(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記走査エラー判定部は、前記第1範囲における前記タイミング毎の深さ方向の深さ位置における信号強度と、前記第2範囲における前記タイミング毎の深さ方向の深さ位置における信号強度とを比較して、同じ道筋を往復移動するように走査されているか否かを判定する、
請求項7に記載の埋設物検出装置。
前記埋設物位置決定部は、所定範囲において、減少から増加に変化する前記信号強度のピークの前記グループにおける前記深さ位置のピークと、増加から減少に変化する前記信号強度のピークの前記グループにおける前記深さ位置のピークのいずれか一方が検出され、そのピークから所定範囲内に他の深さ位置のピークが存在しない場合、検出された前記ピークを埋設物の位置として設定しない、
請求項13に記載の埋設物検出装置。
同じ道筋を往復移動していないと判定された場合に、判定された際の前記道筋の移動よりも前の前記道筋の移動によって検出された前記埋設物の検出位置を消去する埋設物位置消去ステップを更に備えた、請求項22に記載の埋設物検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、本発明の実施の形態に係る埋設物検出装置について図面に基づいて説明する。
<構成>
(埋設物検出装置1の概要)
図1は、本発明に係る実施の形態における埋設物検出装置1をコンクリート100上に配置した状態を示す斜視図である。
図2は、本実施の形態における埋設物検出装置1の概略構成を示すブロック図である。
【0035】
本実施の形態の埋設物検出装置1は、コンクリート100等の対象物の表面100aを移動しながら電磁波をコンクリート100に放射し、その反射波を受信して解析することによって、コンクリート100内の埋設物101a、101b、101c、101dの位置を検出する。埋設物検出装置1は、同じ道筋を往復移動(矢印A1およびA2参照)することによって、埋設物101a、101b、101c、101dの位置の確からしさを高める。
【0036】
図1では、埋設物101a、101b、101c、101dは、鉄筋であり、例えば、表面100aから順に20cm、15cm、10cm、5cmの深さ位置に埋設されている。深さ方向が矢印Bで示されており、表面方向が矢印Cで示されている。
埋設物検出装置1は、本体部2と、把手3と、車輪4と、インパルス制御モジュール5と、メイン制御モジュール6と、エンコーダ7と、表示部8と、を有する。
【0037】
本体部2の上面に把手3が設けられている。本体部2の下部に4つの車輪が回転自在に取り付けられている。作業者は、コンクリート100内部の埋設物を検出する際には、把手3を把持して車輪4を回転させながら埋設物検出装置1をコンクリート100の表面100a上で移動させる。
インパルス制御モジュール5は、コンクリート100に向けて電磁波を放射するタイミング、および放射した電磁波の反射波を受信するタイミング等の制御を行う。
【0038】
エンコーダ7は、車輪4に設けられており、車輪4の回転に基づいてインパルス制御モジュール5に反射波の受信タイミングを制御するための信号を送信する。
メイン制御モジュール6は、インパルス制御モジュール5で受信された反射波に関するデータを受け取り、埋設物の検出を行う。
表示部8は、本体部2の上面に設けられており、埋設物101a、101b、101c、101dの位置を示す画像を表示する。
【0039】
(インパルス制御モジュール5)
図3は、インパルス制御モジュール5の構成を示すブロック図である。
インパルス制御モジュール5は、制御部10と、送信アンテナ11と、受信アンテナ12と、パルス発生部13と、ディレイ部14と、ゲート部15と、を有する。
制御部10は、MPU(Micro Processing Unit)等によって構成されており、エンコーダ入力をトリガとして、パルス発生部13にパルスの発生を指令する。パルス発生部13は、MPUからの指令に基づいてパルスを発生し、送信アンテナ11に送る。送信アンテナ11は、パルスの周期に基づいて電磁波を一定周期で放射する。エンコーダ7の入力のタイミングが、タイミングの一例に対応する。
【0040】
受信アンテナ12は、放射された電磁波の反射波を受信する。ゲート部15は、ディレイ部14からのパルスを受信すると、受信アンテナ12で受信した反射波を取り込み、制御部10へと送信する。ディレイ部14は、所定間隔でゲート部15にパルスを送信し、反射波を取り込ませる。この所定間隔は、例えば2.5mmピッチとなっている。
これにより、インパルス制御モジュール5は、エンコーダか7からの入力をトリガとして、送信アンテナ11から電磁波を複数回出力する。そして、インパルス制御モジュール5は、ディレイ部14によるディレイICを用いて受信タイミングを遅らせることで受信アンテナ12との距離ごとの受信データを取得することができる。
【0041】
図4は、MPUが取得する反射波のデータを示す図である。縦軸は、軸Oを中心として、−4096〜+4096階調で受信信号の強度を示し、矢印方向がマイナス側を示す。横軸は、受信アンテナ12との距離を示し、矢印方向(深さ方向Bに対応)が受信アンテナ12からの距離が長いことを示す。また、距離が長いとは、深さが深いことに相当する。
【0042】
なお、詳しくは後述するが、
図4に示す波形W1には、コンクリート100内に照射されずにアンテナで反射した反射波も含まれる(p1等)ため、基準波形との差分を算出することにより、コンクリート100内からの反射波のデータの変化が抽出される。
また、
図4に示すデータは、エンコーダ7の入力があった後からエンコーダ7の入力が次にあるときまでのデータである。受信タイミングを除々に遅らせることによって、受信アンテナ12からの距離が長い位置からの反射波を受信するが、エンコーダ7からの入力があると、受信タイミングの遅延が元に戻され、再び受信タイミングを除々に遅らせる。すなわち、移動方向Aにおける所定の計測位置(エンコーダ7からの入力があった位置)における深さ方向Bの反射波を受信することになる。このような
図4に示すエンコーダ7の入力があった後から次のエンコーダの入力があるまでの反射波のデータを1ライン分のデータという。制御部10は、1ライン分のデータが貯まるごとに、その1ライン分のRF(Radio Frequency)データをメイン制御モジュール6へ送信する。
【0043】
なお、埋設物検出装置1は動かされているため、計測位置は厳密に同じ位置ではなく、深さ方向Bもコンクリート100の表面100aに対して厳密に垂直な方向ではない。
(メイン制御モジュール6)
図5は、メイン制御モジュール6の構成を示すブロック図である。メイン制御モジュール6は、受信部61と、RFデータ管理部62と、平均化処理部63と、埋設物検出部64と、走査エラー判定部65と、表示制御部66と、を有する。
【0044】
受信部61は、インパルス制御モジュール5から送信されるごとに、1ライン分のRFデータを受信する。
RFデータ管理部62は、受信部61が受信した1ライン分のRFデータを記憶する。
平均化処理部63は、道筋に沿って2回以上移動した際に、1ライン波形データを平均する。例えば、
図1に示す矢印A1に向かって、道筋を1回目に移動した後に、折り返して矢印A2方向に向かって2回目に移動した場合には、1回目と2回目において折り返し点からの距離が同じ計測位置の同じ深さ方向の位置における信号強度の平均が算出される。
【0045】
埋設物検出部64は、平均化された1ライン分のデータ毎に信号強度のピークを検出し、信号強度のピークを用いて埋設物101の有無を判定し、埋設物101の位置を検出する。
走査エラー判定部65は、同じ道筋を往復移動するように走査されているか否かを判定する。
【0046】
表示制御部66は、移動方向Aと深さ方向Bの平面において信号強度を色で階調処理した画像を表示部8に表示させる制御を行う。また、表示制御部66は、埋設物101の位置を表示部8に表示させる制御を行う。
(平均化処理部63)
平均化処理部63は、RFデータの平均化処理を行う。
図6(a)〜(c)は、平均化処理を説明するための図である。
【0047】
図6(a)〜(c)の右端から3番目の図は、壁(対象物の一例)を正面から見た図であり、上下方向に沿って埋設物101としての鉄筋が埋設されている。
ここで、埋設物101を横切るように点Eと点Fの間で埋設物検出装置1を往復移動させたとする。
図6(a)に示すように、1回目に点Eから点Fまで埋設物検出装置1を移動させると、受信部61は、移動方向A1に沿って点Eから点Fまでのエンコーダ7の入力がある度に一ライン分のRFデータを受信し、受信した複数ライン分のRFデータがRFデータ管理部62に記憶される。
図6(a)〜(c)の最も右側の図は、エンコーダ7の入力から換算された走査方向の位置をX軸とし、深さ方向の位置をY軸としたXY座標平面上に強度信号の強弱を白黒階調して示す図である。
【0048】
次に、
図6(b)に示すように、2回目に点Fから点Eまで移動させると、受信部61は、移動方向A2に沿って点Fから点Eまでの複数のライン分のRFデータを受信し、受信した複数ライン分のRFデータがRFデータ管理部62に記憶される。
平均化処理部63は、ラインごとに1回目と2回目のRFデータを平均化する。平均化処理部63は、点Eから点FまでのXY平面上の全てのXY座標値について、1回目と2回目で同じXY座標値の信号強度の平均が算出され、RFデータ管理部62に記憶される。
【0049】
次に、
図6(c)に示すように、3回目に点Eから点Fまで移動させると、受信部61は、移動方向A1に沿って点Eから点Fまでの複数のライン分のRFデータを受信し、受信した複数ライン分のRFデータがRFデータ管理部62に記憶される。
平均化処理部63は、ラインごとに1回目と2回目と3回目のRFデータを平均化し、平均化されたRFデータをRFデータ管理部62に記憶させる。
【0050】
このように複数回同じ道筋を繰り返して走査することによって、RFデータを平均化でき、ノイズを低減し、より正確に後述する埋設物の位置を検出することができる。
(埋設物検出部64)
図7は、埋設物検出部64の構成を示すブロック図である。
埋設物検出部64は、前処理部23と、埋設物判定部24(埋設物位置検出部の一例)と、判定結果登録部25と、を有する。
【0051】
前処理部23は、平均化された1ライン分のデータ毎に、信号強度のピークを検出する。
埋設物判定部24は、前処理部23において検出された1ライン分のRFデータごとの信号強度のピークを用いて、埋設物の有無の判定を行う。また、埋設物判定部24は、埋設物101の位置を検出する。
【0052】
判定結果登録部25は、埋設物判定部24によって検出された埋設物の位置をRFデータ管理部62に登録する。
(前処理部23)
図7に示すように、前処理部23は、ゲイン調整部31と、差分処理部32と、移動平均処理部33と、一次微分処理部34と、ピーク検出部35(信号強度ピーク検出部の一例)と、を有する。
【0053】
(ゲイン調整部31)
ゲイン調整部31は、1ラインごとに平均化されたRFデータに対してゲイン調整を行う。送信アンテナ11および受信アンテナ12からの距離が大きくなる(ディレイ時間が大きくなると)受信感度が弱くなるため、後述する画像を表示する際に白と黒の濃淡が少なくなる。そのため、ゲイン調整部31は、深さ位置が深いほど、信号強度に掛ける(増幅する)ゲイン値(×1〜×20)を大きくする。
【0054】
図8(a)は、ゲイン調整を行う前の画像データを示す図である。
図8(a)に示す検出画像では、横軸(X軸)が移動距離を示しており、矢印方向が移動方向A1への移動を示している。縦軸(Y軸)が深さ位置を示しており、矢印方向が深い側を示している。
図8(a)に示す図は、
図4に示す1ラインごとの信号強度を白黒階調して縦軸方向に示し、さらに全てのラインの白黒階調したデータを横軸方向に示した検出画像である。なお、本実施の形態では、例えば、受信信号の強度が大きいほうが白く、受信信号が小さいほうが黒くなるように階調処理を行った。
【0055】
このため、
図8(a)に示す濃淡が信号強度を示している。また、白黒階調された1ラインの強度信号が点線で囲まれて示されている。
図8(b)は、
図8(a)の画像データにゲイン調整処理を行った画像データを示す図である。
図8(b)に示すように、ゲイン調整によって濃淡が強くなる。また、深い箇所のほうのゲイン値が高くなるため、RFデータの値が大きくなる。そのため、下部の画像データは全体的に白っぽくなる。白っぽくなっている部分が点線で囲まれて示されている。
【0056】
(差分処理部)
差分処理部32は、ゲイン調整したRFデータから、基準点との差分を算出することによって、変化した箇所のRFデータを抽出する。
図9(a)は、差分処理を行う前の画像データを示す図であり、
図9(b)は、差分処理を行った後の画像データを示す図である。
図9(a)は、
図8(b)を同じ画像データである。
【0057】
ここで、基準点は今まで取得したデータの平均値である。例えば、RFデータにおいて、m番目(X座標値X
m)のラインの深さn(mm)(Y座標値Y
n)の信号強度の基準点との差分を算出する場合には、1〜m−1番目(X座標値X
1〜X
m−1))までのラインの深さY
n(mm)の信号強度の平均値を算出し、その平均値を、m番目のラインの深さn(mm)の信号強度から引く。この演算を、全てのラインの全ての深さ位置に対して行うことにより、
図9(b)に示すようにRFデータ信号の変化を明確にすることができる。
【0058】
(移動平均処理部)
移動平均処理部33は、差分処理を行ったRFデータについて、1ラインごとに移動平均処理を行う。本実施の形態では、例えば8点平均で移動平均処理を行うことができる。
図10(a)は、移動平均処理を行った画像データを示す図であり、
図10(b)は、
図10(a)のラインL1のRFデータの信号強度を示す図である。
図10(b)の横軸は深さ位置を示し、矢印方向に沿って深くなっている。
図10(b)の縦軸は信号強度を示し、矢印方向に沿って信号強度が強くなっている。
【0059】
なお、本実施の形態では、信号強度が強い方が白く階調され、信号強度が弱いほうが黒く階調される。また、本実施の形態では、下向きのピーク、すなわち黒色が最も濃くなっている位置と、上向きのピーク、すなわち白色が最も薄くなっている位置が検出される。例えば、下向きのピークの位置は、コンクリート中の鉄筋等の位置を示し、上向きのピークの位置は、コンクリート中の空洞や樹脂の位置を示す。
【0060】
下向きのピークと上向きのピークを検出する原理は同じであるため、以下の説明では、下向きのピーク(黒色が最も濃くなっている位置)を検出することについて具体的に説明する。
図10(a)のL1上の黒色部分をP1〜P5で示す。このP1〜P5が、
図10(b)にも示されている。また、
図10(b)には、P2とP3の間の上向きのピークの1つがP10として示されている。
【0061】
(一次微分処理部34)
一次微分処理部34は、下向きのピークを検出するために、差分処理が行われたデータに対して一次微分処理を行う。一次微分処理部34は、所定の深さ位置における信号強度から、次の深さ位置における信号強度への差分を算出する。
図11は、
図10(b)のP10〜P3の間の拡大図である。
図12は、
図11のグラフの信号強度および一次微分処理の結果の表150を示す図である。
【0062】
図11に示す表150の最も左の欄には、シーケンスナンバーが示されている。シーケンスナンバーが大きくなるに従って位置が深くなっている。左から2つ目の欄には、各シーケンスナンバーでの信号強度が示されている。左から3つ目の欄には、一次微分処理部34によって算出された差分が示されている。
シーケンスナンバーnの差分は、シーケンスナンバーn+1の信号強度からシーケンスナンバーnの信号強度を引いた値となっている。例えば、シーケンスナンバーが7番の差分は、8番目の信号強度(422)から7番目の信号強度(431)を引いた値(−9)となっている。
【0063】
このように、一次微分処理部34は、1ラインの全てのデータに対して一次微分処理を行う。
(ピーク検出部35)
ピーク検出部35は、一次微分処理を行った後の1ラインのRFデータのピークを検出する。例えば、下向きのピーク(黒色のピーク)を検出する場合、ピーク検出部35は、一次微分処理を行った後の変化が、負の変化から正の変化に変わるポイントをピークとして検出する。具体的には、
図12の表150に示すように、シーケンスナンバー33における変化が負(−)の変化となっており、シーケンスナンバー34における変化が正(+)の変化となっていることから、ピーク検出部35は、シーケンスナンバー34の深さ位置において信号強度が下向きのピークとなっていると検出する。
【0064】
なお、上向きのピーク(白色が最も薄くなっている位置)を検出する場合には、ピーク検出部35は、一次微分処理を行った後の変化が、正の変化から負の変化に変わるポイントをピークとして検出する。例えば、
図12の表150では、シーケンスナンバー5の深さ位置において信号強度が上向きのピークとなっていることが検出される。
(埋設物判定部24)
埋設物判定部24は、
図7に示すように、グルーピング部51と、形状判定部52(深さ位置ピーク検出部の一例)と、埋設物位置決定部53と、埋設物データ積算部54と、を有する。グルーピング部51は、ピーク検出部35によって検出された複数のピークのうち、移動距離(X軸座標)に対して連続したピークをグループとして検出する。形状判定部52は、グループが山形状であるか否かに基づいて埋設物の有無を判定し、埋設物が存在すると判定した場合には、グループにおける頂点(深さ位置のピークの一例)を検出し、埋設物の位置とする。
【0065】
(グルーピング部51)
グルーピング部51は、ピーク検出部35によるピーク検出結果をグルーピングする。グルーピング部51は、過去のラインから順番にピーク検出結果の有無を確認する。その結果を始点として進行方向に対して連続するピーク検出の有無をチェックする。
図13は、前処理部23による前処理後の画像データを示す図である。
図13では、今回取得したラインL2が示されている。
図14(a)〜(d)は、グルーピング部51による処理を説明するための図である。
【0066】
グルーピング部51は、最初に見つけたピークの位置QSを始点(
図13において●で示す)として、移動方向Bの5pixel以内且つ、上下の5pixel以内に次のラインのピークが存在するか否かを確認する。なお、ピークの位置Qを見つけたラインを現在のラインとする。
図14(a)は、ピークの位置QSを見つけた状態を示す。
図14(b)は、次のピークの位置Q2が、現在のラインのピークの位置QSの移動方向A1の5pixel以内且つ、上側5pixel以内に存在する場合を示す。
図14(b)では、ピークの位置が移動方向において上昇(浅い側に移動)していることになる。
図14(c)は、次のラインのピークの位置Q2が、現在のラインのピークの位置QSの移動方向A1の5pixel以内且つ、下側5pixel以内に存在する場合を示す。
図14(c)では、ピークの位置が移動方向において下降(深い側に移動)していることになる。
【0067】
続いて、ピークの位置Q2が存在するラインを現在のラインとして、ピークの位置Q2の移動方向A1の5pixel以内且つ、上下の5pixel以内に次のラインのピークが存在するか否かを確認する。このように、ラインのRFデータを受信するごとに、現在のラインを移動方向にずらしてピークの連続性を確認する。
そして、
図14(d)に示すように、次のラインのピークが、現在のラインのピークの位置の移動方向Bの5pixel以内且つ、上下の5pixel以内に存在しない場合には、ピークの位置Qeをグループの終点(
図13で■で示す)とする。
【0068】
以上のように、グルーピング部51は、ピークの位置のグルーピングを行う。
図13では、黒丸と黒四角の間が線で繋がれたグループ(例えばグループG1)が示されている。
なお、同様に上向きのピークの位置(白色が最も薄くなっている位置)のグルーピングも行われる。
(形状判定部52)
形状判定部52は、グループの形状が所定の山形状であるか否かを判定する。
図15は、グルーピングされた複数のピークの位置を示す図である。また、
図15には、山形状と判定するための条件も示されている。形状判定部52は、第1条件、第2条件、および第3条件の3つの条件を満たす場合に、グループが山形状であると判定する。
【0069】
図15に示すように、第1条件は、移動方向A1において連続して5pixel以上、上方向(浅い方向)に上昇していることであり、第2条件は、移動方向A1において連続して5pixel以上、下方向(深い方向)に下降していることであり、第3条件は、深さ方向の差が10pixel以上ある。
形状判定部52は、これら3つの条件を満たす場合に、グループの形状が山形状であると判定し、埋設物が存在すると判定する。
【0070】
一方、第1〜第3条件のいずれか1つの条件でも満たさない場合には、形状判定部52は、埋設物が存在すると判定しない。
また、形状判定部52は、第1〜第3条件までの判定を行う際に、グループの位置の上向きのピークも検出する。
形状判定部52は、最も浅くなっている位置をグループの頂点とし、その位置を記憶する。
【0071】
形状判定部52は、位置の変化が増加から減少に変わるポイントをグループの頂点とする。例えば、
図16では、7番目から8番目の変化まで正(+)であり、8番目から9番目の変化が負(−)であるため、
図15に示すように、8番目の位置が頂点であると判定される。
なお、上記と同様に、形状判定部52は、上向きのピークの位置(白色が最も薄くなっている位置)のグループの形状の判定、およびグループの最も浅くなっている位置を頂点の位置として検出する。
【0072】
(埋設物位置決定部53)
埋設物位置決定部53は、形状判定部52で検出されたピークの位置および数に基づいて埋設物101の位置を決定する。
埋設物位置決定部53は、検出された複数のピークにおいて隣り合うピークが所定範囲内に存在するか否かを判定する。
【0073】
具体的には、埋設物位置決定部53は、隣り合うピークがX軸の±10pixel以内かつY軸の±40pixel以内にあるか否かを判定する。埋設物位置決定部53は、所定のピークからX軸の±10pixel以内かつY軸の±40pixel以内に別のピークが有るか否かを判定し、別のピークが存在する場合には、その別のピークからX軸の±10pixel以内かつY軸の±40pixel以内に更に別のピークが存在するか否かを判定し、RFデータを取得した全ての範囲のピークについて判定を行う。
【0074】
その結果、埋設物位置決定部53は、
図17の表1に示すように、5パターンのピークが検出される。
パターンA1は、浅い方から順に、互いに隣り合った、白(上向きのピークの位置)のグループの頂点、黒(下向きのピークの位置)のグループの頂点、および白(上向きのピークの位置)のグループの頂点が検出されたパターンを示す。
【0075】
パターンA2は、浅い方から順に、互いに隣り合った、黒(下向きのピークの位置)のグループの頂点、白(上向きのピークの位置)のグループの頂点、および黒(下向きのピークの位置)のグループの頂点が検出されたパターンを示す。
パターンB1は、浅い方から順に、互いに隣り合った、白(上向きのピークの位置)のグループの頂点、および黒(下向きのピークの位置)のグループの頂点が検出されたパターンを示す。
【0076】
パターンB2は、浅い方から順に、互いに隣り合った、黒(下向きのピークの位置)のグループの頂点、および白(上向きのピークの位置)のグループの頂点が検出されたパターンを示す。
パターンCは、上記パターンA1、A2、B1、B2以外のパターンであって、白(上向きのピークの位置)のグループの頂点、または黒(下向きのピークの位置)のグループの頂点が1つのみ検出されたパターンを示す。
【0077】
図18(a)は、3つの隣り合うピークが検出された画像データを示す図であり、
図18(b)は、決定された埋設物の位置の例を示す図である。
図18(a)には、浅い方から順に黒(下向きのピークの位置)のグループG1の頂点P1、白(上向きのピークの位置)のグループG2の頂点P2、および黒(下向きのピークの位置)のグループG3の頂点P3が検出されており、×印で示されている。
【0078】
ここで、頂点P1と頂点P2のX軸の値の差が10pixel以内かつ頂点p2と頂点P3のX軸の値の差が10pixel以内であり、更に、頂点P1と頂点P2のY軸の値の差が40pixel以内かつ頂点P2と頂点P3のY軸の値の差が40pixel以内となっている。
埋設物位置決定部53は、パターンA1の場合、3つの隣り合う頂点P1(黒の頂点)、P2(白の頂点)、P3(黒の頂点)のうち、
図18(b)に示すように最も浅い頂点P1を埋設物の位置Pdと決定する。
【0079】
すなわち、埋設物位置決定部53は、頂点P1と頂点P2と頂点P3が、それぞれ近傍に設けられているかを判定し、近傍に設けられている場合には、1つの埋設物から検出された頂点と判断して、最も浅い位置に埋設物が配置されていると判断する。
なお、パターンA1の場合も、埋設物位置決定部53は、最も浅い頂点を埋設物の位置Pdと決定する。
【0080】
また、検出された頂点P2、P3の位置はRFデータ管理部62に保存されるだけで表示されず、埋設物の位置Pdと決定された頂点P1のみが、
図18(b)に示すように、表示制御部66によって表示部8に表示される。
図19(a)は、2つの隣り合う頂点が検出された画像データを示す図であり、
図19(b)は、決定された埋設物の位置の例を示す図である。
【0081】
図19(a)には、浅い方から順に白(上向きのピークの位置)のグループG2、および黒(下向きのピークの位置)のグループG3の画像が示されている。そして、グループG2の頂点P2と、グループG3の頂点P3が検出されており、×印で示されている。
頂点P2と頂点P3のX軸の値の差が10pixel以内かつ頂点P2と頂点P3のY軸の値の差が40pixel以内となっている。
【0082】
埋設物位置決定部53は、パターンB1の場合、
図19(b)に示すように浅い方のピークP2を埋設物の位置と決定する。すなわち、埋設物位置決定部53は、頂点P2と頂点P3が、それぞれ近傍に設けられているかを判定し、近傍に設けられている場合には、1つの埋設物から検出された頂点と判断して、浅いほうの頂点の位置に埋設物が配置されていると判断する。
【0083】
なお、パターンB2の場合も、埋設物位置決定部53は、浅い方向の頂点の位置を埋設物の位置と決定する。
また、
図20(a)は、隣り合う頂点が検出されず頂点が1つ検出された例を示す図であり、
図20(b)は、埋設物の位置が決定されていない状態を示す図である。
図20(a)には、浅い方から順に白(上向きのピークの位置)のグループG2の頂点P2が検出されており、×印で示されている。
【0084】
頂点P2からX軸の±10pixel以内かつY軸の±40pixel以内に他のピークが存在しない。このようなパターンCの場合、埋設物位置決定部53は、
図20(b)に示すように、埋設物の位置を決定しない。
(埋設物データ積算部54)
埋設物データ積算部54は、
図6(a)〜
図6(c)で説明したように、同じ道筋を複数回移動させた場合に、検出された埋設物の位置を更新する。
【0085】
埋設物データ積算部54は、
図21に示す埋設物データ遷移表に基づいて、埋設物データを変更する。
図22(a)〜(c)は、埋設物データの遷移を説明するための図である。
図22(a)は、点Eから点Fまで1回目に埋設物検出装置1を走査させた際の走査方向、頂点の検出結果、および埋設物位置判定結果を示す図である。
図22(b)は、点Eから点Fまで2回目に埋設物検出装置1を走査させた際の走査方向、頂点の検出結果、および埋設物位置判定結果を示す図である。
図22(c)は、点Eから点Fまで3回目に埋設物検出装置1を走査させた際の走査方向、頂点の検出結果、および埋設物位置判定結果を示す図である。
【0086】
図22(a)に示すように、点Eから点Fまで1回目に埋設物検出装置1を走査させた際に、パターンC(右端から2番目の画像参照)が検出されたときには、上述したように埋設物位置決定部53は、埋設物の位置を決定しない(右端の画像参照)。
次に、
図22(b)に示すように、点Fから点Eまで2回目に埋設物検出装置1を走査させた際に、パターンB1が検出されたときには、上述したように埋設物位置決定部53は、埋設物の位置を頂点P2の位置(右端の画像参照)に決定する。
【0087】
このとき、埋設物データ積算部54は、1回目(変更前)の結果がパターンCであり、2回目(変更後)の結果がパターンB1であるため、
図21の遷移表に従って、B2が採用される。
次に、
図22(c)に示すように、点Eから点Fまで3回目に埋設物検出装置1を走査させた際に、パターンA2が検出されたときには、上述したように埋設物位置決定部53は、埋設物の位置を頂点P1の位置(右端の画像参照)に決定する。
【0088】
このとき、埋設物データ積算部54は、2回目(変更前)の結果がパターンB1であり、2回目(変更後)の結果がパターンA2であるため、
図21の遷移表に従って、A2が採用され、埋設物の位置Pdが頂点P1の位置に決定する。
(判定結果登録部25)
判定結果登録部25は、埋設物判定部24で判定した結果(グループ、ピーク位置、決定された埋設物の位置など)をRFデータ管理部62に登録する。
【0089】
(走査エラー判定部65)
走査エラー判定部65は、同じ道筋を往復移動するように走査されているか否かを判定する。
ここで、同じ道筋を往復移動していない場合(位置ずれしている場合ともいう)に生じる問題について詳しく説明する。
図23は、埋設物検出装置が同じ道筋を往復移動していない状態を説明するための図である。
【0090】
例えば、使用者が埋設物検出装置1を位置Jから折り返し原点Oまで埋設物101(例えば、鉄筋)を横切るように移動して走査が行われた場合、位置Kに埋設物101が埋設されていることを検出することができる。この時の画像データが
図23(b)に示されている。位置Kは、折り返し原点Oから距離L離れた位置である。
埋設物検出装置1を折り返し原点Oまで移動させた後、折り返し原点Oで折り返して埋設物検出装置1を位置Jに向けて移動する際に、道筋がずれて位置Rに向かったとする。この場合、折り返し原点Oからの距離Lの位置で埋設物101が検出できない。このときの画像データが
図23(c)に示されている。
図23(c)は、折り返し原点Oから位置Kまでの画像データが折り返した移動の際のデータを示し、残りのデータは、
図23(b)のデータが示されており、前回の位置Jから折り返し原点Oまでの移動の際の埋設物101の位置P1(Pd)が示されている。
【0091】
このように、埋設物検出装置の走査時に同じ道筋から外れた場合に、埋設物が存在しないところで、以前の埋設物の検出位置P1が表示されることがある。
そのため、本実施の形態の埋設物検出装置1では、走査エラーの判定を行い、走査エラーと判定された場合には、以前に検出された埋設物の検出位置P1を消去する。これによって、ずれた道筋において本来表示されるべき位置に埋設物を表示させることができる。
【0092】
図24は、走査エラー判定部65の構成を示すブロック図である。
図24に示すように、走査エラー判定部65は、範囲設定部71と、差演算部72と、カウント部73と、判定部74と、埋設物位置消去部75と、を有する。
範囲設定部71は、所定の道筋に沿って走査したときのRFデータにおける所定の範囲S(第1範囲の一例)と、その後に折り返し移動させているときのRFデータにおける範囲T(第2範囲の一例)を設定する。範囲Tと範囲Sは対応する範囲である。
【0093】
図25(a)および
図25(b)は、範囲設定部71による範囲の設定を説明するための図である。
図25(a)は、位置Jから折り返し原点Oまで移動した際の範囲Sを説明するための図である。
図25(b)は、折り返し原点Oから位置Rに向かって移動している際の範囲Tを説明するための図である。
範囲Sは、埋設物の検出された位置Kから折り返し原点Oに向かって距離L1の範囲に設定される。ここで、位置KのX座標値をX1とし、X1から折り返し原点Oに向かってL1移動した位置のX座標値をX2とする。このように、範囲Sは、X座標値X1からX2の範囲を示す。
【0094】
範囲Sに対応する範囲Tは、折り返し原点Oから位置Kまでの距離L分、位置R方向に向かって移動した位置Pから折り返し原点Oに向かって距離L1の範囲に設定される。ここで、折り返し原点Oからの距離が同じであるから、位置PのX座標値は、位置KのX座標値と同じX1となる。また、座標値X1から折り返し原点Oに向かってL1移動した位置のX座標値はX2となる。このように、範囲TもX座標値X1からX2の範囲を示し、範囲Sと対応する範囲となっている。
【0095】
このように埋設物の検出された位置KのX座標X1から範囲Sおよび範囲Tを設定することにより、信号強度の変化が大きい範囲で比較できるため、道筋を逸れたか否かを判定しやすくなる。
差演算部72は、
図25(a)、(b)に示すように、折り返し原点Oから同じ距離であって同じ深さ位置の信号強度同士を比較する。
図25(a)および
図25(b)に示すように、範囲Sがライン(X座標)と深さ位置(Y座標)におけるポイントsn(第1位置の一例)に分けられ、範囲Tがラインと深さ位置におけるポイントtn(第2位置の一例)に分けられる。例えば、差演算部72は、範囲SのうちX座標値X1に最も近く且つ浅いポイントs1の信号強度fs1と、範囲TのうちX座標値X1に最も近く且つ浅いポイントt1の信号強度ft1の差分の絶対値|fs1−ft1|を算出する。
【0096】
このように、差演算部72は、範囲Sのポイントsnの信号強度fsnと、範囲Tのポイントtnの信号強度ftnとの差分の絶対値Dn(=|fsn−ftn|)を算出することにより、全ての対応するポイント同士の差分の絶対値を算出する。
カウント部73は、差演算部72で算出された差分の絶対値Dnが、位置ずれ比較値D0よりも大きいポイントの数mをカウントする。
【0097】
判定部74は、カウントした数mが、位置ずれ比較数vよりも大きい場合には、
図25(b)で通っている2回目の道筋は、
図25(a)で通った1回目の道筋からずれているため走査エラーが発生したと判定する。一方、カウントした数mが位置ずれ比較数v以下で有る場合には、1回目と2回目の道筋はずれていないため走査エラーが発生していないと判定する。
【0098】
埋設物位置消去部75は、判定部74によって走査エラーが発生していると判定された場合には、1回目の走査によって決定された埋設物の位置P1(Pd)をRFデータ管理部62から削除し、表示部8の表示からも削除する。
これによって、表示部8には、
図23(d)に示すように、位置Pで表示されていた埋設物の位置P1が削除され、折り返し原点Oから位置Rへ向かう走査によって検出される位置Q(
図23(a)参照)に埋設物の位置P1´が表示される。
【0099】
一般的に、埋設物検出装置1を用いて埋設物101を検出する際には、同じ道筋を複数回繰り返して往復することにより、平均化処理部63でRFデータを平均化し、埋設物データ積算部54で埋設物の位置を更新することによって、埋設物の位置の確からしさが向上する。本実施の形態の埋設物検出装置1は、この繰り返しの際に道筋を外れた場合に、それまでの走査によって取得された埋設物の位置を削除する。これにより、道筋を外れた場合に、以前の位置に埋設物が表示されることを防ぐことができる。
【0100】
なお、
図25(a)および
図25(b)に示すように、例えば初回の矢印A1方向の移動からの道筋のずれを判定する場合、矢印A2方向への移動の走査エラーを判定するときには、埋設物が検出された位置Kから折り返し原点O側の距離L1の範囲Sを比較する範囲として設定する。また、
図25(b)に示すように、走査エラーを判定する際の折り返し原点Oからの距離L(折り返し原点Oから位置Kまでの距離)の位置Pから折り返し原点O側に距離L1の範囲Rを範囲Sに対応する範囲として設定する。このように、埋設物の位置の走査エラーを判定する際の移動方向とは反対側の範囲を比較する範囲Sとして設定する。
【0101】
一方、
図26(a)および
図26(b)に示すように、例えば初回の矢印A1方向の移動からの道筋のずれを判定する場合、矢印A1方向への移動の走査エラーを判定するときには、埋設物が検出された位置Kから折り返し原点Oと反対側への距離L1の範囲Sを比較する範囲として設定する。また、
図26(b)に示すように、走査エラーを判定する移動の際の折り返し原点Oからの距離L(折り返し原点Oから位置Kまでの距離)の位置Pから折り返し原点Oと反対側に距離L1の範囲Rを範囲Sに対応する範囲として設定する。このように、埋設物の位置の走査エラーを判定する際の移動方向とは反対側の範囲を比較する範囲Sとして設定する。
【0102】
なお、走査方向は、複数のエンコーダを用いることで検出することができる。
(表示制御部26)
表示制御部26は、データ画像にグループ、ピーク位置などを示して、表示部8に表示させる。例えば、
図22(c)の右側の画像データのように、RFデータを白黒階調した画像データおよび決定された埋設物の位置Pd(P1)が表示部8に表示される。
【0103】
<動作>
次に、本発明にかかる実施の形態の埋設物検出装置1の動作について説明する。
図27は、埋設物検出装置1の処理を示すフロー図である。
(全体の処理の概要)
埋設物検出装置1は、ステップS11において、はじめに、初期化処理が行われる。初期化処理では、各データのクリア等が実行される。
【0104】
次に、使用者が埋設物検出装置1を移動すると、ステップS12において、エンコーダ7からの入力をトリガとして、RFデータが取得される。
次に、ステップS13において、平均化処理部63によって取得された波形データ(RFデータ)の平均化処理が行われる。
次に、ステップS14において、走査エラー判定部65によって走査エラーの判定処理が行われる。なお、走査エラー判定処理は、1回目の移動の際には判定されない。また、連続して繰り返し移動していることは、たとえばエンコーダが入力されていることで判断することができる。
【0105】
次に、ステップS15において、埋設物検出部64によって埋設物検出処理が行われる。
次に、ステップS12〜ステップS15について詳しく説明する。
(データ取得処理)
図28は、ステップS12のデータ取得処理を示すフロー図である。
【0106】
データ取得処理が開始されると、ステップS1において、エンコーダ7から入力されると、ステップS2において、インパルス出力制御が開始され、パルス発生部13からのパルスに基づいて送信アンテナ11から一定周期(例えば、1MHz)で電磁波のパルスが出力される。
次に、ステップS3において、ディレイ部14がDelayICにDelay時間を設定する。例えば、0〜5120psecまで10psec単位でDelay時間を設定することができる。
【0107】
次に、ステップS4において、制御部10は、受信アンテナ12からゲート部15を介して受信したRFデータをAD変換する。
次に、ステップS5において、Delay時間が最大(例えば、5120psec)であるか否かが判断され、最大でない場合、制御がステップS3に戻る。このステップS3、S4、S5が繰り返されることにより、1ライン分のデータを取得することができる。
【0108】
次に、ステップS6において、AD変換されたRFデータをメイン制御モジュール6に送信する。これらステップS1〜ステップS6が、インパルス制御モジュール5において行われる処理である。
次に、作業者によって埋設物検出装置1が移動方向Aに移動されると、エンコーダ7からの入力があり、ステップS2〜S7の制御が行われ、次の1ライン分のデータが取得され、メイン制御モジュール6に送信される。
【0109】
次に、ステップS7において、受信部61がインパルス制御モジュール5から1ライン分のRFデータを受信するまで待機し、RFデータを受信するとデータ取得処理が終了する。
(波形データ平均化処理)
次に、ステップS13の波形データ平均化処理について説明する。
図29は、波形データ平均化処理を示すフロー図である。
【0110】
波形データ平均化処理が開始されると、ステップS171において、平均化処理部63が、走査X軸の同じX座標値に1ラインRFデータが存在するか否かを検出する。
そして、同じX座標値に今まで取得した1ラインRFデータが存在する場合には、ステップS172において、平均化処理部63は、今回取得した1ラインRFデータと、今までに取得した1ラインRFデータの平均を算出し、RFデータ管理部62に記録する。より詳細には、深さ方向をY軸とし、深さの位置をY座標値とすると、平均化処理部63は、今回取得した1ラインRFデータと、今までに取得した1ラインRFデータの同じXY座標値の信号強度の平均を算出することによって、1ライン分のデータを平均化する。
【0111】
(走査エラー判定処理)
次に、走査エラー判定処理について説明する。
図30は、走査エラー判定処理を示すフロー図である。
走査エラー判定処理が開始されると、はじめにステップS181において、範囲設定部71は、比較用基準データがあるか否かを判定する。ここで、比較用基準データとは、所定の道筋を走査することによって取得したデータであって、埋設物が検出されたデータのことである。すなわち、現在のRFデータの取得の走査が、埋設物の位置が少なくとも1度検出された後に埋設物の位置の確からしさを向上させるために更に行った走査であるか否かが検出される。比較用基準データが存在しない場合、すなわち埋設物の位置が未だ検出されていない場合には、走査エラー判定処理が終了する。
【0112】
次に、ステップS182において、範囲設定部71は、埋設物の検出位置が存在するX軸座標値と、現在のX軸座標値が比較範囲内であるか否かを判定する。すなわち、
図23の例で説明すると、範囲設定部71は、
図23(c)において現在取得した1ラインのRFデータのX座標値が、折り返し原点Oから距離(L−L1)〜Lの範囲内であるか否かを判定する。
【0113】
次に、ステップS183において、範囲設定部71は、現在よりも1つ前のエンコーダ7の入力タイミングで取得した1ラインRFデータのX座標値が、埋設物の検出位置のX座標値よりも小さいか否かを判定する。
そして、小さい場合には、ステップS183において、範囲設定部71は、現在取得した1ラインRFデータのX座標値が埋設物の検出値のX座標値以上であるか否かを判定する。これは、矢印A1方向に走査している状態において、現在の1ラインRFデータのX座標値が埋設物の検出位置X1以上になっていることを示す。すなわち、矢印A1方向への走査において、埋設物の検出位置X1に達したか否かを検出する。
【0114】
一方、ステップS183において、小さくない場合には、ステップS185において、範囲設定部71は、現在X軸座標値が埋設物X座標値以下の値であるか否かを判定する。これは、矢印A2方向に走査している状態において、現在の1ラインRFデータのX座標値が埋設物の検出位置x1に達したか否かを検出する。
このように、ステップS183〜S185において、矢印A1方向への走査と矢印A2方向への走査の双方の走査において、埋設物の検出位置x1に達したかを検出できる。
【0115】
このように、現在の1ラインRFデータのX座標値が、埋設物の検出位置x1に達した場合、範囲設定部71は、位置ずれ判定範囲の設定を行う。具体的には、範囲設定部71は、
図23(b)に示す範囲Sおよび
図23(c)に示す範囲Tの設定を行う。なお、範囲Sおよび範囲Tは、位置ずれを判定可能な範囲で適宜変更可能であり、特に限定されるものではない。
【0116】
次に、ステップS187において、差演算部72とカウント部73によって、位置ずれ量取得処理が行われる。
図31は、位置ずれ量取得処理を示すフロー図である。
位置ずれ量取得処理が開始されると、ステップS191において、カウント部73は、比較超数をゼロクリアする。
【0117】
次に、差演算部72は、ステップS192において、位置ずれ検索カウンタに位置ずれ検索開始位置を代入する。例えば、
図25(a)および
図25(b)に示すX座標値X1の値が位置ずれ検索カウンタに代入される。
次に、差演算部72は、ステップS193において、位置ずれ検索カウンタが検索終了位置よりも小さいか否かを判定する。ここで、検索終了位置は、
図25(a)および25(b)に示すX座標値X2とすることができる。すなわち、ステップS192およびステップS193によって、X座標値X1〜X2(範囲T)まで差演算を行ったか否かが判定され、位置ズレ検索カウンタの値が、検索終了位置に達すると、位置ずれ量取得処理が終了される。
【0118】
ステップS193において位置ずれ検索カウンタが検索終了位置に達していない場合は、ステップS194において、差演算部72は、位置ずれ検索カウンタ位置の1ライン最新データがあるか否か判定する。差演算部72は、例えば、X座標値X1に最新の1ラインRFデータが存在するか否かを検出する。
最新の1ラインRFデータが存在する場合には、ステップS195において、差演算部72は、1ラインカウンタ数をゼロに設定する。
【0119】
次に、ステップS196において、差演算部72は、1ラインカウンタ数が1ラインサイズよりも小さいか否かを判定する。ここでは、1ラインの全てのデータについて差分を算出する演算を行ったか否かが検出される。
次に、ステップS197において、差演算部72は、現在の1ラインRFデータの位置ずれ検索カウンタ(X1)および1ラインカウンタ(ゼロ)の信号強度と、比較用基準データの同じ位置ずれ検索カウンタ(X1)および同じ1ラインカウンタ(ゼロ)の信号強度との差分の絶対値を演算する。
【0120】
そして、その差分の絶対値が、位置ずれ比較値以内でない場合には、ステップS199において、カウント部73は、比較超数の値を+1増やす。これは、
図25(a)および
図25(b)に示すポイントs1の強度信号とポイントt1の強度信号の差分の絶対値を算出し、その差分の絶対値が位置ずれ比較値以内であるか否かを判定することである。
次に、ステップS200において、差演算部72は、1ラインカウンタ値を+1増加させる。制御はステップS200からステップS196へと進み、1ラインカウンタ数が1ラインサイズよりも小さい場合には、ステップS197において、差演算部72は、現在の1ラインRFデータの位置ずれ検索カウンタ(X1)および1ラインカウンタ(1)の信号強度と、比較用基準データの同じ位置ずれ検索カウンタ(X1)および同じ1ラインカウンタ(1)の信号強度との差分の絶対値を演算する。ここで、1ラインカウンタが1とは、前回よりも深い側のポイントの信号強度が比較される。すなわち、差演算部72は、
図25(a)および
図25(b)に示すポイントs2の強度信号とポイントt2の強度信号の差分の絶対値を算出し、その差分の絶対値が位置ずれ比較値以内であるか否かを判定する。
【0121】
このように、1ライン分の全てのRFデータについて差分の絶対値の演算および位置ずれ比較値との比較が終了すると、ステップS196から制御はステップS198へと進み、差演算部72は、位置ずれ検索カウント値を+1増加する。これによって、X座標値X1の次のX座標値における1ライン分のデータについて差分の絶対値の演算および位置ずれ比較値(第1閾値)との比較が行われる。これによって、範囲Sおよび範囲Tの全てのポイントにおける信号強度の差が演算され、差の絶対値が位置ずれ比較値を超えた比較超数がカウントされる。なお、ステップS194において、位置ずれ検索カウンタ位置に1ラインの最新RFデータが存在しない場合にも制御はステップS98へと進む。
【0122】
次に、
図30のステップS188において、判定部74は、比較超数が位置ずれ比較数(第2閾値の一例)より大きいか否かを判定し、大きい場合には、位置ずれが発生していると判定する。
位置ずれが発生していると判定された場合には、ステップS189において、位置ずれ時処理が行われる。
【0123】
図32は、位置ずれ時処理を示すフロー図である。
位置ずれ時処理が開始されると、ステップS110において、埋設物位置消去部75は、今までに検出された埋設物の位置を消去する。
次に、ステップS111において、比較用基準データとして、最新のRFデータをRFデータ管理部62に登録する。
【0124】
(埋設物検出処理)
図33は、埋設物検出処理を示すフロー図である。
埋設物検出処理が貸されると、ステップS201において、埋設物の判定を行う前の前処理が、前処理部23によって行われる。
次に、ステップS202において、埋設物判定部24によって埋設物判定処理が行われる。
【0125】
次に、ステップS203において、埋設物判定部24によって判定された結果(埋設物の位置)が判定結果登録部25によって登録され、表示制御部66によって表示部8に表示される。
次に、各ステップにおける処理について詳しく説明する。
(前処理)
図34は、前処理を示すフロー図である。
【0126】
はじめに、ステップS21において、ゲイン調整部31が1ライン分のRFデータについてゲイン調整を行う。
次に、ステップS22において、差分処理部32が、基準の値との差分を算出し、RFデータの変化が抽出される。
次に、ステップS23において、移動平均処理部33が差分処理された1ライン分のRFデータに対して移動平均処理を行う。例えば、8点平均を用いて移動平均処理を行うことができる。
【0127】
次に、ステップS24において、一次微分処理部34が、移動平均処理された差分結果に対して一次微分処理を行い、深さ方向において隣り合うデータ間の差分が正(増加)か負(減少)かの判定を行う。
最後に、ステップS25において、ピーク検出部35が、一次微分処理された結果を用いて信号強度のピークを検出する。
【0128】
(ゲイン調整処理)
次に、
図34のステップS21のゲイン調整処理について説明する。
図35は、ゲイン調整処理を示すフロー図である。
ゲイン調整処理が開始されると、ステップS31において、ゲイン調整部31が、受信部61で受信したRFデータのうち、シーケンスナンバー1の受信データを選択する。
【0129】
そして、ゲイン調整部31がシーケンスナンバー1の信号強度のデータについてステップS32の処理を行った後、制御はステップS33に進む。
ステップS33では、シーケンスナンバーが最大値であるか否かが判定され、シーケンスナンバーが最大値でない場合には、制御はステップS31に戻り、シーケンスナンバーが1つ繰り上げられ、シーケンスナンバー2の受信データが選択される。そして、シーケンスナンバー2のデータについてステップS32の処理が行われる。
【0130】
このように、1ライン分のデータの全てに対してステップS32の処理が行われるまで繰り返される。
ステップS32では、各々シーケンスナンバーの信号強度のデータに対して所定倍率が掛けられる。
例えば1ラインのRFデータのdelay時間の最も短いシーケンスNo.1のデータ(最も浅い位置のデータともいえる)に対して所定倍率を掛けると、シーケンスNo.1の次にdelay時間の短いシーケンスNo.2のデータに対して所定倍率が掛けられ、シーケンスNoが最大になるまでシーケンスナンバー順に所定倍率が掛けられる。具体的には、深さ方向に対して倍率を大きくしており、浅い側から1〜25pixelのデータに対しては倍率を1倍とし、26〜50pixelのデータに対しては倍率を2倍とし、51〜75pixelのデータに対しては倍率を3倍とし、順に倍率を大きくし、500〜511pixelのデータに対しては倍率を21倍と設定することができる。
【0131】
このゲイン調整処理によって、
図8(b)に示す画像データのように、明暗を明確にすることができる。
(差分処理)
次に、
図34のステップS22の差分処理について説明する。
図36は、差分処理を示すフロー図である。
【0132】
差分処理が開示されると、ステップS41において、差分処理部32が、ゲイン調整されたRFデータのうち、シーケンスナンバー1の受信データを選択する。
そして、差分処理部32がシーケンスナンバー1のデータについてステップS42、S43の処理を行った後、制御はステップS44に進む。
ステップS44では、シーケンスナンバーが最大値であるか否かが判定され、シーケンスナンバーが最大値でない場合には、制御はステップS41に戻り、シーケンスナンバーが1つ繰り上げられ、シーケンスナンバー2の受信データが選択される。そして、シーケンスナンバー2のデータについてステップS42、S43の処理が行われる。
【0133】
このように、1ライン分のデータの全てに対してステップS42、S43の処理が行われるまでフローが繰り返される。
ステップS42では、差分処理部32が、今回のラインまでの過去のゲイン調整した受信データ(過去受信した全ての受信データ)の平均値を算出する。
次に、ステップS43において、差分処理部32は、算出した平均値を基準点の値とし、その値と、今回のラインの受信データとの差分を算出する。
【0134】
次に、ステップS44において、差分処理部32は、シーケンスナンバーが最大値であるか否かを判定し、シーケンスナンバーが最大値でない場合には、制御はステップS41に戻り、1つ番号が繰り上げられてシーケンスナンバー2の受信データが選択される。
このように順次番号が繰り上げられ1ラインの全ての受信データに対して差分処理が行われるまで、ステップS42、S43が繰り返される。
【0135】
なお、m番目ラインのデータの差分処理を行う際には、m番目のラインの所定深さ位置における信号強度から、1〜m―1番目の所定深さ位置における信号強度の平均値が引かれる。また、次のm+1番目のラインに対して差分処理を行う際には、1〜m番目の信号強度の平均値が算出され、基準点の値が更新される。
この差分処理によって、
図9(b)に示す画像データのように、RFデータの変化を抽出することができる。
【0136】
(差分結果の一次微分処理)
次に、
図34のステップS23の差分結果の一次微分処理について説明する。
図37は、差分結果の一次微分処理を示すフロー図である。
差分結果の一次微分処理が開始されると、ステップS51において、一次微分処理部34が、差分結果のうち、シーケンスナンバー1の差分結果を選択する。
【0137】
次に、ステップS52において、一次微分処理部34は、差分結果の一次微分処理を行う。ここで、一次微分処理とは、深さ方向において、所定の位置の差分結果のデータと次の位置の差分結果のデータとの差を算出することである。すなわち、シーケンスナンバー1と、次のシーケンスナンバー2の差分が算出される。
次に、ステップS53において、シーケンスナンバーが最大値であるか否かが判定され、シーケンスナンバーが最大値でない場合には、制御はステップS51に戻り、1つ番号が繰り上げられ、シーケンスナンバー2の受信データが選択される。そして、シーケンスナンバー2とシーケンスナンバー3の差分が算出される。
【0138】
このように、1ライン分のデータの全てに対して一次微分処理が行われるまで、順次番号が繰り上げられ、ステップS52が繰り返される。
すなわち、シーケンスナンバーnの一次微分処理を行う場合には、シーケンスナンバーn+1の差分結果のデータから、シーケンスナンバーnの差分結果のデータを引くことによって、シーケンスナンバーnのデータに対して一次微分処理を行うことができる。
【0139】
これによって、
図12の表150の左から3番目の欄の差分が算出される。
(ピーク検出処理)
次に、
図34のステップS25のピーク検出処理について説明する。
図38は、ピーク検出処理を示すフロー図である。
ピーク検出処理が開始されると、ステップS71において、ピーク検出部35が、一次微分処理が行われたシーケンスナンバー1を選択する。
【0140】
そして、ピーク検出部35は、シーケンスナンバー1のデータについて、ステップS72、S73の制御を行った後、制御はステップS74に進む。
ステップS74では、シーケンスナンバーが最大値であるか否かが判定され、シーケンスナンバーが最大値でない場合には、制御はステップS71に戻り、シーケンスナンバーが1つ繰り上げられ、シーケンスナンバー2の受信データが選択される。そして、シーケンスナンバー2のデータについてステップS72、S73の処理が行われる。
【0141】
このように、1ライン分のデータの全てに対して処理が行われるまで、順次番号が繰り上げられ、ステップS72、S73の処理が繰り返される。
ここで、n番目のデータについてピーク検出処理を行うとして、ステップS72〜S73について説明する。
ステップS72において、ピーク検出部35は、一次微分後の前回のシーケンスナンバーn−1の状態が負(−)で、今回のシーケンスナンバーnの状態が正(+)であるか否かを判定する。
【0142】
そして、前回のシーケンスナンバーn−1の状態が負(−)で、今回のシーケンスナンバーnの状態が正(+)である場合、ピーク検出部35は、ステップS73において、n番目の座標を記憶する。座標は、例えば、ピクセルを単位とし、移動距離(ラインの番号ともいえる)と深さ位置で示すことができる。
これにより、上述したように、例えば、
図12の表150のシーケンスナンバー34をピークとして検出することができる。このピークは黒(下向き)のピークとなっている。
【0143】
一方、白(上向き)のピークを検出する場合には、前回の一次微分後の状態が、“+”で、今回が“−”のとき、今回の座標を記憶することによって、白のピークを検出することができる。これにより、
図12の表150のシーケンスナンバー5を上向きのピークとして検出することができる。
(埋設物判定処理)
次に、
図33のステップS122に示す埋設物判定処理について説明する。
図39は、埋設物判定処理を示すフロー図である。
【0144】
埋設物判定処理が開始されると、はじめに、ステップS81において、グルーピング部51が、前処理部23で行われたピーク検出結果のグルーピング処理を行う。
次に、ステップS82において、形状判定部52が頂点検出処理を行う。
次に、ステップS83において、埋設物位置決定部53または埋設物データ積算部54によって埋設物取得処理が行われる。
【0145】
(ピーク検出結果のグルーピング処理)
図39のステップS81のピーク検出結果のグルーピング処理について説明する。
図40は、ピーク検出結果のグルーピング処理を示すフロー図である。
はじめに、ステップS91において、グルーピング部51は、検出状態を“未検出”の状態とする。
【0146】
過去に取得した全てのデータを対象とし、ステップS92では、グルーピング部51は、過去の古いデータを処理の対象として選択する。そして、ステップS103において、グルーピング部51は、今回取得したラインまでの過去に取得したデータの全てに対して処理を行ったか判定し、処理を行っていない場合、制御はステップS92へと戻り、次に古いデータが処理の対象とされる。このように、例えば、最も古いラインのシーケンスナンバー1から順にステップS93〜ステップS102の処理が行われる。
【0147】
ステップS93において、グルーピング部51は状態が未検出であるか否かを判定する。はじめの状態は“未検出”であるため、制御はステップS94に進む。
ステップS94において、グルーピング部51は、所定範囲内にピークが検出された位置があるか否かを判定する。所定範囲にピークが検出されない場合には、制御はステップS103へと進む。所定範囲は適宜設定することができ、例えば、1つのラインに設定してもよいし、1つのラインのシーケンスナンバーで設定してもよい。
【0148】
このように、ステップS94において、古いデータから順番にピークが検出された位置があるか否かの判定が行われ、ピークが検出された位置がある場合に、ステップS95において、グルーピング部51は、検出状態を“検出中”とする。
次に、ステップS96において、グルーピング部51は、ピークを検出した点を記憶する。この点は、ピクセルを単位とする座標であり、例えば、移動距離(ラインの番号ともいえる)と深さ位置で示すことができる。なお、この点が、
図13の始点(●)に対応する。
【0149】
次に、ステップS103およびステップS92を経て、次のデータが処理の対象とされる。
次に、ステップS93において、検出状態が“検出中”となっているため、制御はステップS97に進む。
ステップS97において、グルーピング部51は、ステップS96で記憶した位置から所定範囲内にピークを検出した位置があるか否かを判定する。この所定範囲内は、例えば、
図14(a)〜
図14(d)で説明した移動方向5pixel以内であって、上下5pixel以内に設定することができる。ピークを検出した位置が所定範囲内に存在する場合には、ステップS98において、グルーピング部51は、連続した位置があるとして、その位置を記憶する。
【0150】
次に、ステップS99において、グルーピング部51は、前回のY座標(深さ位置)と今回のY座標(深さ位置)を比較する(
図14参照)。
次に、ステップS100において、グルーピング部51は、比較結果を正(+)または負(−)として記憶する。ここで、今回の深さ位置が前回の深さ位置よりも浅くなっている場合は、深さ位置が上昇しているとして正(+)が記憶される。また、今回の深さ位置が前回の深さ位置よりも深くなっている場合には、深さ位置が下降しているとして負(−)が記憶される。
【0151】
次に、ステップS97およびステップS92を経て、次のデータが処理の対象とされる。
次に、ステップS93において、検出状態が“検出中”となっているため、制御はステップS97に進む。
このステップS97では、前回にステップS98で記憶した点から所定範囲内に、ピークを検出した点が存在するか否かが検出され、存在する場合には、ステップS99において、その点が記憶される。そして、ステップS100において、前回の点と比較結果が記憶される。これにより、
図13に示すように連続している点が順次グループとされるとともに、次の点への変化が上昇または下降であるかも記憶される。
【0152】
そして、ステップS97において、所定範囲内にピークが検出されない場合には、制御はステップS101に進む。
ステップS101において、グルーピング部51は、連続する点がないと判断し、それまでの検出結果を保存する。なお、最後に検出された点が、
図13の終点(■)に対応する。
【0153】
次に、ステップS102において、グルーピング部51は、検出状態を“未検出”の状態とする。
そして、ステップS103において、過去に取得したラインの全てのデータについて処理が行われたと判断されると、処理が終了する。
(頂点検出処理)
図39のステップS83の頂点検出処理について説明する。
図41は、頂点検出処理を示すフロー図である。
【0154】
頂点検出処理は、グルーピングした結果の全てのデータを対象として行われる。
頂点検出処理が開始されると、ステップS121において、形状判定部52がグルーピングされたデータの始点側から順にデータを選択する。例えば、ステップS121において、形状判定部52は、
図15及び
図16に示す1番目から2番目への変化のデータを処理の対象とする。
【0155】
ステップS122において、形状判定部52は、1番目から2番目への変化の結果を読み出す。
ステップS123において、形状判定部52は、変化の結果が正(+)であるか否かを判定する。例えば、
図15及び
図16に示す1番目から2番目への変化は正(+)であるため、制御はステップS124に進む。
【0156】
ステップS124では、形状判定部52は、−(マイナス)カウントを0に設定する。
次に、ステップS125において、形状判定部52は、+(プラス)カウントが0か否かを判定する。+(プラス)カウントが0であるため、制御はステップS126へと進む。
ステップS126では、形状判定部52は、1番目のY座標(深さ位置)を記憶し、始点を設定する。
【0157】
次に、ステップS127において、形状判定部52は、+(プラス)カウントを+1に設定する。
次に、ステップS138において、形状判定部52は、グルーピングした結果の全てのデータについて処理が終了したか否かを判定し、終了していない場合には、制御はステップS121へと戻り、次のデータ(2番目から3番目への変化)が処理対象として選択される。
【0158】
そして、ステップS122において、形状判定部52は、2番目から3番目への変化の結果を読み出す。
次に、ステップS123において、形状判定部52は、グルーピング処理後の変化の結果が正(+)であるか否かを判定する。例えば、
図15および
図16に示す2番目から3番目への変化のグルーピング後処理後の結果は正(+)であるため、制御はステップS124に進む。
【0159】
次に、ステップS125において、形状判定部52は、+(プラス)カウントが0か否かを判定する。+(プラス)カウントが+1であるため、制御はステップS127へと進む。
そして、ステップS127において、形状判定部52は、+(プラス)カウントに+1を加えて、+2に設定する。
【0160】
このように、ステップS121〜S127およびステップS138が繰り返される。そして、ステップS123において、変化の結果が負(−)になると、制御はステップS128へと進む。
ステップS128では、形状判定部52は、+カウントが5以上になっているか否かを判定する。ここでカウントが5以上ある場合には、連続して5pixel以上、Y軸方向に上昇していることという条件1を満たしていることになる。
【0161】
図15および
図16に示すデータでは、例えば、8番目から9番目への変化が負(−)であり、そのときまでに正(+)は7個存在するため、+カウントは7となっている。そのため、制御はステップS129に進む。
ステップS129では、形状判定部52は、−(マイナス)カウントが0か否かを判定する。−(マイナス)カウントが0であるため、制御はステップS130へと進む。
【0162】
ステップS130では、形状判定部52は、1つ前の深さ位置(Y座標ともいう)を記憶する。すなわち、形状判定部52は、山の頂点が(傾きが+から−に変わった点)のY座標を記憶する。
図15および
図16のデータでは、8番目から9番目への変化における前の点である8番目のY座標を記憶する。
次に、ステップS131において、形状判定部52は、−(マイナス)カウントに+1を加える。
【0163】
次に、ステップS132において、形状判定部52は、−(マイナス)カウントが5以上か否かを判定する。ここでカウントが5以上ある場合には、連続して5pixel以上、Y軸方向に下降しているという条件2を満たしていることになる。8番目から9番目への変化の場合、−カウントは+1であるため、制御はステップS138へと進み、ステップS121を介して、9番目から10番目への変化が処理の対象として選択される。
【0164】
このように、順次、変化が選択され、12番目から13番目への変化が処理の対象として選択されると、ステップS132における−(マイナス)カウントが+5以上となるため、制御はステップS133へと進む。
ステップS133では、形状判定部52は、始点のY座標と頂点のY座標との差を算出する。
図15および
図16のデータでは、1番目のY座標と8番目のY座標の差が算出される。
【0165】
次に、ステップS134において、形状判定部52は、算出した差が、10以上であるか否かを判定する。ここで、10以上である場合には、Y軸方向の差が10pixel以上あるという条件3を満たしていることなる。
算出した差が10以上である場合には、ステップS135において、形状判定部52はグ、ループが山形状であると判定し、埋設物が存在すると判定する。
【0166】
一方、算出した差が10未満の場合、制御はステップS138へと進む。
(埋設物取得処理)
次に、
図39のステップS83の埋設物取得処理について説明する。
図42は、埋設物取得処理を示すフロー図である。
埋設物取得処理が開始されると、ステップS141において、埋設物位置決定部53が、上述した頂点検出処理で検出された頂点の組み合わせのパターン(
図17参照)を検出する。
【0167】
次に、ステップS142において、埋設物位置決定部53は、検出したパターンがC以外(すなわち、ピークが2つ以上であるパターンA1、A2、B1、B2のいずれか)であるか否かを判定し、検出したパターンがCの場合には、埋設物の位置として設定せずに、埋設物取得処理を終了する。
一方、埋設物位置決定部53は、検出したパターンがC以外の場合であって、以前の走査によってパターンが検出されているとき、
図21に示す埋設物データ遷移表に従って、埋設物データ(パターンおよび決定された埋設物の位置)が更新され、RFデータ管理部62に格納される。
【0168】
(判定結果表示処理)
図33のステップS203に示す判定結果表示処理では、埋設物取得処理によって取得された埋設物の位置に示すために、表示制御部26は、表示部8を制御して、画像データに●を表示する(例えば、
図18(b)参照)。
図15に示す例の場合、表示制御部26は、頂点である8番目のデータの位置に●印を付けて画像を表示部8に表示させる。
【0169】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態では、埋設物検出装置1およびメイン制御モジュール6(データ処理装置の一例)の制御方法として、
図27〜
図42に示すフローチャートに従って、実施する例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0170】
例えば、
図27〜
図42に示すフローチャートに従って実施される埋設物検出装置1および埋設物検出方法をコンピュータに実行させるプログラムとして、本発明を実現しても良い。
また、プログラムの一つの利用形態は、コンピュータにより読取可能な、ROM等の記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であってもよい。
【0171】
またプログラムの一つの利用形態は、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波などの伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であってもよい。
また、上述したコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアに限らずファームウェアや、OS、更に周辺機器を含むものであってもよい。
なお、以上説明したように、電力消費体の制御方法はソフトウェア的に実現してもよいし、ハードウェア的に実現しても良い。
【0172】
(B)
上記実施の形態では、埋設物の一例として鉄筋を例に挙げて説明したが、鉄筋にかぎらなくてもよく、ガス管、水道管、木材等であってもよく、また、埋設物が設けられた対象物としてもコンクリートに限られるものではない。
【0173】
(C)
上記実施の形態では、階調処理によって黒が鉄筋を示すように設定したが、これに限らず白が鉄筋を示すように設定してもよい。
【0174】
(D)
上記実施の形態では、ステップS88において、比較超数が、下限値としての位置ずれ比較数よりも大きいか否かを判定しているが、上限値も設定してもよい。
【0175】
(E)
上記実施の形態では、埋設物位置消去部75が、以前に取得した埋設物データ(パターンおよび決定した埋設物の位置)を消去しているが、消去の代わり若しくは消去とともに位置ずれによる走査エラーが発生したことを報知してもよい。例えば、
図43に示すように、走査エラー判定部65´が、報知部76を更に有し、走査エラーを検出した場合に、警告音または表示等によって使用者に走査エラーの発生を知らせても良い。
【0176】
(F)
上記実施の形態では、埋設物検出装置1の本体部2内にメイン制御モジュール6が設けられているが、メイン制御モジュール6が本体部2と別に設けられていてもよい。この場合、タブレットなどにメイン制御モジュール6と表示部8を設けてもよい。本体部2とタブレットの間は無線または有線によって通信が行われてもよい。
【0177】
(G)
上記実施の形態では、走査エラーを判定する際に比較する範囲Sは、埋設物の検出位置Pdを含むように設定されているが、これに限られるものではない。範囲Sは、埋設物の検出位置を含んでいなくてもよいが、信号強度の変化が大きいほうが走査エラーを判定しやすいため、範囲Sは埋設物の検出位置Pd近傍に設定する方が好ましい。