値及び/又は通電電流の値に基づいて、駆動部Dにより制御スイッチング素子CSWを制御する制御部CNTと、を備える。
【0100】
そして、制御部CNTは、予め設定された検出期間において、検出部Cが検出した1次電圧の値と予め設定された閾値電圧とを比較した電圧比較結果、及び/又は、検出部Cが検出した通電電流の値と予め設定された閾値電流とを比較した電流比較結果に基づいて、点火プラグPが正常に点火されているか否かを判断する。
【0101】
すなわち、本発明の点火装置によれば、1次側の点火動作時の電圧値(電流値)及び印加時間から、正常に火花放電しているかを判断することができる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0103】
100 車両用点火装置
TB バッテリ端子
L1 一次側イグニッションコイル
L2 二次側イグニッションコイル
P 点火プラグ
A 表示部
CSW 制御スイッチング素子
C 検出部
D 駆動部
MSW メインスイッチ
CNT 制御部
E エンジン
F インジェクタ
TP プラグ端子
P1 第1の電極(中心電極)
P2 第2の電極(接地電極)
X トランス
B バッテリ追記
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7