(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1開閉スイッチと前記第2開閉スイッチは、前記開閉部材を開作動させるときの前記端子電圧と、前記開閉部材を閉作動させるときの前記端子電圧とが異なるように構成された、請求項1に記載の開閉部材制御装置。
前記第1開閉スイッチは、前記他席ドアの開閉部材の開閉を禁止するための開閉禁止スイッチを介して前記給電スイッチに接続された、請求項3に記載の開閉部材制御装置。
前記第1開閉スイッチと前記第2開閉スイッチの抵抗は、前記開閉部材の閉作動のための第1抵抗と、前記開閉部材の開作動のための第2抵抗とを含み、前記第1抵抗の抵抗値は前記第2抵抗の抵抗値と異なり、
前記制御部は、前記第1抵抗による前記端子電圧を検出している間、前記開閉部材を閉作動させ、前記第2抵抗による前記端子電圧を検出している間、前記開閉部材を開作動させる、
請求項5〜7の何れか1項に記載の開閉部材制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、各形態を説明する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を説明する。
【0020】
図1に示すように、車両に搭載されるパワーウインドシステムは、車両1の各ドア10,30,40,50の内部に各々設けられたパワーウインドモータ11,31,41,51(「PWM」と表記)を備えている。各パワーウインドモータ11,31,41,51は、制御部としてのECUと、駆動源としてもモータ、等を含み、各ドア10,30,40,50に設けられたウインドガラス12,32,42,52(「WG」と表記)を開閉作動する。各パワーウインドモータ11,31,41,51は、車両のバッテリ2(「BAT」と表記)に接続され、バッテリ2から駆動のための電力が供給される。
【0021】
運転席ドア10には、操作部13が設けられている。操作部13には、開閉スイッチ21,22,23,24、ウインドロックスイッチ25が配設されている。開閉スイッチ21は、運転席ドア10のウインドガラス12を開閉させるための自席窓開閉スイッチである。開閉スイッチ22,23,24はそれぞれ、他席ドアに相当する助手席ドア30のウインドガラス32、後席右側ドア40のウインドガラス42、後席左側ドア50のウインドガラス52を開閉させるための他席窓開閉スイッチである。
【0022】
開閉スイッチ21は、IGリレー3を介してバッテリ2に接続されるとともに、パワーウインドモータ11に接続されている。IGリレー3は、電源スイッチに相当する。電源スイッチとしては、車両の始動・停止のためのイグニッションスイッチ(IGスイッチ)、イグニッションスイッチの操作に基づいてオンオフされる電磁式リレー、等を用いることができる。例えば、IGリレー3は、IGスイッチのオン操作により閉路され、IGスイッチのオフ操作に基づいて開路される。IGリレー3の閉路により、IGリレー3を介してバッテリ2から開閉スイッチ21にバッテリ電圧が供給される。運転席ドア10のパワーウインドモータ11は、開閉スイッチ21の操作に基づいて、ウインドガラス12を開閉する。
【0023】
開閉スイッチ22〜24は、ウインドロックスイッチ25を介してバッテリ2に接続されている。開閉スイッチ22は、助手席ドア30の開閉スイッチ33を介してパワーウインドモータ31に接続されている。開閉スイッチ23は、後席右側ドア40の開閉スイッチ43を介してパワーウインドモータ41に接続されている。開閉スイッチ24は、後席左側ドア50の開閉スイッチ53を介してパワーウインドモータ51に接続されている。
【0024】
ウインドロックスイッチ25は、他席ドアのウインド、つまり助手席ドア30のウインドガラス32、後席右側ドア40のウインドガラス42、及び後席左側ドア50のウインドガラス52の開閉を禁止するためのロックスイッチである。
【0025】
ウインドロックスイッチ25をオンすると、開閉スイッチ22にバッテリ電圧が供給される。そして、助手席ドア30のパワーウインドモータ31に、運転席ドア10の開閉スイッチ22と助手席ドア30の開閉スイッチ33の操作に応じた電圧が供給される。助手席ドア30のパワーウインドモータ31は、その電圧に基づいて、運転席ドア10の開閉スイッチ22と助手席ドア30の開閉スイッチ33の操作を検出し、それらの操作に応じてウインドガラス32を開閉する。
【0026】
同様に、後席右側ドア40のパワーウインドモータ41に、運転席ドア10の開閉スイッチ23と後席右側ドア40の開閉スイッチ43の操作に応じた電圧が供給される。後席左側ドア50のパワーウインドモータ41は、その電圧に基づいて、運転席ドア10の開閉スイッチ23と後席右側ドア40の開閉スイッチ43の操作を検出し、それらの操作に応じてウインドガラス42を開閉する。
【0027】
同様に、後席左側ドア50のパワーウインドモータ51に、運転席ドア10の開閉スイッチ24と後席左側ドア50の開閉スイッチ53の操作に応じた電圧が供給される。後席右側ドア40のパワーウインドモータ51は、その電圧に基づいて、運転席ドア10の開閉スイッチ24と後席左側ドア50の開閉スイッチ53の操作を検出し、それらの操作に応じてウインドガラス52を開閉する。
【0028】
一方、ウインドロックスイッチ25をオフすると、運転席ドア10の開閉スイッチ22〜24には、バッテリ電圧が供給されない。このため、運転席ドア10の開閉スイッチ22及び助手席ドア30の開閉スイッチ33を操作しても、助手席ドア30のパワーウインドモータ31における電圧は変化しない。つまり、ウインドロックスイッチ25をオフすることにより、開閉スイッチ22,33の操作が無効になる。同様に、運転席ドア10の開閉スイッチ23及び後席右側ドア40の開閉スイッチ43の操作が無効になり、運転席ドア10の開閉スイッチ24と後席左側ドア50の開閉スイッチ53の操作が無効になる。これらにより、運転席ドア10以外のドア30,40,50のウインドガラス32,42,52の開閉が禁止される。
【0029】
図2は、運転席ドア10の開閉スイッチ22と助手席ドア30の開閉スイッチ33とパワーウインドモータ31の構成及び接続を示す。
運転席ドア10の開閉スイッチ22は、第1外部端子T1a及び第2外部端子T1bを備えている。同様に、助手席ドア30の開閉スイッチ33は、第1外部端子T2a及び第2外部端子T2bを備えている。
【0030】
運転席ドア10の開閉スイッチ22の第1外部端子T1aは、ウインドロックスイッチ25に接続され、開閉スイッチ22の第2外部端子T1bは、助手席ドア30の開閉スイッチ33の第1外部端子T2aに接続されている。開閉スイッチ33の第2外部端子T2bは、パワーウインドモータ31のECU35の入力端子35aに接続されている。
【0031】
運転席ドア10の開閉スイッチ22は、スイッチ部22S、抵抗R11,R12を備えている。抵抗R11は第1抵抗に相当し、抵抗R12は第2抵抗に相当する。
スイッチ部22Sは、共通接点22c、非操作接点22n、アップ接点22u、ダウン接点22dを有している。開閉スイッチ22は、乗員によって操作される図示しない操作部材を有している。操作部材が操作されていない非操作状態のとき、共通接点22cは、図示しない弾性部材によって、非操作接点22nに接続される。そして、共通接点22cは、その操作部材に対する操作に応じて、アップ接点22u又はダウン接点22dに接続される。本実施形態において、操作部材をアップ側(UP)に操作することにより、共通接点22cは、非操作接点22nからアップ接点22uに切替接続される。また、操作部材をダウン側(DOWN)に操作することにより、共通接点22cは非操作接点22nからダウン接点22dに切替接続される。
【0032】
非操作接点22nは、第1外部端子T1aに接続され、共通接点22cは第2外部端子T1bに接続されている。アップ接点22uは抵抗R11を介して第1外部端子T1aに接続されている。ダウン接点22dは、抵抗R12を介して第1外部端子T1aに接続されている。本実施形態において、抵抗R11の抵抗値と抵抗R12の抵抗値は互いに異なる。
【0033】
助手席ドア30の開閉スイッチ33は、スイッチ部33S、抵抗R21,R22を備えている。抵抗R21は第1抵抗に相当し、抵抗R22は第2抵抗に相当する。
スイッチ部33Sは、共通接点33c、非操作接点33n、アップ接点33u、ダウン接点33dを有している。開閉スイッチ33は、乗員によって操作される図示しない操作部材を有している。操作部材が操作されていない非操作状態のとき、共通接点33cは、図示しない弾性部材によって、非操作接点33nに接続される。そして、共通接点33cは、その操作部材に対する操作に応じて、アップ接点33u又はダウン接点33dに接続される。本実施形態において、操作部材をアップ側(UP)に操作することにより、共通接点33cは、非操作接点33nからアップ接点33uに切替接続される。また、操作部材をダウン側(DOWN)に操作することにより、共通接点33cは非操作接点33nからダウン接点33dに切替接続される。
【0034】
非操作接点33nは、第1外部端子T2aに接続され、共通接点33cは第2外部端子T2bに接続されている。アップ接点33uは抵抗R21を介して第1外部端子T2aに接続されている。ダウン接点33dは、抵抗R22を介して第1外部端子T2aに接続されている。本実施形態において、抵抗R21の抵抗値と抵抗R22の抵抗値は互いに異なる。
【0035】
パワーウインドモータ31は、ECU35とモータ36とを備えている。
ECU35は、マイコン35cと抵抗R30とを有している。抵抗R30は、入力端子35aとグランド端子35gとの間に接続されている。グランド端子35gは、車両のグランド、例えばフレームを介してバッテリ2のマイナス端子に接続されている。
【0036】
入力端子35aにはマイコン35cが接続されている。本実施形態において、マイコン35cは、A/D変換機能、タイマ機能を有している。マイコン35cは、A/D変換機能により、入力端子35aにおける電圧をデジタル値に変換する。このデジタル値は、入力端子35aにおける電圧値である。つまり、マイコン35cは、入力端子35aにおける電圧値Viを得る。また、マイコン35cは、タイマ機能により、所定のサンプリング間隔で、入力端子35aにおける電圧値を得る。従って、マイコン35cは、入力端子35aにおける電圧値Viの変化を捉えることができる。なお、マイコン35cはデジタルの電圧値Viを用いて処理を行うが、これを端子電圧Viとして説明する。
【0037】
ECU35は、マイコン35cにより得た入力端子35aの端子電圧Viに基づいて、モータ36の動作を制御する。このモータ36の動作により、
図1に示す助手席ドア30のウインドガラス32が開閉する。
【0038】
なお、
図2では、運転席ドア10の開閉スイッチ22と、助手席ドア30の開閉スイッチ33及びパワーウインドモータ31について、構成及び接続が示されている。
図1に示す運転席ドア10の開閉スイッチ23,24、後席右側ドア40の開閉スイッチ43及びパワーウインドモータ41、及び後席左側ドア50の開閉スイッチ53及びパワーウインドモータ51は、
図2に示す構成及び接続と同じであるため、図面及び説明を省略する。
【0039】
(作用)
次に、本実施形態のパワーウインドシステムの作用を説明する。
先ず、開閉スイッチ22,33による入力端子35aの端子電圧Viについて説明する。
【0040】
図2に示すように、運転席ドア10と助手席ドア30において、開閉スイッチ22,33が非操作状態のとき、それぞれの共通接点22c,33cは非操作接点22n,33nに接続される。これらの非操作接点22n,33nは、開閉スイッチ22,33の第1外部端子T1a,T2aに直接接続されている。開閉スイッチ22の第1外部端子T1aは、ウインドロックスイッチ25とIGリレー3を介してバッテリ2のプラス側端子に接続されている。開閉スイッチ33の第2外部端子T2bはECU35の入力端子35aに接続され、その入力端子35aとグランド端子35gとの間に抵抗R30が接続されている。
【0041】
従って、IGリレー3とウインドロックスイッチ25の少なくとも一方がオフされると、開閉スイッチ22はバッテリ2から切り離される。従って、入力端子35aの端子電圧Viは、グランドレベル(0V)となる。この0Vの端子電圧Viが、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。
【0042】
IGリレー3とウインドロックスイッチ25がオンされ、両開閉スイッチ22,33が非操作状態のとき、ECU35の入力端子35aには、バッテリ2のバッテリ電圧が印加される。従って、入力端子35aの端子電圧Viは、バッテリ2のバッテリ電圧VBと等しくなる。このバッテリ電圧VBと等しい端子電圧Viが、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。
【0043】
運転席ドア10の開閉スイッチ22がアップ側に操作されると、共通接点22cはアップ接点22uに接続される。これにより、開閉スイッチ22の抵抗R11は、助手席ドア30の開閉スイッチ33を介してパワーウインドモータ31の入力端子35aに接続される。そして、この入力端子35aにおける端子電圧は、抵抗R11と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧(第1電圧V1)となる。この第1電圧V1が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。
【0044】
運転席ドア10の開閉スイッチ22がダウン側に操作されると、共通接点22cはダウン接点22dに接続される。これにより、開閉スイッチ22の抵抗R12は、助手席ドア30の開閉スイッチ33を介してパワーウインドモータ31の入力端子35aに接続される。そして、この入力端子35aにおける端子電圧は、抵抗R12と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧(第2電圧V2)となる。この第2電圧V2が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。
【0045】
助手席ドア30の開閉スイッチ33がアップ側に操作されると、共通接点33cはアップ接点33uに接続される。これにより、開閉スイッチ33の抵抗R21は、パワーウインドモータ31の入力端子35aに接続される。そして、この入力端子35aにおける端子電圧は、抵抗R21と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧(第3電圧V3)となる。この第3電圧V3が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。
【0046】
助手席ドア30の開閉スイッチ33がダウン側に操作されると、共通接点33cはダウン接点33dに接続される。これにより、開閉スイッチ33の抵抗R22は、パワーウインドモータ31の入力端子35aに接続される。そして、この入力端子35aにおける端子電圧は、抵抗R22と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧(第4電圧V4)となる。この第4電圧V4が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。
【0047】
次に、パワーウインドモータ31の動作を説明する。
図3は、IGリレー3、ウインドロックスイッチ25、開閉スイッチ22,33の状態と端子電圧Viの変化を示す。なお、
図3において、開閉スイッチ22,33において、共通接点22c,33cが接続される接点22u,22d,33u,33dについて、共通接点22c、33cに接続される場合を「ON」として示す。
【0048】
図3に示すように、IGリレー3がオフ、ウインドロックスイッチ25がオンのとき、端子電圧Viは0Vである。パワーウインドモータ31のECUは、この0Vの端子電圧Viを検出し、作動禁止とする。
【0049】
IGリレー3がオンされると、ウインドロックスイッチ25がオンであるため、バッテリ電圧VBが運転席ドア10の開閉スイッチ22と助手席ドア30の開閉スイッチ33とを介してパワーウインドモータ31の入力端子35aに供給される。従って、この入力端子35aにおける端子電圧Viは、バッテリ電圧VBと等しくなる。パワーウインドモータ31のECUは、このバッテリ電圧VBと等しい端子電圧Viを検出し、作動可能と判断する。
【0050】
次に、ウインドロックスイッチ25がオフされると、入力端子35aにバッテリ電圧VBが供給されないため、端子電圧Viは0Vになる。パワーウインドモータ31のECUは、この0Vの端子電圧Viを検出し、作動禁止とする。
【0051】
作動可能であるとき、端子電圧Viは、バッテリ電圧VBから、操作される開閉スイッチの抵抗に応じた電圧へと変化する。
運転席ドア10の開閉スイッチ22がアップ側に操作されると、開閉スイッチ22の抵抗R11とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第1電圧V1となる。このとき、パワーウインドモータ31のECU35は、第1電圧V1に基づいて、運転席ドア10の開閉スイッチ22がアップ側に操作されたことを検出する。そして、ECU35は、モータ36を駆動し、ウインドガラス32をアップ、つまり閉作動(UP作動)させる。そして、開閉スイッチ22が非操作状態となると、端子電圧Viはバッテリ電圧VBと等しくなる。パワーウインドモータ31のECU35はこの端子電圧Viに基づいて、ウインドガラス32の作動を停止する。つまり、パワーウインドモータ31のECU35は、端子電圧Viとして第1電圧V1を検出している間、ウインドガラス32を閉作動させる。
【0052】
運転席ドア10の開閉スイッチ22がダウン側に操作されると、開閉スイッチ22の抵抗R12とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第2電圧V2となる。このとき、パワーウインドモータ31のECU35は、第2電圧V2に基づいて、運転席ドア10の開閉スイッチ22がダウン側に操作されたことを検出する。そして、ECU35は、モータ36を駆動し、ウインドガラス32をダウン、つまり開作動(DOWN作動)させる。そして、開閉スイッチ22が非操作状態となると、端子電圧Viはバッテリ電圧VBと等しくなる。パワーウインドモータ31のECU35はこの端子電圧Viに基づいて、ウインドガラス32の作動を停止する。つまり、パワーウインドモータ31のECU35は、端子電圧Viとして第2電圧V2を検出している間、ウインドガラス32を開作動させる。
【0053】
助手席ドア30の開閉スイッチ33がアップ側に操作されると、開閉スイッチ33の抵抗R21とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第3電圧V3となる。このとき、パワーウインドモータ31のECU35は、第3電圧V3に基づいて、助手席ドア30の開閉スイッチ33がアップ側に操作されたことを検出する。そして、ECU35は、モータ36を駆動し、ウインドガラス32をアップ、つまり閉作動させる。そして、開閉スイッチ33が非操作状態となると、端子電圧Viはバッテリ電圧VBと等しくなる。パワーウインドモータ31のECU35はこの端子電圧Viに基づいて、ウインドガラス32の作動を停止する。つまり、パワーウインドモータ31のECU35は、端子電圧Viとして第3電圧V3を検出している間、ウインドガラス32を閉作動させる。
【0054】
助手席ドア30の開閉スイッチ33がダウン側に操作されると、開閉スイッチ33の抵抗R22とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第4電圧V4となる。このとき、パワーウインドモータ31のECU35は、第4電圧V4に基づいて、助手席ドア30の開閉スイッチ33がダウン側に操作されたことを検出する。そして、ECU35は、モータ36を駆動し、ウインドガラス32をダウン、つまり開作動させる。そして、開閉スイッチ33が非操作状態となると、端子電圧Viはバッテリ電圧VBと等しくなる。パワーウインドモータ31のECU35はこの端子電圧Viに基づいて、ウインドガラス32の作動を停止する。つまり、パワーウインドモータ31のECU35は、端子電圧Viとして第4電圧V4を検出している間、ウインドガラス32を開作動させる。
【0055】
次に、本実施形態に対する比較例を説明する。なお、上記の第1実施形態と同じ部材については同じ符号を付す。
図4(a)は、シリアル通信を用いた比較例を示す。
【0056】
運転席ドア10には、ウインドロックスイッチ25とアップスイッチS1とダウンスイッチS2とが接続されたECU71が設けられている。このECU71は、ウインドロックスイッチ25とアップスイッチS1とダウンスイッチS2とのオンオフを検出し、その検出結果に応じたシリアル信号を生成し、1本のケーブル72を介して助手席ドア30のECU73に出力する。このECU73には、助手席ドア30に設けられたアップスイッチS3とダウンスイッチS4とが接続されている。ECU73は、シリアル通信を行うとともに、アップスイッチS3とダウンスイッチS4とのオンオフを検出し、検出結果とシリアル通信により受信した運転席ドア10のウインドロックスイッチ25とアップスイッチS1とダウンスイッチS2とのオンオフとに基づいて、モータ74を駆動する。モータ74は、助手席ドア30に設けられたウインドガラス32を開閉作動させる。
【0057】
このように、運転席ドアにおいては、ウインドロックスイッチ25とアップスイッチS1とダウンスイッチS2とのオンオフ検出と、検出結果に応じたシリアル通信とを必要とする。また、助手席ドアにおいては、シリアル通信と、アップスイッチS3とダウンスイッチS4とのオンオフ検出とが必要となる。このように、複雑な制御を必要とする。
【0058】
図4(a)は、助手席ドア30のウインドガラスを開閉する構成を示しているが、後席右側ドアと後席左側ドアとについても同様の構成を必要とする。つまり、運転席ドア10から制御する他席ドアに応じた数のECUが必要となり、車両におけるパワーウインドシステムの構成と制御が複雑になる。
【0059】
図4(b)は、運転席ドア10に設けられたウインドロックスイッチ25とアップスイッチS1とダウンスイッチS2とを、助手席ドア30のECU81に直接接続した例を示す。ウインドロックスイッチ25とアップスイッチS1とダウンスイッチS2は、それぞれケーブル82,83,84を介して助手席ドア30のECU81に接続される。このECU81には、助手席ドア30に設けられたアップスイッチS3とダウンスイッチS4とが接続されている。ECU35は、運転席ドア10のウインドロックスイッチ25とアップスイッチS1とダウンスイッチS2とのオンオフと、助手席ドア30のアップスイッチS3とダウンスイッチS4とのオンオフとをそれぞれ検出する必要がある。
【0060】
図4(b)は、助手席ドア30のウインドガラスを開閉する構成を示しているが、後席右側ドアと後席左側ドアとについても同様の構成を必要とする。つまり、運転席ドア10に対して接続されるケーブルの本数が多くなり、車両におけるパワーウインドシステムの構成と制御が複雑になる。
【0061】
これらに対し、本実施形態のパワーウインドシステムは、パワーウインドモータ31の入力端子35aの端子電圧Viに応じて、ウインドガラス32を開閉作動させる。つまり、助手席ドア30のECU35は、1つの入力端子35aの端子電圧Viを検出するだけでよい。また、運転席ドア10の開閉スイッチ22と助手席ドア30の開閉スイッチ33とを1本のケーブルにより接続すればよい。このため、車両におけるパワーウインドシステムの構成と制御が簡略化される。
【0062】
また、
図1に示すように、運転席ドア10に設けられた他席のための開閉スイッチ22〜24は、ウインドロックスイッチ25とIGリレー3とを介してバッテリ2に接続されている。従って、
図2に示す他席のパワーウインドモータ31、41,51に対して、ウインドロックスイッチ25のオンオフ、つまりウインドガラス32、42,52を作動可能か作動禁止かを容易に伝達できる。また、IGリレー3のオンオフ、つまりイグニッションスイッチのオンオフを、例えば車両を制御するECUを介することなく、受け取ることができる。
【0063】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1−1)車両1の運転席ドア10の開閉スイッチ22と、助手席ドア30の開閉スイッチ33は直列に接続され、その開閉スイッチ33は助手席ドア30のウインドガラス32を開閉作動するパワーウインドモータ31に接続されている。パワーウインドモータ31のECU35は、入力端子35aの端子電圧Viに基づいて助手席ドア30に設けられたウインドガラス32を開閉作動する。従って、運転席ドア10の開閉スイッチ22の操作と助手席ドア30の開閉スイッチ33の操作とを入力端子35aの端子電圧Viに基づいて検出できるため、パワーウインドモータ31に対する両開閉スイッチ22,33の接続や制御を簡略化できる。
【0064】
(1−2)開閉スイッチ22と開閉スイッチ33は、ウインドガラス32を開作動させるときの端子電圧Viと、ウインドガラス32を閉作動させるときの端子電圧Viとが異なるように構成されている。従って、端子電圧Viにより、開作動と閉作動とを容易に検出できる。
【0065】
(1−3)運転席ドア10の開閉スイッチ22は、IGリレー3を介して車両1のバッテリ2に接続されている。従って、端子電圧ViによりIGリレー3のオンオフ、つまりイグニッションスイッチのオンオフを、例えば車両を制御するECUを介することなく、受け取ることができる。
【0066】
(1−4)運転席ドア10の開閉スイッチ22は、助手席ドア30のウインドガラス32の開閉を禁止するためのウインドロックスイッチ25とIGリレー3とを介してバッテリ2に接続されている。従って、端子電圧Viによりウインドロックスイッチ25の状態を運転席ドア10から助手席ドア30のパワーウインドモータ31へ容易に伝達できる。
【0067】
(1−5)開閉スイッチ22と開閉スイッチ33はそれぞれ抵抗R11,R12,R21,R22を含み、パワーウインドモータ31は入力端子35aに接続された抵抗R30を含む。開閉スイッチ22又は開閉スイッチ33の抵抗R11,R12,R21,R22とパワーウインドモータ31の抵抗R30とによりバッテリ2のバッテリ電圧VBを分圧する。従って、開閉スイッチ22と開閉スイッチ33の抵抗R11,R12,R21,R22とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、端子電圧Viを容易に設定できる。
【0068】
(1−6)運転席ドア10の開閉スイッチ22の抵抗R11,R12と、助手席ドア30の開閉スイッチ33の抵抗R21,R22は、異なる抵抗値である。従って、端子電圧Viにより、開閉スイッチ22の操作と開閉スイッチ33の操作とを容易に判別できる。
【0069】
(1−7)パワーウインドモータ31のECU35は、開閉スイッチ22,33の操作に応じた端子電圧Viを検出している間、ウインドガラス32を開閉作動させる。従って、開閉スイッチ22又は開閉スイッチ33により、ウインドガラス32の位置を容易に変更できる。
【0070】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を説明する。
なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付す。また、第1実施形態と同じ構成については、その説明の一部又は全てを省略する場合がある。
【0071】
本実施形態において、パワーウインドシステムの概略構成は上記第1実施形態と同じである。このため、運転席ドア10と1つの他席ドアとして助手席ドア30について説明する。
【0072】
図5は、本実施形態の運転席ドア10の開閉スイッチ22と助手席ドア30の開閉スイッチ33とパワーウインドモータ31の構成及び接続を示す。
運転席ドア10の開閉スイッチ22は、スイッチ部22S、抵抗R11,R12,R13,R14を備えている。抵抗R11は第1抵抗に相当し、抵抗R12は第2抵抗に相当する。抵抗R13,R14は第3抵抗に相当する。
【0073】
スイッチ部22Sは、共通接点22c、非操作接点22n、アップ接点22u、オートアップ接点22ua、ダウン接点22d、オートダウン接点22daを有している。開閉スイッチ22は、乗員によって操作される図示しない操作部材を有している。操作部材が操作されていない非操作状態のとき、共通接点22cは、図示しない弾性部材によって、非操作接点22nに接続される。そして、共通接点22cは、その操作部材に対する操作に応じて、アップ接点22u、オートアップ接点22ua、ダウン接点22d、又はオートダウン接点22daに接続される。
【0074】
本実施形態において、操作部材をアップ側(UP)に操作することにより、共通接点22cは、非操作接点22nからアップ接点22uに切替接続される。更に操作部材をアップ側(AUTO)に操作することにより、共通接点22cは、アップ接点22uとオートアップ接点22uaとに接続される。一方、操作部材をダウン側(DOWN)に操作することにより、共通接点22cは、非操作接点22nからダウン接点22dに切替接続される。更に操作部材をダウン側(AUTO)に操作することにより、共通接点は、ダウン接点22dとオートダウン接点22daとに接続される。
【0075】
アップ接点22uは抵抗R11を介して第1外部端子T1aに接続されている。オートアップ接点22uaは、抵抗R13を介して第1外部端子T1aに接続されている。ダウン接点22dは、抵抗R12を介して第1外部端子T1aに接続されている。オートダウン接点22daは、抵抗R14を介して第1外部端子T1aに接続されている。
【0076】
本実施形態において、抵抗R11の抵抗値と抵抗R12の抵抗値は互いに異なる。また、抵抗R11の抵抗値と抵抗R14の抵抗値は互いに異なり、抵抗R12の抵抗値と抵抗R14の抵抗値は互いに異なる。本実施形態において、抵抗R11の抵抗値と抵抗R14の抵抗値は同じ値に設定され、抵抗R12の抵抗値と抵抗R13の抵抗値は同じ値に設定されている。
【0077】
助手席ドア30の開閉スイッチ33は、スイッチ部33S、抵抗R21,R22,R23,R24を備えている。抵抗R21は第1抵抗に相当し、抵抗R22は第2抵抗に相当する。抵抗R23,R24は第3抵抗に相当する。
【0078】
スイッチ部33Sは、共通接点33c、非操作接点33n、アップ接点33u、オートアップ接点33ua、ダウン接点33d、オートダウン接点33daを有している。開閉スイッチ33は、乗員によって操作される図示しない操作部材を有している。操作部材が操作されていない非操作状態のとき、共通接点33cは、図示しない弾性部材によって、非操作接点33nに接続される。そして、共通接点33cは、その操作部材に対する操作に応じて、アップ接点33u、オートアップ接点33ua、ダウン接点33d、又はオートダウン接点33daに接続される。
【0079】
本実施形態において、操作部材をアップ側(UP)に操作することにより、共通接点33cは、非操作接点33nからアップ接点33uに切替接続される。更に操作部材をアップ側(AUTO)に操作することにより、共通接点33cは、アップ接点33uとオートアップ接点33uaとに接続される。一方、操作部材をダウン側(DOWN)に操作することにより、共通接点33cは、非操作接点33nからダウン接点33dに切替接続される。更に操作部材をダウン側(AUTO)に操作することにより、共通接点は、ダウン接点33dとオートダウン接点33daとに接続される。
【0080】
アップ接点33uは抵抗R21を介して第1外部端子T2aに接続されている。オートアップ接点33uaは、抵抗R23を介して第1外部端子T2aに接続されている。ダウン接点33dは、抵抗R22を介して第1外部端子T2aに接続されている。オートダウン接点33daは、抵抗R24を介して第1外部端子T2aに接続されている。
【0081】
本実施形態において、抵抗R21の抵抗値と抵抗R22の抵抗値は互いに異なる。また、抵抗R21の抵抗値と抵抗R24の抵抗値は互いに異なり、抵抗R22の抵抗値と抵抗R24の抵抗値は互いに異なる。本実施形態において、抵抗R21の抵抗値と抵抗R24の抵抗値は同じ値に設定され、抵抗R22の抵抗値と抵抗R23の抵抗値は同じ値に設定されている。
【0082】
なお、
図5では、運転席ドア10の開閉スイッチ22と、助手席ドア30の開閉スイッチ33及びパワーウインドモータ31について、構成及び接続が示されている。
図1に示す運転席ドア10の開閉スイッチ23,24、後席右側ドア40の開閉スイッチ43及びパワーウインドモータ41、及び後席左側ドア50の開閉スイッチ53及びパワーウインドモータ51は、
図5に示す構成及び接続と同じであるため、図面及び説明を省略する。
【0083】
(作用)
次に、本実施形態のパワーウインドシステムの作用を説明する。
運転席ドア10の開閉スイッチ22がアップ側に操作されると、共通接点22cはアップ接点22uに接続される。これにより、開閉スイッチ22の抵抗R11は、助手席ドア30の開閉スイッチ33を介してパワーウインドモータ31に含まれるECU35の入力端子35aに接続される。そして、この入力端子35aにおける端子電圧は、抵抗R11と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧(第1電圧V1)となる。この第1電圧V1が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。
【0084】
運転席ドア10の開閉スイッチが更にアップ側(AUTO)に操作されると、共通接点22cは、アップ接点22uとオートアップ接点22uaとに接続される。従って、入力端子35aにおける端子電圧は、並列接続された抵抗R11及び抵抗R13の合成抵抗と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧(第5電圧V5)となる。この第5電圧V5が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。つまり、ECU35は、端子電圧Viとして、第1電圧V1から第5電圧V5への変化を検出する。
【0085】
運転席ドア10の開閉スイッチ22がダウン側に操作されると、共通接点22cはダウン接点22dに接続される。これにより、開閉スイッチ22の抵抗R12は、助手席ドア30の開閉スイッチ33を介してパワーウインドモータ31の入力端子35aに接続される。そして、この入力端子35aにおける端子電圧は、抵抗R12と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧(第2電圧V2)となる。この第2電圧V2が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。
【0086】
運転席ドア10の開閉スイッチが更にダウン側(AUTO)に操作されると、共通接点22cは、ダウン接点22dとオートダウン接点22daとに接続される。従って、入力端子35aにおける端子電圧は、並列接続された抵抗R12及び抵抗R14の合成抵抗と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧となる。本実施形態において、抵抗R11,R14の抵抗値が互いに等しく、抵抗R12,R13の抵抗値が互いに等しい、従って、このときの端子電圧Viは第5電圧V5となる。この第5電圧V5が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。つまり、ECU35は、端子電圧Viとして、第2電圧V2から第5電圧V5への変化を検出する。
【0087】
助手席ドア30の開閉スイッチ33がアップ側に操作されると、共通接点33cはアップ接点33uに接続される。これにより、開閉スイッチ33の抵抗R21は、パワーウインドモータ31の入力端子35aに接続される。そして、この入力端子35aにおける端子電圧は、抵抗R21と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧(第3電圧V3)となる。この第3電圧V3が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。
【0088】
助手席ドア30の開閉スイッチが更にアップ側(AUTO)に操作されると、共通接点33cは、アップ接点33uとオートアップ接点33uaとに接続される。従って、入力端子35aにおける端子電圧は、並列接続された抵抗R21及び抵抗R23の合成抵抗と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧(第6電圧V6)となる。この第6電圧V6が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。つまり、ECU35は、端子電圧Viとして、第3電圧V3から第5電圧V5への変化を検出する。
【0089】
助手席ドア30の開閉スイッチ33がダウン側に操作されると、共通接点33cはダウン接点33dに接続される。これにより、開閉スイッチ33の抵抗R22は、パワーウインドモータ31の入力端子35aに接続される。そして、この入力端子35aにおける端子電圧は、抵抗R22と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧(第4電圧V4)となる。この第4電圧V4が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。
【0090】
助手席ドア30の開閉スイッチが更にダウン側(AUTO)に操作されると、共通接点33cは、ダウン接点33dとオートダウン接点33daとに接続される。従って、入力端子35aにおける端子電圧は、並列接続された抵抗R22及び抵抗R24の合成抵抗と抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧となる。本実施形態において、抵抗R21,R24の抵抗値が互いに等しく、抵抗R22,R23の抵抗値が互いに等しい、従って、このときの端子電圧Viは第6電圧V6となる。この第6電圧V6が、パワーウインドモータ31のECU35により検出される。つまり、ECU35は、端子電圧Viとして、第4電圧V4から第6電圧V6への変化を検出する。
【0091】
次に、パワーウインドモータ31の動作を説明する。
図6は、IGリレー3、ウインドロックスイッチ25、開閉スイッチ22,33の状態と端子電圧Viの変化を示す。なお、
図6において、開閉スイッチ22,33において、共通接点22c,33cが接続される接点22u,22ua,22d,22da,33u,33ua,33d,33daについて、共通接点22c、33cに接続される場合を「ON」として示す。
【0092】
図6に示すように、IGリレー3がオフ、ウインドロックスイッチ25がオンのとき、端子電圧Viは0Vである。パワーウインドモータ31のECUは、この0Vの端子電圧Viを検出し、作動禁止とする。
【0093】
運転席ドア10の開閉スイッチ22がアップ側に操作されると、開閉スイッチ22の抵抗R11とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第1電圧V1となる。このとき、パワーウインドモータ31のECU35は、第1電圧V1に基づいて、モータ36を駆動し、ウインドガラス32(
図1参照)をアップ作動(UP作動)、つまり閉作動させる。
【0094】
開閉スイッチ22がアップ側に更に操作されると、開閉スイッチ22の抵抗R11,R13とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第5電圧V5となる。ECU35は、この第5電圧V5に基づいて、運転席ドア10の開閉スイッチ22がオートアップ接点22uaまで操作されたことを検出する。そして、ECU35は、ウインドガラス32を全閉位置まで閉作動(AUTO−UP作動)させる。全閉位置は、センサやモータ36の端子間電圧の変化に基づいて検出される。
【0095】
運転席ドア10の開閉スイッチ22がダウン側に操作されると、開閉スイッチ22の抵抗R12とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第2電圧V2となる。このとき、パワーウインドモータ31のECU35は、第2電圧V2に基づいて、モータ36を駆動し、ウインドガラス32をダウン作動(DOWN作動)、つまり開作動させる。
【0096】
開閉スイッチ22がダウン側に更に操作されると、開閉スイッチ22の抵抗R12,R14とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第5電圧V5となる。ECU35は、この第5電圧V5に基づいて、運転席ドア10の開閉スイッチ22がオートダウン接点22daまで操作されたことを検出する。そして、ECU35は、ウインドガラス32を全開位置まで開作動(AUTO−DOWN作動)させる。全開位置は、センサやモータ36の端子間電圧の変化に基づいて検出される。
【0097】
助手席ドア30の開閉スイッチ33がアップ側に操作されると、開閉スイッチ33の抵抗R21とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第3電圧V3となる。このとき、パワーウインドモータ31のECU35は、第3電圧V3に基づいて、モータ36を駆動し、ウインドガラス32をアップ作動、つまり閉作動させる。
【0098】
開閉スイッチ33がアップ側に更に操作されると、開閉スイッチ33の抵抗R21,R23とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第6電圧V6となる。ECU35は、この第6電圧V6に基づいて、助手席ドア30の開閉スイッチ33がオートアップ接点33uaまで操作されたことを検出する。そして、ECU35は、ウインドガラス32を全閉位置まで閉作動させる。
【0099】
助手席ドア30の開閉スイッチ33がダウン側に操作されると、開閉スイッチ33の抵抗R22とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第4電圧V4となる。このとき、パワーウインドモータ31のECU35は、第4電圧V4に基づいて、モータ36を駆動し、ウインドガラス32をダウン作動、つまり開作動させる。
【0100】
開閉スイッチ33がダウン側に更に操作されると、開閉スイッチ33の抵抗R22,R24とパワーウインドモータ31の抵抗R30とにより、入力端子35aの端子電圧Viは第6電圧V6となる。ECU35は、この第6電圧V6に基づいて、助手席ドア30の開閉スイッチ33がオートダウン接点33daまで操作されたことを検出する。そして、ECU35は、ウインドガラス32を全開位置まで開作動させる。
【0101】
以上記述したように、本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
(2−1)運転席ドア10の開閉スイッチ22は、アップ接点22uとダウン接点22dに加えて、オートアップ接点22uaとオートダウン接点22daとを備えている。このような開閉スイッチ22においても、1本のケーブルにより、運転席ドア10の開閉スイッチ22を、他席である助手席ドア30のパワーウインドモータ31に接続することができ、パワーウインドシステムを簡略化できる。
【0102】
(2−2)運転席ドア10の開閉スイッチ22を操作することにより、他席である助手席ドア30のウインドガラス32を、アップ作動及びダウン作動させるとともに、オートアップ作動及びオートダウン作動によって全閉位置及び全開位置まで作動させることができる。
【0103】
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態において、開閉スイッチの操作に応じて入力端子35aの端子電圧Viが変化すればよく、開閉スイッチにおける接点の接続関係や各抵抗の値を適宜変更してもよい。
【0104】
例えば、抵抗R11と抵抗R21、抵抗R12と抵抗R22の抵抗値をそれぞれ同じ値としてもよい。この場合、運転席ドア10の開閉スイッチ22〜24と他席ドアの開閉スイッチ33,43,53に同じ構成のスイッチを用いることができ、スイッチや抵抗の種類を少なくして管理を容易にできる。
【0105】
また、第2実施形態において、抵抗R11と抵抗R14、抵抗R12と抵抗R23の抵抗値をそれぞれ同じ値としてもよい。同様に、抵抗R21と抵抗R14、抵抗R22と抵抗R23の抵抗値をそれぞれ同じ値としてもよい。
【0106】
上記第2実施形態において、共通接点22c,33cの接続を適宜変更してもよい。例えば、開閉スイッチ22において、操作によって先ず共通接点22cがアップ接点22uのみに接続され、更に操作することによりオートアップ接点22uaのみに接続されるように構成する。このようにすると、開閉スイッチ22の抵抗R14とECU35の抵抗R30とによりバッテリ電圧VBを分圧した電圧が端子電圧Viとなり、この端子電圧Viによりオートアップ作動させることができる。同様に、共通接点22cをオートダウン接点22daのみに接続するように構成することで、抵抗R14と抵抗R30によりバッテリ電圧VBを分圧した電圧を端子電圧Viとし、その端子電圧Viによりオートダウン作動させることができる。なお、他席ドアである助手席ドア30、後席右側ドア40、後席左側ドア50についても同様である。