特許第6984205号(P6984205)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6984205放射線画像撮影システム及び放射線画像撮影装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984205
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】放射線画像撮影システム及び放射線画像撮影装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20211206BHJP
   G01T 7/00 20060101ALI20211206BHJP
   G01T 1/172 20060101ALI20211206BHJP
   G01T 1/17 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   A61B6/00 320Z
   G01T7/00 A
   G01T1/172
   G01T1/17 G
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-137621(P2017-137621)
(22)【出願日】2017年7月14日
(65)【公開番号】特開2019-17625(P2019-17625A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 伸
(72)【発明者】
【氏名】駒坂 友則
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−105895(JP,A)
【文献】 特開2012−008567(JP,A)
【文献】 特開2014−195481(JP,A)
【文献】 特開2016−059534(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/165171(WO,A1)
【文献】 特開2014−133184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
G01T 7/00
G01T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を生成可能な放射線源を有する放射線装置と、
画像データを生成可能な画像生成手段と、前記放射線装置から延びるケーブルを差し込み可能なコネクターと、前記コネクターへ前記ケーブルが差し込まれたことを認識する認識手段と、前記画像生成手段の状態を前記画像データの生成が可能な撮影可能状態又は前記画像データの生成が不可能な撮影不能状態に切り替える状態制御手段と、を有する放射線画像撮影装置と、を備え、
前記放射線装置は、当該放射線装置を識別するための識別情報が記憶された情報記憶手段を有し、
前記放射線画像撮影装置は、
前記コネクターに差し込まれた前記ケーブルを介して前記識別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記識別情報に基づいて、前記ケーブルで接続された前記放射線装置の種類を判別する放射線装置判別手段と、を有し、
前記状態制御手段は、
前記画像生成手段が前記撮影不能状態にあるときに、前記ケーブルが差し込まれたことを前記認識手段が認識したことに基づいて、前記撮影可能状態へ切り替え
前記撮影可能状態に切り替える際に、複数種類ある撮影可能状態のうち、前記放射線装置判別手段が判別した放射線装置の種類に対応する撮影可能状態に切り替えることを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項2】
1回の撮影につきパルス状の同期信号を複数回出力可能な同期信号出力部を備え、
前記放射線源は、前記同期信号出力部から前記同期信号が入力される度に放射線を生成することが可能に構成され、
前記画像生成手段は、前記同期信号出力部から前記同期信号が入力される度に画像データを生成することが可能に構成され、
前記状態制御手段は、前記放射線装置判別手段が判別した放射線装置の種類が、前記同期信号が入力される度に放射線を生成するものであった場合は、前記同期信号が入力される度に画像データを生成する動画撮影可能状態に切り替えることを特徴とする請求項に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項3】
前記放射線装置は、本体と、前記本体から分離不能に取り付けられた前記ケーブルと、を備え、
前記情報記憶手段は、前記ケーブル先端のプラグに備えられ、
前記情報取得手段は、前記コネクターへ前記ケーブルが差し込まれたときに、前記情報記憶手段から直接識別情報を読み込むことを特徴とする請求項又はに記載の放射線画像撮影システム。
【請求項4】
前記放射線装置は、前記情報記憶手段に記憶された前記識別情報を、前記ケーブルを介して前記放射線画像撮影装置へ送信する送信手段を備え、
前記情報取得手段は、前記放射線装置から前記ケーブルを通って送信されてきた前記識別情報を受信することを特徴とする請求項又はに記載の放射線画像撮影システム。
【請求項5】
放射線装置から延びるケーブルを差し込み可能なコネクターと、
前記コネクターに差し込まれる前記ケーブルからパルス状の同期信号を受信したことに基づいて画像データを生成する画像生成手段と、
前記コネクターに差し込まれる前記ケーブルから識別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記識別情報に基づいて、前記ケーブルで接続される前記放射線装置の種類を判別する放射線装置判別手段と、
前記画像生成手段の状態を前記画像データの生成が可能な撮影可能状態又は前記画像データの生成が不可能な撮影不能状態に切り替える状態制御手段と、を備え、
前記状態制御手段は、前記画像生成手段が前記撮影不能状態にあるときに、前記ケーブルが差し込まれたことに基づいて、前記撮影可能状態へ切り替えることを特徴とする放射線画像撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影システム及びこのシステムを構成する放射線画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線を生成する放射線装置と、放射線を受けて画像データを生成する放射線画像撮影装置と、を備えた放射線画像撮影システムにおいて、近年、静止画だけでなく動画の撮影に対応したものが開発されている。このようなシステムでは、放射線装置と放射線画像撮影装置とがケーブル等で接続され、これらにパルス状の同期信号が1回の撮影につき複数回送信されるようになっている。そして、放射線装置及び放射線画像撮影装置が、同期信号に従って放射線照射と画像データ生成を繰り返すことにより、動画が撮影される。
また、様々な撮影形態に対応し易くするため、こうした放射線画像撮影システムを構成する放射線画像撮影装置として、可搬型のものを採用するケースが増えてきている。
【0003】
ところで、こうした放射線画像撮影システムが複数備えられている施設(規模の大きな病院等)においては、放射線装置と放射線画像撮影装置の組み合わせが撮影毎に変わる場合が出てくる。しかし、複数ある放射線装置や放射線画像撮影装置が全て動画撮影に対応しているとは限らない。もし、誤って動画撮影に対応していない装置を用いて動画撮影を行ってしまうと、所望の動画が得られず、被検者が無駄に被曝することとなってしまう。
そこで、近年、ブッキー装置に放射線画像撮影装置(FPD)が装填されたときに、ブッキー装置がこれらの識別情報であるカセッテID及びブッキーIDをコンソールに送信し、コンソールが受信したIDに基づいて撮影の可否を判断する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、可搬型の放射線画像撮影装置は、バッテリーを内蔵し、外部から電源供給を受けずに撮影が行えるようになっているものが多い。このような放射線画像撮影装置は、無駄な電力消費を抑制するため、例えば特許文献2に記載されているように、撮影可能な撮影可能モードや消費電力量が少ないが撮影不能な省電力モード等に切り替えることが可能となっているものが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−110451号公報
【特許文献2】特開2015−112358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された放射線画像撮影システムは、カセッテIDとブッキーIDがコンソールへ送信され、コンソールがこれらのIDに基づいて動画撮影が可能か否かを判断し、その後更に、ユーザーから動画撮影の指示を受けることによって初めて放射線画像撮影装置が撮影可能な状態に切り替わるため、放射線画像撮影装置がブッキー装置に装填されてから実際に撮影が行われるまでに長い時間を要し、ユーザーや被検者を待たせることになってしまう。
特に、特許文献2に記載されたような、撮影を行っていないときに省電力モードに切り替わる放射線画像撮影装置の場合には、撮影可能モードへの切り替えは更に時間を要することになってしまう。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、放射線を生成する放射線装置と、放射線装置とケーブルで接続され、ケーブルを介して入力された同期信号に基づいて撮影を行う放射線画像撮影装置と、を備えた放射線画像撮影システムにおいて、放射線画像撮影装置を放射線装置と接続してから放射線画像撮影装置が撮影可能な状態となるまでの時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の問題を解決するために、本発明に係る放射線画像撮影システムは、
放射線を生成可能な放射線源を有する放射線装置と、
画像データを生成可能な画像生成手段と、前記放射線装置から延びるケーブルを差し込み可能なコネクターと、前記コネクターへ前記ケーブルが差し込まれたことを認識する認識手段と、前記画像生成手段の状態を前記画像データの生成が可能な撮影可能状態又は前記画像データの生成が不可能な撮影不能状態に切り替える状態制御手段と、を有する放射線画像撮影装置と、を備え、
前記放射線装置は、当該放射線装置を識別するための識別情報が記憶された情報記憶手段を有し、
前記放射線画像撮影装置は、
前記コネクターに差し込まれた前記ケーブルを介して前記識別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記識別情報に基づいて、前記ケーブルで接続された前記放射線装置の種類を判別する放射線装置判別手段と、を有し、
前記状態制御手段は、
前記画像生成手段が前記撮影不能状態にあるときに、前記ケーブルが差し込まれたことを前記認識手段が認識したことに基づいて、前記撮影可能状態へ切り替え
前記撮影可能状態に切り替える際に、複数種類ある撮影可能状態のうち、前記放射線装置判別手段が判別した放射線装置の種類に対応する撮影可能状態に切り替えることを特徴とする。
また、本発明に係る放射線画像撮影装置は、
放射線装置から延びるケーブルを差し込み可能なコネクターと、
前記コネクターに差し込まれる前記ケーブルからパルス状の同期信号を受信したことに基づいて画像データを生成する画像生成手段と、
前記コネクターに差し込まれる前記ケーブルから識別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記識別情報に基づいて、前記ケーブルで接続される前記放射線装置の種類を判別する放射線装置判別手段と、
前記画像生成手段の状態を前記画像データの生成が可能な撮影可能状態又は前記画像データの生成が不可能な撮影不能状態に切り替える状態制御手段と、を備え、
前記状態制御手段は、前記画像生成手段が前記撮影不能状態にあるときに、前記ケーブルが差し込まれたことに基づいて、前記撮影可能状態へ切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、放射線画像撮影装置を放射線装置と接続してから放射線画像撮影装置が撮影可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。
また、放射線画像撮影装置のコネクターへケーブルが差し込まれた後、すぐに動画撮影の準備処理を開始できるため、従来のようにユーザーの指示を受けてから準備処理を開始する場合に比べて、ユーザーや被検者の待ち時間を増やすことなく準備処理により多くの時間をかけることができる。その結果、放射線画像撮影装置の状態が十分に整ってから撮影できるようになるため、動画の画質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る放射線画像撮影システムが配置された施設の一部を表す模式図である。
図2図1の放射線画像撮影システムの構成を表すブロック図である。
図3図1の放射線画像撮影システムを構成する放射線画像撮影装置の斜視図である。
図4図2の放射線画像撮影装置の制御部が実行する撮影前処理を表すフローチャートの一例である。
図5】本発明の第2実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、図を参照して本発明の第1実施形態について詳細に説明する。
ただし、発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0012】
〔放射線画像撮影システムの構成〕
まず、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100が配置された施設の一部を表す模式図である。
【0013】
本実施形態の放射線画像撮影システム100は、図1に示したように、放射線装置1や、放射線画像撮影装置2、コンソール3等で構成されている。
また、放射線画像撮影システム100は、図示しない放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)や、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)等への接続が可能となっている。
【0014】
放射線装置1は、同期信号出力部11、ジェネレーター12、曝射スイッチ13、放射線源14等を備えている。なお、図1には、これらが別々に分かれたものを示したが、一体となっていてもよい。
同期信号出力部11は、曝射スイッチ13が操作されたことに基づいて、ジェネレーター12及び放射線画像撮影装置2にそれぞれパルス状の同期信号を出力するようになっている。静止画の撮影では、一回の撮影につき一回だけ同期信号が送信され、動画の撮影では、一回の撮影につき同周期の同期信号が複数回繰り返し送信される。
なお、同期信号出力部11は、放射線装置1から独立した装置として構成してもよい。
【0015】
ジェネレーター12は、同期信号出力部11から同期信号が入力される度に、予め設定された放射線照射条件(管電圧や管電流、照射時間(mAs値)等)に応じた電圧を放射線源14に印加することが可能に構成されている。
なお、図1には、曝射スイッチ13がジェネレーター12に接続された場合を示したが、同期信号出力部11や図示しない操作卓に備えるようにしてもよい。
【0016】
放射線源14(管球)は、図示しない回転陽極やフィラメント等を有している。そして、ジェネレーター12から電圧が印加されるとフィラメントが電圧に応じた電子ビームを回転陽極に向けて照射し、回転陽極が電子ビームの強度に応じた線量の放射線Xを生成させるようになっている。
また、放射線源14は、水平方向に延びる回転軸によって回転させ、放射線の照射口を、水平方向に向けた状態(立位の撮影を行う状態)又は鉛直下方に向けた状態(臥位の撮影を行う状態)に切り替えることが可能となっている。
【0017】
放射線画像撮影装置2は、放射線装置1の同期信号出力部11と接続されており、放射線Xを受けると、複数の画素に放射線の強弱に応じた電荷をそれぞれ蓄積し、放射線装置1の同期信号出力部11から同期信号が入力される度に、各画素に蓄積された電荷量に基づく信号値を読み出して、各信号値に基づく画像データを生成するように構成されている。そして、生成した画像データを自身で保持したりコンソール3へ送信したりするようになっている。
放射線画像撮影装置2は、撮影台と一体化された専用機型のものでも、可搬型(カセッテ型)のものであっても差し支えないが、可搬型とすることが好ましい。
なお、放射線画像撮影装置2の詳細については後述する。
【0018】
コンソール3は、コンピューターや専用の装置等で構成されており、図示しない制御部や、記憶部等の他、表示部31、操作部32等を備えている。
そして、コンソール3は、操作部32が操作されたことに基づいて、各種撮影条件(上述した各種放射線照射条件や、被検者(被写体)の体格、撮影部位、撮影方向等の被検者に関する条件)を設定することが可能となっている。
また、コンソール3は、放射線画像撮影装置2から受信した画像データに所定の画像処理を施してプレビュー用画像データや診断用画像データを生成し、このデータに基づく画像を表示部31に表示することが可能となっている。
なお、図1には、コンソール3が、放射線装置1とは別になった場合を示したが、コンソール3は、放射線装置1と一体に構成されていてもよい。
【0019】
この放射線画像撮影システム100を施設(病院等)に設置する場合には、例えば図1に示したように、放射線装置1の同期信号出力部11、ジェネレーター12や、放射線源14、放射線画像撮影装置2等を、撮影室Ra内に配置し、放射線装置1の曝射スイッチ13や、コンソール3等を、撮影室Raと隔てられた前室Rb(操作室)に設置するようにする。
なお、放射線画像撮影装置2が可搬型のものである場合には、図1に示したように、撮影台(立位撮影用の撮影台4Aや臥位撮影用の撮影台4B)のカセッテホルダー41に装填して用いることが可能である。このようにすれば、一の放射線画像撮影装置2で、立位の撮影と臥位の撮影の両方に対応することができる。
【0020】
このように構成された放射線画像撮影システム100は、放射線画像撮影装置2が撮影台4A,4Bに装填された状態で、ユーザー(放射線技師等)が曝射スイッチ13を操作すると、放射線装置1の同期信号出力部11が、パルス状の同期信号を、ジェネレーター12及び放射線画像撮影装置2へそれぞれ送信する。この同期信号を受け、放射線装置1が、予め設定された条件で放射線Xを放射線画像撮影装置2の手前又は上に位置する被検者へ照射するとともに、放射線画像撮影装置2が、被検者の画像データを生成する。すなわち、放射線装置1と放射線画像撮影装置2とが同期して動作する。同期信号出力部11が一回の撮影につき複数回の同期信号を出力する動画撮影の場合には、放射線装置1による放射線Xの照射と放射線画像撮影装置2による画像データの生成が繰り返され、複数のフレーム画像データからなる動画データが生成される。
【0021】
〔放射線装置と放射線画像撮影装置の接続〕
次に、本発明の要部である、放射線装置1と放射線画像撮影装置2との接続について説明する。図2は放射線画像撮影システム100のブロック図、図3は放射線画像撮影装置2の斜視図である。
【0022】
本実施形態の放射線装置1は、図2に示したように、インターフェースケーブル15(以下ケーブル15)を有している。ケーブル15は、例えばLANケーブル等で構成可能であり、先端にプラグ151を有している。ケーブル15の基端は放射線装置1の本体(同期信号出力部11等)に固定されている。すなわち、本実施形態のケーブル15は、放射線装置1毎に専用のものとなっており、本体から分離不能に(使い回しができないように)取り付けられている。
なお、ケーブル15の混同が生じる心配が無い場合には、取り外し可能としても差し支えない。
【0023】
また、プラグ151は、その内部又は表面に、不揮発性メモリー(例えばEEPROM等)のチップ152を備えている。
また、プラグ151には、複数の端子153,154が形成されている。一部の端子153は、ケーブル15内の信号線155(同期信号出力部11)と接続されており、残りの端子154はチップ152と接続されている。
【0024】
チップ152(情報記憶手段)には、各放射線装置1を識別するための固有のID(識別情報)が記憶されている。本実施形態で用いるIDは、例えば、文字や数字のランダムな羅列等、ID自体は意味を持たない様式となっている。
なお、IDの様式は特に限定されるものではなく、桁毎にメーカーや動画撮影機能の有無等を表すような様式としてもよい。
【0025】
本実施形態に係る放射線画像撮影装置2は、筐体21の他、この筐体21に収納される、制御部22や、放射線検出部23、読み出し部24、記憶部25、通信部26、ID用インターフェース27、コネクター28等を備えて構成されており、各部22〜27はバス29によって接続されている。また、図示しない内蔵電源から各部22〜27へ電力が供給されるようになっている。
【0026】
筐体21の一側面には、図3に示したように、電源スイッチ21aや切替スイッチ21b、インジケーター21c等が設けられるとともに、コネクター28が露出している。
【0027】
制御部22は、CPU、RAM等で放射線画像撮影装置2の各部の動作を統括的に制御するように構成されている。具体的には、電源スイッチが入れられたことや、放射線装置1から所定の制御信号を受信したこと、放射線装置1から放射線を受けたこと等に基づいて、記憶部25に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該処理プログラムに従って各種処理を実行する。
【0028】
放射線検出部23は、放射線を受けることで放射線の線量に応じた量の電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列された基板を有するものであればよく、従来公知のものを用いることができる。
すなわち、放射線画像撮影装置2は、シンチレーターを備え、シンチレーターが放射線を受けることで発した光を検出するいわゆる間接型のものであってもよいし、シンチレーター等を介さずに放射線を直接検出するいわゆる直接型のものであってもよい。
【0029】
読み出し部24は、複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷量を信号値として読み出し、各信号値に基づいて画像データを生成することが可能に構成されていればよく、従来公知のものを用いることができる。
【0030】
記憶部25は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリー等により構成され、各種処理プログラムや、当該プログラムの実行に必要なパラメーター、ファイル等を記憶している。
また、記憶部25は、読み出し部24が生成した画像データを、撮影対象の被検者情報や、各種撮影条件と対応づけて記憶しておくことが可能となっている。
また、記憶部25には、本実施形態に係る放射線装置1や他の放射線装置が有するそれぞれ異なる複数のIDと、各IDに対応する放射線装置が実行可能な撮影モード(静止画撮影モード、動画撮影モード)を対応付けるテーブルが記憶されている。
【0031】
通信部26は、インターフェース回路によって構成されている。
ID用インターフェース27は、例えば1−wire(登録商標)やIC等で構成されている。
【0032】
コネクター28は、放射線装置1から延びるケーブル15を差し込み可能に構成されている。
また、コネクター28には、ケーブル15のプラグ151に形成された端子153,154に対応する複数の端子281,282が形成されており、一部の端子281は、通信部26に接続されており、残りの端子282は、ID用インターフェース27に接続されている。
【0033】
このコネクター28にケーブル15のプラグ151が差し込まれることで、プラグ151の一部の端子153がコネクター28の一部の端子281と接触して通信部26が放射線装置1の同期信号出力部11と通信可能となり、プラグの残りの端子154がコネクター28の一部の端子282と接触して制御部22によるチップ152の記憶内容(ID)の読み込みが可能となる。
【0034】
このように構成された放射線画像撮影装置2の制御部22は、記憶部25に記憶されている処理プログラムに従って以下のような動作をする。
例えば、制御部22は、通信部26が同期信号を受信したことに基づいて、読み出し部24に、放射線検出部23の各放射線検出素子に蓄積された電荷量に基づく画像データを生成させることが可能となっている。すなわち、制御部22や、放射線検出部23、読み出し部24は、本発明における画像生成手段として機能する。
また、制御部22は、生成した画像データを記憶部25へ記憶したり、通信部26を用いて外部へ送信したりすることが可能となっている。なお、画像データの出力は、画像データが生成され次第自動で行うようにしてもよいし、外部からの送信の要求に基づいて行うようにしてもよい。
【0035】
また、制御部22は、コネクター28に、ケーブル15のプラグ151が差し込まれたときに、コネクター28に差し込まれたケーブル15を介してIDを取得するようになっている。本実施形態では、プラグ151に埋め込まれたチップ152からIDを直接読み込むようになっている。すなわち、制御部22は、本発明における情報取得手段として機能する。そして、制御部22は、IDを読み取れたことを以て、コネクター28へケーブル15が差し込まれたと認識するようになっている。すなわち、制御部22は、本発明における認識手段としても機能する。
また、制御部22は、IDを読み取った後、記憶部25に記憶されたテーブルを参照して、ケーブル17で接続された放射線装置1の種類を判別することが可能となっている。すなわち、制御部22は、本発明における放射線装置判別手段として機能する。
【0036】
また、制御部22は、放射線検出部23や読み出し部24(画像生成手段)の状態を、放射線検出素子への電荷の蓄積が可能となり可能画像データの生成が可能な曝射待機状態(撮影可能状態)、又は消費電力が低下して画像データの生成が不可能な省電力状態(撮影不能状態)に切り替えることが可能となっている。すなわち、制御部22は、本発明における状態制御手段として機能する。
具体的には、制御部22は、曝射待機状態にあるときに、所定条件が成立したこと(例えば、コンソール3から撮影終了の指示を受けたことや、同期信号を受信しない状態が所定期間以上継続したこと等)に基づいて、放射線画像撮影装置2の状態を省電力状態に切り替えるようになっている。
【0037】
また、制御部22は、省電力状態にあるときに、ケーブル15が差し込まれたことを認識したことに基づいて、曝射待機状態へ切り替えるようになっている。
また、制御部22は、曝射待機状態に切り替える際に、複数種類ある撮影可能状態のうち、判別した放射線装置1の種類に対応する曝射可能状態に切り替える。
本実施形態における曝射待機状態には、静止画撮影モードの曝射待機状態と動画撮影モードの曝射待機状態の2種類があるため、判別した放射線装置の種類が、静止画撮影に対応したものであった場合には、静止画撮影モードの曝射待機状態に切り替え、動画撮影に対応したもの(同期信号が入力される度に放射線Xを生成するもの)であった場合は、動画撮影モードの曝射待機状態に切り替える。
【0038】
次に、この放射線画像撮影装置2が実行する撮影前処理について説明する。図4は撮影前処理のフローチャートである。
この撮影前処理は、例えば、放射線画像撮影装置2の状態が省電力状態に切り替えられたことを契機として実行される。
【0039】
この撮影前処理では、まず、コネクター28にケーブル15のプラグ151が差し込まれたか否か、すなわち、放射線装置1のIDを取得できたか否かを判定する(ステップS1)。このステップS1の処理は、プラグ151が差し込まれた(ステップS1;Yes)と判定されるまでの間繰り返される。
ステップS1において、コネクター28にプラグ151が差し込まれた、すなわち、放射線装置1のIDを取得できたと判定した場合(ステップS1;Yes)は、省電力状態から復帰する処理を行い(ステップS2)、取得したIDに対応する放射線装置の種類、すなわち、差し込まれたケーブル15が動画撮影に対応しているか否かを判別する(ステップS3)。
【0040】
ステップS3において、取得したIDに対応する放射線装置が動画撮影に対応していない、すなわち、静止画撮影に対応したものであると判定した場合(ステップS3;No)は、静止画撮影モードで撮影するための準備処理を行う(ステップS4)。そして、静止画撮影モードの曝射待機状態に移行して(ステップS5)、撮影前処理を終了する。
【0041】
一方、ステップS3において、取得したIDに対応する放射線装置が動画撮影に対応したものであると判定した場合(ステップS3;Yes)は、撮影情報が入力されているか否かを判定する(ステップS6)。
ステップS6において、撮影情報が入力されていると判定した場合(ステップS6;Yes)は、入力された撮影情報に含まれる撮影条件が動画撮影であるか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、撮影条件が動画撮影ではない、すなわち、静止画撮影であると判定した場合(ステップS7;No)には、上述したステップS4の処理に進む。
【0042】
ステップS6において、撮影情報が入力されていないと判定した場合(ステップS6;No)、又はステップS7において、撮影条件が動画撮影であると判定した場合(ステップS7;Yes)は、動画撮影モードで撮影するための準備処理を行う(ステップS8)。そして、撮影情報が入力されているか否かを判定する(ステップS9)。このステップS9の処理は、撮影情報が入力された(ステップS9;Yes)と判定されるまでの間繰り返し実行される。
ステップS9において、撮影情報が入力されたと判定した場合(ステップS9;Yes)は、入力された撮影情報に含まれる撮影条件が動画撮影であるか否かを判定する(ステップS10)。
【0043】
ステップS10において、撮影条件が動画撮影ではない、すなわち、静止画撮影であると判定した場合(ステップS10;No)には、上述したステップS4の処理に進む。
一方、ステップS10において、撮影条件が動画撮影であると判定した場合(ステップS10;Yes)は、上述したステップS5の処理を行い、撮影前処理を終了する。
本実施形態の撮影前処理は、動画撮影を行う場合のステップ数が静止画撮影を行う場合に比べて多くなっているが、動画撮影の準備処理は時間がかかり、静止画撮影の準備処理は短時間で済むため、このフローでもユーザーの待ち時間が少なくすることが可能である。
【0044】
このように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100は、放射線を生成可能な放射線源14を有する放射線装置1と、画像データを生成可能な画像生成手段と、放射線装置1の本体から延びるケーブル15を差し込み可能なコネクター28と、コネクター28へケーブル15が差し込まれたことを認識する認識手段と、画像生成手段の状態を画像データの生成が可能な曝射待機状態(撮影可能状態)又は画像データの生成が不可能な省電力状態(撮影不能状態)に切り替える状態制御手段と、を有する放射線画像撮影装置2と、を備え、状態制御手段は、画像生成手段が省電力状態にあるときに、ケーブル15が差し込まれたことを認識手段が認識したことに基づいて、曝射待機状態へ切り替えるようになっている。
【0045】
従来は、コンソールで放射線装置や放射線画像撮影装置の種類を判別し、ユーザーから指示を受けた後に、省電力状態から曝射待機状態へ切り替える処理を行っていたため、ユーザーや被検者は、状態の切り替えが完了するのを比較的長時間待ち続けなければならなかった。しかし、本実施形態のようにすることで、放射線画像撮影装置2が放射線装置1に接続されると直ちに放射線装置1に対応した曝射待機状態へ切り替えが行われるため、放射線画像撮影装置2を放射線装置1と接続してから放射線画像撮影装置が曝射待機状態となるまでの時間を短縮することができ、ひいては、放射線画像撮影システムの使い勝手や診察の効率を向上させることができる。
また、放射線画像撮影装置(画像生成手段)のコネクター28へケーブル15が差し込まれた後、すぐに動画撮影の準備処理を開始できるため、従来のようにユーザーの指示を受けてから準備処理を開始する場合に比べて、ユーザーや被検者の待ち時間を増やすことなく準備処理により多くの時間をかけることができる。その結果、放射線画像撮影装置の状態が十分に整ってから撮影できるようになるため、動画の画質を向上させることができる。
【0046】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、ここでは、第1実施形態との相違点についてのみ説明することとし、共通する構成については説明を省略する。
【0047】
図5は、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100Aの構成を表すブロック図である。
第1実施形態では、ケーブル15を放射線装置1の本体から分離不能のものとし、IDを記憶するチップ152がケーブル15のプラグ151に備えられたものとしたが、本実施形態に係る放射得線画像撮影システム100Aは、図5に示したように、チップ16を放射線装置1Aの本体に備えるようにしている。
なお、本実施形態におけるケーブル15Aは、放射線装置1Aから分離不能であってもよいし、分離可能なものであってもよい。
【0048】
これに伴い、本実施形態に係る放射線装置1Aは、チップ16に記憶されたIDを、ID用インターフェース17からケーブル15Aを介して放射線画像撮影装置2Aへ送信させるようになっている。すなわち、チップ16やID用インターフェース17は、本発明における送信手段として機能する。
【0049】
本実施形態で用いるIDは、桁毎にメーカーや動画撮影機能の有無等を表すような様式となっている。
なお、本実施形態においても、IDの様式は特に限定されるものではなく、第1実施形態のような、文字や数字のランダムな羅列等、ID自体は意味を持たない様式としてもよい。
【0050】
また、本実施形態に係るケーブル15Aは、同期信号を送信するための信号線155とは別にIDを送信するための信号線156を備えている。信号線156の先端は、プラグ151の端子154と接続されている。
なお、ケーブル15AにIDを送信するための信号線156を備えずに、ID用インターフェース17と放射線画像撮影装置2とケーブル15Aとは別のケーブルで接続してIDを送信するようにしてもよい。
【0051】
また、本実施形態に係る放射線画像撮影装置2Aの記憶部25Aは、IDと放射線装置1とを照らし合わせるテーブルや、制御部22がテーブルを参照するためのプログラムを記憶していない。
そして、制御部22は、IDを読み取った後、テーブルを参照することなく、接続された放射線装置の種類を、読み取ったIDから直接識別するようになっている。
また、ID用インターフェース27は、放射線装置1Aからケーブル15Aを通って送信されてきたIDを受信するようになっている。
【0052】
こうすることで、ケーブル15Aを各放射線装置1に固有のものとする必要が無くなるため、ケーブル15Aを使い回すことが可能となるし、放射線装置1が新しいものに更新される度に放射線画像撮影装置2に新しいテーブルを記憶させる必要がなくなる。
なお、本実施形態においても、第1実施形態のように、IDを文字や数字のランダムな羅列とし、テーブルに基づいて識別するようにしてもよい。
【0053】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【符号の説明】
【0054】
100,100A 放射得線画像撮影システム
1,1A 放射線装置
11 放射線源
11 同期信号出力部
12 ジェネレーター
13 曝射スイッチ
14 放射線源
15,15A インターフェースケーブル
151 プラグ
152,153 端子
154 チップ
16 チップ
17 ID用インターフェース
2,2A 放射線画像撮影装置
21 筐体
21a 電源スイッチ
21b 切替スイッチ
21c インジケーター
22 制御部
23 放射線検出部
24 読み出し部
25,25A 記憶部
26 通信部
27 ID用インターフェース
28 コネクター
281,282 端子
29 バス
3 コンソール
31 表示部
32 操作部
4A,4B 撮影台
41 カセッテホルダー
Ra 撮影室
Rb 前室
X 放射線
図1
図2
図3
図4
図5