(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について、
図1ないし
図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態の電子制御装置1は、
図1に示すように、マイコン2と、監視IC3と、その他のIC(以下、他ICと称す)4等を備えて構成されている。
【0009】
マイコン2は、電子制御装置1全体を制御する機能を有し、WDC信号S1を出力する出力端子2aと、通信コマンドS2を出力する出力端子2bと、リセット信号を入力する入力端子2cとを有する。また、マイコン2は、上記端子2a、2b、2cの他に、図示しない多数の出力端子及び入力端子を有する。
【0010】
監視IC3は、マイコン2を監視する監視部としての機能を有する。監視IC3は、入力端子3aと、入力端子3bと、出力端子3cと、出力端子3dとを有する。監視IC3の入力端子3aはマイコン2の出力端子2aに接続され、監視IC3の入力端子3bはマイコン2の出力端子2bに接続されている。監視IC3の出力端子3cは、マイコン2の入力端子2cと、他IC4等の入力端子4aとに接続されている。監視IC3の出力端子3dは、図示しないエンジン制御ECUの入力端子に接続されている。
【0011】
そして、監視IC3は、WDC信号モニタ5と、異常カウンタ6と、第1のMOSFET7と、第2のMOSFET8とを有する。WDC信号モニタ5は、異常検出部としての機能を有し、入力端子5aと、出力端子5bとを有する。WDC信号モニタ5の入力端子5aは、監視IC3の入力端子3aを介してマイコン2の出力端子2aに接続されており、WDC信号S1が入力される。
【0012】
WDC信号モニタ5は、WDC信号S1が正常と判定したときに、例えばロウの第1信号Saを出力し、WDC信号S1が異常と判定したときに、例えばハイの第1信号Saを出力する。ハイの第1信号Saは、予め決められた設定時間T1、即ち、ワンショット時間の間だけ出力されるようになっている。この場合、WDC信号モニタ5は、パルス状のWDC信号S1の例えば立上りのエッジが、予め決められた異常判定時間T2内に1個以上入力されたときに、WDC信号S1が正常と判定し、異常判定時間T2内に1個も入力されなかったときに、WDC信号S1が異常と判定する。
【0013】
異常カウンタ6は、異常カウント部としての機能を有し、入力端子6aと、入力端子6bと、出力端子6cとを有する。異常カウンタ6の入力端子6aは、WDC信号モニタ5の出力端子5bに接続されており、第1信号Saが入力される。異常カウンタ6は、第1信号Saがロウからハイに切り替ったときに、カウント値をカウントアップ、即ち、+1する。異常カウンタ6は、カウント値が内部に設定された閾値よりも小さいときに、例えばロウの第2信号Sbを出力し、カウント値が上記閾値以上であるときに、例えばハイの第2信号Sbを出力する。そして、異常カウンタ6は、ハイの第2信号Sbを出力した後は、第2信号Sbのハイの状態を保持するようになっている。
【0014】
また、異常カウンタ6の入力端子6bは、監視IC3の入力端子3bを介してマイコン2の出力端子2bに接続されており、コマンド信号S2が入力される。マイコン2から出力されるコマンド信号S2としては、例えば、異常カウンタ6のカウントアップの無効を指示する通信コマンドと、異常カウンタ6の閾値を設定する通信コマンドと、異常カウンタ6のカウント値をクリアする通信コマンド等がある。異常カウンタ6は、上記カウントアップの無効を指示する通信コマンドを入力すると、第1信号Saがロウからハイに切り替っても、カウント値をカウントアップしない。異常カウンタ6は、上記閾値を設定する通信コマンドを入力すると、該通信コマンドにより指示された閾値を設定する。異常カウンタ6は、上記カウント値をクリアする通信コマンドを入力すると、カウント値をクリアする。尚、通信コマンドは、例えば4ビットの16進数を示す信号で構成することが好ましい。
【0015】
第1のMOSFET7のドレインは、監視IC3の出力端子3c及び出力端子3dに接続され、ソースはグランドに接続され、ゲートはWDC信号モニタ5の出力端子5bに接続されている。第1のMOSFET7は、ゲートにWDC信号モニタ5からロウの第1信号Saが入力されると、オフし、ゲートにハイの第1信号Saが入力されると、オンする。
【0016】
第2のMOSFET8のドレインは、第1のMOSFET7のドレイン、監視IC3の出力端子3c及び出力端子3dに接続され、ソースはグランドに接続され、ゲートは異常カウンタ6の出力端子6cに接続されている。第2のMOSFET8は、異常カウンタ6からロウの第2信号Sbがゲートに入力されると、オフし、ハイの第2信号Sbがゲートに入力されると、オンする。
【0017】
上記構成においては、第1のMOSFET7及び第2のMOSFET8が共にオフのとき、監視IC3の出力端子3cからハイの第3信号Sc、即ち、リセット解除信号が出力される。また、第1のMOSFET7または第2のMOSFET8の少なくとも一方がオンのとき、監視IC3の出力端子3cからロウの第3信号Sc、即ち、リセット信号が出力される。そして、第3信号Sc、即ち、リセット信号またはリセット解除信号は、マイコン2の入力端子2cに入力されると共に、他IC4の入力端子4aに入力される。
【0018】
また、監視IC3の出力端子3dから出力される第4信号Sdは、上記第3信号Scと同じ信号であるが、ロウの第4信号Sdはフェールセーフ信号として用いられる。このフェールセーフ信号、即ち、ロウの第4信号Sdが、例えば図示しないエンジン制御ECUに入力されると、エンジン制御ECUは、インジェクタによる燃料噴射を停止するように構成されている。本実施形態の場合、上記リセット信号と上記フェールセーフ信号が出力される状態が、リセット状態に対応している。
【0019】
次に、マイコン2が正常に動作している場合の電子制御装置1の各部の動作について、
図2のタイムチャートに従って説明する。電源電圧がオフ、即ち、消失した状態では、監視IC3の出力端子3cからの第3信号Scはロウ、即ち、リセット信号であり、マイコン2からWDC信号は出力しておらず、WDC信号モニタ5からの第1信号Saはロウ、即ち、正常である。そして、異常カウンタ6のカウント値は0であり、異常カウンタ6からの第2信号Sbはロウ、即ち、正常である。更に、マイコン2から通信コマンドS2は出力されておらず、異常カウンタ6の閾値は初期値である例えば「16」である。また、異常カウンタ6のカウントアップ、即ち、異常カウントの状態は、初期値である「有効」となっている。
【0020】
そして、電源がオンされて、時刻t1において、電源電圧が所定の電圧値を超えると、監視IC3の出力端子3cからハイの第3信号Sc、即ち、リセット解除信号が出力され、マイコン2からWDC信号S1が出力、即ち、WDCパルスが設定周期で出力され、異常判定時間T2内にWDC信号S1の立上りのエッジが1個以上入力される。従って、WDC信号モニタ5からの第1信号Saはロウ、即ち、正常のままである。そして、異常カウンタ6のカウント値は0のままであり、異常カウンタ6からの第2信号Sbはロウ、即ち、正常のままである。更に、マイコン2から通信コマンドS2は出力されておらず、異常ウンタ6の閾値は「16」のままであり、異常カウンタ6のカウントアップは「有効」のままである。
【0021】
この後、電源がオフされて、時刻t2において、電源電圧が消失すると、監視IC3の出力端子3cからロウの第3信号Sc、即ち、リセット信号が出力され、上述した電源電圧の消失状態に戻る。
【0022】
次に、マイコン2が異常動作している場合の電子制御装置1の各部の動作について、
図3のタイムチャートに従って説明する。まず、電源電圧がオフ、即ち、消失した状態では、
図2に示す電源電圧消失状態と同じ状態となっている。
【0023】
そして、電源がオンされて、時刻t11において、電源電圧が所定の電圧値を超えると、監視IC3の出力端子3cからハイの第3信号Sc、即ち、リセット解除信号が出力される。この場合、マイコン2が異常であることから、マイコン2からWDC信号S1が出力されない。このため、時刻t11から異常判定時間T2が経過した時刻t12で、WDC信号モニタ5からの第1信号Saがロウからハイに切り替わる。
【0024】
第1信号Saがロウからハイに切り替わると、監視IC3の第1のMOSFET7がオンされて、監視IC3の出力端子3cからロウの第3信号Sc、即ち、リセット信号が出力される。これにより、マイコン2がリセットされる。また、時刻t12では、異常カウンタ6のカウント値がカウントアップされ、カウント値が「1」になる。
【0025】
続いて、時刻t12から設定時間T1が経過した時刻t13になると、WDC信号モニタ5からの第1信号Saがハイからロウに切り替わり、監視IC3の第1のMOSFET7がオフされて、監視IC3の出力端子3cからハイの第3信号Sc、即ち、リセット解除信号が出力される。これにより、マイコン2がリセット解除され、マイコン2からWDC信号S1が出力、即ち、WDCパルスが設定周期で出力されるようになる。この場合、設定時間T1が経過した時刻t13が、設定条件が成立した時点に対応している。
【0026】
次いで、マイコン2が異常カウンタ6のカウント値の閾値を「2」に設定する制御と、マイコン2が自身の制御によりWDC信号、即ち、WDCパルスを停止させる制御について説明する。
【0027】
この場合、例えば時刻t14において、マイコン2が、カウント値の閾値を「2」に設定する通信コマンドC1を出力すると、異常カウンタ6は、上記通信コマンドC1を入力した時点、即ち、時刻t15で、カウント値の閾値を「2」に設定する。
【0028】
続いて、マイコン2は、WDCパルスを停止させる制御を実行する場合、異常カウンタ6のカウントアップを無効とする指示を行なう。そこで、例えば時刻t16において、マイコン2が、カウントアップを無効とする通信コマンドC2を出力すると、異常カウンタ6は、上記通信コマンドC2を入力した時点、即ち、時刻t17で、異常カウントの状態を「無効」とし、これ以降は、第1信号Saがロウからハイに切り替っても、カウント値をカウントアップしない。
【0029】
そして、マイコン2が、時刻t17以降、WDC信号S1を出力しなくなると、最後に出力されたWDC信号S1の立上りのエッジから異常判定時間T2が経過した時点、即ち、時刻t18において、WDC信号モニタ5からの第1信号Saがロウからハイに切り替わる。この第1信号Saがロウからハイに切り替わると、監視IC3の第1のMOSFET7がオンされて、監視IC3の出力端子3cからロウの第3信号Sc、即ち、リセット信号が出力される。
【0030】
また、時刻t18においては、異常カウントの状態が「無効」であることから、異常カウンタ6のカウント値がカウントアップされることはなく、カウント値は「1」のままである。更に、時刻t18においては、異常カウンタ6は、上記リセット信号の出力に応じて、異常カウントの状態が「無効」から「有効」に戻るように構成されている。
【0031】
この後、時刻t18から設定時間T1が経過した時刻t19になると、WDC信号モニタ5からの第1信号Saがハイからロウに切り替わり、監視IC3の第1のMOSFET7がオフされて、監視IC3の出力端子3cからハイの第3信号Sc、即ち、リセット解除信号が出力される。
【0032】
さて、この場合、マイコン2は、ソフト制御によりWDC信号S1を停止させる制御を実行しているので、マイコン2からWDC信号S1が出力されない。このため、時刻t19から異常判定時間T2が経過した時刻t20で、WDC信号モニタ5からの第1信号Saがロウからハイに切り替わる。このように、第1信号Saがロウからハイに切り替わると、監視IC3の第1のMOSFET7がオンされて、監視IC3の出力端子3cからロウの第3信号Sc、即ち、リセット信号が出力される。
【0033】
また、時刻t20においては、異常カウント状態が「無効」から「有効」に戻っているので、異常カウンタ6のカウント値がカウントアップされ、カウント値が「2」になる。ここで、異常カウンタ6の閾値が「2」に設定されているので、カウント値≧閾値となることから、異常カウンタ6は、第2信号Sbをロウからハイに切り替える。これにより、第2のMOSFET8がオンされることから、監視IC3の出力端子3cからロウの第3信号Sc、即ち、リセット信号が出力される。本実施形態の場合、異常カウンタ6は、第2信号Sbをロウからハイに切り替えた後は、電源電圧が消失されるまで、ハイの第2信号Sbを出力し続けるように構成されている。従って、電源電圧が消失されるまで、監視IC3の出力端子3cからロウの第3信号Sc、即ち、リセット信号が出力され、リセット解除されることがないようになっている。
【0034】
この後、時刻t21で、電源がオフされて、電源電圧が消失すると、異常カウンタ6のカウント値がクリアされて「0」となると共に、第2信号Sbがハイからロウに切り替わる。尚、異常カウンタ6のカウント値の閾値「2」は、電源電圧が消失すると、初期値である例えば「16」に戻るように構成されている。
【0035】
このような構成の本実施形態においては、マイコン2から出力されるWDC信号S1、即ち、監視用信号に基づいてマイコン異常を検出し、マイコン異常を検出したときに、リセット状態とし、リセット状態とした時点から、設定時間が経過した時点、即ち、設定条件が成立した時点で前記リセット状態を解除するWDC信号モニタ5を備え、前記マイコン異常の検出回数をカウントし、この検出回数が判定閾値以上となったときに、前記リセット状態を継続させる異常カウンタ6を備えた。この構成によれば、マイコン異常が発生したときに、マイコン2をリセットし、その後、自動的にリセット解除する構成でありながら、マイコン異常が継続して発生している場合には、リセット解除しないように構成することができる。
【0036】
また、上記実施形態では、異常カウンタ6によって、マイコン2がWDC信号S1の出力を停止させる指示を実行したときには、マイコン異常を検出しても、検出回数をカウントアップしない無効状態となるように構成した。この構成によれば、マイコン異常でない場合でも、マイコントリガのリセットを行う場合には、マイコン異常時と同じくWDC信号S1を停止させる処置をマイコン2が実施することがあり、このような場合に、マイコン2の継続異常を判定させない構成を実現することができる。
【0037】
上記実施形態では、異常カウンタ6によって、カウントアップの無効状態となった後、WDC信号モニタ5によりリセット状態となったときに、マイコン異常の検出回数をカウントアップする有効状態に戻すように構成した。この構成によれば、リセット状態となった後は、マイコン2の継続異常を判定させる制御に自動的に戻すことができる。
【0038】
上記実施形態では、異常カウンタ6によって、リセット状態を継続させた場合には、電源オフされるまで前記リセット状態を維持するように構成した。この構成によれば、マイコン異常が継続して発生している場合に、電源オフされるまでリセット解除しないように構成することができる。
【0039】
上記実施形態では、異常カウンタ6のマイコン異常の検出回数の判定閾値を、マイコン2側から変更可能なように構成した。マイコン2の継続異常の判定レベルを簡単に調整することができる。
【0040】
尚、上記実施形態では、マイコン2から監視用信号として例えばWDC信号S1を出力するように構成したが、これに限られるものではなく、マイコン2から監視用信号として例えばコマンド信号を出力するように構成しても良い。また、上記実施形態では、リセット状態とした時点から、設定時間が経過した時点でリセット状態を解除するように構成したが、これに限られるものではなく、リセット状態とした時点から、設定条件が成立した時点、例えばマイコン2がリセット状態解除用のコマンドを出力した時点でリセット状態を解除するように構成しても良い。
【0041】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。