(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
【0029】
<システム構成>
図1は、一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の例を示す図である。情報処理システム1は、自動車等の車両10に搭載され、車両10で所定の車線変更が行われたことを検知して、当該車線変更の危険度を判定する車載装置110を含む。なお、車両10による追い越し、追い抜き、合流、割り込み等は、所定の車線変更の一例である。ここでは、所定の車線変更が、追い越しであるものとして以下の説明を行うが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0030】
好ましくは、情報処理システム1は、
図1に示すように、通信ネットワーク20に接続されるサーバ装置100を含む。
図1の例では、車載装置110は、通信装置120を用いて通信ネットワーク20に接続して、通信ネットワーク20を介してサーバ装置100と通信可能である。ここで、通信装置120は、無線通信によって通信ネットワーク20に接続するための装置であり、例えば、DCM(Data Communication Module)等によって実現される。
【0031】
車載装置110は、車両10に搭載される、例えば、カーナビゲーション装置等の情報機器や、車載ECU(Electric Control Unit)等の情報処理装置である。車載装置110は、車両10に搭載されるカメラ130を用いて、車両10の周辺を撮影した画像データ(例えば、動画データ)を取得することができる。また、車載装置110は、車両10を制御する車両制御ECU等から、車両の速度、舵角、ブレーキ圧等の車両情報を取得することができる。
【0032】
好ましくは、車載装置110は、車両10に搭載される距離センサ140や、他の車両と通信を行う車車間通信装置150等を用いて、車両10の周辺にある他の車両との間の距離や、他の車両の位置を示す位置情報等を取得することができる。
【0033】
上記の構成により、車載装置110は、例えば、カメラ130で撮影した車両10の周辺の画像データを解析して、車両10で追い越し(所定の車線変更の一例)が行われたことを検知し、追い越し操作の危険度を判定する。
【0034】
例えば、車載装置110は、車両10で追い越しが行われたことを検知すると、車両10の加速度を示す情報を取得し、取得した加速度を示す情報と、1つ以上の閾値との比較により、運転操作の危険度を示す第1の危険度を決定する。一例として、車載装置110は、車両10が急減速を行ったことを判断するための閾値を予め記憶しておき、所定の車線変更が行われたときに、車両10の加速度が当該閾値を超えた場合、運転操作の危険度を示す第1の危険度に所定の値を加算する。
【0035】
ここで、第1の危険度は、車両10の加速度を示す情報に基づいて決定される、運転操作の危険度を示す情報の一例である。
【0036】
また、車載装置110は、車両10で追い越しが行われたことを検知すると、カメラ130で車両10の周辺を撮影した画像データから、車両10の走行環境を判断する。例えば、車載装置110は、車両10の前方における所定の事象(例えば、赤信号、歩行者、又は障害物の検出等)の有無を判断する。
【0037】
さらに、車載装置110は、運転操作の危険度を示す第1の危険度と、車両10の走行環境とを用いて、車両10で行われた追い越し操作の危険度を判定する。
【0038】
例えば、車載装置110は、車両10の前方で所定の事象が検出された場合、車両10の減速操作が妥当であると判断し、決定された第1の危険度を無効にする(又は、第1の危険度の決定処理を中止する)。一方、車載装置110は、車両10の前方で所定の事象が検出されない場合、決定された第1の危険度を有効とし、例えば、第1の危険度を、追い越し操作の危険度と判定する。
【0039】
上記の例では、車載装置110は、車両10の加速度を示す情報に基づいて、追い越し時の危険度を決定すると共に、車両10の走行環境に基づいて、決定された危険度の妥当性を判断することにより、車線変更の危険度を正しく判定することができる。
【0040】
好ましくは、車載装置110は、追い越し操作の危険度の判定結果を含む判定情報を、通信装置120を介して、サーバ装置100に送信する。
【0041】
サーバ装置(情報処理装置)100は、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。サーバ装置100は、車載装置110から送信される1つ以上の判定情報を記憶部に記憶して管理し、管理している1つ以上の判定情報を、車載装置110が搭載された車両10の利用者(例えば、運転者)に提供される所定のサービスと連携させることができる。
【0042】
一例として、サーバ装置100は、車載装置110から送信される1つ以上の判定情報を、車両10の利用者の運転を診断する運転診断サービスの危険度を示すポイントに反映し、ポイントに応じて利用者にインセンティブを与える等の活用方法が考えられる。
【0043】
また別の一例として、サーバ装置100は、車載装置110から送信される1つ以上の判定情報を、車両10の利用者の保険サービスと連携させて、所定の期間における危険度を示すポイントに応じて保険料を下げる等の活用方法も考えられる。
【0044】
なお、車載装置110は、追い越し操作の危険度の判定結果を含む判定情報を、車両10に搭載された情報処理装置や表示装置等に送信するものであっても良い。
【0045】
特許文献1に示されるような従来の技術では、車両の車線変更と車両の速度とに基づいて追い越し操作の危険度を判定しているため、追い越し後の車両の減速操作や車両の走行環境等が反映されておらず、追い越し操作の危険度を正しく判定できない場合がある。
【0046】
例えば、車両が、他の車両を右側の車線から無理に追い越しをした後に、前方に低速車両がいたために急減速を行った場合、この追い越し操作は危険度が高いと考えられるが、従来の技術では危険な追い越し操作と判断することはできない。
【0047】
また、車両が、他の車両の追い越しをした後に急な減速を行った場合であっても、例えば、信号が赤に変った場合や歩行者が急に現れた場合等、車両の走行環境によっては、減速操作が妥当な場合もある。しかし、従来の技術では、このような車両の走行環境を、追い越し操作の危険度の判定結果に反映させることはできない。
【0048】
このように、従来の技術では、車両に搭載される車載装置が、車両の追い越し操作の危険度を正しく判定することには困難を伴っていた。なお、このような課題は、車両における追い越し操作の危険度を判定する車載装置に限られず、例えば、車両の追い抜き、合流、割り込み等の様々な車線変更の危険度を判定する車載装置に共通に存在する。
【0049】
一方、本実施形態によれば、所定の車線変更の危険度を判定する車載装置110において、車線変更後の減速操作や、車両10の走行環境等を反映させて、車線変更の危険度を正しく判定することができるようになる。
【0050】
<ハードウェア構成>
(車載装置、及びサーバ装置のハードウェア構成)
車載装置110、及びサーバ装置100は、一般的なコンピュータの構成を有する情報処理装置なので、ここでは、一般的なコンピュータのハードウェア構成について説明する。
【0051】
図2は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、ストレージデバイス204、通信I/F(Interface)205、外部接続I/F206、入力装置207、表示装置208、及びシステムバス209等を含む。
【0052】
CPU201は、ROM203やストレージデバイス204等に格納されたプログラムやデータ等をRAM202上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ200の各機能を実現する演算装置である。RAM202は、CPU201のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM203は、電源を切ってもプログラムやデータを保持する不揮発性のメモリである。ストレージデバイス204は、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)等のストレージ装置であり、例えば、OS(Operation System)、プログラム、及び各種データ等を記憶する。
【0053】
通信I/F205は、コンピュータ200が他の情報処理装置等と通信するためのインタフェースである。例えば、コンピュータ200がサーバ装置100である場合、通信I/F205は、有線又は無線LAN(Local Area Network)等のネットワークインタフェースである。また、コンピュータ200が車載装置110である場合、通信I/F205は、例えば、車両10に搭載された車載ECUや、通信装置120等と通信するためのCAN(Controller Area Network)等の通信インタフェースである。
【0054】
外部接続I/F206は、コンピュータ200に外部装置を接続するためのインタフェースである。外部機器には、例えば、記録媒体等が含まれる。また、コンピュータ200が車載装置110である場合、外部機器には、カメラ130、距離センサ140、車車間通信装置150等も含まれ得る。
【0055】
入力装置207は、利用者の入力操作を受け付けるための、キーボード、タッチパネル、操作ボタン等の入力デバイスである。表示装置208は、コンピュータ200の処理結果等を表示するための表示デバイスである。システムバス209は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝達する。
【0056】
なお、
図2の示すコンピュータ200のハードウェア構成の一例であり、コンピュータ200は、例えば、入力装置207、表示装置208等を有していなくても良い。
【0057】
[第1の実施形態]
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システム1の機能構成について説明する。
【0058】
<機能構成>
図3は、第1の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す図である。
【0059】
(車載装置の機能構成)
車載装置110は、例えば、通信制御部301、画像取得部302、車線変更検知部303、加速度情報取得部304、車両情報取得部305、決定部306、走行環境判断部307、判定部308、判定情報送信部309、及び記憶部310等を有する。
【0060】
車載装置110は、例えば、CPU201で、ROM203やストレージデバイス204等の記録媒体に記憶されたプログラムを実行することにより、上記の各機能構成を実現している。また、上記の各機能構成のうち少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0061】
通信制御部301は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、通信装置120を用いて、車載装置110を通信ネットワーク20に接続して、サーバ装置100等との通信を行う。通信装置120は、通信制御部301の制御に従って、車両10、又は通信装置120に備えられた1つ以上のアンテナ121を用いて無線通信を行う無線通信装置、又は無線通信モジュール等である。
【0062】
画像取得部302は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、カメラ130を用いて、車両10の周辺を撮影した画像データを取得する。例えば、画像取得部302は、カメラ130を用いて車両10の前方を撮影した画像データ(例えば、動画データ、又は1つ以上の静止画データ)を取得する。
【0063】
車線変更検知部303は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、画像取得部302が取得する画像データを解析して、車両10で所定の車線変更が行われたことを検知する。例えば、車線変更検知部303は、画像取得部302が取得する画像データを画像処理して、前方を走行する他の車両や、車線を検出し、所定のアルゴリズムに従って、追い越し、追い抜き、合流等の車線変更を検知する。なお、車線変更検知部303による車線変更の検知処理については、フローチャートを用いて後述する。
【0064】
加速度情報取得部(第1の情報取得部)304は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、所定の車線変更が行われたときの車両10の加速度を示す情報を取得する。例えば、加速度情報取得部304は、車線変更検知部303で所定の車線変更が検知されたとき、車両10(又は車載装置110)が備える加速度センサ等から、車両10の加速度を示す情報(例えば、車両10の前後方向の加速度)を取得する。なお、加速度情報取得部304は、車両情報取得部305を用いて、車両10を制御する車両制御ECU等から、車両10の加速度を示す情報を取得するものであっても良い。
【0065】
車両情報取得部305は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、車両10を制御する車両制御ECUや、車両10に備えられたセンサ等から、例えば、車速、舵角、加速度、ブレーキ圧等の車両情報を取得する。
【0066】
決定部306は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、加速度情報取得部304が取得する車両10の加速度を示す情報と、1つ以上の第1の閾値との比較により、運転操作の危険度を示す第1の危険度を決定する。
【0067】
例えば、決定部306は、所定の車線変更が行われたときの車両10の加速度が、予め設定された第1の閾値を超えた場合、運転操作の危険度を示す第1の危険度に所定の値を加算する。ここで、第1の閾値は、例えば、車両10が急減速を行ったことを判断するための値が予め設定されているものとする。なお、決定部306による第1の危険度の決定処理については、フローチャートを用いて後述する。
【0068】
走行環境判断部(判断部)307は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、所定の車線変更が行われたときの車両10の走行環境を判断する。例えば、走行環境判断部307は、画像取得部302が取得した画像データを解析し、車両10の前方における所定の事象(例えば、赤信号、歩行者、又は障害物の検出等)の有無を判断する。ここで、所定の事象は、例えば、車両10の急減速操作がやむを得ないと考えられる突発的な事象が予め定められているものとする。
【0069】
判定部308は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、決定部306が決定する第1の危険度と、走行環境判断部307が判断する車両10の走行環境とを用いて、車線変更検知部303で検知された所定の車線変更の危険度を判定する。
【0070】
例えば、判定部308は、車両10の前方で所定の事象が検出された場合、車両10の減速操作が妥当であると判断し、決定された第1の危険度を無効にする(又は、第1の危険度の決定処理を中止する)。一方、判定部308は、車両10の前方で所定の事象が検出されない場合、決定された第1の危険度を有効とし、例えば、第1の危険度を、追い越し操作の危険度と判定する。
【0071】
別の一例として、判定部308は、検出される所定の事象に応じた基礎ポイント(例えば、赤信号−10点、歩行者−5点等)を予め定めておき、基礎ポイントに第1の危険度(例えば、10点等)を加算することにより、危険度を判定するものであっても良い。
【0072】
判定情報送信部309は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、通信制御部301を用いて、サーバ装置100に、判定部308による判定結果を含む判定情報を送信する。例えば、判定情報送信部309は、判定部308により、所定の車線変更の危険度が判定されたとき、判定部308による判定結果を含む判定情報を、通信制御部301を介してサーバ装置100に送信する。
【0073】
別の一例として、判定部308は、1つ以上の判定結果を記憶部310に順次に記憶しておき、判定情報送信部309は、所定の期間毎に、記憶部310に記憶された判定結果を含む判定情報をサーバ装置100に送信するもの等であっても良い。
【0074】
記憶部310は、例えば、CPU201で実行されるプログラム、及びRAM202、ストレージデバイス204等によって実現され、決定部306が用いる閾値情報や、判定部308の判定結果等の様々な情報を記憶する。
【0075】
(サーバ装置の機能構成)
サーバ装置100は、例えば、通信制御部311、情報管理部312、情報連携部313、判定情報記憶部314、及び提供サービスDB(Database)315等を含む。なお、提供サービスDB315は、サーバ装置100の外部に設けられた他の情報処理装置等によって実現されるものであっても良い。
【0076】
サーバ装置100は、例えば、CPU201で実行されるプログラム(或いは、複数のコンピュータ200で実行されるプログラム)により、上記の各機能構成を実現している。
【0077】
通信制御部(受信部)311は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、車載装置110から送信される、車両10における所定の車線変更の危険度の判定結果を含む判定情報を受信する受信部として機能する。
【0078】
情報管理部312は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、通信制御部311が受信する1つ以上の判定情報を、判定情報記憶部314に記憶して管理する。例えば、情報管理部312は、通信制御部311が受信する判定情報に含まれる、車両10の利用者を識別する識別情報と、所定の車線変更の危険度の判定結果を含む判定情報とを、対応付けて判定情報記憶部314に記憶する。
【0079】
情報連携部313は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、情報管理部312が管理する1つ以上の判定情報を、車両10の利用者に提供されるサービスと連携させる。
【0080】
例えば、情報連携部313は、情報管理部312が管理する1つ以上の判定情報を、車両10の利用者の運転を診断する運転診断サービスや、車両10の利用者が加入する保険サービス等と連携させる。
【0081】
<処理の流れ>
[第1の実施形態]
続いて、第1の実施形態に係る情報処理方法の処理の流れについて説明する。
【0082】
(車載装置の処理1)
図4は、第1の実施形態に係る危険度の判定処理(1)の流れを示すフローチャートである。この処理は、例えば、車両10が走行しているときに、車載装置110によって実行される、所定の車線変更の危険度を判定する判定処理の一例を示している。
【0083】
ステップS401(検知ステップ)において、車載装置110の車線変更検知部303は、所定の車線変更を検知する検知処理を実行する。なお、車線変更検知部303による所定の車線変更の検知処理については、
図5を用いて後述する。
【0084】
ステップS402において、車線変更検知部303は、ステップS401で所定の車線変更を検知したか否かに応じて、処理を分岐させる。所定の車線変更を検知した場合、車線変更検知部303は、処理をステップS403に移行させる。一方、所定の車線変更を検知していない場合、車線変更検知部303は、処理をステップS401に戻す。
【0085】
ステップS403(取得ステップ)に移行すると、車載装置110の加速度情報取得部304は、車両10の加速度を示す情報を取得する。例えば、加速度情報取得部304は、車両情報取得部305を用いて、車両10を制御する車両制御ECU等から、車両10の加速度を取得する。
【0086】
ステップS404に移行すると、車載装置110の決定部306は、加速度情報取得部304が取得した車両10の加速度と、1つ以上の閾値(第1の閾値)との比較により、運転操作の危険度を示す第1の危険度を決定する。なお、決定部306による第1の危険度の決定処理については、
図6〜10を用いて後述する。
【0087】
上記の処理により、車載装置110は、第1の危険度(所定の車線変更の危険度の一例)を決定(判定)することができる。なお、第1の危険度と、車両10の走行環境とを用いて、所定の車線変更の危険度を判定する判定処理については、
図11を用いて後述する。
【0088】
(車線変更の検知処理)
図5は、第1の実施形態に係る車線変更の検知処理の例を示すフローチャートである。
図5(a)、(b)に示す各処理は、
図4のステップS401に示した所定の車線変更の検知処理の例を示している。
【0089】
図5(a)は、所定の車線変更が、車両10が他の車両を追い越しするための車線変更(以下、単に「追い越し」と呼ぶ)である場合における車線変更の検知処理の例を示している。
【0090】
ステップS501において、車線変更検知部303は、例えば、画像取得部302が取得する画像データを解析して、車両10の前方を走行する他の車両を検知する。例えば、車線変更検知部303は、画像取得部302が取得する画像データに対して画像処理を行い、公知のパターンマッチング技術等により、前方を走行する他の車両を抽出する。
【0091】
ステップS502において、車線変更検知部303は、例えば、前方の車両が検知されてから、所定の時間(第1の時間)内に、車両10が車線変更したか否かを判断する。
【0092】
例えば、
図7(a)に示すように、車両10が、走行車線701から追い越し車線702に車線変更を行うものとする。この場合、車線変更検知部303は、車両10の前方を撮影する画像データを解析して、車両10が道路の白線(又は黄色線)703を超えて追い越し車線702へ移動したこと等により、車線変更が行われたことを判断する。
【0093】
所定の時間内に車線変更が行われなかった場合、車線変更検知部303は、車線変更の検知処理を終了させる。一方、所定の時間内に車線変更が行われた場合、車線変更検知部303は、処理をステップS503に移行させる。
【0094】
ステップS503に移行すると、車線変更検知部303は、例えば、ステップS502で車線変更が行われたと判断してから、所定の時間(第2の時間)内に他の車両を追い抜きしたか否かを判断する。
【0095】
例えば、
図7(b)に示すように、車両10が、他の車両10aを追い抜きするものとする。この場合、車線変更検知部303は、例えば、車両10の前方を撮影する画像データを解析して、他の車両10aが、画像データの撮影範囲内の左側から、撮影範囲外へ移動したこと等により、追い抜きが行われたことを判断する。
【0096】
所定の時間内に追い抜きが行われなかった場合、車線変更検知部303は、例えば、車線変更の検知処理を終了させる。一方、所定の時間内に車線変更が行われた場合、車線変更検知部303は、処理をステップS504に移行させる。
【0097】
ステップS504に移行すると、車線変更検知部303は、例えば、ステップS503で追い抜きが行われてから所定の時間(第3の時間)内に、車両10が元の車線に戻ったか否かを判断する。
【0098】
例えば、
図7(c)に示すように、車両10が、追い越し車線702から、走行車線701に戻るものとする。この場合、車線変更検知部303は、例えば、車両10の前方を撮影する画像データを解析して、車両10が道路の白線703を超えて走行車線701へ移動したこと等により、車両10が元の車線に戻ったことを判断する。
【0099】
所定の時間内に元の車線に戻らなかった場合、車線変更検知部303は、例えば、車線変更の検知処理を終了させる。一方、所定の時間内に車線変更が行われた場合、車線変更検知部303は、処理をステップS505に移行させる。
【0100】
ステップS505に移行すると、車線変更検知部303は、追い越し(所定の車線変更の一例)を検知したと判断する。
【0101】
上記の処理により、車線変更検知部303は、車両10が追い越し(他の車両を追い越しするための車線変更)を行ったことを検知することができる。
【0102】
図5(b)は、所定の車線変更が、車両10が他の車両を追い抜きするための車線変更(以下、単に「追い抜き」と呼ぶ)である場合における車線変更の検知処理の例を示している。なお、
図5(b)のステップS501〜S503に示す各処理の内容は、
図5(a)と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0103】
ステップS501において、車線変更検知部303は、例えば、画像取得部302が取得する画像データを解析して、車両10の前方を走行する他の車両を検知する。
【0104】
ステップS502において、車線変更検知部303は、例えば、前方の車両が検知されてから、所定の時間(第1の時間)内に、車両10が車線変更したか否かを判断する。
【0105】
所定の時間内に車線変更が行われなかった場合、車線変更検知部303は、例えば、車線変更の検知処理を終了させる。一方、所定の時間内に車線変更が行われた場合、車線変更検知部303は、処理をステップS503に移行させる。
【0106】
ステップS503に移行すると、車線変更検知部303は、例えば、ステップS502で車線変更が行われたと判断してから、所定の時間(第2の時間)内に他の車両を追い抜きしたか否かを判断する。
【0107】
所定の時間内に追い抜きが行われなかった場合、車線変更検知部303は、例えば、車線変更の検知処理を終了させる。一方、所定の時間内に車線変更が行われた場合、車線変更検知部303は、処理をステップS510に移行させる。
【0108】
ステップS510に移行すると、車線変更検知部303は、追い抜き(所定の車線変更の別の一例)を検知したと判断する。
【0109】
上記の処理により、車線変更検知部303は、車両10が追い抜き(他の車両を追い抜きするための車線変更)を行ったことを検知することができる。
【0110】
(第1の危険度の決定処理)
図6は、第1の実施形態に係る第1の危険度の決定処理の例を示すフローチャートである。
図6(a)、(b)に示す各処理は、
図4のステップS404に示した、車両10の加速度と、1つ以上の閾値との比較により第1の危険度を決定する決定処理の例を示している。なお、第1の危険度は、前述したように、車両10の加速度を示す情報に基づいて決定される、運転操作の危険度を示す情報の一例である。
【0111】
図6(a)は、第1の危険度の決定処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、一例として、所定の車線変更が「追い越し」であるものとして、以下の説明を行う。
【0112】
ステップS611において、車載装置110の決定部306は、加速度情報取得部304が取得する車両10の加速度(加速度を示す情報の一例)のうち、車線変更検知部303が検知した「追い越し」後の加速度を取得する。
【0113】
図8は、第1の実施形態に係る追い越し時の速度及び加速度の一例を示す図である。
図8(a)は、
図7に示すように、車両10が、前方の車両10aを追い越しする際における、車両10の速度811と、車両10aの速度812の変化の一例を示している。
【0114】
図8(a)の例では、車両10が、加速を行い、前方の車両10aより速い速度で追い越しを行った後、例えば、
図7(d)に示すように、前方に低速車両10bがいたため、減速した場合における、車両10、10aの速度の変化の一例を示している。
【0115】
図8(b)は、
図7に示すように、車両10が、前方の車両10aを追い越しする際における、車両10の加速度の一例を示している。
【0116】
例えば、
図7(a)〜(c)に示すように、車両10が、前方の車両10aを追い越しするための区間を、車線変更区間821とする。また、
図7(a)、(b)に示すように、車両10が、前方の車両10aを追い抜きするため区間を、追い越しのための加速区間822とする。この場合、追い越しのための加速区間822において、車両10は、加速を行うため、例えば、
図8(b)に示すように、プラス方向の加速度823が検出され、検出された加速度823の大きさの最大値824を「a1」とする。
【0117】
また、例えば、
図8(b)に示すように、車線変更区間821の後半以降に、車両10が減速する区間を、追い越し後急減速825とする。この場合、追い越し後急減速825において、車両10は、減速を行うため、例えば、
図8(b)に示すようにマイナス方向の加速度826が検出され、検出された加速度の大きさの最大値827を「a2」とする。
【0118】
車載装置110の決定部306は、
図6(a)のステップS611において、例えば、
図8(b)に示すような、追い越し後急減速825における加速度826を取得する。
【0119】
図6(a)のステップS612において、車載装置110の決定部306は、ステップS611で取得した加速度の最大値が閾値(第1の閾値)を超えたか否かを判断する。
【0120】
例えば、決定部306は、
図8(b)に示すような、追い越し後急減速825における、マイナス方向の加速度826の最大値827である「a2」の値が、第1の閾値(A_threshold)828を超えたか否かを判断する。なお、第1の閾値は、前述したように、車両10が急減速を行ったことを判断するための値が予め設定されているものとする。
【0121】
加速度の最大値が第1の閾値を超えていない場合、決定部306は、第1の危険度の決定処理を終了させる。一方、加速度の最大値が第1の閾値を超えた場合、決定部306は、処理をステップS613に移行させる。
【0122】
ステップS613に移行すると、車載装置110の決定部306は、所定の危険度を加算して第1の危険度を決定する。
【0123】
所定の危険度は、例えば、予め設定された点数(1点、5点等)であり、決定部306は、例えば、初期値(例えば、0点)に対して所定の危険度を加算する。
【0124】
また、別の一例として、決定部306は、例えば、車線変更の種別、車両10の速度811、追い越しのための加速区間822における加速度の最大値「a1」等に対応する基礎点数に対して、所定の危険度を加算するもの等であっても良い。
【0125】
上記の処理により、決定部306は、車両10の加速度を示す情報に基づいて決定される、運転操作の危険度を示す情報の一例である第1の危険度を決定することができる。
【0126】
これにより、例えば、
図7(a)〜(d)に示すような追い越しを、車両10が行った場合、車載装置110の決定部306は、追い越し操作の危険度として第1の危険度が加算される。
【0127】
図9は、第1の実施形態に係る追い越しの別の一例について説明するための図である。この図は、追い越し操作の危険度として第1の危険度が加算されない追い越し操作の一例を示している。
【0128】
例えば、車両10は、
図9(a)において、他の車両10aを追い越しするために追い越し車線に移動し、
図9(b)において、他の車両10aの追い越しを行う。また、車両10は、
図9(c)において、走行車線に戻るが、
図9(d)において、車両10の前方には低速車両10bがいないため、車両10は急減速を行わないものとする。
【0129】
この場合、
図9(e)に示すように、車線変更区間901の前半における追い越しのための加速区間902において、
図8(b)と同様に、プラス方向の加速度903が検出され、検出された加速度903の大きさの最大値904が「a1」となる。
【0130】
一方、車線変更区間901の後半以降に、車両10が減速する区間を、追い越し後の自然減速905とする。この場合、追い越し後の自然減速905において、車両10は、急減速を行わないため、例えば、
図9(b)に示すようにマイナス方向の加速度906が検出されるが、加速度906の大きさの最大値907である「a2」は、第1の閾値を超えない。従って、決定部306は、
図9(a)〜(d)に示すような、危険度の低い追い越し操作に対しては、第1の危険度の加算を中止することができる。
【0131】
なお、決定部306は、複数の第1の閾値を予め記憶しておき、車両10の加速度を示す情報と、複数の第1の閾値との比較により、第1の危険度を決定するものであっても良い。
【0132】
図6(b)は、第1の危険度の決定処理の別の一例を示すフローチャートである。この処理は、決定部306が、複数の第1の閾値を用いて、第1の危険度を決定する場合の処理の例を示している。なお、ここでは、
図6(a)に示す処理と同様の処理内容に対する詳細な説明は省略する。
【0133】
ステップS621において、車載装置110の決定部306は、加速度情報取得部304が取得する車両10の加速度のうち、車線変更検知部303が検知した「追い越し」後の加速度を取得する。なお、この処理は、
図6(a)のステップS611の処理に対応している。
【0134】
ステップS622において、決定部306は、ステップS621で取得した加速度の最大値が閾値1(threshold1)を超えたか否かを判断する。
【0135】
例えば、決定部306は、
図10(a)に示すような、複数の第1閾値と危険度との対応関係を示す対応情報1001を、記憶部310に記憶しておき、加速度の最大値「a2」が、最小の閾値である閾値1(threshold1)を超えたか否かを判断する。
【0136】
加速度の最大値が閾値1を超えていない場合、決定部306は、第1の危険度の決定処理を終了させる。一方、加速度の最大値が閾値1を超えた場合、決定部306は、処理をステップS623に移行させる。
【0137】
ステップS623に移行すると、決定部306は、加速度の最大値「a2」に応じた危険度を加算して第1の危険度を決定する。例えば、決定部306は、
図10(a)に示すような対応情報1001を用いて、加速度の最大値「a2」に対応する危険度を取得し、取得した危険度を加算して第1の危険度を決定する。
【0138】
このとき、決定部306は、前述したように、初期値(例えば、0点)に対して危険度を加算するものであっても良いし、他の要因に基づく基礎点に対して危険度を加算するものであっても良い。
【0139】
上記の処理により、車載装置110の決定部306は、車両10の加速度を示す情報と、複数の第1の閾値との比較により、第1の危険度をレベル分けして決定することができるようになる。
【0140】
(車載装置の処理2)
図11は、第1の実施形態に係る危険度の判定処理(2)の流れを示すフローチャートである。この処理は、第1の危険度と、車両10の走行環境とを用いて、所定の車線変更の危険度を判定する場合における車載装置110の処理の例を示している。なお、
図11に示す処理のうち、ステップS401〜S403に示す処理は、
図4に示す処理と同様なので、ここでは、
図4に示す処理との相違点を中心に説明を行う。
【0141】
ステップS1101(判断ステップ)において、車載装置110の走行環境判断部307は、車両10の走行環境を判断する。例えば、走行環境判断部307は、画像取得部302が取得した画像データを解析し、車両10の前方における所定の事象の有無を判断する。ここで、所定の事象は、前述したように、車両10の急減速操作がやむを得ないと考えられる突発的な事象が予め定められているものとする。
【0142】
図10(b)に、所定の事象1002の例を示す。
図10(b)の例では、所定の事象1002には、「赤信号による停止」、「停止車両を検出」、「障害物を検出」、及び「道路上の歩行者を検出」等の事象が含まれている。
【0143】
「赤信号による停止」は、例えば、車両10が他の車両を追い越しした後に、信号が赤に変った場合等を想定しており、例えば、走行環境判断部307が、画像取得部302が取得した画像データを解析して赤信号を検出する。
【0144】
「停止車両を検出」は、例えば、渋滞や信号待ち等により停止している車両が検出された場合を想定しており、例えば、走行環境判断部307が、画像取得部302が取得した画像データを解析して、動いていない車両を検出する。なお、停止車両には、例えば、道路に駐車している車両や、停車している車両等が含まれていても良い(含まれていなくても良い)。
【0145】
「障害物を検出」は、例えば、道路上の落下物等、車両以外の物体が検出された場合を想定しており、例えば、走行環境判断部307が、画像取得部302が取得した画像データを解析して、道路上の物体を検出する。
【0146】
「道路上の歩行者を検出」は、例えば、車両10が他の車両を追い越しした後に、道路上で歩行者が検出された場合等を想定しており、走行環境判断部307が、画像取得部302が取得した画像データを解析して道路上の人物を検出する。
【0147】
なお、
図10(b)に示す所定の事象は一例であり、所定の事象には、
図10(b)に示す事象とは異なる事象が含まれていても良いし、
図10(b)に示す事象の一部が含まれていなくても良い。
【0148】
ここで、
図11に戻り、フローチャートの説明を続ける。
【0149】
ステップS1102において、車載装置110の判定部308は、走行環境判断部307により、所定の事象が検出されたか否かを判定する。
【0150】
所定の事象が検出された場合、判定部308は、決定部306による危険度の決定処理を中止し、危険度の判定処理を終了させる。一方、所定の事象が検出されていない場合、走行環境判断部307は、処理をステップS1103に移行させる。
【0151】
なお、ステップS1102の処理は、判定部308が、決定部306が決定する第1の危険度と、走行環境判断部307が判断する車両10の走行環境とを用いて、所定の車線変更の危険度を判定する判定ステップの一例である。
【0152】
また、ステップS1102の処理は、ステップS1103の後に実行されるものであっても良い。この場合、判定部308は、所定の事象が検知されると、決定部306によって決定された第1の危険度を無効にする。
【0153】
このように、判定部308は、判定ステップにおいて、走行環境判断部307が所定の事象を検出した場合、決定部306による危険度の決定処理を中止する、又は決定部306によって決定された車線変更の危険度を無効にする。
【0154】
なお、所定の事象は、前述したように、車両10の急減速操作がやむを得ないと考えられる突発的な事象が予め定められているので、判定部308は、やむを得ない急減速操作により、第1の危険度が車線変更の危険度に加算されることを防止することができる。
【0155】
ステップS1103(決定ステップ)に移行すると、車載装置110の決定部306は、加速度情報取得部304が取得した車両10の加速度と、1つ以上の第1の閾値との比較により、運転操作の危険度を示す第1の危険度を決定する。例えば、決定部306は、
図6(a)又は
図6(b)に示すような、第1の危険度の決定処理により、第1の危険度を決定する。
【0156】
例えば、ステップS1102、S1103の処理により、判定部308は、決定部306が決定する第1の危険度と、走行環境判断部307が判断する車両10の走行環境とを用いて、所定の車線変更の危険度を判定することができる。
【0157】
ここで、判定部308が判定する車線変更の危険度は、決定部306が決定する第1の危険度であって良い。また、別の一例として、判定部308が判定する車線変更の危険度は、例えば、ステップS1101で検出された所定の事象に応じた基礎点等に、第1の危険度を加算した情報等であっても良い。
【0158】
ステップS1104において、車載装置110の判定情報送信部309は、ステップS1102、S1103で判定された、車線変更の危険度を含む判定情報を、通信制御部301を介して、サーバ装置100に送信する。
【0159】
上記の処理により、車載装置110は、所定の車線変更が行われると、車両10の加速度を示す情報を取得して、追い越しが行われたときの車両10の加速度と、1つ以上の第1の閾値との比較により、運転操作の危険度を示す第1の危険度を決定する。また、車載装置110は、車両10の走行環境を判断して、所定の事象が検出された場合には、第1の危険度の決定処理を中止する、又は決定された第1の危険度を無効にする。
【0160】
従って、本実施の形態によれば、所定の車線変更の危険度を判定する車載装置110において、車線変更後の減速操作や、車両10の走行環境等を反映させて、車線変更の危険度を正しく判定することができるようになる。
【0161】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、車載装置110の決定部306は、車両10の加速度と、1つ以上の第1の閾値との比較により、第1の危険度を決定していた。ただし、車両10の加速度は、車両10の加速度を示す情報の一例であり、決定部306は、例えば、車両10の速度の変化や、ブレーキ圧等、車両10の加速度に関する車両情報を用いて、第1の危険度を決定するものであっても良い。
【0162】
第2の実施形態では、決定部306が、車両10のブレーキ圧と、1つ以上の閾値との比較により、第1の危険度を決定する場合の処理の例について説明する。
【0163】
図12は、第2の実施形態に係る危険度の判定処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図12に示す処理のうち、ステップS401、S402の処理は、
図4に示す処理と同様なので、ここでは、
図4に示す処理との相違点を中心に説明を行う。
【0164】
ステップS1201において、車載装置110の加速度情報取得部304は、車両10の加速度を示す情報を取得する。例えば、加速度情報取得部304は、車両情報取得部305を用いて、車両10を制御する車両制御ECU等から、車両10のブレーキ圧の情報を取得する。
【0165】
なお、車両10のブレーキ圧は、車両10の加速度を示す情報の別の一例である。加速度情報取得部304は、車両10のブレーキ圧に加えて、例えば、車両10の速度等の車両情報を取得するものであっても良い。
【0166】
ステップS1202において、車載装置110の決定部306は、ステップS1201で取得したブレーキ圧の最大値が閾値を超えたか否かを判断する。ブレーキ圧の最大値が閾値を超えていない場合、決定部306は、処理を終了させる。一方、ブレーキ圧の最大値が閾値を超えた場合、決定部306は、処理をステップS1203に移行させる。
【0167】
ステップS1203に移行すると、車載装置110の決定部306は、所定の危険度を加算して第1の危険度を決定する。
【0168】
なお、ステップS1202、S1203において、決定部306は、例えば、
図6(b)に示した処理と同様にして、取得したブレーキ圧の最大値と、複数の閾値との比較により、第1の危険度を決定するものであっても良い。
【0169】
このように、車載装置110の決定部306は、車両10の加速度に代えて、車両10の車両情報を用いて、第1の実施形態と同様の処理を実行するものであっても良い。
【0170】
[第3の実施形態]
第1の実施形態では、車載装置110は、カメラ130で車両10の周辺を撮影した画像データを用いて、車両10の周辺における他の車両の検知を行っていた。ただし、これに限られず、車載装置110は、距離センサ140や、車車間通信装置150等を用いて、車両10の周辺における他の車両の検知を行うものであっても良い。
【0171】
また、車載装置110は、車両10の加速度に代えて、車両10と他の車両との距離を示す情報と、1つ以上の閾値(第2の閾値)との比較により、所定の車線変更の危険度を判定するものであっても良い。
【0172】
<機能構成>
図13は、第3の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す図である。第3の実施形態に係る車載装置110は、
図3に示す第1の実施形態に係る車載装置110の機能構成に加えて、距離情報取得部1301を有している。
【0173】
距離情報取得部(第2の情報取得部)1301は、例えば、CPU201で実行されるプログラムによって実現され、所定の車線変更が行われたときの車両10と、他の車両との間の距離を示す情報を取得する。例えば、距離情報取得部1301は、車線変更検知部303で所定の車線変更が検知されたとき、車両10に搭載される距離センサ140や、車車間通信装置150から、車両10と、車両10の前後を走行する他の車両との間の距離を示す情報を取得する。
【0174】
好ましくは、距離情報取得部1301は、距離センサ140等から取得した距離と、車両情報取得部305等から取得した車両10の速度とを用いて、車両10と他の車両との間の距離を時間換算して、時間換算した車間距離を取得する。これは、車両10の速度によって、適正な車間距離が変ってくるためである。例えば、時速60km/hの場合、30mの車間距離は、30÷(60000÷3600)=1.8秒の移動時間に相当する。なお、時間換算した車間距離は、車両10と他の車両との間の距離を示す情報の一例である。
【0175】
また、本実施形態に係る決定部306は、距離情報取得部1301が取得する車両10と他の車両との間の距離を示す情報を用いて、運転操作の危険度を示す第2の危険度を決定する。例えば、決定部306は、
図14(b)に示すような、時間換算した距離と、危険度との対応関係を示す対応情報1400を、記憶部310に記憶しておき、時間換算した距離に応じて危険度を加算して、第2の危険度とする。
【0176】
図14(b)の例では、決定部306は、1.5秒、2.0秒、3.0秒の3つの閾値(1つ以上の第2の閾値)と、時間換算した距離との比較により、危険度を決定することができる。ここで、第2の危険度は、車両10と他の車両との間の距離を示す情報に基づいて決定される、運転操作の危険度を示す情報の一例である。
【0177】
なお、距離センサ140は、例えば、ミリ波センサや、LIDAR(Light Detection and Rangig、又は Laser Imaging Detection and Ranging)等によって実現される。距離情報取得部1301は、距離センサ140から、前方又は後方の車両との間の距離を取得する。
【0178】
また、車車間通信装置150は、例えば、IEEE802.11p規格に準拠したDSRC(Dedicated Short Range Communications)等によって実現される。距離情報取得部1301は、車車間通信装置150を用いて、他の車両から送信される車両情報を取得し、車両情報に含まれる位置情報を用いて、車両10と、他の車両との間の距離を算出するものであっても良い。
【0179】
なお、上記以外の車載装置110、及びサーバ装置100の機能構成は、
図3に示す第1の実施形態に係る機能構成と同様で良い。
【0180】
<処理の流れ>
図14は、第3の実施形態に係る危険度の判定処理の例を示す図である。なお、
図14(a)に示すフローチャートのうち、ステップS401、S402の処理は、
図4に示す処理と同様なので、ここでは、
図4に示す処理との相違点を中心に説明を行う。
【0181】
ステップS1401において、車載装置110の距離情報取得部1301は、車両10と、他の車両との間の距離を示す情報(例えば、時間換算した距離)を取得する。
【0182】
ステップS1403において、車載装置110の決定部306は、ステップS621で取得した他の車両との距離を示す情報の最大値が第1閾値を超えたか否かを判断する。
【0183】
例えば、決定部306は、
図14(b)に示すような、1つ以上の第2の閾値と、危険度との対応関係を示す対応情報1400を、記憶部310に記憶しておく。また、決定部306は、ステップS1401で取得した、時間換算した距離の最大値が、最小の閾値(第1閾値)である1.5秒を超えたか否かを判断する。
【0184】
他の車両との距離を示す情報の最大値が、第1の閾値を超えていない場合、決定部306は、第2の危険度の判定処理を終了させる。一方、他の車両との距離を示す情報の最大値が、第1の閾値を超えている場合、決定部306は、処理をステップS1403に移行させる。
【0185】
ステップS1403に移行すると、決定部306は、他の車両との距離を示す情報に応じた危険度を加算して、第2の危険度を決定する。例えば、決定部306は、
図14(b)に示すような対応情報1400を用いて、時間換算した距離の最大値に対応する危険度を取得し、取得した危険度を加算して第2の危険度を決定する。
【0186】
このとき、決定部306は、前述したように、初期値(例えば、0点)に対して危険度を加算するものであっても良いし、他の要因に基づく基礎点に対して危険度を加算するものであっても良い。
【0187】
上記の処理により、車載装置110の決定部306は、車両10と他の車両との間の距離を示す情報と、複数の第2の閾値との比較により、第2の危険度を決定することができるようになる。
【0188】
なお、本実施形態は、例えば、
図11に示す危険度の判定処理(2)にも適用することができる。すなわち、車載装置110の判定部308は、決定部306が決定する第2の危険度と、走行環境判断部307が判断する車両10の走行環境とを用いて、所定の車線変更の危険度を判断するものであっても良い。
【0189】
[応用例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、様々な変形や変更が可能である。
【0190】
例えば、第3の実施形態は、第1の実施形態と組み合わせて実施することができる。この場合、車載装置110の決定部306は、第1の実施形態に示す第1の危険度と、第3の実施形態に示す第2の危険度を決定する。また、車載装置110の判定部308は、決定部306が決定する第1の危険度及び第2の危険度と、走行環境判断部307が判断する車両10の走行環境とを用いて、所定の車線変更の危険度を判断する。例えば、判定部308は、前述した初期値、基礎点等に、第1の危険度と第2の危険度とを加算することにより、所定の車線変更の危険度を判定する。
【0191】
これにより、車載装置110は、所定の車線変更の危険度を、車両10の加速度を示す情報と、車両10と他の車両との間の距離を示す情報とに基づいて、より正しく判定することができるようになる。