(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
分子量が100kDa以上800kDa以下であるプロテオグリカンを含有する経口剤および分子量が100kDa以上800kDa以下であるプロテオグリカンを含有する外用剤を含む発毛促進セットであって、
前記プロテオグリカンの分子量のピークは450kDaであり、
前記プロテオグリカンは、サケ鼻軟骨から酢酸を用いて抽出される、発毛促進セット。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[発毛促進剤]
本発明に係る発毛促進剤は、プロテオグリカンを含有する。プロテオグリカンは、発毛促進、育毛促進、養毛促進、脱毛抑制作用等を有している。本発明に係る発毛促進剤は、育毛促進剤、養毛剤、抗脱毛剤ということもできる。本発明に係る発毛促進剤は、摂取、投与または塗布された対象の毛の発生を促進し、薄毛および抜け毛を予防および低減することができる。
【0009】
(プロテオグリカン)
プロテオグリカンは、コアタンパク質とそれに結合したグリコサミノグリカン(酸性ムコ多糖)からなる糖タンパク質である。プロテオグリカンは、細胞外マトリックスの主な構成要素として、皮膚、軟骨、骨、血管壁等に存在する。
【0010】
プロテオグリカンとしては、例えばサケ、サメ、エイ、クジラ等の水棲生物の軟骨を原材料にして精製されたものを用いることができる。サケ等の魚類由来軟骨組織の他、イカ、タコ等の軟体動物由来表皮、ニワトリ等の鳥類由来軟骨組織、ウシ、クジラ等の哺乳動物由来軟骨組織も利用することができる。原材料の入手および抽出操作の容易性の観点からは、サケの鼻軟骨由来のプロテオグリカンを用いることが好ましい。原材料として、例えば青森県沿岸や北海道沿岸等で漁獲されたサケ(主にシロサケ)が様々な加工品として処理される際に排出される頭部を使用することができる。
【0011】
プロテオグリカンを構成するグリコサミノグリカンとしては、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸等が挙げられる。プロテオグリカンは、好ましくはコンドロイチン硫酸を構成要素として含む。グリコサミノグリカンとしてコンドロイチン硫酸を含むプロテオグリカンは、サケ鼻軟骨から安定的に得ることができる。プロテオグリカンは、種類や分子量の異なる複数のプロテオグリカンの混合物であってもよい。
【0012】
プロテオグリカンの分子量は、好ましくは100kDa以上800kDa以下であり、より好ましくは600kDa以下であり、さらに好ましくは400kDa以下である。プロテオグリカンの分子量は、抽出および精製方法によって異なり得る。このような分子量を有するプロテオグリカンは、例えば後述の製造方法によって高純度で得ることができる。
【0013】
プロテオグリカンの精製方法は特に限定されないが、例えば特開2002−69097号公報および特開2019−123692号公報に記載の酢酸を用いてプロテオグリカンを抽出する方法を採用することができる。この方法は、例えば酢酸を抽出溶媒として用いてサケ鼻軟骨から粗プロテオグリカンを溶出し、不純物を除いた後、粗プロテオグリカンを濃縮させる方法である。濃縮は、透析によって行ってもよい。プロテオグリカンの精製方法としては、具体的に、ミンチにしたサケの鼻軟骨から溶出溶媒として酢酸を用いて粗プロテオグリカンを溶出した後、得られた溶出液を濾過および遠心分離し、その上澄液に食塩飽和エタノールを加えて遠心分離することにより得られる粗プロテオグリカンを含む半固形沈殿物を酢酸に溶解し、次いで透析する工程を含んでもよい。この精製方法によれば、有害な試薬を使用することなく、効率よく、安全なプロテオグリカンを得ることができる。この精製方法によれば、サケ鼻軟骨から約100〜800kDaの分子量を有するプロテオグリカンを高純度で得ることができる。
【0014】
使用される酢酸としては食品用、工業用等何れでもよいが、その得られるプロテオグリカンの使用目的によって適宜選択できる。酢酸溶液の濃度は、例えば0.01〜20質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは4.0〜5.0質量%である。
【0015】
酢酸への粗プロテオグリカンの溶出は、例えば20〜40℃で行なう。このような温度範囲で溶出することによりプロテオグリカンの分解を殆ど起こさないで、プロテオグリカンを糖タンパク質複合体として効率よく抽出できる。
【0016】
抽出は軟骨表面全体を抽出溶媒が流動的に接触する条件で行うことが好ましく、この際の抽出溶媒の流速は例えば0.04〜10.0cm/sec、好ましくは0.04〜5.0cm/secである。この流れはスターラーやミキサーによる水平方向の円運動だけでなく、液を循環させる等の方法により垂直方向、さらに軟骨を置いた上に一方から他方へ液を流すような一定方向の流れ等何れでも構わないが、液が常に対流することで抽出効率の向上が可能である。粗プロテオグリカン溶出液は、粉末セルロースおよび/または吸油マット等を用いることにより、混入し得る脂質成分を吸着除去処理してもよい。
【0017】
脂質除去後の溶出液から得られるプロテオグリカンは適当な分画分子量を有する分離膜等で固液分離し、抽出液を回収してもよい。この操作において、5万以上の分離膜等を使用すれば液相から低分子量の夾雑物(コラーゲン等)も除去することができ、プロテオグリカンの純度を上げることが可能である。好ましくは10万以上の分離膜等を用いる。さらに、得られた分画液は真空凍結乾燥機を用いて固形物にしてもよい。スプレードライヤーで乾燥させ、粉末状固形分としてもよい。
【0018】
プロテオグリカンを精製する方法の一例としては、サケ鼻軟骨を4質量%酢酸に4℃で48時間浸し、撹拌することでプロテオグリカンの抽出液を得ることができる。この抽出液をステンレススチールメッシュ(150μm)で濾過して不溶物を除去してもよい。さらに、ろ過した溶液を遠心分離機で遠心分離(4℃、10000rpm、20分間)してもよい。得られた上清に3倍量の食塩飽和エタノールを加えて再び遠心分離(4℃、10000rpm、20分間)することで、半固形状のプロテオグリカンを得ることができる。この半固形状のプロテオグリカンを再び4質量%酢酸に浸漬して溶解させ、排除限界分子量10万のセルロースエステルメンブラン透析チューブで透析し、純度の高いプロテオグリカンを得ることができる。
【0019】
プロテオグリカンを精製する方法の他の一例としては、サケ鼻軟骨を5質量%酢酸に投入し、温度5、20、30または40℃で72時間抽出することでプロテオグリカンの抽出液を得ることができる。この抽出液をステンレススチールメッシュ(150μm)で濾過して不溶物を除去してもよい。次に、吸油マット(前田工繊社製、商品名「油吸着シートSP−1300N(DX)」で液上層の油を吸着させた後、粉末セルロース(日本製紙社製、商品名「KCフロックW−400G」)を加え30分撹拌後ろ過してもよい。ろ液を分子量10万のセルロースエステルメンブラン透析チューブで十分に透析し、得られた液を凍結乾燥し、プロテオグリカンを得ることができる。
【0020】
他のプロテオグリカンの精製方法としては、特開2009−173702号公報に記載の方法も好適に採用することができる。この方法は、例えば凍結した水棲動物組織を破砕し、温度0〜20℃、pH4.8〜7の水を加えて脂質を浮かせ、遠心分離により沈殿物を回収し、該沈殿物を乾燥微粉末化する。得られた乾燥微粉末にエタノール等の有機溶媒を加え、沈殿物中に残存している脂質をさらに除去することができる。この方法によれば、組織中のプロテオグリカンの分解を伴うことなく、異臭が少なく、食品、飲料、化粧品等の用途に好適なプロテオグリカンを得ることができる。
【0021】
本発明の組成物中にプロテオグリカンを配合するために、高度に精製されたプロテオグリカンを用いる必要はなく、例えば、プロテオグリカンの作用に悪影響を及ぼさない他の成分を含むプロテオグリカンの粗精製物(例えば、サケ軟骨等の原材料からの抽出物)を用いてもよい。プロテオグリカンの粗精製物(抽出物)中のプロテオグリカン含有量は、例えば20.0質量%以上であり、好ましくは50.0質量%以上である。
【0022】
サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカンは、120℃・1時間までの加熱試験において、安定であった。また、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカンは、pH2.0−10の範囲で安定であった。従って、サケ軟骨由来のプロテオグリカンは、経口剤および外用剤への加工時にも安定であり、加工性に優れている。
【0023】
サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカンは、コンドロイチン4硫酸およびコンドロイチン6硫酸に比べて腸管での吸収量が有意に多いことがわかっている。
【0024】
発毛促進剤は、発毛促進のために使用される他の有効成分と組み合わせて使用することにより、相加的または相乗的な効果の向上が期待できる。発毛促進のために使用される他の有効成分としては、ミノキシジル、フィナステリド等が挙げられる。
【0025】
(発毛促進剤の製剤形態)
本発明に係る発毛促進剤は、経口剤または外用剤として哺乳動物に投与することができる。
【0026】
経口剤は、食品、医薬品または医薬部外品であってよい。食品には飲料または飼料等が含まれる。食品は、特別用途食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、健康補助食品、サプリメントが含まれる。医薬品としては、動物薬、治療薬または予防薬等が含まれる。
【0027】
食品としては、例えば、チーズ、調製粉乳、アイスクリーム、ヨーグルト等の乳製品、チョコレート、クッキー、ビスケット、キャンディー、和菓子、米菓、ケーキ、パイ、プリン等の菓子類、パン、麺類等の小麦粉製品、雑炊、米飯等の米製品、しょうゆ、味噌、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料等を挙げることができる。食品は、水産加工品、農産加工品、畜産加工品であってもよい。
【0028】
飲料としては、茶、コーヒー、牛乳、乳飲料、果汁飲料、ジュース、乳酸飲料、清涼飲料、栄養ドリンク、美容ドリンク等を挙げることができる。
【0029】
食品は、液状、ペースト状、粉末状、フレーク状、顆粒状等の食品添加剤であってもよい。食品添加剤には飲料用の添加剤も含まれる。食品添加剤は、一般的な食品添加剤の製造方法に準じて製造することができる。
【0030】
食品は、その種類に応じて種々の添加剤を含むことができる。添加剤としては、甘味料が挙げられる。甘味料としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、マルチトール等が挙げられる。
【0031】
その他の添加剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、結晶セルロース、二酸化ケイ素、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等が挙げられる。
【0032】
経口剤の剤形は特に限定されず、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、チュアブル錠、丸剤、トローチ剤、舌下錠、軟膏、クリーム剤、乳剤、懸濁剤、ゼリー剤、シロップ、液剤等が挙げられる。
【0033】
経口剤中のプロテオグリカンの配合量は、例えば0.1質量%〜50質量%、1質量%〜30質量%または2質量%〜20質量%であってよい。
【0034】
経口剤の摂取量は、摂取対象者の性別、年齢、体重の他、症状の軽重等により広範に調整することができるが、一般にプロテオグリカンの1日の1人あたりの摂取量が1mg以上100mg以下となるようにすることが好ましい。経口剤は、1日1回または数回に分けて摂取すればよい。
【0035】
経口剤の調製は、無毒性の賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、防腐剤、等張化剤、安定化剤、分散剤、酸化防止剤、着色剤、矯味剤、緩衝剤、pH調整剤、粘稠化剤等の添加剤を使用して、公知の方法により実施することができる。これらの製剤に含まれる無毒性の添加剤としては、例えば、でんぷん、ゼラチン、ブドウ糖、デキストリン、ヒアルロン酸、乳糖、果糖、マルトース、炭酸マグネシウム、二酸化珪素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ペトロラタム、グリセリン、エタノール、シロップ、塩化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸、ポリビニルピロリドン、水、シェラック、カルナウバロウ等が挙げられる。製剤中には、本発明の有用性を補強したり増強したりするために、他の成分、薬剤等を含有させてもよい。
【0036】
外用剤は、医薬品、医薬部外品または化粧品であってよい。外用剤は、例えば皮膚(頭皮等)に直接塗布または貼付することができ、液剤、クリーム剤、乳液剤、ローション剤、軟膏、ゲル剤、エアゾール剤、パック、マイクロニードルパッチ、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアジェル、ヘアクリーム、トリートメント、ヘアスプレー、エアゾルムース、シャンプー、リンス等であってよい。
【0037】
外用剤におけるプロテオグリカンの配合量は、例えば0.001〜20.0質量%、0.01〜15.0質量%または0.05〜10.0質量%であってよい。
【0038】
外用剤は、プロテオグリカンと、医薬品、医薬部外品または化粧品に通常使用される基剤または担体と、を常法に従い混合して製剤化することができる。基剤または担体としては、ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバター等の油脂;ワセリン、流動パラフィン等の炭化水素類;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、ラノリン等のロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロール等の高級アルコール;ジメチコン、環状シリコーン、変性シリコーン等のシリコーン類;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のエステル類;デキストリン、マルトデキストリン等の多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール;ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル;水が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができ、またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
【0039】
外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で公知の添加剤、例えば界面活性剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、分散剤、キレート剤、pH調整剤、保存剤、増粘剤、刺激低減剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血管拡張剤等を添加することができる。これらの添加剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0040】
界面活性剤としては、例えばソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類が挙げられる。
【0041】
安定化剤としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールが挙げられる。
【0042】
酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ピロ亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩が挙げられる。
【0043】
着色剤としては、例えば無機顔料、天然色素が挙げられる。
【0044】
分散剤としては、例えばピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸が挙げられる。
【0045】
キレート剤としては、例えばEDTA・2ナトリウム塩、クエン酸が挙げられる。
【0046】
pH調整剤としては、例えば塩酸、硫酸等の無機酸;乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム等の有機酸;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
【0047】
保存剤としては、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラベン類、フェノキシエタノールが挙げられる。
【0048】
増粘剤としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤、グアーガム、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーが挙げられる。
【0049】
刺激低減剤としては、例えば甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、甘草エキス、アルギン酸ナトリウムが挙げられる。
【0050】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミルおよびその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物が挙げられる。
【0051】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、トレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン)、エラスチン、コラーゲン、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸およびそれらの誘導体が挙げられる。
【0052】
血管拡張剤としては、例えば塩化カルプロニウム、ニコチン酸ベンジル、センブリ抽出液、ミノキシジル、オタネニンジンエキス、トウガラシチンキが挙げられる。
【0053】
本発明に係る発毛促進剤は、経口剤と外用剤とを併用することにより、より高い発毛促進効果を得ることができると期待される。本発明の一実施形態は、プロテオグリカンを含有する経口剤およびプロテオグリカンを含有する外用剤を含む発毛促進セットであってもよい。
【0054】
[VEGF産生促進剤]
本発明に係るVEGF産生促進剤は、プロテオグリカンを含有する。VEGF産生促進剤は、好ましくは毛乳頭細胞のVEGF産生を促進する。プロテオグリカンが毛乳頭細胞を活性化し、毛乳頭細胞のVEGF産生が促進されると、発毛が促進されると考えられる。
【0055】
プロテオグリカンとしては、上述のプロテオグリカンが挙げられる。VEGF産生促進剤は、経口剤または外用剤とすることができる。VEGF産生促進剤は、上述したその他の成分をさらに含んでもよい。
【実施例】
【0056】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0057】
[実験1:動物試験]
マウスを用いて、プロテオグリカンの発毛促進作用を評価した。マウスは、日本エスエルシー株式会社が取り扱うSPF C3H/HeN Slc(雄性)を使用した。各試験群の平均体重がなるべく均等になるよう無作為に個体を振り分けた。マウスの飼育条件は1ケージあたり5匹、室温25℃、明暗12時間サイクルとした。試験開始前において、飼料はマウス・ラット・ハムスター用MF飼料(オリエンタル酵母)を、飲料水は公共水道水をそれぞれ自由に摂取させた。
【0058】
6週齢のマウスを購入した後、1週間の予備飼育を行い、試験環境に馴化させた。7週齢となったマウスの背部被毛を安全カミソリで剃毛した。剃毛の3日後に試験を開始した。具体的には、プロテオグリカン摂取群には表1に記載の量のサケ鼻軟骨由来プロテオグリカン(一丸ファルコス株式会社製、分子量ピーク約450kDa)と通常飼料(MF飼料)とを混合した飼料を、陰性対照群には通常飼料(MF飼料)を経口摂取させた。経時的に背面の剃毛部を撮影し、その撮影画像から画像解析ソフトを用いて、剃毛部の全体面積と被毛再生部の面積をそれぞれ定量化した。剃毛部の全体面積に対する被毛再生部の面積の割合を被毛再生率として算出し、発毛促進効果の有無を判定した。
【0059】
【表1】
【0060】
陰性対照群およびプロテオグリカン摂取群のマウス被毛再生率の経時変化を
図1に示す。陰性対照群およびプロテオグリカン摂取群の試験開始24日目におけるマウス背部被毛の様子を
図2に示す。プロテオグリカンを経口摂取させたマウスでは、被毛再生が促進され、被毛再生率に統計的に有意な差異が認められた。
【0061】
[実験2:細胞試験]
毛乳頭細胞を用いて、VEGFの産生量を測定した。対数増殖期にあるヒト頭髪毛乳頭細胞(HFDPC、Cell Applications,Inc.)を毛乳頭細胞増殖培地(PCGM、Cell Applications,Inc.)で3×10
4cells/mlに調製し、1mlを24−well plate(collagen−coated)に植え継いで前培養を行った。
【0062】
顕微鏡観察によって細胞の生育状況を確認した後、培養液全量を交換した。この際、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン(一丸ファルコス株式会社製、分子量ピーク約450kDa)を最終濃度が250μg/mlとなるように培養液中に溶解した。2日間のインキュベート後、Human VEGF ELISAキット(R&D SYSTEMS)を用いて培養液中のVEGF濃度を測定した。
【0063】
結果を
図3に示す。プロテオグリカンの添加によって、毛乳頭細胞から培養液中に分泌されたVEGF量が有意に増加することを確認した。
【0064】
本試験系は、育毛・発毛における外用成分探索の一次評価法として認知されている。既存薬のミノキシジルにおいては、Lachgar S.et al.,Br J Dermatol.1998,Mar;138(3):407−11に記載の実験が、外用剤としての作用機序の根拠とされている。したがって、本試験でVEGF産生促進効果が確認されたプロテオグリカンは、外用育毛剤としても使用可能である。
【解決手段】プロテオグリカンを含有する発毛促進剤およびVEGF産生促進剤が提供される。プロテオグリカンの分子量は、好ましくは100kDa以上800kDa以下である。プロテオグリカンは、好ましくはサケ鼻軟骨由来である。発毛促進剤は、好ましくは経口剤または外用剤である。