特許第6984810号(P6984810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984810
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】排水口メッシュ部材
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/264 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   E03C1/264
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-196638(P2017-196638)
(22)【出願日】2017年10月10日
(65)【公開番号】特開2019-70267(P2019-70267A)
(43)【公開日】2019年5月9日
【審査請求日】2020年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 敏
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−119153(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3034960(JP,U)
【文献】 特開2015−101852(JP,A)
【文献】 特開2008−082114(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2004−0086229(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/264
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に向けて開口する排水流出口に取り付けられ、一方向から見て湾曲することで前記排水流出口の開口面積よりも面積が大きく設定されたメッシュ部を備え、
前記メッシュ部は水平方向に向けて形成され、前記メッシュ部の上側には、上方から流下する排水を前記メッシュ部の正面とは異なる方向へ流すリブが設けられている、
排水口メッシュ部材。
【請求項2】
前記メッシュ部は、設置状態で鉛直方向から見て水平方向に湾曲している、請求項1に記載の排水口メッシュ部材。
【請求項3】
前記メッシュ部は、排水方向上流側に向けて凸状に湾曲している、請求項1または請求項2に記載の排水口メッシュ部材。
【請求項4】
前記メッシュ部の孔は、複数の辺からなる多角形状とされ、一方の辺と他方の辺とで成す角度が鈍角に設定されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の排水口メッシュ部材。
【請求項5】
前記一方の辺と前記他方の辺とで形成される角部は湾曲している、請求項4に記載の排水口メッシュ部材。
【請求項6】
前記排水流出口に取り付けられる筒部を備え、前記筒部の排水方向上流側の端縁にメッシュ部が設けられ、前記メッシュ部により前記端縁の開口が覆われている、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の排水口メッシュ部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンク等の排水口部材に取り付けられる排水口メッシュ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチのシンクの底部には、シンクに流された排水を排水管へ排出するための凹状の排水口部材が設けられている。排水口部材として、側面に排水管に繋がる開口が設けられている排水口部材(例えば、特許文献1参照)が知られている。
排水口部材には、上部の開口部分を覆うようにゴミ受け用の捕集部材を取り付けているが、排水口部材の側面の開口に、捕集部材で除去できなかった異物を除去する平らなメッシュ部材を取り付ける場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−101871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、排水口部材の下流側の排水管として、サイホン排水管を用いる場合がある。サイホン排水管は、サイホン力が発生するまでにタイムラグがあり、サイホン力が発生していない初期段階では、サイホン力が発生した場合に比較して単位時間当たりの排水量が少ない。
排水口部材の側面の開口に平らなメッシュ部材を取り付けた場合、メッシュ部材が排水の流れの抵抗となり、大量の排水を一度にシンクに流した場合、サイホン排水管にサイホン力が発生するまでの間、排水口部材から排水が溢れる場合がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、排水口部材から排水が溢れることを抑制可能な排水口メッシュ部材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の排水口メッシュ部材は、水平方向に向けて開口する排水流出口に取り付けられ、一方向から見て湾曲することで前記排水流出口の開口面積よりも面積が大きく設定されたメッシュ部を備え、前記メッシュ部は水平方向に向けて形成され、前記メッシュ部の上側には、上方から流下する排水を前記メッシュ部の正面とは異なる方向へ流すリブが設けられている
【0007】
請求項1に記載の排水口メッシュ部材では、排水が通過するメッシュ部が一方向から見て湾曲しており、これによってメッシュ部の面積が、排水流出口の開口面積よりも大きくなっている。このため、メッシュ部が湾曲していない場合に比較して、迅速に排水を通過させることができ、排水口部材から排水が溢れることを抑制することが可能となる。
排水口メッシュ部材は、排水口部材の水平方向に向けて開口する排水流出口に取り付けられる。一例として、シンクに排水が流されると、該排水は、シンクの底部、及び排水口部材の側面を伝わって排水口部材の底部に向けて流れ、排水口部材の底部に到った排水が排水流出口を介して排水口部材の外部へと排出される。
排水口メッシュ部材には、メッシュ部の上側に、上方から流下する排水をメッシュ部の正面とは異なる方向へ流すリブが設けられている。このため、多量の排水がシンクに流された場合、排水口部材の側面を伝わって流下する排水が流出口を塞がないように、リブがメッシュ部の正面とは異なる方向へ分散させる。これにより、排水口部材の底部の排水をスムーズに排水流出口に流入させて排水口部材の外部へ排出させることができる。
これにより、例えば、溜め流し排水をしたときのように、一度に多量の排水をシンクに流した場合であっても、排水口部材から排水が溢れ出ることを抑制することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排水口メッシュ部材において、前記メッシュ部は、設置状態で鉛直方向から見て水平方向に湾曲している。
【0009】
請求項2に記載の排水口メッシュ部材では、メッシュ部が設置状態で鉛直方向から見て水平方向に湾曲しているため、鉛直方向に湾曲している場合に比較して、メッシュ部の表面を清掃し易い。なお、メッシュ部が鉛直方向に湾曲していると、下側が狭くなり、例えば、柄付きブラシのブラシ(清掃毛束)が届かない部分がでてきて清掃し難くなる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の排水口メッシュ部材において、前記メッシュ部は、排水方向上流側に向けて凸状に湾曲している。
【0011】
請求項3に記載の排水口メッシュ部材では、メッシュ部が、排水方向上流側に向けて凸状に湾曲している。言い換えれば、メッシュ部が、排水の流入側に向けて凸状に湾曲している。このため、メッシュ部が、排水方向上流側に向けて凹状に湾曲している場合に比較して、清掃がし易い。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の排水口メッシュ部材において、前記メッシュ部の孔は、複数の辺からなる多角形状とされ、一方の辺と他方の辺とで成す角度が鈍角に設定されている。
【0016】
請求項4に記載の排水口メッシュ部材では、メッシュ部の孔が、複数の辺からなる多角形状とされ、一方の辺と他方の辺とで成す角度が鈍角、言い換えれば90度を超える角度に設定されているため、メッシュ部の孔の角部が90度以下の鋭角である場合に比較して、排水中の異物が角部に引っ掛かり難い。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の排水口メッシュ部材において、前記一方の辺と前記他方の辺とで形成される角部は湾曲している。
【0018】
請求項5に記載の排水口メッシュ部材では、メッシュ部の孔の一方の辺と他方の辺とで形成される角部が湾曲しているため、湾曲していない場合に比較して排水中の異物が角部に引っ掛かり難い。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の排水口メッシュ部材において、前記排水流出口に取り付けられる筒部を備え、前記筒部の排水方向上流側の端縁にメッシュ部が設けられ、前記メッシュ部により前記端縁の開口が覆われている。
【0020】
請求項6に記載の排水口メッシュ部材は、筒部を排水流出口に挿入することで、排水口メッシュ部材を排水流出口に取り付けることができる。
また、筒部の排水方向上流側の端縁にメッシュ部が設けられ、メッシュ部により端縁の開口が覆われている、即ち、筒部の内部にメッシュ部が設けられていないので、メッシュ部の表面に付着した異物を簡単に清掃することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明の排水口メッシュ部材によれば、排水口部材から排水が溢れることを抑制できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る排水口メッシュ部材が適用されたサイフォン排水システムを示す概略構成図である。
図2】排水口メッシュ部材が取り付けられた排水口部材を示す縦断面図である。
図3】排水口メッシュ部材を示す正面側を斜め上から見た斜視図である。
図4】排水口メッシュ部材を示す正面図である。
図5】排水口メッシュ部材を示す背面図である。
図6】排水口メッシュ部材を示す右側面図である。
図7】排水口メッシュ部材を示す左側面図である。
図8】排水口メッシュ部材を示す上面図(平面図)である。
図9】排水口メッシュ部材を示す下面図(底面図)である。
図10】排水口メッシュ部材を示す背面側を斜め上から見た斜視図である。
図11】排水口メッシュ部材を示す軸線に沿った水平断面図(図4の11−11線断面図)である。
図12】排出部に挿入された排水口メッシュ部材を示す一部を断面にした右側面図である。
図13】排水の流れを示す排水口部材の排水口メッシュ部材の近傍の縦断面図である。
図14】他の実施形態に係る排水口メッシュ部材の孔を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1図13を用いて、本発明の一実施形態に係る排水口メッシュ部材48をについて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る排水口メッシュ部材48を用いたサイフォン排水システム10の全体構成を示す概略図である。
【0024】
(サイフォン排水システムの構成)
サイフォン排水システム10は、サイフォン力を利用して水廻り器具からの排水を効率よく排出する排水システムである。本実施形態では、サイフォン排水システムを、複数階で構成された集合住宅に用いた例について説明する。なお、サイフォン排水システムは、集合住宅に好適に用いられるが、集合住宅以外の戸建て住宅や工場等にも用いることができる。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係るサイフォン排水システム10は、排水を下方へ流す排水立て管12を備えている。この排水立て管12は、集合住宅の上下方向(縦方向)に延設され、集合住宅の各階の床スラブ14を貫いている。
集合住宅の各階の各戸には、排水がなされる水廻り器具16が設けられている。水廻り器具16は、例えば、台所流し(シンク)で構成されている。なお、水廻り器具16としては、台所流しに限らず、洗面台、洗濯機、ユニットバス及びトイレ等のいずれかで構成されていてもよい。
【0026】
水廻り器具16の底部に形成された排水口17には排水口部材18が取り付けられており、排水口部材18の排水方向下流側には、配管20、汚臭やガス等の逆流を防止するためのS字トラップ22、配管24、及びサイフォン排水管26に接続されている。
【0027】
サイフォン排水管26は、床スラブ14上に無勾配で設置されて横方向に延びる横引き管28と、この横引き管28と連通して排水立て管12に沿って下方へ延びる竪管30と、を有している。
【0028】
なお、横引き管28は、若干の勾配や逆勾配があってもよく、傾斜して横方向に配置される構成であってもよい。竪管30は、排水立て管12に配置された合流継手32に接続されており、合流継手32を介して排水立て管12と連通している。
【0029】
横引き管28は、配管24からの排水を横方向へ流し、竪管30は、横引き管28からの排水を流下させることによりサイフォン力を発生させる。横引き管28内の排水には、竪管30で発生するサイフォン水頭Hsのエネルギーにより、排水方向へ向かうサイフォン力が作用される。
【0030】
また、横引き管28及び竪管30は細くなれば、排水が満水の状態になりサイフォン力が発生しやすい一方、排水処理量が低下する。従って、横引き管28及び竪管30は、サイフォン力の発生のしやすさ及び必要な排水処理量を考慮した上で管の内径が設定され、例えば、20Aにされている。
【0031】
(排水口部材の構成)
図2に示すように、排水口部材18は、円筒部34と、円筒部34の下部を塞ぐ底部36と、円筒部34の上部に形成されるフランジ38と、円筒部34の底部側の側部に形成される管状の排出部40とを備えている。なお、円筒部34の上側の開口部分は、水廻り器具16の排水が流入する流入口35である。本実施形態の排水口部材18の円筒部34は、径寸法よりも高さ寸法が大きく形成されることで、一般の排水口部材よりも深さが深く、かつ容積が大きく形成されている。また、排出部40は、円筒部34よりも小径である。排水口部材18の底部36に排水が溜まらないように、排出部40の内周面の下端と、円筒部34の底部36の上面とは高さが一致していることが好ましい。
【0032】
円筒部34の深さは、175〜225mmの範囲内とすることが好ましい。
円筒部34の容積は、2000〜3000cmとすることが好ましい。
【0033】
排水口部材18のフランジ38と水廻り器具16の底部との間には、パッキン42が挟まれており、円筒部34の外周の一部に形成された雄螺子44に環状のナット46が締め込まれることで排水口部材18が水廻り器具16に取り付けられている。
【0034】
(排水口メッシュ部材の構成)
円筒部34の側面における排出部40の開口部分である排水流出口40Aには、図3図11に示す排水口メッシュ部材48が挿入されている。排水口メッシュ部材48は、排出部40の内部に配置される筒部の一例としての円筒状の筒状本体50を備えている。
【0035】
図8の上面図で示すように、円筒状の筒状本体50は、排水方向下流側(矢印B方向側)の端縁50Aが軸線CLに対して直角に形成されており、排水方向上流側(矢印F方向側)の端縁50Bが、一方向から見て、例えば、設置状態における鉛直方向から見て排水方向上流側へ向けて凸状となるように湾曲形状に形成されている。なお、端縁50Bは、鉛直方向(湾曲する方向とは直交する方向)には真っ直ぐである(図3,6等参照)。
【0036】
図3に示すように、筒状本体50の排水方向上流側(矢印F方向側)の開口部分は、排水方向上流側へ向けて凸状となるように湾曲形状に形成されたメッシュ部52で覆われている。言い換えれば、湾曲形状に形成されたメッシュ部52の外周部分が、筒状本体50の湾曲形状に形成された端縁50Bに一体的に接合されている。本実施形態の排水口メッシュ部材48は、合成樹脂で容易に成形することができる。
【0037】
ここで、メッシュ部52の面積とは、本実施形態では、筒状本体50の裏側から見える部分(図5参照)を、平面状に展開したときの面積(図4の孔54の部分と排水の通過しない部分52Aとを合わせた面積)のことである。
【0038】
本実施形態のメッシュ部52には、複数の孔54が形成されている。図4の正面図で示すように、メッシュ部52の孔54は、複数の辺からなる多角形状とされ、互いに隣接する一方の辺と他方の辺とで成す角度θが鈍角に設定されていることが好ましい。本実施形態の孔54は、外周側に配置される一部(54A)を除き、六角形に形成されている。本実施形態では、これらの孔54が蜂の巣状に六角形が隙間無く配置されている。これにより、排水が通過する部分を最大限広くとることができる。
【0039】
図12に示すように、排水口メッシュ部材48の筒状本体50は、軸方向の中央部を境にして排水方向下流側の一部が排出部40に挿入され、排水方向上流側が排水口部材18の円筒部34の内周面から円筒部34の内部に向けて水平方向に突出している。
【0040】
この筒状本体50において、円筒部34の内側に突出している排水方向上流側の部分で、かつ筒状本体50の軸心よりも上側の部分(斜線で示す部分)50Cが、リブに相当している。リブに相当する部分50Cの円筒部34の内周面からの突出長さLに対して特に規定は無いが、装着時に、円筒部34の内周面から5〜25mm程度突出させることが好ましい。リブに相当する部分50Cはメッシュ部52よりも排水方向下流側に突出している。これにより、メッシュ部52を清掃するときに、上から手を伸ばしてもリブに相当する部分50Cが清掃の邪魔になることがない。
【0041】
(作用、効果)
次に、本実施形態に係る排水口メッシュ部材48の作用を説明する。
本実施形態に係るサイフォン排水システム10では、水周り器具16の排水は、排水口部材18、配管20、S字トラップ22、及び配管24を介してサイフォン排水管26へ流れ込む。排水は、横引き管28内を横方向へ流れ、その後、竪管30を流下し、竪管30におけるサイフォン水頭Hsのポテンシャルエネルギーにより、サイフォン力が発生する。このサイフォン力により、排水が誘導されて排水の排出が促進される。
【0042】
本実施形態の排水口メッシュ部材48は、排水Wが通過するメッシュ部52が湾曲しており、メッシュ部52の面積が、排出部40の排水流出口40Aの開口面積よりも大きくなっているため、メッシュ部52が湾曲していない場合(平坦な場合)に比較して、迅速に排水Wを通過させることができる。これにより、排水口部材18から排水が溢れることを抑制できる。
【0043】
また、本実施形態の排水口メッシュ部材48は、排水口部材18の円筒部34の内側へ向けて突出する部分50Cが、円筒部34の側面に開口する排水流出口40Aの正面側を上側から覆う様に設けられているため、多量の排水Wが水周り器具16に流された場合であっても、排水口部材18の円筒部34の内側面を伝わって流下する排水Wが排出部40の排水流出口40Aを塞がないように、流下する排水Wを図4、及び図13の矢印Aで示すようにリブ60で分散させることができる。言い換えれば、排出部40の排水流出口40Aの正面側において、排出部40の排水流出口40Aに向けて流れ込もうとする排水W(図13の矢印B方向)に対して、円筒部34の内側面を伝わって流下する排水Wが干渉しないように本発明のリブに相当する部分50Cは流下する排水Wの流れの向きを変更している。これにより、排水口部材18の円筒部34の底部の排水Wを、スムーズに排出部40に流入させて排水口部材18の外部へ排出させることができる。
【0044】
これにより、例えば、溜め流し排水をしたときのように、一度に多量の排水を水周り器具16に流した場合であっても、排水口部材18からシンク内へ排水Wが溢れ出ることを抑制することができる。
【0045】
また、排水口部材18の内部に流入した排水Wの水位の上昇を抑えることができるので、図13の矢印Cで示すように、下流側の配管内の空気を、排水口メッシュ部材48の上側を介して排水口部材18の内方へ向けてスムーズに排出させることができる。これにより、排水Wをよりスムーズに排水口部材18の外部へ排出させることができる。
【0046】
排水口メッシュ部材48のメッシュ部52は、排水口部材18の内部に向けて水平方向のみに湾曲して凸状に突出しており、かつ、鉛直方向(湾曲する方向とは直交する方向)には真っ直ぐで、更には、筒状本体50の排水方向上流側の端縁50Bに一体的に設けられている。このため、排水口部材18を上から見た時に、メッシュ部52に影になるところが無い、即ち、上から見た時に異物が隠れるところが無く、メッシュ部52に付着した異物を、排水口メッシュ部材48を取り外すことなく排水口部材18の上側から容易に清掃することができる。
【0047】
メッシュ部52の孔54は、極一部を除き6角形であり、一方の辺と他方の辺とで成す角度が鈍角(一例として120度)に設定されているため、一方の辺と他方の辺とで成す角度が鋭角である場合に比較して、排水中の異物が角部に引っ掛かり難い。また、孔54の形状を6角形にして蜂の巣状に配置することで、孔54と孔54との間の部分、言い換えれば、排水の通過しない部分52A(図4参照)の面積を最小限にすることができ、排水Wの通過抵抗を低減することができる。
【0048】
本実施形態の排水口メッシュ部材48は、排出部40に対して着脱可能とされているので、排水口メッシュ部材48を外して清掃することもできる。なお、排水口メッシュ部材48は、排出部40から取り外せない様に排出部40に図示しない爪、接着剤等で固定してもよく、排水口部材18に一体的に設けてもよい。
【0049】
本実施形態の排水口メッシュ部材48は、取り付け状態で、メッシュ部52が水平方向に湾曲していたが、メッシュ部52が鉛直方向に湾曲するように排出部40に取り付けることもできる。
【0050】
本実施形態の排水口メッシュ部材48は、図6に示すように、メッシュ部52が曲率半径Rとされた円弧形状に湾曲しているが、メッシュ部52は、曲率半径の異なる複数の円弧で形成された湾曲形状であってもよく、複数の直線を連結して湾曲形状に近似させた形状であってもよい。
【0051】
本実施形態の排水口メッシュ部材48では、筒状本体50の側面に孔が形成されていないが、一例として、図13に左上がりの斜線で示す部分(筒状本体50の中心軸よりも下側で、排水口部材18の円筒部34から突出している部分)50Dに、メッシュ部52の孔54と同様の孔を形成してもよい。これにより、排水口メッシュ部材48において、排水Wを通過させる部分を増やすことができ、より迅速に排水を行うことが可能となる。
【0052】
本実施形態の排水口メッシュ部材48は、メッシュ部52が排水方向上流側に向けて凸形状となるように湾曲していたが、メッシュ部52が排水方向上流側に向けて凹形状となるように湾曲していてもよい。
【0053】
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0054】
図14に示すように、孔54の一方の一辺と他方の辺とでなす角部を湾曲(曲率半径r)させてもよい。これにより孔54の角部が湾曲していない場合に比較して排水中の異物が孔54の角部に引っ掛かり難くなる。
【符号の説明】
【0055】
18…排水口部材、35…流入口、40…排出部、40A…排水流出口、48…異物捕捉メッシュ、50…筒部、メッシュ部52、54…孔、50D…部分(リブ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14