(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984428
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】住宅の収納構造
(51)【国際特許分類】
E04H 1/02 20060101AFI20211213BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
E04H1/02
E04H1/12 303
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-4800(P2018-4800)
(22)【出願日】2018年1月16日
(65)【公開番号】特開2019-124035(P2019-124035A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2020年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】松本 愛子
(72)【発明者】
【氏名】三木 健史
(72)【発明者】
【氏名】向谷 唯以
【審査官】
河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−087051(JP,A)
【文献】
特開2013−019143(JP,A)
【文献】
特開2006−283466(JP,A)
【文献】
特開2008−285963(JP,A)
【文献】
特開2016−065448(JP,A)
【文献】
特開2017−066629(JP,A)
【文献】
ベッド周り/アイフルホーム/LIXIL/室内窓/ウォークインクローゼットのインテリア実例,日本,2016年09月26日,1-2,https://roomclip.jp/photo/heTC
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/00−1/14
A47B 61/00−61/06
E04F 17/00−19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する入室可能な収納室を居室及び廊下に隣接して設けた住宅の収納構造であって、
前記収納室及び前記居室は、人の出入りを可能とする第1出入口によって連通し、
前記収納室及び前記廊下は、物品の出し入れを可能とする第2出入口によって連通し、
前記第2出入口は、該第2出入口の下端が前記廊下の床面より300〜500mm高い位置になるように配置され、
前記収納室は、物品を保管するための家具が前記第2出入口の下端よりも高く、且つ、前記第2出入口の上端よりも低い高さで、前記第2出入口の開口部の前記収納室側及び該第2出入口を開口した壁体の前記収納室側の壁面に近接して設置されることを特徴とする住宅の収納構造。
【請求項2】
前記収納室は、ウォークインクローゼットであり、
前記居室は、寝室であることを特徴とする請求項1に記載の住宅の収納構造。
【請求項3】
前記家具は、ハンガーを掛けるハンガーパイプであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の住宅の収納構造。
【請求項4】
前記家具は、物品を載置する棚板であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の住宅の収納構造。
【請求項5】
前記第2出入口は、引き戸が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の住宅の収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居室及び廊下に隣接して物品を収納する収納室を設けた住宅の収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ウォークインクローゼットを住宅に設置する場合、
図6(a)に示すように、ウォークインクローゼットX1は、着替えを行う寝室Y1に隣接して設置し、両室間を行き来可能に連通するのが一般的である。しかしながら、寝室Y1からのみウォークインイクローゼットX1を使用可能とすると、例えば、夜分遅くに帰宅した際に就寝中の居住者のいる寝室Y1を通過してウォークインクローゼットX1を使用しなければならず、物音を立てないよう気をつけながら着替えを行わなければならない。そこで、廊下に隣接した納戸空間及び寝室の2部屋からクローゼットとして機能する収納空間を使用可能とした居室の収納構造が提案されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−19143
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発明は、収納空間を寝室に入室せずに使用できるものの、廊下から納戸空間に入らなければ収納空間を使用することができず、廊下から直接収納空間に収納された衣服や鞄などの出し入れを行うことができないため、例えば外出時や帰宅時に、上着や小物類の出し入れを手短に行うことができない。
【0005】
また比較的住戸面積に余裕のある戸建住宅の場合、
図6(b)に示すように、ウォークインクローゼットX2に通じる出入口を寝室Y2及び廊下Zに面してそれぞれ設け、2部屋からウォークインクローゼットX2に入室可能とすることがある。しかしながら、出入口を設けた開口部付近にはハンガーパイプや棚板などの家具Xaを設置できないため、寝室Y2にのみウォークインクローゼットX2に入室するための出入口を設けた場合よりも物品の収納量が減少することになる。そのため、住戸面積に制約を受けやすい集合住宅や狭小な住宅の場合、十分な収納空間を確保することができない。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであって、物品を収納する入室可能な収納室を居室及び廊下に隣接して設けた住宅において、使い勝手がよく、また、収納量を確保できる住宅の収納構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の住宅の収納構造は、物品を収納する入室可能な収納室を居室及び廊下に隣接して設けた住宅の収納構造であって、前記収納室及び前記居室は、人の出入りを可能とする第1出入口によって連通し、前記収納室及び前記廊下は、物品の出し入れを可能とする第2出入口によって連通し、
前記第2出入口は、該第2出入口の下端が前記廊下の床面より300〜500mm高い位置になるように配置され、前記収納室は、物品を保管するための家具が前記第2出入口の下端よりも高く、且つ、前記第2出入口の上端よりも低い高さで、前記第2出入口の開口部の前記収納室側及び該第2出入口を開口した壁体の前記収納室側の壁面に近接して設置されることを特徴としている。
【0008】
本発明の住宅の収納構造は、前記収納室が、ウォークインクローゼットであり、前記居室は、寝室であることを特徴としている。
【0009】
本発明の住宅の収納構造は、前記家具が、ハンガーを掛けるハンガーパイプであることを特徴としている。
【0010】
本発明の住宅の収納構造は、前記家具が、物品を載置する棚板であることを特徴としている。
【0012】
本発明の住宅の収納構造は、前記第2出入口が、引き戸を設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の住宅の収納構造によると、収納室は、物品を保管するための家具が第2出入口の下端よりも高く、且つ、第2出入口の上端よりも低い高さで第2出入口の開口部の収納室側及び第2出入口を開口した壁体の収納室側の壁面に近接して設置されているので、廊下側から第2出入口を通じて目の前にあるハンガーパイプや棚板などの家具に物品を保管することができ、外出時や帰宅時に収納室内部に入室することなく手短に物品を収納することができる。また、居室に入室しづらい場合であっても廊下から第2出入口を通じて収納室に保管された物品を容易に出し入れすることが可能となる。さらに、第2出入口の開口部の収納室側に近接して家具を設けているので、収納量を減らすことがなく、狭小な住戸面積の住宅であっても効率良く物品の収納を行うことができ
、第2出入口は、その下端を廊下の床面よりも高い位置としているので、廊下側から第2出入口を通じて廊下の床面を浮遊するホコリや塵の収納室への侵入を防止することができ、収納室を清潔な状態に保つことができる。
【0014】
本発明の住宅の収納構造によると、収納室がウォークインクローゼットであるとともに居室が寝室であるので、例えば、夜分遅くに帰宅した場合であっても、就寝中の居住者のいる寝室に入室することなく廊下から第2出入口を通じて上着や小物類などをウォークインクローゼット内に収納することができる。また、外出時に寝室及びウォークインクローゼットへ入室することなく廊下から第2出入口を通じて手短に上着や鞄などを取り出して出掛けることができる。
【0015】
本発明の住宅の収納構造によると、家具はハンガーパイプであるので、廊下側から第2出入口を通じて目の前にあるハンガーパイプに手短に衣服を掛けることができ、外出時や帰宅時に寝室やウォークインクローゼットに入室することなく容易に上着を出し入れすることができる。
【0016】
本発明の住宅の収納構造によると、家具は棚板であるので、廊下側から第2出入口を通じて目の前にある棚板に物品を保管することができる。また、外出時や帰宅時に居室や収納室に入室することなく容易に収納室に保管された物品を出し入れすることができる。
【0018】
本発明の住宅の収納構造によると、第2出入口は引き戸が設けられているので、開き扉のように扉の開閉空間を確保する必要がなく、住戸面積に余裕の無い狭小な住宅であっても省スペース化を図りながら効率良く廊下側から収納室を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図4】収納室に棚板及び扉付き戸棚を設置した様子を示す断面図。
【
図6】(a)1部屋からのみウォークインクローゼットに入室可能な住宅を示す断面図。
【
図6】(b)2部屋からウォークインクローゼットに入室可能な住宅を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、住宅の収納構造の最良の実施形態について各図を参照しつつ説明する。本願の住宅の収納構造1は、主に戸建て住宅よりも住戸面積の制約を受けやすい集合住宅や狭小な住宅に用いられる。
【0021】
住宅の収納構造1は、
図1に示すように、物品を収納する入室可能な収納室2を居室3及び廊下4に隣接して設けた構造である。まず、配置構成から説明する。平面視矩形に形成された収納室2は、第1壁体51を隔てて居室3と区画され、また、第1壁体51に直交する一方の壁体である第2壁体52を隔てて廊下4と区画されており、さらに、第1壁体51に直交する他方の壁体である第3壁体53によって屋外と区画され、第1壁体51に収納室2を挟んで対向する第4壁体54によって他室と区画されている。
【0022】
平面視矩形に形成された居室3は、第1壁体51を隔てて収納室2とともに廊下4と区画され、また、第1壁体51に居室3を挟んで対向する第5壁体55及び第3壁体53によって屋外と区画されており、さらに、第3壁体53に居室3を挟んで対向する第6壁体56によって他室と区画されている。そして、廊下4は、L形状の第7壁体57によって他室と区画されている。
【0023】
図1及び
図5に示すように、収納室2及び居室3は、第1壁体51に設けられた人の出入りを可能とする第1出入口6aによって連通し、収納室2及び廊下4は、第2壁体52に設けられた物品の出し入れを可能とする第2出入口6bによって連通している。また、居室3及び廊下4は、第1壁体51に設けられた第3出入口6cによって行き来可能となっている。なお、図示例は配置構成の一例であり、収納室2から居室3及び収納室2から廊下4がそれぞれ連通していれば、その他の配置構成であってもよい。
【0024】
図1に示すように、物品を収納するための収納室2は、衣服や小物類を収納する入室可能なウォークインクローゼットである。
図3及び
図5に示すように、収納室2内には、衣服を掛けたハンガーを吊り下げるハンガーパイプ2aや鞄や小物類を載置する棚板2bなど、物品を保管するための家具21が設置されている。
【0025】
図1に示すように、平面視C形状に形成されたハンガーパイプ2aは、両端を第1壁体51に支持され、第1出入口6aが設けられた第1壁体51の部分を除いて室形状に沿うように設置されている。また、
図2に示すように、ハンガーパイプ2aは、廊下4の床面Fからその上端までの設置高さH1を第2出入口6bの下端よりも高く、また第2出入口6bの上端よりも低い高さとしており、好適には1600mm〜1800mm程度である。このような高さであれば男女共に使い勝手のよいハンガーパイプ2aとすることができる。また、
図3に示すように、ハンガーパイプ2aは、第2出入口6bの開口部60の収納室2側及び第2出入口6bを開口した第2壁体52の収納室2側の壁面に近接して設置されており、第2壁体52の収納室2に面する壁面からハンガーパイプ2aの中心までの距離Wは、250mm〜300mm程度で形成される。したがって、廊下4側から第2出入口6bを見ると、目の前にハンガーパイプ2aが横切ることとなり、廊下4側から手を伸ばして上着などを掛けたハンガーをハンガーパイプ2aに容易に吊るすことができる。すなわち、廊下4側からは、収納室2をクローゼットのように使用することができる。また、収納室2を区画する各壁体に固定される棚板2bは、その下面を第1出入口6a及び第2出入口6bの上端よりも上方となるように配置しており、上部に鞄や小物類などを載置することができる。
【0026】
居室3は、居住者が就寝する寝室である。
図1に示すように、収納室2及び居室3を繋ぐ第1出入口6aには開き扉61が設置されており、着替えを行う際は、居住者が居室3から第1出入口6aを通って収納室2に収納されている必要な衣服を取り出し着替えを行う。したがって、居室3以外の部屋から収納室2に入室するためには、住宅内の各室同士を繋ぐ廊下4から第3出入口6cを通って居室3を通過し、第1出入口6aから収納室2に入室しなければならない。なお、第1出入口6aに設置する建具は、開き扉ではなく引き戸や他の種類の建具であってもよい。
【0027】
図2に示すように、第2壁体52に設けられた第2出入口6bは、その下端を廊下4の床面Fよりも高い位置としており、開口部60には引き戸62が設置されている。床面Fから第2出入口6bの下端までの高さH2は特に限定されないが、例えば300mm〜500mm程度とすることができる。このように第2出入口6bの下端を床面Fよりも上方に設置することにより、引き戸62を開閉した際に、廊下4の床面Fに浮遊するほこりや塵が収納室2の内部へ浸入することを防止することができる。また、第2出入口6bに設置する建具を引き戸62とすることによって、開き扉のように廊下4に開閉空間を確保する必要がなく、住戸面積に余裕の無い狭小な住宅であっても省スペース化を図りながら効率良く廊下4側から収納室2を使用することができる
。
【0028】
次に、住宅の収納構造1の具体的な使い勝手について説明する。例えば、外出先から帰宅して上着を収納室2に収納する場合、廊下4を通って第2出入口6bの引き戸62を開き、
図3に示すように、目の前を横切るハンガーパイプ2aに上着を吊るすことができる。したがって、夜分遅くに帰宅しても、就寝中の居住者がいる居室3を通過して収納室2に入室することなく収納室2に上着を収納することができる。また、外出する際も、廊下4から第2出入口を通じて収納室2に保管された上着を取り出すことができ、居室3及び収納室2に入室することなく手短に上着を取り出すことができる。
【0029】
なお
図3では、第2出入口6bの開口位置にハンガーパイプ2aのみを設けているが、
図4に示すように、棚板2bを第2出入口6bの下端よりも高く、また第2出入口6bの上端よりも低い位置に配置し、廊下4から第2出入口6bを通じて棚板2bに載置された鞄や小物類などを取り出してもよい。この場合、第2壁体52の収納室2に面する壁面から棚板2bの第2出入口6b側の端面までの距離は、10mm〜30mm程度とすることができる。このように、第2出入口6bの開口位置に設置される家具21は、廊下4から第2出入口6bを通じて手の届く範囲に設置される。また、第2出入口6bの上端よりも上方の空間や、第2出入口6bの下端よりも下方の空間には、収納室2内で使用できる扉付きの戸棚2cを設けてもよい。
【0030】
また、ここでは収納室2をウォークインクローゼットとし、居室3を寝室としているが、その他の部屋としてもよい。例えば、収納室2をパントリーとし、居室3をキッチンとすれば、帰宅後、購入した食料品や調味料などの物品を廊下4から第2出入口6bを通じて収納室2内に設置した棚板2bなどの家具21に保管することができる。したがって、居室3に入室することなく手短に物品を収納室2に収納することができるので、家事の時間短縮を図ることが可能となる。
【0031】
このように構成された住宅の収納構造1は、収納室の収納量を減らすことなく使い勝手のよい収納構造とすることができる。
【0032】
また、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係る建物は、住戸面積に制約を受けやすい集合住宅や狭小な住宅において好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 住宅の収納構造
2 収納室(ウォークインクローゼット)
21 家具
2a ハンガーパイプ
2b 棚板
3 居室(寝室)
4 廊下
52 第二壁体(壁体)
6a 第1出入口
6b 第2出入口
60 開口部
62 引き戸