特許第6984748号(P6984748)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984748
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】保管棚
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20211213BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   H01L21/68 T
   B65G1/00 521D
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-525273(P2020-525273)
(86)(22)【出願日】2019年3月22日
(86)【国際出願番号】JP2019012222
(87)【国際公開番号】WO2019239672
(87)【国際公開日】20191219
【審査請求日】2020年9月30日
(31)【優先権主張番号】特願2018-114816(P2018-114816)
(32)【優先日】2018年6月15日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】椿 達雄
(72)【発明者】
【氏名】大西 真司
【審査官】 湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/022330(WO,A1)
【文献】 特開2010−182747(JP,A)
【文献】 特開2013−139319(JP,A)
【文献】 特開2001−338971(JP,A)
【文献】 特開2005−166952(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/126106(WO,A1)
【文献】 実開平1−92240(JP,U)
【文献】 特開2016−50684(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/174606(WO,A1)
【文献】 特開2017−227216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のベース部材を有する本体フレームと、前記ベース部材に弾性体を介して取り付けられる板状の棚板と、を備え、被格納物が格納される容器を保管する保管棚であって、
前記棚板に設けられ、前記容器にガスを供給する供給ノズルと、
前記供給ノズルに連通する一端と、前記棚板とは別体の支持部によって支持されると共に前記容器に供給するガスの供給源に接続されている主管に連通する他端と、を有する供給管と、を備え、
前記供給管は、前記一端から前記他端までの間の少なくとも一部に可撓性のある可撓部を有しており、板状の前記ベース部材と板状の前記棚板との間に形成される空間に配置されている、保管棚。
【請求項2】
前記支持部は、前記本体フレームである、請求項1記載の保管棚。
【請求項3】
前記棚板は、平面視において矩形形状を有しており、
前記供給ノズルは、前記棚板の一のコーナー部に配置されており、
前記供給管の他端は、前記棚板の一のコーナー部の対角に相当する他のコーナー部に配置されている、請求項1又は2記載の保管棚。
【請求項4】
前記供給管は、前記一端の軸方向と前記他端の軸方向とが互いに直交すると共に、前記一端と前記他端との間に曲線部を有している、請求項1〜3の何れか一項記載の保管棚。
【請求項5】
前記供給管は、水平方向に沿って配置されている、請求項1〜4の何れか一項記載の保管棚。
【請求項6】
前記本体フレームに支持されると共に、前記主管と前記供給管の他端との間に設けられるフィルタを更に備える、請求項1又は2記載の保管棚。
【請求項7】
前記本体フレームは、天井搬送車のレール、前記レールを支持する支持部材、又は天井のいずれかに取り付けられて下方に延在する吊下部材と、前記吊下部材の下端を連結する連結部材と、を更に有し、
前記ベース部材は、前記連結部材に掛け渡されており、
前記棚板は、前記供給ノズルと、前記容器を位置決めするピンと、を有し、
前記管は、前記ベース部材によって支持されている、請求項1〜6の何れか一項記載の保管棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、保管棚に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置又は液晶製造装置等で処理されるウエハを収容するFOUP(Front-Opening Unified Pod)、及び半導体製造装置又は液晶製造装置等で用いられるレチクルを収容するレチクルポッド等の容器を保管する保管棚が知られている。保管棚は、天井搬送車の軌道又は天井等の被支持部から吊り下げられた状態で設置されたり、地面に立設した状態で設置されたりする。このような保管棚では、天井搬送車又は地上搬送車の走行によって振動が伝わることがある。例えば、特許文献1には、容器を載置する棚板(載置部)と当該棚板を支持する本体フレーム(枠部)とを備え、上記棚板は、弾性体を介して本体フレームに支持されている保管棚が開示されている。この保管棚では、棚板に伝達される振動の影響を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6061020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被格納物の清浄度を維持するため、上述した保管棚に、不活性気体又は清浄乾燥空気等のパージガスを容器に供給するパージ設備を設けたい場合がある。しかしながら、棚板にパージ設備を設けた場合、容器にパージガスを供給する供給管によって、棚板の防振が阻害されたり、供給管を介して棚板に振動が伝達されたりするおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の一側面の目的は、棚板にパージ設備が設けられる場合にも、容器に振動が伝達されることを抑制できる保管棚を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る保管棚は、本体フレームと、本体フレームに弾性体を介して取り付けられる棚板と、を備え、被格納物が格納される容器を保管する保管棚であって、棚板に設けられ、容器にガスを供給する供給ノズルと、供給ノズルに連通する一端と、棚板とは別体の支持部によって支持されると共に容器に供給するガスの供給源に接続されている主管に連通する他端と、を有する供給管と、を備え、供給管は、一端から他端までの間の少なくとも一部に可撓性のある可撓部を有している。
【0007】
この構成の保管棚では、棚板に設けられる供給ノズルに接続される供給管の全長方向における少なくとも一部が可撓性を有する。これにより、供給管は、棚板と本体フレームとの間の相対的な移動を許容できるので、棚板の防振が阻害されたり、供給管を介して棚板に振動が伝達されたりすることが抑制される。この結果、棚板にパージ設備が設けられる場合にも、容器に振動が伝達されることを抑制できる。
【0008】
本発明の一側面に係る保管棚では、支持部は、本体フレームであってもよい。これにより、主管が本体フレームに固定されている構成の保管棚であっても、容器に振動が伝達されることを抑制できる。
【0009】
本発明の一側面に係る保管棚では、棚板は、平面視において矩形形状を有しており、供給ノズルは、棚板の一のコーナー部に配置されており、供給管の他端は、棚板の一のコーナー部の対角に相当する他のコーナー部に配置されていてもよい。この構成では、一端及び他端の位置が、棚板の一の辺に平行な第一方向及び当該一の辺に直交する辺に平行な第二方向の両方に互いにずれているので、ベース部材と棚板との間の第一方向及び第二方向への相対的な移動を容易にすることができる。
【0010】
本発明の一側面に係る保管棚では、供給管は、一端の軸方向と他端の軸方向とが互いに直交すると共に、一端と他端との間に曲線部を有していてもよい。この構成では、供給管は、棚板における第一方向及び第二方向のどちらの動きもより一層容易にすることができる。
【0011】
本発明の一側面に係る保管棚では、前記供給管は、水平方向に沿って配置され、曲線部を有していてもよい。この構成では、本体フレームと本体フレームの上方に弾性体を介して配置される棚板との間隔が狭い場合であっても、本体フレームと棚板との間に供給管を配置することができる。言い換えれば、保管棚の鉛直方向におけるサイズが増大化することを抑制できる。
【0012】
本発明の一側面に係る保管棚では、本体フレームに支持されると共に、主管と供給管の他端との間に設けられるフィルタを更に備えていてもよい。この構成では、供給管へガスを供給する最終端でガスを浄化することができるので、より上質なガスを容器に供給することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面によれば、棚板にパージ設備が設けられる場合にも、容器に振動が伝達されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態に係る保管棚を示す斜視図である。
図2図2は、棚板を斜め上方から見たときの示す斜視図である。
図3図3は、棚板を斜め下方から見たときの示す斜視図である。
図4図4は、棚板を上方から見たときの示す平面図である。
図5図5は、変形例1に係る棚板を上方から見たときの平面図である。
図6図6は、変形例2に係る棚板を上方から見たときの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の一側面の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。「X方向」、「Y方向」及び「Z方向」の語は、図示する方向に基づいており便宜的なものである。図2及び図4は、棚板20を透明化して示し、図3は、ベース部材7を透明化して示している。
【0016】
図1に示す保管棚1は、例えば、半導体製造工場の半導体搬送システムに設置される。保管棚1は、レチクルポッド又はFOUP(図示せず)等の容器(被格納物)を一時的に保管する。保管棚1は、本体フレーム10と、棚板20と、主管50と、パージ設備30と、を備えている。本体フレーム10は、弾性体9を介して棚板20を支持する。弾性体9の例には、ゴム材、シリコーンゲル材、ウレタンゲル、及び金属バネ等が含まれる。本体フレーム10は、吊下部材3a〜3dと、連結部材5a,5bと、ベース部材7と、を有している。
【0017】
吊下部材3a〜3dは、上下方向(Z方向)に延在する柱部材であり、複数本(本実施形態では四本)設けられている。吊下部材3a〜3dは、X方向及びY方向で所定の間隔をあけて対向して配置されている。吊下部材3a〜3dは、天井搬送車のレール、このレールを支持する支持部材、又は、天井のいずれかに取り付けられている。吊下部材3a,3bの下端側には、X方向に延在する柵部材6が横架されている。吊下部材3c,3dの下端側には、X方向に延在する柵部材6が横架されている。柵部材6,6は、FOUPの落下を防止する。なお、図1では、説明の便宜のため、吊下部材3a,3bに横架される柵部材の一方の図示を省略している。
【0018】
連結部材5aは、Y方向に延在する部材であり、吊下部材3aと吊下部材3cとの下端部を連結している。連結部材5bは、Y方向に延在する部材であり、吊下部材3bと吊下部材3dとの下端部を連結している。ベース部材7は、X方向に延在する板状部材であって、複数の連結部材5a,5bに架け渡されている。
【0019】
棚板20は、Z方向から見た平面視において、略矩形形状を呈する板状の部材であり、FOUPが載置される。棚板20は、ベース部材7の上面7aに配置された弾性体9によって支持されている。棚板20は、FOUPが載置される載置面21aと、載置面21aとは反対側の下面21b(図2参照)と、有する。棚板20には、ピンP1,P2,P3と、後段にて詳述する供給ノズル31と、が設けられている。ピンP1〜P3は、棚板20の載置面21aから上方に突出している。ピンP1〜P3は、FOUPの底部に設けられた位置決め穴(図示せず)に対応する位置に配置されている。また、棚板20の載置面21aには、在荷センサSWが設けられている。
【0020】
主管50は、パージ設備30に供給するガスの供給源に接続されている。パージ設備30に供給されるガスの例は、窒素ガス、及び乾燥空気等が含まれる。主管50は、ステンレス鋼等の金属又はフッ素樹脂等の樹脂から形成される管部材である。主管50は、ベース部材7に固定された配管支持ブラケット11によって支持されている。主管50は、分岐部51を有している。分岐部51には、パージ設備30を構成する第二配管41が接続されている。
【0021】
図2図4に示されるように、パージ設備30は、供給ノズル31と、供給管33と、フィルタ部35と、第一配管37と、MFC(Mass Flow Controller)39と、第二配管41と、を有している。供給ノズル31は、FOUPの内部にガスを供給するノズルであって、FOUPにガスを供給するノズル部31aと、供給管33が接続される接続部31bと、を有している。ノズル部31aは、棚板20の載置面21aから上方に突出しており、FOUPがノズル部31aに載置されることによってFOUPの底面に設けられた導入孔に接続される。接続部31bは、棚板20の下面21bに設けられている。供給ノズル31は、棚板20の一のコーナー部C1に配置されている。
【0022】
供給管33は、供給ノズル31に連通する一端33aと、ベース部材(棚板20とは別体の支持部)7によって支持されると共にFOUPに供給するガスの供給源に接続されている主管50に連通する他端33bと、を有する。本実施形態では、他端33bは、フィルタ部35、第一配管37、MFC39、及び第二配管41を介して主管50に連通している。供給管33は、例えば、フッ素樹脂等の樹脂から形成される管部材であって、全長方向において全体的に可撓性を有している。供給管33は、一端33aと他端33bとの間において、支持部材に支持されない状態において、水平方向に延在する状態を維持できる。
【0023】
供給管33は、一端33aの軸方向d1と他端33bの軸方向d2とが互いに直交すると共に、一端33aと他端33bとの間に曲線部33cを有している。当該曲線部33cは、供給管33の可撓部でもある。曲線部33cの半径Rの例は、200mm〜250mmである。可撓性のある供給管33は、一端33aが供給ノズル31に接続され、他端33bがフィルタ部35に接続された状態において、上記の半径Rが取り得る最大の曲率半径となるように曲げられている。
【0024】
フィルタ部35は、フィルタ部35を通過するガスに含まれる異物を取り除くフィルタが収容された部材であって、ガスの供給源から主管50を介して供給されるガスに含まれる異物を取り除く。供給管33の他端33bは、フィルタ部35に接続されている。フィルタ部35は、ベース部材7に適宜の部材によって固定されている。フィルタ部35は、棚板20の一のコーナー部C1の対角に相当する他のコーナー部C2に配置されている。
【0025】
第一配管37は、フィルタ部35とMFC39との間を接続する管部材である。第一配管37は、ステンレス鋼等の金属から形成される管部材である。第一配管37は、フィルタ部35及びMFC39との接続部以外、どこにも支持されていない。
【0026】
MFC39は、主管50から供給されるガスの流量を計測すると共に流量の制御を行う機器である。MFC39は、図示しないコントローラによって制御される。コントローラは、棚板20に設けられた在荷センサSWによってFOUPが検知されるときに、FOUPに所定の流量のガスを供給するようにMFC39を制御し、棚板20に設けられた在荷センサSWによってFOUPが検知されないときに、FOUPにガスを供給しないようにMFC39を制御する。MFC39は、ベース部材7の下面7bに適宜の方法にて固定されている。
【0027】
第二配管41は、MFC39と分岐部51との間を接続する管部材である。第二配管41は、ステンレス鋼等の金属又はフッ素樹脂等の樹脂から形成される管部材である。
【0028】
次に、上記実施形態の保管棚1の作用効果について説明する。上記実施形態の保管棚1では、棚板20に設けられる供給ノズル31に接続される供給管33が変形する。これにより、供給管33は、棚板20と本体フレーム10との間の相対的な移動(X方向、Y方向、及びZ方向への移動)を許容できるので、棚板20の防振が阻害されたり、供給管33を介して棚板20に振動が伝達されたりすることが抑制される。この結果、棚板20にパージ設備30が設けられる場合でも、FOUPに振動が伝達されることを抑制できる。
【0029】
上記実施形態の保管棚1では、主管50が本体フレーム10に固定されている構成の保管棚1であっても、FOUPに振動が伝達されることを抑制できる。
【0030】
上記実施形態の保管棚1では、供給管33の一端33a及び他端33bの位置が、棚板20の一の辺に平行なX方向及び当該一の辺に直交する辺に平行なY方向の両方に互いにずれている。これにより、供給管33は、ベース部材7と棚板20との間のX方向及びY方向への相対的な移動を容易にすることができる。
【0031】
上記実施形態の保管棚1では、供給管33は、一端33aの軸方向d1と他端33bの軸方向d2とが互いに直交すると共に、一端33aと他端33bとの間に曲線部33cを有している。この構成では、供給管33は、棚板20におけるX方向及びY方向のどちらの動き(変形)も、より一層容易にすることができる。
【0032】
上記実施形態の保管棚1では、供給管33は、水平方向(XY平面)に沿って配置される曲線部33cを有している。この構成では、ベース部材7とベース部材7の上方に弾性体9を介して配置される棚板20との間隔が狭い場合であっても、ベース部材7と棚板20との間に供給管33を配置することができる。この結果、保管棚1の鉛直方向におけるサイズが増大化することを抑制できる。また、単位面積当たりのFOUPの集積能力を高めることができる。
【0033】
上記実施形態の保管棚1では、ベース部材7に支持されると共に、主管50と供給管33の他端33bとの間にフィルタ部35を備えるので、供給管33へガスを供給する最終端(供給管33の他端33b)でガスを浄化することができる。これにより、より上質なガスをFOUPに供給することができる。
【0034】
以上、一実施形態について説明したが、本発明の一側面は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
<変形例1>
上記実施形態では、一つの棚板20に一つの供給ノズル31が設けられている構成の保管棚1を例に挙げて説明したが、一つの棚板20に複数の供給ノズルと複数の供給管とが設けられる構成の保管棚1であってもよい。例えば、図5に示されるように、変形例1に係る保管棚1の棚板20には、三つの供給ノズル31,131,231と、当該三つの供給ノズル31,131,231のそれぞれにガスを供給する三つの供給管33,133,233が設けられてもよい。Z方向から見た平面視において、三つの供給管33,133,233は、平面的に重ならないように配置されている。
【0036】
変形例1に係る保管棚1のパージ設備130では、MFC39の下流側に分岐部101が設けられ、分岐部101の一方には金属管102を介してフィルタ部35に接続され、分岐部101の他方には金属管103、分岐部105、金属管106、金属管107を介して、フィルタ部135及びフィルタ部235がそれぞれ接続されている。フィルタ部35,135,235は、ベース部材7に適宜の方法によって固定されている。
【0037】
供給管33は、一端33aが供給ノズル31に接続され、他端33bがフィルタ部35に接続されている。供給管133は、一端133aが供給ノズル131に接続され、他端133bがフィルタ部135に接続されている。供給管233は、一端233aが供給ノズル231に連通され、他端233bがフィルタ部235に接続されている。供給管233の一端233aは、エルボ継手108及び金属管109を介して供給ノズル31に接続されている。エルボ継手108は、棚板20に固定されている。供給管33,133,233は、樹脂性の可撓管によって形成されている。
【0038】
上記変形例1に係る保管棚1では、棚板20に設けられる供給ノズル31,231にそれぞれ接続される供給管33,233が変形する。また、供給管33,233のそれぞれは曲線部31c,231cを有している。これにより、供給管33,233は、棚板20と本体フレーム10との間の相対的な移動を許容する。また、棚板20に設けられる供給ノズル131に接続される金属管109は、エルボ継手108に接続されている。そして、当該エルボ継手108に接続される供給管233が変形する。また、供給管233は曲線部233cを有している。これらの供給管33,133,233の接続構成によって、棚板20の防振が阻害されたり、供給管33,133,233を介して棚板20に振動が伝達されたりすることが抑制される。この結果、棚板20にパージ設備が設けられている場合であっても、FOUPに振動が伝達されることを抑制できる。
【0039】
上記変形例1に係る保管棚1では、Z方向から見た平面視において、三つの供給管33,133,233は、平面的に重ならないように配置されているので、保管棚1のZ方向(鉛直方向)のサイズが増大することを抑制できる。また、上記変形例1に係る保管棚1では、曲線部33cを有する供給管33と、曲線部133c,233cを有する供給管133,233とが互いに凹状に曲げられた状態で対向するように配置されている。これにより、平面視において限られた空間に、複数の供給管33,133,233を可撓させた状態で配置することができる。
【0040】
<変形例2>
上記変形例1では、三つの供給ノズル31,131,231を配置する場合、三つの供給ノズル31,131,231にそれぞれ接続される可撓性の供給管33,133,233を設ける例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、図6に示されるように、変形例2に係る保管棚1の棚板20には、三つの供給ノズル31,131,231と、供給ノズル31にガスを供給する供給管33と、二つの供給ノズル131,231にガスを供給する供給管133が設けられてもよい。Z方向から見た平面視において、二つの供給管33,133は、平面的に重ならないように配置されている。
【0041】
変形例2に係るパージ設備230では、MFC39の下流側に分岐部101が設けられ、分岐部101の一方には金属管102を介してフィルタ部35に接続され、分岐部101の他方には金属管103を介して、フィルタ部135が接続されている。フィルタ部35,135は、ベース部材7に適宜の方法によって固定されている。
【0042】
供給管33は、一端33aが供給ノズル31に接続され、他端33bがフィルタ部35に接続されている。供給管133は、一端133aが供給ノズル131,231にそれぞれ連通し、他端133bがフィルタ部135に接続されている。供給管133の一端133aは、棚板20に固定された分岐部208に接続されている。分岐部208の一方は、金属管210を介して供給ノズル131に接続され、分岐部208の他方は、金属管209を介して供給ノズル231に接続されている。供給管33,133は、樹脂性の可撓管によって形成されている。
【0043】
上記変形例2に係る保管棚1では、棚板20に設けられる供給ノズル31に接続される供給管33が変形する。また、供給管33は曲線部33cを有している。これにより、供給管33は、棚板20と本体フレーム10との間の相対的な移動を許容する。また、棚板20に設けられる供給ノズル131,231にそれぞれ接続される金属管209,210は、分岐部208に接続されている。そして、当該分岐部208に接続される供給管133が変形する。また、供給管133は曲線部133cを有している。これらの供給管33,133の接続構成によって、棚板20の防振が阻害されたり、供給管33,133を介して棚板20に振動が伝達されたりすることが抑制される。この結果、棚板20にパージ設備が設けられる場合であっても、FOUPに振動が伝達されることを抑制できる。
【0044】
上記変形例2に係る保管棚1では、Z方向から見た平面視において、二つの供給管33,133は、平面的に重ならないように配置されているので、保管棚1のZ方向(鉛直方向)のサイズが増大することを抑制できる。また、上記変形例2に係る保管棚1では、曲線部33cを有する供給管33と、曲線部133cを有する供給管133とが互いに凹状に曲げられた状態で対向するように配置されている。これにより、平面視において限られた空間に、複数の供給管33,133を湾曲させた状態で配置することができる。
【0045】
<その他の変形例>
上記実施形態では、供給管33の一端33aを供給ノズル31の接続部31bに直接接続する例を挙げて説明したが、任意の角度(例えば、90度)に曲がるエルボ継手を介して接続してもよい。これにより、可撓性の供給管33では対応できないような配置にも対応することが可能になる。
【0046】
上記実施形態及び変形例では、フィルタ部35が、供給管33の他端33b側に配置される構成、すなわち、フィルタ部35と供給ノズル31との間には供給管33が介在する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、フィルタ部35が、供給管33の一端33a側に配置される構成、すなわち、供給管33と供給ノズル31との間にはフィルタ部35が介在する構成であってもよい。
【0047】
上記実施形態及び変形例では、供給管33,133,233が水平面内において曲げられた状態で配置されている例を挙げて説明したが、例えば、供給管33,133,233は、延直面内において曲げられた状態で配置されてもよい。言い換えれば、供給管33,133,233は、下方に弛んだ状態で配置されてもよい。
【0048】
上記実施形態及び変形例では、主管50は、ベース部材7に固定された配管支持ブラケット11によって支持されている例を挙げて説明したが、例えば、天井搬送車が走行する走行レールに支持されたり、クリーンルーム等の天井等に取り付けられた支持部材に支持されたり、又は、天井に直接支持されたりしてもよい。
【0049】
上記実施形態及び変形例では、保管棚1は、天井から吊り下げられる構成を例に挙げて説明したが、床面に設置される構成であってもよい。すなわち、本体フレーム10が床面から立設する構成であってもよい。
【0050】
上記実施形態及び変形例では、供給管33,133,233の全長の全てが可撓性を有している例を挙げて説明したが、全長の一部のみが可撓性を有していてもよい。また、樹脂性の供給管33,133,233に代えて、樹脂又は金属からなる蛇腹管等を採用してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…保管棚、3a,3b,3c,3d…吊下部材、5a,5b…連結部材、6…柵部材、7…ベース部材、10…本体フレーム、20…棚板、21a…載置面、30,130,230…パージ設備、31,131,231…供給ノズル、31a…ノズル部、31b…接続部、33,133,233…供給管、33a,133a,233a…一端、33b,133b,233b…他端、33c,133c,233c…曲線部、35,135,235…フィルタ部、50…主管、51…分岐部、C1,C2…コーナー部、d1…軸方向、d2…軸方向、P1,P2,P3…ピン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6