(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
毛髪は日々ダメージを受けており、指通りや艶が悪くなる。そのため、ヘアコンディショナーやヘアトリートメント等の毛髪化粧料を使用することによって、良好な指通りや艶・しっとり感の付与といったコンディショニング効果を発揮し、健やかな髪を保たせようとしている。通常、毛髪化粧料には毛髪表面を滑らかにするカチオン性界面活性剤の他に炭化水素油やシリコーン等の油性成分が適宜配合されており、柔軟効果を付与することができる。
【0003】
しかし、従来のヘアコンディショナー等の毛髪化粧料等を使用すると、その柔軟効果等により、髪のボリューム感が低下してしまい、理想的なヘアスタイルにセットできないといった問題があった。そのため、へアコンディショナー等の毛髪化粧料に、髪のボリューム感を増大させる効果が強く求められてきた。
【0004】
そこで、毛髪のボリューム感を増大させる方法として、例えば、特許文献1では、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンと高級アルコール、ジメチコノールを配合した乾燥後の滑りや滑らかさに優れ、ボリューム感を付与することができるヘアリンス組成物が提案されている。しかしながら、この方法では、乾燥後の髪のしっとり感が不十分なだけでなく、塗布時の毛髪へのなじみにおいて満足のいくものではなかった。
【0005】
乾燥後のしっとり感を改善する方法として、例えば、特許文献2では、平均炭素数の異なるイソパラフィンと第4級アンモニウム塩、硬化ヒマシ油脂肪酸エステルを組み合わせた毛髪化粧料が提案されている。しかし、毛髪にしっとり感を与えるものの、塗布時の厚みにおいて十分満足のいくものではなかった。塗布時の厚みを改善する方法として、例えば、特許文献3には、高重合のシリコーン又はシリコーン誘導体と第4級アンモニウム塩、水添ホホバ油を含有する毛髪化粧料が提案されている。しかしながら、この毛髪化粧料は塗布時の厚み感を有し、乾燥後に毛髪にしっとり感を与えるものの、毛髪へのなじみや乾燥後の毛髪のボリューム感が不十分であるという問題があった。
【0006】
これまでは、毛髪にコンディショニング効果を付与する場合、上記特許文献2、3に記載されているように毛髪への塗布感(具体的には塗布時の厚みや毛髪へのなじみの良さ)が重要であると考えられてきた。一方で、近年の消費者からは毛髪に対する実際のコンディショニング効果だけでなく、効果実感が得られることが求められており、毛髪に十分なコンディショニング効果が付与された場合であっても、すすぎ時までの厚みの持続性に乏しいと、すすぎ時間は短縮されるものの、コンディショニング効果が得られていることが実感しにくい。そのため、塗布時の厚みや毛髪へのなじみの良さだけでなく、すすぎ時までの厚みの持続性を両立させることでコンディショニング効果が十分に発揮されると考えられる。しかし、これまでの毛髪化粧料では、これらを満たすものは開発されていなかった。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(毛髪化粧料)
本発明の毛髪化粧料は、(A)カチオン性界面活性剤を0.5〜7質量%、(B)カチオン化グアーガムを0.05〜3質量%、(C)数平均分子量が150〜3000である水添ポリイソブテンを0.5〜10質量%含有し、(A)と(B)の質量比(A)/(B)が0.1〜60であることを特徴とし、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0014】
〔(A)成分〕
本発明の毛髪化粧料に使用される(A)成分は、カチオン性界面活性剤である。例えば、下記の一般式(1):
【0016】
〔式中、R
1は、炭素数16〜24の直鎖のアルキル基を示し、R
2は、炭素数16〜24の直鎖のアルキル基、又はヒドロキシ基により置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示し、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基により置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示し、およびX
−は、陰イオンを示す。〕で表される界面活性剤、あるいは酸の添加により中和して塩の形態で通常使用される、一般式(2):
【0018】
〔式中、R
5は、炭素数12〜22のアルキル基を示し、およびmは、2〜4の整数を示す。〕で表される第3級アミドアミン型界面活性剤が挙げられる。
【0019】
前記R
1およびR
2における炭素数16〜24の直鎖のアルキル基は、炭素数が好ましくは18〜22である。具体的なアルキル基としては、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等が挙げられる。
【0020】
前記R
2〜R
4におけるヒドロキシ基により置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
【0021】
前記R
5における炭素数12〜22のアルキル基の具体例としては、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等が挙げられる。
【0022】
前記X
−としては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;メトスルフェートイオン、エトスルフェートイオン等の炭素数1〜3のアルキル硫酸イオン;メトホスフェートイオン、エトホスフェートイオン等の炭素数1〜3のアルキルリン酸イオン;メトカーボナートイオン等の炭素数1〜3のアルキルカーボナートイオン;アセテートイオン、シトレートイオン、ラクテートイオン、グリコレートイオン等のアシレートイオン;ニトレートイオン;スルフェートイオン等が挙げられる。中でも、塩化物イオン、臭化物イオン、メトスルフェートイオン、エトスルフェートイオン、メトホスフェートイオン、エトホスフェートイオン又はメトカーボナートイオンが好ましく、塩化物イオン又は臭化物イオンがより好ましい。
【0023】
具体的な一般式(1)又は一般式(2)で表される界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、パルミタミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、アラキナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、アラキナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン等が挙げられる。中でも、塗布時の厚みの点において、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0024】
上記の一般式(1)又は一般式(2)で表されるカチオン性界面活性剤は、公知の方法によって製造することができる。また、市販品を使用してもよい。
【0025】
(A)成分は1種類を単独で、または2種類以上を併せて用いることができる。本発明の毛髪化粧料100質量%中の、(A)成分の含有量は、0.5〜7質量%であり、好ましくは1〜5質量%であり、さらに好ましくは1〜4質量%である。0.5質量%未満では、すすぎ時までの厚みの持続性、タオルドライ時の滑らかな指通り、乾燥後のしっとり感が不十分となり、7質量%を超えると毛髪へのなじみが悪くなる恐れがある。
【0026】
〔(B)成分〕
本発明の毛髪化粧料に使用される(B)成分であるカチオン化グアーガムは、グアーガムにカチオン性基を付加させて得られるカチオン性ポリマーである。グアーガムは、豆科植物グアー種子の胚乳部分より得られる天然多糖類であり、マンノース主鎖にガラクトースが側鎖として結合した構造を有する。カチオン化グアーガムの具体例としては、カチオン性基として、2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル基が付加した塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアーガムが挙げられる。カチオン性基の付加の程度によって、カチオン化グアーガムのカチオン化度が異なるが、すすぎ時までの厚みの持続性とタオルドライ時の滑らかな指通りの観点から、窒素含量が1〜3質量%である塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアーガムが好ましく、窒素含量が1.5〜2.5質量%である塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアーガムが特に好ましい。窒素含量が小さいと、すすぎ時までの厚みの持続性に乏しくなる傾向があり、窒素含量が大きいと、タオルドライ時の指通りが悪くなる傾向がある。
【0027】
カチオン化グアーガムの市販品としては、Solvay Specialty Chemicals社の「JAGUAR(登録商標) C-17(窒素含量:1.5〜2.1質量%)」、DSP五協フード&ケミカル株式会社の「ラボールガム(登録商標)CG-M(窒素含量:1.7〜2.3質量%)」、「ラボールガムCG-M6L(窒素含量:1.0〜1.5質量%)」、「ラボールガム(登録商標)CG-8M(窒素含量:2.2〜2.8質量%)」、KCL LIMITED社の「Guarquat(登録商標)NT500KC(窒素含量:1.0〜3.0質量%)」等が挙げられる。(B)成分として、これらカチオン化グアーガムを、1種又は2種以上用いることができる。
【0028】
本発明の毛髪化粧料100質量%中の、(B)成分の含有量は、0.05〜3質量%であり、好ましくは0.1〜2質量%であり、さらに好ましくは0.1〜1.5質量%である。0.05質量%未満では、すすぎ時までの厚みの持続性、乾燥後のボリューム感が不十分となり、3質量%を超えると毛髪へのなじみ、タオルドライ時の指通り、乾燥後のしっとり感が悪くなる恐れがある。
【0029】
〔(A)成分と(B)成分との質量比((A)/(B))〕
本発明において、(A)成分と(B)成分との質量比(A)/(B)は、毛髪へのなじみ、塗布時の厚み、すすぎ時までの厚みの持続性、タオルドライ時の滑らかな指通りの観点から、0.1〜60であることが好ましく、1〜55であることがより好ましい。質量比(A)/(B)が、0.1未満であるとタオルドライ時の指通りが乏しくなり、60を超えると塗布時の厚み、すすぎ時までの厚みの持続性が悪くなる。
【0030】
〔(C)成分〕
本発明の毛髪化粧料に使用される(C)成分は数平均分子量が150〜3000である水添ポリイソブテンであり、通常、イソブテンとn−ブテンとの重合体を水素添加して得られる。乾燥後のしっとり感とボリューム感の観点から、数平均分子量が900〜3000である水添ポリイソブテンが好ましく、数平均分子量が1500〜3000である水添ポリイソブテンがより好ましい。また、タオルドライ時の指通りの観点から、数平均分子量が1500〜3000の水添ポリイソブテンを、数平均分子量が150〜300の水添ポリイソブテン等で希釈したものを用いることがより好ましい。
【0031】
水添ポリイソブテンの数平均分子量(又は分子量)が低すぎると、乾燥後のしっとり感が不十分となることがあり、数平均分子量(又は分子量)が高すぎると、塗布時のなじみが悪くなったり、べたつきが発生したりすることがある。
数平均分子量(Mn)は、ゲルろ過クロマトグラフィー(GFC)分析により算出することができる。具体的には、例えば、下記の条件にて分析を実施する。
<測定条件>
カラム:Shodex KF−805L
展開溶媒:THF
流速:1mL/分
注入量:100μL
カラムオーブン温度:40℃
【0032】
水添ポリイソブテンの市販品としては、日油株式会社製「パールリーム3(数平均分子量:217)」「パールリーム4(数平均分子量:272)」「パールリームEX(数平均分子量:354)」「パールリーム24(数平均分子量:1653)」「パールリーム46(数平均分子量:2893)」等が挙げられる。(C)成分として、数平均分子量の異なるこれら水添ポリイソブテンを、1種又は2種以上用いることができる。
【0033】
本発明の毛髪化粧料100質量%中の、(C)成分の含有量は、0.5〜10質量%であり、0.5〜7.5質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがより好ましい。0.5質量%未満では、乾燥後のしっとり感、乾燥後のボリューム感が不十分となり、10質量%を超えると毛髪へのなじみ、タオルドライ時の指通りが悪くなり、さらには、乾燥後に毛髪にべたつきを感じ、乾燥後のボリューム感が低下する恐れがある。
【0034】
〔その他の成分〕
本発明の毛髪化粧料は、必要に応じて添加剤や溶媒を含む。添加剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料、医薬部外品、医薬品に一般的に用いられている各種成分を配合することができる。例えば、ノニオン性界面活性剤、高級アルコール、高級脂肪酸及びこれらのトリグリセライド、エステル油、動植物油脂、ビタミン、金属イオン封鎖剤、増粘剤、色素、顔料、香料等が挙げられる。また、溶媒としては、必要に応じて、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を用いることができる。
【0035】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド類等が挙げられる。中でも、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレンC8−C20脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。
【0036】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール類が挙げられ、中でも炭素数12〜26の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコールが好ましく、セタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベへニルアルコール、トリコシルアルコール、セリルアルコール等の高級アルコールが更に好ましい。ここで、セタノールとは、セチルアルコールを主成分とし、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを含有するものをいう。
【0037】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
【0038】
エステル油としては、例えば、総炭素数8〜40のエステル油、好ましくは総炭素数8〜20の脂肪酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル等が挙げられ、中でも、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルが好ましい。
【0039】
動植物油脂としては、例えば、馬油、ぼたん油、しか脂、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、カカオ脂等が挙げられる。
【0040】
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等が挙げられる。
【0041】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA;エデト酸)及びその塩類、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)及びその塩、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP;エチドロン酸)及びその塩類が挙げられる。
【0042】
増粘剤としては、例えば、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が挙げられる。
【0043】
本発明の毛髪化粧料は、pHが4〜7であることが好ましく、この場合、より高い効果が得られるとともに、経時安定性にも優れたものとすることができる。
【0044】
本発明の毛髪化粧料は、ヘアコンディショナーやヘアトリートメント、ヘアリンス、ヘアパック、ヘアミルク、ヘアクリーム等に用いることができ、それぞれ通常の方法に従って製造することができる。
【実施例】
【0045】
以下に、本発明を実施例、及び比較例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない(実施例1〜8及び比較例1〜4)。
【0046】
〔共通成分〕
表1に記載される共通成分は、下記表2に示す3種の成分からなるものである。
【0047】
(実施例1〜8、比較例1〜4)
毛髪化粧料として、下記の表1に示すヘアコンディショナーを調製し、下記の方法により評価を行った。その結果を表1に示す。但し、クエン酸及びクエン酸ナトリウムによりヘアトリートメントのpHを4.0〜5.0に調整した。なお、下記表記中の%とあるのは、質量%を意味する。
【0048】
(1)毛髪へのなじみ
20名の女性(22才〜40才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた毛髪に各ヘアーコンディショナー5gを塗布し、毛髪に塗布する際のなじみについて下記のように評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」〜「×」の下記4段階評価を行い、30点以上を毛髪へのなじみに優れる毛髪化粧料と判定した。
【0049】
2点:毛髪へのなじみが非常に良好であると感じた場合。
1点:毛髪へのなじみが良好と感じた場合。
0点:毛髪へのなじみがやや悪いと感じた場合。
【0050】
<評点の合計による5段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0051】
(2)塗布時の厚み
20名の女性(22才〜40才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた毛髪に各ヘアーコンディショナー5gを塗布し、毛髪に塗布する際の厚みについて下記のように評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」〜「×」の下記4段階評価を行い、30点以上を塗布時の厚み感に優れる毛髪化粧料と判定した。
【0052】
2点:毛髪に塗布する際の厚みが十分あると感じた場合。
1点:毛髪に塗布する際の厚みがやや不十分であると感じた場合。
0点:毛髪に塗布する際の厚みが不十分であると感じた場合。
【0053】
<評点の合計による5段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0054】
(3)すすぎ時までの厚みの持続性
20名の女性(22才〜40才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた毛髪に各ヘアーコンディショナー5gを塗布し、なじませてから5分後の厚みについて下記のように評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」〜「×」の下記4段階評価を行い、30点以上をすすぎ時までの厚みの持続性に優れる毛髪化粧料と判定した。
【0055】
2点:なじませてから5分後の厚みが十分あると感じた場合。
1点:なじませてから5分後の厚みがやや不十分であると感じた場合。
0点:なじませてから5分後の厚みが不十分であると感じた場合。
【0056】
<評点の合計による5段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0057】
(4)タオルドライ時の滑らかな指通り
20名の女性(22才〜40才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた毛髪に各ヘアーコンディショナー5gを塗布し、タオルドライ時の指通りについて下記のように評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」〜「×」の下記4段階評価を行い、30点以上をタオルドライ時の滑らかな指通りを有する毛髪化粧料と判定した。
【0058】
2点:タオルドライ時の毛髪の指通りがとても滑らかであると感じた場合。
1点:タオルドライ時の毛髪の指通りがやや滑らかであると感じた場合。
0点:タオルドライ時の毛髪の指通りがやや引っかかると感じた場合。
【0059】
<評点の合計による5段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0060】
(5)乾燥後のしっとり感
20名の女性(22才〜40才)をパネラーとし、(4)の評価の後に、毛髪をドライヤーで乾燥させた際の感触について下記のように評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」〜「×」の下記4段階評価を行い、30点以上を乾燥後のしっとり感に優れる毛髪化粧料と判定した。
【0061】
2点:毛髪がとても潤っていると感じた場合。
1点:毛髪がやや潤っていると感じた場合。
0点:毛髪が潤っていないと感じた場合。
【0062】
<評点の合計による5段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0063】
(6)乾燥後のボリューム感
20名の女性(22才〜40才)をパネラーとし、(4)の評価の後に、ドライヤーで乾燥させた際の感触について下記のように評価し評点を付けた。そして、その評点の合計によって、「◎」〜「×」の下記4段階評価を行い、30点以上を乾燥後のボリューム感を有する毛髪化粧料と判定した。
【0064】
2点:毛髪にボリュームが明らかにあると感じた場合。
1点:毛髪にボリュームがややあると感じた場合。
0点:毛髪のボリュームが不十分でないと感じた場合。
【0065】
<評点の合計による5段階評価>
◎:評点の合計が35点以上
○:評点の合計が30点以上、34点以下
△:評点の合計が20点以上、29点以下
×:評点の合計が19点以下
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
実施例1〜8の毛髪化粧料はいずれも、毛髪へのなじみ、塗布時の厚み、すすぎ時までの厚みの持続性、タオルドライ時の滑らかな指通り、乾燥後のしっとり感、及び乾燥後のボリューム感のいずれの試験項目においても良好な結果を示した。
【0069】
一方、比較例1〜4の毛髪化粧料では十分な性能が得られていない。すなわち、(B)成分を含有せず、且つ(C)成分が他の成分に置き換えられた比較例1の毛髪化粧料では、塗布時の厚みが不十分であり、すすぎ時までの厚みの持続性、乾燥後のしっとり感及び、ボリューム感の評価が低かった。また、(B)成分が他の成分に置き換えられた比較例2、3については、比較例2の毛髪化粧料では、すすぎ時までの厚みの持続性、乾燥後のボリューム感が不十分であり、比較例3の毛髪化粧料では、すすぎ時までの厚みの持続性だけでなく、タオルドライ時の指通りも不十分であった。更に、(A)/(B)の比率が本発明規定値の上限を上回っており、且つ(C)成分が他の成分に置き換えられた比較例4の毛髪化粧料では、すすぎ時までの厚みの持続性の評価が低く、乾燥後のしっとり感、ボリューム感が不十分であった。