特許第6984078号(P6984078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6984078-楽譜収納リーフ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984078
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】楽譜収納リーフ
(51)【国際特許分類】
   B42F 7/00 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   B42F7/00 F
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-78534(P2017-78534)
(22)【出願日】2017年3月25日
(65)【公開番号】特開2018-161880(P2018-161880A)
(43)【公開日】2018年10月18日
【審査請求日】2020年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】509172376
【氏名又は名称】株式会社アリア
(72)【発明者】
【氏名】堀口 直子
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/159802(WO,A1)
【文献】 米国特許第06874968(US,B2)
【文献】 特表2007−517693(JP,A)
【文献】 特開2015−147401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00−23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
綴じ部を有する楽譜収納リーフであって、リーフ台紙の綴部側に沿って、表面と裏面に上下に伸びる帯状の綴部側保持片と、このリーフ台紙の綴部側と対向する端部側の表面と裏面に上下に伸びる帯状の端部側保持片とを設け、さらに前記綴部側保持片と前記端部側保持片の底部側にそれぞれ綴部側底部シール部と端部側底部シール部を設けてなるとともに上部側はシール部を設けず解放してなることを特徴とする楽譜収納リーフ。
【請求項2】
前記リーフ台紙の表面と裏面の綴部側に沿って設けた前記綴部側保持片は、楽譜収納リーフのリーフ台紙とともに綴部も構成することを特徴とする前記請求項1記載の楽譜収納リーフ。
【請求項3】
前記リーフ台紙の表面と裏面の綴部側に沿って設けた前記綴部側保持片は、楽譜収納リーフのリーフ台紙とともに綴部も構成するために楽譜収納リーフの綴部又は前記綴部側保持片を構成する位置までの少なくとも1部をシールする綴部側保持片シール部を設けたことを特徴とする前記請求項2記載の楽譜収納リーフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指揮者、楽器奏者、歌手などが譜面に練習中も書き込みを容易にした楽譜収納リーフに関する。
【背景技術】
【0002】
単片になった音楽用の譜面は、演奏曲が複数の場合、曲の演奏順序などを考慮すると、演奏曲の順番を自由に入れ替えられる透明袋状のフォルダー(クリアファイル)に入れて使用するのが便利である。しかし、音楽家は曲ごとの演奏の進行を変えたり、編曲したり複数の曲を繋げたりして、楽譜自体を微妙にアレンジしたりして演奏することが多く、楽譜に書き込みすることが非常に多い。
【0003】
したがって、上述のクリアファイルのようなファイルは、透明なポケット状の袋に入れられるので捲れ防止効果はあるもの、練習中に各種の書き込みを行う場合は、その都度、楽譜を袋から出して、書き込みしなくてはならずあまり便利とはいえなかった。
【0004】
そこで、本願発明者は、練習中に各種の書き込みを行える楽譜用ファイルを提案してきた(特許文献1)。しかしながら、この特許文献1で提案されたファイルは、楽譜の綴じ枚数が限定されたファイルであって、随時、楽譜の綴じ枚数が、限定されてしまっていた。
【0005】
したがって、バインダーなどに逐一追加、取り外しできるものが、提案されてきた。例えば、特許文献2に示されるように楽譜がリーフに装着されて、バインダー等に加除自在に綴じられるようなものが提案されてきた。しかしながら、加除式のリーフは、綴じ部が、破損し易い点と、楽譜を取り付ける構造が、弱いため、楽譜がリーフから落脱しやすいものが多い。特許文献2のリーフは、楽譜を上下で保持する機構のため、リーフの綴じ部、すなわちバインダーの綴じ部を演奏者が持って移動していると、楽譜が綴じ部の反対側から落脱しやすいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−147401号公報
【特許文献2】特開2000−211280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、加除式のバインダーに閉じるタイプの楽譜収納リーフであって、綴じ部の強度を増し、不用意に楽譜が脱落しない楽譜収納リーフを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の楽譜収納リーフは、綴じ部を有するものであって、リーフ台紙の綴部側に沿って、表面と裏面に、楽譜を保持する上下に伸びる帯状の綴部側保持片と、このリーフ台紙の綴部側と対向する端部側の表面と裏面に、楽譜を保持する上下に伸びる帯状の端部側保持片とを設け、さらに前記綴部側保持片と前記端部側保持片の底部側に保持した楽譜が脱落しないように、それぞれ綴部側底部シール部と端部側底部シール部を設けてなるものである。
【0008】
また請求項2において、前記リーフ台紙の表面と裏面の綴部側に沿って設けた前記綴部側保持片は、楽譜収納リーフのリーフ台紙とともに綴部も構成するようにした。すなわち本発明の楽譜収納リーフの綴部は表面の綴部側保持片のシート、リーフ台紙、裏面の綴部側保持片のシートの三層で構成したため、強力に補強されたものとなり、破損しにくくした。
【0009】
さらに請求項3において、前記リーフ台紙の表面と裏面の綴部側に沿って設けた前記綴部側保持片は、楽譜収納リーフのリーフ台紙とともに綴部も構成するために楽譜収納リーフの綴部又は前記綴部側保持片を構成する位置までの少なくとも1部をシールする綴部側保持片シール部を設け楽譜を保持し易くした。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の楽譜収納リーフをバインダーに綴じた状態の表面説明図。
図2】本発明の楽譜収納リーフの平面説明図。
図3】本発明の図3のX−X線断面説明図。
図4】本発明の楽譜収納リーフ楽譜を収納した状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の楽譜収納リーフの実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の楽譜収納リーフをバインダーに綴じた状態の表面説明図であるが、図2及び図2のX−X断面説明図を示す図3に基づいて説明すると、リーフ台紙1の綴部側に沿って、表面と裏面に楽譜を保持する綴部側保持片4と、このリーフ台紙1の綴部側と対向する端部側の表面と裏面に楽譜を保持する端部側保持片3とを設け、さらに前記綴部側保持片4と前記端部側保持片3の底部側に保持した楽譜が脱落しないように、それぞれ綴部側底部シール部8と端部側底部シール部6を設けてなるものである。
【0012】
前記綴部側保持片4は、図3に示されるように綴部側のリーフ台紙1をくるんで、直線的に綴部側保持片シール部7によって、一体的に構成している。これにより、リーフ綴部9は、補強され破損し難い構造とした。本実施例では、線状態の綴部側保持片シール部7としたが、リーフ綴部9全体をシールして圧着しても良い。
【0013】
一方、このリーフ台紙1の綴部側と対向する端部側の表面と裏面に楽譜を保持する端部側保持片3を設け、リーフ台紙1をくるんで、直線的に端部側保持片シール部5によって、一体的に構成している。本実施例では、綴部側保持片4と端部側保持片3はリーフ台紙1をくるんで構成しているが、必ずしもくるむ必要はなく、リーフ台紙1の表面側と裏面側に重ねて、シール部で一体にしても良いものである。
【0014】
このようにして、楽譜収納リーフ1は、構成されている。リーフ綴部9の実施例では、4穴の綴じ穴が構成されて図1に示されるバインダーに綴じられて使用される。図4に示されるように単片の楽譜の両側を、綴部側保持片4と端部側保持片3に挟んで保持する。楽譜は、端部底部側シール部7、綴部底部側シール部8で下部に脱落することはない。
【0015】
また、静電気を帯びる材質にすることで、上部から簡単に脱落しないようにもできる。さらに楽譜収納リーフを綴じるバインダーも4穴に限定されることもなく、例えば2穴のフォルダー、ルーズリーフタイプのフォルダーでもよく、あるいは、ページ数は限定されるが楽譜収納リーフをリングノートタイプ綴じ方でも問題ない。
【0016】
本発明は、綴部が強化され、上部で書き込みが容易で、しかもきわめて使い勝手の良い楽譜収納リーフが提供できる。
【符号の説明】
【0017】
1…楽譜収納リーフ
2…リーフ台紙
3…端部側保持片
4…綴部側保持片
5…端部側保持片シール部
6…端部底部側シール部
7…綴部側保持片シール部
8…綴部底部側シール部
9…リーフ綴部
10…リーフ綴穴
11…リーフバインダー
12…バインダーリング
13…バインダー綴部
21…楽譜
図1
図2
図3
図4