(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1の実施形態]
以下、本発明の一実施形態である行先情報検索装置及び行先情報検索システムについて図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る行先情報検索システム10の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
(構成)
図1に示されるように、本実施形態に係る行先情報検索システム10は、センターサーバ20と、カーナビゲーション装置30と、SNSサーバ40と、携帯端末50と、を含んで構成されている。ここで、本実施形態のカーナビゲーション装置30は、SNSを利用するユーザが乗車する車両12に搭載されている。このSNSはSNSサーバ40により管理されている。なお、以降の説明において、SNSを利用するユーザのうち車両12に乗車するユーザを「特定ユーザ」とし、SNSを利用する他のユーザと区別する。センターサーバ20、カーナビゲーション装置30、SNSサーバ40及び携帯端末50は、ネットワークN1を介して相互に接続されている。
【0025】
図2に示されるように、センターサーバ20は、制御部21と、記憶部27と、通信部28と、を備えている。本実施形態のセンターサーバ20は、SNSサーバ40からSNSを利用するユーザの投稿情報を、カーナビゲーション装置30から車両12の位置情報をそれぞれ取得し、取得した情報に基づいて、車両12の行先を決定する機能を有している。また、センターサーバ20は、決定した行先を行先情報としてカーナビゲーション装置30(
図1参照)に向けて出力する機能を有している。本実施形態では、センターサーバ20が行先情報検索装置に相当する。
【0026】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等で構成されている。制御部21は、CPUが後述する実行プログラム27Aを実行することで、取得部22、分析部23、決定部24、設定部25及び出力部26として機能する。
【0027】
取得部22は、通信部28を介してSNSサーバ40からSNSを利用するユーザの投稿に係る投稿情報を、カーナビゲーション装置30から車両12の位置情報をそれぞれ取得する機能を有している。ここで「投稿情報」には、文字データであるテキスト情報、静止画及び動画のデータである画像情報、サウンドデータである音声情報などが含まれる。また、「投稿情報」に特定ユーザの投稿に対するコメントや、評価を含めてもよい。取得部22では、特定ユーザを含むSNSを利用するユーザの投稿に係る投稿情報を取得することができる。
【0028】
分析部23は、取得部22が取得した特定ユーザの投稿情報を基に特定ユーザの嗜好を分析する機能を有している。ここで「嗜好」には、好み、趣味、関心事項が含まれる。この分析部23では、特定ユーザの投稿情報からジャンル別の出現頻度を解析し、スコアに換算する。例えば、特定ユーザの投稿にケーキやコーヒーの写真が多く含まれる場合は、カフェのジャンルの比率が上がるようにスコアを更新する。また、特定ユーザの投稿に絵画の論説が多く含まれる場合は、美術館のジャンルの比率が上がるようにスコアを更新する。また、スコアの更新はジャンルと直結する投稿に限らず、特定のジャンルを示唆する投稿に対して行ってもよい。例えば、「疲れた」、「ゆっくりしたい」等の投稿が多い場合には、温泉のジャンルの比率が上がるようにスコアを更新してもよい。また、子供の写真が多い場合には、テーマパークのジャンルの比率が上がるようにスコアを更新してもよい。
【0029】
また、分析部23は、特定ユーザ以外のユーザの投稿情報を分析することができる。例えば、SNSを利用する全てのユーザ、特定ユーザと繋がりがあるユーザ、特定ユーザが属するグループのユーザなどを分析対象に含めることができる。これにより、分析部23は分析対象に含まれるユーザ全体の嗜好、つまりトレンドをスコアに換算することができる。そして、ジャンル毎のスコアは、後述する嗜好テーブル27Cに記憶される。
【0030】
決定部24は、取得部22が取得した投稿情報、及び車両12の現在の位置情報に基づいて車両12の行先を決定する、すなわち検索する機能を有している。まず、決定部24は、予め記憶部27の地点リストデータ27Dに記憶されている、又はネットワークN1経由で取得した地点リストから、所定エリア内に存在する地点を行先候補として決定する。ここで、所定エリアは、車両12の現在位置を中心とする一定距離内のエリア、車両12の現在位置と予め設定された目的地との間のエリアを含むものである。
【0031】
そして、決定部24は、所定エリア内の行先候補に対して、嗜好テーブル27Cに記憶されている嗜好のスコアを加味して行先を決定する。
【0032】
なお、決定部24は行先を一つに限らず複数決定してもよい。この場合、決定部24は、各行先に対する立ち寄り順を決定する。この立ち寄り順は、必ずしも車両12の現在位置からの距離が近い順である必要はない。例えば、スポーツ施設、温泉施設の順や、ショッピングモール、レストランの順など、SNSの投稿内容やユーザの行動に合わせて立ち寄り順を決定することができる。そして、決定部24は行先に対して立ち寄り順を付与した位置情報を生成する。
【0033】
設定部25は、特定ユーザの嗜好を設定する機能を有している。この設定部25は、分析部23による嗜好の各ジャンルに対する重み付けとは別に、特定ユーザの設定に基づいて各ジャンルに対する重み付けを設定することができる。つまり、設定部25は、分析部23とは独立して嗜好のスコアを変更することを可能としている。これにより、SNSには投稿されないジャンルに係る特定ユーザの嗜好を行先に反映させることができる。
【0034】
また、設定部25は、行先として優先的に決定されるジャンルを設定することができる。これにより、例えば、食事を目的とする移動に際し、決定部24は食のジャンルに含まれる行先を決定する。また例えば、災害時の避難に際し、決定部24は災害のジャンルに含まれる行先を決定する。
【0035】
出力部26は、決定部24において決定された行先を行先情報として出力する機能を有している。ここで、行先が複数ある場合、出力部26は立ち寄り順が付加された行先情報を出力する。この出力部26から出力された行先情報は、通信部28からカーナビゲーション装置30に向けて送信される。また、行先情報は、通信部28からSNSサーバ40及び携帯端末50に向けて送信することも可能である。
【0036】
記憶部27としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。本実施形態の記憶部27には、センターサーバ20における各種処理を実行するための実行プログラム27Aが記憶されている。また、記憶部27には、ID情報テーブル27B、嗜好テーブル27C、地点リストデータ27D、行先データ27Eが記憶されている。ID情報テーブル27Bには、SNSサーバ40における特定ユーザの投稿を閲覧するのに必要なアカウントやパスワード、カーナビゲーション装置30を特定するための端末固有ID、携帯端末50を特定するための端末固有ID等が記憶されている。
【0037】
嗜好テーブル27Cには、カテゴリ別に、各ジャンルの嗜好のスコアが規定されている。
図3は嗜好テーブル27Cの一例である。
図3(A)に示されるように、食をカテゴリとする嗜好テーブル27Cには、食のジャンルである「和食」、「洋食」、「中華」、「カフェ」等のスコアが規定されている。また、
図3(B)に示されるように、アクティビティをカテゴリとする嗜好テーブル27Cには、アクティビティのジャンルである「スポーツ」、「テーマパーク」、「美術館・博物館」、「ショッピング」等のスコアが規定されている。また、
図3(C)に示されるように、ドライブ・旅行をカテゴリとする嗜好テーブル27Cには、ドライブ・旅行のジャンルである「海・山」、「温泉」、「グルメ」、「名所」等のスコアが規定されている。さらに、
図3(D)に示されるように、災害をカテゴリとする嗜好テーブル27Cには、災害時の避難所のジャンルである「食料」、「入浴」、「電源」、「おむつ」等のスコアが規定されている。
【0038】
地点リストデータ27Dには、検索対象となる地図上の地点がその地点の属性と共に地点リストとして記憶されている。属性とは、レストラン、遊園地、観光名所等、その地点の概要を示す情報である。地点リストは予め記憶部27にインスールされていても、ネットワークN1経由で取得されても、いずれの形態でもよい。また、地点リストが予め記憶部27にインスールされている場合、地点リストはネットワークN1経由で更新することができる。
【0039】
行先データ27Eには、立ち寄り順とその行先が記憶されている。この行先データ27Eは、決定部24により新たに決定された行先だけでなく、過去に決定されたデータを記憶することができる。例えば、
図4(A)はドライブを目的として検索した結果の一例である。
図4(A)に示されるように、行先データ27Eには、「A山ロープウェイ」、「レストランB」、「C海岸」、「日帰り温泉D」の順に行先が規定されている。
図4(B)は食事を目的として検索した結果の一例である。
図4(B)に示されるように、行先データ27Eには、「イタリアンレストランE」、「カフェF」、「Gケーキ店」の順に行先が規定されている。
【0040】
図2に示されるように、通信部28は、ネットワークN1に接続されている(
図1参照)。この通信部28は、SNSサーバ40、カーナビゲーション装置30、及び携帯端末50の各々と通信を行う機能を有している。ここで、ネットワークN1としては、例えば、インターネットや、WAN(Wide Area Network)等が適用される。
【0041】
図5に示されるように、位置情報提供装置としてのカーナビゲーション装置30は、制御部31と、記憶部34と、通信部36と、GPSユニット38と、表示部39と、を備えている。このカーナビゲーション装置30は、当該カーナビゲーション装置30が搭載された車両12の位置を提供する機能を有している。またカーナビゲーション装置30は、センターサーバ20から受信した行先情報を基に車両12の走行ルートを決定し、決定された走行ルートを報知する機能を有している。
【0042】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等で構成されている。制御部31は、CPUが後述する制御プログラム34Aを実行することで、取得部32、最適化部33として機能する。
【0043】
取得部32は、通信部36を介してセンターサーバ20から行先情報を取得する機能を有している。
【0044】
最適化部33は、取得部32が取得した行先情報を基に車両12の走行ルートを最適化する機能を有している。走行ルートの最適化に関しては、単に行先情報に含まれる行先への走行ルートを設定するのみならず、予め設定された目的地に対して行先情報に含まれる行先を立ち寄り先として設定することができる。また、最適化部33は、公知の道路交通情報通信システム(VICS(登録商標))から渋滞情報を取得し、これを走行ルートの設定に反映させることができる。
【0045】
記憶部34としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。本実施形態の記憶部34には、カーナビゲーション装置30における各種処理を実行するための制御プログラム34Aが記憶されている。また、記憶部34には、履歴データ34Bが記憶されている。履歴データ34Bには、センターサーバ20から提供された行先情報に基づいて車両12が走行した際の行先の履歴が記憶されている。
【0046】
通信部36は、ネットワークN1に接続されている(
図1参照)。この通信部36は、センターサーバ20と通信を行う機能を有している。すなわち、センターサーバ20の通信部28から送信された行先情報は、通信部36において受信される。
【0047】
GPSユニット38は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波に基づいてカーナビゲーション装置30が搭載された車両12の現在の位置座標を測定する機能を有している。すなわち、カーナビゲーション装置30によれば、GPSユニット38が測定した位置座標が位置情報となる。
【0048】
表示部39は、車両12のセンターコンソールやダッシュボード上に設けられたタッチパネル式の液晶ディスプレイである。表示部39は、カーナビゲーション装置30の本体部と一体でも別体でもどちらでもよい。この表示部39は、車両12の現在位置及び走行ルートを表示する機能を有している。本実施形態の表示部39は報知部に相当する。
【0049】
本実施形態のSNSサーバ40は、SNSを管理する管理サーバとしての機能を有している。
図1に示されるように、SNSサーバ40は、ネットワークN1を介してセンターサーバ20及び携帯端末50に接続されている。SNSサーバ40では、携帯端末50等から送信された特定ユーザの投稿情報を送信可能化状態とする(つまり、アップロード)ことにより、SNSサーバ40に接続した他の端末が当該投稿情報を受信する(つまり、ダウンロード)ことを可能としている。このSNSサーバ40では、特定ユーザの投稿について、当該特定ユーザが指定したユーザしか閲覧できないように、閲覧制限を掛けることができる。
【0050】
携帯端末50は、SNSを利用する特定ユーザが所持するスマートフォンやタブレット端末である。この携帯端末50は、ネットワークN1を介してセンターサーバ20及びSNSサーバ40に接続されている。本実施形態の行先情報検索システム10を利用する特定ユーザは、携帯端末50からSNSに投稿することができる。
【0051】
(処理の流れ)
次に、
図6のシーケンス図を参照しつつ、本実施形態の行先情報検索システム10における処理の流れについて説明する。
【0052】
まず、センターサーバ20において、SNSを利用するユーザであって、SNSの投稿情報を基に行先の検索を行う特定ユーザが事前に行うユーザ登録に係る処理について説明する。
【0053】
図6のステップS1において、携帯端末50は、センターサーバ20に向けて携帯端末50に入力されたユーザ登録情報を送信する。ここで、ユーザ登録情報は、携帯端末50の入力装置から入力される情報であって、携帯端末50に予めインストールされたアプリケーションや、専用のインターネットサイトを通じてセンターサーバ20に送信される。このユーザ登録情報には、SNSサーバ40における特定ユーザの投稿の閲覧に必要なアカウントやパスワード、カーナビゲーション装置30を特定するための情報(例えば、端末固有ID)、携帯端末50を特定するための情報(例えば、端末固有ID)等が含まれる。
【0054】
また、ユーザ登録情報として、特定ユーザの嗜好及び行先として優先的に決定されるジャンルやカテゴリに係る情報を登録することができる。なお、嗜好のジャンルやカテゴリに係る情報の登録及び変更は、ユーザ登録後においても行うことができる。
【0055】
ステップS2において、センターサーバ20は、携帯端末50から取得したユーザ登録情報に基づいてユーザ登録処理を実行する。具体的には、設定部25が固有のユーザIDを生成すると共に、ID情報テーブル27Bの新たな領域に対してこの生成されたユーザIDと、取得したユーザ登録情報を書き込む。
【0056】
ステップS3において、センターサーバ20は、ユーザ登録情報に含まれる端末固有IDのカーナビゲーション装置30に向けてテスト信号を送信する。
【0057】
ステップS4において、カーナビゲーション装置30は、テスト信号を正常に受信した場合に、センターサーバ20に向けて応答信号を送信する。
【0058】
ステップS5において、センターサーバ20は、応答信号を正常に受信した場合に、ID発行処理を実行する。具体的には、ID情報テーブル27Bからユーザ通知用のユーザID及び当該IDと同時に生成したパスワードを取得する。
【0059】
ステップS6において、センターサーバ20は、ユーザ登録処理において生成したユーザID及び同時に生成したパスワードを携帯端末50に送信する。
【0060】
次に、
図7のシーケンス図を参照しつつ、SNSにおける特定ユーザの投稿を基に行先を検索する際のルート最適化に係る処理について説明する。
【0061】
図7のステップS11において、特定ユーザによる所定の操作に基づいて、カーナビゲーション装置30はセンターサーバ20に対して検索開始指示を送信する。なお、この検索開始指示は携帯端末50から送信してもよい。
【0062】
ステップS12において、検索開始指示を受けたセンターサーバ20が起動処理を実行する。具体的に、センターサーバ20の制御部21は、ID情報テーブル27Bを参照して、ユーザIDに対応するSNSサーバ40のアカウント及びパスワードを取得する。
【0063】
ステップS13において、センターサーバ20は、通信部28からSNSサーバ40に向けてアカウント及びパスワードを送信する。
【0064】
ステップS14において、SNSサーバ40は、センターサーバ20から受信したアカウント及びパスワードを用いてログイン処理を実行する。SNSサーバ40では、アカウントとパスワードとが一致することにより、センターサーバ20は、特定ユーザの投稿を閲覧する(つまり、ダウンロード)ことが可能となる。
【0065】
ステップS15において、SNSサーバ40は、センターサーバ20に向けて投稿情報を送信する。つまり、SNSの投稿がダウンロードされる。
【0066】
ステップS16において、センターサーバ20の分析部23が嗜好分析処理を実行する。詳細は後述する。嗜好分析処理が実行されることで、特定ユーザの嗜好がスコアに換算される。そして、分析部23は、新たに換算されたスコアに基づいて嗜好テーブル27Cを更新する。なお、設定部25により、特定ユーザの嗜好が設定されている場合は、当該設定に基づいた嗜好のスコアも嗜好テーブル27Cに反映させる。
【0067】
ステップS17において、センターサーバ20は、通信部28からカーナビゲーション装置30に向けて位置情報要求を送信する。つまり、センターサーバ20は、カーナビゲーション装置30の現在位置を要求する。
【0068】
ステップS18において、位置情報要求を受信したカーナビゲーション装置30は、通信部36からセンターサーバ20に向けて車両12の現在位置を位置情報として送信する。
【0069】
ステップS19において、センターサーバ20の決定部24が嗜好テーブル27C及び取得した位置情報に基づいて一又は複数の行先を決定する(
図4(A)及び(B)参照)。詳細は後述する。
【0070】
ステップS20において、センターサーバ20は、通信部28からカーナビゲーション装置30に向けて決定された一又は複数の行先を行先情報として送信する。なお、行先情報は、SNSサーバ40に送信してもよい(ステップS21)。この場合、センターサーバ20は、決定された行先をSNS上に投稿することができる。また、行先情報は、携帯端末50に送信してもよい(ステップS22)。この場合、センターサーバ20は、決定された行先を携帯端末50を通じて特定ユーザに直接通知することができる。
【0071】
ステップS23において、行先情報を受信したカーナビゲーション装置30では、最適化部33が当該行先情報に基づいてルート最適化処理を実行する。詳細は後述する。ルート最適化処理により、センターサーバ20が決定した行先情報がカーナビゲーション装置30の表示部39に表示される。
【0072】
図8は、
図4(A)の行先データに基づいてルート最適化処理を行った場合における表示部39の表示例である。
図8に示されるように、地
図Mpには、車両12の位置Pcと、複数の行先P1〜P4が表示されている。行先P1〜P4は、立ち寄り順1〜4にそれぞれ対応する。
図4(A)はドライブを目的とする行先の一例であるが、本実施形態では、SNSの投稿内容を車両12の走行ルートに反映させることができる。
【0073】
次に、
図9においてセンターサーバ20が実行する嗜好分析処理について説明する。
【0074】
まず、ステップS100において、取得部22は通信部28を介してSNSサーバ40から特定ユーザの投稿、すなわち投稿情報を取得する。取得の対象となる投稿としては、一定期間内(例えば、24時間以内、一週間以内)の投稿、一定数(例えば、過去5件分など)の投稿、特定のコンテンツやユーザに対する投稿など、いずれの場合も可能である。
【0075】
次のステップS101において、分析部23は取得情報のジャンルを選択する。例えば、「昼食にパスタを食べた」という投稿があれば、
図3(A)に示される「洋食」のジャンルが選択される。この際、選択される投稿は一つに限らない。例えば、山々に囲まれた露天風呂の写真があれば、
図3(C)に示される「海・山」及び「温泉」のジャンルが選択される。
【0076】
次のステップS102において、分析部23は嗜好テーブル27Cのスコアを更新する。例えば、分析部23は、「洋食」のジャンルが選択されている場合、嗜好テーブル27C中の「洋食」のスコアに対して一定数のポイントを付加したり、投稿に占める「洋食」の記事の割合を加味してポイントを付加する(
図3(A)参照)。また例えば分析部23は、「海・山」及び「温泉」のジャンルが選択されている場合、カテゴリ「ドライブ・旅行」の嗜好テーブル27Cに対して、「海・山」及び「温泉」のスコアが高くなるように、スコアの重み付けを変更する(
図3(C)参照)。スコアが更新されると嗜好分析処理は終了する。
【0077】
次に、
図10においてセンターサーバ20が実行する行先決定処理について説明する。
【0078】
まず、ステップS200において、取得部22は通信部28を介してカーナビゲーション装置30から車両12の現在位置に係る位置情報を取得する。
【0079】
次のステップS201において、決定部24は、地点リストデータ27Dに記憶されている地点リストから、車両12の位置情報を基に定められた所定エリア内に存在する地点を行先候補として決定する。なお、上述のように、所定エリアは、車両12の現在位置を中心とする一定距離内のエリア、及び車両12の現在位置と予め設定された目的地との間のエリアとすることができる。ただし、所定エリアを車両12の現在位置と予め設定された目的地との間のエリアとする場合、ステップS200において取得部22は車両12の現在の位置情報と共に、目的地に係る位置情報を取得する。
【0080】
次のステップS202において、決定部24は、嗜好テーブル27Cのスコアを加味して行先候補から行先を決定する。例えば、行先候補に、「スポーツ施設」、「遊園地」、「美術館」、「ショッピングモール」が含まれる場合、決定部24は、
図3(B)に示されるアクティビティの嗜好テーブル27Cのスコアを加味してジャンル「テーマパーク」に対応する「遊園地」を行先に決定する。
【0081】
次のステップS203において、決定部24は、ステップS202において決定した行先が複数であるか否かを判定する。行先が複数である場合は次のステップS204に進む。一方、行先が複数ではない場合、すなわち一つしかない場合、ステップS205に進む。
【0082】
ステップS204において、決定部24は、各行先に対して立ち寄り順を決定する。上述のように、この立ち寄り順は、必ずしも車両12の現在位置からの距離が近い順である必要はなく、ユーザの行動に合わせて決定することができる。なお、行先が一つの場合でも立ち寄り順を決定してもよい。この場合、立ち寄り順は「1」しかないが、ステップS203は省略される。
【0083】
ステップS205において、決定部24は行先に対して立ち寄り順を付与した位置情報を生成する。そして行先決定処理は終了する。
【0084】
次に、
図11においてカーナビゲーション装置30が実行するルート最適化処理について説明する。
【0085】
まず、ステップS300において、取得部32は通信部36を介してセンターサーバ20から位置情報を取得する。
【0086】
ステップS301において、最適化部33は行先選択処理を実行する。具体的には、タッチパネルとしての表示部39において、乗員は取得された行先を走行ルートに反映させるか否かの選択を行う。そして、当該選択に基づく行先に基づいて最適化部33は、以降の処理を行う。
【0087】
ステップS302において、最適化部33がルート案内を開始するか否かを判定する。ここで、ルート案内を開始するか否かの指示は、タッチパネルとしての表示部39に対する乗員の操作に基づいて行われる。最適化部33がルート案内を開始すると判定した場合は次のステップS303に進む。一方、最適化部33がルート案内を開始しないと判定した場合はステップS309に進む。
【0088】
ステップS303において、最適化部33はステップS301において選択された行先が複数であるか否かを判定する。最適化部33が行先は複数であると判定した場合は次のステップS304に進む。一方、最適化部33が行先は複数ではない、すなわち行先は一つであると判定した場合はステップS305に進む。
【0089】
ステップS304において、最適化部33は、複数の行先に対して立ち寄り順でルートを検索する。なお、立ち寄り順は行先情報から行先と共に取得されている。そして、ステップS306に進む。
【0090】
一方、ステップS305において、最適化部33は、一つの行先に対して最短経路の走行ルートを検索する。そして、ステップS306に進む。
【0091】
ステップS306において、制御部31がルート案内を実行する。すなわち、報知部としての表示部39や図示しないスピーカを通じて乗員に対して車両12の現在位置や走行ルートが報知される。
【0092】
次のステップS307において、制御部31は、ルート案内が終了されたか否かを判定する。ここで、ルート案内が終了する場合には、最終目的地に到着した場合、又はタッチパネルとしての表示部39を通じて案内終了指示を受けた場合がある。制御部31がルート案内は終了されたと判定した場合、ステップS309に進む。一方、制御部31がルート案内は終了されていないと判定した場合、次のステップS308に進む。
【0093】
ステップS308において、制御部31は、車両12の現在位置が走行ルートから逸脱しているか否かを判定する。制御部31が走行ルートから逸脱していると判定した場合、ステップS303に戻る。これにより、最適化部33が未到達の行先を対象に再度ルート検索を行う。一方、制御部31が走行ルートから逸脱していないと判定した場合、ステップS306に戻る。すなわち、制御部31がルート案内を続行する。
【0094】
ステップS309は、ルート案内を行わなかった場合及びルート案内を終了した場合のステップである。ステップS309において、制御部31は、行先を登録するか否かを判定する。ここで、行先を登録するための指示は、タッチパネルとしての表示部39に対する乗員の操作に基づいて行われる。制御部31が行先を登録すると判定した場合、ステップS310に進む。一方、制御部31が行先を登録しないと判定した場合、ルート最適化処理は終了する。
【0095】
ステップS310において、制御部31は行先登録処理を実行する。すなわち、制御部31は、登録対象とされる行先を履歴データ34Bに保存する。そして、ルート最適化処理は終了する。
【0096】
(まとめ)
以上、本実施形態の行先情報検索システム10及びセンターサーバ20によれば、SNSの投稿情報及び車両12の現在の位置情報を利用して車両12の乗員に対してお勧めの走行ルートを提供することができる。また、本実施形態では、分析部23が特定ユーザの投稿から嗜好をスコア化することで特定ユーザが車両12に乗車した際に、特定ユーザの嗜好を走行ルートに反映させることができる。本実施形態は、災害時において車両で避難する場合にも好適である。すなわち、SNSの投稿から現在必要とされる物資、サービス、ボランティア情報等を分析し、これを避難ルートに反映させることができる。例えば、
図3(D)に示されるように、災害をカテゴリとする嗜好テーブル27Cを設けておけば、特定ユーザがSNSに乳児の写真を投稿した際、救援物資に「おむつ」が含まれている避難所を走行ルートとして設定することができる。
【0097】
ここで、センターサーバ20が行先を複数決定した場合は、立ち寄り順を付加することで複数の行先に対してお勧めの立ち寄り順を設定することができる。上述のように、この立ち寄り順は、必ずしも車両12の現在位置からの距離が近い順である必要はなく、スポーツ施設、温泉施設の順や、ショッピングモール、レストランの順など、SNSの投稿内容やユーザの行動に合わせて決定することができる。
【0098】
そして、本実施形態では、設定部25により特定ユーザの嗜好を予め走行ルートに反映させることができる。これにより、SNSには投稿されないジャンルに係る特定ユーザの嗜好を行先に反映させることができる。
【0099】
[第2の実施形態]
第1の実施形態の行先情報検索システム10は、SNSサーバ40にすでに記憶されている特定ユーザの投稿情報を基に行先を決定し、これを走行ルートに反映させるものであった。これに対して第2の実施形態の行先情報検索システム10は、SNSサーバ40に記憶されている特定ユーザ以外のユーザの投稿情報を基にお勧めの行先を決定するものである。
【0100】
図12のシーケンス図を参照しつつ、本実施形態の行先情報検索システム10におけるルート最適化に係る処理の流れについて説明する。なお、第2の実施形態の行先情報検索システム10の構成は、第1の実施形態と同じであり、説明は割愛する。
【0101】
図12のステップS31において、特定ユーザによる所定の操作に基づいて、カーナビゲーション装置30は、通信部36からセンターサーバ20に向けて車両12の現在位置を位置情報として送信する。これにより、センターサーバ20の取得部22において位置情報が取得される
【0102】
ステップS32において、センターサーバ20は、通信部28からSNSサーバ40に向けて閲覧指示を送信する。すなわち、センターサーバ20は、SNS上の所定のページにアクセスする。なお、特定ユーザと繋がりがあるユーザ、特定ユーザが属するグループのユーザなどを基に行先を決定する場合、センターサーバ20は、通信部28からSNSサーバ40に向けて特定ユーザのアカウント及びパスワードを送信する。
【0103】
ステップS33において、SNSサーバ40は、センターサーバ20に向けて投稿情報を送信する。これにより、センターサーバ20の取得部22において投稿情報が取得される、すなわち、SNSの投稿がダウンロードされる。なお、特定ユーザと繋がりがあるユーザ、特定ユーザが属するグループのユーザなどを基に行先を決定する場合、センターサーバ20から受信したアカウント及びパスワードを用いてログイン処理を実行した上で投稿のダウンロードが可能となる。
【0104】
ステップS32及びS33を繰り返すことにより、より多くのユーザの嗜好を走行ルートに反映させることができる。
【0105】
ステップS34において、センターサーバ20の分析部23は取得部22が取得した投稿情報に基づいてトレンド分析処理を実行する。詳細は後述する。
【0106】
以降、
図12のステップS35からステップS39の処理は、
図7のステップS19からステップS23の処理と同様であり、説明は割愛する。
【0107】
次に、
図13においてセンターサーバ20が実行するトレンド分析処理について説明する。
【0108】
まず、ステップS400において、取得部22は通信部28を介してSNSサーバ40からSNSの投稿情報を取得する。
【0109】
次のステップS401において、分析部23は、投稿情報におけるジャンル毎の出現頻度に基づいて、嗜好テーブル27Cのスコアを更新する。例えば、パンダを話題にした投稿が多い場合、「動物園」スコアが高くなるように重み付けが変更される。スコアが更新されるとトレンド分析処理は終了する。
【0110】
以上、本実施形態の行先情報検索システム10及びセンターサーバ20によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、本実施形態では、分析部23がSNSの投稿におけるトレンドをスコア化することで特定ユーザが車両12に乗車した際に、世間の流行を走行ルートに反映させることができる。
【0111】
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態の行先情報検索システム10では、センターサーバ20がSNSの投稿を取得して行先を決定し、カーナビゲーション装置30が決定された行先に基づいてルート案内を実行していた。これに対して第3の実施形態の行先情報検索システム100では、カーナビゲーション装置130がSNSの投稿を取得して嗜好分析処理、行先決定処理及びルート最適化処理のいずれも実行する。本実施形態ではカーナビゲーション装置130が行先情報検索装置、かつ位置情報提供装置に相当する。
【0112】
図14に示されるように、本実施形態に係る行先情報検索システム100は、SNSサーバ40と、携帯端末50と、カーナビゲーション装置130と、を含んで構成されている。ここで、本実施形態のカーナビゲーション装置130は、SNSを利用するユーザが乗車する車両12に搭載されている。このSNSはSNSサーバ40により管理されている。カーナビゲーション装置130、SNSサーバ40及び携帯端末50は、ネットワークN1を介して相互に接続されている。以下、第1及び第2の実施形態との相違点について説明する。また、第1及び第2の実施形態と同一の構成には同一の符号を付しており、繰り返しの説明は割愛する。
【0113】
図15に示されるように、カーナビゲーション装置130は、制御部131と、記憶部134と、通信部36と、GPSユニット38と、表示部39と、を備えている。
【0114】
本実施形態の制御部131は、CPUが実行プログラム27Aを実行することで、取得部22、分析部23、決定部24、設定部25及び出力部26として機能する。また、制御部131は、CPUが制御プログラム34Aを実行することで、最適化部33としても機能するように形成されている。なお、各部の機能は第1の実施形態と同じである。
【0115】
本実施形態の記憶部134には、嗜好分析処理及び行先決定処理等を実行するための実行プログラム27A、ID情報テーブル27B、嗜好テーブル27C、地点リストデータ27D、行先データ27Eが記憶されている。また、記憶部134には、ルート最適化処理等を実行するための制御プログラム34A及び履歴データ34Bが記憶されている。各部の機能は第1の実施形態と同じである。
【0116】
以上のように構成されるカーナビゲーション装置130では、嗜好分析処理、行先決定処理及びルート最適化処理のいずれもが車両12内で完結する。そして、本実施形態によれば、上述した各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0117】
[他の実施形態]
第1及び第2の実施形態では、カーナビゲーション装置30から送信された検索開始指示又は位置情報の送信が、ルート最適化処理の実行契機とされているが(
図7、
図12参照)、実行契機はこの限りではない。例えば他の形態として、センターサーバ20に登録された携帯端末50が車両12の車室内に存在する場合をルート最適化処理の実行契機としてもよい。ここで、携帯端末50が車両12の車室内に存在するか否かの検知方法としては、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信、及びGPS(Global Positioning System)等を利用することができる。
【0118】
例えば、近距離無線通信を利用する場合、携帯端末50及びカーナビゲーション装置30はそれぞれ近距離無線通信装置を備えており、車両12の車室内において携帯端末50とカーナビゲーション装置30との通信が成立した場合に、携帯端末50が車室内に存在すると判定可能である。ここで、携帯端末50が携帯端末50の車室内への存在を判定した場合、検索開始指示は携帯端末50からセンターサーバ20に送信される。また、カーナビゲーション装置30が携帯端末50の車室内への存在を判定した場合、検索開始指示はカーナビゲーション装置30からセンターサーバ20に送信される。
【0119】
また例えば、GPSを利用する場合、カーナビゲーション装置30が備えるGPSユニット38に加えて、携帯端末50もGPS装置を備えている。そして、車両12を中心とする一定領域内に携帯端末50が存在する場合に、携帯端末50が車室内に存在すると判定可能である。ここで、携帯端末50がカーナビゲーション装置30の位置情報を受信し、携帯端末50の車室内への存在を判定した場合、検索開始指示は、携帯端末50からセンターサーバ20に送信される。また、カーナビゲーション装置30が携帯端末50の位置情報を受信し、携帯端末50の車室内への存在を判定した場合、検索開始指示は、カーナビゲーション装置30からセンターサーバ20に送信される。さらに、センターサーバ20がカーナビゲーション装置30及び携帯端末50からそれぞれ位置情報を受信し、携帯端末50の車室内への存在を判定した場合は、検索開始指示を要することなく、嗜好分析処理等の各処理が実行される。
【0120】
このように、他の実施形態によれば、センターサーバ20は、携帯端末50が車両12の車室内に存在する場合に検索開始指示をカーナビゲーション装置30に向けて送信する。これにより、携帯端末50を持った特定ユーザが車両12に乗車したタイミングでルート最適化処理を実行することができる。
【0121】
[その他]
第1及び第2の実施形態では行先情報検索装置としてセンターサーバ20を、第3の実施形態では行先情報検索装置としてカーナビゲーション装置130を、それぞれ例示して説明した。各実施形態は、センターサーバ及びカーナビゲーション装置の各々が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【0123】
また、上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0124】
その他、上記実施形態で説明した管理サーバ及び端末装置の各々の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。