特許第6984412号(P6984412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984412
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】変速機の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/02 20060101AFI20211213BHJP
   F16H 59/42 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   F16H61/02
   F16H59/42
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-254501(P2017-254501)
(22)【出願日】2017年12月28日
(65)【公開番号】特開2019-120299(P2019-120299A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2020年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】守友 進
(72)【発明者】
【氏名】塚本 典弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 諭
(72)【発明者】
【氏名】永井 健吾
(72)【発明者】
【氏名】尾渡 正和
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−269054(JP,A)
【文献】 特開2017−067204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/02
F16H 59/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有段変速用のクラッチを備える変速機の制御装置において、
前記クラッチの係合を伴う変速中である場合、前記変速機の入力軸回転数が所定回転数以下であり、かつ係合油圧が所定値以上である状態が所定時間以上経過したとき、変速が終了したと判断することを特徴とする変速機の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動変速機を有する車両の変速制御装置において、タービン回転速度に基づいてイナーシャ相の開始を検出できない場合には、所定時間経過後に強制的に変速動作を終了させる技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−127162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、予め設定された時間が経過しないと変速動作を終了させることができない。このため、アップシフト変速時に停車した場合に上述した制御を行うと、停車後すぐに発進要求があっても所定時間経過しなければダウンシフト変速を行わないため、発進時に必要な駆動力を得ることができない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、変速終了後の新たな変速要求に対して速やかに対応することができる変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る変速機の制御装置は、有段変速用のクラッチを備える変速機の制御装置において、前記クラッチの係合を伴う変速中である場合、前記変速機のアウトプット回転数が所定回転数以下であり、かつ係合油圧が所定値以上である状態が所定時間以上経過したとき、変速が終了したと判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、クラッチの係合を伴う変速中である場合、変速機のアウトプット回転数が所定回転数以下であり、かつ係合油圧が所定値以上である状態が所定時間以上経過したとき、変速が終了したと判断するため、変速終了後の新たな変速要求に対して速やかに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、動力伝達機構を備える車両を模式的に示すスケルトン図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る変速機の制御装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る変速機の制御装置が行う処理の作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。
【0010】
図1は、動力伝達機構を備える車両を模式的に示すスケルトン図である。車両Veは、動力源としてエンジン1を備えている。動力伝達機構100において、エンジン1から出力された動力は、トルクコンバータ2、入力軸3、前後進切替機構4、ベルト式無段変速機(以下「CVT」という)5あるいはギヤ列6、出力軸7、カウンタギヤ機構8、デファレンシャルギヤ9、車軸10を介して駆動輪11に伝達される。
【0011】
具体的には、トルクコンバータ2は、エンジン1に連結されたポンプインペラ2aと、ポンプインペラ2aに対向して配置されたタービンランナ2bと、ポンプインペラ2aとタービンランナ2bとの間に配置されたステータ2cとを備えている。ポンプインペラ2aはエンジン1のクランクシャフト1aと一体回転する。タービンランナ2bには入力軸3が一体回転するように連結されている。トルクコンバータ2はロックアップクラッチを備え、その係合状態ではポンプインペラ2aとタービンランナ2bとが一体回転し、その開放状態ではエンジン1から出力された動力が作動流体を介してタービンランナ2bに伝達される。なお、ステータ2cは一方向クラッチを介してケースなどの固定部に保持されている。
【0012】
入力軸3は、前後進切替機構4に連結されている。前後進切替機構4は、エンジントルクを駆動輪11へ伝達する際、駆動輪11に作用するトルクの方向を前進方向と後進方向とに切り替える。前後進切替機構4は差動機構からなり、図1に示す例ではダブルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されている。その前後進切替機構4は、サンギヤ4Sと、サンギヤ4Sに対して同心円上に配置されたリングギヤ4Rと、サンギヤ4Sに噛み合っている第1ピニオンギヤ4Pと、第1ピニオンギヤ4Pおよびリングギヤ4Rに噛み合っている第2ピニオンギヤ4Pと、各ピニオンギヤ4P,4Pを自転可能かつ公転可能に保持しているキャリヤ4Cとを備えている。サンギヤ4Sには、ギヤ列6の駆動ギヤ61が一体回転するように連結されている。キャリヤ4Cには、入力軸3が一体回転するように連結されている。
【0013】
また、サンギヤ4Sとキャリヤ4Cとを選択的に一体回転させる第1クラッチC1が設けられている。第1クラッチC1は、車両Veの発進時に係合する発進クラッチとして機能する。動力伝達機構100では、第1クラッチC1を係合させることによって、前後進切替機構4全体が一体回転する。さらに、リングギヤ4Rを選択的に回転不能に固定するブレーキB1が設けられている。ブレーキB1は、車両Veの後進時に係合する。例えば、第1クラッチC1を係合させ、かつブレーキB1を開放させると、サンギヤ4Sとキャリヤ4Cとが一体回転する。つまり、入力軸3と駆動ギヤ61とが一体回転する。また、第1クラッチC1を開放させ、かつブレーキB1を係合させると、サンギヤ4Sとキャリヤ4Cとが逆方向に回転する。つまり、入力軸3と駆動ギヤ61とは逆方向に回転する。これら第1クラッチC1およびブレーキB1は油圧式である。
【0014】
車両Veでは、無段変速部であるCVT5と、有段変速部であるギヤ列6とが、並列に配置されている。入力軸3と出力軸7との間の動力伝達経路として、CVT5を介する動力伝達経路(第1経路)と、ギヤ列6を介する動力伝達経路(第2経路)とが、並列に形成されている。
【0015】
CVT5は、入力軸3と一体回転するプライマリプーリ51と、セカンダリシャフト54と一体回転するセカンダリプーリ52と、一対のプーリ51,52に形成されたV溝に巻き掛けられたベルト53とを備えている。入力軸3はプライマリシャフトとなる。各プーリ51,52のV溝幅を変化させることによってベルト53の巻き掛け径が変化するので、CVT5の変速比γを連続的に変化させることができる。CVT5の変速比γは、最大変速比から最小変速比の範囲内で連続的に変化する。
【0016】
プライマリプーリ51は、入力軸3と一体化された固定シーブ51aと、入力軸3上で軸線方向に移動可能な可動シーブ51bと、可動シーブ51bに推力を付与するプライマリ油圧アクチュエータ51cとを備えている。固定シーブ51aのシーブ面と可動シーブ51bのシーブ面とが対向して、プライマリプーリ51のV溝を形成する。プライマリ油圧アクチュエータ51cは、可動シーブ51bの背面側に配置されている。プライマリ油圧アクチュエータ51cに供給される油圧によって、可動シーブ51bを固定シーブ51a側へ移動させる推力が発生する。
【0017】
セカンダリプーリ52は、セカンダリシャフト54と一体化された固定シーブ52aと、セカンダリシャフト54上で軸線方向に移動可能な可動シーブ52bと、可動シーブ52bに推力を付与するセカンダリ油圧アクチュエータ52cとを備えている。固定シーブ52aのシーブ面と可動シーブ52bのシーブ面とが対向して、セカンダリプーリ52のV溝を形成する。セカンダリ油圧アクチュエータ52cは、可動シーブ52bの背面側に配置されている。セカンダリ油圧アクチュエータ52cに供給される油圧によって、可動シーブ52bを固定シーブ52a側へ移動させる推力が発生する。
【0018】
CVT5の下流側には、エンジン1を駆動輪11から切り離すためのクラッチとして第2クラッチC2が設けられている。第2クラッチC2は、セカンダリシャフト54と出力軸7との間に設けられており、出力軸7からCVT5を選択的に切り離すことができる。第2クラッチC2を開放させることによって、CVT5と出力軸7との間がトルク伝達不能に遮断され、エンジン1に加えCVT5が駆動輪11から切り離される。例えば、第2クラッチC2を係合させると、CVT5と出力軸7との間が動力伝達可能に接続され、セカンダリシャフト54と出力軸7とが一体回転する。第2クラッチC2を開放させると、セカンダリシャフト54と出力軸7との間がトルク伝達不能に遮断され、エンジン1およびCVT5が駆動輪11から切り離される。第2クラッチC2は油圧式である。油圧アクチュエータによって第2クラッチC2の係合要素同士が摩擦係合するように構成されている。以上の構成を有するCVT5は、発進ギヤ付ベルト式CVT(WCVT)である。
【0019】
出力軸7には、出力ギヤ7aと従動ギヤ63とが一体回転するように取り付けられている。出力ギヤ7aは、減速機構であるカウンタギヤ機構8のカウンタドリブンギヤ8aと噛み合っている。カウンタギヤ機構8のカウンタドライブギヤ8bは、デファレンシャルギヤ9のリングギヤ9aと噛み合っている。デファレンシャルギヤ9には、左右の車軸10,10を介して左右の駆動輪11,11が連結されている。
【0020】
ギヤ列6は、前後進切替機構4のサンギヤ4Sと一体回転する駆動ギヤ61と、カウンタギヤ機構62と、出力軸7と一体回転する従動ギヤ63とを含む。ギヤ列6は減速機構であって、ギヤ列6の変速比(ギヤ比)は、固定変速比であり、CVT5の最大変速比よりも大きい所定値に設定されている。車両Veでは、発進時に、エンジン1からギヤ列6を介して駆動輪11にトルクを伝達させるように構成されている。ギヤ列6は発進ギヤとして機能する。
【0021】
駆動ギヤ61は、カウンタギヤ機構62のカウンタドリブンギヤ62aと噛み合っている。カウンタギヤ機構62は、カウンタドリブンギヤ62aと、カウンタシャフト62bと、従動ギヤ63に噛み合っているカウンタドライブギヤ62cとを含む。カウンタシャフト62bには、カウンタドリブンギヤ62aが一体回転するように取り付けられている。カウンタシャフト62bは入力軸3および出力軸7と平行に配置されている。カウンタドライブギヤ62cは、カウンタシャフト62bに対して相対回転可能に構成されている。また、カウンタシャフト62bとカウンタドライブギヤ62cとを選択的に一体回転させるドグクラッチS1が設けられている。
【0022】
ドグクラッチS1は、噛合式の一対の係合要素64a,64bと、軸線方向に移動可能なスリーブ64cとを備えている。第1係合要素64aは、カウンタシャフト62bにスプライン嵌合されたハブである。第1係合要素64aとカウンタシャフト62bとは一体回転する。第2係合要素64bは、カウンタドライブギヤ62cと一体回転するように連結されている。つまり、第2係合要素64bはカウンタシャフト62bに対して相対回転する。スリーブ64cの内周面に形成されたスプライン歯が、各係合要素64a,64bの外周面に形成されたスプライン歯と噛み合うことによって、ドグクラッチS1は係合状態となる。ドグクラッチS1を係合させることによって、駆動ギヤ61と従動ギヤ63との間(第2経路)がトルク伝達可能に接続される。第2係合要素64bとスリーブ64cとの噛み合いが解除されることによって、ドグクラッチS1は開放状態となる。ドグクラッチS1を開放させることによって、駆動ギヤ61と従動ギヤ63との間(第2経路)はトルク伝達不能に遮断される。ドグクラッチS1は油圧式であり、油圧アクチュエータによってスリーブ64cが軸線方向に移動する。
【0023】
本実施の形態に係る変速機の制御装置(以下、単に「制御装置」ということもある)は、電子制御装置(以下、ECU:Electronic Control Unit)によって構成されている。ECUは、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)などを有するマイクロコンピュータを主体にして構成される。ECUは、入力されたデータおよび予め記憶しているデータおよびプログラムを使用して演算を行い、その演算結果を指令信号として出力する。
【0024】
ECUには、各種センサからの信号が入力される。具体的には、ECUは、各種センサからの信号により、車両Veの速度、入力軸3の回転数すなわちタービンランナ2bの回転数(以下、タービン回転数)、セカンダリシャフト54の回転数、出力軸7の回転数、クランクシャフト1aの回転数(以下、エンジン回転数)、アクセルペダル(図示せず)の操作量、ブレーキペダル(図示せず)の操作量等を検出する。ECUは、さらにCVT5の変速比γを設定したり、各種状態の経過時間を算出したりする。
【0025】
制御装置は、摩擦クラッチの係合を伴う変速中である場合、前記変速機のアウトプット回転数が所定回転数以下であり、かつ係合油圧が所定値以上である状態が所定時間以上経過したとき、変速が終了したと判断する。
【0026】
制御装置は、有段変速に必要なクラッチの係合及び解放を油圧制御で行う。油圧制御は、ECUに搭載されるソフトウェアによって演算した指令値をもとに、ソレノイドを駆動することによって実現される。
【0027】
また、制御装置は、変速前後の同期回転数(アウトプット回転数×各ギヤ変速比)とタービン回転数との関係により、変速を進行させる制御を行う。また、制御装置は、極低回転(アウトプット回転数=0rpm)での変速制御が可能である。
【0028】
車両Veは、ギヤモードとベルトモードの2つの走行モードを設定することが可能である。ギヤモードは前後進切替機構4からギヤ列を介して動力伝達する走行モードであり、CVT5側が動力伝達不能に遮断され、第1クラッチC1が係合され、第2クラッチC2が開放される。これに対して、ベルトモードは、CVT5を介して動力伝達する走行モードであり、ギヤ側が動力伝達不能に遮断され、第2クラッチC2が係合され、第1クラッチC1およびブレーキB1が開放されるモードである。
【0029】
図2は、変速機の制御装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。制御装置は、車両が変速中である場合(ステップS1:Yes)、アウトプット回転が極低回転(回転数=0ppm)であれば(ステップS2:Yes)、ステップS3の処理へ移行し、アウトプット回転が極低回転でなければ(ステップS2:No)、ステップS4の処理へ移行する。ここでいう変速とは、例えばアップシフトやマニュアルダウンシフトである。
【0030】
ステップS3において、制御装置がコーストダウンまたは停止時ダウンの制御中である場合(ステップS3:Yes)、制御装置の制御フェースが変速終了フェーズであれば(ステップS5:Yes)、制御装置は変速終了と判断し(ステップS6)、一連の処理を終了する。
【0031】
ステップS5において、制御フェーズが変速終了フェーズでなければ(ステップS5:No)、変速終了ガード時間だけ経過したとき(ステップS7:Yes)、制御装置はステップS6へ移行する。ステップS7において、変速終了ガード時間が経過していないとき(ステップS7:No)、制御装置はステップS2の処理に戻る。
【0032】
ステップS3において、制御装置がコーストダウンまたは停止時ダウンの制御中でない場合(ステップS3:No)、「タービン回転数が所定回転数以下であり、かつ係合油圧が所定値以上である」状態を所定時間継続している場合(ステップS8:Yes)、制御装置はステップS6の処理へ移行する。ステップS8において、「タービン回転数が所定値以下であり、かつ係合油圧が所定値以上である」状態を所定時間継続していない場合(ステップS8:No)、制御装置はステップS7の処理へ移行する。タービン回転数に関する条件は、アウトプット回転数が0rpmの状態であってもクラッチが係合しているか否かを判断するための条件である。また、クラッチの係合油圧に関する条件は、クラッチが十分に係合できる油圧を指令しているか否かを判断するための条件である。これら2つの条件を満たす状態が所定時間継続している場合、制御装置は変速終了と判断する。
【0033】
ステップS4において、タービン回転数が同期回転数付近の値である場合(ステップS4:Yes)、制御装置はステップS6の処理へ移行する。一方、タービン回転数が同期回転数付近の値でない場合(ステップS4:No)、制御装置はステップS7の処理へ移行する。
【0034】
ステップS1において、車両が変速中でない場合(ステップS1:No)、制御装置はステップS6の処理へ移行する。
【0035】
以上説明したように、制御装置は、従来の技術と比して、アウトプット回転が極低回転(停車時を含む)である場合の変速に対して、タービン回転とクラッチ係合油圧による変速終了条件(ステップS8)を追加している。
【0036】
図3は、本実施の形態に係る変速機の制御装置が行う処理の作用を説明する図である。例えば、多重変速禁止時やマニュアルアップ時のアップシフト中に停車した場合、同期回転数が不明で制御装置は終了判断することができない。このような極低回転時の変速に対して、従来の制御装置は、変速終了ガード時間が経過した時点で終了を判断してダウンシフト出力を行っていた。これに対して、本実施の形態では、(1)クラッチ係合状態と判定できるタービン回転、および(2)クラッチ係合に十分な油圧指令、の2つの条件をともに満たした状態で所定時間経過したときに変速終了を判断するため、ダウンシフトの遅延時間を最小化することができる。
【0037】
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、摩擦クラッチの係合を伴う変速中である場合、変速機のアウトプット回転数が所定回転数以下であり、かつ係合油圧が所定値以上である状態が所定時間以上経過したとき、変速が終了したと判断するため、変速終了後の新たな変速要求に対して速やかに対応することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 エンジン
2 トルクコンバータ
2b タービンランナ
5 ベルト式無段変速機
100 動力伝達機構
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
図1
図2
図3