特許第6984275号(P6984275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6984275計測システム、計測機器及び計測機器取付部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984275
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】計測システム、計測機器及び計測機器取付部材
(51)【国際特許分類】
   G08C 17/00 20060101AFI20211206BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20211206BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20211206BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   G08C17/00 Z
   G08C15/00 C
   H04Q9/00 311H
   H04M11/00 301
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-181872(P2017-181872)
(22)【出願日】2017年9月22日
(65)【公開番号】特開2019-57182(P2019-57182A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2020年8月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信也
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−148220(JP,A)
【文献】 特開2015−026373(JP,A)
【文献】 特開2017−075481(JP,A)
【文献】 特開2011−170791(JP,A)
【文献】 特開2013−079762(JP,A)
【文献】 特開2006−250807(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/131617(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0102940(US,A1)
【文献】 特開2011−109313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00−25/04
G01D 11/30
H03J 9/00− 9/06
H04Q 9/00− 9/16
H04M 3/00
H04M 3/16− 3/20
H04M 3/38− 3/58
H04M 7/00− 7/16
H04M 11/00−11/10
G06Q 10/00−10/10
G06Q 30/00−30/08
G06Q 50/00−50/20
G06Q 50/26−99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測機器取付部材と、
前記計測機器取付部材に取り付けられるとともに、計測情報を計測する計測機器と、
前記計測機器取付部材に設けられるとともに、前記計測情報を計測するための一単位である計測対象と一対一の関係をなす計測対象関連情報を送信する送信部と、
前記計測機器に設けられるとともに、前記計測対象関連情報を受信する受信部と、
を有し、
前記計測情報は、ガス、水道、電力の少なくとも1つの計測情報を含み、
前記計測対象関連情報は、前記計測対象の顧客情報及び契約者情報、並びに、位置情報及び住所情報の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする計測システム。
【請求項2】
前記送信部は、前記計測機器取付部材に埋設された非接触近距離無線送信部から構成され、
前記受信部は、前記計測機器に埋設された非接触近距離無線受信部から構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記計測機器は、基台部と、前記基台部に取り付けられる本体部とを有し、
前記受信部は、前記計測機器の前記本体部に設けられる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の計測システム。
【請求項4】
前記計測機器は、前記計測情報と計測機器情報と前記計測対象関連情報を合成する情報合成部を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の計測システム。
【請求項5】
前記計測機器は、前記計測情報と計測機器情報と前記計測対象関連情報の少なくとも1つを直接的又は間接的に上位機器に伝送する情報伝送部を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の計測システム。
【請求項6】
計測機器取付部材に取り付けられるとともに、計測情報を計測する計測機器であって、
前記計測機器取付部材に設けられた送信部が送信した、前記計測情報を計測するための一単位である計測対象と一対一の関係をなす計測対象関連情報を受信する受信部を有し、
前記計測情報は、ガス、水道、電力の少なくとも1つの計測情報を含み、
前記計測対象関連情報は、前記計測対象の顧客情報及び契約者情報、並びに、位置情報及び住所情報の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする計測機器。
【請求項7】
計測情報を計測する計測機器が取り付けられる計測機器取付部材であって、
前記計測機器に設けられた受信部に、前記計測情報を計測するための一単位である計測対象と一対一の関係をなす計測対象関連情報を送信する送信部を有し、
前記計測情報は、ガス、水道、電力の少なくとも1つの計測情報を含み、
前記計測対象関連情報は、前記計測対象の顧客情報及び契約者情報、並びに、位置情報及び住所情報の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする計測機器取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測システム、計測機器及び計測機器取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機能を有する計測機器であるスマートメータの導入が進んでいる。スマートメータは、計測情報を上位機器(上位サーバなど)に送信する。上位機器は、スマートメータから受信した計測情報とスマートメータ情報(例えばスマートメータID)と計測対象関連情報(例えば顧客情報や位置情報など)を対応付けて管理する。従来、計測情報とスマートメータ情報と計測対象関連情報の対応付けが正しく行われているか否かは、スマートメータの設置時及び/又は交換時に人為的に確認するのが普通である。
【0003】
特許文献1には、ICタグを使用したメータの検針管理システムが開示されている。特許文献1の検針管理システムは、ガス、水道、電力などのメータにICタグを装着しておき、このICタグを介して、メータの検針管理に必要なデータの書き込み・読み取りを実行する。ICタグを介したデータの書き込み・読み取りは、ICタグが装着されたメータと別体のICタグリーダ・ライタを使用して人為的に行われる。
【0004】
特許文献2には、水道メータの交換業務の高効率化を図るための水道メータ交換システムが開示されている。この水道メータ交換システムでは、携帯端末からお客様番号が入力されると、水道システムサーバがデータベースからお客様番号と一致する使用者情報、水栓情報を検索し、検索結果を携帯端末に送信する。その後、携帯端末は、担当者が交換作業を行った結果としての取り外しメータ指針から30日あたりの換算使用水量を算出し、水量異常の有無を判定する。水道システムサーバは、携帯端末から入力された新水道メータの交換結果情報から、メータマスタレコードのメータ状況を携帯端末に送信する。携帯端末からメータ取付け指針を入力して水道システムサーバに送信する。水道システムサーバは、受信した取付け指針に基づいて、水栓マスタレコードを更新後、更新終了を携帯端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−228109号公報
【特許文献2】特開2013−133689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の検針管理システムは、ICタグリーダ・ライタの操作に多大な人員と時間を要するという問題がある。また、ICタグリーダ・ライタの誤操作により、メータの検針管理に必要なデータを正しく書き込み・読み取りすることができない場合がある。また、ICタグリーダ・ライタを用意しなければならないため、検針管理システムの構成が複雑になってしまう。
【0007】
特許文献2の水道メータ交換システムは、携帯端末の操作に多大な人員と時間を要するという問題がある。また、携帯端末の誤操作により、水道メータの交換業務を正しく行うことができない場合がある。また、携帯端末と水道システムサーバを大幅に改変しなければならないため、水道メータ交換システムの構成が複雑になってしまう。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でありながら、計測対象関連情報を迅速かつ正確に伝送することができる計測システム、計測機器及び計測機器取付部材を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態の計測システムは、その一態様では、計測機器取付部材と、前記計測機器取付部材に取り付けられるとともに、計測情報を計測する計測機器と、前記計測機器取付部材に設けられるとともに、前記計測情報を計測するための一単位である計測対象と一対一の関係をなす計測対象関連情報を送信する送信部と、前記計測機器に設けられるとともに、前記計測対象関連情報を受信する受信部と、を有し、前記計測情報は、ガス、水道、電力の少なくとも1つの計測情報を含み、前記計測対象関連情報は、前記計測対象の顧客情報及び契約者情報、並びに、位置情報及び住所情報の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする。
【0010】
本実施形態の計測機器は、その一態様では、計測機器取付部材に取り付けられるとともに、計測情報を計測する計測機器であって、前記計測機器取付部材に設けられた送信部が送信した、前記計測情報を計測するための一単位である計測対象と一対一の関係をなす計測対象関連情報を受信する受信部を有し、前記計測情報は、ガス、水道、電力の少なくとも1つの計測情報を含み、前記計測対象関連情報は、前記計測対象の顧客情報及び契約者情報、並びに、位置情報及び住所情報の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする。
【0011】
本実施形態の計測機器取付部材は、その一態様では、計測情報を計測する計測機器が取り付けられる計測機器取付部材であって、前記計測機器に設けられた受信部に、前記計測情報を計測するための一単位である計測対象と一対一の関係をなす計測対象関連情報を送信する送信部を有し、前記計測情報は、ガス、水道、電力の少なくとも1つの計測情報を含み、前記計測対象関連情報は、前記計測対象の顧客情報及び契約者情報、並びに、位置情報及び住所情報の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な構成でありながら、計測対象関連情報を迅速かつ正確に伝送することができる計測システム、計測機器及び計測機器取付部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態による計測システムの構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態によるスマートメータと取付板の取付状態を示す斜視図である。
図3図2においてスマートメータを省略して取付板を単体で描いた斜視図である。
図4図2のIV−IV線に沿う断面図である。
図5】第1実施形態によるスマートメータの内部構成を示すブロック図である。
図6】スマートメータの新設時における計測システムの動作を示す図である。
図7】スマートメータの交換時における計測システムの動作を示す図である。
図8図1に示した計測システムの動作を示すシーケンス図である。
図9】第2実施形態によるスマートメータの内部構成を示すブロック図である。
図10】第3実施形態によるスマートメータの構成を示す断面図である。
図11】RFICリーダをRFICタグ用アンテナとルート通信用アンテナに選択的に接続可能なRFIC切換スイッチを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
≪用語の定義≫
本明細書で「計測対象」とは、例えば、ガス、水道、電力などの各種の計測情報を計測するための一単位を意味している。例えば、一軒家であれば当該一軒家が「計測対象」に該当し、集合住宅であれば当該集合住宅の各居住区が「計測対象」に該当する。また本明細書で「計測対象関連情報」とは、「計測対象」と一対一の関係をなす各種の情報、例えば、顧客情報(契約者情報)や位置情報(住所情報)を意味している。
【0015】
≪第1実施形態≫
図1A図1Cは、第1実施形態による計測システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
図1Aでは、スマートメータA1、A2、A3がネットワークNを介して上位サーバ(上位機器)Sと接続されている。スマートメータA1〜A3はそれぞれ直接的に(独立して)上位サーバSと無線通信可能である。上位サーバSは、例えば、電力会社の管轄下で電力使用量や電力使用料金を把握するためのものである。スマートメータA1〜A3と上位サーバSを結ぶ通信ルートは、電力量計と電力会社を結ぶいわゆるAルートと呼ばれるものである。これに対し、スマートメータA1〜A3と図示を省略した住宅用エネルギー管理システム(HEMS:Home Energy Management System)を接続して、家庭内において電力使用量や電力使用料金を把握することも可能である。スマートメータA1〜A3と住宅用エネルギー管理システムを結ぶ通信ルートは、電力量計と家庭を結ぶいわゆるBルートと呼ばれるものである。
【0017】
図1Bでは、スマートメータBが携帯端末MTと無線通信可能に接続されており、携帯端末MTがネットワークNを介して上位サーバSと無線通信可能に接続されている。スマートメータBは、携帯端末MTを介して間接的に上位サーバSと無線通信可能である。
【0018】
図1Cでは、スマートメータC1〜C2が中継端末(中継スマートメータ)LTと無線通信可能に接続されており、中継端末LTがネットワークNを介して上位サーバSと無線通信可能に接続されている。スマートメータC1〜C2は、中継端末LTを介して間接的に上位サーバSと無線通信可能である。
【0019】
図1A図1Cに示した計測システムの構成は一例であり、種々の設計変更が可能である。すなわち、スマートメータ(計測機器)は、各種の情報を直接的又は間接的に上位サーバ(上位機器)との間で伝送できればよい。従って、スマートメータは、上位サーバとの間で情報伝送を実行するための機能、及び/又は、他のスマートメータや携帯端末や中継端末(中継スマートメータ)との間で情報伝送を実行するための機能を有していればよい。
【0020】
図2図5を参照して、スマートメータ(計測機器)10と、当該スマートメータ10が取り付けられる取付板(計測機器取付部材)20の構成について説明する。スマートメータ10は、図1A図1Cに示したスマートメータA1〜A3、B、C1〜C2に代表的な符号を付して説明するものである。図2図4における上下前後左右の各方向は図中に示した矢線方向を基準とする。
【0021】
図2図4に示すように、取付板20は、例えば、上下方向に長く左右方向に短い一枚物の杉板から構成されている。取付板20は、上下方向の中央部より上方、左右方向の中央部、且つ、前後方向の前方に臨む位置に埋設される形で、送信部(非接触近距離無線送信部)としてのRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)タグ21を有している。RFICタグ21は、例えば、顧客情報(契約者情報)や位置情報(住所情報)などの計測対象関連情報を保持しており、当該計測対象関連情報を後述するRFICリーダ11に送信(非接触近距離無線送信)する。RFICタグ21が保持する計測対象関連情報は、適宜、設定や更新が可能である。またRFICタグ21は、取付板20から取り外して交換可能である。
【0022】
スマートメータ10は、計測対象、例えば、一軒家であれば当該一軒家、集合住宅であれば当該集合住宅の各居住区に設置されて、当該計測対象におけるガス、水道、電力などの各種の計測情報を計測するものである。
【0023】
図2図4に示すように、スマートメータ10は、基台部(端子台)10Aと、当該基台部10Aに取り付けられる本体部10Bとを有している(基台部10Aと本体部10Bが着脱自在に構成されている)。スマートメータ10は、所定期間(例えば10年)が経過する毎に検定有効期間満了による交換が義務付けられているが、その交換の際には、基台部10Aと本体部10Bを一体に交換する態様、及び、基台部10Aから本体部10Bを取り外して本体部10Bだけを交換する態様が可能である。
【0024】
図4に示すように、スマートメータ10の本体部10Bは、スマートメータ10を取付板20に取り付けたときにRFICタグ21と対向する位置に埋設される形で、受信部(非接触近距離無線受信部)としてのRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)リーダ11を有している。RFICリーダ11は、スマートメータ10を取付板20に取り付けた状態で、RFICタグ21が送信(非接触近距離無線送信)した計測対象関連情報を受信(非接触近距離無線受信)する。
【0025】
図5は、第1実施形態によるスマートメータ10の内部構成を示すブロック図である。スマートメータ10は、上述したRFICリーダ11の他に、電源部12と、計測部13と、表示部14と、ID保持部(計測機器情報保持部)15と、第1の情報伝送部(情報伝送部)16と、第2の情報伝送部(情報伝送部)17とを有している。
【0026】
電源部12は、スマートメータ10の各構成要素に対して駆動電力を供給する。計測部13は、例えば、ガス、水道、電力などの各種の計測情報(例えば検針値情報)を取得する。表示部14は、計測部13が取得した計測情報を表示する。ID保持部15は、スマートメータ10の固有識別情報であるスマートメータIDを保持する。
【0027】
第1の情報伝送部16は、他のスマートメータや携帯端末や中継端末(中継スマートメータ)との間で各種の情報伝送を実行する。例えば、第1の情報伝送部16は、他のスマートメータにおける計測対象関連情報、スマートメータID及び/又は計測情報を受信し、且つ/又は、自端末における計測対象関連情報、スマートメータID及び/又は計測情報を送信する。第2の情報伝送部17は、上位サーバSとの間で情報伝送を実行する。例えば、第2の情報伝送部17は、自端末及び/又は他のスマートメータにおける計測対象関連情報、スマートメータID及び/又は計測情報を送信する。第1の情報伝送部16と第2の情報伝送部17が協働することで、任意のスマートメータの計測対象関連情報、スマートメータID及び計測情報の少なくとも1つを直接的又は間接的に上位サーバSに伝送することが可能になる。
【0028】
図6は、スマートメータ10の新設時における計測システムの動作を示す図である。工程1では、RFICタグ21に、顧客情報(契約者情報)や位置情報(住所情報)などの計測対象関連情報を書き込む。工程2では、計測対象関連情報を書き込んだRFICタグ21を取付板20に埋設する。工程3では、取付板20にスマートメータ10を取り付けて通電を開始する。すると、取付板20のRFICタグ21とスマートメータ10のRFICリーダ11が非接触近距離無線通信を行って、RFICリーダ11がRFICタグ21から計測対象関連情報を読み取る。そして、RFICリーダ11が読み取った計測対象関連情報、計測部13が取得した計測情報(例えば検針値情報)、及び、ID保持部15が保持するスマートメータID(計測機器情報)が、第1の情報伝送部16と第2の情報伝送部17を介して、直接的又は間接的に上位サーバSに伝送される。工程4では、上位サーバSが、スマートメータ10から伝送された計測対象関連情報と計測情報とスマートメータIDを合成する(対応付ける)。
【0029】
図7は、スマートメータ10の交換時における計測システムの動作を示す図である。工程1では、取付板20から既存のスマートメータ10を取り外して新しいスマートメータ10を取り付けて通電を開始する。すると、取付板20のRFICタグ21とスマートメータ10のRFICリーダ11が非接触近距離無線通信を行って、RFICリーダ11がRFICタグ21から計測対象関連情報を読み取る。そして、RFICリーダ11が読み取った計測対象関連情報、計測部13が取得した計測情報(例えば検針値情報)、及び、ID保持部15が保持するスマートメータID(計測機器情報)が、第1の情報伝送部16と第2の情報伝送部17を介して、直接的又は間接的に上位サーバSに伝送される。工程2では、上位サーバSが、スマートメータ10から伝送された計測対象関連情報と計測情報とスマートメータIDを合成する(対応付ける)。すなわち、上位サーバSは、交換前のスマートメータIDを交換後のスマートメータIDによって更新(上書き)する。
【0030】
図8Aは、図1Aに示した計測システムの動作を示すシーケンス図である。ステップST1では、スマートメータA1から上位サーバSに計測対象関連情報と計測情報とスマートメータIDが無線送信される。ステップST2では、スマートメータA2から上位サーバSに計測対象関連情報と計測情報とスマートメータIDが無線送信される。ステップST3では、スマートメータA3から上位サーバSに計測対象関連情報と計測情報とスマートメータIDが無線送信される。
【0031】
図8Bは、図1Bに示した計測システムの動作を示すシーケンス図である。ステップST1’では、スマートメータBから携帯端末MTに計測対象関連情報と計測情報とスマートメータIDが無線送信される。ステップST2’では、携帯端末MTから上位サーバSに計測対象関連情報と計測情報とスマートメータIDが無線送信される。
【0032】
図8Cは、図1Cに示した計測システムの動作を示すシーケンス図である。ステップST1”では、スマートメータC1から中継端末(中継スマートメータ)LTに計測対象関連情報と計測情報とスマートメータIDが無線送信される。ステップST2”では、スマートメータC2から中継端末(中継スマートメータ)LTに計測対象関連情報と計測情報とスマートメータIDが無線送信される。ステップST3”では、中継端末(中継スマートメータ)LTから上位サーバSに、スマートメータC1〜C2と中継端末(中継スマートメータ)LTの計測対象関連情報と計測情報とスマートメータIDが一括して無線送信される。
【0033】
≪第2実施形態≫
図9は、第2実施形態によるスマートメータ10の内部構成を示すブロック図である。図9の第2実施形態では、図5の第1実施形態において、スマートメータ10に情報合成部18を追加している。情報合成部18は、RFICリーダ11が読み取った計測対象関連情報、計測部13が取得した計測情報(例えば検針値情報)、及び、ID保持部15が保持するスマートメータID(計測機器情報)を合成する。計測対象関連情報、計測情報、スマートメータID及び情報合成部18によるこれらの合成情報は、第1の情報伝送部16と第2の情報伝送部17を介して、直接的又は間接的に上位サーバSに伝送される。なお、計測対象関連情報、計測情報、スマートメータID及び情報合成部18によるこれらの合成情報の一部だけを、第1の情報伝送部16と第2の情報伝送部17を介して、直接的又は間接的に上位サーバSに伝送してもよい。
【0034】
≪第3実施形態≫
図10は、第3実施形態によるスマートメータ10の構成を示す断面図である。図10の第3実施形態では、スマートメータ10の交換時に基台部10Aと本体部10Bを一体に交換する場合を想定しており、基台部10AにRFICタグ用アンテナ19Aを設け、本体部10Bにルート通信用アンテナ19Bを設けている。RFICタグ用アンテナ19Aは、RFICリーダ11がRFICタグ21から計測対象関連情報を読み取るための構成要素であり、RFICタグ21とRFICリーダ11の通信周波数を設定により変更することができる。ルート通信用アンテナ19Bは、RFICタグ用アンテナ19Aを介してRFICリーダ11が読み取った計測対象関連情報を、電力会社の管轄下にある上位サーバSに無線送信するか(Aルート)、又は、図示を省略した住宅用エネルギー管理システム(HEMS:Home Energy Management System)に無線送信する(Bルート)。図11に示すように、スマートメータ10は、RFICリーダ11をRFICタグ用アンテナ19Aとルート通信用アンテナ19Bに選択的に接続可能なRFIC切換スイッチ19Cを有している。
【0035】
このように、本実施形態による計測システムは、取付板(計測機器取付部材)20と、取付板20に取り付けられるスマートメータ(計測機器)10と、取付板20に設けられるとともに計測対象関連情報を送信するRFICタグ(送信部)21と、スマートメータ10に設けられるとともに計測対象関連情報を受信するRFICリーダ(受信部)11とを有している。これにより、簡単な構成でありながら、計測対象関連情報を迅速かつ正確に伝送することができる。すなわち、従来はスマートメータの新設時又は交換時に人為的に実行していたスマートメータ10の関連付け作業を高精度かつ自動で行うことにより、作業の省力化と誤設定の防止を図ることができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている構成要素の大きさや形状、機能などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0037】
上記実施の形態では、取付板20及びスマートメータ10の「送信部」及び「受信部」をRFICタグ21(非接触近距離無線送信部)及びRFICリーダ11(非接触近距離無線受信部)とした場合を例示して説明した。しかし、取付板20及びスマートメータ10の「送信部」及び「受信部」は、計測対象関連情報を送受信できる限りにおいて、種々の設計変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の計測システム、計測機器及び計測機器取付部材は、計測対象関連情報を把握するための計測システム、計測機器及び計測機器取付部材に適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 スマートメータ(計測機器)
10A 基台部(端子台)
10B 本体部
11 RFICリーダ(受信部、非接触近距離無線受信部)
12 電源部
13 計測部
14 表示部
15 ID保持部(計測機器情報保持部)
16 第1の情報伝送部(情報伝送部)
17 第2の情報伝送部(情報伝送部)
18 情報合成部
19A RFICタグ用アンテナ
19B ルート通信用アンテナ
19C RFIC切換スイッチ
20 取付板(計測機器取付部材)
21 RFICタグ(送信部、非接触近距離無線送信部)
A1 A2 A3 B C1 C2 スマートメータ
MT 携帯端末
LT 中継端末(中継スマートメータ)
N ネットワーク
S 上位サーバ(上位機器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11