(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回転子(12)と同軸に設けられるコンミュテータ(13)の外周に配置され、複数の正極側及び負極側のブラシ(20)を周方向に交互に並べた状態で保持する直流モータ(10)のブラシ保持構造(30)であって、
前記回転子の軸方向に前記ブラシを挟み込む状態で対向配置される正極側プレート(40)及び負極側プレート(50)を備え、
周方向に並ぶ正極側及び負極側の前記各ブラシの間において、前記正極側のブラシから延びるピグテール(22)が前記正極側プレートに接続されるとともに、前記負極側のブラシから延びるピグテール(22)が前記負極側プレートに接続されており、
前記正極側プレート及び前記負極側プレートの少なくともいずれかにおいて、前記各ブラシの間となる側に折り曲げられ、かつ同じ極性の前記ピグテールに周方向に並ぶように設けられ、当該ピグテールが逆極性の前記ブラシと接触するのを抑制する接触抑制部(45,51)を備えるブラシ保持構造。
前記接触抑制部は、前記開口部の正面視において前記軸方向の開口寸法及び前記軸方向に直交する方向の開口寸法が前記ピグテールの太さよりも狭くなるようにして、前記開口部に重複させて設けられている請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のブラシ保持構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、ブラシから周方向にピグテールが引き出されているため、小型化を図るべくブラシ間の周方向の離間距離を小さくした場合に、ピグテールが、隣のブラシ、すなわち逆極性のブラシに接触することが懸念される。
【0005】
また、アイドリングストップに使用される長寿命が必要なスタータでは、各ブラシに流れる電流量を抑制して、ブラシの摩耗を抑制するために、正極側ブラシ及び負極側ブラシの組数を増やすことが考えられている。この場合には、周方向におけるブラシ同士の離間距離が小さくなり、ピグテールが、隣のブラシ、すなわち逆極性のブラシに接触することが懸念される。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、正極側と負極側の短絡を好適に抑制できるブラシの保持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の手段は、回転子(12)と同軸に設けられるコンミュテータ(13)の外周に配置され、複数の正極側及び負極側のブラシ(20)を周方向に交互に並べた状態で保持する直流モータ(10)のブラシ保持構造(30)であって、前記回転子の軸方向に前記ブラシを挟み込む状態で対向配置される正極側プレート(40)及び負極側プレート(50)を備え、周方向に並ぶ正極側及び負極側の前記各ブラシの間において、前記正極側のブラシから延びるピグテール(22)が前記正極側プレートに接続されるとともに、前記負極側のブラシから延びるピグテール(22)が前記負極側プレートに接続されており、前記正極側プレート及び前記負極側プレートの少なくともいずれかにおいて、前記各ブラシの間となる側に折り曲げられ、かつ同じ極性の前記ピグテールに周方向に並ぶように設けられ、当該ピグテールが逆極性の前記ブラシと接触するのを抑制する接触抑制部(45,51)を備える。
【0008】
正極側のブラシと負極側のブラシとが周方向に交互に並んでおり、それぞれのブラシのピグテールが正極側プレートと、負極側プレートとに接続されている。そして、正極側プレートと負極側プレートとがブラシを軸方向に挟み込むようにして、対向する位置に配置されている。そして、正極側プレート及び負極側プレートのうち少なくともいずれかにおいて、その一部を各ブラシの間となる側に折り曲げられ、かつ同じ極性のピグテールに周方向に並ぶように設けられている接触抑制部を備えている。このようにピグテールと同じ極性の接触抑制部を備えることで、ブラシ同士の周方向の離間距離が小さくなっても、逆極性のピグテールがブラシに触れることを抑制することができる。
【0009】
第2の手段は、前記正極側プレート及び前記負極側プレートの間において前記ブラシごとに設けられ、当該、前記各ブラシを収容する絶縁性の収容部(60)を複数備え、前記収容部には、周方向における両側面部に、前記ピグテールを引き出し可能とする開口部(63)が設けられており、前記両側面部における前記開口部のうち前記ピグテールが引き出されていない方の前記開口部の外側に、当該開口部の少なくとも一部を覆うようにして前記接触抑制部が設けられている。
【0010】
ピグテールとブラシとの接触を防ぐために、絶縁性の収容部にブラシが収容されている。そして、収容部を左回転と右回転のモータに共用可能なように、収容部の周方向の両側面部にピグテールを引き出し可能とする開口部が設けられている。このように両側面部に開口部が設けられている場合には、逆極性のピグテールが開口部内に侵入してブラシと接触するおそれがある。
【0011】
また、接触抑制部は、正極側プレート又は負極側プレートの一部を曲げ加工して設けられており、どちらかの極性を有している。そして、ブラシを収容する収容部の開口部のうちピグテールが引き出されていない方の開口部の外側に、接触抑制部が開口部の少なくとも一部を覆うようにして設けられている。ピグテールと周方向に並ぶ接触抑制部は同じ極性を有しているため、接触抑制部とピグテールとの接触による短絡のおそれもない。
【0012】
例えば、正極性のブラシを収容する収容部に隣接するのは負極性のブラシになる。そして、負極性のブラシから引き出されたピグテールが正極性のブラシに接触するのを抑制するために、負極側プレートを折り曲げた接触抑制部が、正極性のブラシを収容する収容部の開口部のうちピグテールが引き出されていない方の開口部の外側に設けられ、接触抑制部が開口部の少なくとも一部を覆っている。このようにして、開口部の少なくとも一部を接触抑制部が覆うことで、逆極性のピグテールが開口部に侵入しブラシに触れることを抑制することができる。
【0013】
第3の手段は、前記正極側プレート及び前記負極側プレートの間において前記ブラシごとに設けられ、当該ブラシを収容する絶縁性の収容部(60)を備え、前記収容部には、周方向における両側面部に、前記ピグテールを引き出し可能とする開口部(63)が設けられており、前記正極側プレート及び前記負極側プレートの少なくとも一方には、前記収容部の周方向両側に起立して当該収容部を挟む一対の起立部(151,153)が設けられ、前記一対の起立部のうち一方の起立部(151)が前記接触抑制部となっている。
【0014】
一対の起立部で挟み込むことで、収容部の周方向への移動を規制することができる。また、起立部の一方が、接触抑制部となっていることで、逆極性のブラシに開口を介してピグテールが接触することを抑制できる。
【0015】
第4の手段は、前記一対の起立部は、挟み込まれた前記収容部に収容されている前記ブラシと逆極性であり、前記一対の起立部のうち前記接触抑制部である一方の起立部が、前記開口部の一部を塞ぐ大きさを有し、他方の起立部(153)が、前記開口部を塞がない大きさを有する。
【0016】
一対の起立部は、挟み込まれた収容部に収容されているブラシとは逆極性になっており、接触抑制部である一方の起立部は、隣接するブラシから引き出されるピグテールとは同極性になっている。そして、接触抑制部が開口部の少なくとも一部を塞ぐことで、逆極性のピグテールが開口部に侵入しブラシに触れることを抑制できる一方、ピグテールと接触抑制部が接触しても短絡するおそれがない。また、他方の起立部は、開口部を塞がないようになっていることで、挟み込まれた収容部から引き出されたピグテールと接触するおそれがない。
【0017】
第5の手段は、前記接触抑制部は、前記開口部の正面視において前記軸方向の開口寸法及び前記軸方向に直交する方向の開口寸法が前記ピグテールの太さよりも狭くなるようにして、前記開口部に重複させて設けられている。
【0018】
ピグテールの太さよりも開口部の開口寸法が狭くなるようにして接触抑制部が開口部に重複されて設けられていることで、逆属性のピグテールが開口部に侵入しブラシに触れることをより確実に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
以下、エンジン始動用のスタータに用いる直流モータとして具体化した構成について図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
【0021】
スタータは、直流モータ10に駆動されたピニオンが、エンジンのリングギアに噛み合うことで、エンジンを駆動する。なお、スタータの構造については、周知のため、その説明を省略する。
【0022】
図1は、直流モータ10のブラシアセンブリ30側の断面図であって、直流モータ10のピニオン等に接続される側とは軸方向における反対側の断面図である。直流モータ10は、フィールドコイル11と、フィールドコイル11の内周に空間を有して回転自在に配置される回転子12と、回転子12と同軸に設けられるコンミュテータ13と、コンミュテータ13の外周に配置されるブラシ20とを備えている。ブラシ20は、ブラシアセンブリ30において保持されている。なお、ブラシアセンブリ30が「ブラシ保持構造」に相当する。
【0023】
図2〜
図6を用いて、ブラシアセンブリ30の構造について説明する。
図2は、ブラシアセンブリ30の斜視図であって、回転子12側から見た斜視図である。
図3は、ブラシ20の平面図である。
図4は、ブラシアセンブリ30の周方向の展開図であって、ブラシアセンブリ30を外周側から見た図である。
図5は、
図4におけるV−V位置での断面図であって、
図6は、
図4におけるVI−VI位置での断面図である。
【0024】
図2に示すように、ブラシアセンブリ30は、それぞれ3つずつの正極側及び負極側のブラシ20を周方向に交互に並べて状態で保持している。なお、以下において、ブラシ20の正極側と負極側とを区別する際には、正極側ブラシ20A及び負極側ブラシ20Bと記載する。ブラシアセンブリ30は、回転子12の軸方向にブラシ20を挟み込む状態で対向配置される正極側プレート40及び負極側プレート50と、正極側プレート40及び負極側プレート50の間に設けられ、各ブラシ20を収容する絶縁性の収容部60とを備えている。なお、ブラシ20の数は、正極側及び負極側が複数ずつあればよく、例えば、正極側及び負極側がそれぞれ2つずつの合計4つであってもよい。
【0025】
図3に示すように、ブラシ20は、コンミュテータ13の周面と接触するブラシ本体部21と、ブラシ本体部21から延びるピグテール22とを有している。ブラシ本体部21は、角柱状となっており、回転子12との接触面21Aと、接触面21Aと直交し、ブラシアセンブリ30の周方向の面になる側面21Bとを有している。ブラシ本体部21の側面21Bからは、ピグテール22が延びている。ピグテール22は、導電性の接続部材であって、可撓性を有しており、その先端部に正極側プレート40又は負極側プレート50に接続される接続部23を有している。
【0026】
図2及び
図5に示すように、収容部60は、回転子12の軸方向と直交する方向である径方向の内側に開口した箱型であって、径方向内側にブラシ20を収容し、径方向外側にブラシスプリング61を収容する。ブラシスプリング61は、ブラシ20を回転子12に押圧している。また、収容部60の正極側プレート40と当接する側の面には、正極側プレート40に嵌合する嵌合凸部62が設けられている。
【0027】
収容部60には、その周方向における両側面部に、ピグテール22を引き出し可能とする開口部63が設けられている。両側面部に開口部63が設けられていることで、収容部60を左回転と右回転のモータに共用可能となっている。また、開口部63は、収容部60において、ブラシ20が収容されている奥端(径方向外側)の位置から径方向内側に延びるように設けられており、ピグテール22が引き出された状態のままで、ブラシ20の径方向移動が可能となっている。また、開口部63の回転子12の軸方向の寸法L1は、ピグテール22の太さR(
図3参照)の1.5倍から2倍程度になっており、ピグテール22が引き出された状態のままで、ブラシ20が径方向に移動する妨げにならないようになっている。なお、ピグテール22の太さRとは、ピグテール22を真っ直ぐにした状態でのピグテール22の最大外形寸法である。
【0028】
図2に示すように、正極側プレート40及び負極側プレート50は、所定の板厚の導電性の金属製プレートであって、径方向の中央部に回転子12を挿通可能な丸孔が設けられた円環状となっている。正極側プレート40及び負極側プレート50は、回転子12の軸方向と直交する方向に、互いに平行に配置されている。各プレート40,50には、各極のブラシ20のピグテール22が溶接等によって、電気的に接続されているとともに、機械的に固定されている。正極側プレート40は、引き出し部材41を介して、スタータの電磁スイッチと電気的に接続されている。一方、
図1に示すように、負極側プレート50は、エンドフレーム14にネジなどで固定されて、エンドフレーム14と電気的に接続されて、接地されている。
【0029】
図2に示すように、正極側プレート40には、収容部60の嵌合凸部62を組み付けるための嵌合溝42が周方向に均等間隔に6つ設けられている。嵌合溝42は、正極側プレート40の径方向内側に開口して外周方向にスリット状に延びて形成されている。正極側プレート40の嵌合溝42が設けられているプレート部43の間は、プレート部43より径方向に狭い繋ぎ部44となっている。プレート部43は、径方向外側において、収容部60径方向外側の位置まで至っている。プレート部43は、径方向内側において、後記する接触抑制部45の寸法分、収容部60より外側に位置しており、繋ぎ部44の内側位置と同じ位置になっている。そして、プレート部43の嵌合溝42が収容部60の嵌合凸部62に組み付けられることで、収容部60が周方向に移動することを抑制している。また、負極側プレート50は、収容部60の径方向の寸法とほぼ同じ径寸法で等幅の円環状となっており、正極側プレート40と負極側プレート50とで収容部60を軸方向に挟み込んでいる。
【0030】
図2及び
図4から
図6に示すように、正極側プレート40及び負極側プレート50には、接触抑制部45,51が設けられている。接触抑制部45,51は、正極側プレート40及び負極側プレート50のそれぞれから各ブラシ20(収容部60)の間となる側に折り曲げられた状態で設けられている。接触抑制部45,51は、両側面部における開口部63のうちピグテール22が引き出されていない方の開口部63の外側に設けられ、開口部63の少なくとも一部を覆っている。開口部63の外側に設けられた接触抑制部45,51は、開口部63が設けられた収容部60に収容されているブラシ20と逆極性になっている。つまり、隣接するブラシ20から引き出されたピグテール22と、周方向に並ぶ接触抑制部45,51とは、同じ極性になっている。そして、接触抑制部45,51が設けられていることで、収容部60の開口部63を介してブラシ20が逆極性のピグテール22と接触することを抑制する。
【0031】
なお、接触抑制部45,51によって開口部63を覆うとは、開口部63の正面視(収容部60を周方向側面から見た状態)において、開口部63の開口面積を縮小するように開口部63に重複するように接触抑制部45,51を設けることを指している。つまり、接触抑制部45,51で開口部63を覆っている状態とは、接触抑制部45,51が開口部63を塞ぐ状態だけではなく、開口部63と開口部63を覆う接触抑制部45,51との間が離間している状態を含んでいる。
【0032】
正極側プレート40に設けられた正極側の接触抑制部45は、負極側ブラシ20Bを収容する収容部60の開口部63の径方向内側を覆っている。具体的には、接触抑制部45は、負極側ブラシ20Bを収容する収容部60の周方向側方であってピグテール22が引き出されている方向とは反対側に設けられている。接触抑制部45は、収容部60と接するプレート部43の一部が径方向内側に延びている延出部46を折り曲げることで形成されている。なお、接触抑制部45と収容部60との間には、板厚1枚分程度の隙間が設けられており、この隙間は、ピグテール22の太さRよりも小さい方が望ましい。このように、負極側ブラシ20Bを収容する収容部60の開口部63の一部を正極側の接触抑制部45が覆うことで、隣接する正極側ブラシ20Aから延びるピグテール22が接触抑制部45に接触しても同じ極性になることになる。
【0033】
また、接触抑制部45は、ピグテール22の太さRよりも開口部63の開口寸法L2,L3が狭くなるように覆っている。ここで、開口寸法L2とは、開口部63を接触抑制部45によって覆った状態における開口部63の孔縁と接触抑制部45との間の軸方向の寸法を示しており、開口部63の軸方向の寸法L1よりも小さくなっている。また、開口寸法L3とは、開口部63を接触抑制部45によって覆った状態における開口部63の孔縁と接触抑制部45との間の径方向の寸法(軸方向と直交する方向の寸法)を示している。接触抑制部45が、ピグテール22の太さRよりも開口部63の開口寸法L2,L3が狭くなるように覆うことで、ピグテール22が開口部63内に侵入することを抑制できる。なお、接触抑制部45は、径方向内側の位置に設けられている方が、収容部60から突出しているブラシ20への接触も防止しやすくなり好ましいが、径方向の中央位置等他の位置に設けられていてもよい。
【0034】
負極側プレート50に設けられた負極側の接触抑制部51は、正極側ブラシ20Aを収容する収容部60の開口部63を覆っている。具体的には、接触抑制部51は、正極側ブラシ20Aを収容する収容部60の周方向側方であってピグテール22が引き出されている方向とは反対側に設けられている。接触抑制部51は、収容部60を支持する負極側プレート50の切り起こし孔52の部分を切り起こすことで形成されている。なお、接触抑制部51と収容部60との間には、板厚1枚分程度の隙間が設けられており、この隙間は、ピグテール22の太さRよりも小さい方が望ましい。このように、正極側ブラシ20Aを収容する収容部60の開口部63の一部を負極側の接触抑制部51が覆うことで、隣接する負極側ブラシ20Bから延びるピグテール22が接触抑制部51に接触しても同じ極性になることになる。
【0035】
また、接触抑制部51は、ピグテール22の太さRよりも開口部63の開口寸法L2が狭くなるように覆っている。また、接触抑制部51は、開口部63の径方向の寸法の全長を覆っている。接触抑制部45が、ピグテール22の太さRよりも開口部63の開口寸法L2が狭くなるように径方向の寸法の全長を覆うことで、ピグテール22が開口部63内に侵入することを抑制できる。
【0036】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用及び効果が得られる。
【0037】
正極側ブラシ20Aと負極側ブラシ20Bとが周方向に交互に並んでおり、それぞれのブラシ20A,20Bのピグテール22が正極側プレート40と、負極側プレート50とに接続されている。そして、正極側プレート40と負極側プレート50とがブラシ20を軸方向に挟み込むようにして、対向する位置に配置されている。そして、正極側プレート40及び負極側プレート50のうち少なくともいずれかにおいて、その一部を各ブラシ20の間となる側に折り曲げられ、かつ同じ極性のピグテール22に周方向に並ぶように設けられている接触抑制部45,51を備えている。このように接触抑制部45,51を設けることで、ブラシ20同士の周方向の離間距離が小さくなっても、逆極性のピグテール22がブラシ20に触れることを抑制することができる。
【0038】
ピグテール22とブラシ20との接触を防ぐために、絶縁性の収容部60によってブラシ20が収容されている。そして、収容部60を左回転と右回転のモータに共用可能なように、収容部60の周方向の両側面部にピグテール22を引き出し可能とする開口部63が設けられている。このように両側面部に開口部63が設けられて場合には、逆極性のピグテール22が開口部63内に侵入してブラシ20と接触するおそれがある。
【0039】
また、接触抑制部45,51は、正極側プレート40又は負極側プレート50の一部を曲げ加工して設けられており、どちらかの極性を有している。そして、ブラシ20を収容する収容部60の開口部63のうちピグテール22が引き出されていない方の開口部63の外側に、接触抑制部45,51が開口部63の少なくとも一部を覆うようにして設けられている。ピグテール22と周方向に並ぶ接触抑制部45,51は同じ極性を有しているため、接触抑制部45,51とピグテール22との接触による短絡のおそれもない。
【0040】
例えば、正極側ブラシ20Aを収容する収容部60に隣接するのは負極側ブラシ20Bになる。そして、負極側ブラシ20Bから引き出されたピグテール22が正極側ブラシ20Aに接触するのを抑制するために、負極側プレート50を折り曲げた接触抑制部51が、正極側ブラシ20Aを収容する収容部60の開口部63のうちピグテール22が引き出されていない方の開口部63の外側にもうけられ、接触抑制部51が開口部63の少なくとも一部を覆っている。このようにして、開口部63の少なくとも一部を接触抑制部45,51が覆うことで、逆極性のピグテール22が開口部63に侵入しブラシ20に触れることを抑制することができ、また接触抑制部45,51とピグテール22とが同じ極性となることで、短絡を抑制できる。
【0041】
ピグテール22の太さRよりも開口部63の開口寸法L2,L3が狭くなるようにして接触抑制部45,51が開口部63に重複されて設けられていることで、逆属性のピグテール22が開口部63に侵入しブラシ20に触れることをより確実に抑制することができる。
【0042】
<第2実施形態>
第2実施形態においては、収容部の周方向両側に起立して当該収容部を挟む一対の起立部が設けられ、一対の起立部の内一方の起立部が接触抑制部となっている。以下、
図7及び
図8を参照して、詳しく説明する。
図7は、第2実施形態のブラシアセンブリ30の周方向の展開図であって、ブラシアセンブリ30を外周側から見た図である。
図8は、負極側プレート50の平面図であって、切り起こされる前の状態での接触抑制部151及び規制部153が二点鎖線で示されている。
【0043】
正極側プレート40に設けられた正極側の接触抑制部145は、ピグテール22の太さRよりも開口部63の開口寸法L2,L3が狭くなるように、負極側ブラシ20Bを収容する収容部60の開口部63の径方向内側を覆っている。接触抑制部145は、延出部46を折り曲げることで形成されており、負極側ブラシ20Bを収容する収容部60の周方向側面であって、ピグテール22が引き出されている方向とは反対側の側面に接触している。延出部46と接触抑制部145とが収容部60の角に被さるように接触しており、嵌合凸部62が正極側プレート40と接触する距離も増えることから、第1実施形態に比べて、収容部60の周方向の移動をさらに規制できる。また、接触抑制部145が収容部60と接触した状態で、開口部63の開口寸法L2,L3が狭くなるように覆っていることから、ピグテール22がさらに開口部63内に侵入することを抑制できる。
【0044】
負極側プレート50には、正極側ブラシ20Aを収容する収容部60の周方向両側に起立して収容部60を挟む一対の起立部が設けられている。一方の起立部である負極側プレート50に設けられた負極側の接触抑制部151は、ピグテール22の太さRよりも開口部63の開口寸法L2が狭くなるように、正極側ブラシ20Aを収容する収容部60の開口部63を覆っている。また、他方の起立部である規制部153は、接触抑制部151と共に収容部60を挟み込むように設けられている。規制部153の立ち上がり寸法は、接触抑制部151の立ち上がり寸法よりも小さく、開口部63の孔縁に至らない寸法となっている。つまり、規制部153は、開口部63を塞がない大きさとなっている。
【0045】
接触抑制部151と規制部153は、負極側プレート50を切り起こすことで、形成されている。接触抑制部151と規制部153とが切り起こされた状態では、切り起こし孔152が形成されている。接触抑制部151の立ち上がり寸法(軸方向の寸法)と規制部153の立ち上がり寸法(軸方向の寸法)とを合わせた寸法が、収容部60の周方向の寸法よりも小さくなっている。また、切り起こし孔152は、収容部60と接する面(収容部60に覆われる位置)に設けられており、負極側プレート50の径方向の中心位置よりやや内側に設けられている。そのため、切り起こし孔152の径方向の内側と外側の両側で負極側プレート50は収容部60を支持している。
【0046】
また、切り起こし孔152によって形成された接触抑制部151の径方向の寸法は、開口部63の径方向の寸法よりも短く、開口部63の径方向の内側に接触抑制部151によって覆われない部分が設けられている。接触抑制部151によって覆われていない部分は、ピグテール22の太さRよりも狭い開口幅(径方向の寸法)しか有していないことから、ピグテール22が開口部63内に侵入することを抑制できる。また、接触抑制部151と規制部153とが互いに周方向に離間して対向するように立ち上がっており、その間に収容部60を挟み込むことで、収容部60が周方向に移動するのを規制することができる。
【0047】
負極側ブラシ20Bを収容する収容部60は、延出部46と接触抑制部145とによってその正極側プレート40と接する角に被さるように接触しており、嵌合凸部62が正極側プレート40と接触する距離も増えていることから、収容部60の周方向への移動を規制できる。一方、正極側ブラシ20Aを収容する収容部60は、接触抑制部151と規制部153とに挟み込まれるようにして、周方向への移動が規制できる。また、いずれの規制手段も、軸方向に延びているものであるから、予め各プレート40,50に各ピグテール22を溶接しておくことができる。そのため、正極側プレート40と収容部60と負極側プレート50との組み付けを簡易に行うことができる。
【0048】
<他の実施形態>
本発明は、上記実施形態に限定されず、例えば以下のように実施してもよい。ちなみに、以下の別例の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、また、任意に組み合わせて適用してもよい。
【0049】
・接触抑制部45,51は、正極側プレート40と負極側プレート50とのいずれか一方のみに設けられていてもよい。
【0050】
・接触抑制部45,51の大きさ及び形は、任意でよい。要は、少なくとも一部を覆っている状態であればよい。
【0051】
・上記実施形態では、正極側の接触抑制部45,145は負極側の接触抑制部51,151よりも幅狭であったが、同じ幅であってもよいし、正極側の接触抑制部45,145が負極側の接触抑制部51,151よりも幅広であってもよい。
【0052】
・上記第1実施形態では、接触抑制部45,51を、収容部60から離間していたが、実施形態2と同様に、収容部60に接触していてもよい。
【0053】
・ブラシ20は、箱型の収容部に収容されず、露出していてもよい。
【0054】
・ピグテール22を引き出した開口部63の側方において、そのピグテール22と同じ極性のプレートから折り曲げられた接触抑制部45,51に対してピグテール22の先端部が溶接されていてもよい。この場合、接触抑制部45,51において、当該ピグテール22の側となる側面に、ピグテール22が溶接されているとよい。