特許第6984569号(P6984569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6984569ネットワーク装置、および、ネットワーク試験方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984569
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】ネットワーク装置、および、ネットワーク試験方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20211213BHJP
【FI】
   H04L12/70 100Z
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-168272(P2018-168272)
(22)【出願日】2018年9月7日
(65)【公開番号】特開2020-43431(P2020-43431A)
(43)【公開日】2020年3月19日
【審査請求日】2021年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】新解 眞規
(72)【発明者】
【氏名】西尾 弦一
(72)【発明者】
【氏名】荒谷 克寛
(72)【発明者】
【氏名】安藤 雅文
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏和
(72)【発明者】
【氏名】坂本 真澄
【審査官】 宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−139077(JP,A)
【文献】 特開2013−240093(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0157523(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00−12/26,12/50−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置から試験の開始指示を受けると、自装置のMEGレベルとは異なるレベルの先行試験のOAMフレームが自装置に到着したか否かを所定期間に亘って監視する監視部と、
前記監視部が前記OAMフレームの到着を検知し、かつ前記試験が前記先行試験に影響を与えると判定したならば、その旨を通知する処理部と、
を備えることを特徴とするネットワーク装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記先行試験に係るOAMフレームがETH−LB、ETH−LT、ETH−Testのうちいずれかならば、前記試験が前記先行試験に影響を与えると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記先行試験がスループット測定ならば、前記試験の実行を停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記監視部が自装置のMEGレベルとは異なるレベルの他の試験のOAMフレームが自装置に到着したことを検知し、かつ前記処理部が、自装置の試験は前記他の試験に影響を与えると判定したならば、その旨を通知する
ことを特徴とする請求項3に記載のネットワーク装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記試験を実行中に、自装置のMEGレベルとは異なるレベルの他の試験のOAMフレームが到着したことを検知したならば、前記試験を終了させる、
ことを特徴とする請求項3に記載のネットワーク装置。
【請求項6】
OAMフレームによる試験の実行機能を有するネットワーク装置は、
制御装置から試験の開始指示を受けると、自装置のMEGレベルとは異なるレベルの先行試験のOAMフレームが自装置に到着したか否かを所定期間に亘って監視し、
前記OAMフレームの到着を検知し、かつ前記試験が前記先行試験に影響を与えると判定したならば、その旨を通知する、
ことを特徴とするネットワーク試験方法。
【請求項7】
前記先行試験に係るOAMフレームがETH−LB、ETH−LT、ETH−Testのうちいずれかならば、前記試験が前記先行試験に影響を与えると判定する、
ことを特徴とする請求項6に記載のネットワーク試験方法。
【請求項8】
前記先行試験がスループット測定ならば、前記試験の実行を停止する、
ことを特徴とする請求項6に記載のネットワーク試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イーサネット(登録商標)OAM(Operation Administration Management)フレームを用いたネットワーク試験方法、および、それを実行するネットワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、回線事業者とSIer(System Integrationを行う業者)などの連携が進んでいる。それに伴い、故障発生時等に、複数の事業者が同じ回線に対するオペレーションを行うことが増加している。このようなイーサネット(登録商標)網の保守・管理には、イーサネット(登録商標)OAMフレームを用いることが多い。以下、イーサネット(登録商標)OAMのことを、“EOAM”と記載するか、または単に“OAM”と記載する場合がある。
【0003】
EOAMは、ネットワークとサービスを運用、維持するのに必要な機能であり、ITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)によって国際勧告「Y.1731」として標準化されている(非特許文献1)。更にEOAMは、社団法人情報通信技術委員会によって、非特許文献2に示すような解説がなされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】TELECOMMUNICATION STANDARDIZATION SECTOR OF ITU,“ITU-T Y.1731”,03/2018
【非特許文献2】社団法人情報通信技術委員会,「TTC JT-Y1731イーサネットのOAM機能とメカニズム」,第1版,2010年2月24日制定
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献2の5.6項「MEG(Maintenance Entity Group)レベル」の項目には、「MEGを入れ子にする場合、各MEGのOAMフローを明確に識別可能でなければならず、他のMEGのOAMフレームと切り離されている必要がある」と記載されている。
更に非特許文献2の5.7項の「OAM透過性」の項目には、「OAMの透過性とは、MEPが入れ子の場合に、上位レベルのMEGに属するOAMフレームが他の下位レベルのMEGを介して透過的に転送されることを可能にする能力のことをいう」と記載されている。つまりネットワーク装置は、上位MEGレベルのOAMフレームを透過させ、かつ規格上、MEGレベルを跨いだ連携は考慮されていない。そのため、上位MEGレベルのOAMフレームと下位MEGレベルのOAMフレームとが干渉するおそれがある。具体的にいうと、複数の事業者が異なるMEGレベルで同時に試験を行った場合、スループット測定においてフレームロスが発生し、測定を誤るおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、複数の事業者が異なるMEGレベルで同時に試験を行う際の干渉に対処することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、制御装置から試験の開始指示を受けると、自装置のMEGレベルとは異なるレベルの先行試験のOAMフレームが自装置に到着したか否かを所定期間に亘って監視する監視部と、前記監視部が前記OAMフレームの到着を検知し、かつ前記試験が前記先行試験に影響を与えると判定したならば、その旨を通知する処理部と、を備えることを特徴とするネットワーク装置とした。
【0008】
このようにすることで、本発明によれば、複数の事業者が異なるMEGレベルで同時に試験を行う際の干渉に対処することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、前記処理部は、前記先行試験に係るOAMフレームがETH−LB、ETH−LT、ETH−Testのうちいずれかならば、前記試験が前記先行試験に影響を与えると判定する、ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置とした。
【0010】
このようにすることで、本発明によれば、先行試験がETH−LB、ETH−LT、ETH−Testのうちいずれかであっても、それに影響を与えないようにすることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、前記処理部は、前記先行試験がスループット測定ならば、前記試験の実行を停止する、ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置とした。
【0012】
このようにすることで、本発明によれば、先行試験がスループット測定であっても、それに影響を与えないようにすることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、前記監視部が自装置のMEGレベルとは異なるレベルの他の試験のOAMフレームが自装置に到着したことを検知し、かつ前記処理部が、自装置の試験は前記他の試験に影響を与えると判定したならば、その旨を通知することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク装置とした。
【0014】
このようにすることで、本発明によれば、自装置の試験中に行われている他の試験に影響を与えることが判定できる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、前記処理部は、前記試験を実行中に、自装置のMEGレベルとは異なるレベルの他の試験のOAMフレームが到着したことを検知したならば、前記試験を終了させる、ことを特徴とする請求項3に記載のネットワーク装置とした。
【0016】
このようにすることで、本発明によれば、自装置の試験中に行われている他の試験に影響を与えないようにすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、OAMフレームによる試験の実行機能を有するネットワーク装置は、制御装置から試験の開始指示を受けると、自装置のMEGレベルとは異なるレベルの先行試験のOAMフレームが自装置に到着したか否かを所定期間に亘って監視し、前記OAMフレームの到着を検知し、かつ前記試験が前記先行試験に影響を与えると判定したならば、その旨を通知する、ことを特徴とするネットワーク試験方法とした。
【0018】
このようにすることで、本発明によれば、複数の事業者が異なるMEGレベルで同時に試験を行う際の干渉に対処することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、前記先行試験に係るOAMフレームがETH−LB、ETH−LT、ETH−Testのうちいずれかならば、前記試験が前記先行試験に影響を与えると判定する、ことを特徴とする請求項6に記載のネットワーク試験方法とした。
【0020】
このようにすることで、本発明によれば、先行試験がETH−LB、ETH−LT、ETH−Testのうちいずれかであっても、それに影響を与えないようにすることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明では、前記先行試験がスループット測定ならば、前記試験の実行を停止する、ことを特徴とする請求項6に記載のネットワーク試験方法とした。
【0022】
このようにすることで、本発明によれば、先行試験がスループット測定であっても、それに影響を与えないようにすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の事業者が異なるMEGレベルで同時に試験を行う際の干渉への対処が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態に係る法人向けネットワークの構成図である。
図2】制御装置とネットワーク装置を示すブロック図である。
図3】OAMフレームと検知の有無を示す図である。
図4】ネットワーク試験処理を示すフローチャートである。
図5】法人向けネットワークの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
《比較例の法人向けネットワーク》
図5は、法人向けネットワークNの構成を示す図である。
法人向けネットワークNにおいて、回線事業者であるネットワークオペレータ13x,13yの回線は、SIerやリセラーなどの事業者であるサービスプロバイダ12が間に入り、ユーザ11に提供される。法人向けネットワークNは、イーサネット(登録商標)であるため、使用される試験コマンド(OAM)は7階層に分かれている。MEGレベル0〜2がオペレータ、MEGレベル3〜4がプロバイダ、MEGレベル5〜7がユーザとなっている。
【0026】
ユーザ11は、ネットワーク装置2a,2iを有している。ネットワーク装置2aは、サービスプロバイダ12のネットワーク装置2bに接続される。ネットワーク装置2iは、サービスプロバイダ12のネットワーク装置2hに接続される。ネットワーク装置2aとネットワーク装置2iとの間の試験では、MEGレベル5〜7のOAMフレームが用いられる。
【0027】
サービスプロバイダ12は、ネットワーク装置2b,2hを有している。ネットワーク装置2bは、ユーザ11のネットワーク装置2aと、ネットワークオペレータ13xのネットワーク装置2cに接続される。ネットワーク装置2hは、ユーザ11のネットワーク装置2iと、ネットワークオペレータ13yのネットワーク装置2gに接続される。ネットワーク装置2b,2hの間の試験では、MEGレベル3〜4のOAMフレームが用いられる。
【0028】
ネットワークオペレータ13xは、ネットワーク装置2c,2d,2eを有しており、これらは順次接続されている。ネットワーク装置2eは更に、ネットワークオペレータ13yのネットワーク装置2fに接続される。ネットワーク装置2cは更に、サービスプロバイダ12のネットワーク装置2bに接続される。ネットワーク装置2c,2d,2eの間の試験では、MEGレベル0〜2のOAMフレームが用いられる。
【0029】
ネットワークオペレータ13yは、ネットワーク装置2f,2gを有しており、これらは相互に接続されている。ネットワーク装置2fは更に、ネットワークオペレータ13xのネットワーク装置2eに接続される。ネットワーク装置2gは更に、サービスプロバイダ12のネットワーク装置2hに接続される。ネットワーク装置2f,2gの間の試験では、MEGレベル0〜2のOAMフレームが用いられる。
【0030】
MEGレベル0〜2であるネットワーク装置2c,2d,2eのドメインと、MEGレベル0〜2であるネットワーク装置2f,2gのドメインは、図5で示すように隣接することはあるが、重なることはない。
【0031】
これらネットワーク装置2c,2d,2eと、ネットワーク装置2f,2gは、自身より高いMEGレベルであるネットワーク装置2b,2hのOAMフレームを通過させる。MEGレベル3〜4のネットワーク装置2b,2hは、自身より低いMEGレベルであるネットワーク装置2c〜2gのOAMフレームを廃棄する。
【0032】
同様に、ネットワーク装置2b,2hおよびネットワーク装置2c〜2gは、自身より高いMEGレベルであるネットワーク装置2a,2iのOAMフレームを通過させる。MEGレベル5〜7のネットワーク装置2a,2iは、自身より低いMEGレベルであるネットワーク装置2b〜2hのOAMフレームを廃棄する。
【0033】
今後、回線事業者とSIerなどの連携が進むにつれ、故障発生時等に複数の事業者が同じ回線に対する試験を行うことが増加すると思われる。別レイヤで同時に試験を行った際、複数の試験が同じ回線に対して同時に行われることになる。
【0034】
例えば、ネットワークオペレータ13xとサービスプロバイダ12とが同時に試験を実行した場合、ネットワーク装置2b,2hが送受信するOAMフレームは、ネットワークオペレータ13xの各ネットワーク装置2c,2d,2eを通過する。ここでTST(Test PDU)試験のような非稼働中の試験が同時に行われた場合、帯域以上のトラヒックが発生するため、双方の試験が失敗し、よって試験の判定を誤るおそれがある。
【0035】
《本実施形態の法人向けネットワーク》
本実施形態では、自装置が試験を開始する前に、異なるMEGレベルで先行試験されていないか確認したのち、自装置がEOAMフレームを挿入して試験を実施する方式である。自装置の試験実施前に、異なるMEGレベルで先行試験されていないかモニタするので、異なる試験のEOAMフレームによる干渉を防ぐことができる。本実施形態によれば、複数の事業者が同時に試験を行った場合でも正常なスループット測定が可能となり、試験結果の判定誤りをなくすことができる。
【0036】
図1は、本実施形態に係る法人向けネットワークNの構成図である。
法人向けネットワークNにおいて、図5で示す比較例と同様に、回線事業者であるネットワークオペレータ13x,13yの回線は、SIerやリセラーなどの事業者であるサービスプロバイダ12が間に入り、ユーザ11に提供される。法人向けネットワークNは、イーサネット(登録商標)である。
【0037】
ユーザ11は、ネットワーク装置2a,2iを有している。ネットワーク装置2aは、サービスプロバイダ12のネットワーク装置2bに接続される。ネットワーク装置2iは、サービスプロバイダ12のネットワーク装置2hに接続される。ネットワーク装置2aとネットワーク装置2iとの間の試験では、MEGレベル5〜7のOAMフレームが用いられる。
【0038】
サービスプロバイダ12は、ネットワーク装置2b,2hを有している。ネットワーク装置2bは、ユーザ11のネットワーク装置2aと、ネットワークオペレータ13xのネットワーク装置2cに接続される。ネットワーク装置2hは、ユーザ11のネットワーク装置2iと、ネットワークオペレータ13yのネットワーク装置2gに接続される。ネットワーク装置2b,2hの間の試験では、MEGレベル3〜4のOAMフレームが用いられる。ネットワーク装置2b,2hは、それぞれ制御装置3yに接続されて制御される。ここで制御装置3yは制御端末であり、例えば表示部に所望のGUI(Graphical User Interface)画面を表示して、オペレータに入力させるものである。
【0039】
ネットワークオペレータ13xは、ネットワーク装置2c,2d,2eを有しており、これらは順次接続されている。ネットワーク装置2eは更に、ネットワークオペレータ13yのネットワーク装置2fに接続される。ネットワーク装置2cは更に、サービスプロバイダ12のネットワーク装置2bに接続される。
ネットワーク装置2c,2d,2eの間の試験では、MEGレベル0〜2のOAMフレームが用いられる。ネットワーク装置2c,2d,2eは、それぞれ制御装置3xに接続される。制御装置3xは制御端末であり、例えば表示部に所望のGUI画面を表示して、オペレータに入力させるものである。
【0040】
ネットワークオペレータ13yは、ネットワーク装置2f,2gを有しており、これらは相互に接続されている。ネットワーク装置2fは更に、ネットワークオペレータ13xのネットワーク装置2eに接続される。ネットワーク装置2gは更に、サービスプロバイダ12のネットワーク装置2hに接続される。ネットワーク装置2f,2gの間の試験では、MEGレベル0〜2のOAMフレームが用いられる。ネットワーク装置2f,2gは、それぞれ制御装置3yに接続される。以下、各ネットワーク装置2a〜2iを区別しないときには、単にネットワーク装置2と記載する。各制御装置3x,3yを区別しないときには、単に制御装置3と記載する。
【0041】
本実施形態のネットワーク装置2は、自装置が試験を実施する時に、所定期間に亘って自装置内を流れるフレームを監視する。ネットワーク装置2は、先行試験が存在し、かつ自装置で予定するOAM試験が先行試験の結果に影響を与える可能性があるとき、自装置に接続された制御装置3にその旨を通知する。なお、先行試験がスループット測定ならば、ネットワーク装置2は、自身の試験を停止する。
【0042】
図2は、制御装置3とネットワーク装置2を示すブロック図である。
ネットワーク装置2は、入力側のポート20a、PHY/MAC部21aおよびフレーム識別部22aと、スイッチ部23と、CPU(Central Processing Unit)24とを備える。更にネットワーク装置2は、出力側のポート20b、PHY/MAC部21bおよびフレーム識別部22bとを備える。
【0043】
PHY/MAC部21aは、入力側のポート20aに接続され、物理層とMAC(Media Access Control)層の終端を行う。PHY/MAC部21aは、物理的なポート毎に設けられ、イーサネットの物理層信号とイーサネット(登録商標)フレームを示す情報との間の変換を行い、他装置とのリンクの確立処理やフレームの分配処理などを行う。PHY/MAC部21bは、ポート20bに接続されており、このポート20bから入力されるフレームを処理する。
【0044】
フレーム識別部22aは、PHY/MAC部21aで処理されたフレームに関する優先制御とOAM処理を行う。ここで優先制御とは、フレームの順番を決められた設定に従って入れ替えることをいう。またOAM処理とは、外部から到着したOAMフレームの監視と、自装置からOAMフレームを送出することをいう。フレーム識別部22bも同様の機能を有しており、PHY/MAC部21bで処理されたフレームに関する優先制御とOAM処理を行う。
【0045】
具体的にいうと、フレーム識別部22a,22bは、制御装置3から自装置で試験を実施するためのOAM試験コマンドを受信した場合、所定時間に亘って異なるMEGレベルのOAMフレームを監視し、試験停止の対象となるOAMフレーム(図3参照)が流れていないことを確認の上、自装置からOAM試験コマンドを含むOAMフレームを送出する。
【0046】
スイッチ部23は、このネットワーク装置2に接続された複数のコンピュータからデータ伝送処理が同時に発生した場合、交換機のようにデータの伝送先を切り替えてデータの衝突を防ぐ。これにより、法人向けネットワークNの伝送処理能力を高めることができる。
【0047】
CPU24は、このネットワーク装置2を統括制御する処理部である。CPU24は、フレーム識別部22aが先行試験に係るOAMフレームの到着を検知し、かつ自身の試験が先行試験に影響を与えると判定したならば、その旨を制御装置3に通知する。更にCPU24は、先行試験がスループット測定ならば、自身の試験の実行を停止する。これにより、複数の事業者が異なるMEGレベルで同時に試験を行う際の干渉への対処が可能となる。
【0048】
制御装置3は、この装置を統括処理する処理部31と、文字や図形などを表示する表示部32と、オペレータの入力した情報を受け付ける入力部33とを備えている。
処理部31は、例えばCPUとROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)と記憶部で構成される。CPUが記憶部に格納された制御プログラムを実行することで、制御装置3の各種機能が具現化される。
表示部32は、例えば液晶パネルなどで構成される。処理部31は、表示部32に情報を表示することで制御状態をオペレータに通知する。
入力部33は、例えばキーボードやマウスなどで構成される。
例えばオペレータが入力部33を介して試験開始を指示すると、制御装置3はネットワーク装置2に対してOAM試験コマンドを送信する。
【0049】
制御装置3から受信したOAM試験コマンドと、フレーム識別部22aを流れるイーサネット(登録商標)フレームの双方が検知対象のOAMフレームであった場合、CPU24は、制御装置3に異なるMEGレベルで試験中である旨を通知する。異なるMEGレベルのOAMフレームが停止対象であった場合、試験の再実行の有無およびその待ち時間の入力画面を表示部32に表示してオペレータに入力させ、その入力情報を入力部33で受け付ける。
【0050】
更に試験中、他のネットワーク装置2から非稼働中の試験に係るOAMフレームが到着した場合、試験終了時に制御装置3に対し、試験中に異なるMEGレベルの試験があった旨を表示部32に表示してオペレータに通知する。これらの処理について、後記する図4で詳細に説明する。
【0051】
図3は、OAMフレームと検知の有無を示す図である。
フレーム識別部22a,22b(図2参照)は、OAM種別のうち、故障探索等の試験用のOAMフレームであるETH−LBとETH−LTとETH−Testについて検知する。ここでETH−LBとは、イーサネット(登録商標)ループバックのことであり、MEPとMIP(MEG Intermediate Point)またはピアMEPとの接続を確認する機能のことをいう。
【0052】
ETH−LTとは、イーサネット(登録商標)リンクトレースのことであり、隣接関係の取得機能と故障点評定機能のことをいう。ETH−Testは、スループット測定に用いられることが多い。そのため、ETH−Testを検知した場合は、自装置のOAM試験を中止する。ETH−Testとは、イーサネット(登録商標)テスト信号のことをいう。
【0053】
図4は、ネットワーク試験処理を示すフローチャートである。
最初、ネットワーク装置2は、制御装置3からOAM試験コマンドを受信する(S10)。これは、制御装置3による試験の実施指示である。
ネットワーク装置2のCPU24は、フレーム識別部22aにより、所定期間に亘って外部から受信したフレームをモニタリングする(S11)。ネットワーク装置2のCPU24は、このモニタリングにおいて、制御装置3から受信したOAM試験コマンドと、外部から受信したOAMフレームの両方が対象のOAMフレームであるか判定する(S12)。ここで、対象のOAMフレームとは、図3に示した「検知有り」のOAMフレームのことであり、具体的にはETH−LB、ETH−LT、ETH−Testのうちいずれかである。
【0054】
ステップS12において、CPU24は、対象のOAMフレームを検知したならば(Yes)、ステップS13の処理に進む。CPU24は、対象のOAMフレームを検知しなかったならば(No)、ステップS18の処理に進んで試験を開始する。
【0055】
ステップS13において、CPU24は、自装置の試験前に先行試験中を検知した旨を制御装置3に送信する。CPU24は更に、制御装置3から受信したOAM試験コマンドと、外部から受信したOAMフレームの両方がスループット測定に係るものか否かを判定する(S14)。
ステップS14において、CPU24は、OAM試験コマンドとOAMフレームの両方がスループット測定ならば(Yes)、ステップS15の処理に進む。CPU24は、OAM試験コマンドとOAMフレームのうち少なくとも一方がスループット測定以外ならば(No)、ステップS18の処理に進む。ここでCPU24は、OAM試験コマンドとOAMフレームの両方がETH−Testならば、スループット測定であると判定する。
【0056】
CPU24は、自装置の試験の終了と再実施の選択、および再実施するまでの設定時間を入力する画面を制御装置3の表示部32に表示させて(S15)、入力部33の入力結果を判定する(S16)。CPU24は、再実施が入力されたならば、設定時間に基づくウエイトを実施し(S17)、ステップS11の処理に戻る。CPU24は、終了が入力されたならば、制御装置3に対して試験結果を送信し(S23)、表示部32に表示させて図4の処理を終了する。
【0057】
ステップS18において、CPU24は、自装置の試験を開始する。CPU24は、自装置の試験中に、異なるMEGレベルかつ対象のOAMフレームを検知したか否かを判定する(S19)。CPU24は、異なるMEGレベルかつ対象のOAMフレームを検知したならば(Yes)、他の試験を検知した旨を制御装置3に送信し(S21)、表示部32に表示させ、自装置の試験を終了して(S22)、ステップS23の処理に進む。
【0058】
ステップS19において、CPU24は、異なるMEGレベルかつ対象のOAMフレームを検知しなかったならば(No)、ステップS20の処理に進んで、自装置の試験が継続中か否かを判定する。
【0059】
ステップS20において、CPU24は、自装置の試験が継続中ならば(Yes)、ステップS19の処理に戻り、自装置の試験が継続中でないならば(No)、試験を終了して(S22)、制御装置3に対して試験結果を送信し(S23)、表示部32に表示させて図4の処理を終了する。
【0060】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(e)のようなものがある。
【0061】
(a) 本発明の対象となるEOAMの規格は、IEEE・ITU−T・MEF・ベンダ独自規格のうちいずれであってもよい。
(b) 本発明のOAMフレームには、リンクOAM(IEEE802.3ah)、コネクティビティOAM(IEEE802.1ag)、サービスOAM(IEEE802.1ag)の3つが対象として含まれる。
(c) 制御装置3の機能は、ネットワーク装置2のうちいずれかに組み込まれていてもよい。
【0062】
(d) 図4に示すフローチャートは、CPU24が実行する制御プログラムによって実現されてもよく、ハードウェアロジックで実現されてもよく、限定されない。
(e) ネットワーク装置2が先行試験中であることを送信したり、他の試験を検知した旨を送信する先は、制御装置3に限定されず、任意の装置(端末)であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
11 ユーザ
12 サービスプロバイダ
13x ネットワークオペレータ
13y ネットワークオペレータ
2,2a〜2i ネットワーク装置
21a,21b PHY/MAC部
22a,22b フレーム識別部 (監視部)
23 スイッチ部
24 CPU (処理部)
3,3x,3y 制御装置
31 処理部
32 表示部
33 入力部
図1
図2
図3
図4
図5