(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(スキャンシステムの構成)
図1に、本願に係る実施形態として例示されるスキャンシステム1のブロック図を示す。スキャンシステム1は、PC10およびスキャナ50を備える。
【0010】
PC10は、CPU12、メモリ14、ディスプレイI/F15、LCD16、入力I/F18、およびネットワークI/F20などを備えている。これらの構成要素は、バス22を介して互いに通信可能とされている。
【0011】
CPU12は、メモリ14内のアプリケーションプログラム26、スキャナドライバ28、オペレーティングシステム(以下、「OS」と略す)32に従って処理を実行する。アプリケーションプログラム26は、例えば、スキャナ50でスキャンされたスキャンデータに対して、公知のOCR技術で利用される文字認識処理を実行するためのプログラムであり、具体的には、Adobe Photoshop(登録商標)などの画像編集ソフトである。
【0012】
スキャナドライバ28は、スキャナ50のデバイスドライバであり、スキャナ50の作動を制御する。OS32は、アプリケーションプログラム26、スキャナドライバ28に利用される基本的な機能を提供するプログラムである。なお、以下の説明では、アプリケーションプログラム26等を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「アプリケーションプログラム26が」という記載は、「アプリケーションプログラム26を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
【0013】
メモリ14は、データ記憶領域34を備える。データ記憶領域34は、アプリケーションプログラム26等の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ14は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。
【0014】
メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。後述するスキャナ50のメモリ57についても同様である。
【0015】
LCD16は、PC10の各種情報を表示する。LCD16は、ディスプレイI/F15を介してバス22に接続されている。LCD16は、ディスプレイI/F15を介して表示データを取得する。入力I/F18は、キーボード、マウス等を含み、ユーザ操作を入力するためのインタフェースである。尚、入力I/F18は、キーボード等に限らず、LCD16の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサでも良い。ネットワークI/F20は、ネットワーク40を介して、スキャナ50のネットワークI/F51に接続されている。
【0016】
スキャナ50は、原稿に印刷された画像を読み取ってスキャンデータを生成する装置である。スキャナ50は、ネットワークI/F51、CPU52、ディスプレイI/F53、LCD54、入力I/F55、メモリ57、ADF(Auto Document Feeder)60、搬送部61、読取部62、および原稿センサ63等を備えている。これらの構成要素は、バス56を介して互いに通信可能とされている。また、スキャナ50は不図示の筐体、挿入口、排紙口、搬送経路、給紙トレイを有する。挿入口および排紙口は、筐体に設けられた開口であり、挿入口と排出口とを結ぶ搬送経路が筐体内部に設けられている。給紙トレイは、挿入口に配設されており、複数枚の原稿を支持することできる。また、筐体の一部は開閉可能な筐体カバーが設けられている。以下の説明において、スキャナ50が原稿に印刷された画像を読み取ってスキャンデータを生成することをスキャンと記載する場合がある。
【0017】
CPU52は、メモリ57内のスキャナプログラム58に従って処理を実行する。スキャナプログラム58は、スキャナ50を統括的に制御するプログラムである。メモリ57は、RAM、ROMなどが組み合わされて構成されている。また、メモリ57は、データ記憶領域59を備える。データ記憶領域59は、スキャナプログラム58の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。
【0018】
ADF60は、給紙トレイにセットされた原稿を1枚ずつスキャナ50の搬送経路へ送出する。搬送部61は、ADF60により送出された原稿を搬送経路に沿って排紙口へ搬送する。読取部62は、光源およびイメージスキャナなどを有し、原稿から画像を読み取り、スキャンデータを生成する。原稿センサ63は給紙トレイに原稿がセットされたこと検知したことに応じて、原稿がセットされたことを示す検知信号をCPU52へ出力する。
【0019】
LCD54は、スキャナ50の各種情報を表示する。LCD54は、ディスプレイI/F53を介してバス56に接続されている。LCD54は、ディスプレイI/F53を介して表示データを取得する。入力I/F55は、中止ボタン55A等を含み、ユーザ操作を入力するためのインタフェースである。入力I/F55は、中止ボタン55Aが押下されると、終了信号をCPU52へ出力する。
【0020】
PC10とスキャナ50とはネットワーク40を通じて通信可能となっている。ネットワーク40の種類は特に限定されず、例えば有線LAN、無線LAN、WAN、WiーFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USBケーブルなどである。
【0021】
尚、以下の処理およびフローチャートの各処理ステップは、基本的に、スキャナプログラム58などのプログラムに記述された命令に従ったCPU52の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「算出」、「決定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU52の処理を表している。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU52が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU52がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、PC10についても同様であり、アプリケーションプログラム26、スキャナドライバ28などのプログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。
【0022】
(継続スキャンシーケンス)
次にスキャナドライバ28およびスキャナプログラム58により実行される継続スキャンシーケンスについて
図2を用いて説明する。継続スキャンとは、給紙トレイにセットされた1まとまりの原稿に対するスキャナ50によるスキャンの終了後、タイムアウト時間が経過する前に、追加の1まとまりの原稿が給紙トレイにセットされた場合に、スキャナ50が人の操作によらずにスキャンを実行するスキャン機能のことである。これにより、ユーザはタイムアウト時間が経過する前に、給紙トレイに原稿を追加でセットすることにより、例えばPC10における入力I/F18での操作を行うことなく、スキャンを連続して実行させることができる。また、アプリケーションプログラム26は、継続スキャンにより生成されたスキャンデータを1群のデータとして取り扱うことができる。ここでは、ユーザがアプリケーションプログラム26を起動させ、予めスキャナ50の給紙トレイに原稿をセットしているものとする。スキャナプログラム58は、原稿センサ63により原稿がセットされたことを示す信号が入力されると、待機状態から実行状態に切替える。
【0023】
アプリケーションプログラム26は、編集画面(不図示)をLCD16に表示させ、入力I/F18を介して、ユーザからの入力を受け付ける。アプリケーションプログラム26は、編集画面にてスキャナ50による読み取り指示を受け付けると、編集画面にスキャナ50の設定を受け付ける設定画面(不図示)を表示させる。設定画面には、ディレイ時間およびタイムアウト時間の入力を受け付けるウィジェットおよびスキャン開始ボタンが表示される。ここで、ディレイ時間とは、原稿がセットされ、原稿センサ63により検知信号がCPU52に入力されてから、読み取りのため、ADF60の作動を開始させるまでの時間である。ディレイ時間を設けることにより、ユーザは給紙トレイに原稿をセットしてから、例えば原稿を整えるなどすることができる。
【0024】
アプリケーションプログラム26は、設定画面のスキャン開始ボタンが選択されたと判断することに応じて、スキャナドライバ28にスキャン開始を指示する(M1)。スキャナドライバ28は、スキャン開始の指示を受け取ると、継続スキャンシーケンスを開始する。スキャナドライバ28は、継続スキャンシーケンスを開始すると、設定画面で入力されたディレイ時間およびタイムアウト時間の値を渡し、スキャナプログラム58へ自動継続スキャン開始を指示する(M2)。
【0025】
スキャナプログラム58は、自動継続スキャン開始の指示を受け取ると、スキャン処理を実行する。スキャナプログラム58は、スキャン処理を開始すると、
図3に示すように、例えば「Scanning」などのスキャンを実行中である旨のメッセージをLCD54に表示させる。スキャナプログラム58は、スキャン処理を開始すると、ADF60に給紙トレイにセットされた原稿の搬送を開始させ、読取部62に原稿の読み取りを開始させる。これにより、読取部62は原稿の読み取りを開始する。スキャナプログラム58は生成されたスキャンデータをデータ記憶領域59に記憶させる(記憶処理の一例)。また、スキャナプログラム58は、ネットワークI/F51に、データ記憶領域59に記憶されたスキャンデータをスキャナドライバ28へ送信させる。尚、スキャナプログラム58は、スキャンデータの生成と送信とを並行して実行させる。そして、送信されるスキャンデータは、例えば所定のデータ量以下のスキャンデータであり、原稿1枚分のスキャンデータについて複数回の送信が実行される。スキャナプログラム58は給紙トレイにセットされたすべての原稿の読み取りを終え、生成されたスキャンデータのすべての送信を完了すると、スキャン処理を終了する。尚、
図2では、最後に実行されるスキャンデータの送信(M3)のみを記載し、これより前に実行されるスキャンデータの送信については略記している。スキャナプログラム58は、メッセージM3の送信後、タイムアウト時間が経過するまでの残り時間を計時する計時処理を開始する。なお、計時処理を開始するタイミングは、前記の例に限られず、スキャンデータの送信(M3)後にスキャナドライバ28からスキャンデータの受信完了が通知されたことを契機に開始してもよい。
【0026】
スキャナドライバ28は、スキャンデータを受信すると、受信したスキャンデータをデータ記憶領域34に記憶させ、最後のスキャンデータを受信すると、データ記憶領域34に記憶されているスキャンデータをアプリケーションプログラム26に応じたデータ形式に変換し、変換したスキャンデータをアプリケーションプログラム26へ送信する(M4)。一方、スキャナプログラム58は、計時処理を開始すると、残り時間をスキャナドライバ28へ送信する(M5)。スキャナドライバ28は残り時間を受信すると、待機中ダイアログDS1(
図4)をLCD16に表示させる。待機中ダイアログDS1には、例えば「終了ボタンを押すか原稿をセットして下さい。」などのメッセージ101、例えば「残り30秒」などのメッセージ102および終了ボタン103が表示される。これにより、ユーザは追加の原稿のスキャンを実行させたい場合には給紙トレイに原稿を時間内にセットすれば良く、継続スキャンを終了したい場合には終了ボタン103を選択すれば良いと認識することができる。
【0027】
また、スキャナプログラム58は、
図5に示すように、例えば「残り30秒」などの残り時間をLCD54に表示させる。これにより、継続スキャンを実行させているユーザは残り時間を認識することができる。また、他のユーザは、スキャナ50が使用中であることを認識することができる。尚、スキャナプログラム58は計時処理の実行中、入力I/F55に対する操作が行われた場合にも、操作に応じた処理は行わず、計時処理を継続する。例えば、入力I/F55にスキャン開始ボタンが含まれる場合に、他のユーザがスキャン開始ボタンした場合にも、スキャナプログラム58は計時処理を継続する。また、スキャナプログラム58は計時処理の実行中、ネットワーク40を介して、例えば不図示のPCから新たなスキャン開始指示が送信された場合にも、指示を受け付けることができない旨のメッセージを送信元のPCへ送信し、新たなスキャン処理は受け付けず、計時処理を継続する。これにより、継続スキャンを実行させているユーザが継続スキャンを継続させたいにもかかわらず、継続スキャンが終了してしまうことが防止される。メッセージM5の送信後、スキャナドライバ28は、例えば10秒などの所定時間が経過すると、計時処理により計時した残り時間をスキャナドライバ28へ送信し(M6)、LCD54に表示させる残り時間を更新させる。スキャナドライバ28は、メッセージM6を受信すると、待機中ダイアログDS1の残り時間を示すメッセージ102を更新する。
【0028】
ユーザは、追加のスキャンを実行させる場合、給紙トレイに原稿をセットする。スキャナプログラム58は、原稿センサ63の検知信号により、給紙トレイに原稿がセットされたと判断すると、計時処理を終了し、ディレイ時間経過後、スキャン処理を実行する。スキャナプログラム58は最後のスキャンデータを送信すると(M7)、スキャン処理を終了し、計時処理を開始する。スキャナドライバ28は、メッセージM7にて、最初のスキャナデータを受信すると、待機中ダイアログDS1を閉じる、そして、最後のスキャンデータを受信すると(M8)、メッセージM4と同様に、スキャンデータをアプリケーションプログラム26へ送信する(M9)。一方、スキャナプログラム58は計時処理を開始すると、メッセージM5と同様に、残り時間をスキャナドライバ28に送信する(M10)。スキャナドライバ28は、メッセージM10を受信すると、上記と同様に、待機中ダイアログDS1を表示させる。以降のシーケンスは、上記と同様である。即ち、所定時間毎に、スキャナプログラム58は残り時間を送信し、原稿がセットされた場合には、スキャン処理を実行する。
【0029】
(中止ボタン押下によるシーケンス終了)
続いて、ユーザが継続スキャンの終了のために、スキャナ50の中止ボタン55Aを押下した場合の終了時のシーケンスについて説明する。
スキャナプログラム58は、タイムアウト時間が経過する前に、中止ボタン55Aの押下により終了信号が入力されたと判断すると、計時処理を終了し、スキャナドライバ28にEndメッセージを送信する(M11)。スキャナドライバ28は、Endメッセージを受信すると、待機中ダイアログDS1を閉じ、Closeメッセージをスキャナプログラム58へ送信する(M12)。Closeメッセージを受信すると、スキャナプログラム58は実行状態から待機状態に切替える。また、スキャナドライバ28はアプリケーションプログラム26へ完了メッセージを送信し(M13)、継続スキャンシーケンスを終了する。
尚、スキャナドライバ28は、計時処理により計時した残り時間がゼロとなると、計時処理を終了し、スキャナドライバ28にEndメッセージを送信する。その後のシーケンスは上記と同様である。
【0030】
(待機中ダイアログの終了ボタン選択によるシーケンス終了)
次に、ユーザが継続スキャンの終了のために、待機中ダイアログDS1の終了ボタン103を選択した場合の終了時のシーケンスについて
図6を用いて説明する。
図6は、スキャナドライバ28が計時処理を開始し、残り時間を計時している状態で、待機中ダイアログDS1の終了ボタン103が選択された場合のシーケンスを示している。スキャナドライバ28は、終了ボタン103が選択されると、終了信号が入力されたと判断する。スキャナドライバ28は、終了信号が入力されたと判断すると、待機中ダイアログDS1を閉じさせ、スキャナプログラム58にEndメッセージを送信する(M21)。Endメッセージを受信すると、スキャナプログラム58は計時処理を終了する。また、スキャナドライバ28は、スキャナプログラム58にCloseメッセージを送信する(M22)。Closeメッセージを受信すると、スキャナプログラム58は、実行状態から待機状態に切替える。また、スキャナドライバ28は、アプリケーションプログラム26へ完了メッセージを送信し(M23)、継続スキャンシーケンスを終了する。
【0031】
(計時処理実行中のエラー発生の場合のシーケンス)
次に、スキャナ50が計時処理を開始した後、例えば、スキャナ50の筐体カバーが開けられた場合のシーケンスについて
図7を用いて説明する。
スキャナ50の筐体カバーには、筐体カバーが開けられた場合にエラー信号をCPU52へ出力する開閉センサ(不図示)が設けられている。スキャナプログラム58はエラー信号が入力されると、エラーが発生したと判断し、計時処理を中断し、例えば「エラーを解除してください」などのメッセージを含むエラー画面(不図示)をLCD54に表示させる。筐体カバーが閉じられ、エラー信号の入力が無くなると、エラーが解除されたと判断し、スキャナプログラム58は計時処理を再開する。尚、スキャナドライバ28は、スキャナプログラム58から残り時間が送信されないため、残り時間の更新はせずに、待機中ダイアログDS1を継続して表示させる。以降の処理は、上記と同様であるため、説明を省略する。
図7では、
図2と同様にスキャナ50の中止ボタン55Aが押下された場合の終了時のシーケンスを示している。
【0032】
(計時処理実行中の通信エラー発生の場合のシーケンス)
次に、スキャナ50が計時処理を開始した後、ネットワーク40による通信が切断され、通信エラーが発生した場合のシーケンスについて
図8を用いて説明する。
スキャナプログラム58は、計時処理を開始した後、ネットワークI/F51から例えば通信が切断されたことによる通信エラーが送信されると、計時処理を終了し、例えば、「接続エラー」などのメッセージを含むエラー画面(不図示)をLCD54に表示させる。その後、ネットワークI/F51からのメッセージにより、ネットワーク40による通信が再開されたと判断すると、スキャナプログラム58は、実行状態から待機状態に切替える。一方、スキャナドライバ28は、ネットワークI/F20から通信エラーが送信されると、例えば、「接続エラー」などのメッセージを含むエラー画面(不図示)をLCD16に表示させ、完了メッセージをアプリケーションプログラム26へ送信し(M31)、継続スキャンシーケンスを終了する。このように、通信エラーが発生した場合には、通信がいつ再開するか不明であるため、各々の処理は終了される。
【0033】
(スキャン処理実行中のエラー発生の場合のシーケンス)
次に、スキャナ50がスキャン処理を開始した後、例えば、スキャナ50の筐体カバーが開けられた場合のシーケンスについて
図9を用いて説明する。
スキャナプログラム58は、エラー信号が入力されると、スキャナドライバ28へエラー通知し(M41)、スキャン処理を終了する。次に、スキャナプログラム58は、例えば「エラーを解除してください」などのメッセージを含むエラー画面をLCD54に表示させる。一方、スキャナドライバ28は、メッセージM41により、エラー通知されると、データ記憶領域34に記憶しているスキャンデータを破棄させる。
【0034】
その後、筐体カバーが閉じられ、エラー信号の入力が無くなると、スキャナプログラム58はエラーが解除されたと判断し、計時処理を開始し、残り時間をスキャナドライバ28へ送信する(M42)。スキャナドライバ28は残り時間を受信すると、待機中ダイアログDS1をLCD16に表示させる。以降の処理は
図2と同様であり、スキャナプログラム58は、原稿センサ63の検知信号により、給紙トレイに原稿がセットされたと判断すると、計時処理を終了し、スキャン処理を実行する。
【0035】
(スキャン処理実行中の待機中ダイアログの終了ボタン選択によるシーケンス終了)
次に、ユーザが、給紙トレイに原稿をセットした後、継続スキャンの終了のために、待機中ダイアログDS1の終了ボタン103を選択した場合の終了時のシーケンスについて
図10を用いて説明する。
図10は、スキャナドライバ28から自動継続スキャンが指示され、スキャナプログラム58がスキャン処理を開始した時点からのシーケンスを示している。スキャナプログラム58は、スキャン処理を開始すると、スキャンデータをスキャナドライバ28へ送信させ(M51)、最後のスキャンデータを送信すると(M52)、スキャン処理を終了し、計時処理を開始する。一方、スキャナドライバ28は、最後のスキャンデータを受信すると、変換したスキャンデータをアプリケーションプログラム26へ送信する(M53)。スキャナプログラム58は、計時処理を開始すると、残り時間をスキャナドライバ28へ送信する(M54)。スキャナドライバ28は残り時間を受信すると、待機中ダイアログDS1をLCD16に表示させる。スキャナプログラム58は、原稿センサ63の検知信号により、給紙トレイに原稿がセットされたと判断すると、計時処理を終了し、ディレイ時間経過後、スキャン処理を開始する。
【0036】
ここで、ユーザが待機中ダイアログDS1の終了ボタン103が選択したものとする。スキャナドライバ28は、終了ボタン103が選択されると、終了信号が入力されたと判断する。スキャナドライバ28は、終了信号が入力されたと判断すると、待機中ダイアログDS1を閉じ、スキャナプログラム58にEndメッセージを送信する(M55)。尚、同時期に、スキャナプログラム58がスキャンデータをスキャナドライバ28へ送信した場合、スキャナドライバ28は、スキャンデータをデータ記憶領域34へ記憶させずに破棄する。Endメッセージを受信すると、スキャナプログラム58は、スキャン処理を終了する。また、スキャナドライバ28は、スキャナプログラム58にCloseメッセージを送信する(M56)。Closeメッセージを受信すると、スキャナプログラム58は実行状態から待機状態に切替える。また、スキャナドライバ28は、アプリケーションプログラム26へ完了メッセージを送信し(M57)、継続スキャンシーケンスを終了する。
【0037】
ここで、スキャナ50は画像読取装置の一例であり、読取部62は読取部の一例であり、ネットワークI/F51は通信インタフェースの一例であり、入力I/F55は入力インタフェースの一例であり、CPU52は制御部の一例である。原稿センサ63は原稿センサの一例であり、メモリ57は記憶部の一例である。また、メッセージM2の受信は読取開始指示の受信の一例であり、メッセージM2の受信後に実行されるスキャン処理は読取処理の一例であり、メッセージM3は第1データ送信処理の一例であり、メッセージM4,M5は時間送信処理の一例であり、原稿検知後に実行されるスキャン処理は継続読取処理の一例であり、メッセージM6は第2データ送信処理の一例である。また、メッセージM2は第1時間受信処理および第2時間受信処理の一例である。また、タイムアウト時間は第1時間の一例であり、ディレイ時間は第2時間の一例である。また、原稿センサ63から出力される検知信号は継続信号の一例であり、Endメッセージは終了情報および読取終了指示の一例である。メッセージM10の送信は終了送信処理の一例である。また、スキャンデータは読取データの一例である。
【0038】
また、PC10は情報処理装置の一例であり、ネットワークI/F20は通信インタフェースの一例であり、入力I/F18はユーザインタフェースの一例であり、LCD16は表示部の一例である。また、スキャナドライバ28は制御プログラムの一例であり、継続スキャンシーケンスは継続読取シーケンスの一例である。また、スキャナドライバ28が実行する、継続スキャンシーケンス開始は開始手段の一例であり、メッセージM2は読取指示送信手段の一例であり、メッセージM3の受信は第1データ受信手段の一例であり、メッセージM5の受信は時間受信手段の一例であり、待機中ダイアログ表示は表示手段の一例であり、メッセージM7の受信は第2データ受信手段の一例であり、継続スキャンシーケンス終了は終了手段の一例であり、メッセージM3は第1データ受信手段の一例である。
【0039】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
図2を用いて説明したように、アプリケーションプログラム26は、スキャン開始を指示(M1)した後、完了のメッセージを受信する(M12)までに、スキャナドライバ28から送信される複数のスキャンデータを一群のデータとして取り扱うことができる。スキャナドライバ28は、アプリケーションプログラム26からスキャン開始指示を受け付けると(M1)、スキャナプログラム58へ自動継続スキャン開始を指示する(M2)。スキャナ50は、自動継続スキャン開始指示を受信すると(M2)、スキャン処理を実行し、スキャン処理の実行後、タイムアウト時間が経過する前に、原稿を検知した場合、スキャン処理を実行する。また、スキャナドライバ28は、スキャナプログラム58から残り時間が送信されると(M5)、待機中ダイアログDS1を表示する。また、スキャナドライバ28は、スキャナプログラム58からEndメッセージが送信されると(M10)、アプリケーションプログラム26へ完了メッセージを送信し(M12)、継続スキャンシーケンスを終了する。
【0040】
また、スキャナプログラム58は、メッセージM2にてタイムアウト時間を受信する(
図2)。これにより、スキャナ50は、PC10から送信されたタイムアウト時間に基づいて計時処理を実行することができる。
【0041】
また、スキャナプログラム58は、原稿検知した後、ディレイ時間経過後にスキャン処理を開始する(
図2)。これにより、スキャナ50は、PC10から送信されたディレイ時間の経過後にスキャン処理を実行することができる。
【0042】
また、スキャナプログラム58は、エラー信号を検知した場合、計時処理を中断し、エラー信号が解除されたことを検出した場合、計時処理を再開する(
図9)。これにより、スキャナプログラム58はエラー解除後に計時処理を再開することができる。
【0043】
また、スキャナプログラム58は、計時処理の実行中にPC10との通信が切断されたことを検出した場合、計時処理を終了する(
図7)。また、スキャナドライバ28は、継続スキャンシーケンスの実行中に、スキャナ50との通信が切断されたことを検出した場合、継続スキャンシーケンスを終了する(
図7)。これにより、通信が切断され、いつ通信が復旧するかは不明の場合、スキャナプログラム58およびスキャナドライバ28はそれぞれ、計時処理および継続スキャンシーケンスを終了することで不要な処理を省くことができる。
【0044】
また、スキャナプログラム58は、タイムアウト時間の経過前にスキャン処理の実行中に、Endメッセージを受信した場合(M55)、スキャン処理を終了し、データ記憶領域59に記憶されているスキャンデータを消去させる(
図10)。これにより、ユーザはPC10の操作により、継続スキャンを終了させることができる。
【0045】
また、スキャナプログラム58は、計時処理の実行中に、入力I/F55を介して新たなスキャン開始指示が入力された場合であっても、計時処理を継続する。これにより、継続スキャンを指示したユーザとは別のユーザが入力I/F55を操作した灰にも、スキャナプログラム58は、計時処理を継続することができる。
【0046】
また、スキャナプログラム58は、計時処理の実行中に終了信号が入力された場合、PC10へEndメッセージを送信し(M11)、計時処理を終了する(
図2)。これにより、ユーザはスキャナ50における操作により、継続スキャンを終了することができる。
【0047】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、原稿の読み取りが終了した後の所定のタイミングの一例として、最後のスキャンデータの送信(M3)後のタイミングを例示したが、これに限定されない。例えば、スキャナドライバ28が最後のスキャンデータが送信されると、受信完了のメッセージをスキャナプログラム58へ送信する構成の場合、この受信完了のメッセージを受信後に計時処理を開始する構成としても良い。
【0048】
また、継続信号の一例として、原稿センサ63から出力される検知信号を説明したが、これに限定されない。例えば、待機中ダイアログDS1にスキャン開始ボタンを表示させる構成とし、このスキャン開始ボタンの選択に応じて出力される信号を継続信号としても良い。また、エラー発生の一例として、筐体カバーが開けられた場合を説明したが、これに限定されない。例えば、スキャナ50にて原稿の搬送エラーが発生した場合などのエラーについても同様の構成とすることができる。
【0049】
また、上記では、画像読取装置の一例としてスキャナ50を例示したが、これに限定されない。例えば、プリンタ機能などの複数の機能を有する複合機であっても良い。