特許第6984461号(P6984461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984461
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】装飾具及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B44C 5/06 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   B44C5/06 F
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-19330(P2018-19330)
(22)【出願日】2018年2月6日
(65)【公開番号】特開2019-136874(P2019-136874A)
(43)【公開日】2019年8月22日
【審査請求日】2020年8月5日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年にウェブサイト、刊行物等で公開
(73)【特許権者】
【識別番号】594137579
【氏名又は名称】三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】森本 精次
(72)【発明者】
【氏名】金山 美由紀
(72)【発明者】
【氏名】山崎 かおり
【審査官】 正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3175218(JP,U)
【文献】 特開平05−131798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B44C 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面及び第1の面と反対側の第2の面を有した熱可塑性合成樹脂製薄板状成形体よりなる装飾具であって、
該装飾具は、第1の方向(以下、長手方向)の長さが、該長手方向と直交方向の第2の方向(以下、幅方向)の幅よりも大きく、
該装飾具は、該第1の面側に全体として凸になるように曲成されており、
該装飾具は、該幅方向の中央部を該長手方向に延在する主折曲条と、基端側が該主折曲条に連なり、先端側が該装飾具の周縁にまで達するように延在した副折曲条とを有し、
前記副折曲条は、前記装飾具の長手方向を上下方向として正対視した状態において、前記主折曲条から左方に延在する左側副折曲条と、右方に延在する右側副折曲条とを有しており、
該主折曲条の長手方向の複数の箇所(以下、結節点)からそれぞれ、左側副折曲条と右側副折曲条とが延出しており、
前記副折曲条として、前記第1の面側に凸となる凸副折曲条と、前記第1の面側に凹となる凹副折曲条とを有しており、
1つの前記結節点からは左方に凸副折曲条が延出し、右方に凹副折曲条が延出しており、
該結節点に隣接する結節点からは、左方に凹副折曲条が延出し、右方に凸副折曲条が延出していることを特徴とする装飾具。
【請求項2】
金属調又は偏光色を伴っていることを特徴とする請求項1に記載の装飾具。
【請求項3】
少なくとも前記第2の面に網目状の凸条が設けられており、一部の凸条は、装飾具の周縁部に臨んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の装飾具。
【請求項4】
前記周縁部のうち前記凸条が臨んだ部分は、その近傍よりも外方に突出していることを特徴とする請求項に記載の装飾具。
【請求項5】
前記主折曲条部分における厚さが最も大きく、周縁部に向って厚さが徐々に小さくなっていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の装飾具。
【請求項6】
前記長手方向の一端側から延出する棒状部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の装飾具。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項に記載の装飾具を射出成形により製造する装飾具の製造方法。
【請求項8】
請求項に記載の装飾具を射出成形により製造する装飾具の製造方法であって、金型のゲート部によって前記棒状部を成形することを特徴とする装飾具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾具に係り、特に熱可塑性合成樹脂製の木の葉状の装飾具に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性合成樹脂の木の葉状の成形体が特許文献1に記載されている(特許文献1の請求項2、0018段落)。特許文献1の成形体は、食品用間仕切りであり、抗菌剤を含有したポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂フィルム又はシートよりなり(特許文献1、0011段落)、プレスで打ち抜くことにより形成される(同、0010段落)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−100046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、立体感に富み、天然の木の葉調の外観を有した装飾具と、その製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の装飾具は、第1の面及び第1の面と反対側の第2の面を有した熱可塑性合成樹脂製薄板状成形体よりなる装飾具であって、該装飾具は、第1の方向(以下、長手方向)の長さが、該長手方向と直交方向の第2の方向(以下、幅方向)の幅よりも大きく、該装飾具は、該第1の面側に全体として凸になるように曲成されており、該装飾具は、該幅方向の中央部を該長手方向に延在する主折曲条と、基端側が該主折曲条に連なり、先端側が該装飾具の周縁にまで達するように延在した副折曲条とを有することを特徴とする。
【0006】
本発明の一態様の装飾具は、金属調又は偏光色を伴っていることを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様の装飾具は、前記副折曲条は、前記装飾具の長手方向を上下方向として正対視した状態において、前記主折曲条から左方に延在する左側副折曲条と、右方に延在する右側副折曲条とを有しており、該主折曲条の長手方向の複数の箇所(以下、結節点)からそれぞれ、左側副折曲条と右側副折曲条とが延出していることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様の装飾具は、前記副折曲条として、前記第1の面側に凸となる凸副折曲条と、前記第1の面側に凹となる凹副折曲条とを有しており、1つの前記結節点からは左方に凸副折曲条が延出し、右方に凹副折曲条が延出しており、該結節点に隣接する結節点からは、左方に凹副折曲条が延出し、右方に凸副折曲条が延出していることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様の装飾具は、少なくとも前記第2の面に網目状の凸条が設けられており、一部の凸条は、装飾具の周縁部に臨んでいることを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様の装飾具は、前記周縁部のうち前記凸条が臨んだ部分は、その近傍よりも外方に突出していることを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様の装飾具は、前記主折曲条部分における厚さが最も大きく、周縁部に向って厚さが徐々に小さくなっていることを特徴とする。
【0012】
本発明の装飾具は、射出成形により製造することができる。
【0013】
棒状部を有する装飾具の場合、該棒状部は金型ゲート部で成形される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の装飾具は、第1の面側に全体として凸となるように曲成されている。また、幅方向の中央部を長手方向に延在する主折曲条と、該主折曲条から周縁部にまで延在する副折曲条とを有している。そのため、本発明の装飾具は、立体感に富んだ、天然の木の葉調の外観を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態に係る装飾具の正面図である。
図2】実施の形態に係る装飾具の右側面図である。
図3図1のIII−III線断面図である。
図4】装飾具の後面の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1〜4を参照して実施の形態について説明する。
【0017】
この装飾具1は、第1の面(以下、前面)及びそれと反対側の第2の面(以下、後面)を有した熱可塑性合成樹脂製薄板状成形体よりなる。該装飾具1は、第1の方向(以下、長手方向)の長さが、該長手方向と直交方向の第2の方向(以下、幅方向)の幅よりも大きい、全体として木の葉形状となっている。装飾具1は、該前面側に全体として凸になるように曲成されている。
【0018】
装飾具1は、該幅方向の中央部を該長手方向に延在する主折曲条2と、該基端側が該主折曲条2に連なり、先端側が装飾具1の周縁部にまで達するように延在した複数の副折曲条3,4とを有する。副折曲条3は、図1のように装飾具1の長手方向を上下方向として正対視した状態において、前記主折曲条から左方に延在する左側副折曲条3であり、副折曲条4は右方に延在する右側副折曲条4である。
【0019】
主折曲条2の長手方向の複数の箇所(以下、結節点5)からそれぞれ、左側副折曲条3と右側副折曲条4とが延出している。
【0020】
副折曲条3,4として、前面側に凸となる山形の凸副折曲条3a,4aと、前面側に凹となる谷形の凹副折曲条3b,4bとが設けられている。1つの結節点5からは左方に凸副折曲条3aが延出し、右方に凹副折曲条4bが延出している。該結節点5に隣接する結節点5からは、左方に凹副折曲条3bが延出し、右方に凸副折曲条4aが延出している。そのため、図3の通り、装飾具1は主折曲条2と平行方向においてジグザグ状に折曲している。装飾具1の周縁部及びその近傍におけるジグザグ面の交差角度θは180〜90°特に179〜120°程度が好ましいが、これに限定されない。
【0021】
この実施の形態では、前面は平滑で光沢を有した面となっている。後面には、図4のように、網目状の凸条6が設けられている。この実施の形態では、凸条6は葉脈と同様のパターンとなっている。一部の凸条6は、装飾具1の周縁部に臨んでいる。図示は省略するが、この周縁部のうち凸条6が臨んだ部分は、その近傍よりも外方に突出して微小突起を形成している。
【0022】
この装飾具1は、主折曲条2部分における厚さが最も大きく、周縁部に向って厚さが徐々に小さくなっている。主折曲条2部分の厚みは0.2〜5mm特に0.5〜4mmとりわけ1.5〜3.5mm程度が好ましく、周縁部では主折曲条2部分の厚さの98〜2%特に80〜20%となっていることが好ましい。
【0023】
この装飾具1では、長手方向の一端側から延出する縦棒状部7が設けられている。また、この縦棒状部7の先端に、該縦棒状部7と直交又は斜交方向(この実施の形態では斜交方向)に延在する横棒状部8が設けられている。
【0024】
熱可塑性合成樹脂としては、非晶性熱可塑性合成樹脂が好ましく、特にポリカーボネート系樹脂が好ましい。この樹脂は、透明でもよく、不透明でもよく、半透明でもよい。
【0025】
この樹脂は、光輝性や偏光性を有する充填材や染顔料を選定することにより、金属調及び/又は偏光色を有するものとされてもよい。粒子径が大きめで扁平な(例えば平均径が1〜300μmで平均厚さが0.1〜10μm)光輝材を合成樹脂100重量部に対し0.005〜10重量部含有させることにより、所謂キラキラとした光輝感を生じさせて、葉についた水滴を感取させるようにしてもよい。さらに蓄光材を合成樹脂100重量部に対し、0.05〜40重量部含有させて暗闇で発光させることにより、落ち葉によるたき火を感取させるようにしてもよい。
【0026】
この装飾具1は、射出成形により製造することができる。装飾具1の棒状部7,8については、金型のゲート部によって成形することができる。上記のように、主折曲条2付近の厚みを大きくし、周縁部に向って徐々に厚みが小さくなるので、射出成形時に樹脂がキャビティの隅々までスムーズに流れる。特に金属調色を有する場合、ウエルドや流れ模様不良の発生を抑制でき好ましい。
【0027】
この装飾具1は、凸に湾曲しており、副折曲条3,4が左右に延出し、また1つの結節点5から左右に延びる副折曲条3,4が凹凸逆となっていると共に、図3の通り主折曲条2と平行方向においてジグザグに折曲しているため、偏光色を有する場合、隣り合った面の反射光が異なり、より意匠的な効果があるものであり、極めて立体感に富むと共に、後面に網目状の凸部が設けられており、天然の木の葉調の外観を有している。
【0028】
なお、網目状の凸部は前面にも設けられてもよく、前面にのみ設けられてもよい。前面を平滑な光沢面とし、後面を凸条6を有した面とするのが好適であるが、これに限定されない。
【0029】
この装飾具1は、後面に網目状凸条6が設けられているとともに、周縁部に網目状凸条6由来の微小突起が形成されているので、後面や周縁部に触れたときの触感が天然の木の葉調のザラついたものとなる。
【0030】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の形態とされてもよい。例えば、木の葉形状でなく、貝殻形状や宝石形状の装飾具としてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 装飾具
2 主折曲条
3,4 副折曲条
3a,4a 凸副折曲条
3b,4b 凹副折曲条
5 結節点
6 凸条
7 縦棒状部
8 横棒状部
図1
図2
図3
図4