【実施例1】
【0039】
実施例1では、自動車の車室における底部となる車室底部1において、中空二重壁構造体のフロアパネル11がフロアクロスメンバの車両上方に配設された自動車のパネル構造について、
図1から
図8を用いて説明する。
【0040】
なお、
図1は自動車の車室底部1における車両前方上方視の外観斜視図を示し、
図2はフロアパネル11を取外した状態における車室底部1の分解斜視図を示し、
図3は
図1中のA−A矢視断面図を示し、
図4は
図1中のB−B矢視断面図を示し、
図5は
図3中における車両右側を拡大した拡大断面図を示し、
図6はフロアパネル11の車両前方下方視における外観斜視図を示し、
図7はフロアパネル11の取付け工程を説明する説明図を示し、
図8はフロアパネル11の締結工程を説明する説明図を示している。
【0041】
また、図示を明確にするため、
図2中においてプロペラシャフト12、及び排気管13の図示を省略するとともに、
図5中においてコア材120の図示を省略している。さらに、
図2、
図5、
図6、及び
図7は、車両右側の車室底部1を図示している。
また、図中において、矢印Fr及びRrは前後方向を示しており、矢印Frは前方を示し、矢印Rrは後方を示している。
さらに、矢印Rh及びLhは幅方向を示しており、矢印Rhは右方向を示し、矢印Lhは左方向を示している。加えて、矢印INは車幅方向内側を示し、矢印OUTは車幅方向外側を示している。
【0042】
自動車の車室底部1は、
図1から
図4に示すように、車幅方向に所定間隔を隔てた位置で車両前後方向に延びる車体骨格部材である左右一対のサイドシル3と、サイドシル3の間を車両前後方向に延びるフロアトンネル4と、フロアトンネル4の下部を車両前後方向に延びる車体骨格部材である左右一対のトンネルサイドフレーム5と、サイドシル3の前端、及びトンネルサイドフレーム5の前端を車幅方向に連結する車体骨格部材である前側クロスメンバ6と、サイドシル3の後端、及びトンネルサイドフレーム5の後端を車幅方向に連結する車体骨格部材である後側クロスメンバ7とを備えている。
【0043】
さらに、自動車の車室底部1は、
図1から
図4に示すように、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7を車両前後方向に連結する車体骨格部材である左右一対のフロアフレーム8と、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5を車幅方向に連結する車体骨格部材である左右一対の第1フロアクロスメンバ9、及び左右一対の第2フロアクロスメンバ10と、車室の床面をなす左右一対のフロアパネル11とを備えている。
【0044】
左右一対のサイドシル3は、
図1及び
図3に示すように、押出成形されたアルミ合金製の押出し部材であって、車幅方向内側が傾斜した傾斜面を有する略台形状の閉断面を車両前後方向に延設した閉断面部材に形成されている。
【0045】
具体的には、サイドシル3は、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、車両上下方向で対向して上面、及び下面をなす上面部3a、及び下面部3bと、車幅方向で対向して側面をなす外方側面部3c、及び内方側面部3dと、閉断面空間を上下に隔てる上側節部3e、及び下側節部3fと、フロアパネル11が載置されるフランジ部3gとで一体形成されている。
【0046】
上面部3aは、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、車両上下方向に所定の厚みを有するとともに、上面が平坦な断面略平板状に形成されている。
下面部3bは、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、車両上下方向に所定の厚みを有するとともに、下面が平坦な断面略平板状に形成されている。なお、下面部3bは、上面部3aにおける車幅方向の長さよりも僅かに長い車幅方向の長さを有する形状に形成されている。
【0047】
外方側面部3cは、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面における断面形状が、車幅方向に所定の厚みを有する略平板状であって、上面部3aにおける車幅方向外側の縁端と、下面部3bにおける車幅方向外側の縁端とを、略同じ車幅方向の位置で車両上下方向に連結している。
【0048】
内方側面部3dは、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面における断面形状が車幅方向に所定の厚みを有する略平板状であって、上面部3aにおける車幅方向内側の縁端と、下面部3bにおける車幅方向内側の縁端とを連結している。つまり、内方側面部3dは、上端に対して下端が車幅方向内側に位置するように所定角度で傾斜した形状に形成されている。
【0049】
上側節部3eは、
図5に示すように、上面部3a、下面部3b、外方側面部3c、及び内方側面部3dで形成された閉断面部の内部空間である閉断面空間の上部を上下に仕切るように隔てる略平板状に形成されている。
より詳しくは、上側節部3eは、
図5に示すように、トンネルサイドフレーム5の上面(後述するトンネルサイドフレーム5の上面部5a)と略同じ車両上下方向の位置において、外方側面部3cと内方側面部3dとを車幅方向に連結する略平板状に形成されている。
【0050】
下側節部3fは、
図5に示すように、上面部3a、下面部3b、外方側面部3c、及び内方側面部3dで形成された閉断面部の内部空間である閉断面空間の下部を上下に仕切るように隔てる略平板状に形成されている。
より詳しくは、下側節部3fは、
図5に示すように、上側節部3eと下面部3bとの間における車両上下方向略中央において、外方側面部3cと内方側面部3dとを車幅方向に連結する略平板状に形成されている。
【0051】
フランジ部3gは、
図5に示すように、内方側面部3dの下部から車幅方向内側へ向けて延設されるとともに、サイドシル3の前端から後端に至る車両前後方向の長さを有する略平板状に形成されている。
より詳しくは、フランジ部3gは、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、下面部3bの下面に連続する下面を有するとともに、下面部3bの肉厚に対して略半分の肉厚を有する略平板状に形成されている。
【0052】
また、フロアトンネル4は、
図1及び
図3に示すように、左右のサイドシル3の間における車幅方向略中央に配設されている。なお、フロアトンネル4の内部には、
図1及び
図3に示すように、車両前後方向に延びるプロペラシャフト12や排気管13が配設されている。
【0053】
具体的には、フロアトンネル4は、
図3に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、サイドシル3の上面部3aよりも車両上方に位置して上面をなす略平板状のトンネル上面部4aと、トンネル上面部4aにおける車幅方向両端からそれぞれ車幅方向外側、かつ車両下方へ向けて略平板状に延設された左右一対のトンネル傾斜面部4bとで、断面略門型形状に一体形成されている。
【0054】
また、左右一対のトンネルサイドフレーム5は、
図1及び
図3に示すように、押出成形されたアルミ合金製の押出し部材であって、上辺に対して下辺が車幅方向内側に位置する略平行四辺形の閉断面を車両前後方向に延設した閉断面部材に形成されている。
【0055】
このトンネルサイドフレーム5は、
図3に示すように、サイドシル3の下端と略同じ車両上下方向の位置に下端が位置する状態において、フロアトンネル4におけるトンネル傾斜面部4bの下部に接合されている。
【0056】
具体的には、トンネルサイドフレーム5は、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、車両上下方向で対向して上面、及び下面をなす上面部5a、及び下面部5bと、車幅方向で対向して側面をなす内方側面部5c、及び外方側面部5dと、閉断面空間を上下に隔てる節部5eと、フロアパネル11が載置されるフランジ部5fとで一体形成されている。
【0057】
上面部5aは、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、車両上下方向に所定の厚みを有するとともに、上面が平坦な断面略平板状に形成されている。この上面部5aは、
図5に示すように、サイドシル3の上側節部3eと略同じ車両上下方向の位置に配設されている。
【0058】
下面部5bは、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、車両上下方向に所定の厚みを有するとともに、下面が平坦な断面略平板状に形成されている。この下面部5bは、
図5に示すように、サイドシル3の下面部3bと略同じ車両上下方向の位置において、上面部5aよりも僅かに車幅方向外側に配設されている。
【0059】
内方側面部5cは、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、フロアトンネル4のトンネル傾斜面部4bに対して略平行となる傾斜角度で、上端に対して下端が車幅方向に位置するように傾斜した略平板状に形成されている。
外方側面部5dは、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、内方側面部5cに対して略平行となる傾斜角度で、上端に対して下端が車幅方向内側に位置するように傾斜した略平板状に形成されている。
【0060】
節部5eは、
図5に示すように、上面部5a、下面部5b、内方側面部5c、及び外方側面部5dで形成された閉断面部の内部空間である閉断面空間を上下に仕切るように隔てる略平板状に形成されている。
より詳しくは、節部5eは、
図5に示すように、サイドシル3の上側節部3eと略同じ車両上下方向の位置において、内方側面部5cと外方側面部5dとを車幅方向に連結する略平板状に形成されている。
【0061】
フランジ部5fは、
図5に示すように、外方側面部5dの下部から車幅方向外側へ向けて延設されるとともに、トンネルサイドフレーム5の前端から後端に至る車両前後方向の長さを有する略平板状に形成されている。
より詳しくは、フランジ部5fは、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、下面部5bの下面に連続する下面を有するとともに、下面部5bの肉厚に対して略半分の肉厚を有する略平板状に形成されている。
【0062】
また、前側クロスメンバ6は、
図1及び
図2に示すように、サイドシル3の下端と略同じ車両上下方向の位置に下端が位置する状態において、サイドシル3の内方側面部3dにおける前端近傍と、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dにおける前端近傍とを、車幅方向に連結している。なお、前側クロスメンバ6には、詳細な図示を省略するが、車室とエンジンルームとを隔てる隔壁をなすダッシュパネルの下端が接合されるものとする。
【0063】
この前側クロスメンバ6は、
図4に示すように、押出成形されたアルミ合金製の押出し部材であって、車両後方側が傾斜した傾斜面を有する略台形状の閉断面を車幅方向に延設した閉断面部材に形成されている。
具体的には、前側クロスメンバ6は、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、車両上下方向で対向して上面、及び下面をなす上面部6a、及び下面部6bと、車両前後方向で対向して前面、及び後面をなす前面部6c、及び後面部6dとで一体形成されている。
【0064】
上面部6aは、
図1及び
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、車両上下方向に所定の厚みを有するとともに、上面が平坦な断面略平板状に形成されている。なお、上面部6aは、トンネルサイドフレーム5の上面部5aと略同じ車両上下方向の位置に配設されている。
【0065】
下面部6bは、トンネルサイドフレーム5の下面部5bと略同じ車両上下方向の位置に配設されている。より詳しくは、下面部6bは、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、車両上下方向に所定の厚みを有するとともに、下面が平坦な断面略平板状に形成されている。なお、下面部6bは、上面部6aにおける車両前後方向の長さよりも僅かに長い車両前後方向の長さを有する形状に形成されている。
【0066】
さらに、この下面部6bには、詳細な図示を省略するが、サイドシル3のフランジ部3gが嵌合するように凹設した凹設部分が車幅方向外側に形成され、トンネルサイドフレーム5のフランジ部5fが嵌合するように凹設された凹設部分が車幅方向内側に形成されている。
【0067】
前面部6cは、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面における断面形状が車両前後方向に所定の厚みを有する略平板状であって、上面部6aの前端縁と下面部6bの前端縁とを、略同じ車両前後方向の位置で車両上下方向に連結している。
【0068】
後面部6dは、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面における断面形状が車両前後方向に所定の厚みを有する略平板であって、上面部6aの後端縁と下面部6bの後端縁とを連結している。つまり、後面部6dは、上端に対して下端が車両後方に位置するように所定角度で傾斜した形状に形成されている。
【0069】
また、後側クロスメンバ7は、
図1及び
図2に示すように、サイドシル3の下端と略同じ車両上下方向の位置に下端が位置する状態において、サイドシル3の内方側面部3dにおける後端近傍と、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dにおける後端近傍とを、車幅方向に連結している。なお、後側クロスメンバ7には、詳細な図示を省略するが、荷室の床面をなす荷室床面パネルの前端が接合されるものとする。
【0070】
この後側クロスメンバ7は、
図4に示すように、押出成形されたアルミ合金製の押出し部材であって、車両前方側が傾斜した傾斜面を有する略台形状の閉断面を車幅方向に延設した閉断面部材に形成されている。
具体的には、後側クロスメンバ7は、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、車両上下方向で対向して上面、及び下面をなす上面部7a、及び下面部7bと、車両前後方向で対向して後面、及び前面をなす後面部7c、及び前面部7dとで一体形成されている。
【0071】
上面部7aは、
図1及び
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、車両上下方向に所定の厚みを有するとともに、上面が平坦な断面略平板状に形成されている。なお、上面部7aは、トンネルサイドフレーム5の上面部5aと略同じ車両上下方向の位置に配設されている。
【0072】
下面部7bは、トンネルサイドフレーム5の下面部5bと略同じ車両上下方向の位置に配設されている。より詳しくは、下面部7bは、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、車両上下方向に所定の厚みを有するとともに、下面が平坦な断面略平板状に形成されている。なお、下面部7bは、上面部7aにおける車両前後方向の長さよりも僅かに長い車両前後方向の長さを有する形状に形成されている。
【0073】
さらに、この下面部7bには、詳細な図示を省略するが、サイドシル3のフランジ部3gが嵌合するように凹設した凹設部分が車幅方向外側に形成され、トンネルサイドフレーム5のフランジ部5fが嵌合するように凹設された凹設部分が車幅方向内側に形成されている。
【0074】
後面部7cは、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面における断面形状が車両前後方向に所定の厚みを有する略平板状であって、上面部7aの後端縁と下面部7bの後端縁とを、略同じ車両前後方向の位置で車両上下方向に連結している。
【0075】
前面部7dは、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面における断面形状が車両前後方向に所定の厚みを有する略平板であって、上面部7aの前端縁と下面部7bの前端縁とを連結している。つまり、前面部7dは、上端に対して下端が車両前方に位置するように所定角度で傾斜した形状に形成されている。
【0076】
また、フロアフレーム8は、
図2及び
図3に示すように、サイドシル3の下端と略同じ車両上下方向の位置に下端が位置する状態において、前側クロスメンバ6の後面部6dにおける車幅方向略中央の下部と、後側クロスメンバ7の前面部7dにおける車幅方向略中央の下部とを車両前後方向に連結している。
【0077】
このフロアフレーム8は、
図2、
図3、及び
図5に示すように、押出成形されたアルミ合金製の押出し部材であって、サイドシル3の下側節部3f、及びトンネルサイドフレーム5の節部5eに略同じ車両上下方向の位置に上面を有する略矩形の閉断面を、車両前後方向に延設した閉断面部材に形成されている。
【0078】
なお、フロアフレーム8は、
図2に示すように、側面視において、前端面が、前側クロスメンバ6の後面部6dと略同じ傾斜角度で傾斜した端面形状に形成され、後端面が、後側クロスメンバ7の前面部7dと略同じ傾斜角度で傾斜した端面形状に形成されている。
【0079】
さらに、フロアフレーム8の上面、及び下面には、後述する締結部材14を車両上下方向に沿って挿通可能な開口が、車両前後方向に所定間隔を隔てて複数開口形成されている(
図8参照)。なお、上面の開口を締結孔8aとし、下面の開口を挿通孔8bとして、締結孔8aに対して挿通孔8bが僅かに大径に形成されている(
図8参照)。
【0080】
また、第1フロアクロスメンバ9は、
図2及び
図4に示すように、サイドシル3における車両前後方向略中央よりも車両前方の位置において、サイドシル3の内方側面部3dにおける下部と、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dにおける下部とを、フロアフレーム8を挟んで車幅方向に連結している。
【0081】
この第1フロアクロスメンバ9は、
図4に示すように、押出形成されたアルミ合金製の押出し部材であって、フロアフレーム8と略同じ車両上下方向の長さを有する略矩形の閉断面を車幅方向に延設した閉断面部材に形成されている。つまり、第1フロアクロスメンバ9は、サイドシル3の下側節部3f、及びトンネルサイドフレーム5の節部5eに略同じ車両上下方向の位置に、その上面が位置する閉断面部材に形成されている。
【0082】
なお、第1フロアクロスメンバ9は、
図2及び
図5に示すように、正面視において、車幅方向外側の端面が、サイドシル3の内方側面部3dと略同じ傾斜角度で傾斜した端面形状に形成され、車幅方向内側の端面が、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dと略同じ傾斜角度で傾斜した端面形状に形成されている。
【0083】
具体的には、第1フロアクロスメンバ9は、
図2、
図4、及び
図5に示すように、サイドシル3の下端、及びトンネルサイドフレーム5の下端と略同じ車両上下方向の位置に下端が位置する状態において、サイドシル3の内方側面部3d、及びフロアフレーム8とを連結する車幅方向外側の閉断面部材と、トンネルサイドフレーム5の外方側面部3c、及びフロアフレーム8を連結する車幅方向内側の閉断面部材とで構成されている。
【0084】
さらに、第1フロアクロスメンバ9の上面、及び下面には、詳細な図示を省略するが、フロアフレーム8と同様に、後述する締結部材14を車両上下方向に沿って挿通可能な開口が、車幅方向に所定間隔を隔てて複数開口形成されている。
【0085】
また、第2フロアクロスメンバ10は、
図2及び
図4に示すように、サイドシル3における車両前後方向略中央よりも車両後方の位置において、サイドシル3の内方側面部3dと、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dとを、フロアフレーム8を挟んで車幅方向に連結している。この第2フロアクロスメンバ10は、上述した第1フロアクロスメンバ9と同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0086】
なお、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10には、サイドシル3のフランジ部3gが嵌合するように凹設した凹設部分が、車幅方向外側の閉断面部材に形成され、トンネルサイドフレーム5のフランジ部5fが嵌合するように凹設された凹設部分が、車幅方向内側の閉断面部材に形成されている。
【0087】
また、フロアパネル11は、
図2及び
図3に示すように、サイドシル3、トンネルサイドフレーム5、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7で囲われた開口を閉塞する形状に形成されている。
このフロアパネル11は、
図2、
図3、及び
図5に示すように、密閉された内部空間を有する二重壁構造体であるフロアパネル本体110と、フロアパネル本体110の内部空間に配設されたコア材120とで構成されている。
【0088】
フロアパネル本体110は、
図2、
図3、及び
図5に示すように、サイドシル3の下面部3bと上側節部3eとの間隔と略同じ車両上下方向の長さを有する二重壁構造体であって、車両前後方向に所定間隔を隔てて対向する前面、及び後面となる前面部111、及び後面部112と、車幅方向に所定間隔を隔てて対向する側面となる内方側面部113、及び外方側面部114と、車両上下方向に所定間隔を隔てて対向する上面、及び下面となる天板部115、及び底板部116とで一体形成されている。
【0089】
前面部111、及び後面部112は、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、前側クロスメンバ6の後面部6dと後側クロスメンバ7の前面部7dとの間隔と略同じ車両前後方向の間隔を隔てて対向している。
【0090】
このうち、前面部111は、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、前側クロスメンバ6の後面部6dに対して略平行となる傾斜角度で、上端に対して下端が車両後方に位置するように傾斜した略平板状に形成されている。さらに、前面部111における車幅方向略中央には、後述するフレーム嵌合部分117に対応して、下端縁を車両上方へ凹設するように切り欠いた切欠き部分が形成されている。
【0091】
一方、後面部112は、
図4に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、後側クロスメンバ7の前面部7dに対して略平行となる傾斜角度で、上端に対して下端が車両前方に位置するように傾斜した略平板状に形成されている。さらに、後面部112における車幅方向略中央には、後述するフレーム嵌合部分117に対応して、下端縁を車両上方へ凹設するように切り欠いた切欠き部分が形成されている。
【0092】
また、内方側面部113、及び外方側面部114は、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、サイドシル3の内方側面部113とトンネルサイドフレーム5の外方側面部5dとの間隔と略同じ車幅方向の間隔を隔てて対向している。
【0093】
このうち、内方側面部113は、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dに対して略平行となる傾斜角度で、上端に対して下端が車幅方向外側に位置するように傾斜した略平板状に形成されている。さらに、内方側面部113には、後述する第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119に対応して、下端縁を車両上方へ凹設するように切り欠いた切欠き部分が形成されている。
【0094】
一方、外方側面部114は、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、サイドシル3の内方側面部5cに対して略平行となる傾斜角度で、上端に対して下端が車幅方向内側に位置するように傾斜した略平板状に形成されている。さらに、外方側面部114には、後述する第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119に対応して、下端縁を車両上方へ凹設するように切り欠いた切欠き部分が形成されている。
【0095】
天板部115は、
図2、
図4、及び
図5に示すように、前面部111、後面部112、内方側面部113、及び外方側面部114で囲われた車両上方側の開口を覆うとともに、床面をなす略平板状に形成されている。
より詳しくは、天板部115は、
図4及び
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、サイドシル3の上側節部3e、及びトンネルサイドフレーム5の上面部5aと略同じ車両上下方向の位置に配設されるとともに、上面が平坦な断面略平板状に形成されている。
【0096】
底板部116は、
図4から
図6に示すように、前面部111、後面部112、内方側面部113、及び外方側面部114で囲われた車両下方側の開口を覆うとともに、自動車の底部においてアンダーカバーとして機能する略平板状に形成されている。
【0097】
より詳しくは、底板部116は、
図5に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、サイドシル3の下面部3b、及びトンネルサイドフレーム5の下面部5bと略同じ車両上下方向の位置に配設されるとともに、下面が平坦な断面略平板状に形成されている。
【0098】
さらに、底板部116には、
図5及び
図6に示すように、サイドシル3のフランジ部3gに対向する部分を車両上方へ凹設した外方嵌合部分116aが車幅方向外側の縁端に沿って形成され、トンネルサイドフレーム5のフランジ部5fに対向する部分を車両上方へ向けて凹設した内方嵌合部分116bが車幅方向内側の縁端に沿って形成されている。
【0099】
加えて、底板部116には、
図5及び
図6に示すように、車両前後方向に延びる凹溝状のフレーム嵌合部分117と、車幅方向に延びる凹溝状の第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119が形成されている。
フレーム嵌合部分117は、
図5及び
図6に示すように、フロアフレーム8と略同じ車幅方向の位置において、フロアフレーム8が嵌合可能な大きさで車両上方へ凹設されるとともに、車両前後方向に延びる溝形状に形成されている。
【0100】
このフレーム嵌合部分117の上面には、フロアフレーム8の締結孔8aに対向する位置に、フロアフレーム8の締結孔8aと略同径で、後述する締結部材14が挿通可能な締結孔117aが、車両前後方向に沿って複数開口形成されている(
図8参照)。
【0101】
第1メンバ嵌合部分118は、
図4及び
図6に示すように、第1フロアクロスメンバ9と略同じ車両前後方向の位置において、第1フロアクロスメンバ9が嵌合可能な大きさで車両上方へ凹設されるとともに、車幅方向に延びる溝形状に形成されている。
【0102】
この第1メンバ嵌合部分118の上面には、詳細な図示を省略するが、フレーム嵌合部分117と同様に、後述する締結部材14を車両上下方向に沿って挿通可能な開口が、第1フロアクロスメンバ9に設けた開口に対向する位置に開口形成されている。
【0103】
第2メンバ嵌合部分119は、
図4及び
図6に示すように、第2フロアクロスメンバ10と略同じ車両前後方向の位置において、第2フロアクロスメンバ10が嵌合可能な大きさで車両上方へ凹設されるとともに、車幅方向に延びる溝形状に形成されている。
【0104】
この第2メンバ嵌合部分119の上面には、詳細な図示を省略するが、フレーム嵌合部分117と同様に、後述する締結部材14を車両上下方向に沿って挿通可能な開口が、第2フロアクロスメンバ10に設けた開口に対向する位置に開口形成されている。
【0105】
そして、上述した構成のフロアパネル本体110は、前面部111、後面部112、内方側面部113、外方側面部114、天板部115、及び底板部116が、互いに隙間なく接合されることで、車両上下方向で対向する天板部115、及び底板部116を有する中空二重壁構造体を構成している。
【0106】
一方、コア材120は、
図3及び
図4に示すように、フロアパネル本体110の閉断面空間に充填された吸音性、または/および断熱性を有する多孔質部材であって、例えば、合成ゴム製の連続気泡構造体、あるいは繊維材を絡めたフェルトなどで構成されている。
【0107】
引き続き、上述した構成の自動車の車室底部1において、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5に、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7が接合された車体に対して、フロアフレーム8、第1フロアクロスメンバ9、第2フロアクロスメンバ10、及びフロアパネル11を組付けるパネル組付け方法について簡単に説明する。
【0108】
まず、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10が接合されたフロアフレーム8を、
図2及び
図7に示すように、サイドシル3、トンネルサイドフレーム5、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7で囲われた開口に、車両上方から挿入するように取付ける。
【0109】
この際、第1フロアクロスメンバ9における車幅方向の両端面、及び第2フロアクロスメンバ10における車幅方向の両端面を、サイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部3cに載置し、フロアフレーム8における車両前後方向の両端面を、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dに載置するように、車両上方から取付ける。
【0110】
これにより、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10が接合されたフロアフレーム8は、サイドシル3の内方側面部3d、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dに沿って案内されながら、所望位置へ向けて移動する。
【0111】
そして、所望位置に配設されたフロアフレーム8を、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7に接合し、所望位置に配設された第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10を、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5に接合して、車室底部1の車体骨格を構成する。
【0112】
さらに、サイドシル3の内方側面部3d、及びフランジ部3gの上面と、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、及びフランジ部5fの上面と、前側クロスメンバ6の後面部6dと、後側クロスメンバ7の前面部7dとに接着剤を塗布する。
その後、フロアパネル11を、
図2及び
図7に示すように、車室底部1を構成する車体骨格に対して車両上方から取付ける。
【0113】
この際、フロアパネル11の前面部111、及び後面部112を、それぞれ前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dに載置し、フロアパネル11の内方側面部113、及び外方側面部114を、それぞれサイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部3cに載置するように、車両上方から取付ける。
【0114】
そして、フロアパネル11の前面部111、後面部112、内方側面部113、及び外方側面部114が、それぞれ前側クロスメンバ6の後面部6d、後側クロスメンバ7の前面部7d、サイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部3cに当接すると、フロアパネル11は、サイドシル3の内方側面部3d、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dによって案内されながら、所望位置へ向けて移動する。
【0115】
さらに、フロアパネル11の所望位置への移動に伴い、フロアパネル11のフレーム嵌合部分117、第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119に、それぞれフロアフレーム8、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10を嵌合させて、フロアパネル11を所望位置に配設する。
【0116】
その後、フロアパネル11のフレーム嵌合部分117とフロアフレーム8とを締結部材14で締結固定するとともに、フロアパネル11の第1メンバ嵌合部分118と第1フロアクロスメンバ9とを締結部材14で締結固定し、第2メンバ嵌合部分119と第2フロアクロスメンバ10とを締結部材14で締結固定する。
【0117】
より詳しくは、締結部材14は、
図8に示すように、中空壁用のアンカーボルトであって、例えば、ボルト本体141と、ボルト本体141の軸部に回動可能な状態で設けたナット部142と、弾性力によってナット部142を90度回動させる板バネなどで構成されている。
このような構成の締結部材14を、
図8(a)に示すように、フロアフレーム8の挿通孔8bを介して、フロアフレーム8の締結孔8a、及びフレーム嵌合部分117の締結孔117aに挿通する。
【0118】
そして、ナット部142がフロアパネル11の内部空間に到達すると、締結部材14のナット部142は、
図8(b)に示すように、フロアパネル11の内部空間において、板バネなどの弾性力によって90度回動して、ボルト本体141の軸部が螺合可能な状態に移行する。その後、
図8(c)に示すように、ボルト本体141が締め付けられることで、フロアパネル11のフレーム嵌合部分117とフロアフレーム8とが締結固定される。
【0119】
なお、締結部材14を用いたフロアパネル11の第1メンバ嵌合部分118と第1フロアクロスメンバ9との締結、及び締結部材14を用いた第2メンバ嵌合部分119と第2フロアクロスメンバ10との締結も同様のため、実施例1では詳細な説明を省略する。
【0120】
このようにして、互いに接合されたサイドシル3、トンネルサイドフレーム5、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7に対して、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10が接合されたフロアフレーム8、並びにフロアパネル11を、この順番で組付けることで、車室底部1を構成する。
【0121】
以上のように、所定間隔を隔てた位置で車両前後方向に延びるサイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5と、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5の間に配設された中空二重壁構造のフロアパネル11とを備えた自動車のパネル構造は、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5が、車両前後方向から見て、互いに対向するとともに、互いの間隔が車両下方ほど幅狭になるように傾斜した傾斜面であるサイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部5dを備え、フロアパネル11が、サイドシル3の下面部3b、及びトンネルサイドフレーム5の下面部5bに略同じ車両上下方向位置に位置する下面である底板部116と、サイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部3cにそれぞれ当接する側面である外方側面部114、及び内方側面部113とを備え、外方側面部114、及び内方側面部113が、サイドシル3の内方側面部3dとトンネルサイドフレーム5の外方側面部3cとの間隔と略同じ間隔で対向配置されるとともに、隣接するサイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部5dと略同じ傾斜角度で傾斜した形状に形成されたことにより、中空二重壁構造のフロアパネル11の車体に対する組付け性、及び支持性能を向上することができる。
【0122】
また、所定間隔を隔てた位置で車幅方向に延びる前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7と、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7の間に配設された中空二重壁構造のフロアパネル11とを備えた自動車のパネル構造は、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7が、車幅方向から見て、互いに対向するとともに、互いの間隔が車両下方ほど幅狭になるように傾斜した傾斜面である前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dを備え、フロアパネル11が、前側クロスメンバ6の下面部6b、及び後側クロスメンバ7の下面部7bに略同じ車両上下方向位置に位置する下面である底板部116と、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dにそれぞれ当接する側面である前面部111、及び後面部112を備え、前面部111、及び後面部112が、前側クロスメンバ6の後面部6dと後側クロスメンバ7の前面部7dとの間隔と略同じ間隔で対向配置されるとともに、隣接する前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dと略同じ傾斜角度で傾斜した形状に形成されたことにより、中空二重壁構造のフロアパネル11の車体に対する組付け性、及び支持性能を向上することができる。
【0123】
具体的には、サイドシル3の内方側面部3dとフロアパネル11の外方側面部114とが略同じ傾斜角度で傾斜し、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dとフロアパネル11の内方側面部113とが略同じ傾斜角度で傾斜し、前側クロスメンバ6の後面部6dとフロアパネル11の前面部111とが略同じ傾斜角度で傾斜し、後側クロスメンバ7の前面部7dとフロアパネル11の後面部112とが略同じ傾斜角度で傾斜しているため、自動車のパネル構造は、サイドシル3の内方側面部3d、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dに、フロアパネル11の外方側面部114、内方側面部113、前面部111、及び後面部112を載置するように、フロアパネル11を車両上方から車両下方へ向けて取付けることになる。
【0124】
この際、フロアパネル11の外方側面部114、内方側面部113、前面部111、及び後面部112が、サイドシル3の内方側面部3d、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dに接触することで、サイドシル3の内方側面部3d、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dは、フロアパネル11の車両下方へ移動を案内することができる。このため、自動車のパネル構造は、サイドシル3、トンネルサイドフレーム5、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7の間において、フロアパネル11を所望位置に容易に配設することができる。
【0125】
さらに、フロアパネル11の外方側面部114、及び内方側面部113が、サイドシル3の内方側面部3dとトンネルサイドフレーム5の外方側面部5dとの間隔と略同じ間隔で、フロアパネル11の前面部111、及び後面部112が、前側クロスメンバ6の後面部6dと後側クロスメンバ7の前面部7dとの間隔と略同じ間隔のため、自動車のパネル構造は、所望位置に配設されたフロアパネル11の底板部116を、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5の下面に数ミリの誤差範囲内で略一致させることができる。
このため、例えば、フロアパネル11の底板部116を略平坦に形成することで、自動車のパネル構造は、フロアパネル11の底板部116を、車体の底部を略平坦にするアンダーカバーとして機能させることができる。
【0126】
加えて、サイドシル3、トンネルサイドフレーム5、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7とフロアパネル11との接触面を傾斜面にしたことにより、自動車のパネル構造は、例えば、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5とフロアパネル11との接触面が、車両前後方向から見て階段状の段付き形状の場合に比べて、サイドシル3、トンネルサイドフレーム5、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7にフロアパネル11をより密着できるとともに、所望位置に対するフロアパネル11の位置ズレを抑えることができる。ゆえに、自動車のパネル構造は、フロアパネル11における外方側面部114、及び内方側面部113の全面を、サイドシル3の内方側面部3d、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dの全面で安定して支持することができる。
【0127】
このため、自動車のパネル構造は、フロアパネル11の重量を、フロアパネル11の外方側面部114、及び内方側面部113と、サイドシル3の内方側面部3dと、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dと、前側クロスメンバ6の後面部6dと、後側クロスメンバ7の前面部7dとで支持することができる。さらに、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5とフロアパネル11とを接着剤を介して接着固定する場合、自動車のパネル構造は、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5にフロアパネル11をより安定して接着固定することができる。
【0128】
あるいは、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10とフロアパネル11とを締結固定する場合、自動車のパネル構造は、締結部材14が挿通するフロアフレーム8の締結孔8a、第1フロアクロスメンバ9の開口、及び第2フロアクロスメンバ10の開口に、フロアパネル11に設けた開口を容易に略一致させることができる。
従って、自動車のパネル構造は、中空二重壁構造のフロアパネル11の車体に対する組付け性、及び支持性能を向上することができる。
【0129】
また、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5における下部を車幅方向に連結する第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10を備え、フロアパネル11の底板部116が、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10と略同じ車両前後方向の位置に、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10が嵌合可能に車両上方へ向けて凹設された第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119を備え、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10に対してフロアパネル11の第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119を締結固定する締結部材14を備えたことにより、自動車のパネル構造は、アンダーカバーとしての機能、及びフロアパネル11の組付け性を損なうことなく、所望位置に対するフロアパネル11の位置ズレをより抑えることができる。
【0130】
具体的には、サイドシル3の内方側面部3d、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dがフロアパネル11の車両下方への移動を案内する際、自動車のパネル構造は、フロアパネル11の車両下方への移動に伴って、フロアパネル11の第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119を第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10に嵌合させることができる。このため、自動車のパネル構造は、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10に対してフロアパネル11を容易に組付けることができる。
【0131】
さらに、フロアパネル11の第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119に第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10が嵌合するため、自動車のパネル構造は、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10を備えた場合であっても、所望位置に配設されたフロアパネル11の底板部116をサイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5の下面に略一致させることができ、フロアパネル11のアンダーカバーとしての機能が損なわれることを防止できる。
【0132】
加えて、フロアパネル11が第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10に締結部材14を介して締結固定されるため、自動車のパネル構造は、所望位置に配設されたフロアパネル11の車両上方への移動を、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10によって規制することができる。
【0133】
このため、例えば、車両側方からの衝突荷重がサイドシル3を介してフロアパネル11に作用した際、自動車のパネル構造は、フロアパネル11が所望位置から車両上方へ浮き上がるように移動することを防止できる。
従って、自動車のパネル構造は、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10を備えた場合であっても、アンダーカバーとしての機能、及びフロアパネル11の組付け性を損なうことなく、所望位置に対するフロアパネル11の位置ズレをより抑えることができる。
【0134】
また、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5の間を車両前後方向に延びるとともに、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10に連結されるフロアフレーム8と、フロアフレーム8に対してフロアパネル11を締結固定する締結部材14とを備えたことにより、自動車のパネル構造は、所望位置に配設されたフロアパネル11の車両上方への移動を、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10とフロアフレーム8との協働によって確実に規制することができる。
【0135】
このため、例えば、車両側方からの衝突荷重がサイドシル3を介してフロアパネル11に作用した際、自動車のパネル構造は、フロアパネル11が所望位置から車両上方へ浮き上がるように移動することを確実に防止できる。
従って、自動車のパネル構造は、車両前後方向に延びるフロアフレーム8を備えた場合であっても、フロアパネル11の組付け性を損なうことなく、所望位置に対するフロアパネル11の位置ズレをより確実に抑えることができる。
【0136】
また、フロアパネル11が、サイドシル3における車両上下方向の長さよりも短い車両上下方向の長さで形成され、サイドシル3が、車両前後方向から見て閉断面形状の閉断面部と、フロアパネル11の上面と略同じ車両上下方向の位置において、閉断面部の内部空間を上下に隔てる上側節部3eとで一体形成されたことにより、自動車のパネル構造は、車幅方向外側からの荷重がサイドシル3に加わった際、サイドシル3に加わった荷重を、サイドシル3の上側節部3e、及びフロアパネル11の上面を介して、トンネルサイドフレーム5に伝達することができる。
【0137】
このため、自動車のパネル構造は、車両側方からの衝突荷重がサイドシル3に加わった際、サイドシル3、及びフロアパネル11の変形を抑制できるとともに、所望位置に配設されたフロアパネル11の車両上方への移動を抑えることができる。
従って、自動車のパネル構造は、閉断面形状のサイドシル3の内部に、フロアパネル11の上面と略同じ車両上下方向の位置に位置する上側節部3eを設けたことにより、車幅方向外側からの荷重を効率よく伝達できるとともに、所望位置に対するフロアパネル11の位置ズレをさらに確実に抑えることができる。
【0138】
また、所定間隔を隔てた位置で車両前後方向に延びるサイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5の間に、中空二重壁構造のフロアパネル11を配設する自動車のパネル組付け方法は、車両前後方向から見て、互いに対向するとともに、互いの間隔が車両下方ほど幅狭になるように傾斜した傾斜面であるサイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部5dを備えたサイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5に対して、車両前後方向から見て、サイドシル3の内方側面部3dとトンネルサイドフレーム5の外方側面部5dとの間隔と略同じ間隔で対向配置されるとともに、隣接するサイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部5dと略同じ傾斜角度で傾斜したフロアパネル11の外方側面部114、及び内方側面部113を、車両上方からそれぞれサイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部5dに当接させる工程を備えたことにより、車体骨格部材の内方側面部3d、及び外方側面部5dが、フロアパネル11の車両下方へ移動を案内できるため、所望位置にフロアパネル11を容易に配設することができる。このため、自動車のパネル組付け方法は、中空二重壁構造のフロアパネル11の車体に対する組付け性、及び支持性能を向上することができる。
【実施例2】
【0139】
次に、上述した実施例1に対して、サイドシル3、トンネルサイドフレーム5、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7で構成された車体骨格に配設される構成要素が異なる実施例2について、
図9から
図12を用いて詳しく説明する。
なお、上述した実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0140】
また、
図9は実施例2の車室底部2における車両前方上方視の外観斜視図を示し、
図10は分解状態における車室底部2の車両前方上方視の分解斜視図を示し、
図11は
図9中のE−E矢視断面図を示し、
図12は
図9中のF−F矢視断面図を示している。
【0141】
また、図示を明確にするため、
図10中においてプロペラシャフト12、及び排気管13の図示を省略するとともに、
図11中においてコア材120の図示を省略している。さらに、
図10及び
図11は、車両右側の車室底部2を図示している。
【0142】
実施例2における車室底部2は、
図9から
図12に示すように、車幅方向に所定間隔を隔てた位置で車両前後方向に延びる車体骨格部材である左右一対のサイドシル3と、サイドシル3の間を車両前後方向に延びるフロアトンネル4と、フロアトンネル4の下部を車両前後方向に延びる車体骨格部材である左右一対のトンネルサイドフレーム5と、サイドシル3の前端、及びトンネルサイドフレーム5の前端を車幅方向に連結する車体骨格部材である前側クロスメンバ6と、サイドシル3の後端、及びトンネルサイドフレーム5の後端を車幅方向に連結する車体骨格部材である後側クロスメンバ7とを備えている。
【0143】
さらに、自動車の車室底部2は、
図1から
図4に示すように、サイドシル3、トンネルサイドフレーム5、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7で囲われた開口に配設されて、車室の床面をなす左右一対のフロアパネル21と、フロアパネル21の車両上方で前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7を車両前後方向に連結する車両部品である左右一対の前後方向連結部材22と、フロアパネル21の車両上方でサイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5を車幅方向に連結する車両部品である左右一対の第1幅方向連結部材23、及び左右一対の第2幅方向連結部材24とを備えている。
【0144】
サイドシル3は、上述した実施例1に対してフランジ部3gを備えていない点を除けば、略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
また、トンネルサイドフレーム5は、上述した実施例1に対して、フランジ部5fを備えていない点を除けば、略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
また、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7は、実施例1に対してサイドシル3のフランジ部3gが嵌合する凹設部分、及びトンネルサイドフレーム5のフランジ部5fが嵌合する凹設部分が形成されていない点を除けば、略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0145】
フロアパネル21は、
図10から
図12に示すように、密閉された内部空間を有する二重壁構造体であるフロアパネル本体210と、フロアパネル本体210の内部空間に配設されたコア材120とで構成されている。
【0146】
フロアパネル本体210は、
図11及び
図12に示すように、サイドシル3の下面部3bと下側節部3fとの間隔と略同じ車両上下方向の長さを有する二重壁構造体であって、車両前後方向に所定間隔を隔てて対向する前面、及び後面となる前面部211、及び後面部212と、車幅方向に所定間隔を隔てて対向する側面となる内方側面部213、及び外方側面部214と、車両上下方向に所定間隔を隔てて対向する上面、及び下面となる天板部215、及び底板部216とで一体形成されている。
【0147】
このうち、前面部211、及び後面部212は、上述した実施例1のフレーム嵌合部分117に対応して切り欠いた切欠き部分に換えて、後述する連結部材嵌合部分217に対応して、上端縁を車両下方へ凹設するように切り欠いた切欠き部分が形成されていることを除けば、実施例1の前面部111、及び後面部112と略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0148】
内方側面部213、及び外方側面部214は、上述した実施例1の内方側面部113、及び外方側面部114と略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。なお、実施例2の内方側面部213、及び外方側面部214は、実施例1の第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119に対応した切欠き部分に相当する部分を備えていない。
【0149】
底板部216は、上述した実施例1の底板部116と略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。なお、実施例2の底板部216は、実施例1の外方嵌合部分116a、内方嵌合部分116b、フレーム嵌合部分117、第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119に相当する構成を備えていない。
【0150】
天板部215は、
図11及び
図12に示すように、前面部211、後面部212、内方側面部213、及び外方側面部214で囲われた車両上方側の開口を覆うとともに、床面をなす略平板状に形成されている。
【0151】
より詳しくは、天板部215は、
図11及び
図12に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、サイドシル3の下側節部3fと略同じ車両上下方向の位置に配設されるとともに、上面が平坦な断面略平板状に形成されている。
さらに、天板部215には、
図10及び
図11に示すように、車幅方向略中央を車両前後方向に延びる凹溝状の連結部材嵌合部分217が形成されている。
【0152】
連結部材嵌合部分217は、
図10及び
図11に示すように、後述する前後方向連結部材22と略同じ車幅方向の位置において、前後方向連結部材22が嵌合可能な大きさで車両下方へ凹設されるとともに、車両前後方向に延びる溝形状に形成されている。
【0153】
また、前後方向連結部材22は、
図9及び
図11に示すように、前側クロスメンバ6の後面部6dにおける車幅方向略中央と、後側クロスメンバ7の前面部7dにおける車幅方向略中央とを車両前後方向に連結するとともに、フロアパネル21の天板部215とで平坦な床面をなすように構成されている。
【0154】
より詳しくは、前後方向連結部材22は、
図10及び
図11に示すように、押出成形されたアルミ合金製の押出し部材であって、サイドシル3の下側節部3f、及びトンネルサイドフレーム5の節部5eに略同じ車両上下方向の位置に上面を有する略矩形の閉断面を、車両前後方向に延設した閉断面部材に形成されている。
【0155】
なお、前後方向連結部材22は、
図10に示すように、側面視において、前端面が、前側クロスメンバ6の後面部6dと略同じ傾斜角度で傾斜した端面形状に形成され、後端面が、後側クロスメンバ7の前面部7dと略同じ傾斜角度で傾斜した端面形状に形成されている。
【0156】
また、第1幅方向連結部材23は、
図11及び
図12に示すように、サイドシル3における車両前後方向略中央よりも車両前方の位置において、フロアパネル21の上面に載置されて、サイドシル3の内方側面部3dと、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dとを車幅方向に連結している。
【0157】
なお、第1幅方向連結部材23は、
図11に示すように、正面視において、車幅方向外側の端面が、サイドシル3の内方側面部3dと略同じ傾斜角度で傾斜した端面形状に形成され、車幅方向内側の端面が、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dと略同じ傾斜角度で傾斜した端面形状に形成されている。
【0158】
具体的には、第1幅方向連結部材23は、
図11及び
図12に示すように、押出形成されたアルミ合金製の押出し部材であって、サイドシル3の上側節部3e、及びトンネルサイドフレーム5の上面部5aに略同じ車両上下方向の位置に上面を有する略矩形の閉断面を車幅方向に延設した閉断面部材に形成されている。
【0159】
また、第2幅方向連結部材24は、
図11及び
図12に示すように、サイドシル3における車両前後方向略中央よりも車両後方の位置において、フロアパネル21の上面に載置されて、サイドシル3の内方側面部3dと、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5dとを車幅方向に連結している。この第2幅方向連結部材24は、上述した第1幅方向連結部材23と同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
なお、上述した第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24は、その下面が前後方向連結部材22の上面に接合されている。
【0160】
引き続き、上述した構成の自動車の車室底部2において、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5に、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7が接合された車体に対して、フロアパネル21、前後方向連結部材22、第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24を組付けるパネル組付け方法について簡単に説明する。
【0161】
まず、
図10に示すように、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5に、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7が接合された状態において、サイドシル3の内方側面部3d、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dに接着剤を塗布する。
【0162】
その後、フロアパネル21を、
図10に示すように、サイドシル3、トンネルサイドフレーム5、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7で囲われた開口に、車両上方から挿入するように取付ける。
【0163】
この際、フロアパネル21の前面部211、及び後面部212を、それぞれ前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dに載置し、フロアパネル21の内方側面部213、及び外方側面部214を、それぞれサイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部3cに載置するように、車両上方から取付ける。
【0164】
そして、フロアパネル21の前面部211、後面部212、内方側面部213、及び外方側面部214が、それぞれ前側クロスメンバ6の後面部6d、後側クロスメンバ7の前面部7d、サイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部3cに当接すると、フロアパネル21は、サイドシル3の内方側面部3d、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dによって案内されながら、所望位置へ向けて移動する。
【0165】
フロアパネル21が所望位置に配設されたのち、第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24が上面に接合された前後方向連結部材22を、フロアパネル11の連結部材嵌合部分217に嵌合させながら、第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24をフロアパネル21の上面に載置するように車両上方から取付ける。
【0166】
その後、所望位置に配設された前後方向連結部材22を、前側クロスメンバ6、及び後側クロスメンバ7に接合し、所望位置に配設された第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24を、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5に接合して、車室底部1を構成する。
【0167】
以上のような構成の自動車のパネル構造、及び自動車のパネル組付け方法は、上述した実施例1と同様に、サイドシル3の内方側面部3d、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dが、フロアパネル21の車両下方へ移動を案内することで、中空二重壁構造のフロアパネル21の車体に対する組付け性、及び支持性能を向上することができる。
【0168】
また、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5の間に配設されたフロアパネル21の上面に当接するとともに、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5を車幅方向に連結する第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24を備えたことにより、自動車のパネル構造は、フロアパネル21の組付け性を損なうことなく、所望位置に対するフロアパネル21の位置ズレをより抑えることができる。
【0169】
具体的には、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5に対して、フロアパネル21、第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24の順に組付けることになるため、自動車のパネル構造は、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5を車幅方向に連結する第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24を備えた場合であっても、フロアパネル21の組付け性が低下することを防止できる。
【0170】
さらに、フロアパネル21の車両上方に第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24が配設されるため、自動車のパネル構造は、フロアパネル21と第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24とを締結する締結部材を不要にして、所望位置に配設されたフロアパネル21の車両上方への移動を、第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24によって規制することができる。
【0171】
このため、例えば、車両側方からの衝突荷重がサイドシル3を介してフロアパネル21に作用した際、自動車のパネル構造は、フロアパネル21が所望位置から車両上方へ浮き上がるように移動することを、部品点数の増加を抑えて防止できる。
従って、自動車のパネル構造は、第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24を備えた場合であっても、フロアパネル21の組付け性を損なうことなく、所望位置に対するフロアパネル21の位置ズレをより抑えることができる。
【0172】
また、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5の間を車両前後方向に延びるとともに、第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24に連結される前後方向連結部材22を備えたことにより、自動車のパネル構造は、フロアパネル21と前後方向連結部材22とを締結する締結部材を不要にして、所望位置に配設されたフロアパネル21の車両上方への移動を、第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24と前後方向連結部材22との協働によって確実に規制することができる。
【0173】
このため、例えば、車両側方からの衝突荷重がサイドシル3を介してフロアパネル21に作用した際、自動車のパネル構造は、フロアパネル21が所望位置から車両上方へ浮き上がるように移動することを、部品点数の増加を抑えてより防止できる。
従って、自動車のパネル構造は、車両前後方向に延びる前後方向連結部材22を備えた場合であっても、フロアパネル21の組付け性を損なうことなく、所望位置に対するフロアパネル21の位置ズレをより確実に抑えることができる。
【0174】
また、フロアパネル21が、サイドシル3、及びトンネルサイドフレーム5における車両上下方向の長さよりも短い車両上下方向の長さで形成され、サイドシル3が、車両前後方向から見て閉断面形状の閉断面部と、フロアパネル21の上面と略同じ車両上下方向の位置において、閉断面部の内部空間を上下に隔てる下側節部3fとで一体形成され、トンネルサイドフレーム5が、車両前後方向から見て閉断面形状の閉断面部と、フロアパネル21の上面と略同じ車両上下方向の位置において、閉断面部の内部空間を上下に隔てる節部5eとで一体形成されたことにより、自動車のパネル構造は、車幅方向外側からの荷重がサイドシル3に加わった際、サイドシル3に加わった荷重を、サイドシル3の下側節部3f、及びフロアパネル21の上面を介して、トンネルサイドフレーム5の節部5eに伝達することができる。
【0175】
このため、自動車のパネル構造は、車両側方からの衝突荷重がサイドシル3に加わった際、サイドシル3、及びフロアパネル21の変形を抑制できるとともに、所望位置に配設されたフロアパネル21の車両上方への移動を抑えることができる。
従って、自動車のパネル構造は、サイドシル3の内部に下側節部3fを備え、トンネルサイドフレーム5の内部に節部5eを備えたことにより、車幅方向外側からの荷重を効率よく伝達できるとともに、所望位置に対するフロアパネル21の位置ズレをさらに確実に抑えることができる。
【0176】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の所定方向は、実施形態の車両前後方向に対応し、
以下同様に、
一対の車体骨格部材は、サイドシル3とトンネルサイドフレーム5、及び前側クロスメンバ6と後側クロスメンバ7に対応し、
一対の車体傾斜面部は、サイドシル3の内方側面部3dとトンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、及び前側クロスメンバ6の後面部6dと後側クロスメンバ7の前面部7dに対応し、
車体骨格部材の下面は、下面部3b,5b,6b,7bに対応し、
フロア下面部は、底板部116,216に対応し、
一対のフロア側面部は、内方側面部113,213と外方側面部114,214、及び前面部111,211と後面部112,212に対応し、
フロアクロスメンバは、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10に対応し、
メンバ嵌合部は、第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119に対応し、
メンバ締結部材、及びフレーム締結部材は、締結部材14に対応し、
幅方向連結部材は、第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24に対応し、
前後方向連結部材は、前後方向連結部材22に対応し、
節部は、サイドシル3の上側節部3e、及び下側節部3f、並びにトンネルサイドフレーム5の節部5eに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0177】
例えば、上述した実施例1及び実施例2において、コア材120を、合成ゴム製の連続気泡構造体、あるいは繊維材を絡めたフェルトで構成したが、これに限定せず、合成ゴム製の連続気泡構造体、あるいは繊維材を絡めたフェルトに加えて、空気、SF6(六フッ化硫黄)ガスなどの簡易圧縮性に優れた気体、またはキセノンガスやクリプトンガスなどの各種ガスなどを充填してもよい。
【0178】
また、実施例1及び実施例2において、フロアパネル本体110の閉断面空間にコア材120が充填されたフロアパネル11としたが、これに限定せず、フロアパネル本体110の閉断面空間が、コア材120に換えて、空気、空気、SF6(六フッ化硫黄)ガスなどの簡易圧縮性に優れた気体、またはキセノンガスやクリプトンガスなどの各種ガスなどで充填された構成としてもよい。
【0179】
また、実施例1及び実施例2において、サイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部5dを傾斜した傾斜面で構成するとともに、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dを傾斜した傾斜面で構成したが、これに限定せず、サイドシル3の内方側面部3d、及びトンネルサイドフレーム5の外方側面部5dのみを傾斜した傾斜面で構成してもよい。あるいは、前側クロスメンバ6の後面部6d、及び後側クロスメンバ7の前面部7dのみを傾斜した傾斜面で構成してもよい。
【0180】
また、実施例1及び実施例2において、左右のサイドシル3の間にフロアトンネル4が配設された車室底部1,2としたが、これに限定せず、フロアトンネル4、及び左右一対のトンネルサイドフレーム5を不要にして、左右のサイドシル3が第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10、または第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24で連結された車室底部としてもよい。
【0181】
また、実施例1及び実施例2において、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10と略同じ車両前後方向の位置で、左右のトンネルサイドフレーム5を車幅方向に連結するトンネルクロスメンバを備えてもよい。これにより、車両側方から一方のサイドシル3に作用した荷重を、トンネルクロスメンバを介して、他方のサイドシル3に向けて伝達することができる。
【0182】
また、実施例1において、サイドシル3が車幅方向内側へ延設されたフランジ部3gを備え、トンネルサイドフレーム5が車幅方向外側へ延設されたフランジ部5fを備えた構成としたが、これに限定せず、サイドシル3のフランジ部3gまたは/およびトンネルサイドフレーム5のフランジ部5fを備えていない構成としてもよい。
【0183】
また、実施例1において、前側クロスメンバ6または/および後側クロスメンバ7に、サイドシル3のフランジ部3g、及びトンネルサイドフレーム5のフランジ部5fと同様に、フロアパネル11が載置されるフランジ部を設けてもよい。この場合、前側クロスメンバ6のフランジ部または/および後側クロスメンバ7のフランジ部に対向する部分を車両上方へ向けて凹設した凹部分を、フロアパネル11の底板部116に形成する。
【0184】
また、実施例1において、サイドシル3の内方側面部3d、及びフランジ部3gの上面に接着剤を塗布したが、これに限定せず、サイドシル3の内方側面部3d、あるいはフランジ部3gの上面のいずれか一方に接着剤を塗布する構成としてもよい。同様に、トンネルサイドフレーム5の外方側面部5d、あるいはフランジ部5fの上面のいずれか一方に接着剤を塗布する構成としてもよい。
【0185】
また、実施例1において、ボルト本体141と、ボルト本体141の軸部に回動可能な状態で設けたナット部142と、弾性力によってナット部142を90度回動させる板バネなどで構成された締結部材14としたが、これに限定せず、フロアパネル11を締結固定可能であれば、適宜の構成の締結部材としてもよい。
【0186】
また、実施例1において、フロアフレーム8とフロアパネル11のフレーム嵌合部分117とを締結部材14を介して締結固定したが、これに限定せず、フロアフレーム8とフロアパネル11のフレーム嵌合部分117とを接着剤で接着固定して、締結部材14を不要にしてもよい。
同様に、第1フロアクロスメンバ9とフロアパネル11の第1メンバ嵌合部分118とを接着剤で接着固定し、第2フロアクロスメンバ10とフロアパネル11の第2メンバ嵌合部分119とを接着剤で接着固定して、締結部材14を不要にしてもよい。
【0187】
また、実施例1において、フロアフレーム8が、前側クロスメンバ6における後面部6dの下部と、後側クロスメンバ7における前面部7dの下部とを連結する構成としたが、これに限定せず、別の実施形態における車室底部1の外観斜視図を示す
図13(a)のように、前側クロスメンバ6の下面部3bと後側クロスメンバ7の下面部5bとを車両前後方向に連結するフロアフレーム15としてもよい。この場合、フロアフレーム15の上面に第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10の下面を接合するとともに、フロアパネル11のフレーム嵌合部分117を不要にする。
【0188】
また、実施例1において、フロアフレーム8、第1フロアクロスメンバ9、及び第2フロアクロスメンバ10を、断面略矩形の閉断面を延設して形成された閉断面部材で構成したが、これに限定せず、上辺が短辺となる断面略台形状の閉断面を延設して形成された閉断面部材で構成されたフロアフレーム、第1フロアクロスメンバ、及び第2フロアクロスメンバとしてもよい。この場合、フロアパネル11のフレーム嵌合部分117、第1メンバ嵌合部分118、及び第2メンバ嵌合部分119を、フロアフレーム、第1フロアクロスメンバ、及び第2フロアクロスメンバに応じた形状で形成する。
【0189】
これにより、自動車のパネル構造は、フロアフレームの傾斜面、第1フロアクロスメンバの傾斜面、及び第2フロアクロスメンバの傾斜面が、それぞれフロアパネル11の車両下方への移動を案内できるため、所望位置にフロアパネル11をより容易に配設することができる。
【0190】
また、実施例2において、サイドシル3が車幅方向内側へ延設されたフランジ部3gを備え、トンネルサイドフレーム5が車幅方向外側へ延設されたフランジ部5fを備えた構成としてもよい。さらに、前側クロスメンバ6が車両後方へ延設されたフランジ部を備え、後側クロスメンバ7が車両前方へ延設されたフランジ部を備えた構成としてもよい。
【0191】
また、実施例2において、第1幅方向連結部材23、及び第2幅方向連結部材24を、フロアパネル21の上面に載置する構成としたが、これに限定せず、フロアパネル21の上面から僅かに車両上方に離間した状態で配設されてもよい。
【0192】
あるいは、別の実施形態における車室底部2の分解斜視図を示す
図13(b)のように、第1幅方向連結部材25、及び第2幅方向連結部材26を、前後方向連結部材27を挟んでサイドシル3とトンネルサイドフレーム5を連結する構成とし、前後方向連結部材27、第1幅方向連結部材25、及び第2幅方向連結部材26を、フロアパネル11の上面に載置する構成としてもよい。この場合、フロアパネル21の連結部材嵌合部分217を不要にする。
【0193】
もしくは、別の実施形態における車室底部2の外観斜視図を示す
図14中において、組付け状態を示す
図14(a)、及び分解状態を示す
図14(b)のように、前後方向連結部材22に対して部分的に埋没するように第1幅方向連結部材28、及び第2幅方向連結部材29を連結するとともに、フロアパネル21の天板部215に、第1幅方向連結部材28、及び第2幅方向連結部材29が嵌合する第1嵌合部分218、及び第2嵌合部分219を形成してもよい。
【0194】
これにより、自動車のパネル構造は、フロアパネル21の上面に対する第1幅方向連結部材28、及び第2幅方向連結部材29の車両上方への突出量を抑えることができるため、第1幅方向連結部材28、及び第2幅方向連結部材29によって車室内の空間が圧迫されることを抑えることができる。