特許第6984059号(P6984059)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6984059-ウレタンプレポリマー 図000005
  • 特許6984059-ウレタンプレポリマー 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6984059
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】ウレタンプレポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/12 20060101AFI20211206BHJP
   C08G 18/40 20060101ALI20211206BHJP
   C08G 18/44 20060101ALI20211206BHJP
   C08G 18/48 20060101ALI20211206BHJP
   C08G 18/72 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   C08G18/12
   C08G18/40 009
   C08G18/44
   C08G18/48 037
   C08G18/72 040
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2021-84527(P2021-84527)
(22)【出願日】2021年5月19日
(62)【分割の表示】特願2020-167880(P2020-167880)の分割
【原出願日】2020年10月2日
【審査請求日】2021年5月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002820
【氏名又は名称】大日精化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207756
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135758
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高志
(72)【発明者】
【氏名】奥泉 寛女
(72)【発明者】
【氏名】河村 亮
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一弥
【審査官】 吉田 早希
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/010068(WO,A1)
【文献】 特開2017−114925(JP,A)
【文献】 特開平08−253547(JP,A)
【文献】 特開平08−059780(JP,A)
【文献】 特表2014−534276(JP,A)
【文献】 特表2015−504957(JP,A)
【文献】 特表2013−541310(JP,A)
【文献】 特表2019−505616(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/081815(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0107243(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC C08G 18/00−18/81
C08G 71/00−71/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物である末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであって、
前記ポリイソシアネート(B)が有するイソシアネート基と前記ポリオール(A)が有する水酸基との当量比[NCO/OH]が1.5〜3.0であり、
前記ポリオール(A)は、2官能ポリオールとして、
炭素数6以上のアルカンジオールに由来する構造単位を少なくとも有する結晶性ポリカーボネートポリオール(a)を含むポリカーボネートポリオール(A−1)と、
EO/PO共重合体ポリオール(A−2)とを少なくとも含み、
前記2官能ポリオール中の前記結晶性ポリカーボネートポリオール(a)の含有量が20質量%以上50質量%以下であり、且つ、
前記2官能ポリオール中の前記ポリカーボネートポリオール(A−1)の含有量が30質量%以上であり、
前記EO/PO共重合体ポリオール(A−2)のモル比[EO/PO]が25/75〜80/20であることを特徴とするウレタンプレポリマー。
【請求項2】
前記2官能ポリオール中の前記EO/PO共重合体ポリオール(A−2)の含有量が50〜70質量%である請求項1に記載のウレタンプレポリマー。
【請求項3】
前記ポリイソシアネート(B)が、脂肪族ポリイソシアネートと芳香族ポリイソシアネートとを含むものである請求項1又は2に記載のウレタンプレポリマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタンプレポリマー、湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物、及び積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
透湿防水布帛は、雨を防ぐ高い防水性と、発汗時の蒸れによる不快感を軽減する透湿性とを併せ持つものであることから、一般的な雨具のみならず登山服、ハイキングウェア、及びスポーツウェア等に用いられている。
透湿防水布帛を製造する方法としては、基布と、透湿性を有するフィルム状素材とを接着剤を介して貼り合わせる方法が主流である。この場合、より優れた透湿性を得る観点から、接着剤も透湿性を有していることが望まれている。
【0003】
透湿性を有する接着剤の製造方法として、例えば特許文献1には、親水性に優れるオキシエチレン基で構成されるポリオールを使用することで透湿性を付与すると共に、高結晶性のポリエステルポリオールを用いることにより接着性を付与する方法が提案されている。
また、特許文献2には、ポリオール成分として、高結晶性のポリカーボネートポリオール(例えば、ニッポラン980R)を用いた接着性と耐久性とを有する接着剤が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開公報2017/104266号
【特許文献2】特開2003−246830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の接着剤は透湿性を有する一方で、ポリオールのポリオキシエチレン基の濃度を高くしているため耐水性が損なわれ、洗濯に対する耐久性(以下「洗濯耐久性」ともいう)が乏しくなりやすいという問題があった。
また、ポリエステルポリオールを配合した接着剤では、雨、汗、洗濯などに起因する加水分解により使用開始から2〜3年で劣化を招くことがあり、長期間の使用に適さないという問題があった。
更に、接着性を向上させる観点から高結晶性のポリカーボネートポリオールを用いると、風合いが損なわれると共に着心地が悪くなるという問題もあった。
【0006】
本発明は前記従来の課題を鑑みてなされたものであって、優れた透湿性を有すると共に、接着性、耐加水分解性、洗濯耐久性、及び風合いにも優れる積層体を与えることができるウレタンプレポリマーを提供する。また、前記ウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物、及びこれらの硬化物を含む積層体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明は下記[1]〜[5]を要旨とするものである。
[1] ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物である末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであって、
前記ポリオール(A)は、2官能ポリオールとして、
炭素数6以上のアルカンジオールに由来する構造単位を少なくとも有する結晶性ポリカーボネートポリオール(a)を含むポリカーボネートポリオール(A−1)と、
EO/PO共重合体ポリオール(A−2)とを少なくとも含み、
前記2官能ポリオール中の前記結晶性ポリカーボネートポリオール(a)の含有量が20質量%以上であり、且つ、
前記2官能ポリオール中の前記ポリカーボネートポリオール(A−1)の含有量が30質量%以上であり、
前記EO/PO共重合体ポリオール(A−2)のモル比[EO/PO]が25/75〜80/20であることを特徴とするウレタンプレポリマー。
[2] 前記2官能ポリオール中の前記EO/PO共重合体ポリオール(A−2)の含有量が50〜70質量%である[1]に記載のウレタンプレポリマー。
[3] 前記ポリイソシアネート(B)が、脂肪族ポリイソシアネートと芳香族ポリイソシアネートとを含むものである[1]又は[2]に記載のウレタンプレポリマー。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載のウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物。
[5] [1]〜[3]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー、又は、[4]に記載の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物の硬化物を含む積層体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、優れた透湿性を有すると共に、接着性、耐加水分解性、洗濯耐久性、及び風合いにも優れる積層体を与えることができるウレタンプレポリマーを提供することができる。また、前記ウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物、及びこれらの硬化物を含む積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例の評価で使用した試料の形態を説明する模式的な説明図である。
図2】実施例の評価で使用したギアオーブンの形態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1]ウレタンプレポリマー
本発明のウレタンプレポリマーは、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物である末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであって、
前記ポリオール(A)は、2官能ポリオールとして、
炭素数6以上のアルカンジオールに由来する構造単位を少なくとも有する結晶性ポリカーボネートポリオール(a)を含むポリカーボネートポリオール(A−1)と、
EO/PO共重合体ポリオール(A−2)とを少なくとも含み、
前記2官能ポリオール中の前記結晶性ポリカーボネートポリオール(a)の含有量が20質量%以上であり、且つ、
前記2官能ポリオール中の前記ポリカーボネートポリオール(A−1)の含有量が30質量%以上であり、
前記EO/PO共重合体ポリオール(A−2)のモル比[EO/PO]が25/75〜80/20であることを特徴とするものである。
【0011】
以下、本発明の態様について詳細に説明する。なお、本明細書中においては「炭素数6以上のアルカンジオールに由来する構造単位を少なくとも有する結晶性ポリカーボネートポリオール(a)」を単に「結晶性ポリカーボネートポリオール(a)」ということがある。
【0012】
[ポリオール(A)]
本発明において用いるポリオール(A)は、2官能ポリオールとして、
前記結晶性ポリカーボネートポリオール(a)を含むポリカーボネートポリオール(A−1)と、EO/PO共重合体ポリオール(A−2)とを少なくとも含むものである。
【0013】
<2官能ポリオール>
〔ポリカーボネートポリオール(A−1)〕
前記ポリカーボネートポリオール(A−1)は、炭素数6以上のアルカンジオールに由来する構造単位を少なくとも有する結晶性ポリカーボネートポリオール(a)を少なくとも含むものである。ポリカーボネートポリオール(A−1)が結晶性ポリカーボネートポリオール(a)を含むことにより接着性と耐加水分解性との両方が向上する。
なお、本発明において「結晶性」とはJIS 7121−1987に準拠したDSC(示差走査熱量計)測定において、結晶化熱あるいは融解熱のピークを確認できるものを指す。
【0014】
前記結晶性ポリカーボネートポリオール(a)は、炭素数6以上のアルカンジオールに由来する構造単位を少なくとも有するものであり、アルカンジオールの炭素数は、接着性及び耐加水分解性を向上させる観点から、好ましくは6〜16であり、より好ましくは6〜10である。なお、結晶性ポリカーボネートポリオール(a)に用いるアルカンジオールは、直鎖状のアルカンジオールであることが好ましい。
【0015】
炭素数6以上のアルカンジオールの具体例としては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられ、これらの中でも、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
【0016】
なお、結晶性ポリカーボネートポリオール(a)は、前記炭素数6以上のアルカンジオール以外の化合物に由来するその他の構造単位を有してもよい。
前記その他の構造単位を構成する化合物としては、直鎖状炭素数偶数のアルカンジオールが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。
上記したような構造単位は、「炭素数6以上のアルカンジオールに由来する構造単位」を必須成分として含むのであれば、1種単独でもよいし、2種以上を含んでもよい。すなわち、単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよく、あるいは2種以上の単独重合体を混合して用いることもできる。
【0017】
前記炭素数6以上のアルカンジオールに由来する構造単位の含有量は、結晶性ポリカーボネートポリオール(a)中の全アルカンジオールに対して、好ましくは20mol%以上であり、より好ましくは50mol%以上であり、更に好ましくは70mol%以上である。炭素数6以上のアルカンジオールに由来する構造単位の含有量が前記範囲内であると、接着性能及び耐加水分解性の両方を向上させることが可能である。
【0018】
結晶性ポリカーボネートポリオール(a)の数平均分子量は、好ましくは500〜6,000であり、より好ましくは700〜5,000であり、更に好ましくは1,000〜4,000である。数平均分子量が前記範囲内であると、ウレタンプレポリマーの粘度が高くなり過ぎず、取り扱い性が向上する。
なお、本明細書において数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した値を指す。
【0019】
ポリカーボネートポリオール(A−1)中の結晶性ポリカーボネートポリオール(a)の含有量は、好ましくは30〜100質量%であり、より好ましくは50〜100質量%であり、更に好ましくは70〜100質量%である。ポリカーボネートポリオール(A−1)中の結晶性ポリカーボネートポリオール(a)の含有量が前記範囲内であると、特に耐水接着強度が向上する。
【0020】
ポリカーボネートポリオール(A−1)は、結晶性ポリカーボネートポリオール(a)以外のその他のポリカーボネートポリオールを含んでもよい。その他のポリカーボネートポリオールとしては、非晶性のポリカーボネートポリオールが好ましい。
非晶性のポリカーボネートポリオールとしては、JIS 7121−1987に準拠したDSC(示差走査熱量計)測定において、結晶化熱あるいは融解熱のピークを確認できないもの、などを用いることができ、例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールを単独もしくは他のアルカンジオールと共重合したポリカーボネートポリオールが挙げられるが、上記に限定されるものではない。本発明においては非晶性のポリカーボネートポリオールを用いることにより風合いを向上させることができる。
なお、非晶性のポリカーボネートポリオールに用いるアルカンジオールは、直鎖状のアルカンジオールであっても、分岐状のアルカンジオールでもよく、脂環状のアルカンジオールであってもよい。また、アルカンジオールは、炭素数が偶数であるアルカンジオールと炭素数が奇数であるアルカンジオールとを両方含むことが好ましい。
【0021】
その他のポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、好ましくは500〜6,000であり、より好ましくは700〜5,000であり、更に好ましくは1,000〜4,000である。数平均分子量が前記範囲内であると、ウレタンプレポリマーの粘度が高くなり過ぎず、取り扱い性が向上する。
【0022】
ポリカーボネートポリオール(A−1)がその他のポリカーボネートポリオールを含有する場合、その含有量はポリカーボネートポリオール(A−1)中、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以下である。
【0023】
〔EO/PO共重合体ポリオール(A−2)〕
本発明において用いるEO/PO共重合体ポリオール(A−2)は、エチレンオキシド由来の単位とプロピレンオキシド由来の単位を含む共重合体であって、エチレンオキシド単位(EO)とプロピレンオキシド単位(PO)とのモル比[EO/PO]が25/75〜80/20であるものである。
本発明においてはEO/PO共重合体ポリオール(A−2)を用いることにより、ウレタンプレポリマーに透湿性を付与することができ、更に耐水接着強度を向上させることができるため、洗濯耐久性も向上させることができる。
【0024】
前記モル比のうち、EO比が25未満であると、透湿性が低下するため好ましくない。一方、80を超えると耐水接着強度が低下し、更に風合いも低下するため好ましくない。
透湿性、耐水接着強度を両立させつつ風合いも向上させる観点から、前記モル比[EO/PO]は、好ましくは30/70〜80/20であり、より好ましくは30/70〜75/25であり、更に好ましくは50/50〜75/25である。
エチレンオキシド由来の単位とプロピレンオキシド由来の単位を含む共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。
【0025】
EO/PO共重合体ポリオール(A−2)数平均分子量は、好ましくは100〜10,000であり、より好ましくは300〜9,000であり、更に好ましくは500〜5,000である。数平均分子量が前記範囲内であると、ウレタンプレポリマーの粘度が高くなり過ぎず、取り扱い性が向上する。
【0026】
〔その他の2官能ポリオール〕
本発明においては前記(A−1)及び(A−2)以外の、その他の2官能ポリオールを用いてもよい。
その他の2官能ポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられるが、本発明では、ポリエステルポリオールを用いないことが好ましい。
【0027】
〔2官能ポリオール中の各成分の配合量〕
本発明において、前記2官能ポリオール中の前記結晶性ポリカーボネートポリオール(a)の含有量は20質量%以上である。前記結晶性ポリカーボネートポリオール(a)の含有量が20質量%未満であると、接着強度、耐加水分解性、洗濯耐久性(耐水接着強度)が十分に得られないことがある。したがって、これら特性を向上させる観点から、前記2官能ポリオール中の前記結晶性ポリカーボネートポリオール(a)の含有量は、好ましくは25〜80質量%であり、より好ましくは25〜65質量%であり、更に好ましくは25〜55質量%である。
【0028】
本発明において、前記2官能ポリオール中の前記ポリカーボネートポリオール(A−1)の含有量は30質量%以上である。前記2官能ポリオール中の前記ポリカーボネートポリオール(A−1)の含有量が30質量%未満であると、耐加水分解性等が悪くなる。したがって、耐加水分解性等を向上させる観点から、前記2官能ポリオール中の前記ポリカーボネートポリオール(A−1)の含有量は、好ましくは30〜70質量%であり、より好ましくは30〜60質量%であり、更に好ましくは30〜55質量%である。
【0029】
前記2官能ポリオール中のEO/PO共重合体ポリオール(A−2)の含有量は好ましくは50〜70質量%であり、より好ましくは50〜65質量%であり、更に好ましくは50〜60質量%である。前記2官能ポリオール中のEO/PO共重合体ポリオール(A−2)の含有量が50質量%以上であると透湿性が向上し、70質量%以下であると耐水接着性が向上する結果、優れた洗濯耐久性を示すようになる。
【0030】
〔2官能ポリオール以外のポリオール〕
本発明においては、前記2官能ポリオール以外のポリオールを用いてもよく、例えば、水酸基の数が、好ましくは3〜6、より好ましくは3〜4のポリオールが挙げられ、中でもトリオールが好ましい。
トリオールとしては、ポリプロピレングリコールのトリオール型、1,2,6−へキサントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、1,2,3−プロパントリオール(グリセリン)、ひまし油由来のもの等が挙げられ、これらの中ではポリプロピレングリコールのトリオール型が好ましい。
【0031】
2官能ポリオール以外のポリオールの分子量は、好ましくは100〜1,000であり、より好ましくは100〜800である。分子量が前記範囲内であると、ウレタンプレポリマーの粘度が高くなり過ぎず、取り扱い性が向上する。
【0032】
ポリオール(A)中の2官能ポリオールの含有量は、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上である。
一方、ポリオール(A)中の2官能ポリオール以外のポリオールの含有量は、2官能ポリオール100質量部に対して、好ましくは20質量部以下であり、より好ましくは10質量部以下であり、更に好ましくは5質量部以下である。2官能ポリオール以外のポリオールの含有量が前記上限値以下であると、相対的に2官能ポリオールの量が多くなり、その結果、透湿性に優れるウレタンプレポリマーを得ることが可能になる。
【0033】
<ポリイソシアネート(B)>
ポリイソシアネート(B)としては公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
【0034】
脂肪族ポリイソシアネートとしてはトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0035】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしてはω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0036】
脂環族ポリイソシアネートとしては3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
【0037】
また、上記ポリイソシアネート(B)は、上記ポリイソシアネート(B)のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体等と併用することができる。
なお、本発明においてはポリイソシアネート(B)が、脂肪族ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネートを含有することが好ましい。前記2種を含有することにより、優れた風合いを有する積層体を得ることができる。
【0038】
本発明において用いるポリイソシアネート(B)としては、前記の中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)等が好ましい。
【0039】
<添加剤>
本発明のウレタンプレポリマーは、必要に応じて添加剤を含有してもよい。
前記添加剤としては、例えば、耐光剤、酸化防止剤、滑剤、難燃剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0040】
本発明のウレタンプレポリマーが添加剤を含有する場合、その含有量はウレタンプレポリマー中、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。前記添加剤の含有量が前記範囲内であると、ウレタンプレポリマーによる効果を得つつ、添加剤による効果を得ることができる。
【0041】
<ウレタンプレポリマーの製造方法>
本発明のウレタンプレポリマーは、前記ポリオール(A)と前記ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるものであり、空気中やウレタンプレポリマーが塗布される基材中に存在する水分と反応して架橋構造を形成しうるイソシアネート基を有するものである。
【0042】
本発明のウレタンプレポリマーを製造する方法としては、例えば、前記ポリイソシアネート(B)の有するイソシアネート基が、前記ポリオール(A)の有する水酸基に対して過剰となるように反応容器に入れ、更にその他の必要な成分を添加した後、加熱し、反応させることによって製造することができる。
【0043】
前記ウレタンプレポリマーを製造する際の、前記ポリイソシアネート(B)が有するイソシアネート基と前記ポリオール(A)が有する水酸基との当量比[NCO/OH]は、好ましくは1.1〜5.0であり、より好ましくは1.5〜3.0であり、更に好ましくは1.5〜2.0である。前記当量比が前記範囲内であると、ウレタンプレポリマーを接着剤として用いた場合の剥離強度がより一層向上する。
【0044】
本発明のウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有率(以下、「NCO%」ともいう。)は、好ましくは1.7〜5.5であり、より好ましくは1.8〜3.5である。
前記NCO%が前記範囲内であると、剥離強度がより一層向上する。
なお、前記ウレタンプレポリマーのNCO%は、JIS K1603−1:2007に準拠し、電位差滴定法により測定した値を示す。
【0045】
[2]湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物
本発明の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物は、本発明のウレタンプレポリマーを必須成分として含有するものであれば特に制限はなく、必要に応じて添加剤を含有してもよい。
前記添加剤としては、例えば、硬化触媒、酸化防止剤、粘着付与剤、可塑剤、安定剤、充填材、染料、顔料、蛍光増白剤、シランカップリング剤、ワックス、熱可塑性樹脂等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0046】
本発明の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物が添加剤を含有する場合、その含有量は、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。前記添加剤の含有量が前記範囲内であると、ウレタンプレポリマーによる効果を得つつ、添加剤による効果を得ることができる。
【0047】
[3]積層体
本発明の積層体は、本発明のウレタンプレポリマーの硬化物、又は、本発明の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物の硬化物を含む積層体である。積層体の具体例としては、後述の基布と、前記硬化物と、後述の透湿フィルムとをこの順で有する積層体が挙げられる。
前述のとおり本発明のウレタンプレポリマー及び湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物は、優れた透湿性を有すると共に、接着性、耐加水分解性、洗濯耐久性、及び風合いにも優れるため、得られる積層体は透湿防水布帛や合成皮革をはじめ、雨具、登山服、ハイキングウェア、及びスポーツウェア等に好適に用いることができる。
【0048】
本発明の積層体を構成する基布としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛、これらの混紡繊維等を用いたものが挙げられる。
また、本発明の積層体を構成する透湿フィルムとしては、例えば、
(i)親水基を有する熱可塑性樹脂と有機溶剤とを含有する樹脂溶液を剥離紙に塗布し、有機溶剤を揮発させることにより得られる透湿性フィルム、
(ii)親水基を有する熱可塑性樹脂ペレットを成型した透湿性フィルム、
(iii)熱可塑性樹脂と、有機溶媒とを含有する樹脂溶液を剥離紙に塗布し、有機溶媒を揮発させることにより微細孔を開けた多孔性フィルム、
(iv)熱可塑性樹脂と、これとは相溶性のない無機フィラーとを含む樹脂組成物を溶融混練して押し出したフィルムを、所定の倍率に延伸して微細孔を開けた多孔性フィルム
等が挙げられる。
【0049】
本発明の積層体の製造方法としては、例えば、前記透湿フィルム上に、好ましくは50〜130℃で溶融した本発明のウレタンプレポリマー又は湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を塗布し、次いで基布を貼り合せ、次いでウレタンプレポリマー又は湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を硬化させる方法が挙げられる。この方法によれば、基布、前記硬化物及び透湿フィルムをこの順で有する積層体を容易に得ることができる。
【0050】
前記ウレタンプレポリマー等を前記透湿フィルム上に塗布する態様としては、ウレタンプレポリマー又は湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を、ドット状や網目状に間欠塗布する態様が挙げられ、製造容易性の観点から、ドット状に塗布する態様が好ましい。
前述の間欠に塗布する方法としては、例えば、ロールに彫刻を施したグラビア転写コート、スクリーンコート法、T−ダイコート法、ギアポンプを有するダイコーター法、ファイバーコート法等を使用する方法が挙げられる。
【0051】
積層体中のウレタンプレポリマーの硬化物又は前記湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物の硬化物の厚さ、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜50μmであり、更に好ましくは5〜30μmである。各硬化物の厚さが前記範囲内であると、透湿性を維持しつつ、積層体を用いた衣服の着心地を良好にすることができる。
【0052】
前記積層体の製造において、前記ウレタンプレポリマー又は前記湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物は公知の方法により乾燥・養生することにより、硬化させることが好ましい。硬化の条件は、40〜130℃で基布に圧着することが好ましく、圧着後は約30℃/65%RHで1日〜7日程度養生することが好ましい。
【実施例】
【0053】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
撹拌機、温度計、ガス導入口等を付与したガラス製反応容器に、結晶性ポリカーボネートポリオール(a)としてニッポラン980R(東ソー(株)製、数平均分子量2000)と、EO/PO共重合体ポリオールとしてBP−3025(穩好高分子化學工業株式会社製、モル比[EO/PO]=30/70、数平均分子量2500)、ポリオキシプロピレントリオール(三井化学(株)製T−700、数平均分子量700)、更に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を、それぞれ表1に示す配合量で仕込んだ。
その後、反応容器内を加熱減圧して脱水処理を行い、更に窒素ガスを封入して内温を100℃とした状態で120分間撹拌して反応させた。次いで、耐光剤を添加してポリウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーについて、下記評価を行った。結果を表1に示す。
【0054】
<実施例2〜14、比較例1〜6>
表1又は表2に記載の配合に変えたこと以外は実施例1と同様にポリウレタンプレポリマーを製造した。得られたウレタンプレポリマーについて、下記評価を行った。結果を表1及び2に示す。
【0055】
[評価方法]
<フィルム物性>
実施例及び比較例にて得られたウレタンプレポリマーについて、下記要領でフィルム物性の測定を行った。
まず、得られたウレタンプレポリマーを100℃で溶融し、塗布後の膜厚が50〜70μmとなるように離型紙上に塗工した。熟成工程として温度30℃、相対湿度65%の環境下で4日間静置し、更に室温(20℃)で1日静置することによりフィルムを得た。得られたフィルムについて下記要領で破断強度及び熱軟化温度を測定した。
【0056】
〔破断強度の測定方法〕
得られたフィルムについて、JIS3に準じてダンベル状試験片を打ち抜き、島津製作所製オートグラフAGS−Jを用いて、25℃/30%RH以下の条件下で200mm/minの速度で引張り、引張破断強度を測定した。本評価において、破断強度が高いほどフィルムの強度が高いことを示す。
【0057】
〔熱軟化温度(熱軟化点)の測定方法〕
(1)試料の作製
離型紙から剥離して幅1.5cm、長さ6cmの半透明のフィルムを得た。図1に示すように、半透明のフィルム10の上下にクリップ12を取り付け、セロテープ(登録商標)でさらにクリップ12を固定し、一方のクリップ12に吊り下げたときに450g/cmの荷重がかかるような重り14を取り付けて試料16を作製した。なお、フィルム10の中央部長手方向2cmはセロテープ(登録商標)で覆われていない。
(2)測定
図2に示すように、各例の上記試料16の重り14が取り付けられていないクリップ12をギアオーブン20の回転盤22に取り付けた。その後、回転盤22を5rpmで回転させながら、室温から3℃/minの速度でギアオーブン20内を昇温した。フィルム10が切断したとき、もしくは2倍に伸長したときの温度を軟化点とした。
本評価において、熱軟化温度(熱軟化点)が高いほど、フィルムとしての耐性(例えば、ホットメルトテープ貼り付けやアイロン掛けに対する耐性)が高いことを示す。
【0058】
<評価用透湿防水布の作成>
積層体の接着強度、透湿度、耐加水分解性、耐水接着強度を測定するために、評価用透湿防水布を以下の要領で作成した。
【0059】
(1)表皮(透湿フィルム)の作成
溶剤系ウレタン樹脂であるハイムレンY−208−2(大日精化工業(株)製)100質量部、着色剤〔セイカブンDUT 4093 White(大日精化工業(株)製)〕10質量部、ジメチルホルムアミド(DMF)10質量部、及びメチルエチルケトン(MEK)5質量部を混合することにより配合液を得た。離型紙上にクリアランスコーターを用いて、前記配合液を50μm・wetの塗布量で均一に塗工した。その後、80℃で2分間、更に120℃で3分間乾燥させることにより膜厚10〜15μmである透湿防水布の表皮(透湿フィルム)を得た。
【0060】
(2)表皮と基布との接着
実施例及び比較例で得られたウレタンプレポリマーを100℃で溶融し、前記表皮(透湿フィルム)上に塗布した。次いで、塗布後の加圧処理にてウレタンプレポリマーの膜厚が15μmとなるように調整し、その後、基布(ナイロンタフタ)をラミネート温度100℃にて加工圧着した。熟成工程として温度30℃、相対湿度65%の環境下で4日間熟成した。得られた積層体を評価用透湿防水布として、下記評価を行った。
【0061】
〔接着強度の測定方法〕
得られた評価用透湿防水布の表皮面にホットメルトテープを積層し、140℃のアイロンを1分間押し当てることによりを圧着した。これを1時間室温(20℃)で冷却した後、基布と、ホットメルトテープに密着した表皮とを剥離させ、その強度をオートグラフにて測定することにより接着強度を測定し、下記基準で評価した。
(基準)
◎:≧1.3kg/inch
○:≧0.8kg/inch
×:<0.8kg/inch
【0062】
〔透湿度の測定〕
得られた評価用透湿防水布の透湿度を、JIS L 1099:2012のA−1法(塩化カリウム法)に準拠して測定し、下記基準で評価した。
(基準)
◎:≧5,000g/m・24h
○:≧3,000g/m・24h
【0063】
〔耐加水分解性〕
得られた評価用透湿防水布を70℃/95%RH条件の槽内に入れ、入れる前の接着強度と、槽内で所定期間保管した後の接着強度とを比較し、下記基準で耐加水分解性を評価した。なお、接着強度の保持率とは、槽内に入れる前の接着強度に対する、槽内で所定期間保管した後の接着強度の割合を意味する。
(基準)
×:5週間保管後の接着強度の保持率が70%未満であった場合
〇:5週間保管後の接着強度の保持率が70%以上であった場合
◎:8週間保管後の接着強度の保持率が70%以上であった場合
【0064】
〔耐水接着強度(洗濯耐久性試験)〕
得られた評価用透湿防水布について、JIS L−1930に準拠して、C形基準洗濯機(パラセータ式)による洗濯、乾燥C法(平干し乾燥)による乾燥を交互に合計20回繰り返した後、接着強度の測定を行った。接着強度の保持率が70%以上であれば優れた耐水接着強度を有している(○評価)、保持率が70%未満であれば耐水接着強度が不十分であり、洗濯耐久性に乏しい(×評価)と判断した。なお、接着強度は前記と同様の方法で測定した。
【0065】
【表1】
【0066】
実施例及び比較例で用いた成分の詳細は以下のとおりである。
<結晶性ポリカーボネートポリオール(a)>
・ニッポラン980R:1,6−ヘキサンジオール単独重合体(東ソー(株)製、数平均分子量2000)
・Duranol G4672:1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール(70mol%/30mol%)共重合体(旭化成(株)製、数平均分子量2000)
・BENEBioL NL2020DB:1,4−ブタンジオール/1,10−デカンジオール(80mol%/20mol%)共重合体(三菱ケミカル(株)製、数平均分子量2000)
【0067】
<非晶性ポリカーボネートポリオール>
・Duranol T5652:1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール(50mol%/50mol%)共重合体(旭化成(株)製、数平均分子量2000)
【0068】
<EO/PO共重合体ポリオール>
・BP−3025:穩好高分子化學工業株式会社製、モル比[EO/PO]=30/70、数平均分子量2500
・BP−2896:穩好高分子化學工業株式会社製、モル比[EO/PO]=28/72、数平均分子量960
・BE−5028:穩好高分子化學工業株式会社製、モル比[EO/PO]=50/50、数平均分子量2800
・DE−8735:穩好高分子化學工業株式会社製、モル比[EO/PO]=87/13、数平均分子量3500
・DP−7530:穩好高分子化學工業株式会社製、モル比[EO/PO]=75/25、数平均分子量3000
【0069】
<ポリエチレングリコール>
・PEG2000:三洋化成工業(株)製、数平均分子量2000
<ポリエステルポリオール>
・TEPE 85:台精化学工業株式会社製、数平均分子量2000
【0070】
<トリオール>
・T−700:三井化学(株)製、ポリオキシプロピレントリオール、数平均分子量700
【0071】
<イソシアネート>
・MDI :東ソー製、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
・C−2770:東ソー製、脂肪族ポリイソシアネート(HDI系アロファネート型ポリイソシアネート)
<添加剤>
・CHISORB 770(耐光剤):Double bond chemical製、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジル)
【0072】
【表2】
【0073】
<実施例15〜16>
表3の記載に配合に変更したこと、および、反応温度を110℃としたこと以外は実施例1と同様にウレタンプレポリマーを製造した。また、得られたウレタンプレポリマーについて、前述の方法により評価用透湿防水布を作成し、前述の実施例1および実施例8と共に、下記風合いの評価を行った。結果を表3に示す。
【0074】
〔風合い〕
得られた評価用透湿防水布の柔軟性について、手で揉んだ感触で比較し下記の基準にしたがって評価した。なお、標準透湿防水布は下記の要領で作成した。
〔基準〕
◎:標準透湿防水布よりも柔らかい
○:標準透湿防水布と同程度に柔らかい
【0075】
・標準透湿防水布
接着剤の原料として、ハイムレンY−173(ポリウレタン樹脂接着剤、大日精化工業(株)製)100質量部、NE−架橋剤(イソシアネート系架橋剤、大日精化工業(株)製)10質量部、ジメチルホルムアミド(DMF)20質量部、及びメチルエチルケトン(MEK)40質量部を混合し、接着剤配合液を調整した。
得られた接着剤配合液を前記表皮(透湿フィルム)上に、クリアランスコーターを用いて50μm・wetで塗工し、80℃で2分間乾燥させ、厚み15μm前後の接着剤層を形成した。
次いで、得られた接着剤層に前記基布(ナイロンタフタ)を積層し、ラミネート温度40℃にて加工圧着した。その後、50℃で48時間熟成させることにより標準透湿防水布を作成した。
【0076】
【表3】
【0077】
以上の結果より明らかなように、本発明によれば、優れた透湿性を有すると共に、接着性、耐加水分解性、洗濯耐久性、及び風合いにも優れる積層体を与えることができるウレタンプレポリマーを提供することができる。
【符号の説明】
【0078】
10 フィルム
12 クリップ
14 重り
16 試料
20 ギアオーブン
22 回転盤
【要約】
【課題】優れた透湿性を有すると共に、接着性、耐加水分解性、洗濯耐久性、及び風合いにも優れる積層体を与えることができるウレタンプレポリマーを提供する。
【解決手段】ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物である末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであって、前記ポリオール(A)は、2官能ポリオールとして、炭素数6以上のアルカンジオールに由来する構造単位を少なくとも有する結晶性ポリカーボネートポリオール(a)を含むポリカーボネートポリオール(A−1)と、O/PO共重合体ポリオール(A−2)とを少なくとも含み、前記2官能ポリオール中の前記結晶性ポリカーボネートポリオール(a)の含有量が20質量%以上50質量%以下であり、且つ、前記2官能ポリオール中の前記ポリカーボネートポリオール(A−1)の含有量が30質量%以上であり、前記EO/PO共重合体ポリオール(A−2)のモル比[EO/PO]が25/75〜80/20であることを特徴とするウレタンプレポリマー。
【選択図】なし
図1
図2