特許第6984101号(P6984101)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984101
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】シートロック装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20211206BHJP
   B60N 2/20 20060101ALI20211206BHJP
   E05B 83/00 20140101ALI20211206BHJP
   E05B 85/24 20140101ALI20211206BHJP
   E05B 85/04 20140101ALI20211206BHJP
【FI】
   B60N2/90
   B60N2/20
   E05B83/00 D
   E05B85/24
   E05B85/04
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-529396(P2019-529396)
(86)(22)【出願日】2017年7月13日
(86)【国際出願番号】JP2017025578
(87)【国際公開番号】WO2019012656
(87)【国際公開日】20190117
【審査請求日】2020年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 誠人
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−205585(JP,A)
【文献】 特開2016−215995(JP,A)
【文献】 特表2013−506597(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0193963(US,A1)
【文献】 米国特許第06733078(US,B1)
【文献】 独国特許出願公開第10142486(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102014112031(DE,A1)
【文献】 国際公開第2014/141016(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/90
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾倒可能なシートバックに設けられるシートロック装置であって、
車体に設置されるストライカを係止したロック状態と、前記ストライカの係止を解除可能とするアンロック状態と、前記ストライカの係止を解除したフリー状態とに切り替え可能なロック部と、
前記シートバックにおいて前記ロック部とは異なる部位に配置され、レバー部材と、前記レバー部材と前記ロック部とを連結する連結部材と、を有しており、前記レバー部材に対する操作に応じて前記ロック部を前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替えるロック解除部と、
前記ロック部と前記ロック解除部とを保持し、前記シートバックに組み付けられる一体成形品のケースと、
を備え
前記ロック部は、前記シートバックの側部に配置され、
前記ロック解除部は、前記シートバックの上端部に配置され、
前記ケースは、前記シートバックの側部に固定される少なくとも一つの第1固定部と、前記シートバックの上端部に固定される少なくとも一つの第2固定部と、を有しており、
前記第1固定部の前記シートバックに対する固定方向と前記第2固定部の前記シートバックに対する固定方向とは互いに交差しているシートロック装置。
【請求項2】
請求項記載のシートロック装置であって、
前記レバー部材は、シートバック上下方向に前記ロック部と非重畳となるように、前記ロック部に対してシートバック幅方向に偏倚しているシートロック装置。
【請求項3】
請求項又は記載のシートロック装置であって、
前記ロック解除部は、シートバック上下方向に並進移動可能に前記ケースに支持されているインジケータ部材をさらに有しており、
前記インジケータ部材は、前記ロック部が前記ロック状態にある場合に、前記ケースに収納される収納位置に配置され、前記ロック部が前記アンロック状態及び前記フリー状態にある場合に、前記収納位置よりもシートバック上方に配置され、
前記インジケータ部材の外周面は、全周に亘って警告表示面とされているシートロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シートとして、傾倒可能なシートバックを備え、車体に設置されるストライカを係止することによってシートバックの傾倒を阻止するシートロック装置が設けられたシートが知られている。
【0003】
特許文献1に記載されたシートロック装置は、ストライカを係止するロック機構と、ロッドを介してロック機構と連結されたロック解除ノブ機構とを備える。ロック解除ノブ機構の操作ノブが引き起こされると、ロック機構がアンロック状態となってストライカの係止が解除可能となり、シートバックが傾倒可能となる。
【0004】
また、ロック解除ノブ機構には、ロック機構がロック状態にあるかアンロック状態にあるかを表示するインジケータが設けられている。インジケータは、扇形の薄板状に形成されており、円弧面及び表裏面が赤色に着色されるなどして警告面とされている。そして、インジケータは、円弧面をシートバック前方に向けて配置され且つ扇形の中心部分がロック解除ノブ機構を保持するケースによって回動可能に支持されており、ロック機構をアンロック状態とすべく操作ノブが引き起こされた場合に操作ノブに連動して回動され、ケースから突出する。インジケータが突出した状態で、インジケータの警告面がシートバック前方及びシートバック側方から視認可能となり、ロック機構がロック状態にあるかアンロック状態にあるかの確認がシートバック前方及びシートバック側方から可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5574219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたシートロック装置では、ロック機構と、ロック解除ノブ機構とは、個別のケースに保持されており、ロック機構を保持するケースはシートバックの側部に配置され、ロック解除ノブ機構を保持するケースはシートバックの上端部に配置され、個々にシートフレームに固定されている。この場合、シートバックへの組付け工程にて、ロック機構のケースと、ロック解除ノブ機構のケースと、さらにはロック機構とロック解除ノブ機構とを連結するロッドとを組付ける必要があり、作業性に難がある。
【0007】
さらに、ロック機構とロック解除ノブ機構との相対位置は、両機構の組付け位置の精度及びシートフレームの加工精度に起因してばらつく。この相対位置のばらつきを考慮した設計は、ロック機構及びロック解除ノブ機構の大型化を招く虞があり、また相対位置のばらつきは、シートバックへの組付工程にて両機構の組付け位置の調整を要し、作業性のさらなる低下を招く虞がある。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、シートバックに組付ける際の作業性に優れ、小型化が可能なシートロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様のシートロック装置は、傾倒可能なシートバックに設けられるシートロック装置であって、車体に設置されるストライカを係止したロック状態と、前記ストライカの係止を解除可能とするアンロック状態と、前記ストライカの係止を解除したフリー状態とに切り替え可能なロック部と、前記シートバックにおいて前記ロック部とは異なる部位に配置され、レバー部材と、前記レバー部材と前記ロック部とを連結する連結部材と、を有しており、前記レバー部材に対する操作に応じて前記ロック部を前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替えるロック解除部と、前記ロック部と前記ロック解除部とを保持し、前記シートバックに組み付けられる一体成形品のケースと、を備え、前記ロック部は、前記シートバックの側部に配置され、前記ロック解除部は、前記シートバックの上端部に配置され、前記ケースは、前記シートバックの側部に固定される少なくとも一つの第1固定部と、前記シートバックの上端部に固定される少なくとも一つの第2固定部と、を有しており、前記第1固定部の前記シートバックに対する固定方向と前記第2固定部の前記シートバックに対する固定方向とは互いに交差している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シートバックに組付ける際の作業性に優れ、小型化が可能なシートロック装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態を説明するための、シートロック装置を備えるシートの一例の図である。
図2】シートロック装置のロック部を分解して示す斜視図である。
図3】シートロック装置の正面図である。
図4】シートロック装置の斜視図である。
図5】(A)はロック状態にある場合のシートロック装置の模式図であり、(B)はアンロック状態にある場合のシートロック装置の模式図であり、(C)はフリー状態にある場合のシートロック装置の模式図である。
図6】インジケータ部材の動作を示す斜視図である。
図7】シートロック装置のシートバックへの組付け方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明の実施形態を説明するためのシートロック装置を備えるシートの一例を示す。
【0013】
シート1は、自動車等の車両に設置されるシートであって、シート前方に向けて傾倒可能なシートバック2を備え、シートバック2にはシートロック装置10が設けられている。また、シート1が設置される車体にはストライカ3が設けられており、ストライカ3は、シートバック2が起こされている状態で、シートバック2の幅方向一方側の側部2aと対向する位置に配置されている。シートロック装置10は、ストライカ3を係止することによってシートバック2の傾倒を阻止し、シートバック2を起こされた状態に保持する。
【0014】
図2から図4は、シートロック装置10を示す。
【0015】
シートロック装置10は、ロック部11と、ロック解除部12と、ケース13とを備える。
【0016】
ロック部11は、シートバック2の側部2a(図1参照)に配置されており、ストライカ3を係止する。そして、ロック部11は、ストライカ3を係止したロック状態と、ストライカ3の係止を解除可能とするアンロック状態と、ストライカ3の係止を解除したフリー状態とに切り替え可能に構成されている。
【0017】
ロック解除部12は、シートバック2においてロック部11とは異なる部位に配置され、本例では、シートバック2の上端部2b(図1参照)に配置されている。ロック解除部12は、レバー部材14と、レバー部材14とロック部11とを連結する連結部材としてのロッド15とを有し、レバー部材14に対する操作に応じてロック部11をロック状態からアンロック状態に切り替え可能に構成されている。さらに、本例では、ロック解除部12は、ロック部11の状態(ロック状態、アンロック状態、及びフリー状態)を表示するインジケータ部材16を有する。
【0018】
ケース13は、ロック部11を保持する第1保持部17と、ロック解除部12を保持する第2保持部18とを有する。第1保持部17は、シートバック2の側部2aに配置され、シートバック2の内部で側部2aに沿って設けられるサイドフレーム(不図示)に固定される。第2保持部18は、シートバック2の上端部2bに配置され、シートバック2の内部で上端部2bに沿って設けられるアッパフレーム(不図示)に固定される。
【0019】
ケース13は合成樹脂からなる一体成形品であり、第1保持部17と第2保持部18とは一体である。ロック部11の構成部材が第1保持部17に保持され、レバー部材14等のロック解除部12の構成部材が第2保持部18に保持され、さらにロック部11とレバー部材14とがロッド15を介して連結された状態で、ケース13はシートバック2のフレーム(サイドフレーム及びアッパフレーム)に組付けられる。
【0020】
以下、ロック部11及びロック解除部12の詳細な構成を説明する。
【0021】
ロック部11は、ラッチ20と、ポール21と、カム22と、カバープレート23とを有する。ラッチ20と、ポール21と、カム22とは、ケース13の第1保持部17に組付けられており、カバープレート23は、ラッチ20、ポール21、及びカム22を第1保持部17との間に挟んで第1保持部17に組付けられている。
【0022】
第1保持部17にはストライカ溝25Aが設けられており、カバープレート23にも、第1保持部17のストライカ溝25Aに重なるストライカ溝25Bが設けられている。ストライカ3は、シートバック2が起こされる際にストライカ溝25A,25B(以下、纏めてストライカ溝25という)に進入し、シートバック2が傾倒される際にストライカ溝25から脱出する。
【0023】
ラッチ20は、ストライカ溝25の左右いずれか片側に配置されており、第1保持部17とカバープレート23とに保持されているラッチ軸26によって回動可能に支持されている。ラッチ軸26にはラッチ軸26を軸方向に貫通する貫通孔27Aが設けられており、第1保持部17には貫通孔27Aに連通する貫通孔27Bが設けられ、カバープレート23にも貫通孔27Aに連通する貫通孔27Cが設けられている。一続きに連なる貫通孔27A〜27C(以下、纏めて固定孔27という)はシートバック幅方向に延び、この固定孔27には、第1保持部17をシートバック2の側部2aに固定するためのボルト等の固定具が挿通される。
【0024】
ラッチ20は、ストライカ3を係止する係止溝28を有する。ラッチ20は、係止溝28の開口がストライカ溝25から外れて配置されるラッチ位置(図5(A)参照)と、係止溝28の開口がストライカ溝25の開口に重なって配置されるアンラッチ位置(図5(B)参照)との間で回動可能である。
【0025】
そして、ラッチ20は、トーションばね29によって、上記ラッチ位置から上記アンラッチ位置に向けて付勢されている。
【0026】
ポール21は、ストライカ溝25を挟んでラッチ20とは反対側に配置されており、第1保持部17とカバープレート23とに保持されたポール軸30によって回動可能に支持されている。ポール軸30にはポール軸30を軸方向に貫通する貫通孔31Aが設けられており、第1保持部17には貫通孔31Aに連通する貫通孔31Bが設けられ、カバープレート23にも貫通孔31Aに連通する貫通孔31Cが設けられている。一続きに連なる貫通孔31A〜31C(以下、纏めて固定孔31という)はシートバック幅方向に延び、この固定孔31には、第1保持部17をシートバック2の側部2aに固定するためのボルト等の固定具が挿通される。
【0027】
ポール21は、ラッチ20の外周に設けられている係合部32と当接する当接部33を有する。ポール21は、ラッチ20が上記ラッチ位置から上記アンラッチ位置に向けて回動する際の係合部32の軌道上に当接部33が配置されて係合部32と当接部33とが当接するポールロック位置(図5(A)参照)と、当接部33が係合部32の軌道上から外れて配置されるポールアンロック位置(図5(B)参照)との間で回動可能である。
【0028】
そして、ポール21は、トーションばね34によって、上記ポールアンロック位置から上記ポールロック位置に向けて付勢されている。また、ポール21には、ロック解除部12のロッド15の一端がカラー35を介して相対回転可能に接続されており、ロック解除部12のレバー部材14の操作に応じて上記ポールアンロック位置に回動される。
【0029】
カム22は、ストライカ溝25を挟んでラッチ20とは反対側に配置されており、第1保持部17とカバープレート23とに保持されているカム軸36によって回動可能に支持されている。
【0030】
カム22は、ラッチ20の係合部32と摺接するカム面37を有する。カム22は、ラッチ20が上記ラッチ位置から上記アンラッチ位置に向けて回動する際の係合部32の軌道上にカム面37が進出して係合部32とカム面37とが摺接する係合位置(図5(A)参照)と、カム面37が係合部32の軌道上から外れて配置される非係合位置(図5(B)参照)との間で回動可能である。
【0031】
そして、カム22は、トーションばね38によって、上記非係合位置から上記係合位置に向けて付勢されている。また、カム22には係合孔39が設けられており、この係合孔39には、ポール21に接続されているロッド15の一端が挿通されている。カム22は、ロック解除部12のレバー部材14の操作に応じて上記非係合位置に回動される。
【0032】
ロック解除部12は、上記のとおり、レバー部材14と、ロッド15と、インジケータ部材16とを有する。ロック解除部12を保持するケース13の第2保持部18には、レバー部材14を収容するレバー収容部40と、インジケータ部材16を収容するインジケータ収容部41とが設けられている。また、レバー収容部40にはシートバック上下方向に延びる固定孔42が設けられており、この固定孔42には、第2保持部18をシートバック2の上端部2bに固定するためのボルト等の固定具が挿通される。
【0033】
レバー収容部40はシートバック上方及びシートバック後方に開放されている。レバー部材14のシートバック後方側の端部には指掛け部44が設けられており、レバー部材14のシートバック前方側の端部が、レバー収容部40のシートバック幅方向両側の側壁に架け渡されたレバー軸43に回動可能に支持されている。
【0034】
レバー部材14は、略全体がレバー収容部40に収容されるレバーロック位置(図5(A)参照)と、指掛け部44が引き上げられることによってレバー部材14のシートバック後方側がレバー収容部40からシートバック上方に突出して配置されるレバーアンロック位置(図5(B)参照)との間で回動可能である。
【0035】
そして、レバー部材14は、ロッド15の一端が接続されるロッド接続部45と、インジケータ部材16と係合する押圧突起46とを有する。ロッド接続部45及び押圧突起46は、レバー収容部40のシートバック下方側の底壁に形成されている貫通孔を通して露出されている。
【0036】
ロッド15の一端は、フック47に保持されており、このフック47を介してレバー部材14のロッド接続部45に相対回転可能に接続されている。一方、ロッド15の他端は、カラー35に連結されており、このカラー35を介してロック部11のポール21に相対回転可能に接続されている。レバー収容部40に収容されたレバー部材14は、シートバック上下方向にロック部11と非重畳となるように、ロック部11に対してシートバック幅方向に偏倚して配置されており、ロッド15は、ロッド接続部45からシートバック下方に延びる第1部分15aと、ポール21からシートバック幅方向に延びる第2部分15bと、第1部分15aと第2部分15bとを繋ぐ略90°折り曲げられた屈曲部15cとを含み、全体として略L字状に形成されている。
【0037】
ポール21は、トーションばね34によって上記ポールアンロック位置から上記ポールロック位置に向けて付勢されており、ロッド15を介してポール21と連結されたレバー部材14は、上記レバーアンロック位置から上記レバーロック位置に向けて引っ張られている。
【0038】
インジケータ収容部41はシートバック上下方向に延びている。インジケータ部材16は、インジケータ収容部41によってシートバック上下方向に並進移動可能に支持されており、シートバック上方側の端部を除いてレバー収容部40に収納される収納位置(図5(A)参照)からシートバック上方に向けて並進移動可能である。
【0039】
そして、インジケータ部材16は、コイルばね48によって、上記収納位置に向けてシートバック下方に付勢されている。また、インジケータ部材16のシートバック下方側の端部には、レバー部材14の押圧突起46と係合する受圧部49が設けられており、インジケータ部材16は、レバー部材14の操作に応じ、上記収納位置からシートバック上方に向けて押し上げられる。
【0040】
インジケータ部材16は略矩形の板状に形成されており、インジケータ部材16の並進移動方向と略平行なインジケータ部材16の外周面は、例えば赤色等の目立つ色に着色されるなどして全周に亘って警告面16aとされている。
【0041】
次に、図5(A)〜(C)及び図6を参照して、シートロック装置10の動作を説明する。
【0042】
図5(A)は、ロック状態にある場合のシートロック装置10を示している。ストライカ3はストライカ溝25及び係止溝28に進入している。ラッチ20は上記ラッチ位置に配置されており、係止溝28の開口がストライカ溝25から外れて配置されている。そして、ポール21は上記ポールロック位置に配置されており、ラッチ20が上記アンラッチ位置に向けて回動する際の係合部32の軌道上に当接部33が配置されている。係合部32と当接部33とが当接することによってラッチ20の上記アンラッチ位置に向けた回動は阻止され、ストライカ3はラッチ20によって係止されている。
【0043】
さらに、カム22は、上記係合位置に配置されており、ラッチ20が上記アンラッチ位置に向けて回動する際の係合部32の軌道上にカム面37が進出しており、係合部32とカム面37とは摺接している。係合部32とカム面37とが摺接することにより、ラッチ20は上記ラッチ位置に向けて押し込まれ、ストライカ溝25の底面25aと底面25aに対向する係止溝28の側面28aとの間でストライカ3が挟持される。これにより、ストライカ3のガタつきが抑制され、ガタつきに起因する異音の発生が抑制される。
【0044】
レバー部材14は、ロッド15を介してポール21によって引っ張られ、上記レバーロック位置に配置されている。そして、インジケータ部材16は、コイルバネ48によって付勢されて上記収納位置に配置されている。図6に示すように、ケース13の第2保持部18は、シートの装飾部材であるガーニッシュ50によって覆われており、ガーニッシュ50には、インジケータ部材16を露出させる窓51が設けられている。インジケータ部材16が上記収納位置に配置されている際に、インジケータ部材16の上端面16bのみが窓51を通して視認可能であり、インジケータ部材16の警告面16aはガーニッシュ50によって覆い隠されている。
【0045】
図5(B)は、アンロック状態にある場合のシートロック装置10を示している。レバー部材14の指掛け部44が引き上げられ、レバー部材14は上記レバーアンロック位置に配置されている。ポール21は、ロッド15を介してレバー部材14によって引っ張られて上記ポールアンロック位置に配置されており、当接部33が係合部32の軌道上から外れて配置されている。カム22もまた、ロッド15を介してレバー部材14によって引っ張られて上記非係合位置に配置されており、カム面37が係合部32の軌道上から外れて配置されている。係合部32と当接部33との当接が解除されることによってラッチ20の上記アンラッチ位置に向けた回動が許容され、ストライカ3の係止が解除可能となっている。
【0046】
インジケータ部材16は、押圧突起46及び受圧部49を介してレバー部材14によって押し上げられ、上記収納位置からシートバック上方に向けて並進移動されている。図6に示すように、インジケータ部材16はガーニッシュ50の窓51から突出して配置され、インジケータ部材16の警告面16aが露出されている。
【0047】
図5(C)は、フリー状態にある場合のシートロック装置10を示している。図5(B)に示したアンロック状態においてシートバック2がシート前方に向けて傾倒されると、ラッチ20は、ストライカ3によって押圧されて上記アンラッチ位置に配置される。ラッチ20が上記アンラッチ位置に配置されることにより、係止溝28の開口がストライカ溝25に重なって配置される。シートバック2がシート前方に向けてさらに傾倒されると、ストライカ3がストライカ溝25及び係止溝28から脱出し、ストライカ3の係止が解除される。
【0048】
レバー部材14は解放されており、ポール21は、トーションばね34によって上記ポールロック位置に向けて回動されるが、当接部33がラッチ20の外周面に当接することによって上記ポールロック位置の手前の位置で押し止められている。レバー部材14もまた、上記レバーロック位置の手前の位置、すなわち上記レバーロック位置と上記レバーアンロック位置との間の位置で停止されている。レバー部材14が上記レバーロック位置の手前の位置で停止されていることにより、インジケータ部材16もまた、上記収納位置の手前の位置で停止されており、インジケータ部材16はガーニッシュ50の窓51から突出して配置され、警告面16aが露出されている。
【0049】
シートロック装置10がアンロック状態及びフリー状態にある場合に、インジケータ部材16は上記収納位置からシートバック上方に向けて並進移動されており、警告面16aは露出されている。ここで、警告面16aはインジケータ部材16の並進移動方向と略平行な外周面の全周に亘って設けられていることから、警告面16aは、シートバック前方及びシートバック側方に加えてシートバック後方からも視認可能であり、視認性に優れる。これにより、シートバック後方の荷室側からシートバック2を起こした場合などに、インジケータ部材16の警告表示が見落とされる可能性を低減することができる。
【0050】
以上のように構成されたシートロック装置10では、ケース13の第1保持部17と第2保持部18とが一体であり、ラッチ20やポール21等のロック部11の構成部材が第1保持部17に保持され、レバー部材14等のロック解除部12の構成部材がケース13の第2保持部18に保持され、さらにポール21とレバー部材14とがロッド15を介して連結された状態で、ケース13がシートバック2のフレーム(サイドフレーム及びアッパフレーム)に組付けられる。これにより、シートロック装置10がシートバック2に組付けられる際の工程を簡素化し、作業性を高めることができる。
【0051】
そして、ロック部11とロック解除部12との相対位置は、シートバック2のフレームの加工精度にかかわらず、ケース13の成形精度で決まるため、ロック部11とロック解除部12との相対位置のばらつきを軽減できる。ロック部11とロック解除部12との相対位置のばらつきを軽減できることにより、相対位置のばらつきを考慮して設計されるロック部11及びロック解除部12の小型化を図ることができる。
【0052】
また、第1保持部17と第2保持部18とが一体であることから、第1保持部17のシートバック2に対する固定と、第2保持部18のシートバック2に対する固定とを相互に補完でき、ケース13のシートバック2に対する固定強度を高めることができる。特に、図7に示すように、第1保持部17は、シートバック幅方向に延びる固定孔27,31に挿通されたボルト等の固定具52によってシートバック2の側部2aに固定され、第2保持部18は、シートバック上下方向に延びる固定孔42に挿通されたボルト等の固定具53によってシートバック2の上端部2bに固定される。このように、第1保持部17の固定方向と、第2保持部18の固定方向とが互いに交差していることにより、ケース13の固定強度を一層高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、シート前方に向けて傾倒可能なシートバックを備えるシートに適用できる。
【符号の説明】
【0054】
1 シート
2 シートバック
3 ストライカ
10 シートロック装置
11 ロック部
12 ロック解除部
13 ケース
14 レバー部材
15 ロッド(連結部材)
16 インジケータ部材
17 第1保持部
18 第2保持部
20 ラッチ
21 ポール
22 カム
23 カバープレート
25 ストライカ溝
26 ラッチ軸
27 固定孔
28 係止溝
30 ポール軸
31 固定孔
32 係合部
33 当接部
35 カラー
36 カム軸
37 カム面
39 係合孔
40 レバー収容部
41 インジケータ収容部
42 固定孔
43 レバー軸
44 指掛け部
45 ロッド接続部
46 押圧突起
47 フック
48 コイルバネ
49 受圧部
50 ガーニッシュ
51 窓
52 固定具
53 固定具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7