(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1態様によれば、吐出口から気体を吹き出す第1圧電ポンプと、前記第1圧電ポンプの前記吐出口に接続された第1端と、第2端とを有する流路であって、前記第1端と前記第2端の間に接続ポイントを設けた第1流路と、液体を貯留するための液体貯留部と、前記液体貯留部に接続された第1端と、前記接続ポイントに接続された第2端とを有する第2流路と、を備える、霧化器を提供する。
【0011】
このような構成によれば、圧電ポンプにより気体を吹き出すことで、駆動周波数等の出力条件を予め設定しておけば、吹き出す気体の流量等を設定することができる。これにより、他の種類のポンプに比べて、液体を霧化させるための液体と気体との混合比の最適化およびベンチュリー効果を発現させるための気体の流速の最適化との両立のための設計難易度が低くなり、霧化の制御を簡単に行うことができる。
【0012】
本発明の第2態様によれば、前記第1流路における前記第1端と前記接続ポイントの間に接続された第1端と、前記液体貯留部に接続された第2端とを有する分岐流路をさらに備える、第1態様に記載の霧化器を提供する。このような構成によれば、気体と液体の両方を送り出す駆動源として第1圧電ポンプを用いることができ、霧化器の製造コストの低減および小型化を図ることができる。
【0013】
本発明の第3態様によれば、前記分岐流路には液体の逆流を防止する逆流防止機構が設けられている、第2態様に記載の霧化器を提供する。このような構成によれば、液体貯留部の液体が誤って分岐流路を逆流することを防止することができ、霧化器の信頼性を向上させることができる。
【0014】
本発明の第4態様によれば、吐出口から気体を吹き出す第2圧電ポンプと、前記第2圧電ポンプの前記吐出口に接続された第1端と、前記液体貯留部に接続された第2端とを有する第3流路をさらに備える、第1態様に記載の霧化器を提供する。このような構成によれば、気体だけでなく液体を送り出す駆動源として圧電ポンプを用いることにより、接続ポイントへ送る液体の流量等の設定も容易になり、霧化の制御をより簡単に行うことができる。
【0015】
本発明の第5態様によれば、前記第1流路における前記第1端と前記接続ポイントの間の箇所と前記第3流路とを接続するバイパス流路をさらに備える、第4態様に記載の霧化器を提供する。このような構成によれば、バイパス流路を設けることで第1流路と第3流路の間で気体の交換を行うことが可能となり、各流路の気体の流量調整を行うことができる。
【0016】
本発明の第6態様によれば、前記第3流路において、前記バイパス流路が接続される位置よりも前記第2端側に流路抵抗を備える、第5態様に記載の霧化器を提供する。このような構成によれば、第3流路に流路抵抗を設けることで、第3流路からバイパス流路を介して第1流路に向かう気体の流れを促進することができ、第1流路を流れる気体の流量を増加させることができる。これにより、接続ポイントでの霧化を促進することができる。
【0017】
本発明の第7態様によれば、前記第3流路には液体の逆流を防止する逆流防止機構が設けられている、第4態様から第6態様のいずれか1つに記載の霧化器を提供する。このような構成によれば、液体貯留部の液体が誤って第3流路を逆流して第2圧電ポンプへ到達することを防止することができる。これにより、霧化器の信頼性を向上させることができる。
【0018】
本発明の第8態様によれば、前記第1流路は、前記第1端から前記第2端まで一直線状に延びる、第1態様から第7態様のいずれか1つに記載の霧化器を提供する。このような構成によれば、第1圧電ポンプから吹き出される気体の流速をできるだけ維持することができ、霧化をより確実に行うことができる。
【0019】
本発明の第9態様によれば、少なくとも前記第1圧電ポンプ、前記第1流路、前記第2流路および前記液体貯留部を収容するケースをさらに備える、第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の霧化器を提供する。このような構成によれば、持ち運び等の面でユーザの利便性を向上させることができる。
【0020】
本発明の第10態様によれば、前記液体貯留部は、前記ケースに収容されるタンクである、第9態様に記載の霧化器を提供する。このような構成によれば、液体の容量を所定量確保することができる。
【0021】
本発明の第11態様によれば、前記第2流路は、前記第1流路に交差するように前記第1流路に接続され、その先端が前記第1流路内で折れ曲がり、前記第1流路の前記出口に向かって前記第1流路と同心状に延びる、第1態様から第10態様のいずれか1つに記載の霧化器を提供する。このような構成によれば、簡単なノズル構造により霧化を実現することができる。
【0022】
(実施形態1)
以下に、本発明にかかる実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態1に係る霧化器2の外観斜視図である。
【0024】
霧化器2は、液体と気体を混合して霧化する装置である。
図1に示す霧化器2は、ケース4と、スイッチ6と、吹出口8とを備える。霧化器2は例えば、医療用のネブライザーとして使用される。液体は例えば、生理食塩水、有機溶剤(エタノール等)、薬剤(ステロイド、β2刺激薬等)である。気体は例えば、空気である。ユーザがスイッチ6を押下すると、霧化された液体が吹出口8から吹き出される。
【0025】
ケース4は、霧化器2の外郭を構成する部材である。ケース4の上面にはスイッチ6が露出している。スイッチ6は、霧化器2の動作のON/OFFを電気的に切り替える切替部材である。
【0026】
ケース4の側方には吹出口8が形成されている。吹出口8は、霧化された液体を吹き出すための開口である。
【0027】
ケース4は、第1ケース部4Aと、第2ケース部4Bとを備える。
図1では、第1ケース部4Aと第2ケース部4Bが互いにネジ止めされている。
【0028】
霧化器2から第1ケース部4Aを取り外した状態を
図2に示す。
図2に示すように、霧化器2は、第1圧電ポンプ10と、第2圧電ポンプ12と、第1流路14と、第2流路16と、第3流路18と、バイパス流路20と、タンク21と、制御基板22とを備える。これらの部材はケース4の内部に収容されている。
【0029】
第1圧電ポンプ10および第2圧電ポンプ12はそれぞれ、圧電素子を用いた圧電ポンプである(「マイクロブロア」、「マイクロポンプ」等と称してもよい。)。具体的には、圧電素子(図示せず)を金属板(図示せず)に貼り合わせた構造を有し、圧電素子および金属板に交流電力を供給することにより、ユニモルフモードの屈曲変形を生じさせて気体の輸送を行う。このような圧電ポンプには、気体の流れを一方向に制限するバルブ機能のダイヤフラム(図示せず)が内蔵されている。
【0030】
第1圧電ポンプ10は、吐出口10Aを有する。吐出口10AからA1方向に気体が吹き出される。同様に、第2圧電ポンプ12は吐出口12Aを有し、吐出口12AからB1方向に気体が吹き出される。実施形態1のA1方向およびB1方向は互いに平行な水平方向である。
【0031】
第1圧電ポンプ10には第1流路14が接続されている。第1流路14は、第1圧電ポンプ10から吹き出される気体の流路である。第1流路14は、入口である第1端14Aと、出口である第2端14Bとを有する。第1端14Aは、第1圧電ポンプ10の吐出口10Aに接続されており、第2端14Bは、吹出口8に面している。実施形態1の第1流路14は、第1端14Aから第2端14Bまで一直線状に延びる。第1流路14が延びるA2方向および吹出口8から気体が吹き出されるA3方向はともに、A1方向に一致する。このような構成によれば、第1圧電ポンプ10の吐出口10Aから吹き出される気体は一直線状に進み、第2端14Bを介して吹出口8から吹き出される。
【0032】
第2端14Bの近傍において、第1流路14には第2流路16が接続されている。第2流路16は、タンク21の液体を第1流路14に供給可能に延びる流路である。第2流路16は、入口である第1端16Aと、出口である第2端16B(
図3)とを有する。第1端16Aは、タンク21に接続されており、第2端16Bは、第1流路14に接続されている。第2流路16が第1流路14に接続される箇所は接続ポイント24である。接続ポイント24は、気体と液体が混合される混合ポイントに相当する。
【0033】
接続ポイント24の拡大図を
図3に示す。
図3に示すように、第2流路16は、第1流路14に対して略直交して交差するように接続されている。第2流路16の先端25は、第1流路14の内部において第1流路14と同心状となるように略90度に折れ曲がっている。第2流路16の第2端16Bは、第1流路14の第2端14Bに面している。このようなノズル形状(いわゆるイジェクタ)によれば、第2流路16から供給される液体が第1流路14の中心を流れ(矢印D1)、その周囲を第1圧電ポンプ10から吹き出される気体が流れる(矢印A2)。これにより、第1圧電ポンプ10から吹き出す気体の流速・流量を、第2流路16から供給される液体の流量等に応じて所望の範囲に設定することで、接続ポイント24での霧化を実現させることができる。
【0034】
図2に戻ると、第2圧電ポンプ12には第3流路18が接続されている。第3流路18は、第2圧電ポンプ12から吹き出される気体をタンク21まで通す流路である。第3流路18は、入口である第1端18Aと、出口である第2端18Bとを有する。第1端18Aは、第2圧電ポンプ12の吐出口12Aに接続されており、第2端18Bは、タンク21の内部空間で液体の充填されていない場所に配置される。第3流路18は、第2圧電ポンプ12の吐出口12Aからタンク21の内部空間まで接続される。第3流路18は、B1方向と同じ方向であるB2方向に延びてから斜め上方に湾曲し、B3方向に延びる。
【0035】
タンク21は、液体を貯留する液体貯留部である。タンク21の内部構造を、
図4を併せて参照しながら説明する。
図4は、タンク21とその周辺を示す図である。
【0036】
図4に示すように、タンク21には、液面Hまで液体が充填されている。第2流路16の第1端16Aは液面Hの下方に位置し、第3流路18の第2端18Bは液面Hの上方に位置する。
【0037】
このような構成によれば、第3流路18から吹き出される気体は、第2端18Bからタンク21の内部に吹き出される。これによりタンク21の内部圧力が増加し、液面Hを押し下げる力が作用する。タンク21の液体は、第2流路16の第1端16Aから接続ポイント24に向かって押され、第2流路16を上昇する(矢印D)。
【0038】
このように、第3流路18の第2端18Bは、第3流路18から吹き出される気体がタンク21の液体を第2流路16の第1端16Aに向けて押し出す位置に設けられる。
【0039】
図2に戻ると、第1流路14と第3流路18の間にはバイパス流路20が設けられている。バイパス流路20は、第1流路14と第3流路18の間で気体の交換を可能とする流路である。バイパス流路20は、接続ポイント26にて第1流路14に接続され、接続ポイント28にて第3流路18に接続される。接続ポイント26、28はともに、前述した接続ポイント24の上流側に設けられている。接続ポイント26は特に、第1流路14における第1端14Aと接続ポイント24の間に位置する。
【0040】
実施形態1のバイパス流路20は、第3流路18の気体を第1流路14へ案内するように機能する(矢印C)。すなわち、バイパス流路20の入口(第1端)は接続ポイント28であり、バイパス流路20の出口(第2端)は接続ポイント26となる。このような流れを作るために、第3流路18に流路抵抗30が設けられている。
【0041】
流路抵抗30の周辺の拡大図を
図5に示す。
図5に示すように、実施形態1の流路抵抗30は、第3流路18の内部に部分的に侵入するように突出した部材でありバルブとして機能する。流路抵抗30が第3流路18の内部に突出することにより、第3流路18の断面積は局所的に狭められて狭窄部60が形成され、流路抵抗として機能する。流路抵抗30は、第3流路18の内部に侵入せず、第3流路18に対して外部から圧力をかけて変形させることにより第3流路18に狭窄部60を作るものであってもよい。狭窄部60を設けることで、第3流路18の流路抵抗を増加させてバイパス流路20および第1流路14への流れを促進することができる。流路抵抗30の形態はバルブに限らず、オリフィスなど、流路抵抗として作用するものであれば任意の形態であってもよい。また、第3流路18が狭窄するように変形できれば、バルブではなく単なる筒状体を流路抵抗として用いてもよい。
【0042】
図2に示す接続ポイント28の下流側に流路抵抗30を設けることで、第3流路18からバイパス流路20を介して第1流路14へ流れる気体の流れを促進することができ、第1流路14を流れる気体の流量を増加させることができる。これにより、接続ポイント24での霧化を促進することができる。
【0043】
第3流路18の残りの気体は、タンク21に向かって流れる。
【0044】
制御基板22は、圧電ポンプを駆動するための部材である。実施形態1の制御基板22は第2圧電ポンプ12を駆動する。一方で、第1圧電ポンプ10には別の制御基板が割り当てられている(図示せず)。
【0045】
制御基板22は、スイッチ6と第2圧電ポンプ12の両方に電気的に接続されている。スイッチ6をユーザが押下すると、スイッチ6から制御基板22へ信号が流れる。この信号を受けて、制御基板22から第2圧電ポンプ12に駆動電圧が印加され、第2圧電ポンプ12が駆動される。同様に、図示しない制御基板から第1圧電ポンプ10に駆動電圧が印加され、第1圧電ポンプ10が駆動される。スイッチ6の押下により、第1圧電ポンプ10と第2圧電ポンプ12が同時に駆動される。圧電ポンプ10、12の駆動電圧は例えば、20kHz〜40kHzに設定される。実施形態1では、第1圧電ポンプ10と第2圧電ポンプ12に同じ仕様・出力の圧電ポンプを使用している。
【0046】
図1に示すように、実施形態1のケース4は、上述した霧化器2の構成要素を全て収容しているが、スイッチ6等、一部の構成要素はケース4の外部に露出している。
【0047】
上述した構成を有する霧化器2の動作について説明する。まず、ユーザがスイッチ6を押下する。これにより、第1圧電ポンプ10と第2圧電ポンプ12が駆動される。第1圧電ポンプ10からA1方向に気体が吹き出され、同時に、第2圧電ポンプ12からB1方向に気体が吹き出される。実施形態1では第1圧電ポンプ10と第2圧電ポンプ12の出力が同じであり、各圧電ポンプ10、12の吐出口10A、12Aから吹き出される気体の流量・流速は同じである。
【0048】
前述したように第
3流路18に流路抵抗30を設けているため、第3流路18からバイパス流路20を介して第1流路14へ気体が流れる(矢印C)。これにより、第1流路14を流れる気体の流量が増加し、第3流路18を流れる気体の流量が減少する。
【0049】
第1流路14を流れる気体は接続ポイント24へ供給される(矢印A2)。第1圧電ポンプ10から吹き出される気体は第1流路14内を一直線状に進み、接続ポイント24へ到達する。一直線状に進むことにより、第1圧電ポンプ10から吹き出される気体の流速をできるだけ減速させずに、維持することができる。
【0050】
一方で、第3流路18を流れる気体はタンク21へ送られる(矢印B2、B3)。タンク21へ気体が送られることにより、タンク21の液体を押し下げる圧力が作用し、タンク21の液体が第2流路16の第1端16Aを介して接続ポイント24へ送られる(矢印D)。
【0051】
その後、接続ポイント24で気体と液体が混合される。
図3に示すように、第1流路14の第2端14Bに向かって第2流路16の先端25から液体が流れ(矢印D1)、その周囲を気体が流れる(矢印A2)。接続ポイント24へ送られる気体と液体の流量・流速はそれぞれ、霧化の条件を満たす値に予め設定されている。これにより、接続ポイント24で液体を確実に霧化することができる。霧化された液体は、第1流路14の第2端14Bを介して吹出口8から吹き出される。
【0052】
上述したように、実施形態1の霧化器2によれば、駆動源として圧電ポンプ10、12を用いて霧化を実現している。圧電ポンプ10、12を用いた場合、駆動周波数等の出力条件を予め設定しておくことで、接続ポイント24に供給される気体の流量・流速を調節することができる。このため、接続ポイント24に供給される気体の流量・流速を液体の流量等に応じた適切な範囲に設定することにより、霧化を精度良く実現することができる。これにより、従来のコンプレッサ式のポンプでベンチュリー効果を利用して霧化する場合と比べて、液体を霧化させるための液体と気体との混合比の最適化およびベンチュリー効果を発現させるための気体の流速の最適化との両立のための設計難易度が低い。このようにして霧化を容易に実現することができ、霧化の制御を容易に行うことができる。また、霧化を実現できる範囲で気体の流量・流速を変更すれば、霧化される液体の粒子径を調整することができる。また圧電ポンプ10、12は、圧電素子を高速で振動させて気体を吹き出すため、脈動の発生を抑制することができ、静音性に優れている。また、圧電ポンプ10、12の駆動周期を一定に保つことで、霧化した液体を一定量、継続的に吹き出すことができる。また圧電ポンプ10、12は、コンプレッサ式のポンプよりもサイズを小さくすることができ、霧化器2の小型化を図ることもできる。
【0053】
上記の通り、実施形態1の霧化器2は、第1圧電ポンプ10と、第1流路14と、タンク21と、第2流路16とを備える。第1圧電ポンプ10は、吐出口10Aから気体を吹き出すポンプである。第1流路14は、第1圧電ポンプ10の吐出口10Aに接続された第1端14Aと、第2端14Bとを有する流路であって、第1端14Aと第2端14Bの間に接続ポイント24を設けている。タンク21は、液体を貯留する液体貯留部である。第2流路16は、タンク21に接続された第1端16Aと、接続ポイント24に接続された第2端16Bとを有する流路である。
【0054】
このように、第1圧電ポンプ10を駆動源として気体を吹き出すことで、駆動周波数等の出力条件を予め設定することで、吹き出す気体の流量等を設定することができる。これにより、他の種類のポンプに比べて、液体を霧化させるための液体と気体との混合比の最適化およびベンチュリー効果を発現させるための気体の流速の最適化との両立のための設計難易度が低く、霧化の制御をより簡単に行うことができる。
【0055】
さらに実施形態1の霧化器2は、第2圧電ポンプ12と、第3流路18とをさらに備える。第2圧電ポンプ12は、吐出口12Aから気体を吹き出すポンプである。第3流路18は、第2圧電ポンプ12の吐出口12Aに接続された第1端18Aと、タンク21に接続された第2端18Bとを有する流路である。このような構成により、気体だけでなく液体の駆動源として圧電ポンプを用いることで、接続ポイント24へ送る液体の流量等の設定が容易になり、霧化の制御をより簡単に行うことができる。
【0056】
さらに実施形態1の霧化器2は、第1流路14における第1端14Aと接続ポイント24の間の箇所と第3流路18とを接続するバイパス流路20をさらに備える。バイパス流路20を設けることで、第1流路14と第3流路18の間で気体の交換を行うことが可能となり、各流路14、18の間の流量調整を行うことができる。
【0057】
さらに実施形態1の霧化器2は、第3流路18において、バイパス流路20が接続される位置である接続ポイント28よりも第2端18B側(すなわち下流側)に流路抵抗30を備える。流路抵抗30を設けることで、バイパス流路20において第3流路18から第1流路14に向かう気体の流れを促進することができ、第1流路14を流れる気体の流量を増加させることができる。これにより、接続ポイント24での霧化を促進することができる。
【0058】
さらに実施形態1の霧化器2によれば、第1流路14は、第1端14Aから第2端14Bまで一直線状に延びる。これにより、第1圧電ポンプ10から吹き出される気体は第1流路14の中を一直線状に進み、第2端14Bから吹き出される。第1圧電ポンプ10から吹き出される気体の流速をできるだけ維持することができ、接続ポイント24での霧化を促進することができる。
【0059】
さらに実施形態1の霧化器2はケース4をさらに備える。このようなケース4を設けることで、持ち運び等の面でユーザの利便性を向上させることができる。
【0060】
さらに実施形態1の霧化器2によれば、液体を貯留する液体貯留部として、ケース4に収容されるタンク21を用いている。タンク21を用いることで、液体の容量を所定量確保することができる。
【0061】
さらに実施形態1の霧化器2によれば、第2流路16は、第1流路14に交差するように第1流路14に接続され、その先端25が第1流路14内で折れ曲がり、第1流路14の第2端14Bに向かって第1流路14と同心状に延びる。このような構成によれば、簡単なノズル構造により霧化を実現することができる。
【0062】
以上、上述の実施形態1を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態1に限定されない。例えば、実施形態1では、バイパス流路20を設ける場合について説明したが、このような場合に限らず、バイパス流路20を設けない場合でもよい。すなわち、第1圧電ポンプ10に対応する第1流路14と、第2圧電ポンプ12に対応する第3流路18を独立させるようにしてもよい。この場合、接続ポイント24へ供給される「気体」の流量・流速は第1圧電ポンプ10の出力によって制御され、接続ポイント24へ供給される「液体」の流量・流速は第2圧電ポンプ12の出力によって制御することができる。すなわち、気体と液体の流量・流速を独立して制御することができ、霧化の制御を容易に行うことができる。
【0063】
また実施形態1では、2つの圧電ポンプ10、12を用いる場合について説明したが、このような場合に限らず、圧電ポンプを1つのみ用いてもよい。例えば、実施形態1の霧化器2において第2圧電ポンプ12を省略し、第1圧電ポンプ10のみを設けるようにしてもよい。このとき、タンク21の液体を接続ポイント24へ流すために、第1流路14からタンク21へ分岐する分岐流路を設けてもよい。分岐流路の例を
図6に示す。
【0064】
図6は、圧電ポンプが第1圧電ポンプ10のみであり、分岐流路32を設けた変形例の模式図である。
図6に示すように、第1流路14における接続ポイント24と第1端14Aとの間の箇所(すなわち接続ポイント24よりも上流側)とタンク21とを接続する分岐流路32が設けられている。分岐流路32は、入口である第1端32Aと、である第2端32Bとを有する。第1端32Aは、接続ポイント24よりも上流側で第1流路14に接続されており、第2端32Bは、タンク21に接続されている。分岐流路32の第2端32Bは、分岐流路32から吹き出される気体がタンク21の液体を第2流路16の第1端16Aに向かって押し出す位置に設けられる。このような分岐流路32を設けることで、気体と液体の両方の流れの駆動源として第1圧電ポンプ10を利用することができ、霧化器2の製造コストの低減および小型化を図ることができる。
【0065】
図6に示す形態ではさらに、分岐流路32に液体の逆流を防止する逆流防止機構34が設けられている。分岐流路32に逆流防止機構34を設けることで、タンク21の液体が誤って分岐流路32を逆流することを防止することができ、霧化器2の信頼性を向上させることができる。逆流防止機構34としては、液体を通過させずに気体を通過させるフィルタ等、任意の機構を用いてもよい。
【0066】
同様に、
図2等に示す第3流路18に液体の逆流を防止する逆流防止機構(図示せず)を設けてもよい。第3流路18に逆流防止機構を設けることで、タンク21の液体が誤って第3流路18を逆流し第2圧電ポンプ12へ到達することを防止することができる。これにより、霧化器2の信頼性を向上させることができる。また実施形態1では、第3流路18の第2端18Bが液面Hよりも上方に位置するように設定していたが、例えば第3流路18の第1端18Aに逆流防止機構を設ければ、第2端18Bと液面Hの上下関係が逆転した場合でも正常に動作することができる。この場合、より柔軟な設計が可能となる。
【0067】
図6に示す形態に関してさらに、分岐流路32および逆流防止機構34を省略してもよい。その例を
図7に示す。
図7に示す例では、分岐流路32は設けられておらず、第1圧電ポンプ10はタンク21の液体を押し出す機能を有しない。タンク21の液体は、圧電ポンプ以外の手段により接続ポイント24へ供給される。圧電ポンプ以外の手段としては、例えば、ベンチュリー効果により液体を引き込む、あるいは、第2流路16の第1端16Aを第2端16Bよりも上方に配置することにより重力を利用して液体を供給する場合等がある。このような構成であっても、接続ポイント24において第1圧電ポンプ10から吹き出した気体とタンク21の液体を混合させて霧化させることができる。
【0068】
また実施形態1では、液体を貯留する液体貯留部がタンク21である場合について説明したが、このような場合に限らず、ケース4の内部に形成された流路を液体貯留部として利用するなど、任意の形態であってもよい。
【0069】
また実施形態1では、第3流路18の流路抵抗を増加させるための手段として流路抵抗30を設ける場合について説明したが、このような場合に限らない。第3流路18の流路抵抗を増加させるものであれば、任意の手段を用いてもよい。例えば、第3流路18の流路断面積を第1流路14の流路断面積およびバイパス流路20の流路断面積よりも小さくしてもよい。これにより、第3流路18の抵抗を増加させてバイパス流路20および第1流路14への流れを促進することができる。あるいは、
図8に示すように、第3流路18に逆流防止弁40を設けてもよい。逆流防止弁40は、第3流路18において第2端18Bに向かう流れF1の流路抵抗を増加させるように作用する。このため、バイパス流路20および第1流路14への流れを促進することができる。逆流防止弁40はさらに、流れF1とは逆向きの流れF2を防止するように作用する。これにより、タンク21から第3流路18へ流体が逆流することを防止することができる。あるいは、
図9に示すように、第3流路18にメッシュ部材50を設けてもよい。メッシュ部材50は、気体を透過させつつ流体を透過させないメッシュ状の部材である。メッシュ部材50を設けることで、第3流路18における流れF1の抵抗を増加させつつ、タンク21から逆流する流体の流れF2を防止することができる。
【0070】
上述した変形例は、以下で説明する実施形態2にも同様に適用可能である。
【0071】
(実施形態2)
本発明に係る実施形態2の霧化器102について説明する。実施形態2では、主に実施形態1と異なる点について説明し、実施形態1と重複する記載は省略する。また、実施形態1と同様の構成については、同じ符号を用いて適宜説明を省略する。
【0072】
図10は、実施形態2の霧化器102の内部構造を示す斜視図である。
図11は、実施形態2の霧化器102における接続ポイントの拡大図である。実施形態2の霧化器102は主に、第1流路および第2流路の第2端側の形状が、実施形態1の霧化器2のものと異なる。
【0073】
図10に示すように、第1流路114は、第1端114Aおよび第2端114Bを有する。第1端114Aは、第1圧電ポンプ10の吐出口10Aに接続されており、第2端114Bは、吹出口8に面している。
【0074】
図11に示すように、第1流路114は、上流側から順に、第1拡径流路118と、縮径流路120と、第2拡径流路122とを有する。縮径流路120は、第1拡径流路118と第2拡径流路122のそれぞれに対して内径が小さくされた流路である。縮径流路120は第1拡径流路118と第2拡径流路122の間に接続されている。第2拡径流路122の末端は、第1流路114の第2端114Bに相当する。
【0075】
第2流路116は、第1端116A(
図10)および第2端116B(
図11)を有する。第1端116Aは、タンク21の内部空間に接続されており、第2端116Bは、第1流路114の途中に接続されている。第2流路116の第2端116Bは、第2流路116が第1流路114に接続される接続ポイント123に相当する。
【0076】
第2流路116は、上流側から順に、拡径流路124と、縮径流路126とを有する。縮径流路126は、拡径流路124に対して内径が小さくされた流路である。縮径流路126の末端は第2流路116の第2端116Bに相当するとともに、接続ポイント123を構成する。
【0077】
このような構成を有する霧化器102によれば、第1圧電ポンプ10と第2圧電ポンプ12を同時に駆動することで、
図10に示すように、実施形態1の霧化器2と同様の流れが生じる(矢印A1、A2、A3、B1、B2、B3、C、D)。
【0078】
図11に示すように、接続ポイント123に対して、第1流路114から気体が流れ(矢印E1)、第2流路116から液体が流れ(矢印F)、気体と液体が混合される。接続ポイント123に送られる気体と液体の流量・流速はそれぞれ、霧化の条件を満たす値に予め設定されており、接続ポイント123で混合された気体と液体は第2拡径
流路122において霧化される(矢印E2)。霧化された液体は、第1流路114の第2端114Bを介して吹出口8から吹き出される(矢印A3)。
【0079】
上述した通り、実施形態2の霧化器102でも同様に、接続ポイント123においてベンチュリー効果を発現させて霧化することができる。具体的な構成として、第1流路114は、第1圧電ポンプ10の吐出口10Aに接続された第1端114Aと、第2端114Bとを有する流路であって、第1端114Aと第2端114Bの間に接続ポイント123を設けている。また、第2流路116は、タンク21に接続された第1端116Aと、接続ポイント123に接続された第2端116Bとを有する流路である。
【0080】
このような構成によれば、第1圧電ポンプ10を駆動源として気体を吹き出すことで、駆動周波数等の出力条件を予め設定することで、吹き出す気体の流量等を設定することができる。これにより、他の種類のポンプに比べて、液体を霧化させるための液体と気体との混合比の最適化およびベンチュリー効果を発現させるための気体の流速の最適化との両立のための設計難易度が低く、霧化の制御をより簡単に行うことができる。
【0081】
また、実施形態2の霧化器102によれば、第1流路114と第2流路116のそれぞれに縮径流路120、126を設けることで、各流路を流れる気体および液体の圧力および流速を一時的に高めることができ、ベンチュリー効果の発現を促すことができる。
【0082】
<圧電ポンプとモータポンプの比較>
上述した実施形態1、2の霧化器2、102は、圧電ポンプ10、12を動力源として霧化させるものであり、従来のモータポンプ(ダイヤフラムポンプ)を動力源とする霧化器と比較して、以下の点で優れている。
【0083】
具体的には、モータポンプを用いた霧化器では、振動周波数が低いために大きな脈動が生じ、霧化される液体の粒径にバラつきが生じる。また脈動の周期によっては、霧化に必要な流量が確保できずに霧化できなくなる期間が生じるため、霧化効率が低くなる。これに対して、圧電ポンプを用いた霧化器では、脈動を実質的に無視できるほどに振動周波数が高く、霧化される液体の粒径の均一化、および霧化効率の向上を両立することができる。この点に関して、以下、
図12〜
図18を用いて説明する。
【0084】
図12は、圧電ポンプを用いた霧化器(実施例)と、モータポンプを用いた霧化器(比較例)をそれぞれ所定条件で運転した場合の脈動に関する結果を示すグラフである。
図12では、横軸に脈動の周期を表し(単位:なし)、縦軸に気体流量を表す(単位:L/min)。気体流量は、各ポンプの駆動によって霧化器内を流れる気体の流量である。
【0085】
図12に示すように、比較例の霧化器では、脈動の1周期において、気体流量が大きく変動する。具体的には、最小流量を0L/分、最大流量を約2L/分として、正弦的な周期変動を行う。これに対して、実施例の霧化器では、1周期における気体流量はほぼ変化せず、平均流量である約1L/分が維持される。
【0086】
図13は、本実施形態における気体流量と霧化量の関係を表すグラフである。横軸に気体流量を表し(単位:L/分)、縦軸に霧化量を表す(単位:mL/分)。霧化量は、気体と液体が混合されて霧化したものの流量である。
図13に示すように、気体流量が約1L/分未満では霧化量は0であるのに対し、気体流量が約1L/分以上になると、気体流量の全量が霧化量となる。すなわち、本実施形態においては霧化させるための条件として、気体流量が約1L/分以上という条件がある。
【0087】
図12に示すように、比較例の霧化器では、0〜0.5周期において気体流量が約1L/分以上で推移するものの、0.5〜1周期では気体流量が約1L/分未満で推移する。
図13で示した関係に照らせば、比較例の霧化器では0〜0.5周期では霧化できるものの、0.5〜1周期では霧化できなくなる。その結果について、
図14に示す。
図14では、横軸に脈動の周期を表し(単位:なし)、縦軸に霧化量を表す(単位:mL/分)。
図14に示すように、0〜0.5周期では気体流量に応じた霧化量が得られるものの、0.5〜1周期では霧化量が0となる。
【0088】
一方で、実施例の霧化器では、
図12に示すように0〜1周期の間で気体流量が1L/分に維持されているため、霧化に必要な流量を継続的に確保することができ、霧化状態を維持することができる。その結果について、
図15に示す。
図15では、横軸に脈動の周期を表し(単位:なし)、縦軸に霧化量を表す(単位:mL/分)。
図15に示すように、0〜1周期にかけて、約1
mL/分という霧化量を継続的に得ることができる。
【0089】
図14、
図15に示すグラフにおいて、霧化量を表す線で囲まれる面積は、脈動の1周期における霧化の総流量を表す。それぞれの総流量を計算すると、
図16に示す通りとなる。
図16では、縦軸に、脈動の1周期における霧化の総流量の比率を表す。
図16に示す結果によれば、比較例の霧化器と実施例の霧化器を比較すると、霧化の総流量の割合は概ね、0.8:1となる。
【0090】
図16に示す結果からも明らかなように、実施例の霧化器の方が霧化できる総流量が多く、比較例の霧化器に比べて高い霧化効率を実現できることがわかる。
【0091】
次に、流量と粒子径の関係を
図17に示す。
図17では、横軸に気体流量を表し(単位:L/分)、縦軸に、横軸の流量のときに霧化される液体の平均的な粒子径を表す(単位:μm)。
【0092】
図17に示すように、気体流量が大きくなるほど、霧化される液体の平均粒子径は小さくなる。
【0093】
図17に示す流量と粒子径の関係を、
図12に示した脈動の1周期における気体流量の変動の結果に照らすと、
図18に示すような結果となる。
図18では、横軸に霧化される液体の粒子径を表し(単位:μm)、縦軸に粒子径に基づく存在比率(単位:%)を表す。
【0094】
図18に示すように、比較例の霧化器では、脈動の1周期において気体流量が大きく変動することにより、粒子径にも大きなバラつきが生じている。一方で、実施例の霧化器では、脈動の1周期において気体流量がほぼ一定に維持されているため、粒子径のバラつきも少なくなっている。
【0095】
図18に示す結果からも明らかなように、実施例の霧化器の方が霧化される液体の粒子径のバラつきが少なく、比較例の霧化器に比べて粒子径をより均一化できることがわかる。
【0096】
上述した通り、
図12〜
図18に示す結果によれば、圧電ポンプ10、12を駆動源とする実施形態1、2の霧化器2、102では、モータポンプを駆動源とする従来の霧化器と比較して、霧化される液体の粒径の均一化と霧化効率の向上を両立して実現することができる。
【0097】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。