(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁基材の積層体、当該積層体の内部に設けられた、互いに対向する第3キャパシタ電極及び第4キャパシタ電極、前記積層体の外面に設けられた、第1外部電極及び第2外部電極を備え、
前記第3キャパシタ電極又は前記第4キャパシタ電極は、前記第1外部電極又は前記第2外部電極に接続され、
前記第2外部電極は前記積層体の側面に沿って形成され、
前記第2外部電極は、前記絶縁基材の層方向の幅が互いに異なる第1部分及び第2部分を有し、前記第2部分の前記幅は前記第1部分の前記幅よりも広く、
前記第2部分は、前記第3キャパシタ電極に対向し、前記第2部分と前記第3キャパシタ電極との近接により、前記第2外部電極と前記第3キャパシタ電極との間に付加キャパシタンスが構成される、
回路素子。
絶縁基材の積層体、当該積層体の外面に設けられた、第1外部電極、第2外部電極及びグランド電極、前記積層体の内部に設けられた互いに対向する第7キャパシタ電極及び第8キャパシタ電極、前記積層体の内部に設けられた第3コイル導体及び第4コイル導体を備え、
前記第3コイル導体により構成される第3コイルと、前記第4コイル導体により構成される第4コイルとは前記第1外部電極と前記第2外部電極との間に直列接続され、
前記第8キャパシタ電極は前記グランド電極に接続され、前記第7キャパシタ電極は前記第1外部電極に接続され、
前記グランド電極は前記積層体の側面に沿って形成され、
前記グランド電極は、前記絶縁基材の層方向の幅が互いに異なる第1部分及び第2部分を有し、前記第2部分の前記幅は前記第1部分の前記幅よりも広く、
前記第2部分は、前記第7キャパシタ電極に対向し、前記第2部分と前記第7キャパシタ電極との近接により、前記第7キャパシタ電極と前記グランド電極との間に付加キャパシタンスが構成される、
回路素子。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明又は理解の容易性を考慮して、実施形態を説明の便宜上、複数の実施形態に分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせは可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0013】
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係る回路素子101Aの斜視図である。この回路素子101Aは、複数の絶縁基材が積層された、直方体形状の積層体1を備える。積層体1の外面には第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1が形成されている。なお、この例では空き端子電極NCを備える。この空き端子電極NCは、後に示す第1コイル導体L11,L12,L13,L14などの積層体1内の各回路要素に直接接続されず、主に表面実装用の電極として設けられる端子電極である。
図1においては、積層体1の各辺に平行な軸をX,Y,Z軸として座標軸を表している。
【0014】
第2外部電極EE2は、絶縁基材の層方向の幅(X−Y面に沿った方向の幅)(
図1に示す例ではX軸に対する平行方向の幅)が互いに異なる第1部分FP1,FP2及び第2部分SPを有する。この第2部分SPの幅は第1部分FP1,FP2の幅よりも広い。第2部分SPは後に示す第1コイル導体の一部の側部と対向する。
【0015】
図2は、Y−Z面に平行で、且つ回路素子101Aの中央を通る面での断面図である。ただし、Y軸方向に比べてZ軸方向(積層方向)の拡大率を高めて図示している。積層体の内部には第1コイル導体L11,L12,L13,L14及び第2コイル導体L21,L22,L23,L24が形成されている。また、積層体1の内部には第1キャパシタ電極C11,C12及び第2キャパシタ電極C21,C22が形成されている。
【0016】
図3は回路素子101Aの各絶縁基材に形成されている導体パターンを示す分解平面図である。絶縁基材S1は最上層の絶縁基材であり、絶縁基材S17は最下層の絶縁基材である。絶縁基材S2〜S16はその間にある絶縁基材である。絶縁基材S1の上面及び絶縁基材S17の下面には、第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、グランド電極EG1及び空き端子電極NCのそれぞれの一部が形成されている。
図1に表れているように、積層体1の四側面にも第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、グランド電極EG1及び空き端子電極NCのそれぞれの一部が形成されている。
【0017】
絶縁基材S3,S4,S5,S6には第1コイル導体L11,L12,L13,L14がそれぞれ形成されている。また、絶縁基材S7,S8,S9,S10には第2コイル導体L21,L22,L23,L24がそれぞれ形成されている。
図3において破線はビア導体による接続位置を示している。なお、回路用の導体パターンが形成されていない絶縁基材S11,S16はそれぞれ複数層存在するが、
図3においてはそれぞれ1枚だけ表している。
【0018】
第1コイル導体L11の第1端は第1外部電極EE1に接続されている。絶縁基材S3には、第1コイル導体L11の第2端と第1コイル導体L12の第1端とを接続するビア導体が形成されている。絶縁基材S4には、第1コイル導体L12の第2端と第1コイル導体L13の第1端とを接続するビア導体が形成されている。また、絶縁基材S5には、第1コイル導体L13の第2端と第1コイル導体L14の第1端とを接続するビア導体が形成されている。第1コイル導体L14の第2端はグランド電極EG1に接続されている。上記第1コイル導体L11,L12,L13,L14及びビア導体によって第1コイルL1が構成されている。
【0019】
第2コイル導体L21の第1端はグランド電極EG1に接続されている。絶縁基材S7には、第2コイル導体L21の第2端と第2コイル導体L22の第1端とを接続するビア導体が形成されている。絶縁基材S8には、第2コイル導体L22の第2端と第2コイル導体L23の第1端とを接続するビア導体が形成されている。また、絶縁基材S9には、第2コイル導体L23の第2端と第2コイル導体L24の第1端とを接続するビア導体が形成されている。第2コイル導体L24の第2端は第2外部電極EE2に接続されている。上記第2コイル導体L21,L22,L23,L24及びビア導体によって第2コイルL2が構成されている。
【0020】
絶縁基材S12,S14には、第2キャパシタ電極C21,C22がそれぞれ形成されている。また、絶縁基材S13,S15には、第1キャパシタ電極C11,C12がそれぞれ形成されている。上記第1キャパシタ電極C11,C12と第2キャパシタ電極C21,C22とによってキャパシタが構成されている。
【0021】
絶縁基材S3には、
図1に示した第2部分SPに導通する拡幅電極EE2Pが形成されている。拡幅電極EE2PのX軸に対する平行方向の幅は第2部分SPの幅と同じである。このように、拡幅電極EE2P及び第2部分SPと、第1コイル導体(特に第1コイル導体L11,L12等)と、は広い幅で対向するので、その間に所定の容量の付加キャパシタンスが形成される。
図2において、この付加キャパシタンスCaを破線で表している。
【0022】
このようにして形成された付加キャパシタンスが、
図4に示すポートP1とポートP2との間に形成されるキャパシタCの容量を所定の付加キャパシタンスCaだけ増大させる。このことで、ポートP1とポートP2との間に所望キャパシタンスのキャパシタを設けることができる。
【0023】
なお、複数層に亘って形成されている第1コイル導体L11〜L14のうち、第2部分SPは積層体における絶縁基材の積層方向の高さの1/2以内の範囲に設けられていることが好ましい。このように幅広の第2部分SPの領域を制限することで、対向するコイル導体との間に生じる不要なキャパシタンスが抑制され、意図しない部位にキャパシタが形成されるようなことを抑止できる。例えば、
図2において、第1コイル導体L11〜L14のうちのグランド電極寄りのコイル導体L13,L14と第2外部電極EE2との間に不要な付加キャパシタンスCaが生じることがない。
【0024】
図4は回路素子101Aの回路図である。回路素子101Aは、上記第1コイル導体L11,L12,L13,L14によって構成される第1コイルL1、上記第2コイル導体L21,L22,L23,L24によって構成される第2コイルL2、上記第1キャパシタ電極C11,C12と第2キャパシタ電極C21,C22とによって構成されるキャパシタCを備える。ポートP1は上記第1外部電極EE1に相当し、ポートP2は上記第2外部電極EE2に相当する。また、グランドGNDは上記グランド電極EG1に相当する。
【0025】
第1コイルL1の第1端は第1ポートP1に接続され、第2端はグランドGNDに接続される。第2コイルL2の第1端は第2ポートP2に接続され、第2端はグランドGNDに接続される。キャパシタCは第1ポートP1と第2ポートP2との間に接続される。
【0026】
Z軸に平行方向に視て、上記第1コイル導体L11,L12,L13,L14のコイル開口と上記第2コイル導体L21,L22,L23,L24のコイル開口とは重なるので(巻回軸が揃っているので)、第1コイルL1と第2コイルL2とは磁界結合する。
【0027】
上記付加キャパシタンスCaは第2ポートP2と第1コイルL1との間に生じる。本実施形態では、
図2に表れているように、第1コイルL1のうち第2外部電極EE2との接続位置に近い位置にある第1コイル導体L11,L12と拡幅電極EE2Pとの間に付加キャパシタンスCaが生じる。そのため、この付加キャパシタンスCaはキャパシタCに並列接続されることになり、キャパシタCのキャパシタンスが付加キャパシタンスCa分だけ増加することになる。
【0028】
図5は回路素子101Aの移相量の周波数特性を示す図である。
図4に示した回路は、L−C−Lのπ型回路の移相器として作用する。
図5において横軸は周波数、縦軸は移相量であり、特性曲線CC1は本実施形態の回路素子101Aの特性、特性曲線CC0は付加キャパシタンスCaが無い、比較例としての回路素子の特性である。比較例では、2.4GHzで必要な90°の移相量が得られないが、本実施形態の回路素子101Aによれば、2.4GHzで移相量90°の特性が得られる。
【0029】
図6は通信端末装置内における移相器としての回路素子101Aの使用形態を示す回路図である。この例では、2つの入出力端子Po1,Po2と、2つの入出力端子Po1,Po2間をつなぐ信号線路と、この信号線路とグランドとの間のシャント接続経路に、回路素子101Aと、LC並列共振回路との直列回路を備える。LC並列共振回路はインダクタL10とキャパシタC10との並列回路である。このLC並列共振回路の共振周波数は2.4GHzである。
【0030】
この例では、回路素子101Aの移相量は2.4GHzのときに90°となるように定めている。この回路素子101Aと、共振周波数2.4GHzのLC並列共振回路との直列回路を信号線路とグランドとの間にシャント接続することにより、信号線路からシャント接続経路をみたインピーダンスは、2.4GHzでショートにみえる。つまり、このシャント接続回路は2.4GHzのトラップフィルタとして作用する。
【0031】
このようなトラップフィルタは、例えば、信号線路に接続された増幅器によって発生される2.4GHzのノイズ成分を選択的に抑制することができる。
【0032】
このようなトラップフィルタとして利用する場合においても、
図1に示すような外部電極を用いることで、第2ポートP2と第1コイルL1との間に付加キャパシタンスCaを形成して、キャパシタCのキャパシタンスを付加キャパシタンスCa分だけ増大させることができる。
【0033】
図7は、
図1に示した例とは異なる、第1の実施形態に係る回路素子101Bの斜視図である。この回路素子101Bは、複数の絶縁基材が積層された、直方体形状の積層体1を備える。積層体1の外面の側面の角部に第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
【0034】
第2外部電極EE2は、絶縁基材の層方向の幅(
図7に示す例では、X軸に対する平行方向の幅及びY軸に対する平行方向の幅)が互いに異なる第1部分FP1,FP2及び第2部分SPを有する。この第2部分SPの幅は第1部分FP1,FP2の幅よりも広い。第2部分SPは後に示す第1コイル導体の一部の角部と対向する。
【0035】
図8は回路素子101Bの各絶縁基材に形成されている導体パターンを示す分解平面図である。絶縁基材S1は最上層の絶縁基材であり、絶縁基材S17は最下層の絶縁基材である。絶縁基材S2〜S16はその間にある絶縁基材である。絶縁基材S1の上面及び絶縁基材S17の下面には、第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
図7に表れているように、積層体1の側面にも第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
【0036】
絶縁基材S3には、
図7に示した第2部分SPに導通する拡幅電極EE2Pが形成されている。拡幅電極EE2PのX軸に対する平行方向の幅及びY軸に対する平行方向の幅は第2部分SPのそれぞれの幅と同じである。このように、拡幅電極EE2P及び第2部分SPと、第1コイル導体(特に第1コイル導体L11,L12等)と、は広い幅で対向するので、その間に所定の容量の付加キャパシタンスが形成される。
【0037】
第1の実施形態では、拡幅電極EE2P及び第2部分SPは、第1コイル導体L11,L12と対向する位置に形成されていて、キャパシタ電極C11,C12,C21,C22と対向する位置や、第2コイル導体L21,L22,L23,L24と対向する位置には形成されていない。このことにより、不要な寄生容量が抑制される。
【0038】
以上に示した例では、一つの外部電極に第1部分FP1,FP2及び第2部分SPを設けたが、複数の外部電極について、絶縁基材の層方向の幅が互いに異なる第1部分及び第2部分を形成することで付加キャパシタンスを形成してもよい。また、外部電極の外形線は、
図1、
図7に示した直交3軸の座標におけるX,Y,Zの軸に平行な線で構成されるものに限らない。例えば、上記外形線に、上記3軸から傾斜する部分を有していてもよい。また、丸みや曲線を有していてもよい。外部電極の形状については種々のバリエーションが考えられる。これらのことは第1実施形態に限らず、以降に示す他の実施形態についても同様である。
【0039】
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、LCフィルタとして用いられる回路素子の例について示す。
【0040】
図9は第2の実施形態に係る回路素子102Aの斜視図である。この回路素子102Aは、複数の絶縁基材が積層された、直方体形状の積層体1を備える。積層体1の外面には第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
【0041】
第2外部電極EE2は、絶縁基材の層方向の幅(
図9に示す例ではY軸に対する平行方向の幅)が互いに異なる第1部分FP1,FP2及び第2部分SPを有する。この第2部分SPの幅は第1部分FP1,FP2の幅よりも広い。第2部分SPは後に示すキャパシタ電極の一部の側部と対向する。
【0042】
図10は、X−Z面に平行で、且つ回路素子102Aの中央を通る面での断面図である。積層体の内部には、キャパシタ電極CA31,CA40,CA32、及びキャパシタ電極CB61,CB50,CB62が形成されている。また、積層体1の内部には、第3コイル導体L31,L32,L33、及び第4コイル導体L41,L42,L43が形成されている。
【0043】
図11は回路素子102Aの各絶縁基材に形成されている導体パターンを示す分解平面図である。絶縁基材S1は最上層の絶縁基材であり、絶縁基材S13は最下層の絶縁基材である。絶縁基材S2〜S12はその間にある絶縁基材である。絶縁基材S1の上面及び絶縁基材S13の下面には、第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
図9に表れているように、積層体1の四側面にも第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
【0044】
絶縁基材S3,S5には第3キャパシタ電極CA31,CA32がそれぞれ形成されていて、絶縁基材S4には第4キャパシタ電極CA40が形成されている。また、絶縁基材S9,S11には第6キャパシタ電極CB61,CB62が形成されていて、絶縁基材S10には第5キャパシタ電極CB50が成されている。第3キャパシタ電極CA31,CA32は第1外部電極EE1に接続されていて、第4キャパシタ電極CA40は第2外部電極EE2に接続されている。
【0045】
絶縁基材S6,S7,S8には第3コイル導体L31,L32,L33がそれぞれ形成されている。また、同じく絶縁基材S6,S7,S8には第4コイル導体L41,L42,L43がそれぞれ形成されている。第3コイル導体L31の第1端は、ビア導体及びビア導体形成位置の導体パターンを介してキャパシタ電極CB50に接続されている。絶縁基材S6には、第3コイル導体L31の第2端と第3コイル導体L32の第1端とを接続するビア導体が形成されている。絶縁基材S7には、第3コイル導体L32の第2端と第3コイル導体L33の第1端とを接続するビア導体が形成されている。第3コイル導体L33の第2端は第1外部電極EE1に接続されている。上記第3コイル導体L31,L32,L33及びビア導体によって第3コイルL3が構成されている。同様に、上記第4コイル導体L41,L42,L43及びビア導体によって第4コイルL4が構成されている。
【0046】
絶縁基材S3,S5には、
図9に示した第2部分SPに導通する拡幅電極EE2Pが形成されている。拡幅電極EE2PのY軸に対する平行方向の幅は第2部分SPの幅と同じである。このように、拡幅電極EE2P及び第2部分SPと、第3キャパシタ電極CA31,CA32と、は広い幅で対向するので、その間に所定の容量の付加キャパシタンスが形成される。
図10において、この付加キャパシタンスCaを破線で表している。
【0047】
図12は回路素子102Aの回路図である。回路素子102Aは、上記第3コイル導体L31,L32,L33によって構成される第3コイルL3、上記第4コイル導体L41,L42,L43によって構成される第4コイルL4を備える。また、回路素子102Aは、上記第3キャパシタ電極CA31,CA32と第4キャパシタ電極CA40とによって構成されるキャパシタCA、上記第5キャパシタ電極CB50と第6キャパシタ電極CB61,CB62とによって構成されるキャパシタCBを備える。ポートP1は上記第1外部電極EE1に相当し、ポートP2は上記第2外部電極EE2に相当する。また、グランドGNDは上記グランド電極EG1,EG2に相当する。
【0048】
上記付加キャパシタンスCaは第2ポートP2と第3キャパシタ電極CA31,CA32との間に生じる。そのため、この付加キャパシタンスCaはキャパシタCAに並列接続されることになり、キャパシタCAのキャパシタンスが付加キャパシタンスCa分だけ増加することになる。
【0049】
図13は回路素子102Aの通過振幅の周波数特性を示す図である。
図12に示した回路は、ローパスフィルタとして作用する。
図13において横軸は周波数、縦軸は通過振幅であり、特性曲線CC1は本実施形態の回路素子102Aの特性、特性曲線CC0は付加キャパシタンスCaが無い、比較例としての回路素子の特性である。比較例では、1.78GHzで必要な通過振幅が約−20dBであるが、本実施形態の回路素子102Aによれば、1.78GHzでの通過振幅は−36dB以下である。
【0050】
このように、第3コイルL3と第4コイルL4との直列回路に並列接続されるキャパシタCAのキャパシタンスを所定値に定めることによって、LC並列共振周波数を所定周波数に定めることができ、そのことによって、通過域から遮断域への減衰を急峻にできる。
【0051】
図14は、
図9に示した例とは異なる、第2の実施形態に係る回路素子102Bの斜視図である。この回路素子102Bは、複数の絶縁基材が積層された、直方体形状の積層体1を備える。積層体1の外面の側面の角部に第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
【0052】
第2外部電極EE2は、絶縁基材の層方向の幅(
図14に示す例では、X軸に対する平行方向の幅)が互いに異なる第1部分FP1,FP2及び第2部分SPを有する。この第2部分SPの幅は第1部分FP1,FP2の幅よりも広い。第2部分SPは後に示すキャパシタ電極の一部と対向する。
【0053】
図15は回路素子102Bの各絶縁基材に形成されている導体パターンを示す分解平面図である。絶縁基材S1は最上層の絶縁基材であり、絶縁基材S13は最下層の絶縁基材である。絶縁基材S2〜S12はその間にある絶縁基材である。絶縁基材S1の上面及び絶縁基材S13の下面には、第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
図14に表れているように、積層体1の側面にも第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
【0054】
絶縁基材S3には、
図14に示した第2部分SPに導通する拡幅電極EE2Pが形成されている。拡幅電極EE2PのX軸に対する平行方向の幅は第2部分SPの幅と同じである。このように、拡幅電極EE2P及び第2部分SPと、第3キャパシタ電極CA31,CA32と、は広い幅で対向するので、その間に所定の容量の付加キャパシタンスが形成される。
【0055】
第2の実施形態では、拡幅電極EE2P及び第2部分SPはキャパシタ電極と対向する位置に形成されていて、第3コイル導体L31,L32,L33及び第4コイル導体L41,L42,L43と対向する位置には形成されていない。このことにより、不要な寄生容量が抑制される。
【0056】
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、付加キャパシタンスがシャント接続されるLCフィルタの例について示す。
【0057】
図16は第3の実施形態に係る回路素子103Aの斜視図である。この回路素子103Aは、複数の絶縁基材が積層された、直方体形状の積層体1を備える。積層体1の外面には第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
【0058】
グランド電極
EG1は、絶縁基材の層方向の幅(
図16に示す例ではX軸に対する平行方向の幅)が互いに異なる第1部分FP1,FP2及び第2部分SPを有する。この第2部分SPの幅は第1部分FP1,FP2の幅よりも広い。第2部分SPは後に示すキャパシタ電極の一部の側部と対向する。
【0059】
図17は、Y−Z面に平行で、且つ回路素子103Aの、後に示す第7キャパシタ電極CB71を通る面(後に示す
図18中の一点鎖線)での断面図である。積層体の内部には、キャパシタ電極CA61,CA50,CA62、及びキャパシタ電極CB81,CB90,CB82が形成されている。
【0060】
図18は回路素子103Aの各絶縁基材に形成されている導体パターンを示す分解平面図である。絶縁基材S1は最上層の絶縁基材であり、絶縁基材S13は最下層の絶縁基材である。絶縁基材S2〜S12はその間にある絶縁基材である。絶縁基材S1の上面及び絶縁基材S13の下面には、第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
図16に表れているように、積層体1の四側面にも第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
【0061】
絶縁基材S3,S5にはキャパシタ電極CA61,CA62がそれぞれ形成されていて、絶縁基材S4にはキャパシタ電極CA50が形成されている。キャパシタ電極CA61,CA62は第2外部電極EE2に接続されていて、キャパシタ電極CA50は第1外部電極EE1に接続されている。
【0062】
また、絶縁基材S9,S11にはキャパシタ電極CB81,CB82形成されていて、絶縁基材S10にはキャパシタ電極CB90,CB71,CB72が形成されている。キャパシタ電極CB81,CB82はいずれもグランド電極EG1,EG2に接続されている。
【0063】
絶縁基材S6,S7,S8には第3コイル導体L31,L32,L33がそれぞれ形成されている。また、同じく絶縁基材S6,S7,S8には第4コイル導体L41,L42,L43がそれぞれ形成されている。第3コイル導体L31の第1端は、ビア導体及びビア導体形成位置の導体パターンを介してキャパシタ電極CB90に接続されている。絶縁基材S6には、第3コイル導体L31の第2端と第3コイル導体L32の第1端とを接続するビア導体が形成されている。絶縁基材S7には、第3コイル導体L32の第2端と第3コイル導体L33の第1端とを接続するビア導体が形成されている。第3コイル導体L33の第2端は第1外部電極EE1に接続されている。上記第3コイル導体L31,L32,L33及びビア導体によって第3コイルL3が構成されている。同様に、上記第4コイル導体L41,L42,L43及びビア導体によって第4コイルL4が構成されている。
【0064】
絶縁基材S10には、
図16に示した第2部分SPに導通する拡幅電極EG1Pが形成されている。拡幅電極EG1PのX軸に対する平行方向の幅は第2部分SPの幅と同じである。このように、拡幅電極EG1P及び第2部分SPと、キャパシタ電極CB71,CB72と、は広い幅で対向するので、その間に所定の容量の付加キャパシタンスが形成される。
【0065】
図19は回路素子103Aの回路図である。回路素子103Aは、上記第3コイル導体L31,L32,L33によって構成される第3コイルL3、上記第4コイル導体L41,L42,L43によって構成される第4コイルL4を備える。また、回路素子103Aは、上記第8キャパシタ電極CB81,CB82とキャパシタ電極CB90とによって構成されるキャパシタCB0、第8キャパシタ電極CB81,CB82と第7キャパシタ電極CB71,CB72とによって構成されるキャパシタCB1,CB2、上記第5キャパシタ電極CA50と第6キャパシタ電極CA61,CA62とによって構成されるキャパシタCAを備える。ポートP1は上記第1外部電極EE1に相当し、ポートP2は上記第2外部電極EE2に相当する。また、グランドGNDは上記グランド電極EG1,EG2に相当する。
【0066】
上記付加キャパシタンスCa1は第1ポートP1とグランドとの間に生じ、付加キャパシタンスCa2は第2ポートP2とグランドとの間に生じる。そのため、この付加キャパシタンスCa1,Ca2はキャパシタCB1,CB2にそれぞれ並列接続されることになり、キャパシタCB1,CB2のキャパシタンスが付加キャパシタンスCa1,Ca2分だけそれぞれ増加することになる。
【0067】
図20は回路素子103Aの通過振幅の周波数特性を示す図である。
図19に示した回路はローパスフィルタとして作用する。
図20において横軸は周波数、縦軸は通過振幅であり、特性曲線CC1は本実施形態の回路素子103Aの特性、特性曲線CC0は付加キャパシタンスCa1,Ca2が無い、比較例としての回路素子の特性である。比較例に比べて、本実施形態の回路素子103Aでは、1.78GHz付近での通過振幅が低下している。
【0068】
図21は、
図16に示した例とは異なる、第3の実施形態に係る回路素子103Bの斜視図である。この回路素子103Bは、複数の絶縁基材が積層された、直方体形状の積層体1を備える。積層体1の外面の側面の角部に第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
【0069】
グランド電極EG1,EG2は、絶縁基材の層方向の幅(
図21に示す例では、X軸に対する平行方向の幅)が互いに異なる第1部分FP1,FP2及び第2部分SPを有する。この第2部分SPの幅は第1部分FP1,FP2の幅よりも広い。第2部分SPは後に示すキャパシタ電極の一部と対向する。
【0070】
図22は回路素子103Bの各絶縁基材に形成されている導体パターンを示す分解平面図である。絶縁基材S1は最上層の絶縁基材であり、絶縁基材S13は最下層の絶縁基材である。絶縁基材S2〜S12はその間にある絶縁基材である。絶縁基材S1の上面及び絶縁基材S13の下面には、第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
図21に表れているように、積層体1の側面にも第1外部電極EE1、第2外部電極EE2、及びグランド電極EG1,EG2が形成されている。
【0071】
絶縁基材S10には、
図21に示した第2部分SPに導通する拡幅電極EG1P,EG2Pが形成されている。各絶縁基材S1〜S13に形成されているその他の導体パターンは
図18に示した例と基本的には同じである。
【0072】
このように外部電極及びグランド電極が積層体1の外面の側面の角部に形成される構造においても同様に適用できる。
【0073】
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、各導体パターン及び積層体の製造方法の例について示す。ここでは、絶縁基材にスクリーン印刷法によって導電ペースト及び絶縁ペーストの塗布を繰り返し、それら絶縁基材を積層することによって積層体を形成する。
図23は次に示す製造方向により製造された回路素子の概略断面図である。
【0074】
具体的には、回路素子は以下に示すようにして作られる。
【0075】
(1)まず、絶縁ペーストのスクリーン印刷による塗布を繰り返すことで絶縁層を形成する。
【0076】
(2)次に、感光性導電ペーストをスクリーン印刷により塗布し、紫外線を照射し、アルカリ溶液で現像することによって導電ペースト層のパターンを形成する。
【0077】
(3)感光性絶縁ペースト層をスクリーン診察により塗布し、感光性絶縁層を形成し、紫外線を照射し、アルカリ溶液で現像する。これにより外部電極用の開口及びビアホールを形成する。
【0078】
(4)外部電極導体層を外部電極用の開口内に形成し、ビア導体をビアホール内に形成し、導体パターンを面上に形成する。
【0079】
上記(2)〜(4)の工程を繰り返すことでマザー積層体を得る。
【0080】
上記工程の繰り返しによって、回路素子の各端子は、複数の積層された端子用導体パターンで構成されるため、全ての絶縁性基材が端子用導体パターンを備えることになる。
【0081】
導体パターンの形成方法はこれに限らず、例えば、導体パターン形状に開口したスクリーン版による導体ペーストを印刷し積層する工法でもよい。また、外部電極の形成方法もこれに限らず、例えば、積層した素体に対する導体ペーストのディッピングやスパッタリング法によって、端子電極を形成してもよく、その表面にめっき加工を施してもよい。
【0082】
《第5の実施形態》
第5の実施形態では、これまでに示した例とは異なる、付加キャパシタンスの適用例について幾つかの例を示す。
【0083】
図24は第5の実施形態に係る回路素子の回路図である。この回路素子は、第1コイル導体によって構成される第1コイルL1、第2コイル導体によって構成される第2コイルL2を備える。さらに、第2外部電極と第1コイル導体との間に生じる付加キャパシタンスCaを備える。
【0084】
付加キャパシタンスCaは第2ポートP2と第1コイルL1との間に生じる。本実施形態では、
図4に示したキャパシタCを付加キャパシタンスCaだけで賄う。また、この例では、第1コイルL1と第2コイルL2とは特に磁界結合はしない。
【0086】
図25(A)に示す回路素子は、第1コイル導体によって構成される第1コイルL1、所定の導体パターンによって構成されるインピーダンス素子Z1,Z2を備える。ポートP1は第1外部電極に相当し、ポートP2は第2外部電極に相当する。また、グランドGNDはグランド電極に相当する。この回路素子は、第2外部電極と第1コイル導体との間に生じる付加キャパシタンスCaを備える。インピーダンス素子Z1,Z2はインダクタ、キャパシタ等である。
【0087】
図25(B)に示す回路素子は、
図25(A)におけるインピーダンス素子Z1がオープンの場合である。
図25(C)に示す回路素子は、
図25(A)におけるインピーダンス素子Z2がオープンの場合である。また、
図25(D)に示す回路素子は、
図25(A)におけるインピーダンス素子Z1,Z2が共にオープンの場合である。
【0088】
図26(A)、
図26(B)は、第5の実施形態に係る回路素子の他の回路図である。
図26(A)、
図26(B)に示すいずれの回路素子も、第1コイル導体によって構成される第1コイルL1、所定の導体パターンによって構成されるインピーダンス素子Z1,Z2を備える。インピーダンス素子Z1,Z2はインダクタ、キャパシタ等である。
【0089】
ポートP1は第1外部電極に相当し、ポートP2は第2外部電極に相当する。また、グランドGNDはグランド電極に相当する。
図26(A)、
図26(B)に示すいずれの回路素子も、第1コイルL1はポートP1−ポートP2間の信号ラインにシリーズに接続されている。そして、第2外部電極と第1コイル導体との間に生じる付加キャパシタンスCaを備える。
【0090】
このように、信号ラインにシリーズに接続される第1コイルに付加キャパシタンスが接続される回路にも適用できる。
【0091】
図27は第5の実施形態に係る回路素子の他の回路図である。この回路素子は、第1コイル導体によって構成される第1コイルL1、第2コイル導体によって構成される第2コイルL2、第1キャパシタ電極と第2キャパシタ電極とによって構成されるキャパシタCを備える。ポートP1は第1外部電極に相当し、ポートP2は第2外部電極に相当する。また、グランドGNDはグランド電極に相当する。付加キャパシタンスCa1は、第2外部端子と第1コイル導体との間に生じるキャパシタンスであり、付加キャパシタンスCa2は、上記第1キャパシタ電極と第2外部端子との間に生じるキャパシタンスである。
【0092】
上記付加キャパシタンスCa2は、
図2、
図3に示した第2外部電極EE2の、キャパシタ電極C11,C12との対向位置に拡幅部を形成することで設けることができる。
【0093】
このように、複数の付加キャパシタンスを設けてもよい。
【0094】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形及び変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
【0095】
例えば、以上に示した各実施形態では、キャパシタ用導体パターン、第1コイル用導体パターン及び第2コイル用導体パターンを備えて、移相器やフィルタとして作用する回路素子を示したが、LCを含むインピーダンス整合回路等において、それらが単一の部品として構成される場合に、コイルとキャパシタとが単一の積層体内に形成されたLC複合部品についても同様に適用できる。
【0096】
また、以上に示した各実施形態では、積層体の外面にグランド電極が形成された回路素子について示したが、本発明は、積層体の外面にグランド電極が形成されない回路素子についても同様に適用できる。
【0097】
《態様》
以上に示した本発明の各実施形態により開示した代表的な態様を最後に列挙する。
【0098】
(1)絶縁基材の積層体1、当該積層体1の内部に設けられた第1コイル導体L11〜L14、積層体1の外面に設けられた、第1外部電極EE1及び第2外部電極EE2を備え、第1コイル導体L11〜L14は絶縁基材の積層方向に巻回軸を有し、第1コイル導体L11〜L14は、第1外部電極EE1又は第2外部電極EE2に接続され、第2外部電極EE2は積層体1の側面に沿って形成され、第2外部電極EE2と第1コイル導体L11〜L14との近接により、第2外部電極EE2と第1コイル導体L11〜L14との間に付加キャパシタンスCaが構成される(第1の実施形態等)。
【0099】
上記構成により、絶縁基材の層数を増すことなく、また、キャパシタ電極形成用領域を絶縁基材に確保することなく、付加キャパシタンスを形成することで所望のキャパシタンス容量に微調整することができるため、高周波回路の高密度化に適する小型の回路素子が得られる。
【0100】
(2)積層体1の外面に設けられたグランド電極EG1、及び積層体1の内部に設けられた第2コイル導体L21〜L24を備え、第1コイル導体L11〜L14により構成される第1コイルL1の第1端は第1外部電極EE1に接続され、第1コイルL1の第2端はグランド電極EG1に接続され、第2コイル導体L21〜L24により構成される第2コイルL2の第1端は第2外部電極EE2に接続され、第2コイルL2の第2端はグランド電極EG1に接続される(第1の実施形態等)。この構成により、
図4等に示したように、互いに磁界結合する二つのコイルを備える回路に適用できる。
【0101】
(3)積層体1の内部に設けられ、互いに対向する第1キャパシタ電極C11,C12及び第2キャパシタ電極C21,C22を備え、第1キャパシタ電極C11,C12は第1外部電極EE1に接続され、第2キャパシタ電極C21,C22は第2外部電極EE2に接続される(第1の実施形態等)。この構成により、
図4等に示したように、第1外部電極EE1と第2外部電極EE2との間に接続されるキャパシタのキャパシタンスを付加キャパシタンスによって増加させることができる。
【0102】
(4)第2外部電極EE2は、絶縁基材の層方向の幅が互いに異なる第1部分FP1,FP2及び第2部分SPを有し、第2部分SPの幅は第1部分FP1,FP2の幅よりも広く、第1コイル導体L11〜L14の少なくとも一部と第2部分SPとは積層体1における絶縁基材の積層方向の同じ高さに位置する(第1の実施形態等)。この構成により、第2外部電極EE2と第1コイル導体の所定の部位との間に付加キャパシタンスを容易に構成できる。
【0103】
(5)第1コイル導体L11〜L14は複数層に亘って形成されていて、第2部分SPは積層体1における絶縁基材の積層方向の高さの1/2以内の範囲に設けられている(第1の実施形態等)。この構成により、第2外部電極EE2と第1コイル導体との間に生じる不要なキャパシタンスを抑制できる。
【0104】
(6)絶縁基材の積層体1、当該積層体1の内部に設けられた、互いに対向する第3キャパシタ電極CA31,CA32及び第4キャパシタ電極CA40、積層体1の外面に設けられた、第1外部電極EE1及び第2外部電極EE2を備え、第3キャパシタ電極CA31,CA32又は第4キャパシタ電極CA40は、第1外部電極EE1、第2外部電極EE2又はグランド電極EG1,EG2に接続され、第2外部電極EE2は積層体1の側面に沿って形成され、第2外部電極EE2と第3キャパシタ電極CA31,CA32との近接により、第2外部電極EE2と第3キャパシタ電極CA31,CA32との間に付加キャパシタンスCaが構成され、第2外部電極EE2は、絶縁基材S1〜S17の層方向の幅が互いに異なる第1部分FP1,FP2及び第2部分SPを有し、第2部分SPの幅は第1部分FP1,FP2の幅よりも広い(第2の実施形態等)。
【0105】
上記構成により、絶縁基材の層数を増すことなく、また、キャパシタ電極形成用領域を絶縁基材に確保することなく、付加キャパシタンスを構成できるので、高周波回路の高密度化に適する小型の回路素子が得られる。
【0106】
(7)第3キャパシタ電極CA31,CA32の少なくとも一部と第2部分SPとは積層体1における絶縁基材の積層方向の同じ高さに位置する(第2の実施形態等)。この構成により、第2外部電極EE2と第3キャパシタ電極CA31,CA32の所定の部位との間に付加キャパシタンスが容易に構成できる。
【0107】
(8)積層体1の内部に設けられ、第1外部電極EE1と第2外部電極EE2との間に直列接続された第3コイル導体L31〜L33及び第4コイル導体L41〜L43を備え、積層体1の内部に設けられ、第3コイル導体L31〜L33により構成される第3コイルL3と第4コイル導体L41〜L43により構成される第4コイルL4との接続部に導通する第5キャパシタ電極CB50と、当該第5キャパシタ電極CB50に対向しグランド電極に導通する第6キャパシタ電極CB61,CB62とを備える(第2の実施形態等)。この構成により、
図12に示したように、LCローパスフィルタとして作用する回路素子が得られる。
【0108】
(9)絶縁基材の積層体1、当該積層体1の外面に設けられた、第1外部電極EE1、第2外部電極EE2及びグランド電極EG1,EG2、積層体1の内部に設けられた互いに対向する第7キャパシタ電極CB71及び第8キャパシタ電極CB81,CB82、積層体の1内部に設けられた第3コイル導体L31〜L33及び第4コイル導体L41〜L43を備え、第3コイル導体L31〜L33により構成される第3コイルL3と、第4コイル導体L41〜L43により構成される第4コイルL4とは第1外部電極EE1と第2外部電極EE2との間に直列接続され、第8キャパシタ電極CB81,CB82はグランド電極EG1,EG2に接続され、第7キャパシタ電極CB71は第1外部電極EE1に接続され、グランド電極EG1は積層体1の側面に沿って形成され、グランド電極EG1と第7キャパシタ電極CB71との近接により、第7キャパシタ電極CB71とグランド電極EG1との間に付加キャパシタンスCa1が構成される。なお、第3の実施形態では、第7キャパシタ電極CB72とグランド電極EG1との間にも付加キャパシタンスCa2が構成され、
グランド電極
EG1は、絶縁基材S1〜S17の層方向の幅が互いに異なる第1部分FP1.FP2及び第2部分SPを有し、第2部分SPの幅は第1部分FP1.FP2の幅よりも広い(第3の実施形態等)。この構成により、LCフィルタ回路の前段または後段にシャント接続のキャパシタを設けることができる。
【0109】
(10)グランド電極EG1,EG2は、絶縁基材の層方向の幅が互いに異なる第1部分FP1,FP2及び第2部分SPを有し、第2部分SPの幅は第1部分FP1,FP2の前記幅よりも広く、第7キャパシタ電極CB71(,CB72)の少なくとも一部と第2部分SPとは積層体1における絶縁基材の積層方向の同じ高さに位置する(第3の実施形態等)。この構成により、グランド電極EG1と第7キャパシタ電極CB71(,CB72)との間に付加キャパシタンスが容易に構成できる。
【0110】
(11)第1部分FP1は、実装先である回路基板への積層体の実装面からの高さが低い位置に形成されていて、第2部分SPは、実装先である回路基板への積層体の実装面からの高さが高い位置に形成されている(第1、第2の実施形態等)。この構成により、この回路素子をリフローはんだ法などにより回路基板に実装する際、第2部分へのはんだの不要な付着(はんだフィレットの濡れ上がり)が抑制される。
【0111】
(12)第2部分SPは第1部分FP1の両側部より絶縁基材の層方向に突出している。この構成により、第1部分FP1の片方の側部から層方向に突出する形状に比べて、突出部の突端と隣接電極との間隔が狭くなりすぎることがなく、不要な寄生容量やはんだブリッジが抑制される。
【0112】
(13)積層体1は直方体形状であり、第2外部電極EE2は、積層体1の外面のうち、積層体1を挟む位置に形成されている電極とは、積層体1の中心に対して非対称形である。この構成により、第2外部電極EE2が方向識別マークを兼ねることができ、専用の方向識別マークの形成が不要となって、低コスト化できる。