(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光の撮影が、前記表示面に前記線幅が異なる3種類以上の前記ストライプパターンを表示させた状態で行われる、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の文字ぼけ評価方法。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の文字ぼけ評価方法について、図面を参照しながら説明する。本明細書における「文字」とは、ひらがな、カタカナ、漢字、およびアルファベット等の文章や単語を表すための狭義の文字の他、数字、記号、図形等を含む概念である。また、本明細書において、「フィルム」はシートとも呼ばれ得るような部材も含む意味で用いられる。一具体例として、「防眩フィルム」には、「防眩シート」等と呼ばれる部材も含まれる。
図1は実施形態に係る表示装置の文字ぼけ評価方法を説明するための図であり、
図2は
図1に示される表示装置の表示面に表示させるストライプパターンを模式的に示した図であり、
図3は一部のストライプパターンの拡大図である。
【0028】
<<<表示装置の文字ぼけ評価方法>>>
本実施形態で説明する表示装置の文字ぼけ評価方法は、表示装置自体の文字ぼけ度合いを評価する方法である。表示装置の文字ぼけを評価する際には、まず、
図1に示されるように、文字ぼけ評価装置10および評価対象である表示装置20を用意する。
【0029】
<<文字ぼけ評価装置>>
文字ぼけ評価装置10は、撮像装置11と、撮像装置11に電気的に接続された処理装置12とを備えている。
【0030】
<撮像装置>
撮像装置11は、表示装置20の表示面20Aから出射する光を撮影するためのものであり、撮像装置11は、表示装置20の表示面20A上に配置される。撮像装置11としては、例えば、CCDカメラ(Charge-Coupled Deviceカメラ)を用いることができる。
【0031】
撮像装置11と表示面20Aとの距離は、撮像装置の解像度によって異なるが、例えば、50mm以上500mm以下とすることが好ましい。撮影の際には、撮像装置11の焦点を後述するストライプパターンが最も鮮明になるように合わせ、また絞りを適当な所に合わせることが好ましい。
【0032】
<処理装置>
処理装置12は、撮像装置11によって撮影された光を画像として取り込む。取り込まれた画像においては、画像処理をしなくともよいが、ノイズ多い場合には、例えば、ローパスフィルタ処理等の画像処理を行いよりノイズを低減させることが好ましい。ただし、画像処理の条件によってコントラストが変化しうるので、画像処理を行う場合には、比較するサンプル間で同一の処理を行うことが好ましい。
【0033】
<<表示装置>>
表示装置20は、表示素子21と、表示素子21よりも観察者側に位置し、かつ文字や後述するストライプパターン20C〜20Eを表示可能な表示面20Aを備えている。表示素子21としては、特に限定されないが、液晶表示素子や有機エレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。液晶表示素子は、2枚のガラス基材間に、液晶層、配向膜、電極層、カラーフィルタ等を配置したものである。表示装置20は、表示素子21よりも観察者側に、偏光板、光学フィルム、および/またはタッチパネル等を備えていてもよい。
【0034】
表示装置20の表示面20Aにおける白表示の輝度は、400cd/m
2以上であることが好ましい。また、表示装置20の大きさは、例えば、1インチ以上500インチ以下となっていてもよい。
【0035】
表示装置20は、
図2に示されるように、表示面20Aに複数の線20Bからなり、かつ線20Bの線幅LW(
図3参照)が異なる2種以上、好ましくは3種以上のストライプパターン20C〜20Eを表示させることができるものである。
図2に示される表示装置20は、線幅LWが異なる3種のストライプパターン20C〜20Eを表示させることができるものである。表示装置がタブレット端末である場合には、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)の表示面で、タブレット端末である表示装置に所望のストライプパターンが表示されるようにストライプパターンを作製し、タブレット端末である表示装置に作製したストライプパターンを転送して、アプリケーションによりストライプパターンを表示装置の表示面に表示させてもよい。
【0036】
表示装置20の表示面20Aにおいては、ストライプパターン20C〜20Eを実際の文字に近づける観点から、線幅LWが文字を構成する線の線幅と同じまたはそれに近いピクセル数のストライプパターン20C〜20Eをそれぞれ表示させることが好ましい。通常、表示装置で用いられる文字の幅は1〜4ピクセル程度となることが多いので、ストライプパターン20C〜20Eを構成する線20Bの線幅LWは、1ピクセル以上4ピクセル以下であることが好ましい。具体的には、表示装置20の表示面20Aには、線幅が1ピクセルのストライプパターンと、線幅が2ピクセルのストライプパターンと、線幅が4ピクセルのストライプパターンとを表示させることが好ましい。
【0037】
ストライプパターン20C〜20Eを構成する線20Bの本数は、特に限定されないが、測定精度の観点から、5以上であることが好ましい。また、ストライプパターン20C〜20Eを構成する線20Bの本数は、ストライプパターン20C〜20E毎に異なっていてもよいが、各ストライプパターン20C〜20Eの面積は、ストライプパターン20C〜20E毎に面積のばらつきがない方が、線幅が小さいストライプパターンほど本数が多くなる点で好ましいので、ほぼ一定であることが好ましい。
【0038】
ストライプパターン20C〜20Eの線20Bの長さLL(
図3参照)は、特に限定されないが、測定精度と測定のしやすさの観点から、0.5cm以上3cm以下であることが好ましい。
【0039】
ストライプパターン20C〜20Eの線20B間の間隔LD(
図3参照)は、特に限定されないが、様々な文字に対して汎用的に適用しやすい観点から、ストライプパターン20C〜20Eを構成する線20Bの線幅LWと同じであることが好ましい。例えば、ストライプパターンの線の線幅が1ピクセルの場合には、ストライプパターンの線間の間隔は1ピクセルであることが好ましく、ストライプパターンの線の線幅が2ピクセルの場合には、ストライプパターンの線間の間隔は2ピクセルであることが好ましく、ストライプパターンの線の線幅が4ピクセルの場合には、ストライプパターンの線間の間隔は4ピクセルであることが好ましい。
【0040】
ストライプパターン20C〜20Eの色は、特に限定されないが、ストライプパターン20C〜20Eを表示させる観点から、ストライプパターン20C〜20Eの背景の色と異なっていることは言うまでもない。例えば、ストライプパターンが黒色である場合には、ストライプパターンの背景は白色であってもよく、またストライプパターンが白色である場合には、ストライプパターンの背景は黒色であってもよい。
【0041】
表示装置20の用途は、特に限定されず、例えば、テレビジョン用途、パーソナルコンピュータ用途、スマートフォン用途、タブレット端末用途、カーナビゲーション装置等の車載用途であってもよい。特に、後述するコントラストの値が大きい表示装置は、文字ぼけ度合いが小さいので、走行時においても瞬時に正確に文字情報を把握できるレベルの鮮明性が得られる。このため、コントラストの値が大きい表示装置は、車載用途に適している。
【0042】
文字ぼけ評価装置10および表示装置20を用意した後、表示装置20が略水平となるように表示装置20を配置し、また表示装置20の垂直方向に撮像装置11を配置する。そして、表示装置20の表示面20Aに2種以上のストライプパターン20C〜20Eを表示させた状態で、好ましくは暗室下で、まず、撮像装置11で撮影した画像の略中央にストライプパターン20Cが位置するように表示装置20の位置を合わせ、撮像装置11により表示装置20から出射する光を撮影する。次に、表示装置20を略水平に移動させて、撮像装置11で撮影した画像の略中央にストライプパターン20Dが位置するように表示装置20の位置を合わせ、同様に、表示装置20から出射する光を撮影する。さらに、表示装置20を略水平に移動させて、撮像装置11で撮影した画像の略中央にストライプパターン20Eが位置するように表示装置20の位置を合わせ、同様に、表示装置20から出射する光を撮影する。なお、この撮影は、表示装置20を静置させた状態で行われる。そして、処理装置12によって、撮影した光から各ストライプパターン20C〜20Eを横切る方向の輝度変化を求め、輝度変化からストライプパターン20C〜20E毎のコントラストを求めて、文字ぼけを評価する。本明細書における「ストライプパターンを横切る方向」は、ストライプパターンを構成する各線を横切る方向を意味し、具体的には、例えば、
図2の矢印で示されるような表示面20Aに沿い、かつストライプパターン20C〜20Eを構成する各線20Bに直交する方向である。
【0043】
コントラストは、下記式(1)によって、求めることができる。下記式(1)からコントラストを求めることとしたのは、分子は輝度変化の大きさを表し、分母は全体的な輝度の大きさを表すため、全体的な輝度の大きさによらず文字ぼけ度合いを評価できるからである。なお、下記式(1)によって求めたコントラストは、コントラストの値が大きい方ほど、文字ぼけ度合いが小さいことを意味している。
C=(M−m)/(M+m) …(1)
式(1)中、Cはコントラストであり、Mはストライプパターンにおける輝度の最大値(最大輝度)であり、mはストライプパターンにおける輝度の最小値(最小輝度)である。
【0044】
本実施形態によれば、線幅が異なる2種以上のストライプパターン20C〜20Eを用い、ストライプパターン20C〜20E毎にコントラストを求めているので、表示装置20における太さが異なる2種以上の文字における文字ぼけ度合いをそれぞれ評価することができる。すなわち、ストライプパターン20C〜20Eを構成する線20Bは、文字を構成する線を再現していると言えるので、線幅LWが異なる2種以上のストライプパターン20C〜20Eを用いることにより、太さが異なる2種以上の文字を評価できる。また、ストライプパターン20C〜20Eを用いて求めたコントラストは、それぞれストライプパターン20C〜20Eの鮮明度を表しているので、ストライプパターン20C〜20Eを用いて求めたコントラストは、文字の鮮明度、すなわち文字ぼけ度合いを表していることに等しい。これにより、線幅LWが異なる2種以上のストライプパターン20C〜20Eを用い、かつストライプパターン20C〜20E毎にコントラストを求めることによって、表示装置20における太さが異なる2種以上の文字における文字ぼけ度合いをそれぞれ評価することができる。
【0045】
互いに画素密度が同じまたは同程度の2以上の表示装置が存在する場合、上記方法によりそれぞれストライプパターン毎にコントラストを求めて、同一のストライプパターン毎に、コントラストを比較することによって、いずれの表示装置が文字ぼけ度合いが小さいかまたは大きいかを評価することができる。
【0046】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態に係る光学部材の文字ぼけ評価方法および光学部材について、図面を参照しながら説明する。
図4は本実施形態に係る光学部材の文字ぼけ評価方法を説明するための図である。
【0047】
<<<光学部材の文字ぼけ評価方法>>>
本実施形態で説明する光学部材の文字ぼけ評価方法は、光学部材によってどの程度の文字ぼけが発生するか評価する方法である。光学部材の文字ぼけを評価する際には、まず、
図4に示されるように、文字ぼけ評価装置30および評価対象である光学部材40を用意し、文字ぼけ評価装置30の表示装置20の表示面20Aに光学部材40を配置する。
【0048】
<<文字ぼけ評価装置>>
文字ぼけ評価装置30は、表示装置20と、表示装置20の表示面20Aの上方に配置された撮像装置11と、撮像装置11に電気的に接続された処理装置12とを備えている。表示装置20、撮像装置11および処理装置12は、第1の実施形態で説明した表示装置20、撮像装置11および処理装置12と同様であるので、説明を省略するものとする。なお、第1の実施形態では、表示装置20自体を評価するのに表示装置20を用いているが、本実施形態では、光学部材40を評価するのに表示装置20を用いている。
【0049】
<<光学部材>>
光学部材は、表示装置に用いられる何らかの機能を有する光透過性の部材を意味する。光学部材としては、特に限定されないが、例えば、防眩フィルム、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、および光拡散フィルム等の光学フィルム、前面板、またはこれらの組み合わせた部材等が挙げられる。
【0050】
光学部材の大きさは、特に制限されず、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、ウェアラブル端末、デジタルサイネージ、テレビジョン等の画像表示装置の表示面の大きさに応じて適宜決定される。具体的には、光学部材の大きさは、例えば、1インチ以上500インチ以下となっていてもよい。
【0051】
光学部材40としては、特に限定されないが、ギラツキを抑制でき、かつ極めて高いレベルで文字ぼけを抑制する観点から、光学部材40の観察者側の表面40Aを構成する凹凸面41Aを有する防眩フィルム41と、防眩フィルム41における凹凸面41Aとは反対側の面41B側に配置された中間部材42と、中間部材42より表示素子21側に配置された光拡散フィルム43とを備えるものであることが好ましい。
【0052】
<防眩フィルム>
防眩フィルム41は、例えば、光透過性基材44と、光透過性基材44の一方の面側に配置され、凹凸面41Aとなる凹凸面45Aを有する防眩層45とを備えている。
【0053】
光透過性基材44としては、光透過性を有すれば特に限定されないが、例えば、セルロースアシレート基材、シクロオレフィンポリマー基材、ポリカーボネート基材、アクリレート系ポリマー基材、ポリエステル基材、またはガラス基材が挙げられる。
【0054】
光透過性基材44の厚みは、特に限定されないが、5μm以上1000μm以下とすることが可能である。光透過性基材44の厚みは、厚み測定装置(製品名「デジマチックインジケーターIDF−130」、ミツトヨ社製)を用いて、光透過性基材44の厚みを10点測定し、その平均値を意味するものとする。光透過性基材44の厚みの下限はハンドリング性等の観点から15μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましい。光透過性基材44の厚みの上限は薄膜化の観点から80μm以下であることが好ましい。
【0055】
防眩層45は、防眩性を発揮する層である。防眩層45は、防眩性を発揮するとともに、他の機能を発揮するものであってもよい。具体的には、防眩層45は、防眩性を発揮するとともに、例えば、ハードコート性、反射防止性、帯電防止性、または防汚性等の機能を発揮する層であってもよい。
【0056】
防眩層45の厚みは、特に限定されず、1μm以上20μm以下とすることが可能である。防眩層45の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)の画像から、画像処理ソフトウェアを用いて測定される値である。ここで、防眩層の表面は凹凸面となっているので、場所によって厚みが異なるが、上記「防眩層の厚み」とは、防眩層の厚みを10点測定し、その平均値を意味するものとする。
【0057】
防眩層45の凹凸面45Aの形成方法としては、例えば、(A)硬化後バインダ樹脂となる重合性化合物および粒子を含む防眩層用組成物を用いて凹凸面を形成する方法、(B)金型を用いた転写方法によって凹凸面を形成する方法、(C)サンドブラストにより防眩層の表面を荒らすことによって凹凸面を形成する方法、または(D)エンボスロールにより防眩層の表面に凹凸を付与することによって凹凸面を形成する方法等が挙げられる。これらの中でも、製造が容易であることから、上記(A)の方法が好ましい。防眩層が上記(A)の方法によって形成されている場合、防眩層はバインダ樹脂および粒子を含んでいる。
【0058】
<中間部材>
中間部材42は、防眩フィルム41と光拡散フィルム43との間に配置される部材であり、例えば、前面板、タッチパネル、空気層(エアギャップ)、ボンディング樹脂層またはこれらの組み合わせが挙げられる。
図4に示される中間部材42は、前面板である。中間部材42を前面板とすることにより、耐久性および/または意匠性を向上させることができる。
【0059】
中間部材42の厚みは、0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。中間部材42の厚みが、0.1mm未満であると、中間部材42が前面板である場合、光学部材の耐久性を確保することができないおそれがあり、また5mmを超えると、視認性が悪化するおそれがある。中間部材42の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、中間部材42の断面を撮影し、その断面の画像において中間部材の厚みを10点測定し、その平均値とする。中間部材42の厚みの下限は、0.5mm以上であることがより好ましく、また上限は、3mm以下であることがより好ましい。
【0060】
中間部材42が前面板である場合、前面板を構成する材料としては、ガラス、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド等が挙げられる。これらの中でも、耐環境性の観点から、ガラスが好ましい。
【0061】
<光拡散フィルム>
光拡散フィルム43は、入射する光を拡散させるためのものである。光拡散フィルム43としては、特に限定されず、例えば、光拡散粒子を含むフィルムや凸状構造体を含むフィルムであってもよい。
【0062】
図4に示される光拡散フィルム43は、例えば、光透過性基材46と、光透過性基材46中に分散された光拡散粒子47とを含んでいるが、この構造に限定されず、光透過性基材と、光透過性基材の一方の面に設けられ、バインダ樹脂およびバインダ樹脂中に分散された光拡散粒子を含む光拡散層とを備えるものであってもよい。光拡散フィルム43は、光透過性基材46を構成する樹脂に光拡散粒子47を添加した状態で、押し出すことにより得ることができる。また、光拡散層を備える光拡散フィルムは、光透過性基材上に硬化後にバインダ樹脂となる重合性化合物および光拡散粒子を含む光拡散層用組成物を塗布し、硬化させることにより得ることができる。
【0063】
光拡散フィルム43の厚みは、20μm以上300μm以下であることが好ましい。光拡散フィルム43の厚みが、20μm未満であると、光拡散性が充分でないおそれがあり、また300μmを超えると、取り扱い性が悪くなるおそれがある。光拡散フィルム43の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、光拡散フィルム43の断面を撮影し、その断面の画像において光拡散フィルム43の厚みを10箇所測定し、その10箇所の厚みの平均値とする。光拡散フィルム43の厚みの下限は、50μm以上であることがより好ましく、また上限は、200μm以下であることがより好ましい。
【0064】
(光透過性基材)
光透過性基材46としては、特に限定されないが、例えば、光透過性基材44と同様のものを用いることができる。
【0065】
(光拡散粒子)
光拡散粒子47は、光拡散フィルム43に入射した光を拡散させるための粒子である。光拡散粒子47の平均粒子径は、例えば、1μm以上30μm以下であることが好ましい。光拡散粒子47の平均粒子径が、1μm未満であると、充分な光拡散性を得ることができないおそれがあり、また30μmを超えると、光拡散性が不均一となるおそれがある。光拡散粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡の透過観察や、走査型電子顕微鏡による観察により測定された20個の粒子の直径の平均値として求めることができる。光拡散粒子47の平均粒子径の下限は、3μm以上であることがより好ましく、また上限は、20μm以下であることがより好ましい。
【0066】
光透過性基材46と光拡散粒子47との屈折率差の絶対値は、0.01以上0.3以下であることが好ましい。0.01未満であると、光拡散フィルムにおける光拡散性が不充分となり、また0.3を超えると、光拡散フィルムの透過率が低下してしまうことがある。光透過性基材46の屈折率と光拡散粒子47の屈折率とは、いずれの方が大きくてもよい。ここで、光拡散フィルムに含有させる前の光拡散粒子の屈折率の測定方法としては、例えば、ベッケ法、最小偏角法、偏角解析、モード・ライン法、エリプソメトリ法等によって測定することができる。光拡散フィルム中の光透過性基材、光拡散粒子の屈折率の測定方法としては、例えば、光拡散フィルム中から光拡散粒子のかけら、あるいは光透過性基材のかけらをなんらかの形で取り出したものについてベッケ法を用いることができる。このほか、位相シフトレーザー干渉顕微鏡(エフケー光学研究所製の位相シフトレーザー干渉顕微鏡や溝尻光学工業所製の二光束干渉顕微鏡等)を用いて光透過性基材と光拡散粒子との屈折率差を測定することができる。光透過性基材46と光拡散粒子47との屈折率差の絶対値の下限は、0.05以上であることがより好ましく、上限は、0.2以下であることが好ましい。
【0067】
光拡散粒子47は、有機材料からなる粒子または無機材料からなる粒子であってもよい。光拡散粒子47を構成する有機材料としては特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、メラミン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリオレフィン等が挙げられる。なかでも、架橋アクリル樹脂が好適に用いられる。また、上記光拡散粒子を構成する無機材料としては特に限定されず、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛微粒子等の無機酸化物等が挙げられる。なかでも、シリカ及び/又はアルミナが好適に用いられる。
【0068】
文字ぼけ評価装置30および光学部材40を用意した後、表示装置20および光学部材40が略水平となるように表示装置20の表示面20Aに光学部材40を配置し、また表示装置20および光学部材40の垂直方向に撮像装置11を配置する。そして、表示装置20の表示面20Aに2種以上のストライプパターン20C〜20Eを表示させた状態で、好ましくは暗室下で、撮像装置11で撮影した画像の略中央にストライプパターン20Cが位置するように表示装置20および光学部材40の位置を合わせ、撮像装置11により表示装置20から出射して、光学部材40を透過する光を撮影する。次に、表示装置20を略水平に移動させて、撮像装置11で撮影した画像の略中央にストライプパターン20Dが位置するように表示装置20および光学部材40の位置を合わせ、同様に、表示装置20から出射して、光学部材40を透過する光を撮影する。さらに、表示装置20および光学部材40を略水平に移動させて、撮像装置11で撮影した画像の略中央にストライプパターン20Eが位置するように表示装置20および光学部材40の位置を合わせ、同様に、表示装置20から出射して、光学部材40を透過する光を撮影する。なお、撮影は、表示装置20および光学部材40を静置させた状態で行われる。そして、処理装置12によって、撮影した光から各ストライプパターン20C〜20Eを横切る方向の輝度変化を求め、輝度変化からストライプパターン20C〜20E毎のコントラストを求めて、文字ぼけを評価する。
【0069】
コントラストは、上記と同様に、下記式(1)によって、求めることができる。
C=(M−m)/(M+m) …(1)
式(1)中、Cはコントラストであり、Mはストライプパターンにおける輝度の最大値(最大輝度)であり、mはストライプパターンにおける輝度の最小値(最小輝度)である。
【0070】
本実施形態によれば、線幅が異なる2種以上のストライプパターンを用い、ストライプパターン毎にコントラストを求めているので、光学部材における太さが異なる2種以上の文字における文字ぼけ度合いをそれぞれ評価することができる。すなわち、第1の実施形態と同様の理由から、太さが異なる2種以上の文字における文字ぼけ度合いをそれぞれ評価することができるが、本実施形態においては表示装置20の表示面20A上には光学部材40が配置されている。ここで、表示装置20の表示面20A上に光学部材40を配置していない状態でもコントラストを求めて、表示装置20の表示面20A上に光学部材40を配置した状態で求めたコントラストと、表示装置20の表示面20A上に光学部材40を配置していない状態で求めたコントラストとを比較すれば、光学部材40を配置することによって太さが異なる2種以上の文字においてどの程度文字ぼけが生じるかそれぞれ評価することができる。また、表示装置20の表示面20A上に光学部材40とは異なる光学部材を配置した状態でもコントラストを求めて、表示装置20の表示面20A上に光学部材40を配置した状態で求めたコントラストと、表示装置20の表示面20A上に光学部材40とは異なる光学部材を配置した状態で求めたコントラストとを比較すれば、光学部材40と、光学部材40とは異なる光学部材とのどちらが、太さが異なる2以上の文字において文字ぼけ度合いが小さいかまたは大きいかそれぞれ評価することができる。
【0071】
上記表示装置20の表示面20A上に光学部材40を配置していない状態でのコントラストは、表示装置20の表示面20A上に光学部材40を配置しないこと以外は、表示装置20の表示面20A上に光学部材40を配置した状態で求めたコントラストと同様の方法で求めるものとする。この場合、表示装置20の表示面20A上に光学部材40が配置されていないので、撮像装置11によって撮影される光は表示装置から出射する光を直接撮影することは言うまでもない。また、上記表示装置20の表示面20A上に光学部材40とは異なる光学部材を配置した状態でのコントラストは、表示装置20の表示面20A上に光学部材40とは異なる光学部材を配置した以外は、表示装置20の表示面20A上に光学部材40を配置した状態で求めたコントラストと同様の方法で求めるものとする。
【0072】
光学部材40の用途は、特に限定されず、例えば、テレビジョン用途、パーソナルコンピュータ用途、スマートフォン用途、タブレット端末用途、カーナビゲーション装置等の車載用途であってもよい。特に、コントラストの値が大きい光学部材は、文字ぼけの程度が小さいので、走行時においても瞬時に正確に文字情報を把握できるレベルの鮮明性が得られる。このため、コントラストの値が極めて大きい光学部材は、車載用途に適している。
【0073】
表示装置を車載用途で用いる場合、外光の写り込みがあると、運転手が外光の写り込みによって道路等の図形情報や文字情報が認識しにくくなるので、外光を極力排除することが求められている。また、表示装置を車載用途で用いる場合には、人指によって表示面が押されるので、充分な強度が必要である。本実施形態では、防眩フィルム41および中間部材42を備える光学部材40を用いているので、中間部材42が前面板である場合には、外光を極力排除しながら、充分な強度を得ることができる。したがって、光学部材40は、特に車載用途に適している。
【0074】
光学部材の中には、艶黒感や漆黒感等の黒色再現性が良好なものがあるが、光学部材における黒色再現性が良好であることと、文字ぼけ度合いが小さいこととは全く異なるものであるので、黒色再現性が良好である場合であっても、文字ぼけ度合いが小さいとは限らない。
【0075】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態に係る光学部材および表示装置について、図面を参照しながら説明する。
図5は本実施形態に係る光学部材を備える表示装置の概略構成図であり、
図6は本実施形態に係る他の光学部材を備える表示装置の概略構成図である。
【0076】
<<<光学部材および表示装置>>>
図5に示されるように、表示装置50は、主に、表示パネル60と、表示パネル60の背面側に配置されたバックライト装置70と、表示パネル60の観察者側に配置された光学部材80とを備えている。表示装置50は、表示パネル60および光学部材80を備えていればよく、その他、表示パネル60と光学部材80との間にタッチパネルを備えていてもよい。タッチパネルを備えることにより、タッチパネル機能を有する表示装置を得ることができる。また、本実施形態においては、表示パネル60が液晶表示パネルであるので、表示装置50がバックライト装置70を備えているが、表示パネル(表示素子)の種類によってはバックライト装置70を備えていなくともよい。表示装置50の大きさは、例えば、1インチ以上500インチ以下となっていてもよい。
【0077】
<<表示パネル>>
表示パネル60は、
図5に示されるように、表示素子61を備えている。表示素子61は液晶表示素子である。ただし、表示素子は液晶表示素子に限られず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等であってもよい。液晶表示素子は、2枚のガラス基材間に、液晶層、配向膜、電極層、カラーフィルタ等を配置したものである。
【0078】
表示パネル60は、表示素子61の観察者側およびバックライト装置70側にそれぞれ配置された偏光板62、63を備えており、表示素子61と偏光板62、63は感圧接着剤(PSA)等の透明粘着層64を介して一体化されている。
【0079】
偏光板62、63は、偏光子65と、偏光子25の一方の面に貼り付けられた保護フィルム66と、偏光子65の他方の面に貼り付けられた保護フィルム67とを備えている。保護フィルム66、67は、偏光子65を保護するためのものであり、トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)等の光透過性基材から構成されている。なお、偏光板62の保護フィルム66は、光透過性基材よりも観察者側にハードコート層等の機能層を備えていてもよい。
【0080】
偏光子65としては、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等が挙げられる。偏光子65と保護フィルム66、67とを積層する際には、予め保護フィルム66、67に鹸化処理を施すことが好ましい。保護フィルム66、67に鹸化処理を施すことによって、偏光子65との接着性が良好になる。
【0081】
<<バックライト装置>>
バックライト装置70は、表示パネル60の背面側から表示パネル60を照明するものである。バックライト装置70としては、公知のバックライト装置を用いることができ、またバックライト装置70はエッジライト型や直下型のバックライト装置のいずれであってもよい。
【0082】
<<光学部材>>
光学部材80は、光学部材80の観察者側の表面80Aを構成する凹凸面81Aを有する防眩フィルム81と、防眩フィルム81における凹凸面81Aとは反対側の面81B側に配置された中間部材82と、中間部材82より表示パネル60側に配置された光拡散フィルム83とを備えるものである。光学部材80が表示装置50に搭載された状態では、防眩フィルム81の凹凸面81Aは、表示装置50の観察者側の表示面50Aを構成しており、中間部材82および光拡散フィルム83は、表示パネル60と防眩フィルム81との間に配置されている。光学部材80は、表示パネル60に対して接着剤等で固定されていてもよいが、固定されていなくともよい。
【0083】
<防眩フィルム>
防眩フィルム81は、例えば、光透過性基材84と、光透過性基材84の観察者側に配置され、凹凸面81Aとなる凹凸面85Aを有する防眩層85とを備えている。
【0084】
防眩層85は、防眩性を発揮する層である。防眩層85は、防眩性を発揮するとともに、他の機能を発揮するものであってもよい。具体的には、防眩層85は、防眩性を発揮するとともに、例えば、ハードコート性、反射防止性、帯電防止性、または防汚性等の機能を発揮する層であってもよい。
【0085】
防眩フィルム81の凹凸面81Aにおいては、凹凸面81Aを構成する凹凸の平均間隔Smが0.050mm以上0.300mm以下となっていることが好ましい。Smが0.050mm未満であると、コントラストに劣るおそれがあり、またSmが0.300mmを超えると、ギラツキが抑制できないおそれがある。Smは、0.060mm以上0.200mm以下となっていることがより好ましい。防眩フィルム81の凹凸面81Aにおいては、凹凸面81Aを構成する凹凸の平均傾斜角θaが0.1°以上4.0°以下となっていることが好ましい。θaが0.1°未満であると、防眩性が不充分となるおそれがあり、またθaが4.0°を超えると、コントラストに劣るおそれがある。θaは、0.5°以上2.0°以下となっていることがより好ましい。
【0086】
防眩フィルム81の凹凸面81Aにおいては、凹凸面81Aを構成する凹凸の算術平均粗さRaが0.05μm以上0.40μm以下となっていることが好ましい。Raが0.05μm未満であると、防眩性が不充分となるおそれがあり、またRaが0.40μmを超えると、コントラストに劣るおそれがある。Raは、0.10μm以上0.25μm以下となっていることがより好ましい。防眩フィルム81の凹凸面81Aにおいては、凹凸面85Aを構成する凹凸の最大高さ粗さRyが1.0μm以上4.0μm以下となっていることが好ましい。Ryが1.0μm未満であると、防眩性が不充分となるおそれがあり、またRyが4.0μmを超えると、コントラストに劣るおそれがある。Ryは1.5μm以上3.5μm以下となっていることがより好ましい。防眩フィルム81の凹凸面81Aにおいては、凹凸面81Aを構成する凹凸の10点平均粗さRzが0.30μm以上2.50μm以下となっていることが好ましい。Rzが0.30μm未満であると、防眩性が不充分となるおそれがあり、またRzが2.50μmを超えると、コントラストに劣る恐れがある。Rzは0.50μm以上1.80μm以下となっていることがより好ましい。
【0087】
上記「Sm」、「Ra」、「Ry」および「Rz」の定義は、JIS B0601:1994に従うものとする。「θa」の定義は、表面粗さ測定器であるSE−3400(小坂研究所製)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に従うものとする。具体的には、θaは下記式(2)で表される。
θa=tan
−1Δa …(2)
式(2)中、Δaは傾斜を縦横比率で表したものであり、各凹凸の極小部と極大部の差(各凸部の高さに相当)の総和を基準長さで割った値である。
【0088】
Sm、Ra、Ry、Rzおよびθaは、いずれも、例えば、サーフコーダSE−3400、SE−3500、またはSE−500(いずれも小坂研究所製)を用いて測定することができる。ここで、直接θaを測定することはできない場合であっても、Δaが測定できる場合には、θaとΔaは、上記式(2)に示される関係があるので、Δaを測定し、測定したΔaからθaを求めることが可能である。なお、Sm等の測定の際のカットオフ波長はいずれも0.8mmに設定するものとする。
【0089】
光透過性基材84および防眩層85は、光透過性基材44および防眩層45と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
【0090】
<中間部材>
中間部材82は、中間部材42と同様であるので、下記以外は説明を省略するものとする。
【0091】
中間部材82のヘイズ値は、防眩フィルム81や光拡散フィルム83以外は透明であることが好ましいことから、0.8%以下であることが好ましい。ヘイズ値は、JIS K7136:2000に準拠して、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、縦10cm×横10cmの大きさに切り出した中間部材82に対して3回測定を行い、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
【0092】
中間部材82の全光線透過率は、表示面の視認性が高まることから、80%以上であることが好ましい。全光線透過率は、JIS K7361−1:1997に準拠して、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、縦10cm×横10cmの大きさに切り出した中間部材82に対して3回測定を行い、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
【0093】
<光拡散フィルム>
光拡散フィルム83は、入射する光を拡散させるためのものである。光拡散フィルム83としては、特に限定されず、例えば、光拡散粒子を含むフィルムや凸状構造体を含むフィルムであってもよい。
【0094】
表示素子61と光拡散フィルム83との間の距離Dは、文字ぼけを抑制する観点から、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。表示素子61と光拡散フィルム83との間の距離Dは、表示素子61における光拡散フィルム83側の面(例えば、表示素子61を構成する光拡散フィルム83側のガラス板における光拡散フィルム83側の表面)から光拡散フィルム83における表示素子61側の面までの距離を意味するものとする。表示素子61と光拡散フィルム83との間の距離Dは、表示素子61と光拡散フィルム83との間の距離を10箇所測定し、その10箇所の距離の平均値とする。
【0095】
光拡散フィルム83は、光拡散フィルム43と同様である。したがって、光拡散フィルム83は、例えば、光透過性基材86と、光透過性基材86中に分散された光拡散粒子87とを含んでいる。
【0096】
光拡散フィルム83のヘイズ値は、ギラツキを抑制する観点からは、50%以上が好ましく、70%がより好ましく、90%以上がさらに好ましいが、文字ぼけを抑制する観点からは99%以下が好ましく、95%以下がより好ましく、90%以下がさらに好ましい。光拡散フィルム83のヘイズ値は、中間部材82のヘイズ値と同様の方法によって測定することができる。
【0097】
(光透過性基材および光拡散粒子)
光透過性基材86および光拡散粒子87は、光透過性基材46および光拡散粒子47と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
【0098】
<<<他の表示装置>>>
表示装置50は、光学部材80を備えているが、表示装置としては、
図6に示されるような表示装置100であってもよい。なお、
図6において、
図5と同じ符号が付してある部材は、
図5で示されている部材と同じ部材を意味するので、ここでは説明を省略するものとする。
【0099】
表示装置100は、表示パネル60の観察者側に配置され、かつ表示装置100の観察者側の表示面100Aを構成する凹凸面81Aを有する防眩フィルム81と、表示パネル60と防眩フィルム81との間に配置された中間部材110と、表示パネル60と防眩フィルム81との間に配置され、かつ中間部材110より表示パネル60側に配置された光拡散フィルム83とを備えるものである。
【0100】
<<中間部材>>
中間部材110は、タッチパネル111と、タッチパネル111よりも表示パネル60側に位置する空気層112とから構成されている。中間部材110がタッチパネル111を備えることにより、表示装置100にタッチパネル機能を付与することができる。タッチパネル111としては、公知のタッチパネルを用いることができ、また前面板を備えていてもよい。空気層112の厚みは、0.1mm以上3.0mm以下であることが好ましい。空気層112の厚みが、0.1mm以上であれば、タッチパネル111と光拡散フィルム83が部分的に接触することによるウォーターマークの発生を抑制することができ、また3.0mm以下であれば、表示装置100の厚みが厚くなることを抑制できる。空気層112の厚みは、空気層112の厚みをランダムに10箇所測定し、その平均値とする。
【0101】
本実施形態によれば、光学部材80や表示装置100が光拡散フィルム83を備えているので、防眩フィルム81を配置することによって生じるギラツキを抑制できる。また、光拡散フィルムを配置することによって生じる文字ぼけの度合いについて、本発明者らは、鋭意研究した結果、文字ぼけ度合いは、文字の太さによって異なること、また表示素子から光拡散フィルムまでの距離に依存すること、具体的には、表示素子から光拡散フィルムまでの距離が大きい場合には、表示素子から光拡散フィルムまでの距離が小さい場合に比べて、文字ぼけ度合いが大きくなることを見出した。また、一方で、ギラツキは表示素子から光拡散フィルムまでの距離には依存しないことを見出した。本実施形態によれば、中間部材82、110より表示パネル60側に光拡散フィルム83が配置されているので、中間部材と防眩フィルムとの間に光拡散フィルムを配置した場合に比べて、表示素子から光拡散フィルムまでの距離が小さくなる。これにより、表示パネル60の表示面60Aに表示される文字の太さに依存せずに、文字ぼけ度合いを極めて小さくすることができるので、ギラツキを抑制しながら、文字の太さに拠らず、文字ぼけを抑制できる。
【0102】
表示装置50、100や光学部材80の用途は、特に限定されず、例えば、テレビジョン用途、パーソナルコンピュータ用途、スマートフォン用途、タブレット端末用途、カーナビゲーション装置等の車載用途であってもよい。特に、表示装置50、100や光学部材80は、文字ぼけ度合いが小さいので、走行時においても瞬時に正確に文字情報を把握できるレベルの鮮明性が得られる。このため、表示装置50、100や光学部材80は、車載用途に適している。
【0103】
表示装置を車載用途で用いる場合、外光の写り込みがあると、運転手が外光の写り込みによって道路等の図形情報や文字情報が認識しにくくなるので、外光を極力排除することが求められている。また、表示装置を車載用途で用いる場合には、人指によって表示面が押されるので、充分な強度が必要である。本実施形態では、防眩フィルム81および中間部材82を備える光学部材80を用いており、中間部材82が前面板であるので、外光を極力排除しながら、充分な強度を得ることができる。したがって、光学部材80は、特に車載用途に適している。
【0104】
表示装置50、100および光学部材80の文字ぼけ度合いは、目視によって評価してもよいが、正確に評価できる観点から、それぞれ以下の方法によって評価することが好ましい。なお、以下では、光学部材80および表示装置50の文字ぼけを評価する方法について説明しているが、表示装置100の文字ぼけも、同様の方法によって評価することができる。
【0105】
<<光学部材の文字ぼけ評価方法>>
光学部材80の文字ぼけは、第2の実施形態で説明した文字ぼけ評価装置30と同様の文字ぼけ評価装置を用いて、第2の実施形態と同様の方法によって評価することができる。具体的には、文字ぼけ評価装置30と同様の文字ぼけ評価装置と、光学部材80とを用意する。文字ぼけ評価装置は、文字ぼけ評価装置と同様の構成となっているので、線幅が異なる2種以上のストライプパターンを表示可能な表示面を備える表示装置と、表示装置の表示面の上方に配置された撮像装置と、撮像装置に電気的に接続された処理装置とを備えている。なお、表示装置、撮像装置、および処理装置は、表示装置20、撮像装置11、処理装置12と同様であり、また表示装置の表示面に表示させるストライプパターンもストライプパターン20C〜20Eと同様であるので、ここでは説明も省略するものとする。そして、文字ぼけ評価装置の表示装置および光学部材80が略水平となるように表示装置および表示装置の表示面に光学部材80を配置し、また表示装置および光学部材80の垂直方向に撮像装置を配置する。なお、光学部材80は、光拡散フィルム83が表示装置の表示面側となるように配置される。そして、表示装置の表示面に線幅が異なる2種以上のストライプパターンを表示させた状態で、好ましくは暗室下で、撮像装置で撮影した画像の略中央に1つのストライプパターンが位置するように表示装置および光学部材80の位置を合わせ、撮像装置により表示装置から出射して、光学部材80を透過する光を撮影する。次に、表示装置を略水平に移動させて、撮像装置で撮影した画像の略中央に他のストライプパターンが位置するように表示装置および光学部材80の位置を合わせ、同様に、表示装置から出射して、光学部材80を透過する光を撮影する。撮影は、表示装置および光学部材80を静置させた状態で行われる。そして、処理装置によって、撮影した光から各ストライプパターンを横切る方向の輝度変化を求め、輝度変化からストライプパターン毎のコントラストを求めて、文字ぼけを評価する。
【0106】
この評価方法によれば、線幅が異なる2種以上のストライプパターンを用い、ストライプパターン毎にコントラストを求めるので、光学部材80における太さが異なる2種以上の文字における文字ぼけ度合いをそれぞれ評価することができる。そして、表示装置の表示面上に光学部材80を配置していない状態でもコントラストを求めて、表示装置の表示面上に光学部材80を配置した状態で求めたコントラストと、表示装置の表示面上に光学部材80を配置していない状態で求めたコントラストとを比較すれば、光学部材80を配置することによって太さが異なる2種以上の文字においてどの程度文字ぼけが生じるかそれぞれ評価することができる。また、表示装置の表示面上に、光学部材80とは異なる光学部材(例えば、防眩フィルムと中間部材との間に光拡散フィルムが配置された光学部材)を配置した状態でもコントラストを求めて、表示装置の表示面上に光学部材80を配置した状態で求めたコントラストと、表示装置の表示面上に光学部材80とは異なる光学部材を配置した状態で求めたコントラストとを比較すれば、光学部材80と、光学部材80とは異なる光学部材とのどちらが、太さが異なる2以上の文字において文字ぼけ度合いが小さいかまたは大きいかそれぞれ評価することができる。
【0107】
<<表示装置の文字ぼけ評価方法>>
上記においては光学部材80の文字ぼけを評価しているが、光学部材80を備えた表示装置50の文字ぼけを評価してもよい。表示装置50の文字ぼけは、第1の実施形態で説明した文字ぼけ評価装置10と同様の文字ぼけ評価装置を用いて、第1の実施形態と同様の方法によって評価することができるので、ここでは説明を省略するものとする。
【0108】
本実施形態においても、線幅が異なる2種以上のストライプパターンを用い、ストライプパターン毎にコントラストを求めているので、第1の実施形態および第2の実施形態で説明した理由と同様の理由から、光学部材80および表示装置50における太さが異なる2種以上の文字における文字ぼけ度合いをそれぞれ評価することができる。
【実施例】
【0109】
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。なお、後述する評価や測定は、少なくとも目視で異常のない箇所(大きい異物、擦りキズ、汚れまたは皺等がない箇所)で行うものとする。
【0110】
<<実施例A>>
<防眩層用組成物の調製>
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、防眩層用組成物1を得た。
(防眩層用組成物1)
・多官能アクリレートモノマー:80質量部
・光重合開始剤:5質量部
・シリコーン系レベリング剤:0.1質量部
・球状ポリアクリル−スチレン粒子(平均粒子径3.5μm、屈折率1.52):12質量部
・反応性官能基導入シリカ超微粒子(固形分30%、溶剤(メチルイソブチルケトン)):120質量部
・トルエン:135質量部
【0111】
<光拡散フィルムの調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、光拡散フィルム用組成物1を得た。
(光拡散フィルム用組成物1)
・アクリルポリオール:80質量部
・イソシアネート系硬化剤:16質量部
・ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒子径10μm):100質量部
・酢酸ブチル:100質量部
・メチルエチルケトン:100質量部
【0112】
<サンプル1>
光透過性基材としての厚さ60μmのトリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士フイルム社製、TD60UL)を準備し、トリアセチルセルロース樹脂フィルムの片面に、防眩層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm
2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、表面が凹凸面となった膜厚(硬化時)が4.0μmの防眩層を形成し、防眩フィルムを作製した。
【0113】
一方で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の一方の表面に、乾燥後の膜厚が16μmとなるように光拡散フィルム用組成物1を塗布し、乾燥させて、光拡散フィルムを作製した。
【0114】
防眩フィルムおよび光拡散フィルムを得た後、市販のタブレット端末(画素密度264ppi)の前面板であるガラス板等のタッチパネル素子を取り除き、上記で作製した光拡散フィルム、厚みが1mmの無色透明ガラス板(ヘイズ値0.2%および全光線透過率92%)および上記で作製した防眩フィルムを観察者側に向けてこの順で積層して、サンプル1に係る表示装置を得た。なお、防眩フィルムは、凹凸面が観察側となるように配置された。
【0115】
<サンプル2>
サンプル2においては、サンプル1で用いた厚みが1mmの無色透明ガラス板、サンプル1で作製した光拡散フィルム、およびサンプル1で作製した防眩フィルムを観察者側に向けてこの順で積層したこと以外は、サンプル1と同様にして、サンプル2に係る表示装置を得た。
【0116】
<サンプル3>
サンプル3においては、サンプル1で用いた厚みが1mmの無色透明ガラス板およびサンプル1で作製した防眩フィルムを観察者側に向けてこの順で積層したこと以外は、サンプル1と同様にして、サンプル3に係る表示装置を得た。
【0117】
<サンプル4>
サンプル4においては、市販のスマートフォン(画素密度326ppi)の表示面に、表示面側から、サンプル1で作製した光拡散フィルム、サンプル1で用いた厚みが1mmの無色透明ガラス板、およびサンプル1で作製した防眩フィルムを観察者側に向けてこの順で積層した光学部材を配置した。なお、防眩フィルムは、凹凸面が観察側となるように配置された。
【0118】
<サンプル5>
サンプル5においては、サンプル4で用いた市販のスマートフォンの表示面に、表示面側から、サンプル1で用いた厚みが1mmの無色透明ガラス板、サンプル1で作製した光拡散フィルム、およびサンプル1で作製した防眩フィルムを観察者側に向けてこの順で積層した光学部材を配置した。なお、防眩フィルムは、凹凸面が観察側となるように配置された。
【0119】
<サンプル6>
サンプル6においては、サンプル4で用いた市販のスマートフォンの表示面に、表示面側から、サンプル1で用いた厚みが1mmの無色透明ガラス板およびサンプル1で作製した防眩フィルムを観察者側に向けてこの順で積層した光学部材を配置した。なお、防眩フィルムは、凹凸面が観察側となるように配置された。
【0120】
<ギラツキ評価>
サンプル1〜3に係る各表示装置およびサンプル4〜6に係る各光学部材が搭載された表示装置を略水平となるように配置し、各表示装置を点灯させて、暗室下で、サンプル1〜3に係る各表示装置の表面およびサンプル4〜6に係る各光学部材の表面から30cm程度の距離において上下、左右様々な角度から、ギラツキが発生しているか否か目視により評価した。評価基準は、以下の通りとした。
○:ギラツキが確認されなかった、またはギラツキが若干確認されたが、実用上問題ないレベルであった。
×:ギラツキが明確に確認された。
【0121】
<文字ぼけ評価(1)>
サンプル1〜3に係る各表示装置およびサンプル4〜6に係る各光学部材が搭載された表示装置において、各表示装置の表示面に、線幅が異なる3種類のストライプパターンを表示させた状態で、ストライプパターン毎にコントラストを求めた。具体的には、まず、パーソナルコンピュータの表示面で、サンプル1〜3に係る各表示装置およびサンプル4〜6に係る各光学部材が搭載された表示装置に下記のストライプパターンが表示されるようにストライプパターンを作製し、作製した各表示装置にストライプパターンを転送して、アプリケーションによりストライプパターンが表示装置の表示面に表示可能な状態とした。その後、サンプル1〜3に係る各表示装置およびサンプル4〜6に係る各光学部材が搭載された表示装置を略水平となるように配置し、また表示装置の垂直方向にCCDカメラ(Point Grey社BlackFly 1.3Mピクセル、レンズ;COMPUTAR f=16mm,F/1.4,2/3型)を配置した。次いで、各表示装置において、各表示装置の表示面に、線幅が1ピクセルであり、線の本数が30本であり、線長さが1cmであり、かつ線間隔が1ピクセルである第1のストライプパターンと、線幅が2ピクセルであり、線の本数が15本であり、線長さが1cmであり、かつ線間隔が2ピクセルである第2のストライプパターンと、線幅が4ピクセルであり、線の本数が8本であり、線長さが1cmであり、かつ線間隔が4ピクセルである第3のストライプパターンとを表示させた。そして、暗室下で、サンプル1〜3に係る各表示装置においては、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第1のストライプパターンが位置するように表示装置の位置を合わせ、CCDカメラにより表示装置から出射する光を撮影した。次に、表示装置を略水平に移動させて、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第2のストライプパターンが位置するように表示装置の位置を合わせ、上記と同様に、表示装置から出射する光を撮影した。さらに、表示装置を略水平に移動させて、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第3のストライプパターンが位置するように表示装置の位置を合わせ、上記と同様に、表示装置から出射する光を撮影した。またサンプル4〜6に係る各光学部材が搭載された表示装置においては、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第1のストライプパターンが位置するように光学部材が搭載された表示装置の位置を合わせ、CCDカメラにより表示装置から出射し、光学部材を透過した光を撮影した。次に、光学部材が搭載された表示装置を略水平に移動させて、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第2のストライプパターンが位置するように光学部材が搭載された表示装置の位置を合わせ、上記と同様に、表示装置から出射し、光学部材を透過した光を撮影した。さらに、光学部材が搭載された表示装置を略水平に移動させて、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第3のストライプパターンが位置するように光学部材が搭載された表示装置の位置を合わせ、上記と同様に、表示装置から出射し、かつ光学部材を透過する光を撮影した。なお、撮影は、表示装置を静置させた状態で行った。CCDカメラと防眩フィルムの距離は200mmとし、CCDカメラの焦点は防眩フィルムや光拡散フィルムを設置しない場合に、各ストライプパターンが最も鮮明になるように調節した。CCDカメラで撮影した光を画像として処理装置であるパーソナルコンピュータに取り込み、撮影した光から各ストライプパターンを横切る方向の輝度変化を求めた。この際の輝度は、ストライプパターンに沿った方向(
図2の縦方向)のストライプパターンを構成する線の長さ内の輝度の平均値とした。なお、測定される輝度は相対値であり単位を持たない。そして、輝度変化から上記式(1)によりストライプパターン毎のコントラストをそれぞれ求めた。
【0122】
<文字ぼけ評価(2)>
サンプル1〜3に係る各表示装置およびサンプル4〜6に係る各光学部材が搭載された表示装置において、各表示装置の表示面に、文字の大きさが異なり、線幅がそれぞれ、1ピクセル程度、2ピクセル程度、4ピクセル程度となる3種類のアルファベット大文字である「ABCDEF」という文字(以下、線幅が1ピクセル程度の文字を「第1の文字」、線幅が2ピクセル程度の文字を「第2の文字」、線幅が3ピクセル程度の文字を「第3の文字」と称する。)を表示させた状態で、暗室下で、サンプル1〜3に係る各表示装置においては表示面から30cm程度の距離において上下、左右様々な角度から表示面を目視により観察し、サンプル4〜6に係る各光学部材が搭載された表示装置においては光学部材の表面から30cm程度の距離において上下、左右様々な角度から光学部材越しに表示面を目視により観察し、文字がぼけているか否か評価した。評価基準は、以下の通りとした。なお、表示装置を車載用途で用いる場合には、表示装置の表示面から60cm程度以上離れた場所において斜めから見ることが多いが、この文字ぼけ評価においては、文字ぼけを実際よりも厳しい条件で評価するために表示面や光学部材の表面から30cm程度の距離において上下、左右様々な角度から観察した。
◎:文字の認識性に全く問題がなかった。
○:若干ぼけが見られたが、文字の認識性には問題はなかった。
△:文字ぼけが見られ、やや文字が読み取りにくかった。
×:明らかに文字ぼけがあり、文字が認識しにくかった。
【0123】
以下、結果を表1および表2に示す。
【表1】
【0124】
【表2】
【0125】
以下、結果について述べる。表1に示されるように、サンプル1およびサンプル3に係る表示装置においては、第1〜第3のストライプパターンにおけるコントラストがいずれもある程度以上高かった。これに対しサンプル2に係る表示装置においては、第2および第3のストライプパターンにおけるコントラストはある程度高かったものの、第2のストライプパターンにおけるコントラストは低かった。一方、表2に示されるように、サンプル1およびサンプル3に係る表示装置に表示した第1〜第3の文字およびサンプル2に係る表示装置に表示した第2および第3の文字においては、文字の認識性には全く問題がなかった、または若干ぼけが見られたが、文字の認識性には問題はなかったが、サンプル2に係る表示装置に表示した第1の文字においては、文字ぼけが見られ、やや文字が読み取りにくかった。したがって、サンプル1〜3に係る表示装置のコントラスト値は、文字ぼけにおける目視評価の結果と対応していたことが確認された。
【0126】
また、表1に示されるように、サンプル6に係る表示装置においては、第1〜第3のストライプパターンにおけるコントラストがいずれもある程度以上高かった。これに対しサンプル4に係る表示装置においては、第3のストライプパターンにおけるコントラストはある程度以上高かったが、第1および第2のストライプパターンにおけるコントラストは低かった。また、サンプル5に係る表示装置においては、第3のストライプパターンにおけるコントラストがある程度高かったものの、第1および第2のストライプパターンにおけるコントラストは低かった。一方、表2に示されるように、サンプル6に係る表示装置に表示した第1〜第3の文字およびサンプル4および5に係る表示装置に表示した第3の文字においては、文字の認識性には全く問題がなかった、または若干ぼけが見られたが、文字の認識性には問題はなかったが、サンプル4および5に係る表示装置に表示した第1および第2の文字においては文字ぼけが見られ、やや文字が読み取りにくかった、または明らかに文字ぼけがあり、文字が認識しにくかった。したがって、サンプル4〜6に係る表示装置のコントラスト値は、文字ぼけにおける目視評価の結果と対応していたことが確認された。
【0127】
<<実施例B>>
<防眩層用組成物の調製>
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、防眩層用組成物2を得た。
(防眩層用組成物2)
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製):38質量部
・イソシアヌル酸EO変性ジおよびトリアクリレート(製品名「M−313」、東亞合成社製):22質量部
・光重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASF社製):5質量部
・シリコーン系レベリング剤(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.1質量部
・光透過性粒子(球状ポリアクリル−スチレン共重合体、平均粒子径3.5μm、屈折率1.52):12質量部
・無機超微粒子(表面に反応性官能基が導入されたシリカ、平均一次粒子径12nm、溶剤(メチルイソブチルケトン)、固形分30%):120質量部
・トルエン:135質量部
【0128】
<実施例B1>
光透過性基材としての厚さ60μmのトリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士フイルム社製、TD60UL)を準備し、トリアセチルセルロース樹脂フィルムの片面に、防眩層用組成物2を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm
2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、表面が凹凸面となった膜厚(硬化時)が5.0μmの防眩層を形成し、防眩フィルムを作製した。
【0129】
作製された防眩フィルムの凹凸面において、JIS B0601:1994に従ってSm、Ra、Ry、Rzを測定したところ、Smは0.094mmであり、Raは0.16μmであり、Ryは1.72μmであり、Rzは0.91μmであった。また、作製された防眩フィルムの凹凸面において、表面粗さ測定器であるSE−3400(小坂研究所製)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に従ってθaを測定したところ、θaは1.37°であった。Sm、θa、Ra、Ry、Rzの測定は、表面粗さ測定器であるSE−3400(小坂研究所製)を用いて、下記の測定条件により行われた。
1)表面粗さ検出部の触針(小坂研究所製の商品名SE2555N(2μ標準))
・先端曲率半径2μm、頂角90度、材質ダイヤモンド
2)表面粗さ測定器の測定条件
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:10000倍
・横倍率:10倍
・スキッド:使用
・カットオフフィルタ種類:ガウシャン
・レベリング:オールデータ
・サンプリングモード:c=1500
・不感帯レベル:10%
・JISモード:JIS1994
・tp/PC曲線:ノーマル
【0130】
一方で、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の一方の表面に、乾燥後の膜厚が16μmとなるように実施例Aの欄で用いた光拡散フィルム用組成物1を塗布し、乾燥させて、光拡散フィルムを作製した。なお、光拡散フィルムのヘイズ値を測定したところ、ヘイズ値は92%であった。光拡散フィルムのヘイズ値は、JIS K7136:2000に準拠して、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、縦10cm×横10cmの大きさに切り出した光拡散フィルムに対して3回測定を行い、3回測定して得られた値の算術平均値とした。
【0131】
防眩フィルムおよび光拡散フィルムを得た後、上記で作製した拡散フィルム、厚みが1mmのガラス板および上記で作製した防眩フィルムをこの順で積層して、実施例B1に係る光学部材を得た。なお、防眩フィルムは、凹凸面が光学部材の表面となるように配置された。
【0132】
<実施例B2>
実施例B2においては、まず、iPad(第4世代)(Apple Inc.社製、264ppi)の表面のタッチパネルを取り外し、液晶表示パネルの表面に位置する偏光板を剥離し、プレーン偏光板を貼付した。そして、その上に実施例B1で作製した光拡散フィルムを貼り付けた。その後、光拡散フィルム上に厚さ0.7mmの空気層(エアギャップ)を介して上記で取り外したタッチパネルを再度設置するとともに、タッチパネルの表面(観察者側)に凹凸面が観察者側となるように実施例B1で作製した防眩フィルムを貼付し、実施例B2に係る表示装置を得た。また、上記実施例B2の表示装置と同じ表示装置を別途作製し、この別途作製した表示装置を破壊して、表示装置の表示素子と光拡散フィルムとの間の距離を測定したところ、この距離は0.3mmであった。なお、表示素子と光拡散フィルムとの間の距離は、表示素子と光拡散フィルムとの間の距離を10箇所測定し、その10箇所の距離の平均値とした。
【0133】
<比較例B1>
比較例B1においては、厚みが1mmのガラス板、実施例B1で作製した光拡散フィルム、および実施例B1で作製した防眩フィルムをこの順で積層して、光学部材を得た。なお、防眩フィルムは、凹凸面が光学部材の表面となるように配置された。
【0134】
<比較例B2>
比較例B2においては、厚みが1mmのガラス板、実施例B1で作製した防眩フィルムをこの順で積層して、光学部材を得た。なお、この光学部材は光拡散フィルムを備えておらず、また防眩フィルムは凹凸面が表面となるように配置された。
【0135】
<比較例B3>
比較例B3においては、空気層よりも表示パネル側に光拡散フィルムを配置する代わりに、防眩フィルムとタッチパネルとの間に光拡散フィルムを配置したこと以外は、実施例B2と同様にして表示装置を得た。表示装置の表示素子と光拡散フィルムとの間の距離は2mmであった。なお、この距離は、実施例B2と同様の方法によって測定した。
【0136】
<比較例B4>
比較例B4においては、光拡散フィルムを配置しなかったこと以外は、実施例B2と同様にして表示装置を得た。
【0137】
<ギラツキ評価>
実施例B1および比較例B1、B2においては、実施例B1および比較例B1、B2に係る光学部材を、防眩フィルムの凹凸面が観察者側となるように、iPad(第4世代)(Apple Inc.社製、264ppi)の表面に位置するガラス板を含むタッチパネル(前面板を兼ねる)を取り除き、液晶表示パネルの表示面の上に置いて、光学部材が搭載された表示装置を得るとともに、光学部材が搭載された各表示装置を略水平となるように配置し、光学部材が搭載された各表示装置を点灯させて、暗室において、各光学部材の表面から30cm程度の距離において上下、左右様々な角度から、ギラツキが発生しているか否か目視により評価した。また、実施例B2および比較例B3、B4においては、各表示装置を略水平となるように配置し、各表示装置を点灯させて、暗室において、各表示装置の表面から30cm程度の距離において上下、左右様々な角度から、ギラツキが発生しているか否か目視により評価した。評価基準は、以下の通りとした。
○:ギラツキが確認されなかった、またはギラツキが若干確認されたが、実用上問題ないレベルであった。
×:ギラツキが明確に確認された。
【0138】
<文字ぼけ評価(1)>
実施例B1および比較例B1、B2においては、上記ギラツキ評価で用いた光学部材が搭載された表示装置の表示面に、線幅が異なる3種類のストライプパターンを表示させた状態で、ストライプパターン毎にコントラストを求めた。また、実施例B2および比較例B3、B4においては、実施例B2および比較例B3、B4に係る表示装置の表示面に、線幅が異なる3種類のストライプパターンを表示させた状態で、ストライプパターン毎にコントラストを求めた。具体的には、まず、パーソナルコンピュータの表示面で、実施例B1および比較例B1、B2に係る各光学部材が搭載された表示装置および実施例B2および比較例B3、B4に係る各表示装置に下記のストライプパターンが表示されるようにストライプパターンを作製し、作製した各表示装置にストライプパターンを転送して、アプリケーションによりストライプパターンが表示装置の表示面に表示可能な状態とした。その後、実施例B1および比較例B1、B2に係る各光学部材が搭載された表示装置および実施例B2および比較例B3、B4に係る各表示装置を略水平となるように配置し、また各表示装置の垂直方向にCCDカメラ(Point Grey社BlackFly 1.3Mピクセル、レンズ;COMPUTAR f=16mm,F/1.4,2/3型)を配置した。次いで、実施例B1および比較例B1、B2に係る光学部材が搭載された各表示装置の表示パネルの表示面ならびに実施例B2および比較例B3、B4に係る各表示装置の表示パネルの表示面に、それぞれ、線幅が1ピクセルであり、線の本数が30本であり、線長さが1cmであり、かつ線間隔が1ピクセルである第1のストライプパターンと、線幅が2ピクセルであり、線の本数が15本であり、線長さが1cmであり、かつ線間隔が2ピクセルである第2のストライプパターンと、線幅が4ピクセルであり、線の本数が8本であり、線長さが1cmであり、かつ線間隔が4ピクセルである第3のストライプパターンを表示させた。そして、暗室下で、実施例B1および比較例B1、B2に係る光学部材が搭載された各表示装置においては、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第1のストライプパターンが位置するように光学部材が搭載された表示装置の位置を合わせ、CCDカメラにより表示装置から出射し、光学部材を透過した光を撮影した。次に、光学部材が搭載された表示装置を略水平に移動させて、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第2のストライプパターンが位置するように光学部材が搭載された表示装置の位置を合わせ、上記と同様に、表示装置から出射し、光学部材を透過した光を撮影した。さらに、光学部材が搭載された表示装置を略水平に移動させて、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第3のストライプパターンが位置するように光学部材が搭載された表示装置の位置を合わせ、上記と同様に、表示装置から出射し、かつ光学部材を透過する光を撮影した。なお、撮影は、光学部材が搭載された表示装置を静置させた状態で行った。また、実施例B2および比較例B3、B4に係る表示装置においては、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第1のストライプパターンが位置するように表示装置の位置を合わせ、CCDカメラにより表示装置から出射する光を撮影した。次に、表示装置を略水平に移動させて、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第2のストライプパターンが位置するように表示装置の位置を合わせ、上記と同様に、表示装置から出射する光を撮影した。さらに、表示装置を略水平に移動させて、CCDカメラで撮影した画像の略中央に第3のストライプパターンが位置するように表示装置の位置を合わせ、上記と同様に、表示装置から出射する光を撮影した。CCDカメラと防眩フィルムの距離は200mmとし、CCDカメラの焦点は防眩フィルムや光拡散フィルムを設置しない場合に、ストライプパターンが最も鮮明になるように調節した。CCDカメラで撮影した光を画像として処理装置であるパーソナルコンピュータに取り込み、撮影した光から各ストライプパターンを横切る方向の輝度変化を求めた。この際の輝度は、ストライプパターンに沿った方向(
図2の縦方向)のストライプパターンを構成する線の長さ内の輝度の平均値とした。なお、測定される輝度は相対値であり単位を持たない。そして、輝度変化から上記式(1)によりストライプパターン毎のコントラストをそれぞれ求めた。
【0139】
<文字ぼけ評価(2)>
実施例B1および比較例B1、B2に係る光学部材が搭載された各表示装置ならびに実施例B2および比較例B3、B4に係る各表示装置において、各表示装置の表示パネルの表示面に、文字の大きさが異なり、線幅がそれぞれ、1ピクセル程度、2ピクセル程度、4ピクセル程度となる3種類のアルファベット大文字である「ABCDEF」という文字(以下、線幅が1ピクセル程度の文字を「第1の文字」、線幅が2ピクセル程度の文字を「第2の文字」、線幅が3ピクセル程度の文字を「第3の文字」と称する。)を表示させた状態で、暗室下で、実施例B1および比較例B1、B2に係る光学部材が搭載された各表示装置においては光学部材の表面から30cm程度の距離において上下、左右様々な角度から光学部材越しに表示面を目視により観察し、実施例B2および比較例B3、B4に係る各表示装置においては表示面から30cm程度の距離において上下、左右様々な角度から表示面を目視により観察して、文字がぼけているか否か評価した。評価基準は、以下の通りとした。なお、表示装置を車載用途で用いる場合には、表示装置の表示面から60cm程度以上離れた場所において斜めから見ることが多いが、この文字ぼけ評価においては、文字ぼけを実際よりも厳しい条件で評価するために光学部材の表面や表示面から30cm程度の距離において上下、左右様々な角度から観察した。
◎:文字の認識性に全く問題がなかった。
○:若干ぼけが見られたが、文字の認識性には問題はなかった。
△:文字ぼけが見られ、やや文字が読み取りにくかった。
×:明らかに文字ぼけがあり、文字が認識しにくかった。
【0140】
以下、結果を表3および表4に示す。
【表3】
【0141】
【表4】
【0142】
以下、結果について述べる。表3に示されるように、比較例B2に係る光学部材は光拡散フィルムを備えていなかったので、ギラツキが確認された。これに対し、実施例B1に係る光学部材は、光拡散フィルムを備えていたので、ギラツキは抑制されていた。また、比較例B1に係る光学部材は、光拡散フィルムがガラス板と防眩フィルムとの間に配置されていたので、第3のストライプパターンにおけるコントラストがある程度高かったものの、第1および第2のストライプパターンにおけるコントラストは低かった。これに対し、実施例B1に係る光学部材は、第1〜第3のストライプパターンにおけるコントラストが全てにおいて高かった。なお、実施例B1および比較例B1、B2に係る光学部材におけるコントラストの値は、文字ぼけにおける目視評価の結果と対応していた。したがって、実施例B1に係る光学部材においては、ギラツキを抑制でき、かつ文字の太さに拠らず、文字ぼけを抑制できることが確認された。
【0143】
また、表3に示されるように、比較例B4に係る表示装置は光拡散フィルムを備えていなかったので、ギラツキが確認された。これに対し、実施例B2に係る表示装置は、光拡散フィルムを備えていたので、ギラツキは抑制されていた。また、比較例B3に係る表示装置は、光拡散フィルムがタッチパネルと防眩フィルムとの間に配置されていたので、第3のストライプパターンにおけるコントラストがある程度高かったものの、第1および第2のストライプパターンにおけるコントラストは低かった。これに対し、実施例B2に係る表示装置は、第1〜第3のストライプパターンにおけるコントラストが全てにおいて高かった。なお、実施例B2および比較例B3、B4に係る光学部材におけるコントラストの値は、文字ぼけにおける目視評価の結果と対応していた。したがって、実施例B2に係る表示装置においては、ギラツキを抑制でき、かつ文字の太さに拠らず、文字ぼけを抑制できることが確認された。