特許第6984067号(P6984067)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6984067
(24)【登録日】2021年11月26日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】呼気ファン付きマスクスペーサ
(51)【国際特許分類】
   A62B 18/08 20060101AFI20211206BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   A62B18/08 D
   A41D13/11 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2021-136034(P2021-136034)
(22)【出願日】2021年8月24日
【審査請求日】2021年8月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521373412
【氏名又は名称】河島 邦泰
(74)【代理人】
【識別番号】100167818
【弁理士】
【氏名又は名称】蓑和田 登
(72)【発明者】
【氏名】河島 邦泰
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第212814561(CN,U)
【文献】 特開2000−312724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 7/00−33/00
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクの着用者の口近傍とマスクとの間に配置される呼気ファン付きマスクスペーサであって、
略U字形状を有し、前記マスクの着用者の鼻翼部分に係止可能なスペーサ部と、
前記スペーサ部の下方に一体接続され、外方から空気を吸い込むためのファンを内蔵した呼気ファンと、を備え、
前記スペーサ部は、上縁左右端から上方に延出する一対の脚部を有することで前記略U字形状を形成しており、
前記呼気ファン付きマスクスペーサの着用時において、前記スペーサ部と前記呼気ファンとが所定角度を成すことで前記マスクの着用者の口近傍に空気の換気空間が形成され、 前記スペーサ部及び前記呼気ファンが成す前記所定角度は調整可能である、ことを特徴とする呼気ファン付きマスクスペーサ。
【請求項2】
前記スペーサ部には、通気のために複数の通気孔が形成される、ことを特徴とする請求項1記載の呼気ファン付きマスクスペーサ。
【請求項3】
前記呼気ファンは、少なくともその前面側に外方からの空気を吸い込む吸い込み面と、その背面側に空気を吹き出す吹き出し面とを有し、
前記スペーサ部及び前記呼気ファンが前記所定角度を成すことで、前記吹き出し面から吹き出される空気は斜め上方の前記着用者の口近傍に向かって吹き出される、ことを特徴とする請求項1又は2記載の呼気ファン付きマスクスペーサ。
【請求項4】
前記所定角度は鈍角となり、
前記呼気ファンの下部が前記着用者の顎に当接する、ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の呼気ファン付きマスクスペーサ。
【請求項5】
前記請求項1乃至の何れか一項に記載の呼気ファン付きマスクスペーサを備えることを特徴とするマスク内換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、花粉やウイルス感染防止用に用いられるマスク内に配置される呼気ファン付きマスクスペーサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、花粉や粉塵の体内への侵入を防止する防塵用や、咳やくしゃみなどにより発生する飛沫やウイルスなどの侵入及び飛散を防止する衛生用マスクが使用されている。特に、近年コロナウイルスによる世界的なパンデミックが発生し、衛生的な理由によりマスクを常時着用する場面が非常に多くなっている。このような状況下において、マスクの使用時における装着感の向上を図るために様々な製品が販売されている。
【0003】
そして、マスクを着用していると、マスク面と口とが密着することよって息がマスク内に滞留して息苦しさを感じることがある。この問題は、特に運動時などにおいて顕著となる。このマスクによる生じる息苦しさ対策のため、マスク装着時に口とマスクの間に空間を作って、息苦しさを和らげるための補助具としてマスクスペーサが使用されている。
【0004】
また、マスク面と口との間に生じる隙間に滞留した空気を直接換気するために、小型のマスク用ファンを直接マスクと口との間に配置することで、マスク内を喚起する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、換気のための対流扇を備えた硬質スポーツマスクも開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3228733号公報
【特許文献2】特開2016-87376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のマスクスペーサは、確かにマスクと口との間に空間を形成することはできても、着用者の吐息がマスクス内に未だに滞留し、次の吸気時には滞留した空気を吸うことになる。この結果、マスクスペーサの着用時の息苦しさをある程度は軽減されることはあっても解消されることはなく、最悪の場合には、二酸化炭素の吸入量の増加による頭痛や呼吸困難を引き起こしてしまうという問題がある。
【0007】
また、従来のマスクスペーサは、上述のように着用者の吐息がマスク内に滞留するために、この滞留空気による湿度上昇や温度上昇も、着用者が不快を感じる要因となる。
【0008】
さらに、上記従来のようなマスク用ファンをマスク内に配置したとしても、比較的小面積のフィルタ部から大風量で吸気するため、使用時にマスクと顔表面との間に隙間が生じ易く、ウイルス飛沫の侵入や飛散という問題を解消できない。この結果、マスク用ファンを使用した場合において感染リスクが一般的なマスクや、マスクスペーサより大きくなるという問題がある。また、従来のマスク用ファンは、騒音が大きいため人前や屋内で使用することが憚られ、さらに、専用のフィルタを要するなどの問題もある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、マスクの着用時にマスク内に滞留する空気を、ウイルスによる感染リスクを下げながら、より効率的に換気して、着用者の感じる息苦しさや蒸し暑さを解消できる呼気ファン付きマスクスペーサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、マスクの着用者の口近傍とマスクとの間に配置される呼気ファン付きマスクスペーサであって、略U字形状を有し、前記マスクの着用者の鼻翼部分に係止可能なスペーサ部と、前記スペーサ部の下方に一体接続され、外方から空気を吸い込むためのファンを内蔵した呼気ファンと、を備え、前記スペーサ部は、上縁左右端から上方に延出する一対の脚部を有することで前記略U字形状を形成しており、前記呼気ファン付きマスクスペーサの着用時において、前記スペーサ部と前記呼気ファンとが所定角度を成すことで前記マスクの着用者の口近傍に空気の換気空間が形成され、前記スペーサ部及び前記呼気ファンが成す前記所定角度は調整可能であることを特徴とする。
【0011】
この呼気ファン付きマスクスペーサにおいて、前記スペーサ部には、通気のために複数の通気孔が形成されることが好ましい。
【0012】
この呼気ファン付きマスクスペーサにおいて、前記呼気ファンは、少なくともその前面側に外方からの空気を吸い込む吸い込み面と、その背面側に空気を吹き出す吹き出し面とを有し、前記スペーサ部及び前記呼気ファンが前記所定角度を成すことで、前記吹き出し面から吹き出される空気は斜め上方の前記着用者の口近傍に向かって吹き出されることが好ましい。
【0014】
この呼気ファン付きマスクスペーサにおいて、前記所定角度は鈍角となり、前記呼気ファンの下部が前記着用者の顎に当接することが好ましい。
【0015】
上記課題を解決するため、本発明は、上記呼気ファン付きマスクスペーサを備えることを特徴とするマスク内換気装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、マスクの着用者の口近傍とマスクとの間に配置される呼気ファン付きマスクスペーサであって、略U字形状を有し、マスクの着用者の鼻翼部分に係止可能なスペーサ部と、スペーサ部の下方に一体接続されて外方から空気を吸い込むためのファンを内蔵した呼気ファンと、を備える。スペーサ部は、上縁左右端から上方に延出する一対の脚部を有することで略U字形状を形成している。呼気ファン付きマスクスペーサの着用時において、スペーサ部と呼気ファンとが所定角度を成すことでマスクの着用者の口近傍に空気の換気空間が形成される。この構成により、本発明に係る呼気ファン付きマスクスペーサでは、マスク内に滞留する空気を、ウイルスによる感染リスクを下げながら、より効率的に換気して、着用者の感じる息苦しさや蒸し暑さを解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る呼気ファン付きマスクスペーサを装着した状態の正面図である。
図2】同上呼気ファン付きマスクスペーサの着用時の側面図である。
図3】(a)乃至(c)同上呼気ファン付きマスクスペーサを装着した時の呼気の流れを説明するための図である。
図4】同上実施の形態の変形例に係る呼気ファン付きマスクスペーサ装着時の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る呼気ファン付きマスクスペーサについて図1乃至図4を参照して説明する。マスクスペーサは、マスク装着時に着用者の口とマスクの間に空間をつくることでマスクの着用中に感じる息苦しさを和らげるための補助具であって、立体形状を保持できる部材で構成されている。
【0019】
最初に、呼気ファン付きマスクスペーサ1(以下マスクスペーサ1と記載)の全体構成に関して図1を参照しながら説明する。マスクスペーサ1は、図1に示すように、略U字形状を有してマスク4の着用者の鼻翼部分に係止可能なスペーサ部2と、スペーサ部2の下方に一体接続されて外方から空気を吸い込むためのファンを内蔵した呼気ファン3と、を備える。なお、マスクスペーサ1は、着用者の口(口近傍)とマスク4との間に配置する。
【0020】
マスク4は、例えば、左右端に設けられたゴム紐(耳紐)で係止され、ポリプロピレン不織布、フィルタなどを多層に積層して構成される非常に軽量な使い捨てタイプ、ガーゼや布生地などのシート材から構成されて使用後に洗濯をすることで付着物を除去して繰り返し使用可能なタイプなどがある。
【0021】
スペーサ部2は、図1に示すように、上縁の左右端から上方に延出する一対の脚部2a,2bを有することで略U字形状を形成しており、着用者の鼻(特に鼻翼部分)にこの脚部2a,2bが係止される。この脚部2a,2bの構成によって、スペーサ部2と鼻との間に隙間が生じることを防止し、鼻の横に配置される脚部2a,2bにより鼻の横からウイルス飛沫の侵入や漏れを軽減する。また、脚部2a,2bを鼻の横に配置することにより鼻呼吸を阻害しない。
【0022】
スペーサ部2は、例えばウレタンなどの強化プラスチック樹脂の軽量且つ強度の高い素材を、比較的柔らかいクッション性素材で覆い、所定厚さ(例えば2〜3mm程度)を有して構成される。また、スペーサ部2には、パンチ穴などで通気のための複数の通気孔2cが形成されている。
【0023】
呼気ファン3は、スペーサ部2の下方側において、スペーサ部2と一体接続されている。呼気ファン3は、図2に示すように、スペーサ部2と呼気ファン3とが所定角度を成して呼気ファン3の下部(下端部)3aが着用者の顎に当接することで、着用者の口とマスク4との間に換気空間Sを形成している。この呼気ファン3は、本実施の形態においては、正面視で正方形状を有する箱状体であって、その内部に、比較的に小型の回転ファンが内蔵されている。この回転ファンの電源は市販のモバイルバッテリーやACアダプターをUSBケーブル3d等で接続する。また、ケーブル3dを使用する際には、図1及び図2に示すように隙間を作らないようにマスク4の横側のゴム紐の間から配線出しをすることができる。なお、呼気ファン3の形状は箱形状に限定されるものではなく、正面視で正方形以外の矩形や円形などでも良い。
【0024】
スペーサ部2及び呼気ファン3は、図2に示すように、側面視においてその角度を調整可能とし、例えば回転ジョイントなど回動できるように一体接続されており、この構成によりマスクスペーサ1が着用者の顔表面に密着することを防止すると共に、口の前に空気の換気空間Sを形成できる。そして、角度を調整することで着用者に合わせた換気空間Sの容量調整が可能となる。この所定角度(本図においては約100度)は90度以上〜120度以下のいわゆる鈍角となることが好ましい。これによって、マスクスペーサ1そのものの高さを抑えマスクスペーサ1の換気空間Sの容積を減らして必要換気量を低減するためである。
【0025】
次に、マスクスペーサ1の装着時の状態を、図2を参照して説明する。本図に示すように、呼気ファン3は、その前面側に外方からの空気を吸うための吸い込み面3bと、その背面側に空気を吹き出すための吹き出し面3cとを有している。そして、スペーサ部2及び呼気ファン3が所定角度を成すことで、吹き出し面3cから吹き出される空気は斜め上方の着用者の口近傍に向かって吹き出される。すなわち、外方からの空気が効率的に着用者の口に向かって直接吹き出されることとなる。これは、着用者の顔表面とマスクスペーサ1との密着性を確保して、換気空間Sを形成して、吸気効率を高めるために斜め上向きにするためである。
【0026】
次に、マスクスペーサ1の着用時における呼気の流れ状態を、図3を参照して説明する。マスクスペーサ1の着用時においては、マスク4のゴム紐が耳に掛けられ、マスクスペーサ1は使用者の口近傍とマスク4との間に配置される。
【0027】
最初に、吸気時においては、図3(a)の矢印A1及びA2に示すように、スペーサ部2の通気孔2c及び吸気ファン3の吹き出し口3cの両方から吸気される。なお、矢印の太さは空気量を示している。スペーサ部2の脚部2a,2bが鼻翼に装着されることで、マスクスペーサ1が鼻形状にフィットし、また呼気ファン3の下端部3aが着用者の顎に当接する。このことで、顔表面(鼻表面)とマスクスペーサ1の上端縁との間に形成される隙間を封止し、空気が側方から侵入することを効率的に抑止する。この結果、マスクスペーサ1を介して確実に吸気でき、且つ空気を吸い込む際に飛沫などによるウイルスが顎側の隙間や鼻近傍の隙間から侵入することを適切に防止する。
【0028】
次に、吐き出し初期においては、図3(b)の矢印A3及びA4に示すように、スペーサ部2の通気孔2cから大きく排気され、吸気ファン3の吹き出し口3cからは多少吸気される。最後に、吐き出し〜吸気間のブランク時(吐き出しの完了時)において、図3(c)の矢印A5及びA6に示すように、スペーサ部2の通気孔2cから多少排気され、排気の減圧によって吸気ファン3の吹き出し口3cからは多くの空気がマスク4の内部に吹き出される。この結果、換気空間S内が効率的に換気されて、マスク着用時に着用者が感じていた息苦しさや蒸れなどを確実に解消できる。また、感染症対策等のために夏の高温・多湿といった環境下でマスク4を着用した場合であっても、体温のさらなる上昇を抑制できる。さらに、この構造により、マスクスペーサ1の着用者の吐息が効率的に下方に流れるようになり、着用者の吐息がマスクスペーサ1と顔表面の間に形成される隙間から上方に漏れることがなくなり、眼鏡の曇りなども防止できる。
【0029】
すなわち、呼吸の際、息を吐いてから吸うまでの間に、吸気ファン3を介して吸気、マスクスペーサ1を介して排気することにより、吐息に含まれる二酸化炭素のマスク4内での滞留を防止して、マスク4の装着時の頭痛や呼吸困難を防止できると共に、マスク4内の湿度上昇も抑制できる。
【0030】
また、スペーサ部2及び呼気ファン3が所定角度を成し、呼気ファン3からマスク内に上向きに給気できるため、ファンからの吹き出し風の圧力がマスクスペーサ1内に効率良く伝わる。この結果、圧損を低減でき、呼気ファン3の内蔵ファンのモーター出力を小さくでき呼気ファン3の小型化を実現できる。
【0031】
さらに、スペーサ部2と呼気ファン3とが成す角度を鈍角にすることで、マスクスペーサ1の高さを抑えて換気空間Sの容量を減らし、必要換気量を低減できる。この結果、低騒音化を実現でき、消費電力も低減できる。また、呼気ファン3に内蔵されるファンによる換気量を最小限に抑えられるため、マスク4と顔表面との隙間からのウイルス飛沫の飛散を抑えられる。
【0032】
以上の説明のように、本実施の形態はマスク4の着用者の口近傍とマスク4との間に配置されるマスクスペーサ1であって、略U字形状を有し、マスク4の着用者の鼻翼部分に係止可能なスペーサ部2と、スペーサ部2の下方に一体接続されて外方から空気を吸い込むためのファンを内蔵した呼気ファン3と、を備える。スペーサ部2は、上縁左右端から上方に延出する一対の脚部2a,2bを有することで略U字形状を形成している。マスクスペーサ1の着用時において、スペーサ部2と呼気ファン3とが所定角度を成すことでマスク4の着用者の口近傍に空気の換気空間Sが形成される。この構成により、マスクスペーサ1は、マスク4内に滞留する空気を、ウイルスによる感染リスクを下げながら、より効率的に換気して、着用者の感じる息苦しさや蒸し暑さを解消できるマスクスペーサ1を提供する。
【0033】
すなわち、市販の不織布マスクなどの内部にマスクスペーサ1を装着使用することで、感染リスクを増加させることなく、呼吸困難やマスク頭痛、マスク内の蒸れを防止できる。また、上記従来のファン付きマスクと異なり市販の不織布マスクや布マスクが使用でき、かつ低騒音となる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、マスクスペーサ1を備えるマスク内換気装置として用いても良い。また、図4に示すように、風量不足の場合には複数個の呼気ファン3を並設しても良い。また、学習や集中を要するデスクワーク時にマスクスペーサ1単体をゴム紐等で装着することにより、口周りの空気の滞留を防ぎ呼吸改善する効果があり、その結果、学習効率・作業効率の向上が期待できる。さらに、呼気ファン3のファン電流の増減間隔から呼吸速度(息を吐いてから吸うまでの時間)を検知して呼吸間隔に応じた換気量とすることにより、息苦しさの軽減と騒音低減及び飛沫散布による感染リスクを抑えることも考え得る。
【符号の説明】
【0035】
1 マスクスペーサ
2 スペーサ部
2a,2b 脚部
2c 通気孔
3 呼気ファン
3a 下端部
3b 吸い込み面
3c 吐き出し面
4 マスク
S 換気空間
【要約】
【課題】マスクの着用時にマスク内に滞留する空気を、ウイルスによる感染リスクを下げながら、より効率的に換気して、着用者の感じる息苦しさや蒸し暑さを解消できる呼気ファン付きマスクスペーサを提供する
【解決手段】呼気ファン付きマスクスペーサ1は、略U字形状を有し、マスク4の着用者の鼻翼部分に係止可能なスペーサ部2と、スペーサ部2の下方に一体接続されて外方から空気を吸い込むためのファンを内蔵した呼気ファン3と、を備える。スペーサ部2は、上縁左右端から上方に延出する一対の脚部2a,2bを有することで略U字形状を形成している。呼気ファン付きマスクスペーサ1の着用時において、スペーサ部2と呼気ファン3とが所定角度を成すことでマスク4の着用者の口近傍に空気の換気空間が形成される。この構成により、呼気ファン付きマスクスペーサ1は、マスク4内に滞留する空気を、ウイルスによる感染リスクを下げながら、より効率的に換気できる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4