特許第6984446号(P6984446)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 宇部興産株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6984446-高純度三塩化ホウ素の製造方法 図000002
  • 特許6984446-高純度三塩化ホウ素の製造方法 図000003
  • 特許6984446-高純度三塩化ホウ素の製造方法 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984446
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】高純度三塩化ホウ素の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 35/06 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   C01B35/06
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-12618(P2018-12618)
(22)【出願日】2018年1月29日
(65)【公開番号】特開2019-131418(P2019-131418A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2020年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000206
【氏名又は名称】宇部興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】白井 昌志
(72)【発明者】
【氏名】杉本 常美
【審査官】 印出 亮太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−111550(JP,A)
【文献】 特開2013−144644(JP,A)
【文献】 特開2001−089131(JP,A)
【文献】 特開平10−265216(JP,A)
【文献】 米国特許第03126256(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/00
C01B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素と、炭化ホウ素とを、350℃〜800℃で接触させ、塩素を含む粗三塩化ホウ素を得た後に、塩素を含む粗三塩化ホウ素と活性炭とを、350℃〜800℃で接触させることを特徴する、高純度三塩化ホウ素の製造方法。
【請求項2】
塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素と炭化ホウ素との接触時間と、塩素を含む粗三塩化ホウ素と活性炭との接触時間との合計時間が1秒〜200秒である、請求項1に記載の高純度三塩化ホウ素の製造方法。
【請求項3】
活性炭に対する炭化ホウ素の体積割合(炭化ホウ素の体積/活性炭の体積)が0.1/1〜50/1である、請求項1又は2に記載の高純度三塩化ホウ素の製造方法。
【請求項4】
炭化ホウ素の層が上流側に設けられており、活性炭の層が下流側に設けられている、請求項1〜のいずれか1項に記載の高純度三塩化ホウ素の製造方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高純度三塩化ホウ素の製造方法に関する。本発明で得られる高純度三塩化ホウ素は、例えば、アルミニウム配線のドライエッチングガス等として有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
従来、高純度三塩化ホウ素の製造方法として、例えば、ホスゲン50ppm及び2ppmの塩素を含む三塩化ホウ素と、水分を除去した椰子系活性炭(ケイ素含有量0.12%)とを200℃で接触させ、塩素を活性炭に吸着させることにより、ホスゲン0.1ppm以下及び塩素2ppm以下の高純度三塩化ホウ素を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ホスゲン87.5質量ppm及び10質量ppmの塩素を含む三塩化ホウ素と四ホウ化炭素(炭化ホウ素)とを反応させた後、蒸留して精製することにより高沸点化合物を除去することで、ホスゲンの含有量が0.2質量ppm未満及び塩素の含有量が1.0質量ppm未満である高純度三塩化ホウ素を製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−265216号公報
【特許文献2】特開2013−144644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方法では、活性炭中の水分を予め除去しなければならず、また活性炭中に一定量のケイ素を含有させる必要があった。
【0006】
特許文献2の方法では、三塩化ホウ素と炭化ホウ素とを反応させることによってホスゲンと塩素の量が低減できているものの、三塩化ホウ素と炭化ホウ素中の微量成分、例えば、金属成分や表面酸化物などとの反応により、三塩化ホウ素が分解して塩素を発生させるなどの蓋然性があった(比較例1において検証)。
【0007】
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、かつ、簡便な方法により、塩素が低減された高純度三塩化ホウ素の製造方法によって提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題は、塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素と、炭化ホウ素とを、350℃〜800℃で接触させ、塩素を含む粗三塩化ホウ素を得た後に、塩素を含む粗三塩化ホウ素と活性炭とを、350℃〜800℃で接触させることを特徴する、高純度三塩化ホウ素の製造方法によって解決される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、塩素を含む粗三塩化ホウ素から、高純度三塩化ホウ素を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】比較例1、2において作製した反応管の模式図である。
図2】実施例1〜7において作製した反応管の模式図である。
図3】比較例3において作製した反応管の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る高純度三塩化ホウ素の製造方法では、塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素と、炭化ホウ素とを、350℃〜800℃で接触させ、塩素を含む粗三塩化ホウ素を得た後に、塩素を含む粗三塩化ホウ素と活性炭とを、350℃〜800℃で接触させて、高純度三塩化ホウ素を製造する。
【0012】
本発明に係る高純度三塩化ホウ素の製造方法では、塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素と、炭化ホウ素とを、350℃〜800℃で接触させ、塩素を含む粗三塩化ホウ素を得た後に、塩素を含む粗三塩化ホウ素と活性炭とを、350℃〜800℃で接触させる。このため、高純度三塩化ホウ素を好適に製造し得る。
【0013】
本発明においては、まず、塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素と炭化ホウ素とを接触させる。このとき、三塩化ホウ素は、金属成分や表面酸化物などとの反応により分解し、塩素を発生させるなどの蓋然性がある。
【0014】
一方で、三塩化ホウ素の分解によって発生した塩素の一部は、炭化ホウ素と反応することにより、三塩化ホウ素へと変換される。未反応の塩素は活性炭により処理・除去される。
【0015】
このように、三塩化ホウ素が最初から塩素を含んでいても、三塩化ホウ素と炭化ホウ素との接触で塩素が発生した場合であっても、更に活性炭と接触させることによって、効率的に高純度三塩化ホウ素を製造することができる。
【0016】
なお、工業的規模の製造方法において、粗三塩化ホウ素中にホスゲンが含まれることがあるが、当該ホスゲンは、高温下(350℃〜800℃)で炭化ホウ素と接触することにより、一酸化炭素と塩素に可逆的に分解する(COCl→CO+Cl)。ここで、発生した塩素は活性炭により処理・除去される。
【0017】
なお、本発明においては、これら活性炭による塩素の処理・除去は、吸着が起こらない高温下で行われるため、単なる活性炭による吸着によるものではないと推定される。
【0018】
[塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素]
本発明において「塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素」は、塩素を含むか、塩素濃度が検出限界以下である三塩化ホウ素である。尚、塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素は、窒素ガスなどの不活性ガスにより希釈されていても良い。
【0019】
[粗三塩化ホウ素]
本発明で使用する「粗三塩化ホウ素」は、塩素などの不純物を含む三塩化ホウ素であり、より具体的には、最初から塩素を含む三塩化ホウ素か、三塩化ホウ素と炭化ホウ素との接触により生じた塩素を含む三塩化ホウ素である。なお、粗三塩化ホウ素は、窒素ガスなどの不活性ガスにより希釈されていても良い。
【0020】
三塩化ホウ素は、例えば、活性炭に担持させた酸化ホウ素と塩素との反応などによって製造することができる。工業的規模で三塩化ホウ素を製造する場合においては、未反応の残留塩素が三塩化ホウ素中に混入したり、副生したホスゲンなどが三塩化ホウ素中に混入し、粗三塩化ホウ素となる場合がある。工業的規模の製造方法においては、ホスゲンの混入量は、通常、50質量ppm〜900質量ppmであり、塩素の混入量が2質量ppm以上である。
【0021】
[炭化ホウ素]
本発明で使用する炭化ホウ素としては、一般的に市販されているものを使用できる。ここで、炭化ホウ素としては、好ましくは粒径が1mm〜4mmの粒状のものが用いられる。
【0022】
[活性炭]
本発明で使用する活性炭としては、一般的に市販されているものを使用できる。ここで、活性炭としては、好ましくは粒径が2mm〜100mmの粒状のものが用いられる。
【0023】
[活性炭に対する炭化ホウ素の体積割合]
本発明における活性炭に対する炭化ホウ素の体積割合(炭化ホウ素の体積/活性炭の体積)は、好ましくは0.1/1〜50/1であり、更に好ましくは0.25/1〜20/1である。
【0024】
[接触条件]
本発明では、例えば、反応装置に活性炭を層状に充填した後、その上(上流側)に炭化ホウ素を層状に充填して、反応装置の上部より塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素を供給する。塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素と、炭化ホウ素とを接触させた後に、活性炭と粗三塩化ホウ素とを接触させながら反応させることによって、塩素が低減された高純度三塩化ホウ素を得ることができる。
【0025】
なお、活性炭の層が反応装置の下部(下流側)にあり、炭化ホウ素の層が活性炭の層よりも上部(上流側)にある場合を「炭化ホウ素/活性炭」と称することがあり、活性炭の層が反応装置の上部にあり、炭化ホウ素の層が活性炭の層よりも下部(下流側)にある場合を「活性炭/炭化ホウ素」と称することがある。
【0026】
(接触時間)
上記の接触条件における塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素と炭化ホウ素との接触時間と、塩素を含む粗三塩化ホウ素と活性炭との接触時間との合計時間は、好ましくは1秒〜200秒であり、より好ましくは10秒〜50秒である。
【0027】
(接触温度及び反応圧力)
塩素を含んでいても良い三塩化ホウ素と炭化ホウ素との接触温度と、粗三塩化ホウ素と活性炭との接触温度とは、それぞれ、好ましくは350℃〜800℃であり、より好ましくは400℃〜800℃であり、反応圧力は特に制限されない。
【実施例】
【0028】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0029】
比較例1(炭化ホウ素と三塩化ホウ素との接触)
図1に示すように、長さ700mm×内径φ38mmの円筒形の石英製反応管1に、炭化ホウ素45mlを充填した。窒素ガス流通下、反応管を600℃まで加熱した後、窒素ガスから三塩化ホウ素ガス(塩素濃度:検出限界未満(0.1質量ppm未満))に切り替えた。三塩化ホウ素ガスの流速は28.6sccmとした。三塩化ホウ素ガスと炭化ホウ素との接触時間は、31秒であった。
【0030】
反応管出口の塩素濃度を経時的に測定した結果、2.5時間後に三塩化ホウ素の分解に起因して生成したと考えられる塩素7.7質量ppmが確認された。
【0031】
実施例1(炭化ホウ素/活性炭と三塩化ホウ素との接触)
図2に示すように、長さ700mm×内径φ38mmの円筒形の石英製反応管1に、炭化ホウ素45ml/活性炭18ml(炭化ホウ素の体積/活性炭の体積=2.5/1)を充填した。窒素ガス流通下、反応管を600℃まで加熱した後、窒素ガスから、三塩化ホウ素ガス(塩素濃度:検出限界未満(0.1質量ppm未満))に切り替えた。三塩化ホウ素ガスの流速は28.6sccmとした。三塩化ホウ素ガスと炭化ホウ素/活性炭との接触時間は、43秒であった。
【0032】
反応管出口の塩素濃度を経時的に測定した結果、1時間後、2時間後、3時間後のいずれにおいても塩素濃度は、検出限界未満(0.1質量ppm未満)であり、三塩化ホウ素と炭化ホウ素から発生する塩素は全て除去されたことが確認された。
【0033】
比較例2(炭化ホウ素と三塩化ホウ素との接触)
図1に示すように、長さ700mm×内径φ38mmの円筒形の石英製反応管1に、炭化ホウ素45mlを充填した。窒素ガス流通下、反応管を800℃まで加熱した後、窒素ガスから三塩化ホウ素ガス(検出限界未満(0.1質量ppm未満))に切り替えた。三塩化ホウ素ガスの流速は28.6sccmとした。三塩化ホウ素ガスと炭化ホウ素との接触時間は、31秒であった。
【0034】
反応管出口の塩素濃度を経時的に測定した結果、1時間後に三塩化ホウ素の分解に起因して生成したと考えられる塩素54質量ppmの生成が確認され、更に3時間後には塩素120質量ppmが確認された。
【0035】
実施例2(炭化ホウ素/活性炭と三塩化ホウ素との接触)
図2に示すように、長さ700mm×内径φ38mmの円筒形の石英製反応管1に、炭化ホウ素45ml/活性炭18ml(炭化ホウ素の体積/活性炭の体積=2.5/1)を充填した。窒素ガス流通下、反応管を800℃まで加熱した後、窒素ガスから、三塩化ホウ素ガス(検出限界未満(0.1質量ppm未満))に切り替えた。三塩化ホウ素ガスの流速は28.6sccmとした。三塩化ホウ素ガスと炭化ホウ素/活性炭との接触時間は、43秒であった。
【0036】
反応管出口の塩素濃度を経時的に測定した結果、1時間後、2時間後、3時間後のいずれにおいても塩素濃度は、検出限界未満(0.1質量ppm未満)であり、三塩化ホウ素と炭化ホウ素から発生する塩素は全て除去されたことが確認された。
【0037】
実施例3(炭化ホウ素/活性炭と三塩化ホウ素との接触)
図2に示すように、長さ700mm×内径φ38mmの円筒形の石英製反応管1に、炭化ホウ素40ml/活性炭5ml(炭化ホウ素の体積/活性炭の体積=8/1)を充填した。窒素ガス流通下、反応管を600℃まで加熱した後、窒素ガスから、三塩化ホウ素ガス(検出限界以下(0.1質量ppm未満))に切り替えた。三塩化ホウ素ガスの流速は28.6sccmとした。三塩化ホウ素ガスと炭化ホウ素/活性炭との接触時間は、31秒であった。
【0038】
反応管出口の塩素濃度を経時的に測定した結果、1時間後、2時間後、3時間後、19時間後のいずれにおいても塩素濃度は、検出限界未満(0.1質量ppm未満)であり、三塩化ホウ素と炭化ホウ素から発生する塩素は全て除去されたことが確認された。
【0039】
実施例4(炭化ホウ素/活性炭と三塩化ホウ素との接触)
図2に示すように、長さ700mm×内径φ38mmの円筒形の石英製反応管1に、炭化ホウ素40ml/活性炭2.5ml(炭化ホウ素の体積/活性炭の体積=16/1)を充填した。窒素ガス流通下、反応管を600℃まで加熱した後、窒素ガスから、三塩化ホウ素ガス(検出限界以下(0.1質量ppm未満))に切り替えた。三塩化ホウ素ガスの流速を28.6sccmとした。三塩化ホウ素ガスと炭化ホウ素/活性炭との接触時間は、29秒であった。
【0040】
反応管出口の塩素濃度を経時的に測定した結果、1時間後、2時間後、3時間後、36時間後のいずれにおいても塩素濃度は、検出限界未満(0.1質量ppm未満)であり、三塩化ホウ素と炭化ホウ素から発生する塩素は全て除去されたことが確認された。
【0041】
実施例5(炭化ホウ素/活性炭と粗三塩化ホウ素(塩素含有)との接触)
図2に示すように、長さ700mm×内径φ38mmの円筒形の石英製反応管1に、炭化ホウ素42.5ml/活性炭2.5ml(炭化ホウ素の体積/活性炭の体積比=17/1)を充填した。窒素ガス流通下、反応管を600℃まで加熱した後、窒素ガスから、三塩化ホウ素ガス(塩素濃度:検出限界未満(0.1質量ppm未満))と50質量ppmの塩素を含む窒素ガスに切り替えた。三塩化ホウ素ガス及び50質量ppmの塩素を含む窒素ガスの流速をそれぞれ、28.6sccm、7sccmとし(混合ガス(粗三塩化ホウ素)中の塩素濃度:10質量ppm)た。粗三塩化ホウ素ガスと炭化ホウ素/活性炭との接触時間は、26秒であった。
【0042】
反応管出口の塩素濃度を経時的に測定した結果、2時間後、4時間後、6時間後、19時間後のいずれにおいても塩素濃度は、検出限界未満(0.1質量ppm未満)であり、三塩化ホウ素と炭化ホウ素から発生する塩素は全て除去されたことが確認された。
【0043】
実施例6(炭化ホウ素/活性炭と粗三塩化ホウ素(塩素含有)との接触)
図2に示すように、長さ700mm×内径φ38mmの円筒形の石英製反応管1に、炭化ホウ素18ml/活性炭27ml(炭化ホウ素/活性炭の容積比=0.67/1)を充填した。窒素ガス流通下、反応管を600℃まで加熱した後、窒素ガスから、三塩化ホウ素ガス(塩素濃度:検出限界未満(0.1質量ppm未満))と50質量ppmの塩素を含む窒素ガスに切り替えた。三塩化ホウ素ガス及び50質量ppmの塩素を含む窒素ガスの流速をそれぞれ、28.6sccm、7sccmとし(混合ガス(粗三塩化ホウ素)中の塩素濃度:10質量ppm)た。粗三塩化ホウ素ガスと炭化ホウ素/活性炭との接触時間は、26秒であった。
【0044】
反応管出口の塩素濃度を経時的に測定した結果、2時間後、4時間後、6時間後、19時間後のいずれにおいても塩素濃度は、検出限界未満(0.1質量ppm未満)であり、三塩化ホウ素と炭化ホウ素から発生する塩素は全て除去されたことが確認された。
【0045】
実施例7(炭化ホウ素/活性炭と粗三塩化ホウ素(塩素含有)との接触)
図2に示すように、長さ700mm×内径φ38mmの円筒形の石英製反応管1に、炭化ホウ素9ml/活性炭36ml(炭化ホウ素/活性炭の容積比=0.25/1)を充填した。窒素ガス流通下、反応管を600℃まで加熱した後、窒素ガスから、三塩化ホウ素ガス(塩素濃度:検出限界未満(0.1質量ppm未満))と50質量ppmの塩素を含む窒素ガスに切り替えた。三塩化ホウ素ガス及び50質量ppmの塩素を含む窒素ガスの流速をそれぞれ、28.6sccm、7sccmとし(混合ガス(粗三塩化ホウ素)中の塩素濃度:10質量ppm)た。粗三塩化ホウ素ガスと炭化ホウ素/活性炭との接触時間は、26秒であった。
【0046】
反応管出口の塩素濃度を経時的に測定した結果、2時間後、4時間後、6時間後、20時間後のいずれにおいても塩素濃度は、検出限界未満(0.1質量ppm未満)であり、三塩化ホウ素と炭化ホウ素から発生する塩素は全て除去されたことが確認された。
【0047】
比較例3(活性炭/炭化ホウ素と三塩化ホウ素との接触)
図3に示すように、長さ700mm×内径φ38mmの円筒形の石英製反応管1に、活性炭5ml/炭化ホウ素40mlを充填した。窒素ガス流通下、反応管を600℃まで加熱した後、窒素ガスから三塩化ホウ素ガス(検出限界未満(0.1質量ppm未満))に切り替えた。三塩化ホウ素ガスの流速は28.6sccmとした。三塩化ホウ素ガスと活性炭/炭化ホウ素との接触時間は、31秒であった。
【0048】
反応管出口の塩素濃度を経時的に測定した結果、2時間後に三塩化ホウ素の分解に起因して生成したと考えられる塩素1質量ppmの生成が確認され、更に3時間後には塩素18質量ppmが確認された。
【0049】
以上の結果より、炭化ホウ素のみを使用した場合、及び活性炭/炭化ホウ素を使用した場合には、出口において大量の塩素の発生が確認されたものの、炭化ホウ素/活性炭を使用した場合には、400℃〜600℃において検出限界未満(0.1質量ppm未満)の塩素しか検出されなかった。即ち、塩素の除去率は100%であった。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明により、高純度三塩化ホウ素の製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 石英製反応管
図1
図2
図3