(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984419
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】開閉ユニット群取替工法
(51)【国際特許分類】
H02B 3/00 20060101AFI20211213BHJP
H02B 1/20 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
H02B3/00 E
H02B1/20 M
H02B3/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-402(P2018-402)
(22)【出願日】2018年1月5日
(65)【公開番号】特開2019-122145(P2019-122145A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2020年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000545
【氏名又は名称】特許業務法人大貫小竹国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 哲司
(72)【発明者】
【氏名】石通 孝行
【審査官】
太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−097340(JP,A)
【文献】
特開2002−078114(JP,A)
【文献】
特開2017−022946(JP,A)
【文献】
実開平03−086704(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/46− 7/08
H02B 1/00− 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動用配電線箱を少なくとも備えた1台の移動用スイッチギヤを用いて、配変二次箱及び並設された複数の配電線箱を有する既設の開閉ユニット群を取り替える開閉ユニット群取替工法であって、
全停状態において、前記移動用スイッチギヤを変圧器の二次側に接続すると共に、前記移動用配電線箱を、前記既設の開閉ユニット群の前記複数の配電線箱が接続された配電線立ち上げ箇所のうち、至近の配電線立ち上げ箇所に接続する移動用スイッチギア設置ステップと、
全停状態において、前記既設の開閉ユニット群の並設された複数の配電線箱のうち、前記至近の配電線立ち上げ箇所に接続されていた配電線箱の母線を切り離すとともに電力ケーブルを切り離し、この母線と電力ケーブルを切り離した配電線箱を新配電線箱に取り替える初期取替ステップと、
全停状態において、前記既設の開閉ユニット群において未取替のいずれかの配電線箱の母線を切り離すと共にこれに接続されていた電力ケーブルを切り離して取り替えられた前記新配電線箱に振り替え、母線が切り離された前記配電線箱以外の他の未取替の配電線箱及び取り替えられた前記新配電線箱の母線を前記既設の開閉ユニット群の前記配変二次箱又は前記移動用スイッチギヤの母線と電気的に接続する接続調整ステップと、
前記接続調整ステップの後に全停状態を解除し、前記母線と前記電力ケーブルが切り離された未取替の前記配電線箱を新配電線箱に取り替える配電線箱取替ステップと、
前記接続調整ステップと前記配電線箱取替ステップを繰り返し、未取替の配電線箱がなくなれば、最後に取り替えられた新配電線箱と前記至近の配電線立ち上げ箇所とを電力ケーブルで接続する配電線箱取替完結ステップと、
を有することを特徴とする開閉ユニット群取替工法。
【請求項2】
前記初期取替ステップ及び前記配電線箱取替ステップで取り替えられる配電線箱は、前記複数の配電線箱の端部から順番に行われることを特徴とする請求項1に記載の開閉ユニット群取替工法。
【請求項3】
前記既設の開閉ユニット群の前記配電線箱以外の箱を、全停状態において母線を切り離した後に一括で取り換える残存箱取替ステップをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉ユニット群取替工法。
【請求項4】
前記移動用スイッチギヤは、配変二次箱、所内GPT箱を、前記移動用配電線箱に必要に応じて追加したものであり、前記既設の開閉ユニット群は、前記配変二次箱、母連箱、所内GPT箱、及び複数の前記配電線箱を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の開閉ユニット群取替工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電用の設備として使用されるスイッチギアやガス絶縁開閉装置(GIS)などの開閉ユニット群を最小限の構成で取り替えるために有用な取替工法に関する。
【背景技術】
【0002】
配電設備として、従来より、スイッチギヤが設置されている。このスイッチギヤは、電力の開閉、制御、測定、保護、監視を行う閉鎖形配電盤であり、設置された金属製箱体内に遮断器、断路器、計器用変成器、母線、接続導体などのほか電力系統の監視制御に必要な機器が、回路区分ごと、又は、機能ごとに分けて箱体内の閉鎖空間に収納されている。
【0003】
例えば、
図1(a)で示す一般的なスイッチギヤは、配変用変圧器の二次側に接続される配変二次箱、配変二次箱の母線と他の変圧器の二次盤からの母線とを連絡する母連箱、所内で使う電力や各継電器等の計器に使う電力を供給する所内GPT箱、図示しない配電用遮断器を介して2回線の電力ケーブルを接続し、それぞれの電力ケーブルを介して電力需要地の配電線立ち上げ箇所に接続し配電する複数(図の例では3つ)の配電線箱が列盤設置されている(特許文献1,2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−271737号公報
【特許文献2】特開2015−55592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなスイッチギヤやガス絶縁開閉装置(以下「GIS」と記す)等の開閉ユニット群は,経年劣化により取り替えが必要となるが、従来においては、これらの装置を取り替えるにあたり、現在設置されている位置でスイッチギヤやGISを取り替えることができない場合には,開閉ユニット群を別の位置に設置して取り替えるようにしていた。
また、スイッチギヤやGISを取り換えるにあたり、現在の設置されている位置に新しいスイッチギヤやGISを設置する場合には、既設のスイッチギヤやGISの全体を一旦撤去し、その後に新しいスイッチギヤやGISを設置する必要があり、撤去および設置に時間がかかり、長期の連続停電を余儀なくされていた。また、別位置に設置する場合には、空スペースを十分に確保しなければ作業を行うことができない。
【0006】
また、スイッチギヤやGISの取り替え作業を行うにあたり、移動用スイッチギヤや移動用遮断器を利用する方法もあるが、それぞれの箱体に対して移動用スイッチギヤや移動用遮断器を一台づつ用意して接続するようにしていたので、それぞれの移動用スイッチギヤや移動用遮断器と接続する電力ケーブルの施設スペースが十分に確保できなかったり、配電線の立ち上げ箇所が離れている場合には市街地に電力ケーブルを長距離敷設する必要があり、取替作業が極めて困難であった。
【0007】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、上述した様々な不都合を解消し、1台の移動用スイッチギヤの配電線箱や移動用遮断器,または将来線を利用して、連続しない複数回の停電により現在位置での開閉ユニット群の取り替え作業を小さい作業スペースでスムーズに行うこと等を可能とした開閉ユニット群取替工法を提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明に係る開閉ユニット群取替工法は、移動用配電線箱を少なくとも備えた1台の移動用スイッチギヤを用いて、配変二次箱及び並設された複数の配電線箱を有する既設の開閉ユニット群を取り替える開閉ユニット群取替工法であって、全停状態において、前記移動用スイッチギヤを変圧器の二次側に接続すると共に、前記移動用配電線箱を、前記既設の開閉ユニット群の前記複数の配電線箱が接続された配電線立ち上げ箇所のうち、至近の配電線立ち上げ箇所に接続する移動用スイッチギア設置ステップと、全停状態において、前記既設の開閉ユニット群の並設された複数の配電線箱のうち、前記至近の配電線立ち上げ箇所に接続されていた配電線箱の母線を切り離すとともに電力ケーブルを切り離し、この母線と電力ケーブルを切り離した配電線箱を新配電線箱に取り替える初期取替ステップと、全停状態において、前記既設の開閉ユニット群において未取替のいずれかの配電線箱の母線を切り離すと共にこれに接続されていた電力ケーブルを切り離して取り替えられた前記新配電線箱に振り替え、母線が切り離された前記配電線箱以外の他の未取替の配電線箱及び取り替えられた前記新配電線箱の母線を前記既設の開閉ユニット群の前記配変二次箱又は前記移動用スイッチギヤの母線と電気的に接続する接続調整ステップと、前記接続調整ステップの後に全停状態を解除し、前記母線と前記電力ケーブルが切り離された未取替の前記配電線箱を新配電線箱に取り替える配電線箱取替ステップと、前記接続調整ステップと前記配電線箱取替ステップを繰り返し、未取替の配電線箱がなくなれば、前記接続調整ステップと前記配電線箱取替ステップを繰り返し、未取替の配電線箱がなくなれば、最後に取り替えられた新配電線箱と前記至近の配電線立ち上げ箇所とを電力ケーブルで接続する配電線箱取替完結ステップと、を有することを特徴としている。
【0009】
したがって、上述の手法によれば、移動用スイッチギヤを用いて既設の開閉ユニット群の配電線箱を1つずつ取り換え、取り替えた新配電線箱を、既設の開閉ユニット群の前記配変二次箱又は前記移動用スイッチギヤの母線と電気的に接続することで、配電線箱を1つづつ取り替える毎に電力需要地へ電力供給を可能としたので、長期の連続停電を避けることができ、全停が必要となる場合のみ停電させることで(必要最小限度の連続しない複数回の停電により)、開閉ユニット群の取り替えが可能となる。
【0010】
また、一台の移動用スイッチギヤを用いて既設の開閉ユニット群の配電線箱を順番に取り替えるので、作業スペースを大きく確保する必要がなく、また、至近の配電線立ち上げ箇所に移動用配電線箱を接続し、また、取り替えられた新配電線箱は既存の配電線箱に接続されていた電力ケーブルを振り替えるので、電力ケーブルを長距離引き回す必要もなくなる。
【0011】
ここで、前記初期取替ステップ及び前記配電線箱取替ステップで取り替えられる配電線箱は、既設のスイッチギヤの並設されている複数の配電線箱のいずれから順番に行ってもよいが、作業効率を高める上では前記複数の配電線箱の端部から順番に行うようにするとよい。
【0012】
また、前記既設の開閉ユニット群の前記配電線箱以外の箱を、全停状態において母線を切り離した後に一括で取り換える残存箱取替ステップをさらに備えるようにするとよい。この残存箱取替ステップは、複数の配電線箱を取り替えた後に行っても、複数の配電線箱を取り替える前に先に行ってもよい。
【0013】
なお、前記移動用スイッチギヤは、配変二次箱や所内GPT箱を前記移動用配電線箱に必要に応じて追加したものを用いればよく、また、前記既設の開閉ユニット群は、一般的には前記配変二次箱、母連箱、所内GPT箱、及び複数の前記配電線箱を備えるものであり、前記配電線箱以外の箱は、配変二次箱、母連箱、所内GPT箱である。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように、本発明によれば、一台の移動用スイッチギヤの移動用配電線箱や将来線を用いて、既設の開閉ユニット群の配電線箱を1つづつ交換し、全停が必要なとき以外は、充電させることを可能としたので、連続しない複数回の停電により現在位置での開閉ユニット群の取り替えを必要最小限の構成で行うことが可能となる。このため、取り替え作業の作業スペースをできるだけ抑えることが可能となる。
また、遠方の配電線立ち上げ箇所まで交換作業用の電力ケーブルを長距離敷設する必要がなくなり、また、既存の電力ケーブルを新配電線箱に振り替えるのでスムーズな作業を行うことが可能となり、作業効率を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、変電所に設けられた既設の開閉ユニット群の構成例を示す図であり、(a)は、その全体の概略構成図、(b)は、その単線結線図である。
【
図2】
図2は、開閉ユニット群の取替作業を説明する説明図であり、全停状態として、移動用スイッチギヤを既設の開閉ユニット群の近くに配置して変圧器の二次側に接続すると共に至近の配電線立ち上げ箇所に移動用配電線箱を接続する作業を説明する図である。
【
図3】
図3は、開閉ユニット群の取替作業の続きを説明する説明図であり、全停状態において、既設の並列された複数の配電線箱の端部の配電線箱を取り替えるためにその配電線箱の母線を切り離すと共に電力ケーブルを撤去する作業を説明する図である。
【
図4】
図4は、開閉ユニット群の取替作業の続きを説明する説明図であり、既設の並列された複数の配電線箱の端部の配電線箱を新配電線箱に取り換えた後に、全停状態において、その新配電線箱を移動用スイッチギヤの母線と電気的に接続し、また、新配電線箱に隣接する未取替の配電線箱の母線を切り離し、その配電線箱に接続されていた電力ケーブルを新配電線箱に振り替える作業を説明する図である。
【
図5】
図5は、開閉ユニット群の取替作業の続きを説明する説明図であり、充電状態として(全停状態を解消して)新配電線箱に隣接する既設の配電線箱を取り替える作業を説明する図である。
【
図6】
図6は、開閉ユニット群の取替作業の続きを説明する説明図であり、母線を切り離した配電線箱を新配電線箱に取り換えた後に、全停状態において、その新配電線箱を移動用スイッチギヤの母線と電気的に接続し、また、この新配電線箱に隣接する未取替の配電線箱の母線を切り離し、その配電線箱に接続されていた電力ケーブルを直近で取り替えた新配電線箱に振り替える作業を説明する図である。
【
図7】
図7は、開閉ユニット群の取替作業の続きを説明する説明図であり、充電状態として(全停状態を解消して)直近で取り換えた新配電線箱に隣接する既設の配電線箱を取り替える作業を説明する図である。
【
図8】
図8は、開閉ユニット群の取替作業の続きを説明する説明図であり、母線を切り離した配電線箱を新配電線箱に取り換えた後に、全停状態において、その新配電線箱を移動用スイッチギヤの母線と電気的に接続し、また、移動用配電線箱の配電線遮断器を切って移動用配電線箱と至近の配電線立ち上げ箇所に接続されていた電力ケーブルを撤去し、また配変二次ケーブルを切り離すと共に、母連箱から所内GPT箱の母線を切り離す作業を説明する図である。
【
図9】
図9は、開閉ユニット群の取替作業の続きを説明する説明図であり、全停状態において、母連箱、配変二次箱、所内GPT箱を取り替える作業を説明する図である。
【
図10】
図10は、開閉ユニット群の取替作業の続きを説明する説明図であり、母連箱、配変二次箱、所内GPT箱を取り替えた後に、全停状態において、取り替えられた配変二次箱を変圧器の二次側に接続し、移動用スイッチギヤを撤去する作業を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
【0017】
図1(a)は、変電所に設置されている、既設の開閉ユニット群1の一例が示されている。
この開閉ユニット群1は、金属製の箱体からなる閉鎖形の複数のスイッチギヤ2,3,4,5,6,7を列盤設置して構成されているもので、それぞれのスイッチギヤは、箱体の背面に母線を構成する図示しない金属板が設けられ、それぞれの金属板を直列に接続することで各スイッチギヤの内部に収容される機器を母線と接続している。
【0018】
開閉ユニット群1の各スイッチギヤ2,3,4,5,6,7は、配変用の変圧器8の二次側に接続される配変二次箱3、配変二次箱の母線と他の変圧器の二次盤からの母線とを連絡する母線箱2、所内で使う電力や各継電器等の計器に使う電力を供給する所内GPT箱4、2回線の電力ケーブルを接続可能な複数(この例では3つ)の配電線箱5,6,7が列盤設置されている。
【0019】
図1(b)に示されるように、配変二次箱3は、変圧器8の二次側に配変二次ケーブル10を介して接続されており、変圧器8の二次側を開閉する二次遮断器31、避雷器32を有し、異常時に動作する図示しない保護継電器等をさらに備えている。
母連箱2は、別の変圧器に接続された他のスイッチギヤを接続して電力を確保するために用いる母連用遮断器24等を備えている。
所内GPT箱4は、変電所に電力を供給するための所内変圧器41、限流ヒューズ42、継電器等の計器に電力を供給するための計器用変圧器(GPT)43、母線に繋がっている機器を保護する母線保護継電器44等を備えている。
配電線箱5,6,7には、2回線の配電線用遮断器51a,51b,61a,61b,71a,71b、変流器52a,52b,62a,62b,72a,72b、零相変流器53a,53b,63a,63b,73a,73b、及び図示しない配電線保護継電器等を備えている。
【0020】
このような既設の開閉ユニット群1を取り替えるにあたり、長期連続停電を行うことなく、また、小さい作業スペースで長距離の電力ケーブルの敷設を伴わずに取り替えるために、以下のような取替工法を採用している。
【0021】
先ず、
図1で示す既設の開閉ユニット群1に対して、
図2に示されるように、移動用スイッチギヤ100を近くの空きスペースに設置する。この例では、移動用スイッチギヤ100として、既設の開閉ユニット群1と同様の配変二次箱101、所内GPT箱102、移動用配電線箱103を組み合わせたものを用意している。
そして、この開閉ユニット群1が設けられている変電所の配電線の電気を全て止める全停状態とし、その上で、変圧器8の二次ダクトから移動ケーブル11を移動用スイッチギヤ100の配変二次箱101に接続し、また、移動用スイッチギヤ100の移動用配電線箱103を、至近の配電線立上げ箇所13(この例では、既設のスイッチギヤ1の端部の配電線箱7が接続されている配電線立上げ箇所)まで電力ケーブル12を敷設して接続する。
【0022】
その後、全停状態のまま、
図3に示すように、既設の開閉ユニット群1の配電線箱7の母線を切り離し、また、配電線箱7に取り付けられていた電力ケーブル14を取り外し、配電線箱7を取り替え可能な状態とする。
そして、
図4に示すように、この配電線箱7を、近くに用意しておいた新配電線箱27と取り替え、それと同時に、新配電線箱27に隣接する配電線箱6の母線を切り離すと共にこれに接続されていた電力ケーブル15を新配電線箱27に振り替え、移動用スイッチギヤ100の母線と新配電線箱27の母線とを移動用ケーブル17で接続し、その上で全停状態を解除する。
これにより、既設の1つ目の配電線箱7を取り替えた時点で全停状態が解除され、連続停電を避けることが可能となる。
【0023】
その後、通電状態のまま、配電線箱6を、
図5に示されるように、用意しておいた新しい配電線箱26に取り替える。そして、新配電線箱26への取り替えが完了した後に、再び全停状態とし、
図6に示されるように、この新配電線箱26に隣接する既設の配電線箱5の母線を切り離すと共に、これに接続されていた電力ケーブル16を入れ替えた新配電線箱26に振り替え、新しい配電線箱同士(26と27との間)の母線を接続して移動用配電線箱103の母線と電気的に接続し、その上で全停状態を解除する。
これにより、既設の2つ目の配電線箱7を取り替えた時点で停電状態が解除され、連続停電を避けることが可能となる。
【0024】
その後、通電状態のまま、配電線箱5を、
図7に示されるように、用意しておいた新配電線箱25に取り替える。そして、新配電線箱25への取り替えが完了した後に、再び全停状態とし、
図8に示されるように、移動用スイッチギヤ100の移動用配電線箱103内の図示しない配電線遮断器を切ると共に、移動用配電線箱103と至近の配電線立上げ箇所13とを接続していた電力ケーブル12を外し、新配電線箱25と至近の配電線立上げ箇所13とを電力ケーブル18で接続する(この際、既設の電力ケーブル14を振り替えてもよい)。また、変圧器8と配変二次箱3とを接続する配変二次ケーブル10を切り離すと共に、母連箱2、配変二次箱3、及び所内GPT箱4の母線を切り離し、取り替え可能な状態とする。
【0025】
そして、
図9に示されるように、開閉ユニット群1の母連箱2、配変二次箱3、所内GPT箱4を新しい母連箱22、配変二次箱23、所内GTP箱24に取り替える。取り替えは全停としなくても良い。その後、全停状態を維持したまま、入れ替えた全ての箱の母線を接続すると共に変圧器8と配変二次箱23とを配変二次ケーブル10で接続し、移動用スイッチギヤ100とこれに接続されていた移動ケーブル11、17を撤去し、全停状態を解除する。
【0026】
したがって、以上の取り替え工法によれば、現在設置されている開閉ユニット群1の設置位置を変えることなく取り替えることができ、また、長期連続停電を行わずに複数回の必要最小限の停電によって開閉ユニット群の取り替えが可能となる。
また、移動用スイッチギヤ100は、開閉ユニット群1の箱ごとに用意する必要がなく、1台の移動用スイッチギヤ100を利用して取り替えが可能となるので、作業スペースを小さくでき、また、移動用スイッチギヤ等の移動用設備の設置費用を抑えることが可能となる。
【0027】
さらに、上述の工法によれば、既設の配電線箱の全てを移動用スイッチギヤ100の配電線箱103に振り替える必要がないので、遠くに立ち上げている配電線への電力供給を、入れ替えた新配電線箱に振り替えて行うことが可能となり、必要最小限度の停電とすることが可能となる。
【0028】
なお、以上の取り替え行程においては、配電線箱を先に取り換え、母連箱2、配変二次箱3、所内GPT箱4を後で取り替える方法を示したが、母連箱2、配変二次箱3、所内GPT箱4を先に取り換え、配電線箱を順次取り換えるようにしてもよい。
また、上述の配電線箱の取り替えにおいては、配電線箱を端部から順番に取り替える例を示したが、配電線箱の取り替え時に、取替対象となっている配電線箱以外の未取替の配電線箱、及び、取り替えられた新配電線箱を充電できるのであれば、どのような順番で配電線箱を取り替えてもよい。
さらに、上述の構成においては、配電線箱7を近距離の配電線立ち上げ箇所に接続した例について説明したが、配電線箱5又は6が近距離の配電線立ち上げ箇所に接続されている場合でも同様に実施可能である。
【0029】
また、上述で用いた移動用スイッチギヤ100は、配変二次箱101、所内GPT箱102、移動用配電線箱103を組み合わせたものを用いたが、必要に応じて適宜組み合わせて用いればよく、配電線箱に電圧異常を判断する保護継電器があり、ロックできるのであれば、移動用所内GPT箱は不要であり、また、配変一次遮断器があり、ここで全停状態を形成できるのであれば、移動用配変二次箱は不要である。
【0030】
また、以上の構成は、開閉ユニット群としてスイッチギヤに適用した例について説明したが、ガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switchgear)などの開閉ユニット群についても、同様の手法を採用することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 開閉ユニット群
2 母連箱
3 配変二次箱
4 所内GPT箱
5,6,7 配電線箱
8 変圧器
12、14,15,16 電力ケーブル
13 配電線立ち上げ箇所
22 母連箱
23 配変二次箱
24 所内GPT箱
25,26,27 新配電線箱
100 移動用スイッチギヤ
103 移動用配電線箱