特許第6984188号(P6984188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984188
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/70 20060101AFI20211206BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20211206BHJP
   B65H 5/38 20060101ALI20211206BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   B65H29/70
   G03G21/16 147
   B65H5/38
   G03G15/00 461
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-115808(P2017-115808)
(22)【出願日】2017年6月13日
(65)【公開番号】特開2019-1578(P2019-1578A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 隆央
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−240053(JP,A)
【文献】 特開2017−007769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/70
G03G 21/16
B65H 5/38
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着装置に通紙されたシートを一対の排紙ローラーまで案内するガイド部材を有する画像形成装置であって、
前記一対の排紙ローラーは、それぞれ複数のサブローラーが所定の間隔で回転軸に付設されると共に、対応するサブローラー対でニップを形成してなり、
複数の前記サブローラー対のうち、所定サイズのシートを通紙したときに、当該シートの搬送方向と直交する幅方向における端部領域をニップする特定サブローラー対があり、
前記ガイド部材は、当該シートの先端が前記特定サブローラー対のニップに突入する位置よりシート搬送方向上流側において、前記シートの幅方向における端部領域に生じているカールを解消する方向に押え込む押え込み部材を備え、
前記定着装置から前記排紙ローラーに至るまでの搬送路は、途中に湾曲部を有し、前記搬送路の前記湾曲部よりシート搬送方向下流側であって、前記搬送路の湾曲方向外側に配されたガイド部材に前記押え込み部材が設けられており、
かつ、前記押え込み部材の前記シートと接触する部位は、前記シートの幅方向にカールが生じていない場合に当該押え込み部材よりシート搬送方向上流側のガイド部材によって案内されてくるシートの排紙ローラーのニップに至るまでに通過する軌跡より、突出していない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記押え込み部材は、前記シートの搬送方向から見たときに、前記特定サブローラー対の、前記排紙ローラーの軸方向中央側に近接した位置に配されている
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記押え込み部材が、前記シートの搬送方向から見たときに、前記特定サブローラー対と、当該特定サブローラー対と前記排紙ローラーの軸方向中央側に隣接するサブローラー対との間に配されており、
前記排紙ローラーの軸の伸びる方向から見たとき、前記押え込み部材の一部が、前記特定サブローラー対のうち、前記湾曲方向外側に配された側のサブローラーの周面よりもニップに近い位置まで延出している
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記押え込み部材は、前記ガイド部材に形成された面状部材からなる
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記押え込み部材は、前記ガイド部材に形成された突条部材もしくは突起部からなる
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記特定サブローラー対は、前記シートの搬送方向から見たときに、前記複数あるサブローラー対の最も外側にあるサブローラー対である
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記最も外側にあるサブローラー対以外にも、異なるシート幅の端部領域をニップするサブローラー対があり、前記シートの搬送方向から見たときに、それらのサブローラー対の前記排紙ローラーの軸方向中央側に近接して押え込み部材が設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に定着した後に排紙ローラーから排出されたシートにシワが発生しないようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンター等の電子写真方式の画像形成装置では、シートに転写されたトナー画像を熱定着する定着装置が設けられており、熱定着されたシートは排紙ローラーを介して、排紙トレイ上に排出され、あるいは、後段の後処理装置に送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−143032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、後処理装置にシートを給送する場合において、後処理装置の搬入路が湾曲していると、給紙するシートのサイズによってはシワが発生することが分かった。
本願発明者が、その原因を追及したところ、シートの、当該シートの搬送方向と直交する幅方向(以下、単に「幅方向」という。)における端部領域が、カールした状態で排紙ローラーのニップを通過する際に、シートのニップ部より内側の部分に撓みが発生し、その撓みが伸ばされないまま、後処理装置の搬送路の湾曲した部分に突入して、折れシワが発生したものと判明した。
【0005】
本発明は、上記排紙ローラー通紙時におけるシートの幅方向における撓みの発生を抑止し、後段の後処理装置などの搬入路に湾曲部分が存在していてもシワが発生しないような画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、定着装置に通紙されたシートを一対の排紙ローラーまで案内するガイド部材を有する画像形成装置であって、前記一対の排紙ローラーは、それぞれ複数のサブローラーが所定の間隔で回転軸に付設されると共に、対応するサブローラー対でニップを形成してなり、複数の前記サブローラー対のうち、所定サイズのシートを通紙したときに、当該シートの搬送方向と直交する幅方向における端部領域をニップする特定サブローラー対があり、前記ガイド部材は、当該シートの先端が前記特定サブローラー対のニップに突入する位置よりシート搬送方向上流側において、前記シートの幅方向における端部領域に生じているカールを解消する方向に押え込む押え込み部材を備え、前記定着装置から前記排紙ローラーに至るまでの搬送路は、途中に湾曲部を有し、前記搬送路の前記湾曲部よりシート搬送方向下流側であって、前記搬送路の湾曲方向外側に配されたガイド部材に前記押え込み部材が設けられており、かつ、前記押え込み部材の前記シートと接触する部位は、前記シートの幅方向にカールが生じていない場合に当該押え込み部材よりシート搬送方向上流側のガイド部材によって案内されてくるシートの排紙ローラーのニップに至るまでに通過する軌跡より、突出していないことを特徴とする。
【0007】
前記押え込み部材は、前記シートの搬送方向から見たときに、前記特定サブローラー対の、前記排紙ローラーの軸方向中央側に近接した位置に配されていることが望ましい
【0008】
前記押え込み部材が、前記シートの搬送方向から見たときに、前記特定サブローラー対と、当該特定サブローラー対と前記排紙ローラーの軸方向中央側に隣接するサブローラー対との間に配されており、前記排紙ローラーの軸の伸びる方向から見たとき、前記押え込み部材の一部が、前記特定サブローラー対のうち、前記湾曲方向外側に配された側のサブローラーの周面よりもニップに近い位置まで延出していることとしてもよい。
前記押え込み部材は、前記ガイド部材に形成された面状部材からなることとしてもよい。
【0009】
前記押え込み部材は、前記ガイド部材に形成された突条部材もしくは突起部からなることとしてもよい。
前記特定サブローラー対は、前記シートの搬送方向から見たときに、前記複数あるサブローラー対の最も外側にあるサブローラー対であることとしてもよい。
前記最も外側にあるサブローラー対以外にも、異なるシート幅の端部領域をニップするサブローラー対があり、前記シートの搬送方向から見たときに、それらのサブローラー対の前記排紙ローラーの軸方向中央側に近接して押え込み部材が設けられていることとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
上記構成によれば、シートの搬送方向と直交する幅方向における端部領域が、特定サブローラー対のニップに挟持されるサイズのシートについて、当該シートの先端が特定サブローラー対のニップに突入する前に、押え込み部材で前記シートの幅方向における端部領域に生じているカールを解消する方向に押え込むことができるので、サブローラー対のニップ通過時におけるシートの幅方向の撓みの発生が解消され、排紙ローラーの下流側に存する搬送路が湾曲していたとしても、シートの折れシワが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置が適用される画像形成システムの構成を説明するための概略図である。
図2】上記画像形成システムにおけるMFPのシート排出部と後処理装置のシート搬入部の要部を説明するための図である。
図3】MFPの排紙ローラーの構成を示す斜視図である。
図4】定着装置を通過したシートのカール状態を示す図である。
図5】カールしたシートの先端側のエッジが排紙ローラーに突入する様子を示す図である。
図6】排紙ローラーにニップされたシートに撓みが生じていた従来の様子を示す図である。
図7】本発明の実施の形態において排紙ローラーとその上流側のガイド部材をシートの排出側から見たときの図である。
図8図7のB−B線矢視断面を示す概略図である。
図9】上側ガイド部材を下方から見たときの斜視図である。
図10】ガイド部材の変形例を示す図である。
図11】ガイド部材の別の変形例を示す図である。
図12】ガイド部材のさらに別の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を、当該画像形成装置と後処理装置が組み合わされた画像形成システムを例にして説明する。
(1)画像形成システムの外観
図1は、本発明の実施形態における画像形成システムの外観を示す斜視図である。この画像形成システムは、画像形成装置としての複合機(multi-function peripheral:MFP)100、中継ユニット140、および後処理装置150を含む。
【0013】
MFP100は、スキャナー、カラーコピー機、およびカラーレーザープリンターの機能を併せ持つ。
図1に示すように、MFP100の筐体の上面には自動原稿送り装置(auto document feeder:ADF)110が開閉可能に装着されている。ADF110の直下に位置する筐体の上部にはスキャナー120が内蔵され、この筐体の下部にはプリンター130が内蔵されている。プリンター130の下部には給紙カセット133が引き出し可能に取り付けられている。
【0014】
このMFP100はいわゆる胴内排紙型である。すなわち、スキャナー120とプリンター130との隙間SPには排紙トレイ132が取り外し可能に設置され、その隙間SPの奥の排紙口131から排紙されたシートを収容する。
プリンター130は、公知の電子写真方式のものが採用される。すなわち、感光体ドラムの周面を一様の電位に帯電した上で、露光装置により露光走査して静電潜像を形成する。この静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、当該トナー像を給紙カセット133から給紙されたシートに転写した後、定着装置に通紙してトナー像をシートに熱定着して、排紙ローラー対を介して排紙する構成になっている。
【0015】
中継ユニット140は、内部に複数対の搬送ローラー対が配され、MFP100の排紙口131からシートを受け取って後処理装置150までシートを搬送する役目を果たす。
後処理装置150は、MFP100からの指示に応じて、排紙口131から中継ユニット140を通して受け取ったシートの束に対して後処理を行う。この後処理には、たとえばシートの束を整合する処理と、その束をステープルで綴じる処理などを含む。
【0016】
後処理装置150は、2つの排紙トレイ151、152を有する。上側の排紙トレイ151には、シートが排紙口131から送出されたときの状態のままで積載される。下側の排紙トレイ152には、シートの束が整合された状態で、またはステープルで閉じられた状態で積載される。
後処理装置150をMFP100に組み付ける際には、MFP100の排紙トレイ132を取り外して、後処理装置150を矢印方向に移動させて、中継ユニット140を隙間SPに挿入し、MFP100の排紙口131と中継ユニット140のシート搬入口が対向するようにする。また、不図示のコネクターとケーブルを介して、MFP100内の制御部と後処理装置150内の制御部が通信可能なように接続される。
【0017】
(2)MFP100のシート排出部の構成
図2は、MFP100に後処理装置150を組み付けてなる画像形成システムにおける、MFP100の定着装置から、中継ユニット140のシート搬入路に至るまでの構成を示す概略図である。
同図における破線は、シートの搬送経路を示している。
【0018】
定着装置10は、加熱ローラー11と加圧ローラー12とを備え、下方から搬送されてきた未定着トナー像が転写されたシートが、加熱ローラー11と加圧ローラー12とのニップを通過することにより、トナー像がシートに熱定着される。トナー像はシートの加熱ローラー11側に形成されている。
定着されたシートは、定着後搬送ローラー対21、22を介してさらに下流側に搬送され、ガイド部材28、29、23、24、25に案内されて、Dの部分で左側に大きく湾曲しながら、排紙ローラー対26、27まで進んでいく。
【0019】
なお、ガイド23は、両面印刷を実行する際に、シートの搬送路を切り換えて上方の反転路に導くための切り換え爪の役目も果たしているが、ここではその動作説明は省略する。
図3は、MFP100の一対の排紙ローラー26、27を排紙口131側から見たときの斜視図である。他の搬送系のローラーと同様、排紙ローラー26、27もそれぞれ長さの短い小ローラー(以下、本明細書において「サブローラー」という。)261、262、263、・・・及び271、272、273、・・・が、軸260、270に所定の間隔をおいて取着され、それぞれ対応するサブローラー同士でニップを形成している。なお、本実施の形態では、各サブローラーは、通紙センター(センター基準でシート搬送する機種において当該シートの幅方向の中央が通過する位置)に対して軸方向の左右対称な位置に配置されているものとする。
【0020】
(3)中継ユニット140でのシワの発生原因
従来では、中継ユニット140のシート搬入路の湾曲部Cの部分(図2)で、シートに折れシワがよく発生していた。
すなわち、定着装置10を通過したときに加熱によるシートの水分の蒸発が必ずしも均一ではなく、定着後、シートが排紙ローラー対27、28に向けて湾曲した搬送路(湾曲部D)を搬送される際に、図4に示すようシート搬送方向Xと直交する幅方向における両端部領域が上方に反るようなカールKが発生する傾向にある。
【0021】
図3でも説明したように、排紙ローラー対26、27は、それぞれサブローラーが所定の間隔で配されているので、シートサイズによっては、カールしたシートの幅方向の端部領域(以下では、単に「端部領域」という。)がサブローラーのニップに突入する場合がある。
図5は、この場合のシートSの先端縁のエッジEとサブローラー261、271との位置関係を排紙ローラー26、27のシート搬送方向上流側(以下、単に「上流側」という。)から見たときの模式図である。
【0022】
同図に示すように、シートが幅方向にカールしているため、図4におけるシートの先端のエッジE上の端の点Aは、サブローラー対261、271のニップ位置より上方でサブローラー261の表面に接触し、そのままニップまで巻き込まれてP2の位置でニップに突入してしまう。もし、シートにカールが生じておらずエッジEが直線的であれば、点AはP1の位置でニップされる筈なので、シートはP1とP2の距離だけ、通紙センター方向に寄せられてニップされた状態で排出されることになる。
【0023】
そうすると、図6のシート搬送方向下流側(排出側)から見た図に示すように、シートSのサブローラー対261、271のニップより直ぐ内側(通紙センター側)に撓みStが発生し、その状態のまま中継ユニット140の搬入路に排出され、この部分が湾曲部C(図2)の上側ガイド面に当接すると、撓みStによる腰の強さによりシートが折れ曲がるようにして、前方に進むため、折れシワが発生するものと考えられる。
【0024】
(4)カール押え込み部材(カール矯正部材)
したがって、中継ユニット140で発生するシートのシワは、もともとは定着装置10を通過したシートの端部領域が上方に反るようにカールしていたことに起因すると言える。
そこで、本願発明者は、シートが排紙ローラー対26、27に接触する前にシートの端部領域のカールを矯正することを考えた。
【0025】
図2に示すように、排紙ローラー対26、27の上流側直前には、シートを排紙ローラー対26、27方向に案内するための上側のガイド部材(以下、「上側ガイド部材」)24と下側のガイド部材(以下、「下側ガイド部材」)25が配されている。
図7は、排紙口131側から見たときのサブローラー261、271と、上側ガイド部材24、下側ガイド部材25との位置関係を示す図である。なお、本図では、上側ガイド部材24の形状が分かりやすいように排紙ローラー26の軸260は図示を省略して、サブローラー261のみ表示している。
【0026】
図7に示すように、上側のサブローラー261の、軸方向の通紙センター側(排紙ローラの軸方向中央側)に近接する位置において、上側ガイド部材24のリブ2411、2412、2413が下方に突出しており、それらの下端部を繋ぐように面状のガイド板241が形成されている。このガイド板241が、シートの端部領域に生じているカールを下方に押え込んでカールを矯正する役目を果たす。この意味で、ガイド板241を、カール押え込み部材(カール矯正部材)と呼ぶことができる。
【0027】
図8は、図7のB−B線矢視断面を示す概略図である。
同図において、一点鎖線Lは、仮に、シートに幅方向のカールKが生じていなければ、ガイド板241より上流側のガイド部材23等によって、サブローラー対261とサブローラー271のニップまで案内されるであろうシート端部の移動軌跡を示す仮想線である。
【0028】
本実施の形態では、ガイド板241の一番下方にある部分が、この仮想線Lに接しており、仮想線Lよりも下方には突出しないようになっている。シートの端部領域のカールを押え込んで矯正するためには、当該仮想線Lよりも下方に突出させるまでの必要はないと考えられるし、また、もし、仮想線Lよりも下方にガイド板241が突出していれば、厚紙のシートを搬送した場合に、厚紙は腰が強いので、当該厚紙のシート面にガイド板241で押え付けた筋が残るおそれがあるからである。
【0029】
もっとも、ガイド板241の一番下方にある部分が、上記仮想線Lに必ずしも接するまでに至らなくても、従来の上側ガイド部材24のガイド面より下方に突出していれば、ある程度のカール矯正効果を得ることができる。
図9は、上側ガイド部材24を下方側(シート搬送路側)から見たときの斜視図である。同図に示すように上側ガイド部材24の長手方向のセンターY(通紙センターと一致する位置)に対して対称的な位置に他のガイド部分よりも図の手前側(すなわち、シートの搬送路側)に突出した一対のガイド板241が設けられている。
【0030】
このように形成されたガイド板241により、シートがサブローラーのニップに突入前に図5において破線の矢印で示す力Fがシートの端部領域を下方に押え込むように作用するため、シートの幅方向の端部領域に生じているカールがほぼ矯正された状態でシートの端部領域がサブローラー261、271のニップに突入するようにすることができる。
その結果、従来シートの端部領域が通過するサブローラーの内側で生じていたシートの撓みSt(図6)が生じなくなり(図7参照)、ニップより下流側の搬送路における湾曲部C(図2)のような湾曲した部分を通過する際も、そのガイド面に反ってシートが円滑に湾曲し、折れシワが生じなくなった。
【0031】
なお、図7に示すようにリブ2411とガイド板241を含めた押え込み部材の軸方向における位置は、サブローラー261の側部に接触しない範囲で当該サブローラー261にできるだけ近接する方が望ましい。それだけシートの端部領域のカールをニップの近くで押え込むことができるので矯正の効果が大きくなるからである。
また、ガイド板241の軸方向の長さが大きすぎるとシートに余分な摩擦を与えて紙詰まりの原因とも成りかねないので、例えば、8mm〜26mm程度の幅でよい。
【0032】
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記の実施の形態では、MFP100でガイド部材の特定サイズのシートの端部領域が通過するサブローラー対の軸方向内側に近接させて、下方に突出するカール矯正用のガイド板を設けた。この特定サイズとしては、少なくともMFP100で使用できる最大幅のシートサイズに対応している方が望ましい。シート幅が大きいほどその端部における反り量が大きく、端部がニップされたときの撓みStも大きくなるので、これを矯正しておく必要性が大きいからである。
【0033】
この場合、一番外側のサブローラー対(本実施の形態では、サブローラー対261、271、および通紙センターに対してサブローラー対261、271と対称の位置にあるサブローラー対)の通紙センター側に近接させて、押え込み部材としてのガイド板241を設けることになる。
もちろん、図10に部分的に示すように、それよりも幅の小さい他のサイズのシートの端部領域が挟持されるニップを形成するサブローラー対の262、272の軸方向内側の近接位置にカール矯正用のガイド板242を設けて、折れシワの発生しうる可能性のある全てのサイズのシートに対応するようにしてもよい。
【0034】
なお、本明細書において、サブローラー対が、シートの端部領域を挟持する(ニップする)とは、図5に示すようにシートの幅方向の端縁(点A)が、サブローラー対261,271のニップに挟持される場合のほか、カールが矯正された結果、シートの幅方向の端縁が当該ニップより所定量(例えば、10mm程度)外側にはみ出した状態も含む。この場合でもカールを矯正するガイド板241がなければ、図5で説明したのと同様な理由により、ニップの内側に撓みSt(図6)が生じ得るからである。
【0035】
(2)上記の実施の形態においては、カール矯正のため、面状のガイド板241を設けたが、これに限らず、図11に示すように下端がガイド板241の下面と同程度の位置まで伸びる複数のリブ2414を軸方向における間隔が密になるように設けても、シートの端部領域のカールを矯正するという点で同様な効果が得られる。
さらには、図12に示すようにリブ2414の代わりに、複数の突起部243を軸方向に密に配設するようにしても構わない。
【0036】
要するに、シートの端部領域をニップするサブローラー対に関し、その上流側に配置され、シートの端部領域のカールを押え込んで矯正する押え込み部材の役目を果たせれば、その形状を問わない。
(3)なお、上記実施の形態では、シートが定着装置10を下方から上方に通過して、湾曲部Dを経て排紙ローラー対26、27に進む経路であったため、ガイド板241を上側ガイド部材24側に設けるようにした。シートの端部領域の反りは、湾曲Dの外側に向けて生じやすいからである。したがって、定着装置10をシートが上方から下方に通過して湾曲して排紙ローラーに至るまでの搬送路が形成されている機種にあっては、前記搬送路の湾曲方向の外側にある下側ガイド25にガイド板241が設けられるのが望ましい。
【0037】
(4)上記の実施形態では、画像形成装置としてMFPについて説明したが、最終段に定着装置および排紙ローラー対を備えた電子写真方式の画像形成装置であれば、モノクロ、カラーを問わず、また、ファクシミリ装置やプリンター専用機であっても構わない。
また、胴内排紙型の画像形成装置でない場合には、中継ユニット140の必要はなく、直接、後処理装置150の搬入路に排紙するようなものであっても、当該後処理装置150の搬入路に湾曲部があれば、本発明の効果を得られる。
【0038】
(5)上記の実施の形態および変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、定着装置に通紙され排紙ローラー対から排紙されたシートをさらに別の搬送路で搬送する場合において、シートのシワの発生を抑制する技術として有用である。
【符号の説明】
【0040】
10 定着装置
11 加熱ローラー
12 加圧ローラー
23、24、25、28、29 ガイド部材
26、27 排紙ローラー
100 MFP
131 排紙口
132 排紙トレイ
140 中継ユニット
150 後処理装置
241、242 ガイド板
243 突起部
260、270 ローラー軸
261、262、271、272 サブローラー
2411〜2414 リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12