【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様においては、身体ケア装置との使用のためのブラシヘッドであって、複数の毛と、前記複数の毛を固定的に担持するための担体と、第1の軸を規定する身体ケア装置の筐体に前記担体を接続するための接続手段と、を有し、それにより、前記ブラシヘッドが前記筐体に接続されると、前記担体は、前記第1の軸を中心に回転可能であり、前記筐体に対して前記第1の軸に垂直な第2の軸を中心に枢動可能であり、前記担体は、複数の担体部を有し、該担体部の各々は、複数の毛群のうちの対応するものを固定的に担持し、前記複数の担体部のうちの少なくとも1つは、対応する毛群が回転可能である第3の軸を規定するシャフトを有する、ブラシヘッドが提供される。
【0009】
本発明の更なる態様においては、ここで開示されるようなブラシヘッドと、ブラシヘッドが接続される筐体と、を有する身体ケア装置が提示され、該筐体は、該筐体に対して回転するようブラシヘッドを駆動するアクチュエータを収容するように構成される。
【0010】
本発明の好適な実施例は、従属請求項に定義される。請求項に記載された身体ケア装置は、請求項に記載されたブラシヘッド及び従属請求項に記載されたものと同様の及び/又は同一の好適な実施例を有することは、理解されるべきである。
【0011】
毛を使用することにより、皮膚を傷つけることなく、皮膚表面を適切に洗浄及びクレンジングすることができる。これら毛は、同じ又は異なる材料、特に天然又は合成材料で作られても良い。好適には、該毛は、皮膚に押し付けられ圧力が所定の閾値を超えたときに屈曲することができるように可撓性である。
【0012】
更に、接続手段を用いて、該担体は身体ケア装置の筐体に接続可能である。このことは、接続手段を有するブラシヘッドが、身体ケア処置のため接続手段の助けを借りて身体ケア装置の筐体に取り付けられ得ることを意味する。処置後、ブラシヘッドを身体ケア装置の筐体から取り外すことができ、その結果、ブラシヘッドを掃除、修理、及び/又は交換することができる。
【0013】
また、前記接続手段は、前記担体が、前記身体ケア装置の筐体に接続されている際に、前記筐体に対して前記第1の軸を中心に回転可能となるように形成されている。従って、第1の軸は、身体ケア装置の筐体によって定義される回転軸である。第1の軸は、好適には、筐体の長手方向に延在する。代替としては、該筐体が、それぞれが異なる方向に延在するその長手方向に沿った幾つかの部分を有する場合、第1の軸は好適には、筐体の部分のうちの1つの長手方向に延在する。
【0014】
ブラシヘッドを身体部分(例えば顔の皮膚)の皮膚表面と接触させることによって、毛は皮膚表面に特定の圧力を及ぼす。身体ケア装置の軸のまわりの毛の回転により、毛は皮膚表面に対して移動し、それにより皮膚に皮膚筋肉を弛緩させるマッサージを提供する。更に、毛と皮膚表面との間の相対運動はまた、皮膚を剥離して、塵粒子及び死んだ皮膚破片などの老廃物を皮膚表面から除去することができる。これにより、適切な洗浄及びクレンジング効果が達成される。
【0015】
本発明によれば、該接続手段は更に、担体が身体ケア装置の筐体に接続されたときに、第2の軸のまわりに枢動可能であるように形成されている。第2の軸は第1の軸に垂直である。このようにして、毛は筐体に対して枢動可能である。このことは、毛が、第1の軸(即ち本体ケア装置の主軸又はアクチュエータ軸)を中心に回転可能であるだけでなく、身体に対して第1の軸に垂直である軸を中心に枢動可能であることを意味する。このことは追加的な自由度をもたらし、身体ケア装置の使用中に皮膚表面に適用される毛の加圧力の分配を調節するのに有利である。例えば、筐体に対する担体の枢動可能性のために、身体ケア装置を保持するユーザは、毛と皮膚表面との間の接点に影響を及ぼさずに、筐体を傾けることができる。
【0016】
該担体は、複数の担体部を有し、各担体部は、複数の毛によって形成された複数の毛群の対応する1つを担持する。好適な実施例においては、複数の毛群の各々は、少なくとも2本の毛を有する。担体部は、それぞれシャフトを有しても良い。毛を毛群に分割することにより、身体ケア装置物を身体部分の皮膚に適用するときに、加圧力の均一な分配を達成するように、毛を空間的に分配することが可能になる。
【0017】
複数の担体部のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの担体部によって担持される毛群がそのまわりで回転可能である第3の軸を定義するシャフトを有する。第1の軸(主軸)を中心とするブラシヘッドの回転中、皮膚表面と接触している毛は、皮膚表面によってある程度の摩擦を受ける。第3の軸のまわりで回転可能なシャフトを使用して、毛は皮膚表面の摩擦のために回転させられる。このことは、皮膚表面へのより滑らかな接触を可能にし、このことは特に敏感な皮膚部分にとって重要である。好適には、シャフト及び/又は毛は、皮膚表面との滑らかな接触がより容易に確立されるように、第3の軸のまわりを回転するように駆動される。また、第3の軸は好適には第2の軸に垂直であるが、垂直配置からの逸脱も可能である。
【0018】
好適には、毛は3つの毛群に分割され、各群は対応する担体部によって支持される。担体部(例えばシャフト)は、それぞれの担体部の毛が基本的に対称に配置される軸を形成する方向に沿ってそれぞれ延在する。更に好適には、3つの軸は、2つの隣接する軸間の回転角度が約120°になるように、第1の軸に対して互いに相対的に回転させられる。
【0019】
別の好適な実施例においては、該接続手段は、該担体を身体ケア装置の筐体に接続するための支持フレームを有する。これにより、ブラシヘッドを身体ケア装置に容易に一体化することができる。
【0020】
該支持フレームは、担体の一部を受け入れるために、円形、三角形又は四角形のプレートの形成をとっても良い。これに加えて又は代替として、該支持フレームは、底板を取り囲む円筒形の側壁を持っても良い、底板の表面は、身体ケア装置の筐体のインターフェース要素によって受容されるように適合される(例えば1つ以上の反りが形成される)。
【0021】
該支持フレームは、身体ケア装置の筐体に取り外し可能に取り付けられても良く、又は筐体の一体化された部分として構成されても良い。該支持フレームは、(例えば筐体のアクチュエータによって)駆動されて、筐体に対して第1の軸を中心として回転することが好ましい。この場合、該担体は、第1の軸を中心とした回転に関して、支持フレームに静止していても良く、その結果、支持フレームの回転は、担体を第1の軸を中心として自動的に回転させる。これにより、第1の軸のまわりに毛を回転させるための容易な機構が可能になる。
【0022】
代替としては、該支持フレームは、担体が第1の軸を中心として該支持フレームに対して回転することを可能にしながら、筐体に対して静止していても良い。例えばこのことは、筐体のアクチュエータによって駆動可能なねじを使用して実現することができ、ねじは、第1の軸に沿って延在し、支持フレームによって受け取られた担体の部分の内側巻線に係合する。
更なる好適な実施例においては、該担体は、支持フレームに対して第2の軸のまわりで枢動可能である。このようにして、担体は、ブラシヘッド自体の一部に対して(即ち局所的に)枢動可能である。有利にもこのことは、枢動可能性を提供するための製造ステップがブラシヘッドにおいて局所的に実行され得るので、ブラシヘッドの製造を容易にする。
【0023】
更なる好適な実施例においては、複数の担体部のうちの少なくとも1つは、好適には球面継手を使用して、支持フレームの中央領域で支持フレームに接続される。このようにして、少なくとも1つの担体部、好適には全ての担体部の枢動可能性が効果的に実現される。
【0024】
該中央領域は、第1の軸の近傍の領域である。継手(例えば球面継手)が使用される場合、中心領域は、第1の軸が延在する幾何学的中心と(球面)継手との間の領域である。毛は、中央領域に対して径方向に沿って配置することができる。少なくとも1つの担体部は、中央領域を通って斜めに延在するように構成されても良い。代替的に、少なくとも1つの担体部は、半対角線方向に、即ち中央領域から始まり外側境界で終わるように、延在しても良い。用語「径方向」は、円形ブラシヘッド又は円形支持フレームを指すだけでなく、頂部から底部に(即ち第1の軸に沿って)見た三角形、正方形、六角形、八面体の断面を有するブラシヘッド及び/又は支持フレームを指し得る、本発明の範囲内で広く理解される。
【0025】
球面継手は、第1の軸(即ち主軸)を中心とする回転と第1の軸に垂直な第2の軸を中心とする枢動の両方が、コンパクトでコスト効率の良いブラシヘッドをもたらすことができるという利点を有する。
【0026】
更なる好適な実施例においては、複数の担体部の少なくとも1つが支持フレームに対して弾性的に枢動可能であるように、弾性手段が設けられる。少なくとも1つの担体部、好適には全ての担体部は、支持フレームに対して弾性的に枢動可能である。弾性装置の弾性力により、圧縮されたとき(例えば身体ケア装置の使用中に皮膚表面に対して)、枢動される1つ又は複数の担体部は、圧縮状態(即ち皮膚表面に向かう外部圧縮力がブラシヘッド、特に担体部に加えられる状態)から非圧縮状態(即ちブラシヘッドに外部圧縮力が加えられない状態)に戻ることができる。このことは、皮膚表面への圧力の分布を更に改善し、皮膚の剥離のより良好な制御を可能にする。弾性手段としては、ばね(例えば長手ばね又は螺旋ばね)又は他の弾性材料を使用することができる。更に好適には、担体部は、非圧縮状態において第1の軸に垂直な水平方向に延びている。
【0027】
更なる好適な実施例においては、弾性手段は、中央領域から径方向に離れて配置された長手方向ばねを有する。このことは、支持フレームに対して弾性的に枢動可能な容易でコスト効率の良い担体を可能にする。また、長手方向ばねは、支持フレームの内面(例えば上部内側側又は下部内側)から長手方向に延在する案内軸等の支持フレームの案内要素に沿って案内されるように配置されても良い。長手方向ばねは、たとえ外部からの圧縮力がなくても、ばねが圧縮ばねである場合には担体部がブラシヘッドの上部内側に押し付けられ、ばねが引張ばねである場合にはブラシヘッドの底部内側に押し付けられるように、(例えば所定量の圧縮/伸長によって)予め張力をかけられても良い。
【0028】
好適には、少なくとも1つの毛群の複数の毛は、好適には長手方向ばねから径方向内側に、更に好適には継手(例えば球形継手)と長手方向ばねとの間に、配置される。このことは、毛とばねとの間の衝突を回避することを可能にする。
【0029】
更なる好適な実施例においては、弾性手段は、第2の軸のまわりに螺旋状に形成された巻線を有する螺旋ばねを有する。このことは、コンパクトな設計を有する一方で、支持フレームに対して弾性的に枢動可能である担体を可能にする。
【0030】
更なる好適な実施例においては、少なくとも1つの毛群の毛は、それぞれが少なくとも1本の毛を含む2つ以上のサブ群を形成し、異なるサブ群の毛は異なる長さを有する。それ故、少なくとも1つの毛群、好適には全ての毛群の毛は、それらの長さに基づいてサブ群に分割される。各サブ群において、少なくとも1本、好適には複数の毛は、担体部から例えばシャフトから延在する。
【0031】
更に好適な実施例においては、2つ以上のサブ群は、第1の軸に対して径方向に沿って互いに空間的に分離される。各サブ群において、第3の軸のまわりに分配された毛の複数の部分が存在しても良く、毛の各部分は、第3の軸に対して同じ回転角度で配向される。有利にも、第3の軸のまわりのシャフトの回転中、毛と皮膚表面との間の接触は、毛の少なくとも1つの部分を常に皮膚表面と接触させることによって、あまり中断されない。
【0032】
更なる好適な実施例においては、複数の毛のうちの少なくとも2本は、長さが異なる。好適には、少なくとも1つの毛群の毛の長さは、ブラシヘッドの中央領域からのそれぞれの毛の径方向距離と共に増大する。ブラシヘッドの中央領域で幅がより小さく、ブラシヘッドの外側の境界で幅がより大きい、樅の木型の毛群が形成される。このことは、皮膚表面上への毛の圧力の分配を更に改善する。毛を圧縮する外力が加えられていないときにシャフトが第1の軸に対して垂直方向に延在する場合、ブラシヘッドを皮膚に適用するときに、径方向外側の毛が最初に皮膚表面に接触する。好適には、径方向外側の毛は、弾性手段が収縮している間に押し付けられる。弾性手段(例えばばね)の弾性力に逆らって作用する圧縮力が更に増大すると、シャフトは、第2の軸のまわりに傾斜し、その結果、皮膚に面する少なくとも1つの毛群、好適には少なくとも1つのサブ群の毛の端部は、シャフトから測定された高さと同じ高さにされる。
【0033】
更なる好適な実施例においては、ブラシヘッドは、担体の上面に取り付けられたカバーを更に有し、カバーは、少なくとも1つの開口部を含み、複数の毛は好適には、担体の底面に向かって毛を圧縮する外力が加えられないときに、少なくとも1つの開口部、更に好適にはカバーの上面平面を突出するように構成される。このことは、ブラシヘッドと皮膚表面との間の接触が良好に規定され、より良好に制御されることを達成し、その結果、ブラシヘッドを使用する皮膚処置がより効果的となる。
【0034】
更なる好適な実施例においては、少なくとも1つの開口部は、カバーの中央領域から外側境界に向かって増大する幅を有する。少なくとも1つの、好適には全ての開口部は、使用中にブラシヘッド全体と皮膚表面との間の明確な接触を維持しながら、毛と皮膚表面との間の接触が保証されるように、毛群の樅の木型の形態に対応する形態を有する。好適には、カバー上の開口部の数は、毛群の数に対応する。更に好適には、カバーは円形のプレートとして形成され、このプレートは、ブラシヘッド内の機械部品が損傷するのを防止するための円周壁を有しても良い。
【0035】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例から明らかになり、それを参照して説明される。