(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る遠心送風機1、遠心送風機1A、遠心送風機1B、遠心送風機1C、遠心送風機1D、遠心送風機1E、遠心送風機1F及び遠心送風機1Gについて図面等を参照しながら説明する。また、本発明の実施の形態に係る送風装置30、空気調和装置40及び冷凍サイクル装置50についても図面等を参照しながら説明する。なお、
図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置あるいは部品の配置及び向きを限定するものではない。
【0010】
実施の形態1.
[遠心送風機1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る遠心送風機1の斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る遠心送風機1の吸込口5側からみた概念図である。なお、
図2は、後述する回転軸RSの軸方向において、スクロールケーシング4の中央部分の断面を示す概念図である。以下の説明では、回転軸RSの軸方向において、スクロールケーシング4の中央部分の断面で説明するが、回転軸RSの軸方向において、スクロールケーシング4の他の部分の断面であってもよい。なお、以下に説明する遠心送風機1の構成は、回転軸RSの軸方向において、少なくとも一部に存在すればよく、あるいは、回転軸RSの軸方向において全ての領域で存在してもよい。
図1及び
図2を用いて、遠心送風機1の基本的な構造について説明する。遠心送風機1は、例えば、シロッコファン、あるいは、ターボファン等の多翼遠心型の遠心送風機1であり、気流を発生させるファン2と、ファン2を収納するスクロールケーシング4とを有する。
【0011】
(ファン2)
ファン2は、モータ等(図示は省略)によって回転駆動され、回転で生じる遠心力により、径方向外方へ空気を強制的に送出するものである。ファン2は、
図1に示すように、円盤状の主板2aと、主板2aの周縁部2a1に設置される複数枚の翼2dと、を有する。なお、主板2aは板状であればよく、円盤状以外の形状(例えば多角形状)であってもよい。主板2aの中心部には、モータ(図示は省略)が接続される軸部2bが設けられている。ファン2は、主板2aと複数の翼2dとにより、筒形状に構成され、軸部2bの回転軸RSの軸方向において、主板2aと反対側の端部に、主板2aと複数の翼2dとで囲まれた空間に気体を流入させるための吸込口2eが形成されている。
【0012】
複数の翼2dは、軸部2bを中心として円周状に配置され、基端が主板2aに固定されている。複数の翼2dは、軸部2bの回転軸RSの軸方向において、主板2aの両側に設けられている。なお、例えば、吸込口5が1つしか形成されていない片吸い込みの遠心送風機1である場合には、複数の翼2dは、軸部2bの回転軸RSの軸方向において、主板2aの片側にのみ設けられていてもよい。各翼2dは、主板2aの周縁部2a1に、互いに一定の間隔をあけて配置されている。各翼2dは、例えば湾曲した長方形の板状に形成されており、径方向に沿うように、又は径方向に対して所定の角度で傾斜して設置される。
【0013】
ファン2は、モータ(図示は省略)が駆動することにより、回転軸RSを中心に回転駆動される。ファン2が回転することで、遠心送風機1の外部の気体が、スクロールケーシング4に形成された吸込口5と、ファン2の吸込口2eとを通り、主板2aと複数の翼2dとで囲まれる空間に吸込まれる。そして、ファン2が回転することで、主板2aと複数の翼2dとで囲まれる空間に吸込まれた空気が、翼2dと隣接する翼2dとの間を通り、径方向外方に送り出される。なお、実施の形態1において、各翼2dは主板2aに対してほぼ垂直に立ち上がるように設けられているが、当該構成に限定されるものではなく、各翼2dは、主板2aの垂直方向に対して傾斜して設けられてもよい。
【0014】
(スクロールケーシング4)
スクロールケーシング4は、ファン2を収納し、ファン2から吹き出された空気を整流する。スクロールケーシング4は、スクロール部41と、吐出部42と、を有する。
【0015】
(スクロール部41)
スクロール部41は、ファン2が発生させた気流の動圧を静圧に変換する風路を形成する。スクロール部41は、ファン2を構成する軸部2bの回転軸RSの軸方向からファン2を覆い、空気を取り込む吸込口5が形成された側壁4aと、ファン2を軸部2bの回転軸RSの径方向から囲む周壁4cと、を有する。また、スクロール部41は、吐出部42と周壁4cの巻始部41aとの間に位置して曲面を構成し、ファン2が発生させた気流を、スクロール部41を介して吐出口42aに導く舌部43を有する。なお、回転軸RSの径方向とは、回転軸RSに垂直な方向である。周壁4c及び側壁4aにより構成されるスクロール部41の内部空間は、ファン2から吹き出された空気が周壁4cに沿って流れる空間となっている。
【0016】
(側壁4a)
側壁4aは、ファン2の回転軸RSの軸方向に対して略垂直に配置されてファン2を覆う。スクロールケーシング4の側壁4aには、ファン2とスクロールケーシング4の外部との間を空気が流通できるように、吸込口5が形成されている。吸込口5は円形状に形成され、吸込口5の中心とファン2の軸部2bの中心とがほぼ一致するように配設される。側壁4aの当該構成により、吸込口5近傍の空気は滑らかに流動し、また、吸込口5からファン2に効率よく流入する。遠心送風機1は、軸部2bの回転軸RSの軸方向において、主板2aの両側に、吸込口5が形成された側壁4aを有する両吸込タイプのスクロールケーシング4を有する。すなわち、遠心送風機1は、スクロールケーシング4が側壁4aを二つ有し、側壁4aはそれぞれ対向するように配置されている。なお、遠心送風機1は、軸部2bの回転軸RSの軸方向において、主板2aの片側にのみ吸込口5が形成された側壁4aを有する片吸込タイプのスクロールケーシング4であってもよい。この場合、遠心送風機1のスクロールケーシング4は、吸込口5が形成された側壁4aと、当該側壁4aに対向するように配置された吸込口5が形成されていない側壁(図示は省略)とを有する。
【0017】
側壁4aに設けられた吸込口5は、ベルマウス3によって形成されている。ベルマウス3は、ファン2に吸入される気体を整流してファン2の吸込口2eに流入させる。ベルマウス3は、スクロールケーシング4の外部から内部に向けて開口径が次第に小さくなるように形成されている。
【0018】
(周壁4c)
周壁4cは、ファン2を軸部2bの径方向から囲み、複数の翼2dと対向する内周面を構成する。周壁4cは、ファン2の翼2dの空気の吹き出し側と対向する。周壁4cは、例えば、ファン2の回転軸RSの軸方向と平行に配置されてファン2を覆う。周壁4cは、
図2に示すように、舌部43との境界に位置する巻始部41aからファン2の回転方向Rに沿って舌部43から離れた側の吐出部42とスクロール部41との境界に位置する巻終部41bまで設けられている。巻始部41aは、湾曲面を構成する周壁4cにおいて、ファン2の回転により発生する気流の上流側の端部であり、巻終部41bは、ファン2の回転により発生する気流の下流側の端部である。
【0019】
周壁4cは、ファン2の回転軸RSの軸方向に幅がある。周壁4cは、渦巻形状に形成される。渦巻形状としては、例えば、対数螺旋、アルキメデス螺旋、あるいは、インボリュート曲線等に基づく渦巻形状がある。周壁4cの内周面は、渦巻形状の巻始めとなる巻始部41aから渦巻形状の巻終りとなる巻終部41bまでファン2の周方向に沿って滑らかに湾曲する湾曲面を構成する。このような構成により、ファン2から送り出された空気は、吐出部42の方向へファン2と周壁4cとの間隙を滑らかに流動する。このため、スクロールケーシング4内では、舌部43から吐出部42へ向かって空気の静圧が効率よく上昇する。なお、周壁4cの詳細な構成は後述する。
【0020】
(吐出部42)
吐出部42は、ファン2が発生させ、スクロール部41を通過した気流が吐出される吐出口42aを形成する。吐出部42は、周壁4cに沿って流動する空気の流れ方向に直交する断面が、矩形状となる中空の管で構成される。
図1及び
図2に示すように、吐出部42は、ファン2から送り出されて周壁4cとファン2との間隙を流動する空気を、スクロールケーシング4の外部へ排出するように案内する流路を形成する。
【0021】
吐出部42は、
図1に示すように、延設板42bと、ディフューザ板42cと、第1側板42dと、第2側板42eと等で構成される。延設板42bは、周壁4cの下流側の巻終部41bに滑らかに連続して、周壁4cと一体に形成される。ディフューザ板42cは、スクロールケーシング4の舌部43と一体に形成されており、延設板42bと対向する。ディフューザ板42cは、吐出部42内の空気の流れ方向に沿って流路の断面積が次第に拡大するように、延設板42bと所定の角度を有して形成されている。第1側板42dは、スクロールケーシング4の側壁4aと一体に形成されており、第2側板42eは、スクロールケーシング4の反対側の側壁4aと一体に形成されている。そして、第1側板42dと第2側板42eとは、延設板42bとディフューザ板42cとの間に形成されている。このように、吐出部42は、延設板42b、ディフューザ板42c、第1側板42d及び第2側板42eにより、断面矩形状の流路が形成されている。
【0022】
(舌部43)
スクロールケーシング4において、吐出部42のディフューザ板42cと、周壁4cの巻始部41aとの間に舌部43が形成されている。舌部43は、渦巻状流路の巻き終わりから巻き始めへの空気の流入を抑制する。また、舌部43は、通風路の上流部に設けられ、ファン2の回転方向Rに向かう空気の流れと、通風路の下流部から吐出口42aに向かう吐出方向の空気の流れと、を分流させる役割を有する。舌部43は、スクロール部41と吐出部42との境界部分に設けられ、スクロールケーシング4の内部に膨出する凸部である。舌部43は、スクロールケーシング4において、軸部2bの回転軸RSの軸方向と平行な方向に延びている。舌部43は、吐出部42の端部と周壁4cの巻始部41aとの間に位置して曲面を構成し、ファン2が発生させた気流を、スクロール部41を介して吐出口42aに導く。
【0023】
舌部43は、所定の曲率半径で形成されており、周壁4cは、舌部43を介してディフューザ板42cと滑らかに接続されている。吸込口5からファン2を通過して送り出された空気が、スクロールケーシング4によって集められて吐出部42に流入する際、舌部43が空気の流路の分岐点となる。すなわち、吐出部42の流入口では、吐出口42aへ向かう気流と及び舌部43から上流側へ再流入する気流とが形成される。また、吐出部42に流入する空気流れは、スクロールケーシング4を通過する間に静圧が上昇し、スクロールケーシング4内よりも高圧となる。そのため、舌部43は、このような圧力差を仕切る機能を有すると共に、曲面により、吐出部42に流入する空気を各流路へ導く機能を備えている。
【0024】
(周壁4cの詳細な構成)
図3は、
図2の遠心送風機1のB部の拡大図である。なお、
図3では、実施の形態1の遠心送風機1の周壁4cは、後述する基準周壁CLと比較するために、長破線で示している。
図2及び
図3を用いて、実施の形態1の遠心送風機1の構造について説明する。
【0025】
図2及び
図3に示す外周部FLは、ファン2の外周部を示している。外周部FLは、遠心送風機1を回転軸RSの軸方向に見た平面視において、ファン2の最外周に位置する翼2dの先端部の位置である。外周部FLと、回転軸RSとの間の距離は常に一定である。なお、ここでいう翼2dの先端部とは、ファン2の径方向の先端である。
【0026】
図3に示す基準周壁CLは、比較例である遠心送風機の周壁を表すものである。基準周壁CLは、巻始部41aから後述する最接近部41cにかけて一定の割合で周壁4cが回転軸RSに近づいていく仮想の周壁である。
【0027】
最接近部41cは、基準周壁CLの巻始部41aから巻終部41bまでの間において、基準周壁CLと回転軸RSとの間の距離が最小となる部分である。換言すれば、最接近部41cは、基準周壁CLの巻始部41aから巻終部41bまでの間において、基準周壁CLとファン2の外周部FLとの間の距離が最小となる部分である。同様に、周壁4cの巻始部41aから巻終部41bまでの間において、スクロールケーシング4の周壁4cと回転軸RSとの間の距離が最小となる位置を最接近部41cと定義する。すなわち、最接近部41cは、周壁4cの巻始部41aから巻終部41bまでの間において、スクロールケーシング4の周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が最小となる部分である。
【0028】
比較例である遠心送風機は、最接近部41cを舌部43からファン2の回転方向Rに移動させた構造を有している。実施の形態1に係る遠心送風機1もまた、最接近部41cを舌部43からファン2の回転方向Rに移動させた構造を有している。なお、
図2及び
図3では、最接近部41cは、回転軸RSを中心とした周方向において、巻始部41aから約90°の位置に形成されているが、最接近部41cの位置は、巻始部41aから約90°の位置に形成されることに限定されるものではない。最接近部41cは、例えば、巻始部41aから約180°の位置に形成される等、巻始部41aから巻終部41bまでの間において形成されていればよい。最接近部41cは、特に、遠心送風機1が設置される、例えば、室内機等のユニットの吸込口のそばに形成されていることが望ましい。なお、最接近部41cと、空気調和装置の吸込口との関係については後述する。
【0029】
第1基準線BL1は、回転軸RSと垂直方向の断面において、回転軸RSと巻始部41aとを結ぶ仮想の直線である。第2基準線BL2は、回転軸RSと垂直方向の断面において、回転軸RSと最接近部41cとを結ぶ仮想の直線である。
【0030】
図2に示す距離Lは、回転軸RSと周壁4c又は基準周壁CLとの間の距離を示すものである。
図3に示す距離LPは、回転軸RSの垂直方向において、回転軸RSと周壁4cとの間の距離を示すものである。距離LSは、回転軸RSと、基準周壁CLとの間の距離を示すものである。
【0031】
距離L1は、回転軸RSの垂直方向において、回転軸RSと、比較例である遠心送風機の周壁の巻始部41aとの間の距離である。換言すれば、第1基準線BL1の長さである。同様に、距離L1は、回転軸RSの垂直方向において、回転軸RSと、周壁4cの巻始部41aとの間の距離である。すなわち、比較例である遠心送風機と、実施の形態1に係る遠心送風機1とは、ファン2の周方向及び径方向において、巻始部41aが同じ位置にある。
【0032】
距離L2は、回転軸RSの垂直方向において、回転軸RSと、比較例である遠心送風機の周壁の最接近部41cとの間の距離である。換言すれば、第2基準線BL2の長さである。同様に、距離L2は、回転軸RSの垂直方向において、回転軸RSと、周壁4cの最接近部41cとの間の距離である。すなわち、比較例である遠心送風機と、実施の形態1に係る遠心送風機1とは、ファン2の周方向及び径方向において、最接近部41cが同じ位置にある。
【0033】
図2に示す角度θは、回転軸RSと垂直方向の断面において、回転軸RSと巻始部41aとを結ぶ第1基準線BL1から回転軸RSと最接近部41cとを結ぶ第2基準線BL2までの間で、第1基準線BL1からファン2の回転方向Rに進む角度である。そして、
図3に示す角度θPは、遠心送風機1を回転軸RSの軸方向に見た平面視において、回転軸RSを中心として巻始部41aから、距離LPの測定位置までの周方向の角度である。角度θSは、比較例である遠心送風機を回転軸RSの軸方向に見た平面視において、回転軸RSを中心として巻始部41aから、距離LSの測定位置までの周方向の角度である。
【0034】
角度θLは、遠心送風機1を回転軸RSの軸方向に見た平面視において、回転軸RSを中心として巻始部41aから最接近部41cの位置までの周方向の角度である。なお、
図2及び
図3では、角度θLは約90°に形成されているが、上述したように、角度θLは、約90°であるように形成されることに限定されるものではない。角度θLは、例えば、180°等、巻始部41aから巻終部41bまでの間における角度であればよい。
【0035】
図4は、
図3の遠心送風機1及び比較例の遠心送風機における、それぞれの角度θと距離Lとの関係を表す図である。
図3及び
図4を用いて、遠心送風機1の構造について更に詳細に説明する。
【0036】
図4に示す基準線A−A´は、巻始部41aから最接近部41cまでの基準周壁CLの角度θと距離LSとの関係を表すものである。
図4に示すように、基準周壁CLは、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、一定の割合で距離LSが減少するように形成されている。そのため、比較例の遠心送風機は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、基準周壁CLが回転軸RSに一定の割合で近づくように形成されている。すなわち、比較例の遠心送風機は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、気体の流路が一定の割合で縮小するように形成されている。
【0037】
図4に示す長破線で表された曲線PLは、巻始部41aから最接近部41cまでの周壁4cの角度θPと距離LPとの関係を表すものである。周壁4cは、
図3及び
図4に示すように、巻始部41aと最接近部41cとの間に膨出部4c1を有する。膨出部4c1は、
図3及び
図4に示すように、周壁4cにおいて、回転軸RSと周壁4cとの間の距離LPが、回転軸RSと基準周壁CLとの間の距離LS以上の大きさに形成されている部分である。膨出部4c1は、巻始部41aから最接近部41cにかけて一定の割合で周壁4cが回転軸RSに近づいていく仮想の基準周壁CLと比較して、周壁4cの一部がファン2の径方向に膨出する。膨出部4c1は、最接近部41cよりも巻始部41a側において周壁4cと回転軸RSとの間の距離が拡大する部分である。すなわち、膨出部4c1は、最接近部41cよりも巻始部41a側において周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が拡大する部分である。なお、
図4に示すように、膨出部4c1の周壁4cと回転軸RSとの間の距離は、巻始部41aの周壁4cと回転軸RSとの間の距離よりも小さい。
【0038】
なお、
図4に示すように、周壁4cは、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから最接近部41cにかけて周壁4cと回転軸RSとの間の距離が近づくように形成された縮小部4dを有している。縮小部4dは、周壁4cは、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから最接近部41cにかけて周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が近づくように形成されている部分である。縮小部4dは、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから膨出部4c1までに形成されており、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、一定の割合で距離LPが減少するように形成されている。なお、角度θが大きくなるに従い距離LPが減少する割合は、角度θが大きくなるに従い距離LSが減少する割合と同じである。すなわち、巻始部41aから膨出部4c1までの周壁4cは、曲線PLの傾きが、基準線A−A´の傾きと同じである。
【0039】
周壁4cは、
図3及び
図4に示すように、膨出部4c1において第1変曲部U1と、第2変曲部M1とを有する。
図4に示すように、第1変曲部U1は、膨出部4c1における曲線PLの極小点であり、第2変曲部M1は、膨出部4c1における曲線PLの極大点である。第1変曲部U1は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、周壁4cが回転軸RSに近づく部分から離れる部分の境界部である。換言すれば、第1変曲部U1は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、周壁4cがファン2の外周部FLに近づく部分から離れる部分の境界部である。第2変曲部M1は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、周壁4cが回転軸RSから離れる部分から近づく部分の境界部である。換言すれば、第2変曲部M1は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、周壁4cがファン2の外周部FLから離れる部分から近づく部分の境界部である。すなわち、周壁4cの膨出部4c1は、
図4に示すように、角度θPと距離LPとの関係において、巻始部41aから最接近部41cに向う方向に下に凸の曲線と上に凸の曲線とを有するように形成されている。そして、周壁4cは、回転方向Rにおいて、第1変曲部U1から第2変曲部M1にかけて、回転軸RSから徐々に離れるように構成されている。すなわち、周壁4cは、回転方向Rにおいて、第1変曲部U1から第2変曲部M1にかけて、ファン2の外周部FLから徐々に離れるように構成されている。そのため、遠心送風機1は、回転方向Rにおいて、第1変曲部U1と第2変曲部M1との間の気体の流路が拡大している。
【0040】
上述したように、ファン2の外周部FLと、回転軸RSとの距離は常に一定である。そして、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから膨出部4c1までの周壁4cは、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、一定の割合で距離LPが減少するように形成されている。そのため、遠心送風機1は、巻始部41aから膨出部4c1にかけて、周壁4cと翼2dとの間の距離が徐々に狭くなっている。また、遠心送風機1は、膨出部4c1を有しており、巻始部41aから膨出部4c1までの周壁4cと翼2dとの間の距離と比較して、膨出部4c1での周壁4cと翼2dとの間の距離が拡大する。なお、舌部43は、巻始部41aよりも気流の上流側に形成されており、舌部43の下流側端部に巻始部41aが形成されている。以上のような構成から、遠心送風機1は、舌部43から最接近部41cにかけて、周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が徐々に狭くなった後、最接近部41cの手前で周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が拡大する。すなわち、スクロールケーシング4は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、縮小部4dにおいて、周壁4cとファン2の外周部FLとの間に形成される気体の流路が徐々に縮小した後、膨出部4c1において、気体の流路が拡大する。
【0041】
[遠心送風機1の動作例]
ファン2が回転すると、スクロールケーシング4の外の空気は、吸込口5を通じてスクロールケーシング4の内部に吸い込まれる。スクロールケーシング4の内部に吸い込まれる空気は、ベルマウス3に案内されてファン2に吸い込まれる。ファン2に吸い込まれた空気は、複数の翼2dの間を通る過程で、動圧と静圧とが付加された気流となってファン2の径方向外側に向かって吹き出される。ファン2から吹き出された気流は、スクロール部41において周壁4cの内側と翼2dとの間を案内される間に動圧が静圧に変換され、スクロール部41を通過後、吐出部42に形成された吐出口42aからスクロールケーシング4の外へ吹き出される。
【0042】
[遠心送風機1の作用効果]
遠心送風機1は、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから最接近部41cにかけて周壁4cと回転軸RSとの間の距離が近づくように形成された縮小部4dを有する。また遠心送風機は、縮小部4dと最接近部41cとの間に周壁4cと回転軸RSとの間の距離が拡大する膨出部4c1を有する。そのため、遠心送風機1は、舌部43から最接近部41cにかけて、周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が徐々に狭くなった後、最接近部41cの前で周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が拡大する。遠心送風機1は、最接近部41cの前で周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が広がることで風量を確保する。そして、遠心送風機1は、風量が確保された分の気体が最接近部41cを通過することで気体の風速が上昇するため、スクロール部41で効率よく圧力を上昇させることが可能となる。
【0043】
また、スクロールケーシング4は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、縮小部4dにおいて、周壁4cとファン2の外周部FLとの間に形成される気体の流路が徐々に縮小した後、膨出部4c1において、流路が拡大する。遠心送風機1は、最接近部41cの手前で周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が広がることで風量を確保する。そして、遠心送風機1は、風量が確保された分の気体が最接近部41cを通過することで気体の風速が上昇するため、スクロール部41で効率よく圧力を上昇させることが可能となる。
【0044】
また、膨出部4c1は、巻始部41aから最接近部41cにかけて一定の割合で周壁4cが回転軸RSに近づいていく仮想の基準壁と比較して、ファン2の径方向に膨出する。遠心送風機1は、最接近部41cの手前で周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が広がることで風量を確保する。そして、遠心送風機1は、風量が確保された分の気体が最接近部41cを通過することで気体の風速が上昇するため、スクロール部41で効率よく圧力を上昇させることが可能となる。
【0045】
また、周壁4cは、周壁4cが回転軸RSに近づく部分から離れる部分の境界部となる第1変曲部U1と、周壁4cが回転軸RSから離れる部分から近づく部分の境界部となる第2変曲部M1と、を有する。遠心送風機1は、最接近部41cの前で周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が広がることで風量を確保する。そして、遠心送風機1は、風量が確保された分の気体が最接近部41cを通過することで気体の風速が上昇するため、スクロール部41で効率よく圧力を上昇させることが可能となる。
【0046】
また、周壁4cは、第1変曲部U1から第2変曲部M1にかけて、回転軸RSから徐々に離れるように構成されている。遠心送風機1は、最接近部41cの前で周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が広がることで風量を確保する。そして、遠心送風機1は、風量が確保された分の気体が最接近部41cを通過することで気体の風速が上昇するため、スクロール部41で効率よく圧力を上昇させることが可能となる。
【0047】
また、膨出部4c1の周壁4cと回転軸RSとの間の距離は、巻始部41aの周壁4cと回転軸RSとの間の距離よりも小さい。そのため、遠心送風機1は、縮小部4dで加速させた流路内の気体の速度を一定程度維持することができ、気体の剥離を抑制することができる。
【0048】
また、遠心送風機1は、周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が最小となる最接近部41cを、舌部43からファン2の回転方向Rに移動させることで、舌部43で生じる急な圧力差を低減することができ騒音を抑制することができる。
【0049】
図5は、本発明の実施の形態1に係る遠心送風機1の変形例の拡大図である。
図6は、本発明の実施の形態1に係る遠心送風機1の変形例及び比較例の遠心送風機における、それぞれの角度θと距離Lとの関係を表す図である。
図5及び
図6を用いて、遠心送風機1の変形例である、遠心送風機1A、遠心送風機1B及び遠心送風機1Cについて説明する。なお、
図1〜
図4の遠心送風機1と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
距離L11は、遠心送風機1Aの回転軸RSの垂直方向において、遠心送風機1Aの回転軸RSと周壁4caとの間の距離である。距離L12は、遠心送風機1Bの回転軸RSの垂直方向において、遠心送風機1Bの回転軸RSと周壁4cbとの間の距離である。距離L13は、遠心送風機1Cの回転軸RSの垂直方向において、遠心送風機1Cの回転軸RSと周壁4ccとの間の距離である。なお、遠心送風機1Aの周壁4ca、遠心送風機1Bの周壁4cb及び遠心送風機1Aの周壁4ccは、それぞれ、遠心送風機1の周壁4cに相当する壁部である。
【0051】
上述した角度θPは、遠心送風機1Aを回転軸RSの軸方向に見た平面視において、回転軸RSを中心として巻始部41aから、距離L11の測定位置までの周方向の角度である。同様に、上述した角度θPは、遠心送風機1Bを回転軸RSの軸方向に見た平面視において、回転軸RSを中心として巻始部41aから、距離L12の測定位置までの周方向の角度である。同様に、上述した角度θPは、遠心送風機1Cを回転軸RSの軸方向に見た平面視において、回転軸RSを中心として巻始部41aから、距離L13の測定位置までの周方向の角度である。
【0052】
図6に示す長破線で表された曲線PL1は、巻始部41aから最接近部41cまでの角度θPと距離L11との関係を表すものである。同様に、
図6に示す一点鎖線で表された曲線PL2は、巻始部41aから最接近部41cまでの角度θPと距離L12との関係を表すものである。同様に、
図6に示す短破線で表された曲線PL3は、巻始部41aから最接近部41cまでの角度θPと距離L13との関係を表すものである。周壁4ca、周壁4cb及び周壁4ccは、
図5及び
図6に示すように、それぞれ巻始部41aと最接近部41cとの間に膨出部4c1を有する。
【0053】
なお、
図6に示すように、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから膨出部4c1までの周壁4caは、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、距離L11が減少する縮小部4d1を有する。同様に、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから膨出部4c1までの周壁4cbは、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、距離L12が減少する縮小部4d2を有する。同様に、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから膨出部4c1までの周壁4ccは、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、距離L13が減少する縮小部4d3を有する。
【0054】
周壁4caは、
図5及び
図6に示すように、第1変曲部PU1と、第2変曲部PM1とを有する。
図6に示すように、第1変曲部PU1は、曲線PL1の極小点であり、第2変曲部PM1は、曲線PL1の極大点である。すなわち、周壁4caは、
図6に示すように、角度θPと距離L11との関係において、巻始部41aから最接近部41cに向う方向に下に凸の曲線と上に凸の曲線とを有するように形成されている。そして、周壁4caは、回転方向Rにおいて、第1変曲部PU1と第2変曲部PM1との間を構成する壁部が、ファン2の外周部FLから離れていく。そのため、周壁4caは、回転方向Rにおいて、第1変曲部PU1と第2変曲部PM1との間の気体の流路が拡大している。
【0055】
周壁4caは、
図6に示すように第1変曲部PU1が、基準線A−A´よりも下に位置している。すなわち、周壁4caは、回転方向Rにおいて、巻始部41aから第1変曲部U1までの壁部が、ファン2の外周部FLに近づいていく。そのため、周壁4caは、回転方向Rにおいて、巻始部41aと第1変曲部U1との間の気体の流路が縮小している。その結果、遠心送風機1Aは、舌部43で生じていた急な圧力差を減少させることができ、更に騒音を抑制することができる。
【0056】
周壁4caは、回転方向Rにおいて、巻始部41aと第1変曲部U1との間の気体の流路を縮小させた後、膨出部4c1で気体の流路を拡大している。そのため、遠心送風機1Aは、巻始部41aと第1変曲部U1との間の気体の流路を縮小させた部分において、気体を加速させ、膨出部4c1で風量を増やし、最接近部41cで圧力を上昇させることができる。遠心送風機1Aは、当該構成及び作用により、最接近部41cの前後における風速をならし、圧力のバランスをとることができる。
【0057】
周壁4cbは、
図5及び
図6に示すように、膨出部4c1において第1変曲部PU2と、第2変曲部PM2とを有する。
図6に示すように、第1変曲部PU2は、膨出部4c1における曲線PL2の極小点であり、第2変曲部PM2は、膨出部4c1における曲線PL2の極大点である。すなわち、周壁4cbの膨出部4c1は、
図6に示すように、角度θPと距離L12との関係において、巻始部41aから最接近部41cに向う方向に下に凸の曲線と上に凸の曲線とを有するように形成されている。そして、周壁4cbは、回転方向Rにおいて、第1変曲部PU2と第2変曲部PM2との間を構成する壁部が、ファン2の外周部FLと離れていく。そのため、周壁4cbは、回転方向Rにおいて、第1変曲部PU2と第2変曲部PM2との間の気体の流路が拡大している。
【0058】
周壁4cbは、回転方向Rにおいて、巻始部41aから第1変曲部U2までの壁部が、ファン2の外周部FLに近づいていく。そのため、周壁4cbは、回転方向Rにおいて、巻始部41aと第1変曲部U2との間の気体の流路が縮小している。しかし、周壁4cbは、
図6に示すように第1変曲部PU2が、基準線A−A´よりも上に位置している。そのため、遠心送風機1Bは、回転方向Rにおいて、周壁4cbがファン2の外周部FLに近づく割合が、基準周壁CLがファン2の外周部FLに近づく割合と比較して小さい。遠心送風機1Bは、比較例の遠心送風機と比較して、周壁4cbとファン2の外周部FLとの間に形成される気体の流路の容積が大きくなり、吸込み風量を増加させることができる。
【0059】
周壁4ccは、
図5及び
図6に示すように、膨出部4c1において第1変曲部PU3と、第2変曲部PM3とを有する。
図6に示すように、第1変曲部PU3は、膨出部4c1における曲線PL3の極小点であり、第2変曲部PM3は、膨出部4c1における曲線PL3の極大点である。すなわち、周壁4ccの膨出部4c1は、
図6に示すように、角度θPと距離13との関係において、巻始部41aから最接近部41cに向う方向に下に凸の曲線と上に凸の曲線とを有するように形成されている。そして、周壁4ccは、回転方向Rにおいて、第1変曲部PU3と第2変曲部PM3との間を構成する壁部が、ファン2の外周部FLから離れていく。そのため、周壁4ccは、回転方向Rにおいて、第1変曲部PU3と第2変曲部PM3との間の気体の流路が拡大している。
【0060】
周壁4ccは、回転方向Rにおいて、巻始部41aから第1変曲部U1までの壁部が、ファン2の外周部FLに近づいていく。そのため、周壁4ccは、回転方向Rにおいて、巻始部41aと第1変曲部U3との間の気体の流路が縮小している。しかし、周壁4ccは、
図6に示すように第1変曲部PU3が、基準線A−A´よりも上に位置している。そのため、遠心送風機1Cは、回転方向Rにおいて、周壁4ccがファン2の外周部FLに近づく割合が、基準周壁CLがファン2の外周部FLに近づく割合と比較して小さい。遠心送風機1Cは、比較例の遠心送風機と比較して、周壁4ccとファン2の外周部FLとの間に形成される気体の流路の容積が大きくなり、吸込み風量を増加させることができる。また、周壁4ccは、第1変曲部PU3が、第1変曲部PU2よりも巻始部41aに近い位置に形成されている。そのため、遠心送風機1Cは、遠心送風機1Bよりも膨出部4c1が大きく形成されている。その結果、遠心送風機1Cは、遠心送風機1Bと比較して周壁4ccとファン2の外周部FLとの間に形成される気体の流路の容積が大きくなり、吸込み風量を増加させることができる。
【0061】
なお、遠心送風機1は、
図4において、曲線PLが、点Aよりも下方に位置することが更に望ましい。すなわち、遠心送風機1は、周壁4cと回転軸RSと間の距離が、巻始部41aにおける回転軸RSと周壁4cとの距離L1以下に形成された周壁4cを有することが望ましい。そのため、遠心送風機1は、膨出部4c1もまた、周壁4cと回転軸RSと間の距離が、巻始部41aにおける回転軸RSと周壁4cとの距離L1以下に形成された周壁4cを有することが望ましい。同様に、遠心送風機1Aは、周壁4caと回転軸RSと間の距離が、巻始部41aにおける回転軸RSと周壁4caとの距離L1以下に形成された周壁4caを有することが望ましい。同様に、遠心送風機1Bは、周壁4cbと回転軸RSと間の距離が、巻始部41aにおける回転軸RSと周壁4cbとの距離L1以下に形成された周壁4cbを有することが望ましい。同様に、遠心送風機1Cは、周壁4ccと回転軸RSと間の距離が、巻始部41aにおける回転軸RSと周壁4ccとの距離L1以下に形成された周壁4ccを有することが望ましい。遠心送風機1、遠心送風機1A、遠心送風機1B及び遠心送風機1Cが、当該構成を備えることで、流路内の気体を加速させることができ、気体の剥離を抑制することができる。
【0062】
実施の形態2.
[遠心送風機1D]
図7は、本発明の実施の形態2に係る遠心送風機1Dの部分拡大図である。
図8は、
図7の遠心送風機1D及び比較例の遠心送風機における、それぞれの角度θと距離Lとの関係を表す図である。なお、
図1〜
図6の遠心送風機1等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態2に係る遠心送風機1Dは、実施の形態1に係る遠心送風機1における周壁4cの形状が異なるものである。従って、以下の説明では、
図7及び
図8を用いて、実施の形態2に係る遠心送風機1Dの周壁4cの構成を中心に説明する。
【0063】
図8に示す長破線で表された曲線TLは、巻始部41aから最接近部41cまでの角度θPと距離LPとの関係を表すものである。周壁4cは、
図7及び
図8に示すように、巻始部41aと最接近部41cとの間に膨出部4c2を有する。膨出部4c2は、
図7及び
図8に示すように、周壁4cにおいて、回転軸RSと周壁4cとの間の距離LPが、回転軸RSと基準周壁CLとの間の距離LS以上の大きさに形成されている部分である。すなわち、膨出部4c2は、巻始部41aから最接近部41cにかけて一定の割合で周壁4cが回転軸RSに近づいていく仮想の基準周壁CLと比較して、周壁4cの一部がファン2の径方向に膨出する。膨出部4c2は、最接近部41cよりも巻始部41a側において周壁4cと回転軸RSとの間の距離が拡大する部分である。すなわち、膨出部4c2は、最接近部41cよりも巻始部41a側において周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が拡大する部分である。
【0064】
図8に示すように、周壁4cは、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから最接近部41cにかけて周壁4cと回転軸RSとの間の距離が近づくように形成された縮小部4dを有している。縮小部4dは、周壁4cは、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから最接近部41cにかけて周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が近づくように形成された部分である。縮小部4dは、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから膨出部4c
2までにおいて形成されており、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、一定の割合で距離LPが減少するように形成されている。なお、角度θが大きくなるに従い距離LPが減少する割合は、角度θが大きくなるに従い距離LSが減少する割合と同じである。すなわち、巻始部41aから膨出部4c
2までの周壁4cは、曲線TLの傾きが、基準線A−A´の傾きと同じである。
【0065】
周壁4cは、
図7及び
図8に示すように、膨出部4c
2において第1変曲部J1と、第2変曲部K1とを有する。第1変曲部J1は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、周壁4cが回転軸RSに近づく部分から周壁4cと回転軸RSとの間の距離が一定となる部分の境界部である。換言すれば、第1変曲部J1は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、周壁4cがファン2の外周部FLに近づく部分から周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が一定となる部分の境界部である。第2変曲部K1は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、周壁4cと回転軸RSとの間の距離が一定となる部分から近づく部分の境界部である。換言すれば、第2変曲部K1は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が一定となる部分から近づく部分の境界部である。
【0066】
周壁4cは、第1変曲部J1と第2変曲部K1との間の周壁4cを構成する等距離部4c3を有する。等距離部4c3は、縮小部4dと最接近部41cとの間において、周壁4cと回転軸RSとの距離が一定に形成されている部分である。換言すれば、等距離部4c3は、縮小部4dと最接近部41cとの間において、周壁4cとファン2の外周部FLとの距離が一定に形成されている部分である。周壁4cは、ファン2の回転方向Rにおいて、第2変曲部K1から、最接近部41cにかけて、角度θが大きくなるに従い距離LPを減少させている。
【0067】
上述したように、ファン2の外周部FLと、回転軸RSとの距離は常に一定である。そして、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから膨出部4c
2までの周壁4cは、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、一定の割合で距離LPが減少するように形成されている。そのため、遠心送風機1Dは、巻始部41aから膨出部4c
2にかけて、周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が徐々に狭くなっている。また、遠心送風機1Dは、膨出部4c
2を有しており、巻始部41aから膨出部4c
2までの周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離と比較して、膨出部4c
2での周壁4cと翼2dとの間の距離が拡大する。また、周壁4cは、膨出部4c2において、回転軸RSと周壁4cとの間の距離が一定になる等距離部4c3を有する。以上のような構成から、遠心送風機1Dは、舌部43から最接近部41cにかけて、周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が徐々に狭くなった後、最接近部41cの前で周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が拡大する。すなわち、スクロールケーシング4は、巻始部41aから最接近部41cにかけて、縮小部4dにおいて、周壁4cとファン2の外周部FLとの間に形成される気体の流路が徐々に縮小した後、膨出部4c2において、流路が拡大する。また、遠心送風機1Dは、周壁4cにおいて、回転軸RSと周壁4cとの間の距離が一定になる等距離部4c3を有する。
【0068】
[遠心送風機1Dの作用効果]
遠心送風機1Dは、周壁4cにおいて、回転軸RSと周壁4cとの間の距離が一定になる等距離部4c3を有する。遠心送風機1Dは、等距離部4c3を有することで、回転軸RSと周壁4cとの間の距離が一定となり、風速の変動を低減することができる。そのため、遠心送風機1Dは、等距離部4c3において壁面圧力の変動を抑制することができ、騒音を抑制することができる。
【0069】
また、等距離部4c3は、第1変曲部J1と第2変曲部K1との間に形成されている。遠心送風機1Dは、等距離部4c3を有することで、回転軸RSと周壁4cとの間の距離が一定となり、風速の変動を低減することができる。そのため、遠心送風機1Dは、等距離部4c3において壁面圧力の変動を抑制することができ、騒音を抑制することができる。
【0070】
遠心送風機1Dは、舌部43から最接近部41cにかけて、周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が徐々に狭くなった後、最接近部41cの前で周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が拡大する。遠心送風機1Dは、最接近部41cの前で周壁4cとファン2の外周部FLとの間の距離が広がることで風量を確保する。そして、遠心送風機1は、風量が確保された分の気体が最接近部41cを通過することで気体の風速が上昇するため、スクロール部41で効率よく圧力を上昇させることが可能となる。
【0071】
また、遠心送風機1Dは、周壁4cと回転軸RSとの間の距離が最小となる最接近部41cを、舌部43からファン2の回転方向Rに移動させることで、舌部43で生じる急な圧力差を低減することができ騒音を抑制することができる。
【0072】
図9は、本発明の実施の形態2に係る遠心送風機1Dの変形例の拡大図である。
図10は、本発明の実施の形態2に係る遠心送風機1Dの変形例及び比較例の遠心送風機における、それぞれの角度θと距離Lとの関係を表す図である。
図9及び
図10を用いて、遠心送風機1Dの変形例である、遠心送風機1E、遠心送風機1F及び遠心送風機1Gについて説明する。なお、
図1〜
図8の遠心送風機1等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0073】
距離L21は、遠心送風機1Eの回転軸RSの垂直方向において、遠心送風機1Eの回転軸RSと周壁4ceとの間の距離である。距離L22は、遠心送風機1Fの回転軸RSの垂直方向において、遠心送風機1Fの回転軸RSと周壁4cfとの間の距離である。距離L23は、遠心送風機1Gの回転軸RSの垂直方向において、遠心送風機1Gの回転軸RSと周壁4cgとの間の距離である。なお、遠心送風機1Eの周壁4ce、遠心送風機1Fの周壁4cf及び遠心送風機1Gの周壁4cgは、それぞれ、遠心送風機1Dの周壁4cに相当する壁部である。
【0074】
上述した角度θPは、遠心送風機1Eを回転軸RSの軸方向に見た平面視において、回転軸RSを中心として巻始部41aから、距離L21の測定位置までの周方向の角度である。同様に、上述した角度θPは、遠心送風機1Fを回転軸RSの軸方向に見た平面視において、回転軸RSを中心として巻始部41aから、距離L22の測定位置までの周方向の角度である。同様に、上述した角度θPは、遠心送風機1Gを回転軸RSの軸方向に見た平面視において、回転軸RSを中心として巻始部41aから、距離L23の測定位置までの周方向の角度である。
【0075】
図10に示す長破線で表された曲線TL1は、巻始部41aから最接近部41cまでの角度θPと距離L21との関係を表すものである。同様に、
図10に示す一点鎖線で表された曲線TL2は、巻始部41aから最接近部41cまでの角度θPと距離L22との関係を表すものである。同様に、
図10に示す短破線で表された曲線TL3は、巻始部41aから最接近部41cまでの角度θPと距離L23との関係を表すものである。周壁4ce、周壁4cf及び周壁4cgは、
図9及び
図10に示すように、それぞれ巻始部41aと最接近部41cとの間に膨出部4c2を有する。
【0076】
なお、
図9及び
図10に示すように、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから膨出部4c2までの周壁4ceは、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、距離L21が減少する縮小部4d4を有する。同様に、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから膨出部4c2までの周壁4cfは、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、距離L22が減少する縮小部4d5を有する。同様に、ファン2の回転方向Rにおいて、巻始部41aから膨出部4c2までの周壁4cgは、巻始部41aから最接近部41cにかけて角度θが大きくなるに従い、距離L23が減少する縮小部4d6を有する。
【0077】
周壁4ceは、
図9及び
図10に示すように、第1変曲部TJ1と、第2変曲部TK1とを有する。そして、周壁4ceは、第1変曲部TJ1と第2変曲部TK1との間の周壁4ceを構成する等距離部4c4を有する。等距離部4c4は、回転軸RSと周壁4ceとの間の距離が一定になる部分である。換言すれば、等距離部4c4は、周壁4ceとファン2の外周部FLとの間の距離が一定になる部分である。周壁4ceは、第2変曲部TK1から、最接近部41cにかけて、角度θが大きくなるに従い距離L21を減少させている。
【0078】
周壁4cfは、
図9及び
図10に示すように、第1変曲部TJ2と、第2変曲部TK2とを有する。そして、周壁4cfは、第1変曲部TJ2と第2変曲部TK2との間の周壁4cfを構成する等距離部4c5を有する。等距離部4c5は、回転軸RSと周壁4cfとの間の距離が一定になる部分である。換言すれば、等距離部4c5は、周壁4cfとファン2の外周部FLとの間の距離が一定になる部分である。また、周壁4cfは、第2変曲部TK2から、最接近部41cにかけて、角度θが大きくなるに従い距離22を減少させている。
【0079】
周壁4cgは、
図9及び
図10に示すように、第1変曲部TJ3と、第2変曲部TK3とを有する。そして、周壁4cgは、第1変曲部TJ3と第2変曲部TK3との間の周壁4cgを構成する等距離部4c6を有する。等距離部4c6は、回転軸RSと周壁4cgとの間の距離が一定になる部分である。換言すれば、等距離部4c6は、周壁4cgとファン2の外周部FLとの間の距離が一定になる部分である。また、周壁4cgは、第2変曲部TK3から、最接近部41cにかけて、角度θが大きくなるに従い距離L23を減少させている。
【0080】
図10に示すように、遠心送風機1Eの等距離部4c4、遠心送風機1Fの等距離部4c5、遠心送風機1Gの等距離部4c6は、それぞれ長さが異なっている。すなわち、遠心送風機1Dは、等距離部4c3の長さを当該遠心送風機1Dに適した長さに形成することで、壁面圧力の変動を抑制することができ、騒音を抑制することができる。
【0081】
実施の形態3.
[遠心送風機1H]
図11は、本発明の実施の形態3に係る遠心送風機1Hの吸込口側からみた概念図である。
図12は、
図11の遠心送風機1HのB2部の拡大図である。
図13は、
図12のB−B線断面図である。なお、
図1〜
図10の遠心送風機1等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態3に係る遠心送風機1Hは、実施の形態1に係る遠心送風機1における周壁4cの構成が異なるものである。従って、以下の説明では、
図11〜
図13を用いて、実施の形態3に係る遠心送風機1Hの周壁4cの構成を中心に説明する。
【0082】
遠心送風機1Hは、周壁4cの最接近部41cに凸部44を有する。凸部44は、周壁4cの内壁からスクロールケーシング4の内部に向かって突出する部分である。凸部44は、
図12に示すように周方向で中央が最も突出しており、中央から裾部分に向かって突出した壁の肉厚が薄くなるように滑らかな凸形状に形成されている。なお、凸部44は、周壁4cからスクロールケーシング4の内部に向かって突出する形状であればよく、
図12に示すように周方向において中央部分が突出した滑らかな凸形状に限定されるものではなく、どのような形状でもよい。凸部44は、
図13に示すように、ファン2の回転軸方向において、対向する側壁4aの間に延びるように形成されている。凸部44は、ファン2の回転軸方向において全ての範囲で一定の厚さに形成されている。
【0083】
遠心送風機1Hは、周壁4cの最接近部41cに凸部44を有し、流路を絞ることで、舌部43から最接近部41cにかけての吸込み風量を確保しつつ最接近部41cで流れる空気の速度を上げることができる。
【0084】
図14は、本発明の実施の形態3に係る遠心送風機1Hの変形例1の断面図である。
図15は、本発明の実施の形態3に係る遠心送風機1Hの変形例2の断面図である。
図16は、本発明の実施の形態3に係る遠心送風機1Hの変形例3の断面図である。
図17は、本発明の実施の形態3に係る遠心送風機1Hの変形例4の断面図である。
図18は、本発明の実施の形態3に係る遠心送風機1Hの変形例5の断面図である。遠心送風機1Hの凸部44の形状は、上述したファン2の回転軸方向において全ての範囲で一定の厚さに形成されている態様に限定されるものではない。例えば、
図14に示すように、凸部44は、ファン2の回転軸方向において、対向する側壁4aの間に延びるように形成されており、ファン2の回転軸方向において厚さが異なるように形成されてもよい。すなわち、凸部44は、ファン2の回転軸方向において厚さが一定ではなく、部分によって厚さが異なるように形成されてもよい。
【0085】
また、凸部44は、
図15に示すように、ファン2の回転軸方向において、対向する側壁4aの間で、周壁4cの中央部分に形成されてもよい。そして、凸部44は、
図15に示すように、ファン2の回転軸方向において厚さが一定ではなく、部分によって厚さが異なるように形成されてもよい。
【0086】
また、凸部44は、
図16に示すように、ファン2の回転軸方向において、対向する側壁4aの間で、周壁4cの中央部分から側壁4aに近づいた位置に形成されてもよい。そして、凸部44は、
図16に示すように、周壁4cの中央部分から側壁4aに近づいた位置でファン2の回転軸方向において一定の厚さに形成されてもよい。
【0087】
また、凸部44は、
図17に示すように、ファン2の回転軸方向において、対向する側壁4aの間で、周壁4cの中央部分に形成されてもよい。そして、凸部44は、
図17に示すように、周壁4cの中央部分の位置でファン2の回転軸方向において一定の厚さに形成されてもよい。
【0088】
また、凸部44は、
図18に示すように、ファン2の回転軸方向において、対向する側壁4aの間で、周壁4cの中央部分から側壁4aに近づいた位置にそれぞれ形成されてもよい。すなわち、凸部44は、ファン2の回転軸方向において、対向する側壁4aの間で、側壁4a側にのみ形成されてもよい。また、凸部44は、ファン2の回転軸方向において、対向する側壁4aの間で複数形成されてもよい。そして、凸部44は、
図18に示すように、周壁4cの中央部分から側壁4aに近づいたそれぞれの位置で、ファン2の回転軸方向において厚さが一定ではなく、部分によって厚さが異なるように形成されてもよい。
【0089】
上述したように、凸部44は、
図13及び
図14に示すように、対向する側壁4aの間で周壁4cの全ての範囲に形成されてもよく、
図15〜
図18に示すように、対向する側壁4aの間で周壁4cの一部分に形成されてもよい。また、凸部44は、
図18に示すように複数形成されてもよく、側壁4a側にのみ形成されてもよい。凸部44の形状は、最接近部41cの風速をファン2の回転軸方向で一様な速度にするための形状であり、断面形状において波形や矩形等、どのような形状でもよい。
【0090】
実施の形態4.
[送風装置30]
図19は、本発明の実施の形態4に係る送風装置30の構成を示す図である。
図1〜
図10の遠心送風機1等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態4に係る送風装置30は、例えば、換気扇、卓上ファンなどである。送風装置30は、実施の形態1に係る遠心送風機1又は実施の形態2に係る遠心送風機1Dと、遠心送風機1等を収容するケース7とを備えている。ケース7には、吸込口71及び吐出口72の二つの開口が形成されている。送風装置30は、
図19に示すように、吸込口71と吐出口72とが対向する位置に形成されている。なお、送風装置30は、例えば、吸込口71又は吐出口72のいずれか一方が遠心送風機1の上方又は下方に形成されているなど、必ずしも吸込口71と吐出口72とが対向する位置に形成されていなくてもよい。ケース7内は、吸込口71が形成されている部分を備えた空間SP1と吐出口72が形成されている部分を備えた空間SP2とが、仕切板73で仕切られている。遠心送風機1は、吸込口71が形成されている側の空間SP1に吸込口5が位置し、吐出口72が形成されている側の空間SP2に吐出口42aが位置する状態で設置される。
【0091】
[送風装置30の動作例]
送風装置30は、モータ6の駆動によってファン2が回転すると、吸込口71を通じてケース7の内部に空気が吸い込まれる。ケース7の内部に吸い込まれた空気は、ベルマウス3に案内され、ファン2に吸い込まれる。ファン2に吸い込まれた空気は、ファン2の径方向外側に向かって吹き出される。ファン2から吹き出された空気は、スクロールケーシング4の内部を通過後、スクロールケーシング4の吐出口42aから吹き出され、ケース7の吐出口72から吹き出される。
【0092】
[送風装置30の作用効果]
実施の形態4に係る送風装置30は、実施の形態1に係る遠心送風機1又は実施の形態2に係る遠心送風機1Dを備えるため、スクロール部41で効率よく圧力を上昇させることができる。また、送風装置30は、騒音の低減を実現できる。
【0093】
実施の形態5.
[空気調和装置40]
図20は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置40の斜視図である。
図21は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置40の内部構成を示す図である。
図22は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置40の断面図である。
図23は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置40の変形例の断面図である。なお、
図1〜
図10の遠心送風機1等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。また、
図21では、空気調和装置40の内部構成を示すために、上面部16aは省略している。実施の形態5に係る空気調和装置40は、実施の形態1に係る遠心送風機1及び実施の形態2に係る遠心送風機1Dのいずれか1つ以上と、遠心送風機1等の吐出口42aと対向する位置に配置された熱交換器10と、を備える。また、実施の形態5に係る空気調和装置40は、空調対象の部屋の天井裏に設置されたケース16を備えている。なお、以下の説明において、遠心送風機1と示す場合には、実施の形態1に係る遠心送風機1又は実施の形態2に係る遠心送風機1Dのいずれか1つを用いるものである。
【0094】
(ケース16)
ケース16は、
図20に示すように、上面部16a、下面部16b及び側面部16cを含む直方体状に形成されている。なお、ケース16の形状は、直方体状に限定されるものではなく、例えば、円柱形状、角柱状、円錐状、複数の角部を有する形状、複数の曲面部を有する形状等、他の形状であってもよい。ケース16は、側面部16cの1つとして、ケース吐出口17が形成された側面部16cを有する。ケース吐出口17の形状は、
図20で示すように矩形状に形成されている。なお、ケース吐出口17の形状は、矩形状に限定されるものではなく、例えば、円形状、オーバル形状等でもよく、他の形状であってもよい。ケース16は、側面部16cのうち、ケース吐出口17が形成された面の裏となる面に、ケース吸込口18が形成された側面部16cを有している。ケース吸込口18の形状は、
図21で示すように矩形状に形成されている。なお、ケース吸込口18の形状は、矩形状に限定されるものではなく、例えば、円形状、オーバル形状等でもよく、他の形状であってもよい。ケース吸込口18には、空気中の塵埃を取り除くフィルタが配置されてもよい。
【0095】
ケース16の内部には、二つの遠心送風機1と、ファンモータ9と、熱交換器10とが収容されている。遠心送風機1は、ファン2と、ベルマウス3が形成されたスクロールケーシング4とを備えている。ファンモータ9は、ケース16の上面部16aに固定されたモータサポート9aによって支持されている。ファンモータ9は、出力軸6aを有する。出力軸6aは、側面部16cのうち、ケース吸込口18が形成された面及びケース吐出口17が形成された面に対して平行に延びるように配置されている。空気調和装置40は、
図21に示すように、二つのファン2が出力軸6aに取り付けられている。ファン2は、ケース吸込口18からケース16内に吸い込まれ、ケース吐出口17から空調対象空間へと吹き出される空気の流れを形成する。なお、ケース16内に配置される遠心送風機1は、二つに限定されるものではなく、一つ又は三つ以上でもよい。
【0096】
遠心送風機1は、
図21に示すように、仕切板19に取り付けられており、ケース16の内部空間は、スクロールケーシング4の吸い込み側の空間SP11と、スクロールケーシング4の吹き出し側の空間SP12とが、仕切板19によって仕切られている。
【0097】
熱交換器10は、
図22に示すように、遠心送風機1の吐出口42aと対向する位置に配置され、ケース16内において、遠心送風機1が吐出する空気の風路上に配置されている。熱交換器10は、ケース吸込口18からケース16内に吸い込まれ、ケース吐出口17から空調対象空間へと吹き出される空気の温度を調整する。なお、熱交換器10は、公知の構造のものを適用できる。また、ケース吸込口18は、遠心送風機1の回転軸RSの軸方向に垂直な位置に形成されていればよく、例えば、
図23に示すように下面部16bにケース吸込口18aが形成されてもよい。
【0098】
図24は、
図23の空気調和装置40の変形例のC部拡大図である。
図25は、
図23の空気調和装置40の他の変形例のC部拡大図である。
図24及び
図25に示す矢印は、ケース16に吸入される気体の流れを示すものである。遠心送風機1は、ケース吸込口18aが形成されたケース壁部16Sと、ファン2の回転軸RSを通りケース壁部16Sと平行な仮想の平面部VSとの間に、最接近部41cが配置されるように形成されている。より詳細には、遠心送風機1は、ファン2の回転軸RSからケース吸込口18aが形成されたケース壁部16Sに垂直となる線を第3基準線BL3とした場合に、第3基準線BL3から巻始部41a方向に向かって、最接近部41cを角度θ´移動させた構成である。すなわち、最接近部41cは、第3基準線BL3と巻始部41aとの間に配置されている。
【0099】
図24に示すように、空気調和装置40の変形例の場合、回転方向Rにおいて、第1基準線BL1と第3基準線BL3との間の角度は約90°となる。ただし、第3基準線BL3の位置は、第1基準線BL1と第3基準線BL3との間の角度が約90°となる位置に限定されるものではない。例えば、
図25に示す空気調和装置40の変形例のように、回転方向Rにおいて、第1基準線BL1と第3基準線BL3との間の角度が約180°であってもよい。遠心送風機1は、ケース吸込口18が形成されたケース壁部16Sと、ファン2の回転軸RSを通りケース壁部16Sと平行な仮想の平面部VSとの間に、最接近部41cが配置されるように形成されている。すなわち、第3基準線BL3は、回転軸RSの垂直断面において、ファン2の回転軸RSからケース吸込口が形成されたケース壁部16Sに垂直となる直線であればよい。
【0100】
[空気調和装置40の動作例]
モータ6の駆動によって、ファン2が回転すると、空調対象空間の空気は、ケース吸込口18又はケース吸込口18aを通じてケース16の内部に吸い込まれる。ケース16の内部に吸い込まれた空気は、ベルマウス3に案内され、ファン2に吸い込まれる。ファン2に吸い込まれた空気は、ファン2の径方向外側に向かって吹き出される。ファン2から吹き出された空気は、スクロールケーシング4の内部を通過後、スクロールケーシング4の吐出口42aから吹き出され、熱交換器10に供給される。熱交換器10に供給された空気は、熱交換器10を通過する際に、熱交換され、温度及び湿度調整される。熱交換器10を通過した空気は、ケース吐出口17から空調対象空間に吹き出される。
【0101】
[空気調和装置40の作用効果]
実施の形態5に係る空気調和装置40は、実施の形態1に係る遠心送風機1又は実施の形態2に係る遠心送風機1Dを備えるため、スクロール部41で効率よく圧力を上昇させることができる。また、送風装置30は、騒音の低減を実現できる。
【0102】
また、空気調和装置40に収容されている遠心送風機1は、第3基準線BL3から巻始部41a方向に向かって、最接近部41cを角度θ´移動させた構成である。そのため、空気調和装置40に収容されている遠心送風機1は、スクロール部41の吸込み風量と昇圧させるための距離を増加することができる。
【0103】
実施の形態6.
[冷凍サイクル装置50]
図26は、本発明の実施の形態6に係る冷凍サイクル装置50の構成を示す図である。なお、実施の形態6に係る冷凍サイクル装置50の室内機200には、実施の形態1に係る遠心送風機1又は実施の形態2に係る遠心送風機1Dが用いられる。また、以下の説明では、冷凍サイクル装置50について、空調用途に使用される場合について説明するが、冷凍サイクル装置50は、空調用途に使用されるものに限定されるものではない。冷凍サイクル装置50は、例えば、冷蔵庫あるいは冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置、給湯器などの、冷凍用途又は空調用途に使用される。
【0104】
実施の形態6に係る冷凍サイクル装置50は、冷媒を介して外気と室内の空気の間で熱を移動させることにより、室内を暖房又は冷房して空気調和を行う。実施の形態6に係る冷凍サイクル装置50は、室外機100と、室内機200とを有する。冷凍サイクル装置50は、室外機100と室内機200とが冷媒配管300及び冷媒配管400により配管接続されて、冷媒が循環する冷媒回路が構成されている。冷媒配管300は、気相の冷媒が流れるガス配管であり、冷媒配管400は、液相の冷媒が流れる液配管である。なお、冷媒配管400には、気液二相の冷媒を流してもよい。そして、冷凍サイクル装置50の冷媒回路では、圧縮機101、流路切替装置102、室外熱交換器103、膨張弁105、室内熱交換器201が冷媒配管を介して順次接続されている。
【0105】
(室外機100)
室外機100は、圧縮機101、流路切替装置102、室外熱交換器103、及び膨張弁105を有している。圧縮機101は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。ここで、圧縮機101は、インバータ装置を備えていてもよく、インバータ装置によって運転周波数を変化させて、圧縮機101の容量を変更することができるように構成されてもよい。なお、圧縮機101の容量とは、単位時間当たりに送り出す冷媒の量である。流路切替装置102は、例えば四方弁であり、冷媒流路の方向の切り換えが行われる装置である。冷凍サイクル装置50は、制御装置110からの指示に基づいて、流路切替装置102を用いて冷媒の流れを切り換えることで、暖房運転又は冷房運転を実現することができる。
【0106】
室外熱交換器103は、冷媒と室外空気との熱交換を行う。室外熱交換器103は、暖房運転時には蒸発器の働きをし、冷媒配管400から流入した低圧の冷媒と室外空気との間で熱交換を行って冷媒を蒸発させて気化させる。室外熱交換器103は、冷房運転時には、凝縮器の働きをし、流路切替装置102側から流入した圧縮機101で圧縮済の冷媒と室外空気との間で熱交換を行って、冷媒を凝縮させて液化させる。室外熱交換器103には、冷媒と室外空気との間の熱交換の効率を高めるために、室外送風機104が設けられている。室外送風機104は、インバータ装置を取り付け、ファンモータの運転周波数を変化させてファンの回転速度を変更してもよい。膨張弁105は、絞り装置(流量制御手段)であり、膨張弁105を流れる冷媒の流量を調節することにより、膨張弁として機能し、開度を変化させることで、冷媒の圧力を調整する。例えば、膨張弁105が、電子式膨張弁等で構成された場合は、制御装置110の指示に基づいて開度調整が行われる。
【0107】
(室内機200)
室内機200は、冷媒と室内空気との間で熱交換を行う室内熱交換器201及び、室内熱交換器201が熱交換を行う空気の流れを調整する室内送風機202を有する。室内熱交換器201は、暖房運転時には、凝縮器の働きをし、冷媒配管300から流入した冷媒と室内空気との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液化させ、冷媒配管400側に流出させる。室内熱交換器201は、冷房運転時には蒸発器の働きをし、膨張弁105によって低圧状態にされた冷媒と室内空気との間で熱交換を行い、冷媒に空気の熱を奪わせて蒸発させて気化させ、冷媒配管300側に流出させる。室内送風機202は、室内熱交換器201と対面するように設けられている。室内送風機202には、実施の形態1に係る遠心送風機1又は実施の形態2に係る遠心送風機1Dのいずれか1つ以上が適用される。室内送風機202の運転速度は、ユーザの設定により決定される。室内送風機202には、インバータ装置を取り付け、ファンモータ(図示は省略)の運転周波数を変化させてファン2の回転速度を変更してもよい。
【0108】
[冷凍サイクル装置50の動作例]
次に、冷凍サイクル装置50の動作例として冷房運転動作を説明する。圧縮機101によって圧縮され吐出された高温高圧のガス冷媒は、流路切替装置102を経由して、室外熱交換器103に流入する。室外熱交換器103に流入したガス冷媒は、室外送風機104により送風される外気との熱交換により凝縮し、低温の冷媒となって、室外熱交換器103から流出する。室外熱交換器103から流出した冷媒は、膨張弁105によって膨張及び減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となる。この気液二相冷媒は、室内機200の室内熱交換器201に流入し、室内送風機202により送風される室内空気との熱交換により蒸発し、低温低圧のガス冷媒となって室内熱交換器201から流出する。このとき、冷媒に吸熱されて冷却された室内空気は、空調空気となって、室内機200の吐出口から空調対象空間に吹き出される。室内熱交換器201から流出したガス冷媒は、流路切替装置102を経由して圧縮機101に吸入され、再び圧縮される。以上の動作が繰り返される。
【0109】
次に、冷凍サイクル装置50の動作例として暖房運転動作を説明する。圧縮機101によって圧縮され吐出された高温高圧のガス冷媒は、流路切替装置102を経由して、室内機200の室内熱交換器201に流入する。室内熱交換器201に流入したガス冷媒は、室内送風機202により送風される室内空気との熱交換により凝縮し、低温の冷媒となって、室内熱交換器201から流出する。このとき、ガス冷媒から熱を受け取り暖められた室内空気は、空調空気となって、室内機200の吐出口から空調対象空間に吹き出される。室内熱交換器201から流出した冷媒は、膨張弁105によって膨張及び減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となる。この気液二相冷媒は、室外機100の室外熱交換器103に流入し、室外送風機104により送風される外気との熱交換により蒸発し、低温低圧のガス冷媒となって室外熱交換器103から流出する。室外熱交換器103から流出したガス冷媒は、流路切替装置102を経由して圧縮機101に吸入され、再び圧縮される。以上の動作が繰り返される。
【0110】
実施の形態6に係る冷凍サイクル装置50は、実施の形態1に係る遠心送風機1又は実施の形態2に係る遠心送風機1Dを備えるため、スクロール部41で効率よく圧力を上昇させることができる。また、送風装置30は、騒音の低減を実現できる。
【0111】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。