特許第6984092号(P6984092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984092
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】洗浄組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/50 20060101AFI20211206BHJP
   C11D 7/08 20060101ALI20211206BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20211206BHJP
   C11D 7/26 20060101ALI20211206BHJP
   C11D 7/34 20060101ALI20211206BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20211206BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   C11D7/50
   C11D7/08
   C11D7/32
   C11D7/26
   C11D7/34
   B08B3/08 Z
   H01L21/304 647A
【請求項の数】24
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-501912(P2018-501912)
(86)(22)【出願日】2016年7月14日
(65)【公表番号】特表2018-528284(P2018-528284A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(86)【国際出願番号】US2016042190
(87)【国際公開番号】WO2017011617
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2019年5月29日
(31)【優先権主張番号】62/192,243
(32)【優先日】2015年7月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514251329
【氏名又は名称】フジフイルム エレクトロニック マテリアルズ ユー.エス.エー., インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】スギシマ、 ヤスオ
(72)【発明者】
【氏名】パク、 ギヨン
(72)【発明者】
【氏名】ドリー、 トーマス
【審査官】 ▲吉▼澤 英一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/060954(WO,A1)
【文献】 特表2010−515246(JP,A)
【文献】 特表2008−546036(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102827707(CN,A)
【文献】 特開2007−016232(JP,A)
【文献】 特開2007−128064(JP,A)
【文献】 特開2009−021516(JP,A)
【文献】 再公表特許第2005/019499(JP,A1)
【文献】 特表2017−519862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 7/50
C11D 7/08
C11D 7/32
C11D 7/26
C11D 7/34
B08B 3/08
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)HF;
b)少なくとも1種の有機溶媒;
c)トリアゾール及び芳香族無水物を含む少なくとも2種の腐食防止剤;並びに
d)水
を含む組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、アルコール類、ケトン類、エーテル類、及びエステル類からなる群より選択される溶媒を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、アルコール類からなる群より選択される溶媒を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、アルカンジオールを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、アルキレングリコールを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
前記アルキレングリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、及びテトラエチレングリコールからなる群より選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項7】
前記アルキレングリコールは、ジプロピレングリコールである、請求項に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、エーテル類からなる群より選択される溶媒を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、グリコールエーテル類からなる群より選択される溶媒を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
前記グリコールエーテルは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−エトキシ−1−プロパノール、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、及びジエチレングリコールモノベンジルエーテルからなる群より選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項11】
前記グリコールエーテルは、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル又はジプロピレングリコールモノエチルエーテルである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、ケトン類からなる群より選択される溶媒を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、環状ケトン類からなる群より選択される溶媒を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項14】
前記環状ケトンは、シクロヘキサノンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも2種の有機溶媒を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項16】
前記少なくとも2種の有機溶媒は、シクロヘキサノン及びジプロピレングリコールを含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも2種の有機溶媒は、トリプロピレングリコールメチルエーテル及びジエチレングリコールエチルエーテルを含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、DMSO(Dimethyl Sulfoxide)を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項19】
前記芳香族無水物は、無水安息香酸、無水フタル酸、又は2−スルホ無水安息香酸を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、前記組成物の少なくとも95重量%の量である、請求項に記載の組成物。
【請求項21】
前記少なくとも種の腐食防止剤は、前記組成物の0.05重量%〜1重量%の量である、請求項に記載の組成物。
【請求項22】
前記水は、前記組成物の0.5重量%〜2重量%の量である、請求項に記載の組成物。
【請求項23】
前記HFは、前記組成物の0.05重量%〜1重量%の量である、請求項に記載の組成物。
【請求項24】
a)HF;
b)少なくとも1種の有機溶媒;
)2−スルホ無水安息香酸である1種の腐食防止剤;及び
d)水
を含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2015年7月14日に出願された米国特許仮出願第62/192,243号に基づく優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0002】
本開示は、半導体デバイスの製造において半導体基板から残渣を除去するための組成物及びプロセス全般に関する。本開示の組成物は、基板のエッチング残渣及び/又は金属酸化物を、金属導電体、バリア材料、絶縁体材料、並びに銅、タングステン、及びLow‐k誘電体材料(低誘電率材料)の露出層又は下地層などの他の材料の存在下で除去するのに有用である。
【背景技術】
【0003】
半導体産業において、マイクロ電子デバイス、シリコンチップ、液晶ディスプレイ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、及びプリント配線板等における電子回路及び電子コンポーネントの寸法縮小及び密度上昇が急速に進められている。これらの中の集積回路は層構造又は積層構造とされており、各回路層間の絶縁層の厚みは小さくなり続け、加工寸法(feature sizes)がどんどん縮小されている。加工寸法の縮小に伴い、パターンがより小さくなり、デバイスの性能パラメーターはより厳密なものとなり、より信頼できるものになってきた。その結果、これまでは許容できた様々な問題が、加工寸法の縮小に起因してもはや許容することができなくなったり、ますます問題となってきている。
【0004】
金属層(又は金属膜)は、一般的に腐食を受けやすい。例えば、アルミニウム、銅、アルミニウム−銅合金、窒化タングステン、タングステン(W)、コバルト(Co)、酸化チタン、他の金属、及び金属窒化物等の金属又は金属合金は、従来の洗浄用化学物質を用いることにより腐食しやすく、誘電体[ILD、ULK]がエッチングされてしまうことがある。加えて、集積回路デバイスの製造業者に許容される腐食の量は、デバイス形状の寸法縮小に伴いどんどん小さくなっている。
【0005】
同時に、残渣の除去がより困難になってきており、腐食のレベルをますます低く抑えなければならず、洗浄溶液は安全に使用でき、環境にやさしいものでなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、洗浄溶液は、プラズマエッチング及びプラズマアッシンングの残渣を除去するのに効果的であるべきであり、且つすべての露出している基板材料を腐食させるものであってはならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、多工程製造プロセスにおける中間工程として、主に半導体基板からエッチング残渣(例えば、プラズマエッチング及び/又はプラズマアッシング残渣)及び/又は金属酸化物を除去するのに有用な非腐食性洗浄組成物に関する。これらの残渣は:残留フォトレジストのような有機化合物;有機金属化合物;アルミニウム、アルミニウム/銅合金、銅、チタン、タンタル、タングステン、コバルト、窒化チタン及び窒化タングステン等の金属窒化物などの露出している金属又は金属合金に由来する反応副生成物として形成される金属酸化物;並びに他の材料の、様々な比較的不溶性の混合物を含む。本明細書中の洗浄組成物は、半導体基板上で接触する様々な残渣を除去することができ、露出した基板材料(例えば、アルミニウム、アルミニウム/銅合金、銅、チタン、タンタル、タングステン、コバルト、並びに窒化チタン及び窒化タングステン等の金属窒化物などの露出した金属又は金属合金)に対して一般的に非腐食性である。
【0008】
ある実施形態では、本開示は、a)HF;b)少なくとも1種の有機溶媒;c)トリアゾール、芳香族無水物、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の腐食防止剤;並びにd)水を含む組成物に関する。
【0009】
別の実施形態では、本開示は、半導体基板の洗浄方法に関する。このような方法は、例えば、エッチング後の残渣及び/又はアッシング後の残渣を含む半導体基板を、本開示の洗浄組成物と接触させることにより行ってもよい。
【0010】
さらに別の実施形態では、本開示は、上述した方法により形成した物品に関し、この物品は半導体デバイス(例えば、集積回路)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において、特に断りのない限り、記載されているすべてのパーセントは、組成物の総重量を基準とした重量パーセントであるとして理解されるべきである。特に断りのない限り、周囲温度とは、摂氏約16度(℃)から約27度(℃)として定義する。
【0012】
ある実施形態では、本開示は、a)HF;b)少なくとも1種の有機溶媒;c)トリアゾール、芳香族無水物、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の腐食防止剤;並びにd)水を含む組成物について記載する。
【0013】
ある実施形態では、本開示の組成物は、置換又は無置換のベンゾトリアゾールから選択される少なくとも1種の腐食防止剤を含有する。理論に束縛されるものではないが、このような組成物は、いかなる腐食防止剤も含まない組成物と比較して、半導体基板中に存在し得るTiOxとの相溶性を大きく改善し得ると考えられる。
【0014】
好適な置換ベンゾトリアゾールとしては、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、及びヒドロキシル基で置換されたベンゾトリアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。置換ベンゾトリアゾールは、1又は複数のアリール(例えば、フェニル)又はヘテロアリール基と縮合したものも含む。
【0015】
腐食防止剤として使用するのに好適なベンゾトリアゾールとしては、ベンゾトリアゾール(BTA)、5−アミノベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−フェニルチオールベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、4−クロロベンゾトリアゾール、5−ブロモベンゾトリアゾール、4−ブロモベンゾトリアゾール、5−フルオロベンゾトリアゾール、4−フルオロベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、トリルトリアゾール、5−フェニルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、4−ニトロベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−(5−アミノペンチル)ベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、4−メチルベンゾトリアゾール、4−エチルベンゾトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾール、4−プロピルベンゾトリアゾール、5−プロピルベンゾトリアゾール、4−イソプロピルベンゾトリアゾール、5−イソプロピルベンゾトリアゾール、4−n−ブチルベンゾトリアゾール、5−n−ブチルベンゾトリアゾール、4−イソブチルベンゾトリアゾール、5−イソブチルベンゾトリアゾール、4−ペンチルベンゾトリアゾール、5−ペンチルベンゾトリアゾール、4−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−メトキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、5−t−ブチルベンゾトリアゾール、5−(1’,1’−ジメチルプロピル)ベンゾトリアゾール、5−(1’,1’,3’−トリメチルブチル)ベンゾトリアゾール、5−n−オクチルベンゾトリアゾール、及び5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)ベンゾトリアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本開示のある実施形態では、組成物は、芳香族無水物を含む。本明細書において、「芳香族無水物」とは、同じ分子中に、少なくとも1種の5又は6員芳香族環と無水物部分とを有する分子を意味する。ある実施形態では、本開示の組成物は、無水安息香酸及び無水フタル酸から選択される少なくとも1種の腐食防止剤を含有する。ある実施形態では、無水安息香酸は、2−スルホ無水安息香酸である。
【0017】
ある実施形態では、本開示の組成物は、前記腐食防止剤を約0.05重量%以上(例えば、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、又は約0.3重量%以上)及び/又は約1重量%以下(例えば、約0.7重量%以下、約0.6重量%以下、又は約0.5重量%以下)含む。
【0018】
ある実施形態では、本開示の組成物は、本明細書に記載の腐食防止剤を少なくとも2種(例えば、2種、3種、4種、又はそれ以上)含む。理論に束縛されるものではないが、このような組成物は、半導体基板中に存在し得るSiNとの相溶性を大きく改善し得ると考えられる。
【0019】
本開示の組成物は、少なくとも1種の有機溶媒を含有する。ある実施形態では、有機溶媒は、アルコール類、ケトン類、エステル類、及びエーテル類(例えば、グリコールジエーテル類)からなる群より選択される。ある実施形態では、本開示の組成物は、有機溶媒を少なくとも2種(例えば、2種、3種、4種、又はそれ以上)含有する。
【0020】
アルコール類としては、アルカンジオール類(アルキレングリコール類が挙げられるが、これらに限定されない)、グリコール類、アルコキシアルコール類(グリコールモノエーテル類が挙げられるが、これらに限定されない)、飽和脂肪族一価アルコール類、不飽和非芳香族一価アルコール類、及び環構造を有するアルコール類(例えば、低分子量アルコール類)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
アルカンジオール類としては、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ピナコール、及びアルキレングリコール類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
アルキレングリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、及びテトラエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
アルコキシアルコール類としては、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−ブタノール、及びグリコールモノエーテル類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
グリコールモノエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−エトキシ−1−プロパノール、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、及びジエチレングリコールモノベンジルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
飽和脂肪族一価アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−ペンタノール、t−ペンチルアルコール、及び1−ヘキサノールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
不飽和非芳香族一価アルコール類としては、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、2−ブテニルアルコール、3−ブテニルアルコール、及び4−ペンテン−2−オールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
環構造を有するアルコール類としては、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、及び1,3−シクロペンタンジオールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
ケトン類としては、アセトン、シクロブタノン、シクロペンタノン、ジアセトンアルコール、2−ブタノン、5−ヘキサンジオン、1,4−シクロヘキサンジオン、3−ヒドロキシアセトフェノン、1,3−シクロヘキサンジオン、及びシクロヘキサノンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
エステル類としては、酢酸エチル、グリコールモノエステル(エチレングリコールモノアセテート及びジエチレングリコールモノアセテート等)、並びにグリコールモノエーテルモノエステル(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、及びエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
ある実施形態では、本開示の組成物は、有機溶媒を合計で少なくとも約95重量%含む。
【0031】
本開示の組成物は、水を含む。ある実施形態では、水は、脱イオン化され、超純水であり、有機汚染物質を含有せず、最小抵抗率が約4〜約17メガオームである。ある実施形態では、水の抵抗率は少なくとも約17メガオームである。ある実施形態では、本開示の組成物は、水を約0.5重量%〜約2重量%含む。
【0032】
ある実施形態では、本開示の組成物は、所望により含まれる成分として、更なる腐食防止剤、界面活性剤、更なる有機溶媒、殺生物剤、及び消泡剤等の添加剤を含有してもよい。
【0033】
好適な消泡剤としては、ポリシロキサン消泡剤(例えば、ポリジメチルシロキサン)、ポリエチレングリコールメチルエーテルポリマー、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、及びグリシジルエーテル封止アセチレンジオールエトキシレート(参照により本明細書に取り込まれる、米国特許第6,717,019号明細書に記載のもの等)が挙げられる。所望により含まれる界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、非イオン性、又は両性であってもよい。
【0034】
ある実施形態では、本開示のエッチング組成物は、添加剤成分の1種又は複数種を特に含まないものであってもよく、2種以上の添加剤成分を特に含まない場合は、任意の組み合わせの添加剤成分群を含まないものであってもよい。このような成分は、酸素捕捉剤、四級水酸化アンモニウムを含む四級アンモニウム塩、アミン、アルカリ性塩基(NaOH、KOH、及びLiOH等)、消泡剤以外の界面活性剤、消泡剤、HF以外のフッ化物含有化合物、研磨剤、ヒドロキシカルボン酸、アミノ基を有さないカルボン酸及びポリカルボン酸、緩衝剤、並びに非アゾール腐食防止剤からなる群より選択される。
【0035】
本開示の組成物は、単に成分を一緒に混合することにより調製してもよく、キット中の2種の組成物をブレンドすることにより調製してもよい。
【0036】
本開示のある実施形態では、半導体基板の洗浄方法が提供される。このような方法は、例えば、エッチング後の残渣及び/又はアッシング後の残渣を含む半導体基板を本開示の洗浄組成物と接触させることにより行ってもよい。ある実施形態では、前記方法は接触工程の後に基板をリンスすることを含む。
【0037】
ある実施形態では、前記方法により半導体基板中のCo、SiN、又はCuが実質的に除去されない。例えば、前記方法により半導体基板中のCo、SiN、又はCuが約5重量%より多く(例えば、約3重量%より多く、又は約1重量%より多く)除去されない。
【0038】
ある実施形態では、エッチング方法は、上記の方法によって得られる半導体基板から半導体デバイス(例えば、半導体チップ等の集積回路デバイス)を形成することを更に含む。
【0039】
半導体基板は、通常、シリコン、シリコンゲルマニウム、GaAsのような第III族−V族化合物、又はこれらのいずれかの組み合わせからなる。半導体基板は、相互接続体(例えば、金属線及び誘電体材料)等の露出した集積回路構造を更に含んでいてもよい。相互接続体に用いられる金属及び金属合金としては、アルミニウム、銅との合金化アルミニウム、銅、チタン、タンタル、コバルト、シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、及びタングステンが挙げられるが、これらに限定されない。半導体基板は、層間誘電体、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化チタン、及び炭素ドープ酸化ケイ素の層を含んでいてもよい。
【0040】
半導体基板と本開示の組成物との接触は、適切であればいかなる方法で行われてもよく:組成物をタンクに入れ、組成物中に半導体基板を浸漬させる及び/若しくは沈めること;組成物を半導体基板上にスプレーすること;組成物を半導体基板上に流すこと;又はこれらのいずれかの組み合わせ等によって行われてもよい。ある実施形態では、半導体基板を組成物中に浸漬する。
【0041】
本開示の組成物は、最高約85℃の温度までは効果的に用いることができる。ある実施形態では、組成物を約20℃〜約80℃で用いてもよい。ある実施形態では、組成物を約55℃〜約65℃の温度範囲で用いてもよい。ある実施形態では、約60℃〜約65℃の温度範囲を用いる。
【0042】
半導体基板が本開示の組成物と接触している時間の範囲は、具体的な方法、厚み、及び用いられる温度に応じて大きく変わってもよい。浸漬バッチタイプのプロセスの場合、好適な時間範囲は、例えば、最大約10分である。ある実施形態では、バッチタイププロセスの場合の範囲は、約1分〜約7分である。ある実施形態では、バッチタイププロセスの場合の時間範囲は、約1分〜約5分である。ある実施形態では、バッチタイプエッチングプロセスの場合の時間範囲は、約2分〜約4分である。
【0043】
一つのウェハが本開示の組成物と接触している時間の長さは、約30秒〜約5分の範囲であってもよい。ある実施形態では、一つのウェハを処理する時間は、約30秒〜約4分の範囲であってもよい。ある実施形態では、一つのウェハを処理する時間は、約1分〜約3分の範囲であってもよい。ある実施形態では、一つのウェハを処理する時間は、約1分〜約2分の範囲であってもよい。
【0044】
本開示の組成物の洗浄能力をさらに向上させるために、機械的撹拌手段を用いてもよい。好適な撹拌手段としては、基板上での組成物の循環、基板上での組成物の流動又はスプレー、及び洗浄プロセス中での超音波又はメガソニック撹拌が挙げられる。半導体基板は地表面に対していかなる角度で配置してもよい。水平に配置するか、又は垂直に配置することが好ましい。
【0045】
洗浄に続いて、所望により、撹拌手段を用いて又は用いずに約5秒間から約5分間にわたって好適なリンス溶媒で半導体基板をリンスしてもよい。異なるリンス溶媒を用いる複数のリンス工程を用いてもよい。好適なリンス溶媒としては、脱イオン(DI)水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、N‐メチルピロリジノン、ガンマ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられるが、これらに限定されない。代わりに又は更に、pHが8より大きい水性リンス剤(希釈水酸化アンモニウム水溶液等)を用いてもよい。リンス溶媒としては、希釈水酸化アンモニウム水溶液、DI(deionized)水、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、リンス溶媒は、希釈水酸化アンモニウム水溶液、DI水、及びイソプロピルアルコールである。ある実施形態では、リンス溶媒は、希釈水酸化アンモニウム水溶液及びDI水である。溶媒の適用は、本明細書に記載の組成物の適用に用いる手段に類似する手段を用いて行ってもよい。本開示の組成物は、リンス工程の開始前に半導体基板から除去していてもよく、リンス工程の開始時に半導体基板と接触したままであってもよい。ある実施形態では、リンス工程で用いられる温度は、16℃〜27℃である。
【0046】
所望により、半導体基板をリンス工程の後に乾燥してもよい。本技術分野にて公知のいかなる好適な乾燥手段が用いられてもよい。好適な乾燥手段としては、スピン乾燥、半導体基板全体にわたる乾燥ガスの気流、ホットプレート若しくは赤外線ランプ等の加熱手段を用いた半導体基板の加熱、マラゴニ乾燥、ロタゴニ乾燥、IPA(isopropylalcohol)乾燥、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。乾燥時間は、用いる具体的な方法に応じて異なるが、通常、30秒間から数分間のオーダーである。
【0047】
以下の実施例を参照して本開示をより詳細に説明するが、これらの実施例は説明のためのものであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
【実施例】
【0048】
記載したパーセントは、特に断りのない限り、重量%である。試験では、特に断りのない限り、1インチの撹拌子を用いて300rpm(revolutions per minute)で攪拌を制御した。
【0049】
一般手順1
製剤のブレンド
攪拌しながら、算出した量の有機溶媒に製剤の残りの成分を添加することにより洗浄組成物のサンプルを調製した。均一な溶液が得られた後、所望により、添加剤を用いるのであればこれを添加してもよい。
【0050】
一般手順2
ビーカー試験による洗浄評価
リソグラフィでパターン化し、プラズマ金属エッチング装置でエッチングし、続いて酸素プラズマアッシングによりフォトレジストのトップ層を完全に除去した、フォトレジスト/TiOx/SiN/Co/ILD(ILD=層間絶縁体)又はフォトレジスト/TiOx/SiN/W/ILDの多層基板を用いて、基板のPER(エッチング後の残渣)を洗浄組成物により洗浄した。
【0051】
試験クーポン(test coupons)を、長さ4インチのプラスチックロッキングピンセットを用いて保持し、本開示の洗浄組成物をおよそ200ミリリットル入れた容量500mlのテフロンビーカー内にクーポンを吊り下げることができるようにした。クーポンを洗浄組成物中に浸漬させる前に、組成物の撹拌を制御しながら、所望の試験条件温度(通常、述べたように40℃又は60℃)まで予備加熱した。続いて、プラスチックピンセットで保持したクーポンを、加熱した組成物中に、クーポンのPER層を有する側が撹拌子側になるように入れることにより洗浄試験を行った。組成物の攪拌を制御しながら試験温度に維持した状態で、クーポンを一定時間(通常、2〜5分間)洗浄組成物中にて静置した。所望の洗浄時間の経過後、クーポンを洗浄組成物から素早く取り出し、周囲温度(約17℃)で緩やかに撹拌したおよそ400mlの脱イオン水を満たした500mlのプラスチックビーカーにクーポンを入れた。クーポンをビーカーの脱イオン水の中でおよそ30秒間放置し、続いて素早く取り出し、周囲温度の脱イオン水流により約30秒間リンスした。手持ち型の窒素ブローガンからの窒素ガス流にクーポンを直ちに曝し、これによりクーポン表面上のあらゆる液滴もクーポンから吹き飛ばし、更に、クーポンデバイス表面を完全に乾燥させた。この最終窒素乾燥工程の後、クーポンをプラスチックピンセットホルダーから取り外し、デバイス側を上にしてカバー付きプラスチックキャリアに入れ、約2時間未満の短時間保存を行った。次に、洗浄した試験クーポンデバイス表面上の主要な構造について、走査型電子顕微鏡(SEM)画像を収集した。
【0052】
一般手順3
ビーカー試験による材料相溶性評価
シリコン基板上のブランケットCo、シリコン基板上のW、シリコン基板上のSiO上TiOx、シリコン基板上のSiN、シリコン基板上のILDをさいの目に切り、材料相溶性試験用のおよそ1インチ×1インチの正方形試験クーポンにした。まず、試験クーポンについて、金属膜(Co、W)の場合は4点プローブ、CDE Resmap 273により、又は誘電体膜(TiOx、SiN、及びILD)の場合はWoollam M‐2000Xを用いたエリプソメトリにより、厚み又はシート抵抗を測定した。次に、試験クーポンを長さ4インチのプラスチックロッキングピンセットにセットし、クーポンのCo、W、TiOx、SiN、又はILD層を有する側が撹拌子側になるようにして、一般手順3の洗浄手順に記載の通りに10分間処理した。
【0053】
最終窒素乾燥工程後、クーポンをプラスチックピンセットホルダーから取り外し、カバー付きプラスチックキャリアに入れた。金属膜(Co及びW)の場合は4点プローブ、CDE Resmap 273により、又は誘電体膜(TiOx、SiN、及びILD)の場合はWoollam M‐2000Xを用いたエリプソメトリにより、処理後の試験クーポン表面における処理後厚み又は処理後シート抵抗を測定した。
【0054】
実施例1
製剤例1及び2並びに比較製剤例1を、一般手順1に従って調製し、一般手順2及び3に従って評価した。結果を表1にまとめる。
【0055】
【表1】
【0056】
表1は、本開示の腐食防止剤を含まない製剤と比較して、本開示の製剤はTiOxとの相溶性を大きく改善したことを示す。
【0057】
実施例2
製剤例3及び4を、一般手順1に従って調製し、一般手順2及び3に従って評価した。結果を表2にまとめる。
【0058】
【表2】
【0059】
表2は、2種の腐食防止剤を含有する本開示の製剤は、SiNとの相溶性を大きく改善したことを示す。
【0060】
実施例3
製剤例5〜8及び比較製剤例2を、一般手順1に従って調製し、一般手順2及び3に従って評価した。結果を表3にまとめる。
【0061】
【表3】
【0062】
表3は、腐食防止剤を含まない二溶媒製剤と比較して、本開示の2種の溶媒及び腐食防止剤を含有する製剤は、TiO及びCoのエッチング速度が大きく改善したことを示す。
【0063】
実施例4
本開示の組成物についてさらに詳細に述べるために、追加の製剤例を表4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】
特定の実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、改変及び変更も、本明細書に記載され、特許請求の範囲に記載される事項の趣旨及び範囲の範疇であることは理解される。
〔付記〕
<1> a)HF;b)少なくとも1種の有機溶媒;c)トリアゾール、芳香族無水物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の腐食防止剤;並びに
d)水を含む洗浄組成物。
<2> 前記少なくとも1種の有機溶媒は、アルコール類、ケトン類、エーテル類、及びエステル類からなる群より選択される溶媒を含む、<1>に記載の組成物。
<3> 前記少なくとも1種の有機溶媒は、アルコール類からなる群より選択される溶媒を含む、<1>に記載の組成物。
<4> 前記アルコール類は、アルカンジオール類である、<3>に記載の組成物。
<5> 前記アルカンジオール類は、グリコール類である、<3>に記載の組成物。
<6> 前記グリコール類は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、及びテトラエチレングリコールからなる群より選択される、<5>に記載の組成物。
<7> 前記グリコールは、ジプロピレングリコールである、<6>に記載の組成物。
<8> 前記少なくとも1種の有機溶媒は、エーテル類からなる群より選択される溶媒を含む、<1>に記載の組成物。
<9> 前記少なくとも1種の有機溶媒は、グリコールエーテル類からなる群より選択される溶媒を含む、<8>に記載の組成物。
<10> 前記グリコールエーテルは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−エトキシ−1−プロパノール、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、及びジエチレングリコールモノベンジルエーテルからなる群より選択される、<9>に記載の組成物。
<11> 前記グリコールエーテルは、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル又はジプロピレングリコールモノエチルエーテルである、<10>に記載の組成物。
<12> 前記少なくとも1種の有機溶媒は、ケトン類からなる群より選択される溶媒を含む、<1>に記載の組成物。
<13> 前記少なくとも1種の有機溶媒は、環状ケトン類からなる群より選択される溶媒を含む、<1>に記載の組成物。
<14> 前記環状ケトンは、シクロヘキサノンである、<13>に記載の組成物。
<15> 少なくとも2種の有機溶媒を含む、<1>に記載の組成物。
<16> 前記少なくとも2種の有機溶媒は、シクロヘキサノン及びジプロピレングリコールを含む、<15>に記載の組成物。
<17> 前記少なくとも2種の有機溶媒は、トリプロピレングリコールメチルエーテル及びジエチレングリコールエチルエーテルを含む、<15>に記載の組成物。
<18> 前記少なくとも1種の有機溶媒は、DMSO(Dimethyl Sulfoxide)を含む、<1>に記載の組成物。
<19> 前記少なくとも1種の有機溶媒は、前記組成物の少なくとも95重量%の量である、<1>に記載の組成物。
<20> 前記少なくとも1種の腐食防止剤は、置換又は無置換のベンゾトリアゾールを含む、<1>に記載の組成物。
<21> 前記少なくとも1種の腐食防止剤は、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、及びヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基によって所望により置換されていてもよいベンゾトリアゾールを含む、<20>に記載の組成物。
<22> 前記置換又は無置換のベンゾトリアゾールは、ベンゾトリアゾール、5−アミノベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−フェニルチオールベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、4−クロロベンゾトリアゾール、5−ブロモベンゾトリアゾール、4−ブロモベンゾトリアゾール、5−フルオロベンゾトリアゾール、4−フルオロベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、トリルトリアゾール、5−フェニルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、4−ニトロベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)ベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、4−メチルベンゾトリアゾール、4−エチルベンゾトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾール、4−プロピルベンゾトリアゾール、5−プロピルベンゾトリアゾール、4−イソプロピルベンゾトリアゾール、5−イソプロピルベンゾトリアゾール、4−n−ブチルベンゾトリアゾール、5−n−ブチルベンゾトリアゾール、4−イソブチルベンゾトリアゾール、5−イソブチルベンゾトリアゾール、4−ペンチルベンゾトリアゾール、5−ペンチルベンゾトリアゾール、4−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−メトキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、5−t−ブチルベンゾトリアゾール、5−(1’,1’−ジメチルプロピル)ベンゾトリアゾール、5−(1’,1’,3’−トリメチルブチル)ベンゾトリアゾール、5−n−オクチルベンゾトリアゾール、及び5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)ベンゾトリアゾールからなる群より選択される、<20>に記載の組成物。
<23> 前記少なくとも1種の腐食防止剤は、無水安息香酸、無水フタル酸、又は2−スルホ無水安息香酸を含む、<1>に記載の組成物。
<24> 前記少なくとも1種の腐食防止剤は、前記組成物の約0.05重量%〜約1重量%の量である、<1>に記載の組成物。
<25> 前記水は、前記組成物の約0.5重量%〜約2重量%の量である、<1>に記載の組成物。
<26> 前記HFは、前記組成物の約0.05重量%〜約1重量%の量である、<1>に記載の組成物。
<27> エッチング後の残渣又はアッシング後の残渣を含む半導体基板を、<1>〜<26>のいずれか一つに記載の洗浄組成物と接触させることを含む、半導体基板の洗浄方法。
<28> 前記接触工程の後に、前記半導体基板をリンス溶媒でリンスすることをさらに含む、<28>に記載の方法。
<29> 半導体デバイスである、<27>に記載の方法によって形成された物品。
<30> 前記半導体デバイスは、集積回路である、<29>に記載の物品。