【実施例1】
【0009】
図1は第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側断面図である。
図1において、画像形成装置1は、連続紙やロール紙などの長尺状の媒体に印刷を行う印刷装置としてのプリンタである。本実施例では、画像形成装置1を電子写真方式のカラープリンタとして説明する。
【0010】
画像形成装置1は、印刷する媒体を供給するフィーダ部100と、フィーダ部100から供給された媒体に現像剤像を形成して印刷を行う印刷部200とを有している。
フィーダ部100は、媒体収容部102と、用紙センサ103と、第1搬送ローラ104と、透過センサ105と、反射センサ106と、カッターユニット107と、第2搬送ローラ108と、カッターアウトセンサ109と、第3搬送ローラ110とを有している。
【0011】
媒体収容部102は、ロール状に巻き回された長尺状の媒体Pを収容するものである。
ここで、媒体Pは、例えば
図2の第1の実施例における媒体の説明図に示すように、図中矢印Aが示す媒体搬送方向に連続する長帯状の第1の部材としての台紙部PBと、その台紙部PBに積層(貼付)され、媒体搬送方向において、所定の長さL1を有し、所定のラベル間隔L2を保持して配置された複数の第2の部材としてのラベル部PL(例えば、略矩形状のラベル部PL)とを有するものである。
【0012】
用紙センサ103は、媒体収容部102と第1搬送ローラ104との間に配置され、フィーダ部100に装填され、媒体収容部102から引き出された媒体Pの有無を検知するものである。
第1搬送ローラ104は、媒体収容部102に収容された媒体Pを図中矢印Aが示す媒体搬送方向に搬送する搬送手段であり、媒体搬送方向における用紙センサ103の下流に配置されたものである。第1搬送ローラ104は、例えばモータ等の駆動源により回転するローラ対であり、回転することにより媒体Pを挟持して媒体搬送方向に搬送する。
【0013】
媒体異常検出手段としての透過センサ105は、媒体搬送方向における第1搬送ローラ104の下流に配置され、媒体Pのラベル部および台紙部並びにラベル部の異常を検出するものである。透過センサ105は、例えば媒体Pを挟んで対向配置された発光素子および受光素子を有する光透過センサで構成され、発光素子から発せられ媒体Pを透過した光を受光素子で受光し、その光透過量に基づいて媒体Pのラベル部および台紙部並びにラベル部の異常を検出する。
【0014】
なお、本実施例では、透過センサ105でラベル部および台紙部並びにラベル部の異常を検出するようにしたが、それに限られるものでなく、ラベル部および台紙部並びにラベル部の異常を検出する検出部であれば反射型のセンサ等であっても良い。
ラベル部の異常とは、ラベル部の欠落や欠損、ラベル部の位置が所定位置からずれている、または媒体搬送方向におけるラベル部の長さが所定の長さより短いなどである。
【0015】
反射センサ106は、媒体搬送方向における透過センサ105の下流に配置され、媒体Pのラベル部の位置を検出するものである。反射センサ106は、例えば媒体Pに光を照射する発光素子および媒体Pからの反射光を受光する受光素子を有する光反射センサで構成され、反射光量に基づいてそれぞれのラベル部に対応する位置に設けられた黒色マークを検出して媒体Pのラベル部の位置を検出する。
【0016】
カッターユニット107は、媒体搬送方向における反射センサ106の下流に配置され、媒体Pを印刷部200から指示された長さで切断するものである。
第2搬送ローラ108は、媒体搬送方向におけるカッターユニット107の下流に配置され、媒体搬送方向に媒体Pを搬送する搬送手段である。第2搬送ローラ108は、例えばモータ等の駆動源により回転するローラ対であり、回転することにより媒体Pを挟持して媒体搬送方向に搬送する。
【0017】
カッターアウトセンサ109は、媒体搬送方向における第2搬送ローラ108の下流に配置され、カッターユニット107および第2搬送ローラ108を通過する媒体Pを検出するものである。
第3搬送ローラ110は、媒体搬送方向におけるカッターアウトセンサ109の下流に配置され、媒体搬送方向に媒体Pを搬送する搬送手段である。第3搬送ローラ110は、例えばモータ等の駆動源により回転するローラ対であり、回転することにより媒体Pを挟持して媒体搬送方向の印刷部200に搬送する。
【0018】
なお、本実施例では、フィーダ部100は、媒体収容部102、用紙センサ103、第1搬送ローラ104、透過センサ105、反射センサ106、カッターユニット107、第2搬送ローラ108、カッターアウトセンサ109、および第3搬送ローラ110を備えたものとして説明するが、媒体Pを印刷部200に供給できるものであれば媒体収容部102のみを備えたものであっても良い。
【0019】
印刷部200は、LEDヘッド202C、202M、202Y、202Kと、現像ユニット203(203C、203M、203Y、203K)と、転写ローラ204C、204M、204Y、204Kと、INセンサ205と、第4搬送ローラ206と、ライトセンサ207と、2次転写ローラ208と、定着ユニット209と、排出ローラ210と、中間転写ベルト211と、クリーニング装置214とを有している。
【0020】
露光手段としてのLEDヘッド202C、202M、202Y、202Kは、現像ユニット203C、203M、203Y、203Kのそれぞれの感光ドラムに対応するように配置され、それぞれの感光ドラムに光を選択的に照射して静電潜像を形成するものである。
画像形成部としての現像ユニット203(203C、203M、203Y、203K)は、像担持体としての感光ドラムを有し、それぞれの感光ドラムに形成された静電潜像に現像剤としての各色のトナーを供給して現像剤像としてのトナー像を形成するものである。
【0021】
現像ユニット203Cはシアン色(C)のトナー像、現像ユニット203Mはマゼンタ色(M)のトナー像、現像ユニット203Yはイエロー色(Y)のトナー像、現像ユニット203Kはブラック色(K)のトナー像を形成する。
【0022】
現像ユニット203C、203M、203Y、203Kは、それぞれ帯電手段と、現像剤供給手段とを有し、帯電手段により一様に帯電された感光ドラムの表面をLEDヘッド202C、202M、202Y、202Kで露光して感光ドラムの表面に静電潜像を形成し、その静電潜像に現像剤供給手段によりトナーを供給してトナー像を形成する。
【0023】
転写ローラ204C、204M、204Y、204Kは、中間転写ベルト211を介して現像ユニット203C、203M、203Y、203Kのそれぞれの感光ドラムに対向配置され、感光ドラムに形成された各色のトナー像を中間転写ベルト211に1次転写する1次転写手段である。
【0024】
現像剤像搬送部材としての中間転写ベルト211は、現像ユニット203C、203M、203Y、203Kおよび転写ローラ204C、204M、204Y、204Kによって、トナー像が形成され、そのトナー像を搬送するものである。この中間転写ベルト211は、ベルトローラ212およびバックアップローラ213を含む複数のローラに回転可能に張架された無端状のベルトであり、転写ローラ204C、204M、204Y、204Kによって現像ユニット203C、203M、203Y、203Kの感光ドラムから1次転写されたトナー像を2次転写ローラ208へ搬送する。
【0025】
中間転写ベルト211は、モータ等の駆動源に接続されたベルトローラ212の回転駆動により、図中矢印Bが示すベルト走行方向に回転する。
INセンサ205は、媒体搬送方向におけるフィーダ部100の第3搬送ローラ110の下流に配置され、フィーダ部100の第3搬送ローラ110で送り出された媒体Pを検知するものである。
【0026】
媒体搬送手段としての第4搬送ローラ206は、媒体搬送方向におけるINセンサ205の下流に配置され、INセンサ205で検知された媒体Pを媒体搬送方向に搬送するものである。第4搬送ローラ206は、例えばモータ等の駆動源により回転するローラ対であり、回転することにより媒体Pを挟持して媒体搬送方向の2次転写ローラ208へ搬送する。
【0027】
正常媒体検出手段としてのライトセンサ207は、媒体搬送方向における第4搬送ローラ206の下流であって2次転写ローラ208の上流に配置され、第4搬送ローラ206で送り出された媒体Pの正常なラベル部およびそのラベル部の先端を検知するものである。ライトセンサ207により媒体Pのラベル部の先端が検知されると、画像形成装置1のメイン制御部は、中間転写ベルト211に転写されたトナー像のベルト搬送方向における先端が、媒体の画像書出し位置と重なるように、媒体Pを2次転写ローラ208へ搬送するタイミングを制御する。
【0028】
また、媒体異常検出手段としてのライトセンサ207は、上述した透過センサ105と同様に、媒体Pのラベル部および台紙部並びにラベル部の異常を検出するものである。ライトセンサ207は、例えば媒体Pを挟んで対向配置された発光素子および受光素子を有する光透過センサで構成され、発光素子から発せられ媒体Pを透過した光を受光素子で受光し、その光透過量に基づいて媒体Pのラベル部および台紙部並びにラベル部の異常を検出する。
【0029】
なお、本実施例では、ライトセンサ207は、光透過センサでラベル部および台紙部並びにラベル部の異常を検出するようにしたが、それに限られるものでなく、ラベル部および台紙部並びにラベル部の異常を検出する検出部であれば反射型のセンサ等であっても良い。
【0030】
転写部材としての2次転写ローラ208は、媒体搬送方向におけるライトセンサ207の下流に配置され、ライトセンサ207で検知された媒体Pを媒体搬送方向に搬送するとともに、中間転写ベルト211に転写されて形成されたトナー像を媒体Pのラベル部に転写する2次転写手段である。
【0031】
2次転写ローラ208は、中間転写ベルト211を介してバックアップローラ213と対向配置され、転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト211上に転写されたトナー像を媒体Pのラベル部に転写する。
【0032】
また、本実施例では、2次転写ローラ208は、
図3の第1の実施例における2次転写ローラの説明図に示すように、中間転写ベルト211との間で離間と、接触が可能である。即ち、2次転写ローラ208は、中間転写ベルト211から離間および中間転写ベルト211に接触することができるようになっている。
【0033】
図3(a)は2次転写ローラ208が中間転写ベルト211に接触した状態を示し、
図3(b)は2次転写ローラ208が中間転写ベルト211から離間した状態を示している。このように、2次転写ローラ208は、制御部の制御によりマグネット等のアクチュエータを動作させることにより、中間転写ベルト211に接触する位置に移動し、また中間転写ベルト211から離間した位置に移動することができるようになっている。
【0034】
図3(a)に示すように、2次転写ローラ208が中間転写ベルト211に接触した状態では、2次転写ローラ208に転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト211に転写されたトナー像を媒体Pのラベル部に転写することができ、また
図3(b)に示すように、2次転写ローラ208が中間転写ベルト211から離間した状態では、媒体Pは2次転写ローラ208および中間転写ベルト211の双方と接触しない状態で図示しない搬送手段により搬送されるため、2次転写ローラ208に転写電圧を印加しても、中間転写ベルト211に転写されたトナー像は媒体Pのラベル部に転写されることはない。
【0035】
クリーニング装置214は、中間転写ベルト211のベルト走行方向における2次転写ローラ208の下流であって現像ユニット203の上流に配置され、中間転写ベルト211上に残留したトナーを掻き取るものである。このクリーニング装置214は、中間転写ベルト211と当接するクリーニングブレードを有し、中間転写ベルト211がベルト走行方向に回転することにより、中間転写ベルト211上に残留したトナーがクリーニングブレードによって掻き落とされて除去される。
【0036】
定着ユニット209は、媒体搬送方向における2次転写ローラ208の下流に配置され、媒体Pを媒体搬送方向に搬送するとともに、2次転写ローラ208により媒体Pのラベル部に転写されたトナー像を熱で溶融しながら媒体Pのラベル部に定着させる定着手段である。
【0037】
排出ローラ210は、媒体搬送方向における定着ユニット209の下流に配置され、媒体Pを媒体搬送方向に搬送し、装置外へと排出する排出手段である。なお、媒体搬送方向における排出ローラ210の下流の装置外に排出された媒体Pを巻き取る巻取り部を設けるようにしても良い。
【0038】
図4は第1の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
【0039】
図4において、画像形成装置1は、メイン制御部300と、データ受信部301と、UART−I/F(Universal Asynchronous Receiver Transmitter−Interface)部302と、フィーダ制御部303と、用紙搬送制御部304と、画像形成部305と、定着制御部306とを有している。
【0040】
メイン制御部300は、データ受信部301、UART−I/F部302、用紙搬送制御部304、画像形成部305、定着制御部306、およびUART−I/F部302を介してフィーダ制御部303を制御し、画像形成装置1全体の動作を制御するものである。メイン制御部300等の制御部は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備え、メモリ等の記憶手段に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて画像形成装置1全体の動作を制御する。また、メイン制御部300は、計時手段としてのタイマを有している。
【0041】
このメイン制御部300は、一般的な中間転写方式における画像形成処理(印刷シーケンス)を制御し、媒体にトナー像を形成して印刷を行う。
【0042】
データ受信部301は、LAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)などの通信回線を介してPC(Personal Computer)等の上位装置から印刷を指示する印刷データを受信するものである。
【0043】
UART−I/F部302は、メイン制御部300とフィーダ制御部303との間で各種情報の授受を行う通信制御を行うものである。UART−I/F部302は、メイン制御部300からの指示によりフィーダ制御部303へ各種命令等の制御情報を送信し、またフィーダ制御部303からメイン制御部300へ媒体に関する情報等の状態情報を送信する。
【0044】
フィーダ制御部303は、
図1に示すフィーダ部100を制御して媒体を印刷部200へ搬送するものであり、本実施例では、透過センサ制御部3031と、ラベル長計測部3032と、ラベル異常検出部3033とを有している。
透過センサ制御部3031は、
図1に示す透過センサ105を制御し、媒体のラベル部や台紙部を検出するものである。
【0045】
ラベル長計測部3032は、透過センサ制御部3031の制御により
図1に示す透過センサ105で検出した媒体のラベル部の媒体搬送方向における長さ(ラベル長)を測定するものである。
媒体異常検出手段としてのラベル異常検出部3033は、透過センサ制御部3031の制御により
図1に示す透過センサ105で検出した媒体のラベル部の異常の有無を検出するものである。ラベル異常検出部3033は、ラベル長計測部3032で測定したラベル部のラベル長の異常や透過センサ制御部3031で検出したラベル部の欠損等をラベル部の異常として検出する。
【0046】
用紙搬送制御部304は、
図1に示す印刷部200における媒体の搬送を制御するものであり、本実施例では、ライトセンサ制御部3041と、ラベル異常検出部3042と、離間タイミング生成部3043と、2次転写ローラ制御部3044とを有している。
【0047】
ライトセンサ制御部3041は、
図1に示すライトセンサ207を制御し、媒体のラベル部や台紙部を検出するものである。
媒体異常検出手段としてのラベル異常検出部3042は、ライトセンサ制御部3041の制御により
図1に示すライトセンサ207で検出した媒体のラベル部の異常の有無を検出するものである。ラベル異常検出部3042は、ライトセンサ制御部3041で検出したラベル部のラベル長の異常やラベル部の欠損等をラベル部の異常として検出する。
【0048】
離間時機生成部としての離間タイミング生成部3043は、ラベル異常検出部3042でラベル部の異常が検出された場合、
図1に示すライトセンサ207で媒体搬送方向におけるラベル部の先端部を検出したタイミングに基づいて、2次転写ローラ208を、中間転写ベルト211から離間させる離間タイミングを生成するものである。
離間タイミング生成部3043は、ラベル異常検出部3042がラベル部の異常を検出してから異常が検出されたラベル部より先行するすべての正常なラベル部の後端が2次転写ローラ208に到達するまでの時間を離間タイミングとして生成する。
【0049】
転写制御部としての2次転写ローラ制御部3044は、
図1に示す2次転写ローラ208による中間転写ベルト211のトナーの媒体のラベル部への転写を制御するものである。本実施例の2次転写ローラ制御部3044は、離間タイミング生成部3043により生成された離間タイミングに基づいて、
図3(b)に示すように、2次転写ローラ208を中間転写ベルト211から離間させ、または
図3(a)に示すように、中間転写ベルト211から離間している2次転写ローラ208を中間転写ベルト211に接触させて、中間転写ベルト211のトナーの媒体のラベル部への転写を制御する。
【0050】
なお、2次転写ローラ208を中間転写ベルト211に接触させることにより、中間転写ベルト211のトナーが媒体のラベル部に転写されることを可能にし、一方2次転写ローラ208を中間転写ベルト211から離間させることにより、中間転写ベルト211のトナーが媒体のラベル部に転写されることを抑制する。
【0051】
画像形成部305は、
図1に示す印刷部200のLEDヘッド202C、202M、202Y、202K、現像ユニット203C、203M、203Y、203K、および転写ローラ204C、204M、204Y、204K等を制御して中間転写ベルト211にトナー像を形成し、さらに2次転写ローラ208に印可する転写電圧等を制御して媒体にトナー像を転写し、形成するものである。
【0052】
定着制御部306は、
図1に示す定着ユニット209を制御し、媒体に転写されたトナー像を定着させるものである。
このように構成された画像形成装置1の2次転写ローラ制御部3044は、ラベル異常検出部3042が媒体のラベル部の異常を検出した場合、異常が検出されたラベル部に対応する位置へのトナーの転写を抑制する。
【0053】
上述した構成の作用について説明する。
【0054】
画像形成装置が行う印刷制御処理を
図5の第1の実施例における印刷制御処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1および
図4を参照しながら説明する。
【0055】
S101:画像形成装置1のデータ受信部301は、上位装置から印刷要求の有無を確認し、印刷要求有り、即ち上位装置から印刷データを受信したと判定すると処理をS102へ移行し、印刷要求が無い場合は印刷要求の有無の確認を継続して行う。上位装置から印刷データを受信したと判定したデータ受信部301は、受信した印刷データをメイン制御部300に通知する。
【0056】
なお、このとき、2次転写ローラ208は、中間転写ベルト211と接触する位置に配置されているものとする。
【0057】
S102:メイン制御部300は、通知された印刷データから画像データを取得するとともに、印刷データを解析し、媒体搬送速度、および媒体搬送方向における媒体のラベル部の長さ(
図2に示す長さL1)、ラベル部間の台紙部の長さ(
図2に示すラベル間隔L2)の情報を取得し、メモリ等の記憶手段に記憶する。
【0058】
S103:メイン制御部300は、媒体搬送速度、および媒体搬送方向における媒体のラベル部の長さ、ラベル部間の台紙部の長さの情報を含む印刷コマンドを、UART−I/F部302を介してフィーダ部100のフィーダ制御部303へ送信する。
【0059】
S104:印刷コマンドをフィーダ制御部303へ送信したメイン制御部300は、印刷動作を開始する。メイン制御部300は、用紙搬送制御部304、画像形成部305、および定着制御部306の各制御部の起動タイミングや、トナー画像の先端および媒体の先端の位置調整、トナー画像の1次転写および2次転写、トナーの媒体への定着等を制御し、中間転写方式の印刷動作を行う。なお、中間転写方式の印刷動作は、公知の技術(例えば、特開2002−323839)を使用して行うものとする。
【0060】
S105:メイン制御部300から印刷コマンドを受信したフィーダ制御部303は、第1搬送ローラ104、第2搬送ローラ108、および第3搬送ローラ110の回転を開始し、媒体の搬送を開始する。媒体の搬送を開始すると、透過センサ制御部3031は透過センサ105を制御し、ラベル長計測部3032は透過センサ105で媒体搬送方向における媒体のラベル部の先端から後端までの長さ(ラベル長)を計測する。
【0061】
また、ラベル長計測部3032は透過センサ105で媒体搬送方向における媒体の先行するラベル部の後端から後続するラベル部の先端までの長さ(ラベル間隔)を計測する。
【0062】
S106:ラベル異常検出部3033は、ラベル長計測部3032が計測したラベル長およびラベル間隔に基づいて媒体のラベル部の異常の有無の監視を行い、ラベル部の異常を検出するとフィーダ制御部303はUART−I/F部302を介してメイン制御部300にラベル部の異常を検出した旨を通知して処理をS108へ移行し、ラベル部に異常がないと判定すると処理をS107へ移行する。
【0063】
ここで、ラベル異常検出部3033は、媒体のラベル部の先端から後端までのラベル長と閾値を比較し、ラベル長が所定の範囲内にない場合、ラベル部に異常があると判定する。
【0064】
また、ラベル異常検出部3033は、先行するラベル部と後続のラベル部との間隔であるラベル間隔が閾値を超えた場合、ラベル部に異常があると判定する。
【0065】
本実施例では、
図6(a)に示すように、ラベル異常検出部3033は、透過センサ105で計測した先行するラベル部と後続のラベル部との間隔であるラベル間隔が予め設定されている閾値を超えた場合、即ち透過センサ105がラベル部の後端を検出してから閾値D1に相当する距離を媒体が移動しても後続のラベル部の先端を検出できない場合、ラベル部の欠損等のラベル部に異常があると判定する。
【0066】
具体的には、ラベル異常検出部3033は、媒体搬送方向において、先行するラベル部の後端を検出してからの経過時間が閾値D1に到達しても後続するラベル部の先端を検出できなかった場合、ラベル部に異常があると判定する。
なお、閾値D1は、印刷データに設定されている媒体搬送速度およびラベル間隔に基づいてメイン制御部300が算出するものとする。また、閾値D1は、利用者の設定操作を操作表示部等で受け付け、メモリ等の記憶手段に設定するようにしても良い。
【0067】
このように、本実施例では、ラベル異常検出部3033は、ラベル長が所定の範囲内にない場合、または先行するラベル部と後続のラベル部とのラベル間隔が閾値を超えた場合、ラベル部に異常があると判定する。
【0068】
S107:メイン制御部300は、印刷データで指示された印刷をすべて終了したか否かを判定し、終了していないと判定すると印刷が終了するまで印刷動作およびラベル部の異常検出を継続するため、処理をS105へ移行し、すべての印刷が終了したと判定すると印刷動作を停止し、本処理を終了する。
【0069】
S108:フィーダ制御部303からラベル部の異常を検出した旨の通知を受けたメイン制御部300は、画像形成部305に画像出力を中断する指示を通知する。画像形成部305は、画像出力を中断する指示を受けると、異常なラベル部に転写する画像の形成を行っている場合、直ちに画像の形成動作を中断し、また正常なラベル部に対しては2次転写ローラ208で中間転写ベルト211に形成されている画像を媒体のラベル部に転写する2次転写処理を行う。
【0070】
S109:用紙搬送制御部304のラベル異常検出部3042は、ライトセンサ制御部3041により制御されるライトセンサ207を用いてフィーダ制御部303で検出された異常なラベル部を監視し、異常なラベル部を検出すると処理をS110へ移行する。なお、ラベル異常検出部3042が行う異常なラベル部か否かの判定処理は、ラベル異常検出部3033が行う判定処理と同様である。
【0071】
S110:ラベル異常検出部3042が異常なラベル部を検出すると、離間タイミング生成部3043は、2次転写ローラ208を中間転写ベルト211から離間させる離間タイミングを生成する。
【0072】
図6(b)に示すように、ラベル異常検出部3042が異常なラベル部としてラベル部の欠損部LCを検出した場合、離間タイミング生成部3043は、
図6(c)に示すように、2次転写ローラ208が中間転写ベルト211から離間するまでの動作時間を考慮して2次転写ローラ離間タイミングD2を算出する。
【0073】
2次転写ローラ離間タイミングD2(時間)は、ライトセンサ207から2次転写ローラ208と中間転写ベルト211の接触部までの媒体搬送時間をE、2次転写ローラ208が中間転写ベルト211から離間するまでの動作時間をMとすると、D2=E−M−D1として算出することができる。
【0074】
なお、ライトセンサ207から2次転写ローラ208と中間転写ベルト211の接触部までの媒体搬送時間Eおよび動作時間Mは利用者の設定操作により予めメモリ等の記憶手段に設定されているものとする。また、媒体搬送時間Eおよび動作時間Mの情報を印刷データに含ませるようにしても良い。
【0075】
S111:用紙搬送制御部304の2次転写ローラ制御部3044は、先行する正常なラベル部の媒体搬送方向における後端が2次転写ローラ208に到達、即ち2次転写ローラ208を中間転写ベルト211から離間させる離間タイミングD2に到達するか否かの監視を行い、到達したと判定すると処理をS112へ移行する。
【0076】
S112:2次転写ローラ制御部3044は、離間タイミングD2に到達したと判定すると、2次転写ローラ208を中間転写ベルト211から離間させる。
【0077】
即ち、2次転写ローラ制御部3044は、ライトセンサ207によりラベル異常検出部3042がラベル部の異常を検出してから離間タイミング生成部3043が生成した時間(離間タイミングD2)が経過した後、2次転写ローラ208と中間転写ベルト211とを離間させる。
【0078】
このようして2次転写ローラ制御部3044は、媒体搬送方向において、異常が検出されたラベル部より先行するすべての正常なラベル部の後端が2次転写ローラ208を通過した後、2次転写ローラ208と中間転写ベルト211とを離間させ、異常が検出されたラベル部に対応する位置へのトナーの転写を抑制する。
【0079】
S113:2次転写ローラ制御部3044が2次転写ローラ208を中間転写ベルト211から離間させると、メイン制御部300は、定着制御部306により先行している正常なラベル部に転写されたトナー像を定着させ、用紙搬送制御部304により正常なラベル部を装置外へ排出する。
【0080】
S114:S113の動作と並行し、画像形成部305は、中間転写ベルト211の回転を継続して行い、中間転写ベルト211に形成されている残トナー像を廃棄するクリーニング動作を行う。
【0081】
S115:メイン制御部300は、フィーダ部100および印刷部200のすべての動作を停止し、本処理を終了する。
【0082】
このように、本実施例では、用紙搬送制御部304のラベル異常検出部3042が媒体Pのラベル部の異常を検出すると、媒体搬送方向において、異常が検出されたラベル部より先行している正常なラベル部の後端が2次転写ローラ208と中間転写ベルト211との接触部を通過した後、2次転写ローラ208を中間転写ベルト211から離間させて中間転写ベルト211に転写されたトナーが媒体Pの台紙部(異常なラベル部に対応する位置)に転写されることを抑制することができる。
【0083】
したがって、媒体Pの台紙部にトナーが付着することを抑制することができ、媒体搬送方向における2次転写ローラ208の下流に配置された定着ユニット209のローラや排出ローラ210等のローラに未定着のトナーが付着することを抑制することができる。
【0084】
特に、定着ユニット209は媒体Pのラベル部に転写されたトナーを所定の熱と圧力で定着させるように設定されているため、媒体Pの台紙部にトナーが付着している場合、そのトナーが定着ユニット209に付着することにより定着不良を発生させ、良好な印刷品位を得られなくなってしまう。
【0085】
本実施例では、トナーが媒体Pの台紙部に転写されることを抑制するようにしているため、良好な印刷品位を得ることができる。
【0086】
なお、本実施例では、用紙搬送制御部304のラベル異常検出部3042で媒体Pのラベル部の異常を検出して2次転写ローラ208を中間転写ベルト211から離間させるようにしたが、フィーダ制御部303のラベル異常検出部3033で媒体Pのラベル部の異常を検出し、その検出タイミングに基づいて2次転写ローラ208を中間転写ベルト211から離間させるようにしても良い。
【0087】
以上説明したように、第1の実施例では、媒体のラベル部の異常を検出すると、2次転写ローラを中間転写ベルトから離間させて中間転写ベルトに転写されたトナーが媒体の台紙部に転写されることを抑制することができるという効果が得られる。
【0088】
また、媒体のラベル部の異常を検出した際、動作をすべて停止させることなく、正常なラベル部を無駄にすることなく印刷を行うことができるという効果が得られる。
【0089】
さらに、媒体搬送方向における2次転写ローラの下流に配置された定着ユニットやローラに未定着のトナーが付着することを抑制することができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0090】
図7は第2の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
【0091】
なお、画像形成装置1の構成は
図1に示す構成と同様であるが、本実施例では、2次転写ローラ208は常時中間転写ベルト211と接触し、
図3に示す2次転写ローラ208が中間転写ベルト211から離間する機構は備えていない。また、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0092】
図7において、画像形成装置1は、メイン制御部300と、データ受信部301と、UART−I/F部302と、フィーダ制御部303と、用紙搬送制御部304と、画像形成部305と、定着制御部306とを有している。
【0093】
用紙搬送制御部304は、
図1に示す印刷部200における媒体の搬送を制御するものであり、本実施例では、ライトセンサ制御部3041と、ラベル異常検出部3042と、正常ラベル検出部3045とを有している。
【0094】
正常媒体検出手段としての正常ラベル検出部3045は、ライトセンサ制御部3041の制御により
図1に示すライトセンサ207で検出した媒体のラベル部が正常であることを検出するものである。正常ラベル検出部3045は、ライトセンサ制御部3041で検出したラベル部のラベル長に基づきラベル部が正常であることを検出する。
【0095】
画像形成部305は、逆バイアス印加タイミング生成部3051と、正常バイアス印加タイミング生成部3052と、高圧制御部3053とを有している。
逆電圧印加時機生成部としての逆バイアス印加タイミング生成部3051は、用紙搬送制御部304のラベル異常検出部3042で媒体のラベル部の異常が検出された場合、2次転写ローラ208に転写電圧とは逆極性である負極性の電圧(以下、「逆バイアス」という。)を印加するタイミングを生成するものである。
【0096】
逆バイアス印加タイミング生成部3051は、ラベル異常検出部3042が
図1に示すライトセンサ207によりラベル部の異常を検出してから異常が検出されたラベル部より先行するすべての正常なラベル部の後端が2次転写ローラ208に到達するまでの時間を、逆バイアスを印加するタイミングとして生成する。
【0097】
正常電圧印加時機生成部としての正常バイアス印加タイミング生成部3052は、用紙搬送制御部304の正常ラベル検出部3045で媒体の正常ラベル部が検出された場合、2次転写ローラ208に正極性の転写電圧(以下、「正常バイアス」という。)を印加するタイミングを生成するものである。
【0098】
正常バイアス印加タイミング生成部3052は、正常ラベル検出部3045が
図1に示すライトセンサ207により正常なラベル部を検出してから当該正常なラベル部の先端が2次転写ローラ208に到達するまでの時間を、正常バイアスを印加するタイミングとして生成する。
【0099】
転写制御部としての高圧制御部3053は、
図1に示す2次転写ローラ208による中間転写ベルト211のトナーの媒体のラベル部への転写を制御するものである。
【0100】
高圧制御部3053は、逆バイアス印加タイミング生成部3051が生成した逆バイアスの印加タイミングに基づいて2次転写ローラ208に逆バイアスを印加し、また正常バイアス印加タイミング生成部3052が生成した正常バイアスの印加タイミングに基づいて2次転写ローラ208に正常バイアスを印加して中間転写ベルト211のトナーの媒体のラベル部への転写を制御する。
【0101】
高圧制御部3053が2次転写ローラ208に第1の転写電圧としての正常バイアスを印加することにより、中間転写ベルト211の負帯電トナーを媒体のラベル部へ転写させ、また高圧制御部3053が2次転写ローラ208に第2の転写電圧としての逆バイアスを印加することにより、中間転写ベルト211のトナーの媒体のラベル部への転写を抑制する。
【0102】
なお、中間転写ベルト211のトナーは負極性に帯電されており、2次転写ローラ208に正極性の正常バイアスを印加することにより、中間転写ベルト211のトナーを媒体のラベル部へ転写することができ、一方2次転写ローラ208に負極性の逆バイアスを印加することにより、中間転写ベルト211のトナーを媒体のラベル部への転写を抑制することができる。
【0103】
このように構成された画像形成装置1の高圧制御部3053は、ラベル異常検出部3042が媒体のラベル部の異常を検出した場合、異常が検出されたラベル部に対応する位置へのトナーの転写を抑制する。
【0104】
上述した構成の作用について説明する。
【0105】
画像形成装置が行う印刷制御処理を
図8の第2の実施例における印刷制御処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1および
図7を参照しながら説明する。
【0106】
S201〜S207:
図5に示すS101〜S107と同様の処理なのでその説明を省略する。
【0107】
S208:用紙搬送制御部304のラベル異常検出部3042は、ライトセンサ制御部3041により制御されるライトセンサ207を用いてフィーダ制御部303で検出された異常なラベル部を監視し、異常なラベル部を検出すると処理をS209へ移行する。なお、ラベル異常検出部3042が行う異常なラベル部か否かの判定処理はラベル異常検出部3033が行う判定処理と同様である。
【0108】
S209:ラベル異常検出部3042が異常なラベル部を検出すると、画像形成部305の逆バイアス印加タイミング生成部3051は、逆バイアスを2次転写ローラ208に印可する逆バイアス印加タイミングを生成する。このS209は、
図10に示すタイミングチャートのT1の時点である。
【0109】
逆バイアス印加タイミングは、
図9(a)に示すように、ラベル異常検出部3042で異常なラベル部LCを検出してから先行するラベル部LN1の媒体搬送方向における後端が2次転写ローラ208と中間転写ベルト211との接触部を通過するまでの時間D3である。
【0110】
逆バイアス印加タイミングD3(時間)は、ライトセンサ207から2次転写ローラ208と中間転写ベルト211の接触部までの媒体搬送時間をEとすると、D2=E−D1として算出することができる。
【0111】
なお、第1の実施例と同様に、ライトセンサ207から2次転写ローラ208と中間転写ベルト211の接触部までの媒体搬送時間Eは利用者の設定操作により予めメモリ等の記憶手段に設定されているものとする。また、媒体搬送時間Eの情報を印刷データに含ませるようにしても良い。
【0112】
S210:逆バイアス印加タイミング生成部3051が逆バイアス印加タイミングを生成すると、高圧制御部3053は、ラベル異常検出部3042で異常なラベル部を検出してから逆バイアス印加タイミングを経過するか否かを監視し、逆バイアス印加タイミングが到来したと判定すると処理をS211へ移行する。
【0113】
ここで、逆バイアス印加タイミングが経過する前(時間D3が経過する前の残り時間D3´の時点)に、
図9(b)に示すように、媒体搬送方向において、後続するラベル部LN2の先端部を検出した場合(
図10に示すタイミングチャートのT2の時点)、正常バイアスに戻すまでの時間D4(
図10に示すT2からT4までの時間D4)は、媒体搬送時間Eと等しくなる。
【0114】
なお、逆バイアス印加タイミングが経過する前に、後続するラベル部の先端部を検出するか否かは、媒体搬送方向におけるラベル部の長さやラベル間隔、媒体搬送速度、およびライトセンサ207から2次転写ローラ208と中間転写ベルト211の接触部までの距離に依存する。
【0115】
S211:高圧制御部3053は、逆バイアス印加タイミングが到来したと判定、即ち
図9(c)に示すように、媒体搬送方向において、先行するラベル部LN1の後端が2次転写ローラ208と中間転写ベルト211の接触部まで到達したと判定すると、2次転写ローラ208に逆バイアスを印加する。このS211は、
図10に示すタイミングチャートのT3の時点である。
【0116】
このように、高圧制御部3053は、逆バイアス印加タイミング生成部3051が生成した時間(逆バイアス印加タイミング)が経過した後、2次転写ローラ208に逆バイアスを印加する。
【0117】
このようして高圧制御部3053は、異常が検出されたラベル部に対応する位置へのトナーの転写を抑制する。
【0118】
S212:用紙搬送制御部304の正常ラベル検出部3045は、ライトセンサ制御部3041により制御されるライトセンサ207を用いてラベル部を監視し、異常でない正常なラベル部を検出すると処理をS213へ移行し、正常なラベル部を検出していない場合は処理をS216へ移行する。
【0119】
S213:正常ラベル検出部3045が正常なラベル部を検出すると、画像形成部305の正常バイアス印加タイミング生成部3052は、正常バイアスを2次転写ローラ208に印可する正常バイアス印加タイミングを生成する。
【0120】
例えば、正常バイアス印加タイミングは、ラベル部の媒体搬送方向における先端がライトセンサ207を通過してから2次転写ローラ208と中間転写ベルト211との接触部に到達するまでの時間である。
【0121】
なお、S213の処理は、逆バイアス印加タイミングが経過後に、媒体搬送方向において、後続するラベル部の先端部を検出した場合の処理である。正常バイアスに戻すまでの時間は、ライトセンサ207から2次転写ローラ208と中間転写ベルト211の接触部までの媒体搬送時間Eと等しくなる。
【0122】
S214:正常バイアス印加タイミング生成部3052が正常バイアス印加タイミングを生成すると、高圧制御部3053は、正常ラベル検出部3045が正常なラベル部を検出してから正常バイアス印加タイミングを経過するか否かを監視し、正常バイアス印加タイミングが到来したと判定すると処理をS215へ移行する。
【0123】
S215:正常バイアス印加タイミングが到来したと判定、即ち
図9(d)に示すように、媒体搬送方向において、後続するラベル部LN2の先端が2次転写ローラ208と中間転写ベルト211の接触部まで到達したと判定すると、高圧制御部3053は、2次転写ローラ208に正常バイアスを印加し、処理をS207へ移行する。このS215は、
図10に示すタイミングチャートのT4の時点である。
【0124】
このように、高圧制御部3053は、正常バイアス印加タイミング生成部3052が生成した時間(正常バイアス印加タイミング)が経過した後、2次転写ローラ208に正常バイアスを印加して印刷を継続する。
【0125】
S216:S212において、正常なラベル部が検出されなかった場合、メイン制御部300は、定着制御部306により先行している正常なラベル部に転写されたトナー像を定着させ、用紙搬送制御部304により正常なラベル部を装置外へ排出したか否かを判定し、排出したと判定すると処理をS217へ移行し、排出していないと判定すると処理をS212へ戻し、正常なラベル部の検出の監視を継続する。
【0126】
S217、S218:
図5に示すS114、S115と同様の処理なのでその説明を省略する。
【0127】
このように、本実施例では、用紙搬送制御部304のラベル異常検出部3042が媒体Pのラベル部の異常を検出すると、媒体搬送方向において、異常が検出されたラベル部より先行している正常なラベル部の後端が2次転写ローラ208と中間転写ベルト211との接触部を通過した後、2次転写ローラ208に印加する転写電圧を逆極性にすることにより、中間転写ベルト211に転写されたトナーが媒体Pの台紙部(異常なラベル部に対応する位置)に転写されることを抑制することができる。
【0128】
したがって、媒体Pの台紙部にトナーが付着することを抑制することができ、媒体搬送方向における2次転写ローラ208の下流に配置された定着ユニット209のローラや排出ローラ210等のローラに未定着のトナーが付着することを抑制することができる。
また、第1の実施例と同様に、トナーが媒体Pの台紙部に転写されることを抑制するようにしているため、良好な印刷品位を得ることができる。
さらに、本実施例では、異常なラベル部を検出した後、正常なラベル部を検出した場合、印刷動作を中断することなく継続するようにしたことにより、利用者の介入を必要とすることなく印刷を継続して行うことができる。
【0129】
なお、本実施例では、用紙搬送制御部304のラベル異常検出部3042で媒体Pのラベル部の異常を検出して2次転写ローラ208に印加する転写電圧を逆極性にするようにしたが、フィーダ制御部303のラベル異常検出部3033で媒体Pのラベル部の異常を検出し、その検出タイミングに基づいて2次転写ローラ208に印加する転写電圧を逆極性にするようにしても良い。
【0130】
以上説明したように、第2の実施例では、媒体のラベル部の異常を検出すると、2次転写ローラに印加する転写電圧を逆極性にすることにより、中間転写ベルトに転写されたトナーが媒体の台紙部に転写されることを抑制することができるという効果が得られる。
また、媒体のラベル部の異常を検出した際、動作をすべて停止させることなく、正常なラベル部を無駄にすることなく印刷を行うことができるという効果が得られる。
さらに、媒体搬送方向における2次転写ローラの下流に配置された定着ユニットやローラに未定着のトナーが付着することを抑制することができるという効果が得られる。
また、媒体のラベル部の異常を検出した場合であっても、利用者の介入を必要とすることなく印刷を継続して行うことができるという効果が得られる。
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置をカラープリンタとして説明したが、それに限られるものでなく、モノクロプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機(MFP)等としても良い。