特許第6984637号(P6984637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6984637親局装置、光通信システム、波長切替装置及び波長切替方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984637
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】親局装置、光通信システム、波長切替装置及び波長切替方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/272 20130101AFI20211213BHJP
   H04L 12/44 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   H04B10/272
   H04L12/44 200
【請求項の数】12
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-132101(P2019-132101)
(22)【出願日】2019年7月17日
(65)【公開番号】特開2021-19226(P2021-19226A)
(43)【公開日】2021年2月15日
【審査請求日】2019年7月17日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(令和元年度総務省「IoT機器増大に対応した有無線最適制御型電波有効利用基盤技術の研究開発 技術課題エ「モバイルフロントホール/バックホールの通信リソース管理技術」」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願)
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】中平 佳裕
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−050500(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/115429(WO,A1)
【文献】 特開2011−82908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/272
H04L 12/44
H04B 10/572
H04J 14/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重し、時分割多重した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重方式を採用した光通信システムの親局装置において、
第1〜第Kの波長のいずれかの波長で光通信するK個の光終端手段と、
前記各光終端手段からの波長を合波して送出し、又は受信した光信号を分波して前記各光終端手段に出力する光合分波手段と、
前記各光終端手段を制御するシステム制御手段と
を備え、
第k(kは1≦k≦Kである整数)の波長で光通信する第kの光終端手段は、
第kの波長で光信号を受信する受信部と、
収容している前記複数の子局装置の要求情報量に応じて前記各子局装置が送信すべき時間スロットを割り当てた帯域マッピング情報を生成し、前記各子局装置にデータを送信する時刻と波長とを指示する子局装置管理部と、
前記子局装置管理部が生成した前記帯域マッピング情報を第kの波長で送信する送信部と
を有し、
前記子局装置管理部が、収容している前記複数の子局装置のうち、第1の子局装置の使用波長を別の波長に切り替えると共に、前記帯域マッピング情報において前記第1の子局装置に割り当てていた帯域を、第2の子局装置の帯域として変更する波長切替制御部を有し、
前記波長切替制御部が、
前記第1の子局装置に対して、前記別の波長への変更指示と、前記別の波長での上り信号の送信可能時間の時刻とを含む第1の切替制御情報を送信し、
前記第2の子局装置に対して、前記第1の子局装置に割り当てていた時間スロットの送信時刻を含む第2の切替制御情報を送信する
ことを特徴とする親局装置。
【請求項2】
前記波長切替制御部は、
前記第1の子局装置に対して、前記第1の切替制御情報の受信後、上り信号の一時的な送信待機を指示する旨を前記第1の切替制御情報に含め、
前記第2の子局装置に対して、前記第1の子局装置が前記別の波長での送信可能時間の時刻以降であって、上り信号の送信到達が完了する時刻以降の時刻を、新たに追加した時間スロットの送信開始時刻とする旨を、前記第2の切替制御情報に含める
ことを特徴とする請求項1に記載の親局装置。
【請求項3】
前記波長切替制御部は、前記第1の子局装置が前記別の波長での送信可能時間の終了時刻に、前記第1の子局装置と前記光終端手段との間の伝搬遅延時間を加えた時刻以降の前記時間スロットの送信時刻を前記送信開始時刻とすることを特徴とする請求項2に記載の親局装置。
【請求項4】
前記波長切替制御部は、前記第1の切替制御情報と前記第2の切替制御情報とを含む高速切替制御情報を、前記第1の子局装置及び前記第2の子局装置双方に対して送信することを特徴とする請求項2又は3に記載の親局装置。
【請求項5】
前記第1の子局装置の移行先波長である前記別の波長で光通信をする他の光終端手段の波長切替制御部は、
前記第1の子局装置の要求情報量に応じて時間スロットを割り当てて、前記別の波長での前記帯域マッピング情報を変更し、前記時間スロットが変更した他の子局装置に対して、一時的に上り信号の送信待機をさせると共に、変更後の時間スロットの送信時刻を含む第3の切替制御情報を送信する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の親局装置。
【請求項6】
前記他の光終端手段の前記波長切替制御部は、
前記他の子局装置に対して、前記第1の子局装置が前記別の波長での送信可能時間の時刻以降であって、上り信号の送信到達が完了する時刻以降の時刻を、前記変更後の時間スロットの前記送信時刻とする旨を、前記第3の切替制御情報に含めることを特徴とする請求項5に記載の親局装置。
【請求項7】
前記他の光終端手段に収容されている前記各子局装置が、低遅延に関する優先度が比較的低いもの、若しくは、比較的遅延に敏感でないサービスのものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の親局装置。
【請求項8】
記第1〜第3の切替制御情報が、送信フレームのフレームペイロード内又は子局管理制御チャネル内に挿入されて、対応する子局装置に送信されることを特徴とする請求項〜7のいずれかに記載の親局装置。
【請求項9】
親局装置と、M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重し、時分割多重した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重方式を採用した光通信システムにおいて、
前記親局装置は、
第1〜第Kの波長のいずれかの波長で光通信するK個の光終端手段と、
前記各光終端手段からの波長を合波して送出し、又は受信した光信号を分波して前記各光終端手段に出力する光合分波手段と、
前記各光終端手段を制御するシステム制御手段と
を備え、
第k(kは1≦k≦Kである整数)の波長で光通信する第kの光終端手段は、
第kの波長で光信号を受信する受信部と、
収容している前記複数の子局装置の要求情報量に応じて前記各子局装置が送信すべき時間スロットを割り当てた帯域マッピング情報を生成し、前記各子局装置にデータを送信する時刻と波長とを指示する子局装置管理部と、
前記子局装置管理部が生成した前記帯域マッピング情報を第kの波長で送信する送信部と
を有し、
前記子局装置管理部が、収容している前記複数の子局装置のうち、第1の子局装置の使用波長を別の波長に切り替えると共に、前記帯域マッピング情報において前記第1の子局装置に割り当てていた帯域を、第2の子局装置の帯域として変更する波長切替制御部を有し、
前記波長切替制御部が、
前記第1の子局装置に対して、前記別の波長への変更指示と、前記別の波長での上り信号の送信可能時間の時刻とを含む第1の切替制御情報を送信し、
前記第2の子局装置に対して、前記第1の子局装置に割り当てていた時間スロットの送信時刻を含む第2の切替制御情報を送信する
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項10】
M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重し、時分割多重した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重方式を採用した光通信システムでの波長切替装置において、
第1〜第Kの波長のいずれかの波長で光通信するK個の光終端手段と、
前記各光終端手段からの波長を合波して送出し、又は受信した光信号を分波して前記各光終端手段に出力する光合分波手段と、
前記各光終端手段を制御するシステム制御手段と
を備え、
第k(kは1≦k≦Kである整数)の波長で光通信する第kの光終端手段は、
第kの波長で光信号を受信する受信部と、
収容している前記複数の子局装置の要求情報量に応じて前記各子局装置が送信すべき時間スロットを割り当てた帯域マッピング情報を生成し、前記各子局装置にデータを送信する時刻と波長とを指示する子局装置管理部と、
前記子局装置管理部が生成した前記帯域マッピング情報及び前記時分割多重データを第kの波長で送信する送信部と
を有し、
前記子局装置管理部が、収容している前記複数の子局装置のうち、第1の子局装置の使用波長を別の波長に切り替えると共に、前記帯域マッピング情報において前記第1の子局装置に割り当てていた帯域を、第2の子局装置の帯域として変更する波長切替制御部を有し、
前記波長切替制御部が、
前記第1の子局装置に対して、前記別の波長への変更指示と、前記別の波長での上り信号の送信可能時間の時刻とを含む第1の切替制御情報を送信し、
前記第2の子局装置に対して、前記第1の子局装置に割り当てていた時間スロットの送信時刻を含む第2の切替制御情報を送信する
ことを特徴とする波長切替装置。
【請求項11】
親局装置と、M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重し、時分割多重した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重方式を採用した光通信システムの波長切替方法において、
前記親局装置が、
第1〜第Kの波長のいずれかの波長で光通信するK個の光終端手段と、
前記各光終端手段からの波長を合波して送出し、又は受信した光信号を分波して前記各光終端手段に出力する光合分波手段と、
前記各光終端手段を制御するシステム制御手段と
を備え、
第k(kは1≦k≦Kである整数)の波長で光通信する第kの光終端手段は、
第kの波長で光信号を受信する受信部と、
収容している前記複数の子局装置の要求情報量に応じて前記各子局装置が送信すべき時間スロットを割り当てた帯域マッピング情報を生成し、前記各子局装置にデータを送信する時刻と波長とを指示する子局装置管理部と、
前記子局装置管理部が生成した前記帯域マッピング情報を第kの波長で送信する送信部と
を有し、
前記子局装置管理部が、波長切替制御部を有し、
前記波長切替制御部が、
収容している前記複数の子局装置のうち、第1の子局装置の使用波長を別の波長に切り替えると共に、前記帯域マッピング情報において前記第1の子局装置に割り当てていた帯域を、第2の子局装置の帯域として変更し、
前記第1の子局装置に対して、前記別の波長への変更指示と、前記別の波長での上り信号の送信可能時間の時刻とを含む第1の切替制御情報を送信し、
前記第2の子局装置に対して、前記第1の子局装置に割り当てていた時間スロットの送信時刻を含む第2の切替制御情報を送信する
ことを特徴とする波長切替方法。
【請求項12】
M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重し、時分割多重した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重方式を採用した光通信システムの親局装置において、
第1〜第Kの波長のいずれかの波長で光通信するK個の光終端手段と、
前記各光終端手段からの波長を合波して送出し、又は受信した光信号を分波して前記各光終端手段に出力する光合波手段と、
前記各光終端手段を制御するシステム制御手段と
を備え、
第k(kは1≦k≦Kである整数)の波長で光通信する第kの光終端手段は、
第kの波長で光信号を受信する受信部と、
収容している前記複数の子局装置の要求情報量に応じて前記各子局装置が送信すべき時間スロットを割り当てた帯域マッピング情報を生成し、前記各子局装置にデータを送信する時刻と波長とを指示する子局装置管理部と、
前記子局装置管理部が生成した前記帯域マッピング情報を第kの波長で送信する送信部と
を有し、
前記子局装置管理部が、前記各子局装置に割り当てた時間スロットの間に空き帯域が存在する前記帯域マッピング情報を生成し、
前記子局装置管理部が、収容している前記複数の子局装置のうち、1台以上の子局装置の使用波長を別の波長に切り替える波長切替制御部を有し、
前記波長切替制御部が、
前記1台以上の子局装置それぞれに対して、前記別の波長の前記帯域マッピング情報で存在する空き帯域を当該別の波長の割当帯域とし、前記別の波長への変更指示と、前記別の波長の前記空き帯域の開始時刻である上り信号の送信可能時間の時刻とを含む第1の切替制御情報を送信する
ことを特徴とする親局装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親局装置、光通信システム、波長切替装置及び波長切替方法に関し、例えば、光アクセスネットワークにおける親局装置での波長切替方式に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
国際標準ITU−T G.989.3(非特許文献1参照)には、TWDM−PON(時間波長分割多重受動光網:Time and Wavelength Division Multiplexed Passive Optical Network)装置での波長切替技術が示されている。
【0003】
TWDM−PONは、時分割多重技術と波長多重技術とを融合させた光アクセスネットワークである。TWDM−PONは、例えば波長多重数を4波長とし、1波長で時分割多重を行なう4台の送受信機を持つ1台のOLT(局側光終端装置:Optical Line Terminal)と、4波長のうちいずれかの波長を選択的に用いて通信する1台の送受信機をもつ複数台(例えば64台)のONU(加入者側光終端装置:Optical Network Unit)で構成されている。TWDM−PONでは、1波長にパケットを時分割多重し、4波長を多重化してONUと通信することになる。つまり、TWDM−PONでは、パケット多重された4波長の伝送資源を、64台のONUで共有して使用する。
【0004】
伝送資源は、通信量や公平性を考慮して各ONUに適宜分配されるが、通信量の変動等に伴い、波長の変更が望ましい場合がある。汎用的な技術では、物理的な光波長の変更時間をゼロにすることは不可能であり、波長を変更している間にパケットが送信されてきても、パケットを受信できず、データが損失する。これによって、一般的には、映像や音声が途切れたり、ファイル転送に必要な時間が長くなったりするなどサービスに影響が出る。
【0005】
そこで、ITU−TG.989.3には、以下の手法を用いてデータの損失を防ぐことが開示されている。
[1]OLTからONUに、加入者からの信号の送信を停止し、波長の変更を行う事を指示する命令が送られる。
[2]ONUは、OLTに波長切替了解を伝えるメッセージを送る。
[3]OLTがONUから波長切替了解を受信すると、OLTはONUに波長切替を実行する様に伝える。
[4]ONUは波長の切替と受信の再同期を行う。
[5]OLTはONUに新波長で送信すべき時刻の情報を周期的に送信する。
[6]ONUが、[4]の再同期によって、[5]の情報を受信した後、ONUは、[5]の新波長で送信すべき時刻に、OLTへ確認メッセージを送信する。
[7]OLTは、[6]の確認メッセージを受信する事で、リンクが再確立されたと判断する。
[8]OLTが、ONUに、加入者のデータを送信すべき時刻の情報を送る。
[9]ONUは、[8]の時刻情報に示された時刻に、加入者のデータをOLTへ送信する。
【0006】
以上の操作を行うことで、波長が切替わるので、加入者のデータを損失することなく、ONUは加入者のデータをOLTに送信できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】国際標準ITU−T G.989.3,“40−Gigabit−Capable Passive Optical Networks (NG−PON2):Transmission Convergence Layer Specification”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
次世代光アクセスネットワークでは、これまでよりも超大容量、超低遅延、超高信頼性等のサービスを提供することが要求されている。その中で、ITU−T G.989.3に示される手法は、波長切替えデバイスの切替え速度が速くても、切替えの手続きが複雑であるために、ユーザデータの送信が停止してから送信可能となるまでの時間が長く、遅延時間が大きいという課題がある。
【0009】
そのために、例えば、リアルタイム通信の動画や音声が、途切れてしまったり若しくは止まったり、リモート端末の反応が遅れたり、ファイル転送時間が長くなったりしてしまう。なお、これらの例は、光アクセスネットワークで波長切替に係る遅延のために生じ得る現象上の課題である。
【0010】
そこで、本発明は、光アクセスネットワーク(システム)において、波長切替えを行う際の手続きを改良し、これまで以上の速さで波長を切り替えて、波長切替に係る遅延時間を小さくすることができる親局装置、光通信システム、波長切替装置及び波長切替方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため、第1の本発明に係る親局装置は、M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重し、時分割多重した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重方式を採用した光通信システムの親局装置において、第1〜第Kの波長のいずれかの波長で光通信するK個の光終端手段と、各光終端手段からの波長を合波して送出し、又は受信した光信号を分波して各光終端手段に出力する光合分波手段と、各光終端手段を制御するシステム制御手段とを備え、第k(kは1≦k≦Kである整数)の波長で光通信する第kの光終端手段は、第kの波長で光信号を受信する受信部と、収容している複数の子局装置の要求情報量に応じて各子局装置が送信すべき時間スロットを割り当てた帯域マッピング情報及び各子局装置のデータを時分割多重して時分割多重データを生成する子局装置管理部と、子局装置管理部が生成した帯域マッピング情報及び時分割多重データを第kの波長で送信する送信部とを有し、子局装置管理部が、収容している複数の子局装置のうち、第1の子局装置の使用波長を別の波長に切り替えると共に、帯域マッピング情報において第1の子局装置に割り当てていた帯域を、第2の子局装置の帯域として変更する波長切替制御部を有し、波長切替制御部が、第1の子局装置に対して、別の波長への変更指示と、別の波長での上り信号の送信可能時間の時刻とを含む第1の切替制御情報を送信し、第2の子局装置に対して、第1の子局装置に割り当てていた時間スロットの送信時刻を含む第2の切替制御情報を送信することを特徴とする。
【0012】
第2の本発明に係る光通信システムは、親局装置と、M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重し、時分割多重した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重方式を採用した光通信システムにおいて、親局装置は、第1〜第Kの波長のいずれかの波長で光通信するK個の光終端手段と、各光終端手段からの波長を合波して送出し、又は受信した光信号を分波して各光終端手段に出力する光合分波手段と、各光終端手段を制御するシステム制御手段とを備え、第k(kは1≦k≦Kである整数)の波長で光通信する第kの光終端手段は、第kの波長で光信号を受信する受信部と、収容している複数の子局装置の要求情報量に応じて各子局装置が送信すべき時間スロットを割り当てた帯域マッピング情報及び各子局装置のデータを時分割多重して時分割多重データを生成する子局装置管理部と、子局装置管理部が生成した帯域マッピング情報及び時分割多重データを第kの波長で送信する送信部とを有し、子局装置管理部が、収容している複数の子局装置のうち、第1の子局装置の使用波長を別の波長に切り替えると共に、帯域マッピング情報において第1の子局装置に割り当てていた帯域を、第2の子局装置の帯域として変更する波長切替制御部を有し、波長切替制御部が、第1の子局装置に対して、別の波長への変更指示と、別の波長での上り信号の送信可能時間の時刻とを含む第1の切替制御情報を送信し、第2の子局装置に対して、第1の子局装置に割り当てていた時間スロットの送信時刻を含む第2の切替制御情報を送信することを特徴とする。
【0013】
第3の本発明に係る波長切替装置は、M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重し、時分割多重した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重方式を採用した光通信システムでの波長切替装置において、第1〜第Kの波長のいずれかの波長で光通信するK個の光終端手段と、各光終端手段からの波長を合波して送出し、又は受信した光信号を分波して各光終端手段に出力する光合分波手段と、各光終端手段を制御するシステム制御手段とを備え、第k(kは1≦k≦Kである整数)の波長で光通信する第kの光終端手段は、第kの波長で光信号を受信する受信部と、収容している複数の子局装置の要求情報量に応じて各子局装置が送信すべき時間スロットを割り当てた帯域マッピング情報及び各子局装置のデータを時分割多重して時分割多重データを生成する子局装置管理部と、子局装置管理部が生成した帯域マッピング情報及び時分割多重データを第kの波長で送信する送信部とを有し、子局装置管理部が、収容している複数の子局装置のうち、第1の子局装置の使用波長を別の波長に切り替えると共に、帯域マッピング情報において第1の子局装置に割り当てていた帯域を、第2の子局装置の帯域として変更する波長切替制御部を有し、波長切替制御部が、第1の子局装置に対して、別の波長への変更指示と、別の波長での上り信号の送信可能時間の時刻とを含む第1の切替制御情報を送信し、第2の子局装置に対して、第1の子局装置に割り当てていた時間スロットの送信時刻を含む第2の切替制御情報を送信することを特徴とする。
【0014】
第4の本発明に係る波長切替方法は、親局装置と、M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重し、時分割多重した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重方式を採用した光通信システムの波長切替方法において、親局装置が、第1〜第Kの波長のいずれかの波長で光通信するK個の光終端手段と、各光終端手段からの波長を合波して送出し、又は受信した光信号を分波して各光終端手段に出力する光合分波手段と、各光終端手段を制御するシステム制御手段とを備え、第k(kは1≦k≦Kである整数)の波長で光通信する第kの光終端手段は、第kの波長で光信号を受信する受信部と、収容している前記複数の子局装置の要求情報量に応じて各子局装置が送信すべき時間スロットを割り当てた帯域マッピング情報及び各子局装置のデータを時分割多重して時分割多重データを生成する子局装置管理部と、子局装置管理部が生成した帯域マッピング情報及び時分割多重データを第kの波長で送信する送信部とを有し、子局装置管理部が、波長切替制御部を有し、波長切替制御部が、収容している複数の子局装置のうち、第1の子局装置の使用波長を別の波長に切り替えると共に、帯域マッピング情報において第1の子局装置に割り当てていた帯域を、第2の子局装置の帯域として変更し、第1の子局装置に対して、別の波長への変更指示と、別の波長での上り信号の送信可能時間の時刻とを含む第1の切替制御情報を送信し、第2の子局装置に対して、第1の子局装置に割り当てていた時間スロットの送信時刻を含む第2の切替制御情報を送信することを特徴とする。
【0015】
第5の本発明に係る親局装置は、M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重し、時分割多重した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重方式を採用した光通信システムの親局装置において、第1〜第Kの波長のいずれかの波長で光通信するK個の光終端手段と、各光終端手段からの波長を合波して送出し、又は受信した光信号を分波して各光終端手段に出力する光合波手段と、各光終端手段を制御するシステム制御手段とを備え、第k(kは1≦k≦Kである整数)の波長で光通信する第kの光終端手段は、第kの波長で光信号を受信する受信部と、収容している複数の子局装置の要求情報量に応じて各子局装置が送信すべき時間スロットを割り当てた帯域マッピング情報を生成し、各子局装置にデータを送信する時刻と波長とを指示する子局装置管理部と、子局装置管理部が生成した帯域マッピング情報を第kの波長で送信する送信部とを有し、子局装置管理部が、各子局装置に割り当てた時間スロットの間に空き帯域が存在する前記帯域マッピング情報を生成し、子局装置管理部が、収容している複数の子局装置のうち、1台以上の子局装置の使用波長を別の波長に切り替える波長切替制御部を有し、波長切替制御部が、1台以上の子局装置それぞれに対して、別の波長の帯域マッピング情報で存在する空き帯域を当該別の波長の割当帯域とし、別の波長への変更指示と、別の波長の空き帯域の開始時刻である上り信号の送信可能時間の時刻とを含む第1の切替制御情報を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光通信システム(光アクセスネットワーク(システム))において、これまで以上の速さで波長を切り替えて、波長切替に係る遅延を小さくすることができる。その結果、サービスに与える影響を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係る光通信システムの構成と、OLT(親局通信装置)及び各ONU(子局通信装置)の内部構成とを示す構成図である。
図2】第1の実施形態に係る波長切替処理の動作を説明する説明図である(その1)。
図3】第1の実施形態に係る波長切替処理の動作を説明する説明図である(その2)。
図4】第2の実施形態に係る波長切替処理の動作を説明する説明図である。
図5】本発明の実施形態に係る基本的な技術的提案と、遅延時間が大きくなってしまう原因や技術的課題とを対応付けた説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(A)基本概念
以下では、本発明に係る親局装置、波長切替装置及び波長切替方法に関する基本概念を説明する。
【0019】
国際標準ITU−T G.989.3に示される手法は、ユーザデータの送信が停止してから送信可能となるまでの時間が長く、遅延時間が大きい。
【0020】
遅延時間が大きくなってしまう原因は、幾つかの要因が関係しあっており、それらが解決すべき技術的な課題になっていると考えられる。幾つかの要因や技術的課題を完全に分離して原因を示すことは難しいが、およそ以下のようにこれら原因を分類できる(図5参照)。
(項目1:送達確認とリンク接続確認)3ウェイハンドシェイクで、波長切替の指示の送達確認やリンク確立確認を行なうため、ユーザデータ送信までに時間がかかっている。
(項目2:波長変更の制御信号の送信タイミング)OLTがONUに対して波長切替に係る制御信号を送信する時刻が限られている。(フレームヘッダで通知)
(項目3:上り信号の際の衝突回避手続き)波長変更したONUが上り信号を送信する際、他のONUの上り信号との衝突を回避するため、OLTがBwMap(帯域割当マッピング)情報を全てのONUに配布している。
(項目4:移行先波長の空き状況)移行先の波長資源に空きがなければ波長変更できない。
【0021】
(項目1)について、従来、OLTが波長切替の指示に係る送達確認用信号を連続して送信し、ONUが送達確認用信号を受信できた時点で、波長切替完了とみなしている。これらの信号のやり取りは3ウェイハンドシェイクで確認しており、ONUがユーザデータの送信を開始するまでには遅延時間がかかっている。
【0022】
これに対して、本発明の実施形態では、(提案1−1)波長切替の指示の送達やリンク確立を確認せずに、OLTが波長変更の指示をONUに送信することを提案する。このとき、OLTは、ONUの切替完了時刻を予測して波長変更の指示を送信することを提案する。
【0023】
さらに、(提案1−2)上記(提案1−1)ではONUにおいて波長変更が失敗した際、データが失われる可能性もある。その際に、OLTは波長変更の失敗を把握できない状態に陥るので、本発明の実施形態では、波長変更の失敗の際に対応できる通信方法をとり、他への影響を減せることを提案する。
【0024】
(項目2)について、従来、OLTからONUへの波長切替に係る制御信号は、FS(Framing Sublayer)フレームヘッダ内のPLOAMd(Physical Layer Operation And Management downstream)の時間内に送信される。
【0025】
ここで、フレーム周期は125μ秒間隔であるため、波長切替に係る制御信号も、フレーム周期(125μ秒)毎に送信されることになる。つまり、従来、波長切替に係る制御信号の送信時刻は決まっており、波長切替に係る制御信号は125μ秒間隔で送信される。
【0026】
しかし、超低遅延等のサービスに応えるためには、フレーム周期の時刻まで待たず、迅速に波長切替に係る制御信号を送信することが要求される。換言すると、あるONUへの情報量が増大し、当該ONUの帯域を増やす必要が生じたときには、125μ秒ごとの送信時刻まで待たずに、波長を高速切替することが要求される。
【0027】
したがって、本発明の実施形態では、(提案2)波長切替に係る制御信号を、FSペイロード内、又は、OMCC(ONU Management and Control Channel:ONU管理制御チャネル情報)に挿入して送信することを提案する。
【0028】
(項目3)について、波長変更したONUが上り信号を送信する際、当該上り信号と他のONUの送信信号との衝突を回避する手法が必要となる。従来、衝突を回避するために、波長変更後に、OLTが新たなBwMap情報を作成し、その新たなBwMap情報を全てのONUに配布している。
【0029】
これに対して、本発明の実施形態では、(提案3−1)空き時間を周期的に持たせたBwMapを使用するなど送信可能な時刻情報を配布・更新することを提案する。
【0030】
また本発明の実施形態では、(提案3−2)移行先波長のOSUからONUに送信停止信号を送信したり、空いた別の時間に送信したりするように指示することを提案する。
【0031】
(項目4)について、従来は、移行先波長を使用するONUのユーザデータの優先度が低くても帯域に空きがないと波長変更することができず、帯域に空きがあって波長変更したとしても、次のBwMapが配布されるまで送信することはできない。
【0032】
これに対して、本発明の実施形態では、(提案4)移行先波長の帯域に優先度の低いトラヒックや遅延に敏感でないサービスのトラヒックの時間があれば、OSUからそれら低優先のトラヒックや遅延に敏感でないトラヒックを送信予定のONUに送信停止信号を送信して、その時間に移行するONUから送信させることを提案する。
【0033】
なお、波長変更に係る遅延時間が大きくなってしまう原因等は、上述した(項目1)〜(項目4)の他にも考えられる。例えば、他の遅延の原因としては、(a)波長可変デバイスでの波長変更処理に時間を要すること、(b)波長変更した際、ビット同期やフレーム同期等に時間を要すること、(c)OLTとONUとの間の物理的な距離による伝送遅延(例えば、距離が20kmで約100μ秒の遅延時間)が生じ得ることなどが考えられる。
【0034】
しかし、(a)については、例えば複数の異なる波長の光源やフィルタ等を用意し、高速のスイッチで選択することで短縮できる。(b)については、タイミングを完全に一致した状態を維持できれば解決できる。或いは、同期用の信号をOSUから送信すれば解決できる。(c)については、物理的な特性で光速の突破が必要なので検討不要と判断できる。そのため、上述した(a)〜(c)に関する対応案については省略する。
【0035】
なお、本発明は、既存技術であるG.989.3を拡張して実施する事が可能なもので、G.989.3を置き換えず、本発明を高速化オプションとして追加可能なものである。
【0036】
(B)第1の実施形態
以下では、本発明に係る親局装置、光通信システム、波長切替装置及び波長切替方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
(B−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る光通信システムの構成と、OLT(親局通信装置)及び各ONU(子局通信装置)の内部構成とを示す構成図である。
【0038】
光通信システム5は、親局装置と、M(Mは2以上の整数)台の子局装置との間で第1〜第K(Kは2以上の整数)の波長のいずれかを割り当て、波長毎に複数の時間スロットで時分割多重化し、時分割多重化した各波長を多重化した光信号で通信する時間波長分割多重化方式を採用した光通信システムである。
【0039】
図1では、光通信システム5が、1台のOLT1と、複数(例えば、図1では5台:M=5)のONU3(3−1〜3−5)と、スプリッタ2とを有する場合を例示している。また、ここでは、2波長(K=2)を使用するTWDM−PONシステムに、光通信システム5を適用する場合を例示するが、使用する波長数やONUの台数は、これに限定されるものではなく、一般的には図1に例示する数よりも多い。
【0040】
(B−1−1)OLT
OLT1は、コア網と接続すると共に、光ファイバを通じてスプリッタ2と接続しており、システム制御部11、SW(スイッチ)部12、OSU14−1〜14−2、光合分波フィルタ13を有する。なお、ここでは、2波長を使用するTWDM−PONシステムの場合を例示しているので、2台のOSU14としているが、使用する波長の数に応じた数のOSU14を設けることになる。
【0041】
[システム制御部11]
システム制御部11は、各ONU3との間の光通信システムを制御する。例えば、システム制御部11は、所定の帯域制御方式に従って、各ONU3からの帯域要求に基づいて各ONU3に割り当てる帯域を算出し、各ONU3の上り信号の帯域を設定・更新したり、各ONU3のサービスを勘案して、OSU14−1及び14−2のいずれかに各ONU3を収容することを設定したりする。なお、各ONU3からの帯域要求に基づいて各ONU3に割り当てる帯域を算出する通常の帯域割り当ては後述するBwMap計算部103で行い、高速に帯域割当てを行う場合にのみ各ONU3への帯域割り当てをシステム制御部11が行うことも可能である。
【0042】
そして、システム制御部11は、各ONU3の帯域に関する情報を、OSU14−1及び14−2に通知する。これにより、OSU14−1及びOSU14−2は、各ONU3の帯域に応じたタイムスロットを割り当てて時分割多重化させることができる。また、システム制御部11は、OSU14−1及びOSU14−2に割り当てたONU3に関する情報をSW部12に通知する。
【0043】
[SW部]
SW部12は、コア網(上位網)と接続しており、コア網とOSU14との間のパケットの送受信を中継するスイッチである。
【0044】
SW部12は、システム制御部11から通知された情報に従って、コア網から受信したユーザデータのパケットを、OSU14−1又はOSU14−2のいずれかに転送する。また、SW部12は、OSU14−1及び14−2によって受信処理されたユーザデータを受け取ると、そのユーザデータをコア網に送信する。
【0045】
[OSU]
OSU14(14−1及び14−2)は、各ONU3との間で光通信を行なう光終端部である。OSU14は、それぞれ異なる波長で光通信を行ない、システム制御部11の制御により、各ONU3の要求帯域に応じたタイムスロットを割り当てて、その割り当て情報とコア網から各ONU3宛のユーザデータとを時分割多重化して送信する。
【0046】
上述したように、システム制御部11は、各ONU3との間のトラフィックやサービスを勘案して、各ONU3を、OSU14−1及び14−2のいずれかに収容させるかを決定する。そして、システム制御部11により決定された制御情報が、SW部12及びOSU14に通知され、さらに各OSU14を経由して各ONU3に通知される。これにより、各OSU14と、各OSU14に収容される各ONU3との間で光通信が行なわれる。
【0047】
各ONU3が通信するOSU14は、物理的にはONU3内の波長可変送信器23/波長可変受信器25に設定される波長で決まるが、この制御情報はOLTのシステム制御部11から、OSU−ONU間で送受信する情報の一部として制御データを送り、更にONU制御部21に制御データを通知して制御する。
【0048】
ここで、各OSU14への各ONU3の収容例を説明する。
【0049】
例えば、OSU14−1及びOSU14−2はそれぞれ異なる波長λ1、λ2を使用する。OSU14−1及びOSU14−2はそれぞれ、下り通信及び上り通信の両方で、1波長で10Gb/sの光通信を行なう。すなわち、OSU14と、当該OSU14に収容される各ONU3とは、同じ波長で光通信を行なう。また、1台のOSU14−1、OSU14−2には、0台〜5台のONU3が収容可能であるとする。
【0050】
例えば、ONU3−1〜ONU3−5の通信量(要求帯域)が、8Gb/s,2Gb/s,3Gb/s,3Gb/s,3Gb/sであるとし、OSU14−1が、ONU3−1とONU3−2を収容し、OSU14−2が、ONU3−3、ONU3−4、ONU3−5を収容するものとする。この場合、OSU14−1の波長λ1の合計帯域は10Gb/sとなり、OSU14−2の波長λ2の合計帯域は9Gb/sとなるので、それぞれ不足なく通信できる(最大帯域10Gb/s以下で通信できる)ので好適な収容例と言える。この例の場合、波長λ2は1Gb/sだけ余る。
【0051】
なお、ONU3−1〜ONU3−5の通信量が全て2Gb/sならば、OSU14−1で全てのONU3−1〜ONU3−5を収容するようにしてもよい。これにより、OSU14−2は停止するので、消費電力の観点から好適な収容方法と言える。つまり、各ONU3の要求帯域量やサービスを勘案して、OSU14−1及びOSU14−2のうちいずれか一方のOSU14に、全てのONU3を収容させることもでき、その場合、消費電力を低減させることができる。
【0052】
OSU14(14−1及び14−2)は、OSU制御部100、受信部110、送信部120を有する。
【0053】
[受信部]
受信部110は、光合分波フィルタ13から光信号を受信し、光信号を電気信号に変換する光受信部112と、光受信部112からのデータを解析して、当該データがユーザデータであるときにはSW部12に与え、当該データが制御データであるときにはOSU制御部100に与える受信フレーム処理部111とを有する。
【0054】
[OSU制御部]
OSU制御部100は、OSU14における処理を制御する。OSU制御部100は、各ONU3との間で制御情報(制御データ)の送受信処理や、帯域制御処理、通常の波長切替処理、高速波長切替処理などを行なう。
【0055】
ここで、通常の波長切替処理は、ITU−T G.989.3標準化技術に基づく波長切替処理を意図する。つまり、所定条件に基づいて、あるONU3について波長切替を行うようにシステム制御部11から指示されたときには、OSU制御部100は、ONU3との間で、3ウェイハンドシェイクで波長切替信号の送達確認を行なう。そして、新たなリンクが確立した後に、ユーザデータの送受信を開始する。なお、波長切替信号の送信タイミングはフレーム周期毎の送信時刻であり、ONU3への波長切替信号はフレームヘッダに乗せてONU3に通知する(本願明細書の背景技術を参照)。
【0056】
一方、高速波長切替処理は、後述する高速切替制御部102により行なわれる処理であり、通常の波長切替処理よりも高速で波長切替を行なう処理である。例えば、超低遅延サービスのONU3に対して、通常の波長切替処理では遅延時間が大きく、超低遅延サービスで要求されている時間でユーザデータの送信ができないときに、高速波長切替処理を行なう。
【0057】
OSU制御部100は、ONU管理制御部101、高速切替制御部102、BwMap計算部103を有する。
【0058】
<ONU管理制御部101>
ONU管理制御部101は、システム制御部11からの制御情報に基づいて、当該OSU14が収容するONU3に関する情報を保持しており、各ONU3との間の光通信処理を制御する。ONU管理制御部101は、ONU管理制御部チャネル情報(OMCC)を、送信部120のフレームペイロード組立部121に通知する。ここで、ONU3に関する情報は、例えば、各ONU3を識別する識別情報、各ONU3の帯域に関する情報、各ONU3との間で光通信するサービスの種類に関する情報等を含む。
【0059】
<BwMap計算部>
BwMap計算部103は、各ONU3の要求帯域に応じてBwMap情報を計算して、送信部120のフレームヘッダ組立部122に通知する。
【0060】
<高速切替制御部>
高速切替制御部102は、高速で波長切替が必要となったONU3について波長切替処理を行なう。高速切替制御部102は、高速切替時に、対象とするONU2に対して、移行先の波長と、当該波長での送信時刻に関する情報とを含む高速切替制御情報を、フレームペイロード組立部121に通知する。なお、高速切替制御部102の処理の詳細な説明は、動作の項で詳細に説明する。
【0061】
ここで、高速波長切替を行なうか否かの判断は、受信部110からの制御情報に基づいて、当該ONU3との間のサービスの種類や、当該ONU3の要求帯域が急増したことなどを勘案して判断するようにしてもよい。より具体的には、超低遅延サービスのONU3について、その時点で割り当てている帯域では要求されている超低遅延サービスを提供できないような場合に高速波長切替を行なうようにしてもよい。
【0062】
[送信部]
送信部120は、フレームペイロード組立部121、フレームヘッダ組立部122、フレーム組立部123、物理同期ブロック出力部124、光送信部125を有する。
【0063】
フレームペイロード組立部121は、SW部12からのユーザデータと、ONU管理制御部101からのONU管理制御チャネル情報(OMCC)とに基づいて、送信フレームのペイロードを組み立てる。また、高速波長切替処理を行なう場合、フレームペイロード組立部121は、高速切替制御部102からの高速切替制御情報を、フレームペイロード内又はONU管理制御チャネル情報(OMCC)に挿入して送信フレームのペイロードを組み立てる。
【0064】
フレームヘッダ組立部122は、送信フレームのヘッダを組み立てる。全てのONU3に対してBwMap情報を送信するときには、フレームヘッダ組立部122は、BwMap計算部103からのBwMap情報に基づいて、フレームヘッダを組み立てる。
【0065】
フレーム組立部123は、フレームペイロード組立部121からの送信フレームのペイロードと、フレームヘッダ組立部122からのフレームヘッダとに基づいて送信フレームを組み立てる。
【0066】
物理同期ブロック出力部124は、物理同期に関連する信号(物理同期ブロック情報)を光送信部125に与える。
【0067】
光送信部125は、フレーム組立部123からの送信フレームと、物理同期ブロック出力部124からの物理同期ブロック情報とを波長λ1で送信する。
【0068】
また、光送信部125は、高速波長切替処理を行なう場合に、フレーム組立部123からの送信フレームと、物理同期ブロック出力部124からの物理同期ブロック情報とをスクランブルして波長λ1で送信するスクランブル部125aを有する。
【0069】
[光合分波フィルタ]
光合分波フィルタ13は、OSU14−1及びOSU14−2からの光信号(「信号光」とも呼ぶ。)を波長多重して、波長多重化した光信号を送出する。これにより、波長多重化された光信号がスプリッタ2を介して各ONU3に送信される。また、スプリッタ2を介して光信号が受光されると、光合分波フィルタ13は、光信号を分波し、分波した光信号をOSU14−1及びOSU14−2に与える。
【0070】
(B−1−2)ONU
ONU3(3−1〜3−5)は、加入者端末と通信すると共に、光ファイバを通じてスプリッタ2と接続している。ONU3は、ONU制御部21、送信フレーム処理部22、波長可変送信器23、光合分波フィルタ24、波長可変受信器25、受信フレーム処理部26を有する。
【0071】
[送信フレーム処理部]
送信フレーム処理部22は、加入者端末側からユーザデータを受け取ると、ONU制御部21から、宛先とすべきOSU14に関する情報を受け取り、ユーザデータを含む送信フレームを組み立てて、波長可変送信器23に与える。
【0072】
[波長可変送信器]
波長可変送信器23は、送信フレーム処理部22から送信フレームを受け取り、ONU制御部21の制御によってOSU14と通信する波長を設定し、その波長で送信する。波長可変送信器23は、ONU制御部21から、光信号を送信する送信時刻に関する情報が与えられ、その送信時刻に光信号を送信する。
【0073】
[光合分波フィルタ]
光合分波フィルタ24は、波長可変送信器23からの光信号を、光ファイバを介してスプリッタ2に送出する。また、光合分波フィルタ24は、スプリッタ2から放送的に分配された光信号を受信すると、その光信号を波長可変受信器25に与える。
【0074】
[波長可変受信器]
波長可変受信器25は、ONU制御部21の制御により、OSU14との間で使用する波長が設定され、その波長を分離して得た受信フレームを受信フレーム処理部26に与える。
【0075】
[受信フレーム処理部]
受信フレーム処理部26は、波長可変受信器25からの受信フレームを解析し、制御データであればONU制御部21に与え、ユーザデータであれば加入者端末に送出する。
【0076】
[ONU制御部]
ONU制御部21は、当該ONU3における処理を司る。ONU制御部21は、受信フレーム処理部26を通じて、OSU14からの制御データを受け取り、対応するOSU14との間の光通信を制御する。ONU制御部21は、送信フレーム処理部22に対して、光通信をするOSU14の識別情報を与える。また、波長可変送信器23に対しては、使用する波長と、上り信号の送信時刻に関する情報を与える。さらに、波長可変受信器25に対しては、使用する波長を与える。
【0077】
また、ONU制御部21は、高速切替部211を有する。高速切替部211は、受信した制御データのフレームペイロード又はOMCCに、高速切替制御情報が含まれているときには、その高速切替制御情報に含まれている、移行先の波長と上り信号の送信時刻に関する情報とに基づいて、波長切替を行なう。具体的には、高速切替部211は、移行先のOSU14の識別情報を送信フレーム処理部22に与え、移行先の波長と上り信号の送信時刻に関する情報とを波長可変送信器23に与える。また、高速切替部211は、波長可変受信器25に移行先の波長を与える。
【0078】
(B−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態における波長切替処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0079】
上述したように、本発明の実施形態は、いつでも高速波長切替を行なうのではなく、通常は、従来通りの波長切替を行ない、それでも間に合わない場合に、実施形態に係る高速波長切替処理を行ない、高速で波長を切り替る。
【0080】
以下では、第1の実施形態の高速波長切替処理の基本的な処理動作を「高速波長切替処理(その1)」として説明し、その後、高速波長切替後に、上り信号同士の衝突回避を考慮した処理動作を「高速波長切替処理(その2)」として説明する。
【0081】
(B−2−1)高速波長切替処理(その1)
図2は、第1の実施形態に係る波長切替処理の動作を説明する説明図である。
【0082】
まず、図2に例示する説明図の見方を説明する。図2(A)は、OLT1のOSU14から各ONU3への下り信号の流れを示しており、図2(B)は、各ONU3からOSU14への上り信号の流れを示している。
【0083】
OSU14−1は、収容している各ONU3との間で、波長λ1で光通信し、OSU14−2は、収容している各ONU3との間で、波長λ2で光通信するものとする。
【0084】
各OSU14と各ONU3とは、所定のフレーム周期(例えば125μ秒)を1フレームとして、各OSU14で、各ONU3の要求帯域に応じてタイムスロットを割り当て、指示されたタイムスロットで、各OSU14に対して各ONU3から上り通信を行なう。各OSU14から各ONU3への下り通信は、コア側から届いたパケット順にフレームのペイロードに各OSU14が収容している各ONU3へパケットを収容して送信する。優先度や帯域保証などの制約があれば、それに従って送信する。各ONU3は、自身宛ての情報だけを取得し、それ以外を廃棄する。
【0085】
図2では、フレーム1〜フレーム3を示しており、各フレームの先頭に配置している「H」はフレームヘッダを示している。フレームヘッダの後に配置している各四角形と各四角形の中に記載している数字は、対応するONUに割り当てたタイムスロット(割当帯域)を示しており、例えば「1」等と表記した四角形は、ONU3−1等のタイムスロットであることを示している。
【0086】
[フレーム1における動作]
図2(A)及び図2(B)において、フレーム1は、波長切替前の下り信号及び上り信号の様子を示している。
【0087】
OSU14−1は、3台のONU3−1、ONU3−2及びONU3−3を収容しており、OSU14−2は、2台のONU3−4及びONU3−5を収容しているものとする。
【0088】
図2(A)に示すように、フレーム1の開始時刻に、OSU14−1は、「ONU3−1」、「ONU3−2」、「ONU3−3」、「ONU3−1」、「ONU3−2」、「ONU3−3」、「ONU3−1」、「ONU3−2」の順に波長λ1で送信している。また、上りも同じ順序で逆向きに情報が送られている。
【0089】
上述の様に、下りは基本的にコア側からの到着順序だが、上りは、各ONU3からの要求帯域に応じて各OSU14が帯域を割当て、各ONU3に対してヘッダH部分にその情報(上り信号を送信して良い時刻の情報)であるBwMapを収容して通知し、各ONU3は、その時刻に送信している。
【0090】
OSU14−1では、BwMap計算部103が、ONU3−1〜ONU3−3の要求帯域に応じて、ONU3−1〜ONU3−3のそれぞれのタイムスロットを、図2(B)に例示するように割り当てている。そして、各ONU3は、割り当てられたタイムスロットに基づいて、信号を波長λ1で送出する。各ONU3から送出された信号は、時分割多重されてOSU14に届く。
【0091】
OSU14−2には、「ONU3−4」、「ONU3−5」、空、「ONU3−4」、「ONU3−5」、空、…の順に交互に到着するように、各ONU3が割り当てられたタイムスロットで、波長λ2で送信している。
【0092】
すなわち、OSU14−2では、BwMap計算部103が、収容しているONU3−4とONU3−5の要求帯域に応じて、「ONU3−4」、「ONU3−5」、空、「ONU3−4」、「ONU3−5」、空、…の順に交互にタイムスロットを割り当てている。
【0093】
ここで、OSU14−2宛てのONU3−4とONU3−5からの情報量(要求帯域量)は、ペイロードの帯域の7/10であるとし、残り3/10が空き域帯域となっているものとする。すなわち、ONU3−4とONU3−5に対して均等に帯域を割り当てることとしており、フレーム1の帯域について、BwMap計算部103は、ONU3−4とONU3−5に対して帯域割当をする。その際に、「ONU3−4」と「ONU3−5」の連続するタイムスロットと、その次の「ONU3−4」と「ONU3−5」の連続するタイムスロットとの間に、所定長の空き帯域が存在するようにしている。
【0094】
この空き帯域の利用に関しては、フレーム2の動作で詳細に説明するが、高速波長切替が必要になったONU3の移行先波長の帯域として、空き帯域を用いるようにする。このように、予め空き帯域が存在するように、BwMap情報を設定することで、高速波長切替を実行する際に、移行先波長に空き帯域があるか否かを確認することなく、高速波長切替を実行することができる。また、フレームの途中に、複数の空き帯域が間隔をあけて存在していることにより、急遽、高速波長切替が必要になったときでも、移行先波長における直近の空き帯域を、当該ONU3の帯域として割り当てることができる。
【0095】
OSU14−1及びOSU14−2から送信された下り信号が、ONU3−1〜ONU3−5のそれぞれに到着するまでの時間がONU3毎に異なるのは、OSU14とONU3との間の距離が異なるからである。
【0096】
図2では、上り信号と下り信号とは、同量のトラヒックが逆向きに流れている。これは、説明便宜上の表現であり、実際は、上り信号と下り信号はトラヒック量や順序が異なることが一般的である。
【0097】
[フレーム2における動作]
このような状況で、フレーム2の途中の時刻に、OLT1のシステム制御部11に対して、急遽、OSU14−1とONU3−1との間で通信できる帯域を増やす必要がある情報(以下では、「緊急帯域増大要求情報」とも呼ぶ。)が入力された場合を想定して説明する。
【0098】
なお、このような緊急帯域増大要求情報は、例えばコア網を通じてサービス提供側から通知されたり、図示しないOLT1を制御する制御装置から通知されたりすることなどが想定される。
【0099】
また、以下において、波長切替対象となったONU3−2を「第1の子局装置」とも呼び、帯域増大が要求されたONU3−1を「第2の子局装置」とも呼ぶ。
【0100】
<システム制御部11における動作>
OSU14−1とONU3−1との間の緊急帯域増大要求情報が、システム制御部11に通知されると、システム制御部11は、ONU3−1の使用波長を確認し、ONU3−1の最適な帯域割り当てを計算する。
【0101】
例えば、システム制御部11は、各ONU3と、各ONU3を収容している各OSU14とに関する情報を有しており、そのような情報に基づいてONU3−1を収容しているOSU14−1を特定して、ONU3−1の使用波長を認識する。また、ONU3−1に割り当てる帯域に関しては、様々なケースが考えられるが、例えば、緊急帯域増大要求情報にOSU14−1とONU3−1との間で通信させる情報の要求量(若しくは増大させる量)が含まれている場合には、その要求量に応じて、ONU3−1に帯域を割り当てるようにしてもよい。
【0102】
そして、システム制御部11は、ONU3−1の使用波長と帯域を勘案して、ONU3−1の使用波長λ1を共有しているONU3(すなわち、ONU3−2、ONU3−3)のうち、1又は複数のONU3について使用波長を変更することを判断する。
【0103】
ここでは、システム制御部11が、ONU3−1の使用波長λ1において、当該ONU3−1の割当帯域を増大するように制御する。そのため、システム制御部11は、ONU3−1の使用波長λ1のBwMap情報を確認し、使用波長λ1を共有している他のONU3の使用波長を別の波長に移行させ、その移行させたONU3に割り当てていた帯域を、ONU3−1の帯域として割り当てるようにする。
【0104】
より具体的には、システム制御部11が波長λ2のBwMap情報も認識しており、波長λ2に存在している空き帯域をONU3に新たに割り当てる帯域とする。ONU3−1の使用波長λ1のBwMap情報において、最初に現れる波長λ2に切り替えて到着可能な他のONU3のタイムスロット(図2(B)の例では、ONU3−2のタイムスロット)を判断して、そのONU3を高速波長切替の対象とする。したがって、この例の場合、ONU3−2の使用波長λ1を別の波長λ2に切り替える。
【0105】
そして、システム制御部11は、ONU3−1と使用波長λ1を共有しているONU3−2に対して使用波長を波長λ2に変更し、それまで波長λ1でONU3−2に割り当てていた帯域をONU3−1分の帯域とするように、OSU14−1のOSU制御部100に指示する。さらに、システム制御部11は、波長λ2に変更するONU3−2には、波長λ2の空き帯域のタイムスロットを割り当てることを、OSU14−1のOSU制御部100に指示する。
【0106】
また、システム制御部11は、SW部12に対しても、ONU3−2がOSU14−2への収容変更されることを通知する。これにより、高速波長切替後に、コア網からONU3−2宛のユーザデータが送信されてきても、そのONU3−2宛のユーザデータをOSU14−2に転送することができる。換言すると、移行先波長λ2で新たにONU3−2に割り当てた帯域(タイムスロット)を用いて、OSU14−2は、ONU3−2宛に波長λ2で光通信できる。
【0107】
<OSUにおける動作>
次に、OSU14−1では、OSU制御部100の高速切替制御部102が、ONU3−1及びONU3−2宛に、高速切替制御情報sを作成し、高速切替制御情報sを送信する処理を説明する。
【0108】
まず、OSU14−1のOSU制御部100では、高速切替制御部102が、システム制御部11からの指示を受けて、ONU3−2に対して、使用波長を波長λ2に変更し、送信可能な時刻が、ONU3−5発OSU14−2宛とONU3−4発OSU14−2宛との間の空き時間となる時刻である旨を示す高速切替制御情報(以下では、「第1の切替制御情報」とも呼ぶ。)sを作成する。
【0109】
高速切替制御部102は、ONU3−1に対しては、ONU3−2に割り当てていた時間を、ONU3−1の送信可能な時刻である旨を示す高速切替制御情報(以下では、「第2の切替制御情報」とも呼ぶ。)sを作成する。
【0110】
換言すると、高速切替制御部102は、ONU3−2に対しては、波長及び送信時刻の変更情報を含む高速切替制御情報sを作成し、ONU3−1に対しては、送信時刻の変更情報(送信時間の追加)を含む高速切替制御情報sを作成する。なお、図2(A)において、上述したような高速切替制御情報sが作成された時刻を「切替信号完成時刻」と称して示している。
【0111】
OSU14−1の高速切替制御部102は、送信部120のフレームペイロード組立部121に、作成した高速切替制御情報sを通知し、フレームペイロード組立部121は、高速切替制御情報sを、フレームペイロード内又はOMCC内に挿入して、フレームペイロードを組み立てる。
【0112】
なお、フレームペイロード内又はOMCC内に挿入される高速切替制御情報sは、特定の開始符号を用いる等により、あらかじめOSU14とONU3との間の認識可能に取り決められているものとする。したがって、挿入位置は、フレームペイロード内又はOMCC内で拡張可能な位置であれば特に限定されない。
【0113】
ここで、波長変更に関する情報としての高速切替制御情報(第1の切替制御情報と、第2の切替制御情報とを統合した情報)sをフレームペイロード内又はOMCC内に挿入して送信することに関して説明する。
【0114】
上述したように、従来、波長変更に関する情報は、フレームヘッダに挿入して、対応のONU3に送信している。つまり、所定のフレーム周期毎のフレームの「H」のタイミングで、波長変更に関する情報を挿入したフレームヘッダを送信している。
【0115】
しかし、フレーム周期まで待って、波長変更に関する情報を送信すると、遅延時間が大きくなってしまう。
【0116】
そこで、高速切替制御情報sをフレームペイロード内又はOMCC内に挿入することにより、フレーム周期を待たずに、波長変更に関する情報を対応とするONU3に送信できる。その結果、波長変更に係る遅延時間を短縮できる。
【0117】
その後、フレームペイロード内又はOMCC内に高速切替制御情報sが挿入されたフレームペイロードは、フレーム組立部123に読み込まれて送信フレームが組み立てられる。つまり、フレームペイロード内又はOMCC内に高速切替制御情報sが挿入された送信フレームの宛先は、ONU3−1及びONU3−2とする。さらに、その送信フレームは、光送信部125に与えられ、物理同期ブロック情報が付与されて波長λ1で送出される。
【0118】
なお、TWDM−PONは同一波長の各ONU3に放送的に送信できるので、この機能を用いるが、個別に指示しても良い。つまり、図2(A)では、使用波長を波長λ1としているONU3−1とONU3−2に対して、高速切替制御情報sを放送的に送信している場合を示している。しかし、これに限定されず、ONU3−1とONU3−2に対して個別に高速切替制御情報sを送信するようにしてもよい。
【0119】
上述したようにして、フレームペイロード内又はOMCC内に高速切替制御情報sが挿入された送信フレームは、OSU14−1から、波長λ1でONU3−1及びONU3−2に送信される。なお、上り信号と、下り信号の片方だけ別波長としてもよい。
【0120】
ここで、OSU14−1の高速切替制御情報sの送信タイミングを説明する。
【0121】
図2(A)において、切替信号完成時刻は、丁度、ONU3−1宛の下り信号を送信している途中である場合を示している。したがって、OSU14−1は、切替信号完成時刻後、ONU3−1宛の通信が終わるまで待ち、その後、高速切替制御情報sを、ONU3−1及び3−2に送信するようにしている。換言すると、高速切替制御部102は、ONU3に割り当てた時間の途中で切替信号完成時刻となったときには、そのONU3の割り当て時間経過後に、高速切替制御情報sを送信するようにする。
【0122】
その後、OSU14−1の高速切替制御部102は、波長λ1において、ONU3−2に割り当てられていた帯域を、ONU3−1への割り当て帯域に変更する。これにより、OSU14−1とONU3−1との間で通信する帯域が大きくなる。
【0123】
具体的には、図2(A)のフレーム2において、ONU3−2の割当帯域のうち、高速切替制御情報sの送信後の残りの帯域(「1a」と示している部分)を、ONU3−1の帯域とし、その後の帯域(「1d」と示している部分など)についても、ONU3−1の帯域に変更する。
【0124】
また、OSU14−2では、波長λ2のBwMap情報における空き帯域を、ONU3−2の帯域に変更する。これにより、OSU14−2では、それまでのONU3−4及びONU3−5に加え、新たにONU3−2を収容する。
【0125】
なお、ONU3−2が当初送信するはずであった時間長よりも、変更後に送信可能な時間の方が短い可能性がある。この場合、ONU3−2は、短くなった時間で送れる量だけ送信し、残りは、次以降の時間に送るようにする。逆に、変更後に送信可能な時間が長く、時間が余る可能性もある。その際、既に、当初予定していた量以上の情報がキューに溜まっていれば、予定を早めて送信するようにする。
【0126】
<ONU3−2における動作>
OSU14−1が送信した高速切替制御情報sが、ONU3−2に受信されると、ONU3−2では、ONU制御部21の高速切替部211が、波長可変送信器23に対して、使用波長を波長λ1から波長λ2に変更すると共に、上り通信の送信時間を変更する。
【0127】
<ONU3−1における動作>
OSU14−1が送信した高速切替制御情報sが、ONU3−1に受信されると、ONU3−1では、ONU制御部21の高速切替部211が、波長可変送信器23に対して、上り通信の送信時間を変更する。なお、図2(A)及び図2(B)では、ONU3−1において、高速切替制御情報sを受信した時刻を「送信時間追加受信時刻」と称している。
【0128】
そうすると、ONU3−1では、上り信号の送信時間が追加されたので、ONU3−2に割り当てられていた送信時間の時刻も送信時間の時刻として設定する。例えば図2(B)に示す「1c」、「1e」及び「1g」の帯域が新たな送信時間の時刻となる。
【0129】
したがって、ONU3−1は、新たに追加された送信時間(例えば、「1c」「1e」及び「1g」の帯域)も含めて、自身の割り当て帯域が増大するので、ユーザデータが急激に増大したときでも上り信号を送信することができる。
【0130】
<波長λ2のBwMap情報の変形例>
上述した第1の実施形態の例では、波長λ2のBwMap情報は、「4(ONU3−4)」、「5(ONU3−5)」、空、「4」、「5」、空、「4」、「5」、空、…の順に交互に使用時間と未使用時間を繰り返す場合を例示した。
【0131】
このようにすることで、移行先波長に空き帯域がある時刻までの待ち時間が短くなる。
【0132】
また、波長λ2のBwMap情報として、「4」、「5」、「4」、「5」、「4」、「5、「4」、「空」、「空」、「空」のように、フレーム内で使用時間の帯域を連続的に設定し、その後に未使用時間の帯域を連続的に設定するようにしてもよい。ただし、この場合、未使用時間の帯域が、フレーム内で後側に設定されているので、第1の実施形態で例示したBwMap情報の方が、この変形例のBwMap情報よりも、ONU3−2に対して時間的に早いタイミングの帯域を割り当てることができる。
【0133】
[フレーム3における動作]
フレーム3以降では、OSU14−1及びOSU14−2が、下りのフレーム3のフレームヘッダに、ONU3−2の波長切り替え以降の状態に最適化した新たなBwMap情報を挿入して、各ONU3に送信する。これにより、新たなBwMap情報に基づいて、OSU14−1は、ONU3−1、ONU3−3と光通信を行ない、OSU14−2は、ONU3−2、ONU3−4、ONU3−5と光通信を行なう。
【0134】
(B−2−2)高速波長切替処理(その2)
図3は、第1の実施形態に係る波長切替処理において、波長切り替えに失敗する可能性を考慮した好適な動作を説明する説明図である。
【0135】
システム制御部11が、ONU3−2が使用していた帯域に、ONU3−1へ使用許可を出す際、ONU3−2における高速波長切替処理が失敗し、ONU3−2が波長λ1で上り信号を送信してしまい、ONU3−1から波長λ1で送信された上り信号と、ONU3−2から波長λ1で送信された上り信号とが衝突してしまうことが考えられる。
【0136】
そこで、第2の実施形態では、高速波長切替処理の際に、ONU3−2における高速波長切替処理が失敗し、同一波長で送信された上り信号の衝突を回避する処理動作を詳細に説明する。
【0137】
つまり、ONU3−2が使用していた帯域に、ONU3−1へ使用許可を出す際、システム制御部11が、OSU14−1の高速切替制御部102に、次のような指示を行なう。ONU3−2がフレーム2のBwMapで送信を予定している時刻に、ONU3−1に対して少なくとも1回は送信させず、ONU3−2が波長λ1で送信せず、ONU3−2の波長切替えが成功していることを確認する。
【0138】
具体的には、システム制御部11から指示を受けたOSU14−1は、ONU3−2に対して、波長λ2への波長切り替えと波長λ2での上り信号の送信時刻とを指示する。また、OSU14−1は、ONU3−1に対して、波長λ1で上り信号の送信時刻に関してBwMapで通知していた送信時刻に加えて、ONU3−2に割り当てていた時刻での送信も許可する。但し、この最初の許可時刻は、ONU3−2に対する波長切り替え及び送信時刻変更がONU3−2に届くまでのOSU14−1とONU3−2との間の伝搬遅延も考慮して設定される。このように設定することで、OSU14−1は、当該時刻になってどこからも信号が届かないことで、ONU3−2において波長切替が成功したことを確認できる。換言すると、OSU14−1は、ONU3−2が高速波長切替に成功したか否かを確認する時間を考慮し、ONU3−1に対して上り信号の送信開始時刻を指示する。
【0139】
以下、図3を用いて、詳細に説明する。基本的な処理動作は図2と同様であるので、以下では、図2を用いて既に説明した処理動作については省略する。
【0140】
[フレーム1における動作]
図2を用いた上述の説明と同じであるので、ここでは、詳細な動作説明を省略する。
【0141】
[フレーム2における動作]
<システム制御部11における動作>
システム制御部11は、OSU14と、各OSU3に収容されている各ONU3との間の伝搬遅延時間については、予め認識しているものとする。
【0142】
システム制御部11は、ONU3−1の使用波長λ1を共有しているONU3−2に対して波長λ2に変更し、それまで波長λ1でONU3−2に割り当てていた帯域をONU3−1の分の帯域とするように、OSU14−1のOSU100に指示する。さらに、システム制御部11は、ONU3−2には、波長λ2の空き帯域を、ONU3−2の帯域として割り当てるように、OSU14−1のOSU制御部100に指示する。
【0143】
このとき、システム制御部11は、波長λ1のBwMAP情報、波長λ2のBwMap情報、OSU14とONU3−2との間の伝搬遅延時間とに基づいて、ONU3−1の上り信号の送信開始時刻を求め、そのONU3−1の上り信号の送信開始時刻を、OSU14−1のOSU制御部100に通知する。ここで、OSU14とONU3−2との間の伝搬遅延時間は、OSU14とONU3−2との間の物理的な回線の伝搬遅延時間である。なお、このONU3−1の送信開始時刻に関する詳細な説明は後述する。
【0144】
また、システム制御部11は、波長切替対象であるONU3−2に対しては、高速切替制御情報sの受信後(すなわち、送信時間と波長の変更受信時刻後)、上り信号の送信待機を行なうように、OSU14−1のOSU制御部100に通知する。
【0145】
<OSU14−1と、ONU3−1及び3−2における動作>
次に、OSU14−1では、OSU制御部100の高速切替制御部102が、ONU3−1及びONU3−2宛に、高速切替制御情報sを作成し、高速切替制御情報sを送信する処理を説明する。
【0146】
このとき、OSU14−1のOSU制御部100では、高速切替制御部102が、システム制御部11からの指示を受けて、ONU3−2に対して、使用波長を波長λ2に変更し、送信可能な時刻が、ONU3−5発OSU14−2宛とONU3−4発OSU14−2宛との間の空き時間となる時刻である旨を示す高速切替制御情報sを作成する。
【0147】
高速切替制御部102は、ONU3−1に対しては、ONU3−2に割り当てていた時間を、ONU3−1の送信可能な時刻である旨を示す高速切替制御情報sを作成する。このとき、ONU3−1の送信可能な時刻については、システム制御部11からの指示に基づいて、伝搬遅延時間を考慮してONU3−2から上り信号の送信が来なくなる時刻以降、且つ、当初予定されていたBwMapでのONU3−2からの到着時刻よりも遅い時刻とする。
【0148】
ここで、ONU3−1の送信開始時刻の設定方法を、図3(A)及び図3(B)を参照して説明する。
【0149】
システム制御部11は、波長λ1のBwMap情報、波長λ2のBwMap情報、OSU14とONU3−1との間の伝搬遅延時間、OSU14とONU3−2との間の伝搬遅延時間を把握している。
【0150】
まず、高速切替制御情報sがONU3−1とONU3−2に送信され、高速切替制御情報sがONU3−1とONU3−2に到着する時刻を予測する。すなわち、ONU3−1における「送信時間追加受信時刻」、ONU3−2における「送信時間と波長の変更受信時刻」とを予測する。
【0151】
次に、高速切替制御情報sによりONU3−2の送信波長と時刻が変更される前の波長λ1のBwMap情報と、OSU14とONU3−2との間の伝搬遅延時間とから、高速切替制御情報sを受信する以前のONU3−2が予定していた送信波長と時刻は、図3(B)に示す波長λ1の「A」の時刻、即ち「空」と示された2スロットの前側であると予測される。
【0152】
ここで、図3(B)の「A」の時刻が波長λ1で「空」となっているのは、ONU3−2が波長切替に成功した場合である。
【0153】
しかし、ONU3−2が波長切替に失敗した場合、「空」ではなくONU3−2からの信号が到着する。仮にこの時刻が高速切替制御情報sによってONU3−1に対して追加の送信時間として送信が許可されており、ONU3−1が波長λ1で送信していると、ONU3−1からの信号とONU3−2からの信号とが衝突してしまうため、データを失ってしまう。
【0154】
ここで、波長λ1の「A」の時刻が予定通り「空」であればONU3−2における波長切替は成功しているが、ONU3−2からの信号を受信した場合にはONU3−2の波長切り替えが失敗したと判断できる。この場合、高速切替制御部102は、下り信号の「1d」を用いてONU3−1に対して時刻「1g」での送信を行わないように指示する。
【0155】
高速切替制御部102は、図3(A)の波長λ1のBwMap情報と、図3(B)に示す時刻「A」とを参照し、波長λ1のBwMap情報のうち、時刻「A」に、ONU3−2とOSU14との間の伝送遅延時間を加えて求められる時刻以降に存在する、ONU3−2のタイムスロットの送信時刻を、追加の送信可能時刻とする。
【0156】
具体的には、図3(B)に示す「B」以降に存在する、ONU3−1のタイムスロット(1g)の送信時刻を、送信開始時刻とする。なお、「1f」は元からONU3−1の送信時間であるので、変更前からONU3−1が送信可能な時刻である。
【0157】
このように、本実施形態では、波長λ1の「A」、「B」に「空」と表示された時刻を、ONU3−1に対する追加する送信時間としてONU3−1に通知しない。その理由は、ONU3−2が波長切替に失敗して、変更指示前の時刻「1b」及び又は「1d」に、ONU3−2がOSU14−1に上り信号を送信してしまった場合でも、ONU3−1から波長λ1で送信された上り信号と、ONU3−2から波長λ1で送信された上り信号との衝突を回避することができるためである。
【0158】
逆に、OSU14−1から見れば、ONU3−2から波長λ1で上り信号が送信されてきたときには、ONU3−2で波長切替が失敗したことを把握することができる。
【0159】
なお、ONU3−2において波長切替が失敗した場合、OSU14−1は、時刻「1e」で、ONU3−1に対して「1g」のタイムスロット時間で通信を行わないように指示し、「1g」のタイムスロット時間については、ONU3−2が使用できるようにする。これにより、もともとONU3−2の割り当て時間だった「1g」のタイムスロット時間でも、上り信号の衝突を回避しつつ送信することができる。
【0160】
ONU3−2において波長切替が成功した場合、OSU14−1は何も受信せず、OSU14−2が、高速切替制御情報sに示された時刻に上り信号「2b」を、ONU3−2から受信することで、ONU3−2において切替成功が確認され、それ以降、問題なく通信可能である。
【0161】
一方、ONU3−1は、OSU14−1から波長λ1の情報の「1e」により、特にOSU14−1から指示がなければ、ONU3−2における波長切替は成功したものと判断して、高速切替制御情報sで指示された通り、送信時間を変更(追加)し、もともと自身の送信時間である「1f」のタイムスロットと、新たに追加された送信時間である「1g」のタイムスロットで上り信号を送信する。
【0162】
なお、ONU3−1の送信開始時刻を通知する方法は、上述した方法に限定されない。上述した例では、高速切替制御情報sに、ONU3−1の送信開始時刻を指定する場合であった。しかし、ONU3−1の送信開始時刻を含めていない高速切替制御情報sをONU3−1に通知し、OSU14−1が、ONU3−2の波長切替が成功したことを確認した後に、波長λ1のBwMap情報の「1e」のタイミングで、OSU14−1が、ONU3−1に、送信許可を送出するようにしてもよい。
【0163】
(B−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、急遽、ユーザデータの増大により、帯域を増加させる必要が生じたり、送信が必要となったりした際に、短時間で波長切替と送信が可能となるので、従来よりも波長切替に係る遅延時間を短縮して、光通信を行なうことができる。
【0164】
また、波長切替対象であるONUが波長切替に失敗してしまった場合でも、同じ波長で送信される上り信号の衝突を防ぐことができ、データ喪失を回避できる。
【0165】
(C)第2の実施形態
以下では、本発明に係る親局装置、光通信システム、波長切替装置及び波長切替方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0166】
(C−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態の光通信システムの構成と、OLT及びONUの内部構成は、第1の実施形態の図1と同様であるため、第2の実施形態でも、図1を用いて説明する。
【0167】
(C−2)第2の実施形態の動作
図4は、第2の実施形態に係る波長切替処理の動作を説明する説明図である。
【0168】
[フレーム1における動作]
図4(A)及び図4(B)において、フレーム1は、波長切替前の下り信号及び上り信号の様子を示している。基本的動作は、図2を用いた上述の説明と同じであるので、ここでは、詳細な動作説明を省略する。
【0169】
波長λ1のBwMap情報は、第1の実施形態と同様に、OSU14−1は、「ONU3−1」、「ONU3−2」、「ONU3−3」、「ONU3−1」、「ONU3−2」、「ONU3−3」、「ONU3−1」、「ONU3−2」の順に割り当てられているものとする。
【0170】
一方、波長λ2のBwMap情報は、「ONU3−4」、「ONU3−5」、「ONU3−4」、「ONU3−5」、…の順に交互に割り当てられているものとする。
【0171】
なお、BwMap情報で割り当てられたタイムスロット時間は、OLT1が各ONU3に送信をして良いと送信許可した時間として伝えている。実際、各ONU3が、OLT1に送信すべきデータがある場合には、各ONU3は、対応するタイムスロット時間でユーザデータを送信するが、送信すべきデータがない場合には、対応するタイムスロット時間を使用しないか又はヌル(無視すべきダミーの)データを送信することになる。
【0172】
第2の実施形態では、波長λ2のBwMap情報で割り当てられているONU3−4とONU3−5は、ONU3−1〜ONU3−3に比べて、遅延時間に関する優先度が低いサービス、遅延に敏感でないサービス等とする。
【0173】
つまり、低遅延の観点から、ONU3−1〜ONU3−2のユーザデータは遅延時間を低くすることは重要だが、ONU3−4やONU3−5で扱われるユーザデータは、低遅延の優先度がONU3−1〜ONU3−3のそれぞれより低く、ONU3−2の通信のために、ONU3−4〜3−5の一部の帯域を削減しても良い場合を前提としている。なお、優先度が同じでも、サービスが遅延に敏感でなければ、その時間を使用しても良い。
【0174】
[フレーム2における動作]
この様な状況で、フレーム2の途中の時刻に、システム制御部11に対して、急遽、OSU14−1とONU3−1との間で、通信できる帯域を増やす必要がある情報が入力された場合を想定する。
【0175】
<システム制御部11における動作>
システム制御部11は、第1の実施形態と同様に、ONU3−1の波長と帯域の最適な割当を計算する。そして、ONU3−1の使用波長λ1を共有するONU3−2に対して、使用波長を波長λ2に変更し、波長λ1においてそれまでONU3−2に割り当てていた帯域を、ONU3−1分の帯域として割り当てる判断を行なう。そして、システム制御部11は、その旨を、OSU14−1のOSU制御部100に指示する。
【0176】
また、システム制御部11は、ONU3−2の使用波長を波長λ2に切り替える際、波長λ2において、ONU3−4とONU3−5の各帯域に加えて、ONU3−2の帯域を割り当てることを、OSU14−2のOSU制御部100に指示する。
【0177】
すなわち、この実施形態では、ONU3−4とONU3−5の低遅延に関する優先度は、ONU3−2のそれよりも低い場合を例示しているので、それまでのONU3−4又はONU3−5に割り当てていた帯域を、ONU3−2の帯域に置き換えるようにする。
【0178】
なお、低遅延に関する優先度の低いONU3−4とONU3−5の帯域を、ONU3−2の帯域に置き換える方法については、様々な方法があり、特に限定されるものではないが、例えば、この実施形態では、ONU3−2の帯域を波長λ2のフレーム2で、「ONU3−2」、「ONU3−5」、「ONU3−4」、「ONU3−2」、「ONU3−4」、「ONU3−5」、「ONU3−2」、「ONU3−5」、「ONU3−4」、「ONU3−2」の順に変更する場合を例示する。
【0179】
<OSU14−1における動作>
OSU14−1のOSU制御部100において、高速切替制御部102は、ONU3−1に対しては、ONU3−2に割り当てていた時間を、ONU3−1の送信可能な時刻である旨を示す高速切替制御情報(第2の切替制御情報)sを作成する。
【0180】
また、高速切替制御部102は、ONU3−2に対しては、使用波長を波長λ2に変更し、波長λ2のBwMap情報において、ONU3−2の送信可能な時間の時刻を通知する高速切替制御情報(第2の切替制御情報)sを作成する。
【0181】
そして、OSU14−1の高速切替制御部102により作成された高速切替制御情報sがフレームペイロード組立部121に与えられ、高速切替制御情報sが、フレームペイロード内又はOMCC内に挿入されて、フレームペイロードが組み立てられる。
【0182】
その後、フレームペイロード内又はOMCC内に高速切替制御情報sが挿入されたフレームペイロードは、フレーム組立部123に与えられ、フレームヘッダが付与されて送信フレームが組み立てられる。さらに、その送信フレームは、光送信部125に与えられ、物理同期ブロック情報が付与されて波長λ1で送出される。
【0183】
上述したようにして、フレームペイロード内又はOMCC内に高速切替制御情報sが挿入された送信フレームは、OSU14−1から、波長λ1でONU3−1及びONU3−2に送信される。
【0184】
<OSU14−2における動作>
OSU14−2のOSU制御部100では、高速切替制御部102が、ONU3−4とONU3−5に対して、既に通知しているBwMap情報で、送信許可としていた送信可能時間の一部について、送信を停止する指示を出す高速切替制御情報(以下では、「第3の切替制御情報」とも呼ぶ。)sを生成する。
【0185】
つまり、ONU3−2の使用波長を波長λ2に変更するため、これまで送信許可をしていたONU3−4及びONU3−5に割り当てていた帯域の一部を減らすことになる。したがって、ONU3−4及びONU3−5に対しては、一時的に上り信号の送信の停止(上り信号の送信待機)を指示すると共に、割り当て帯域の一部を減らした変更後の帯域(タイムスロット)の送信時刻を指示する。個の指示は、単に帯域を減らすことを通知するのみで、新たに変更後の送信時刻を通知しなくてもよい。
【0186】
ここで、ONU3−4及びONU3−5に対して、波長λ2で上り信号の送信待機を指示する理由は、波長切替に成功したONU3−2が、波長λ2で上り信号を送信したときに、ONU3−2が波長λ2で送信した上り信号と、ONU3−4又はONU3−5が波長λ2で送信した上り信号との衝突を回避するためである。
【0187】
そして、OSU14−2の高速切替制御部102により作成された高速切替制御情報sがフレームペイロード組立部121に与えられ、高速切替制御情報sが、フレームペイロード内又はOMCC内に挿入されて、フレームペイロード組み立てが先頭から順次行われる。
【0188】
その後、フレームペイロード内又はOMCC内に高速切替制御情報sが挿入されたフレームペイロードは、出来た部分からフレーム組立部123に与えられ、フレームヘッダが付与されて送信フレームが組み立てられる。さらに、その送信フレームは、光送信部125に与えられ、物理同期ブロック情報が付与されて波長λ2で送出される。これらは全て、完成した部分から実行され、フレームペロー度やフレームが完成した後に送られるのではない。
【0189】
上述したようにして、フレームペイロード内又はOMCC内に高速切替制御情報sが挿入された送信フレームは、OSU14−2から、波長λ2でONU3−4及びONU3−5に送信される。
【0190】
<ONU3−1及びONU3−2における動作>
基本的動作は、図2を用いた上述の説明と同じであるので、ここでは、詳細な動作説明を省略する。
【0191】
<ONU3−4及びONU3−5における動作>
OSU14−2が送信した高速切替制御情報sが、ONU3−4、ONU3−5に受信されると、ONU3−4、ONU3−5では、ONU制御部21の高速切替部211が、波長可変送信器23に対して、上り通信の送信可能時間の時刻を変更する。なお、図4(A)及び図4(B)では、ONU3−4、ONU3−5において、高速切替制御情報sを受信した時刻を「送信時間削減の受信時刻」と称している。
【0192】
ここで、図4(B)に示すように、ONU3−4、ONU3−5は、高速切替制御情報sを受信後、上り信号の送信を一時的に待機(上り信号の送信待機)し、その後、高速切替制御情報sで指示された変更後の送信時間の時刻、当該変更後の送信時刻が設定されていない場合はBwMapで指示されていた次回の送信時刻に、上り信号を送信する。このようにすることで、新たに波長λ2を使用することになったONU3−2の帯域も含めて、波長λ2のBwMap情報が更新され、ONU3−4、ONU3−5、ONU3−2が波長λ2を用いた光通信が可能となる。
【0193】
なお、ONU3−4とONU3−5は、ONU3−2が送信した情報がOSU14−2に到着するまでの時間だけ、上り信号の送信を待機(停止)する。このとき、ONU3−4とONU3−5において、送信すべきデータはキューに留めておき、次の送信可能時間以降に、データを送信するようにする。
【0194】
[フレーム3における動作]
フレーム3以降の時間も、フレーム2と同じBwMap情報で、上り信号及び下り信号を送信することを前提として、フレーム2と同じ帯域割当方法を行なう。
【0195】
OSU14−1及びOSU14−2は、下りのフレーム3のフレームヘッダに、最適化した新たなBwMap情報を挿入して、各ONU3に送信する。これにより、新たなBwMap情報に基づいて、OSU14−1は、ONU3−1、ONU3−3と光通信を行ない、OSU14−2は、ONU3−2、ONU3−4、ONU3−5と光通信を行なう。
【0196】
以上のようにして、第2の実施形態も、ONU3−2は使用波長を波長λ2に変更し、波長λ1でONU3−2に割り当てられていた送信可能時間に、ONU3−1が光通信できることになる。
【0197】
<備考>
上述した動作において、送信開始時刻に関する1つめの重要な点は、ONU3−2の送信開始時刻は、波長λ2で、ONU3−4とONU3−5が送信しない時間を指定して通知すること、更に波長λ1のBwMap情報で、ONU3−2が使用していた帯域に、ONU3−1への使用許可を出す際、ONU3−1の送信開始時刻は、ONU3−2に対して波長変更を通知することによって、ONU3−2からの上り信号の送信が来なくなる時刻以降であることである。これは、第1の実施形態でも説明した通り、上り信号の衝突を防止するためであり、OSU14とONU3−2との間の伝搬遅延時間に、波長変更するONU3−2が波長λ1で上り信号を送信してはいけない旨を、OSU14−1が把握するまでの処理時間を加えた時刻以降であることを意味する。
【0198】
そして、送信開始時刻に関する2つ目の重要な点は、ONU3−2が波長λ2で送信開始時刻は、OSU14−2が高速切替制御情報sを送信できる時刻に、ONU3−4とONU3−5の伝搬遅延時間を加え、更に、ONU3−4とONU3−5が上り信号を送信してはいけない旨を把握するまでの処理時間を加えた時刻以降とすることである。これも、波長λ2で送信される上り信号の衝突を回避するためである。
【0199】
(C−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、移行先波長に低遅延の優先度が低い帯域が割り当てられている場合、移行先波長に割り当てられている帯域の一部又は全部を、波長切替対象とするONUの帯域に置き換える。これにより、急遽、ユーザデータの増大により、帯域を増加させる必要が生じたときに、高速で波長切替が可能となるので、従来よりも波長切替に係る遅延時間を短縮して、光通信を行なうことができる。
【符号の説明】
【0200】
5…光通信システム、2…スプリッタ、
1…OLT(親局装置)、11…システム制御部、12…SW(スイッチ)部、14(14−1〜14−n)…OSU、13…光合分波フィルタ、100…OSU制御部、101…ONU管理制御部、102…高速切替制御部、103…BwMap計算部、110…受信部、111…受信フレーム処理部、112…光受信部、120…送信部、121…フレームペイロード組立部、122…フレームヘッダ組立部、123…フレーム組立部、124…物理同期ブロック出力部、126…光送信部、1265a…スクランブル部、
3(3−1〜3−5)…ONU(子局装置)、21…ONU制御部、211…高速切替部、22…送信フレーム処理部、23…波長可変送信器、24…光合分波フィルタ、25…波長可変受信器、26…受信フレーム処理部。
図1
図2
図3
図4
図5