特許第6984836号(P6984836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社バラエティーエム・ワンの特許一覧

特許6984836情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム
<>
  • 特許6984836-情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム 図000002
  • 特許6984836-情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム 図000003
  • 特許6984836-情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム 図000004
  • 特許6984836-情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム 図000005
  • 特許6984836-情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム 図000006
  • 特許6984836-情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム 図000007
  • 特許6984836-情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム 図000008
  • 特許6984836-情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム 図000009
  • 特許6984836-情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6984836
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20211213BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20211213BHJP
   G06K 7/12 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G06K19/06 037
   G06K19/06 140
   G06K7/14 017
   G06K7/12
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2021-65242(P2021-65242)
(22)【出願日】2021年4月7日
【審査請求日】2021年4月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520128576
【氏名又は名称】有限会社バラエティーエム・ワン
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(74)【代理人】
【識別番号】100159178
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】三嶽 敏朗
【審査官】 三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−259192(JP,A)
【文献】 特開2010−061217(JP,A)
【文献】 特開2009−093443(JP,A)
【文献】 特開2000−163506(JP,A)
【文献】 特開2011−049758(JP,A)
【文献】 特開2011−048464(JP,A)
【文献】 特開2015−121830(JP,A)
【文献】 特開2019−192186(JP,A)
【文献】 特開2012−068691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 1/00−21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に配列された色以上の色付きの情報セルから構成され、当該情報セルを情報単位とする特定情報が記録された情報コード領域と、
前記情報セルの色を識別するため、前記情報セルと同色であり、かつ、前記情報セルと同じ色数の教師セルを有する教師コード領域と、を有する矩形の情報コードであって、
前記情報コードの四隅のうち少なくとも2つ以上に設けられた矩形の切り出しシンボルを備え、
前記情報コード領域の内側に複数の前記教師コード領域が配置されており、
前記複数の教師コード領域はいずれも、前記切り出しシンボルの内側の2辺を延長した線よりも内側の領域において、相互に等間隔となるように配置されているとともに、前記情報コード領域を横方向において等分する複数の分割線と、前記情報コード領域を縦方向において等分する複数の分割線との交点に、前記教師コード領域が配置されていることを特徴とする、情報コード。
【請求項2】
前記情報コード領域は8色のセルから構成されており、かつ、空白を有さず、
前記教師コード領域は真ん中に位置する空白セルと、当該空白を囲む8色のセルを有する正方形からなる、請求項1に記載の情報コード。
【請求項3】
前記情報コード領域の内側に配置された複数の前記教師コード領域間の距離は、セル32個分の距離以下であり、
前記複数の教師コード領域の数が4個、9個、16個または25個である、請求項1または2に記載の情報コード。
【請求項4】
前記複数の教師コード領域のうち、前記情報コード領域の端部に近接する前記教師コード領域は、近接する前記情報コード領域の端部までの距離と、当該教師コード領域に隣接する他の教師コード領域までの距離とが等しくなる位置に配置される、請求項1ないし3のいずれかに記載の情報コード。
【請求項5】
前記情報コードは、前記特定情報を記録する情報コード領域と広告情報を記憶する広告コード領域とからなり、
前記広告コード領域を構成する広告セルは、前記情報セルおよび前記教師セルと同色である、請求項1ないしのいずれかに記載の情報コード。
【請求項6】
前記情報コード領域は、個人情報を含む前記特定情報を記録する、請求項1ないしのいずれかに記載の情報コード。
【請求項7】
前記情報コード領域は、前記個人情報として、個人の顔の一部位の画像情報を記録する、請求項に記載の情報コード。
【請求項8】
格子状に配列された色以上の色付きの情報セルから構成され、当該情報セルを情報単位とする特定情報が記録された情報コード領域と、前記情報セルの色を識別するため、前記情報セルと同色の教師セルから構成される教師コード領域と、情報コードの四隅のうち少なくとも2つ以上に設けられた矩形の切り出しシンボルと、を有し、前記情報コード領域の内側に複数の前記教師コード領域が配置されており、前記複数の教師コード領域はいずれも、前記切り出しシンボルの内側の2辺を延長した線よりも内側の領域において、相互に等間隔となるように配置されているとともに、前記情報コード領域を横方向において等分する複数の分割線と、前記情報コード領域を縦方向において等分する複数の分割線との交点に、前記教師コード領域が配置されている矩形の情報コードを生成する、情報コード生成部を有する、情報コード生成装置。
【請求項9】
請求項1ないしのいずれかに記載の情報コードを読み取るための情報コード読取装置であって、
前記情報コードを読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた前記情報コードのうち前記教師コード領域における前記教師セルの色情報に基づいて、前記情報コード領域の前記情報セルの色を識別する識別部と、
前記識別部により色が識別された前記情報セルに基づいて、前記情報コード領域に記録されている前記特定情報を取得する取得部と、を有する、情報コード読取装置。
【請求項10】
格子状に配列された色以上の色付きの情報セルから構成され、当該情報セルを情報単位とする特定情報が記録された情報コード領域と、前記情報セルの色を識別するため、前記情報セルと同色であり、かつ、前記情報セルと同じ色数の教師セルを有する教師コード領域と、情報コードの四隅のうち少なくとも2つ以上に設けられた矩形の切り出しシンボルと、を有し、前記情報コード領域の内側に複数の前記教師コード領域が配置されており、前記複数の教師コード領域はいずれも、前記切り出しシンボルの内側の2辺を延長した線よりも内側の領域において、相互に等間隔となるように配置されているとともに、前記情報コード領域を横方向において等分する複数の分割線と、前記情報コード領域を縦方向において等分する複数の分割線との交点に、前記教師コード領域が配置されている矩形の情報コードを生成するプロセスを、コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
請求項1ないしのいずれかに記載の情報コードを読み取るためのプログラムであって、
前記情報コード領域の前記情報セルおよび前記教師コード領域の前記教師セルを読み取るステップと、
前記教師セルの色情報に基づいて、前記情報セルの色を識別するステップと、
色が識別された前記情報セルに基づいて、前記情報コード領域に記録されている前記特定情報を取得するステップと、をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
請求項に記載の情報コードを利用する情報コード利用システムであって、
前記広告コード領域、前記情報コード領域および前記教師コード領域を有する前記情報コードを生成する情報コード生成部と、
前記情報コードを読み取り、前記教師コード領域の前記教師セルの色情報に基づいて前記広告コード領域の前記広告セルの色を識別することで前記広告コード領域に記憶された広告情報に基づく広告を表示しながら、または、前記広告を表示した後に、前記教師コード領域の前記教師セルの色情報に基づいて前記情報コード領域の前記情報セルの色を識別することで前記情報コード領域に記録された前記特定情報を出力させる情報コード読取部と、を有する情報コード利用システム。
【請求項13】
請求項またはに記載の情報コードを利用する情報コード利用システムであって、
生体認証情報を含む前記個人情報を記録した前記情報コード領域と、前記教師コード領域とを有する前記情報コードを生成する情報コード生成部と、
前記情報コードを読み取り、前記教師コード領域の前記教師セルの色情報に基づいて前記情報コード領域の前記情報セルの色を識別することで前記情報コード領域から前記生体認証情報を取得するとともに、利用者から直に取得した利用者の生体認証情報を取得する情報コード読取部と、
前記情報コード読取部で取得した利用者の前記情報コードと、記憶部に予め記憶している利用者の情報コードとを比較して一次認証を行った後に、前記情報コード読取部で取得した利用者の前記情報コードの前記情報コード領域から取得した前記生体認証情報と、前記利用者から直に取得した生体認証情報とを照会することで二次認証を行う、認証部と、を有する情報コード利用システム。
【請求項14】
請求項1ないしのいずれかに記載の情報コードが印刷された印刷媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2色以上の色付きのセルから構成されている情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、格子状に配列されたセルのそれぞれに付けた多数の色として電子データを保有するデータ記録コード部を有する情報コードが知られている(たとえば特許文献1)。また、特許文献1に係る情報コードでは、データ記録コード部のセルの数、色数、セルのサイズなどの情報を把握するための切り出しコード部が、データ記録コード部から一定の位置関係をもって配列されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4838387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カラーの色付きセルからなる情報コードでは、白黒のセルからなる情報コードと比べて、色相の近い2色以上の色が使用されるため、情報コードを撮影する光環境、情報コードの印刷環境・表示環境、印刷した情報コードの経年による退色などによっては、情報コードに利用されている色を正確に識別することができない場合があり、情報コードに記憶されている情報を適切に読み取れないという問題があった。
特許文献1では、切り出しコード部からデータ記録コード部を構成するセルの色数を把握することはできるが、切り出しコード部は、データ記録コードのセルの色を矯正または示唆するものではなく、データ記録コードを構成する全てのセルの色情報を保有していないため、情報コードを読み取る環境や情報コードの状態によっては、データ記録コード部を構成するセルの色を正確に識別できない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報コードは、格子状に配列された色以上の色付きの情報セルから構成され、当該情報セルを情報単位とする特定情報が記録された情報コード領域と、前記情報セルの色を識別するための、前記情報セルと同色であり、かつ、前記情報セルと同じ色数の教師セルを有する教師コード領域と、を有する矩形の情報コードであって、前記情報コードの四隅のうち少なくとも2つ以上に設けられた矩形の切り出しシンボルを備え、前記情報コード領域の内側に複数の前記教師コード領域が配置されており、前記複数の教師コード領域はいずれも、前記切り出しシンボルの内側の2辺を延長した線よりも内側の領域において、相互に等間隔となるように配置されているとともに、前記情報コード領域を横方向において等分する複数の分割線と、前記情報コード領域を縦方向において等分する複数の分割線との交点に、前記教師コード領域が配置されていることを特徴とする。
上記情報コードにおいて、前記情報コード領域は8色のセルから構成されており、かつ、空白を有さず、前記教師コード領域は真ん中に位置する空白セルと、当該空白を囲む8色のセルを有する正方形からなるように構成することができる。
上記情報コードにおいて、前記情報コード領域の内側に配置された複数の前記教師コード領域間の距離は、セル32個分の距離以下であり、前記複数の教師コード領域の数が4個、9個、16個または25個であるように構成することができる
記情報コードにおいて、前記複数の教師コード領域のうち、前記情報コード領域の端部に近接する前記教師コード領域は、近接する前記情報コード領域の端部までの距離と、当該教師コード領域に隣接する他の教師コード領域までの距離とが等しくなる位置に配置されるように構成することができる。
上記情報コードにおいて、前記情報コードは、前記特定情報を記録する情報コード領域と広告情報を記憶する広告コード領域とからなり、前記コード領域を構成する広告セルは、前記情報セルおよび前記教師セルと同色であるように構成することができる。
上記情報コードにおいて、前記情報コード領域は、個人情報を含む前記特定情報を記録するように構成することができる。
上記情報コードにおいて、前記情報コード領域は、前記個人情報として、個人の顔の一部位の画像情報を記録するように構成することができる。
【0006】
本発明に係る情報コード生成装置は、色以上の色付きの情報セルから構成され、当該情報セルを情報単位とする特定情報が記録された情報コード領域と、前記情報セルの色を識別するため、前記情報セルと同色であり、かつ、前記情報セルと同じ色数の教師セルを有する教師コード領域と、情報コードの四隅のうち少なくとも2つ以上に設けられた矩形の切り出しシンボルと、を有し、前記情報コード領域の内側に複数の前記教師コード領域が配置されており、前記複数の教師コード領域はいずれも、前記切り出しシンボルの内側の2辺を延長した線よりも内側の領域において、相互に等間隔となるように配置されているとともに、前記情報コード領域を横方向において等分する複数の分割線と、前記情報コード領域を縦方向において等分する複数の分割線との交点に、前記教師コード領域が配置されている情報コードを生成する、情報コード生成部を有する。
本発明に係る情報コード読取装置は、上記情報コードを読み取るための情報コード読取装置であって、前記情報コードを読み取る読取部と、前記読取部により読み取られた前記情報コードのうち前記教師コード領域における前記教師セルの色情報に基づいて、前記情報コード領域の前記情報セルの色を識別する識別部と、前記識別部により色が識別された前記情報セルに基づいて、前記情報コード領域に記録されている前記提示情報を取得する取得部と、を有する。
【0007】
本発明の第1の観点に係るプログラムは、格子状に配列された色以上の色付きの情報セルから構成され、当該情報セルを情報単位とする特定情報が記録された情報コード領域と、情報コードの四隅のうち少なくとも2つ以上に設けられた矩形の切り出しシンボルと、前記情報セルの色を識別するため、前記情報セルと同色であり、かつ、前記情報セルと同じ色数の教師セルを有する教師コード領域と、を有し、前記情報コード領域の内側に複数の前記教師コード領域が配置されており、前記複数の教師コード領域はいずれも、前記切り出しシンボルの内側の2辺を延長した線よりも内側の領域において、相互に等間隔となるように配置されているとともに、前記情報コード領域を横方向において等分する複数の分割線と、前記情報コード領域を縦方向において等分する複数の分割線との交点に、前記教師コード領域が配置されている矩形の情報コードを生成するプロセスを、コンピュータに実行させる。
本発明の第2の観点に係るプログラムは、上記記載の情報コードを読み取るためのプログラムであって、前記情報コード領域の前記情報セルおよび前記教師コード領域の前記教師セルを読み取るステップと、前記教師セルの色情報に基づいて、前記情報セルの色を識別するステップと、色が識別された前記情報セルに基づいて、前記情報コード領域に記録されている前記特定情報を取得するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0008】
本発明の第1の観点に係る情報コード利用システムは、上記情報コードを利用する情報コード利用システムであって、前記広告コード領域、前記情報コード領域および前記教師コード領域を有する前記情報コードを生成する情報コード生成部と、前記情報コードを読み取り、前記教師コード領域の前記教師セルの色情報に基づいて前記広告コード領域の前記広告セルの色を識別することで前記広告コード領域に記憶された広告情報に基づく広告を表示しながら、または、前記広告を表示した後に、前記教師コード領域の前記教師セルの色情報に基づいて前記情報コード領域の前記情報セルの色を識別することで前記情報コード領域に記録された前記特定情報を出力させる前記情報コード読取部と、を有する。
本発明の第2の観点に係る情報コード利用システムは、上記情報コードを利用する情報コード利用システムであって、生体認証情報を含む前記個人情報を記録した前記情報コード領域と、前記教師コード領域とを有する前記情報コードを生成する前記情報コード生成部と、前記情報コードを読み取り、前記教師コード領域の前記教師セルの色情報に基づいて前記情報コード領域の前記情報セルの色を識別することで前記情報コード領域から前記生体認証情報を取得するとともに、利用者から直に取得した利用者の生体認証情報を取得する前記情報コード読取部と、前記情報コード領域から取得した前記生体認証情報と、前記情報コード読取部で取得した利用者の前記情報コードと、記憶部に予め記憶している利用者の情報コードとを比較して一次認証を行った後に、前記情報コード読取部で取得した利用者の前記情報コードの前記情報コード領域から取得した前記生体認証情報と、前記利用者から直に取得した生体認証情報とを照会することで二次認証を行う、認証部と、を有する。
本発明に係る印刷媒体は、上記情報コードが印刷される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、情報コードに記憶される特定情報を高い精度で読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る情報コードの一例を示す図である。
図2図1のA部分の拡大図である。
図3】本実施形態に係る情報コード利用装置の構成図である。
図4】第1実施形態に係る情報コード利用システムの概要を示す図である。
図5】第2実施形態に係る情報コードの一例を示す図である。
図6】第2実施形態に係る情報コード利用システムの概要を示す図である。
図7】第3実施形態に係る情報コードの一例を示す図である。
図8】第4実施形態に係る情報コードの一例を示す図である。
図9】第4実施形態における教師コード領域の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る情報コード、情報コード生成装置、情報コード読取装置、プログラムおよび情報コード利用システムの実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、本発明に係る情報コード生成装置および情報コード読取装置の機能を有する装置を、情報コード利用装置として説明する。
【0012】
《第1実施形態》
図1は本実施形態に係る情報コード10の一例を示す図であり、図2図1のA部分の拡大図である。図1および図2に示すように、本実施形態に係る情報コード10は、情報を表示する単位となる2色以上の色付きの情報セル12から構成される情報コード領域11と、情報セル12の色を識別するため、情報セル12と同色であり、かつ、情報セル12と同じ色数の教師セル14を有する教師コード領域13と、切り出しシンボル17と、を有した方形状の二次元コードである。
【0013】
情報コード領域11は、格子状に配列された、2色以上の情報セル12から構成される。情報セル12の色は、2色以上であれば、特に限定されず、たとえば白色と黒色の2色であってもよいが、後述するように、本発明は、教師セル14により、情報セル12の色の識別精度を高めるものであり、色相が比較的近い2色以上の色である場合に特に有用である。情報セル12および教師セル14の色数は、2色以上であれば特に限定されないが、ビット数に応じた情報量とするために、4色、8色、あるいは16色とすることが好ましい。なお、本実施形態においては、情報コード領域11を構成する情報セル12の色として、赤色、青色、緑色、黄色の4色を用いる構成を例示して説明する。また、図2においては、赤色の情報セルを12(R)、青色の情報セルを12(B)、緑色の情報セルを12(G)、黄色の情報セルを12(Y)として表示している。このように、4色の色情報を有する情報セル12を用いることで、白色および黒色の情報セルからなる情報コードと比べて、情報セル当たりの情報量を2倍(2ビット)とすることができる一方、各色の色相が近くなるため、照明などの光環境、情報コードの印刷環境、情報コードのディスプレイなどへの表示環境、印刷した情報コードの経年による退色などによっては情報セル12の色を適切に識別することが困難となる場合がある。そのため、本実施形態では、情報セル12の色の識別精度を高めるために、後述する教師コード領域13が設けられている。
【0014】
情報コード領域11は、情報単位である情報セル12の表示パターンに変えることで、一定容量の文字情報および/またはバイナリ情報からなる特定情報を記録することができる。情報コード領域11が記録する特定情報の内容は、特に限定されないが、本実施形態では、生体認証用の生体認証情報を含む個人情報が記憶されるものとする。個人情報としては、生体認証情報に加えて、マイナンバー、パスポート番号、口座番号、免許証番号、名前、社会保険番号、誕生日、誕生地、旧姓などの情報を含めることができる。また、生体認証情報としては、顔画像、指紋情報、虹彩情報、掌形、網膜、血管、音声、耳形などを含めることができる。本実施形態では、顔画像を含む構成を例示して説明する。
【0015】
本実施形態に係る情報コード10において、特定情報が記録される情報コード領域11は、4色の情報セル12から構成されるため、白色および黒色の2色から構成される情報コードと比べて、記録できる情報量は大きくなる。しかしながら、情報コード10に顔認証のための顔画像を記録する場合、顔認証が可能な程度の解像度で顔全体の画像を記録する場合、4色の情報セル12から構成される情報コード領域11でも記憶容量が足りなくなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態に係る情報コード10では、利用者の顔全体ではなく、利用者の目や口など、顔認証において特徴点となる顔の一部位だけを顔認証用の顔画像として記憶しておくことで、情報コード10に顔認証用の顔画像を記録することが可能となる。
【0016】
教師コード領域13は、情報コード領域11の外側に配置される。教師コード領域13は、複数の教師セル14から構成されている。教師セル14は、情報セル12と同色であり、かつ、情報セル12と同じ色数を有する。たとえば、情報コード領域11が赤色、青色、緑色、黄色の4色の情報セル12から構成される場合、教師コード領域13を構成する教師セル14も、情報セル12と同じ、赤色、青色、緑色、黄色の4色で構成される。なお、図2においては、赤色の教師セルを14(R)、青色の教師セルを14(B)、緑色の教師セルを14(G)、黄色の教師セルを14(Y)として表示している。
【0017】
また、本実施形態において、教師コード領域13は、図1および図2に示すように、教師セル14を色ごとに1つずつ有し、情報コード領域11を構成する情報セル12の色数(4色)と同数(4つ)の教師セル14を有する構成とされる。たとえば、本実施形態において、教師コード領域13は、赤色、青色、緑色、黄色のそれぞれの色の教師セル14を1つずつ、計4つの教師セル14を有する構成としている。ただし、この構成に限定されず、4色の教師セル14を計5つ以上有する構成とすることもできる。また、教師コード領域13は、教師セル14として、情報セル12で使用されていない色の教師セル14を有する構成としてもよい。たとえば、教師コード領域13は、赤色と青色とを識別するために紫色の教師セル14をさらに有する構成とすることができる。この場合、たとえば、情報セル12の色情報が、紫がかっており、赤色に類似しているか、青色に類似しているかを識別することが困難な場合に、紫色の教師セル14の色情報よりも赤色に近い色情報である場合には、当該情報セル12の色は赤色であると判断することができる。なお、色情報は、RGB値やCMY値として数値化することができる。
【0018】
なお、図1に示す例では、教師コード領域13を、情報コード領域11の左下側に配置する構成を例示しているが、教師コード領域13を配置する位置は特に限定されない。また、図1に示す例では、教師コード領域13を、情報コード領域11と接するように配置する構成を例示しているが、情報コード領域11から離れた位置に配置する構成とすることもできる。さらに、図1に示す例では、情報コード10は、教師コード領域13を1つのみ有する構成を例示しているが、この構成に限定されず、情報コード領域11の上側と下側に教師コード領域13をそれぞれ1つずつ配置するなど、教師コード領域13を複数有する構成とすることができる。
【0019】
次に、本実施形態に係る情報コード利用装置20について説明する。本実施形態に係る情報コード利用装置20は、第1実施形態に係る情報コード10を生成する機能と、情報コード10を読み取る機能とを有する装置である。情報コード利用装置20として、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、官公庁などに設置される専用機などが挙げられる。
【0020】
図3は、本実施形態に係る情報コード利用装置20の構成図である。図3に示すように、本実施形態に係る情報コード利用装置20は、読取部21と、情報処理部22と、表示部23と、を有する。以下に、情報コード利用装置20の各構成について説明する。
【0021】
読取部21は、たとえばCCDやCMOSなどのカメラであり、利用者の携帯端末のディスプレイに表示された情報コード10や、利用者が印刷媒体に印刷した情報コード10を撮像することで、撮像した画像の画像データを、情報処理部22に出力する。また、本実施形態において、読取部21は、利用者の顔を撮像することで、利用者の顔画像データを、情報処理部22に出力することもできる。
【0022】
情報処理部22は、記憶装置と処理装置とを有しており、記憶装置に記憶されている情報コード生成プログラムや情報コード読取プログラムを処理装置で実行することで、読取部21により撮像された情報コード10の画像データから情報コード10に記録されている特定情報を読み取る情報コード読取機能と、利用者が提示したい特定情報に基づいて情報コード10を生成する情報コード生成機能と、生成した情報コード10を出力する情報コード出力機能とを有する。情報コード生成プログラムおよび情報コード読取プログラムは、それぞれ個別に、または一体で、サーバからダウンロードすることができ、ダウンロードしたプログラムを、スマートフォンなどの情報コード利用装置20にインストールすることで実行することができる。以下に、情報処理部22の各機能について説明する。
【0023】
情報コード読取機能は、情報コード10の画像データから情報コード10に記録されている特定情報を抽出し、読み取る。具体的には、情報コード読取機能は、まず、情報コード10のうち教師コード領域13を特定する。図1に示すように、情報コード10における教師コード領域13の位置は予め設定されており、情報コード読取機能は、情報コード10の位置関係(たとえば切り出しシンボル17との位置関係)から教師コード領域13を特定することができる。そして、情報コード読取機能は、教師コード領域13の各教師セル14を読み取ることで、各教師セル14の色情報を取得する。教師コード領域13において、各色の教師セル14の配列順序は予め定められており、たとえば、本実施形態では、図1に示すように、左側から緑色、青色、赤色、黄色の順に教師セル14が配列されている。これにより、情報コード読取機能は、たとえば、緑色の教師セル14と同じ(または類似する)色情報を有する情報セル12は緑色であると識別し、赤色の教師セル14と同じ(または類似する)色情報を有する情報セル12は赤色であると識別し、青色の教師セル14と同じ(または類似する)色情報を有する情報セル12は青色であると識別し、黄色の教師セル14と同じ(または類似する)色情報を有する情報セル12は黄色であると識別することができる。このように、情報コード読取機能は、各教師セル14の色情報に基づいて、情報セル12の色を高い精度で識別することができる。そして、情報コード読取装置は、教師セル14に基づいて色を識別した情報セル12に基づいて、情報コード領域11に記録された特定情報を取得する。
【0024】
情報コード生成機能は、図1に示すように、情報コード領域11と、教師コード領域13とを有する情報コード10を生成する。具体的には、情報コード生成機能は、情報コード領域11や切り出しシンボル17については、周知技術と同様の方法により生成する。図1では4個の切り出しシンボル17を備える構成を例示しているが、切り出しシンボル17を3個設ければ、情報コード10の方向を認識することが可能である。また、情報コード生成機能は、情報セル12と同色であり、かつ、情報セル12の色数と同じ色数の教師セル14を有する教師コード領域13を生成し、情報コード領域11の左下側に配置する。また、本実施形態において、情報コード生成機能は、各色の教師セル14が1つずつであり、教師セル14の色数と同じ数の教師セル14からなる教師コード領域13を生成する。すなわち、本実施形態では、図1に示すように、左側から緑色、青色、赤色、黄色の順に4つの教師セル14が一列で配列された教師コード領域13が生成される。なお、教師セル14の配列順序は適宜変更することができる。
【0025】
情報コード出力機能は、情報コード生成機能により生成された情報コード10を、利用者が利用できるように出力する。具体的には、情報コード出力機能は、情報コード10を表示部23に出力することで、表示部23のディスプレイに情報コード10を表示させることができる。また、情報コード生成機能は、図示しないプリンターに情報コード10を出力することで、情報コード10を印刷媒体に印刷することもできる。
【0026】
ここで、第1実施形態に係る情報コード10を用いた情報コード利用システム100について説明する。図4は、第1実施形態に係る情報コード利用システム100を示す構成図である。図4に示すように、第1実施形態に係る情報コード利用システム100は、情報コード10を生成する情報コード生成装置110と、カメラを備え、情報コード10を読み取る情報コード読取装置120と、認証サーバ130とを有する。また、図4に示す例では、官公庁が利用者の個人情報に基づいて利用者に公共サービスを提供する場面において、予め、利用者が官公庁の情報コード生成装置110を用いて情報コード10を生成し、生成した情報コード10を認証サーバ130に保存しておき、利用者が公共サービスを申請する場合に、利用者を認証するために、利用者が提示した情報コード10と認証サーバ130に保存された情報コード10を比較するとともに、利用者から直に取得した利用者の顔画像と、認証サーバ130に保存された情報コード10の顔画像とを照会することで、利用者本人であるかを判断する場面を例示して説明する。
【0027】
図4に示す場面例において、情報コード生成装置110は、予め、情報コード10の生成プログラムを使用し、利用者から取得した顔画像に基づいて、利用者の顔画像の一部位(目や口など)を記録した情報コード領域11を有する情報コード10を生成する。そして、情報コード生成装置110は、生成した情報コード10を認証サーバ130に送信し、認証サーバ130に生成した情報コード10を保存する。
【0028】
また、利用者は、官公庁から、情報コード生成装置110により生成された情報コード10を予め取得しており、公共サービスの利用を申請する場合に、紙、金属、樹脂、皮革等の被印刷物に印刷した情報コード10、あるいは、携帯端末のディスプレイに表示した情報コード10を、官公庁の情報コード読取装置120に読み取らせる。情報コード読取装置120は、読み取った情報コード10を認証サーバ130に送信するとともに、別のカメラにより利用者の顔画像も撮像し、撮像した利用者の顔画像も、認証サーバ130へと送信する。
【0029】
認証サーバ130は、情報コード生成装置110により生成され予め保存している情報コード10と、情報コード読取装置120により読み取られた情報コード10とを比較して、一次認証を行うとともに、予め保存している情報コード10から認証用の顔画像を抽出し、情報コード読取装置120から送信された利用者の顔画像とを照会することで、利用者が情報コード10に記録された個人本人であるかの二次認証を行う。そして、認証サーバ130は、利用者が本人であると判断できた場合には、利用者に対して公共サービスを提供することを許可する。
【0030】
以上のように、第1実施形態では、情報コード10を、情報を表示する単位となる2色以上の色付きの情報セル12からなる情報コード領域11と、情報セル12の色を識別するために、情報セル12と同色であり、かつ、情報セル12の色数と同じ色数の教師セル14からなる教師コード領域13とを有する構成とすることで、情報セル12の色を識別しにくい光環境、印刷環境、表示環境などの環境、または、印刷した情報コードの経年による退色などの状況下においても、情報セル12と同色の教師セル14から、同じ環境下および状況下での色情報を取得することで、このような環境下または状況下においても、情報コード領域11を構成する情報セル12の色を高い精度で識別することができる。特に、4色や8色など複数の色情報を有する情報セル12を有する情報コード10は、白色および黒色の2色からなる情報コードと比べて、互いの色相が近くなり色の識別が困難となる傾向にあるため、教師セル14を用いて情報セル12の色を識別することは、このようなカラーの情報コード10において特に有用となる。
【0031】
また、第1実施形態に係る情報コード10において、教師コード領域13は、各色の教師セル14を1つずつ有し、教師セル14の色数と同数の教師セルを有する構成としている。すなわち、図1に示す例において、教師コード領域13は、赤色、青色、緑色、黄色それぞれの教師セル14を1つずつ、計4つの教師セル14を有する構成としている。このように教師コード領域13を構成することで、教師コード領域13に必要なスペースを小さくすることができるとともに、教師コード領域13を目立たなくすることができる。ここで、教師セル14の数を教師セルの色の数の倍数個としてもよく、さらには、情報コード領域11の末端の一辺を教師コード領域13として利用してもよい。
【0032】
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態に係る情報コード10aの一例を示す図である。図5に示すように、第2実施形態に係る情報コード10aは、記録管理する情報が記録されている情報コード領域11に加えて、広告情報が記録されている広告コード領域15を有すること以外は、第1実施形態に係る情報コード10と同様である。
【0033】
広告コード領域15は、情報コード領域11と同様に、2色以上の広告セル16から構成されており、広告用のホームページにアクセスするためのURLなど、広告を表示するための広告情報が記録されている。広告コード領域15を構成する広告セル16は、情報セル12と同様に、教師コード領域13を構成する教師セル14と同色であり、かつ、色数も同じとなっている。そのため、広告コード領域15においても、教師セル14の色情報に基づいて、各広告セル16の色を高精度に識別することが可能となっている。
【0034】
また、第2実施形態における情報コード利用装置20において、情報処理部22の情報コード読取機能は、情報コード領域11に記録された特定情報に加えて、広告コード領域15に記録された広告情報を読み取る。具体的には、情報コード読取機能は、教師コード領域13の教師セル14の色情報を取得した後、各教師セル14の色情報に基づいて、広告コード領域15における広告セル16の色を識別する。たとえば、情報コード読取機能は、緑色の教師セル14と同じ(または類似する)色情報を有する広告セル16は緑色であると識別し、赤色の教師セル14と同じ(または類似する)色情報を有する広告セル16は赤色であると識別し、青色の教師セル14と同じ(または類似する)色情報を有する広告セル16は青色であると識別し、黄色の教師セル14と同じ(または類似する)色情報を有する広告セル16は黄色であると識別する。これにより、情報コード読取機能は、情報セル12と同様に、広告セル16の色を識別しにくい光環境、印刷環境、表示環境などの環境、または、印刷した情報コード10aの経年による退色などの状況下においても、広告セル16と同色の教師セル14から、同じ環境下および状況下での色情報を取得することで、このような環境下および状況下においても、広告コード領域15に記録された広告情報を適切に読み取り、当該広告情報に基づく広告を表示部23のディスプレイに表示する。また、情報コード読取機能は、広告情報に基づく広告を表示した後に、または、広告情報に基づく広告を表示しながら、情報コード領域11に記録された特定情報を読み取り、当該特定情報に基づく情報を表示部23のディスプレイに表示することもできる。
【0035】
このように、第2実施形態に係る情報コード10aは、広告コード領域15を有しており、情報コード利用装置20により、第2実施形態に係る情報コード10aを読み取ることで、情報コード領域11に記録された特定情報に基づく情報を表示することに加え、広告コード領域15に記録された広告情報に基づく広告を表示することができる。
【0036】
次に、第2実施形態に係る情報コード10aを用いた情報コード利用システム100aについて説明する。図6は、第2実施形態に係る情報コード利用システム100aを示す構成図である。図6に示すように、第2実施形態に係る情報コード利用システム100aは、情報コード10aを生成する情報コード生成装置110と、カメラを備え、情報コード10aを読み取る情報コード読取装置120とを有する。以下においては、図6を参照して、情報コード読取装置120に、情報コード10aの情報コード領域11に記録された特定情報に基づく情報を表示させる場合に、情報コード10aの広告コード領域15に記録された広告情報に基づく広告も表示させることで、利用者に、情報コード10aの生成プログラムおよび読取プログラムを無料で、またはアファリエイトなどの報酬を付与して使用させる場面を例示して説明する。
【0037】
図6に示す例において、情報コード10aを生成したい利用者Aが、スマートフォンなどの利用者Aの情報端末に、本実施形態に係る情報コード10aの生成プログラムを専用サーバからダウンロードすることで、情報コード生成装置110が構成される。また、情報コード10aを読み取りたい利用者Bが、スマートフォンなどの利用者Bの情報端末に、本実施形態に係る情報コード10aの読取プログラムを専用サーバからダウンロードすることで、情報コード読取装置120が構成される。
【0038】
情報コード10aを生成したい利用者Aは、情報コード生成装置110を用いて、利用者Aが表示させたい情報に応じた特定情報を記録した情報コード領域11と、教師コード領域13と、所定の広告を表示させるための広告情報を記録した広告コード領域15とを含む情報コード10aを生成する。なお、図6に示す例では、プログラム提供者の任意の広告情報が広告コード領域15に記録されるように、情報コード10aの生成プログラムが予め構築されている。
【0039】
情報コード10aを読み取りたい利用者Bは、情報コード読取装置120を用いて、情報コード10aを読み取る。具体的には、情報コード読取装置120は、情報コード10aの教師コード領域13を構成する教師セル14の色情報を取得した後、教師セル14の色情報に基づいて、広告コード領域15を構成する広告セル16の色を識別する。そして、情報コード読取装置120は、色を識別した広告セル16からなる広告コード領域15から広告情報を読み出し、広告情報に基づく広告を表示部23のディスプレイに表示させる。また、情報コード読取装置120は、教師セル14の色情報に基づいて、情報コード領域11を構成する情報セル12の色を識別し、情報コード領域11から特定情報を読み出し、広告を表示した後または広告とともに、特定情報に基づく情報を表示する。
【0040】
以上のように、第2実施形態に係る情報コード10aでは、情報コード領域11および教師コード領域13に加えて、広告情報を記録した広告コード領域15を有する。これにより、第2実施形態に係る情報コード10aでは、情報コード領域11に記録された特定情報に基づく情報に加えて、広告コード領域15に記録された広告情報に基づく広告も表示することができる。
【0041】
なお、上述した第2実施形態では、情報コード10aは、広告を表示させるための広告情報を記録する広告コード領域15を有する構成を例示したが、この構成に限定されず、広告情報以外の情報、たとえばメッセージ、警告、同意文書などを表示させるための情報を記憶するコード領域を、情報コード領域11および教師コード領域13とは別に設ける構成としてもよい。
【0042】
≪第3実施形態≫
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図7は、第3実施形態に係る情報コード10bの一例を示す図である。図7に示すように、第3実施形態に係る情報コード10bでは、情報コード領域11の内側(情報コード10bの内側)に、教師コード領域13aが配置されている点で、第1実施形態に係る情報コード10と異なる。また、第3実施形態に係る情報コード10bでは、情報コード領域11よりも外側にも複数の教師コード領域13が配置されている。
【0043】
ここで、本発明において、「情報コード領域11の内側に教師コード領域13aが配置される」とは、教師コード領域13aの四方が情報コード領域11で囲われ、情報コード10bの中に教師コード領域13aが配置されていることを意味するものであり、図7においては、情報コード領域11の内側に配置された教師コード領域を教師コード領域13aとして例示している。そのため、図7に示す教師コード領域13は、情報コード領域11の内側に配置された教師コード領域には該当しない。ただし、後述する図8に示すように、全ての教師コード領域が情報コード領域11の内側に配置された構成としてもよいし、図7に示すように、複数の教師コード領域13,13aのうち一部の教師コード領域13aのみを、情報コード領域11の内側に配置する構成とすることもできる。また、図7に示す例では、情報コード領域11の内側に配置された教師コード領域13aは、情報コード領域11と隙間なく接している構成を例示しているが、この構成に限定されず、教師コード領域13aと情報コード領域11との間に隙間(空白)を設ける構成としてもよい。
【0044】
第3実施形態において、情報コード利用装置20は、以下のように、情報コード10bを読み取ることができる。すなわち、情報コード利用装置20の読取部21は、読み取り対象の情報セル12に最も近い教師コード領域13,13aを特定し、特定した教師コード領域13,13aを照合することで、読み取り対象の情報セル12の色を読み取ることができる。たとえば、図7に示す例に示す情報セル12Aが読み取り対象の情報セル12である場合、読取部21は、情報コード領域11の内側に位置する教師コード領域13aを読み取り対象の情報セル12Aに最も近い教師コード領域として特定し、この教師コード領域13aを参照して、読み取り対象の情報セル12Aの色を識別することができる。
【0045】
このように、第3実施形態では、情報コード10b(情報コード領域11)の内側にも教師コード領域13aを配置することで、情報コード領域11の中央側に位置する情報セル12についても、より近い位置に配置された教師コード領域13aを参照して、色を識別することができ、情報セル12の判定精度をより高めることができる。特に、情報セル12の色数が8色など多くなる場合には、各色の差が小さくなり、照明や反射により情報セル12の誤判定が多くなるため、第2実施形態に係る情報コード10bは有益なものとなる。
【0046】
≪第4実施形態≫
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図8は、第4実施形態に係る情報コード10cの一例を示す図である。図8に示すように、第4実施形態に係る情報コード10cでは、第3実施形態に係る情報コード10bと同様に、教師コード領域13b〜13bが情報コード領域11の内側に配置されている。また、第4実施形態に係る情報コード10cでは、図8に示すように、複数の教師コード領域13b〜13bが情報コード領域11の内側に配置されている。具体的には、図8に示す例では、9個の教師コード領域13b〜13bを有し、9個の教師コード領域13b〜13bの全てが情報コード領域11の内側に配置されている。
【0047】
また、第4実施形態では、全ての教師コード領域13b〜13bが均等間隔で配置されている。さらに、情報コード領域11の端部18〜18に近接する教師コード領域13b〜13b,13b〜13bは、それぞれが近接する情報コード領域11の端部18〜18までの距離が、それぞれが隣接する教師コード領域13b〜13bまでの距離と等しくなる位置に配置されている。たとえば、図8に示す教師コード領域13bでは、教師コード領域13bから教師コード領域13bまでの距離D、教師コード領域13bから教師コード領域13bまでの距離D、教師コード領域13bから教師コード領域13bまでの距離D、および、教師コード領域13bから教師コード領域13bに近接する情報コード領域11の端部18までの距離Dが全て同じ距離となる位置に配置されている。
【0048】
また言い換えると、第4実施形態においては、図8に示すように、情報コード10cを横方向において等分する分割線L〜Lと、情報コード10cを縦方向において等分する分割線L〜Lとの交点に、教師コード領域13bが配置される。たとえば、図8に示す例では、情報コード10cを横方向において4等分する分割線Lと、情報コード10cを縦方向において4等分する分割線Lとの交点に、教師コード領域13bが配置され、他の教師コード領域13b〜13b,13bも同様に、情報コード10cを横方向において4等分する分割線L〜Lと、情報コード10cを縦方向において4等分する分割線L〜Lとの交点に配置されている。
【0049】
なお、図8に示す例においては、教師コード領域13bの数を9個としているが、教師コード領域13bの数は9個に限定されず、情報コード10cの大きさ(情報セル12の数の多さ)に応じて4個、16個、25個などと変更することができる。ここで、情報セル12から教師コード領域13bまでの距離が遠くなるほど、情報セル12の判別精度が低下することが懸念される。そのため、どの位置にある情報セル12であっても、教師コード領域13bまでの距離が所定距離以下となるように、教師コード領域13bの数を調整することが有益である。たとえば、情報コード10cが128×128個のセルから構成される場合には、図8に示すように、9個の教師コード領域13b〜13を均等配置することで、どの位置にある情報セル12であっても、教師コード領域13bまでの距離をセル32個分の距離以下とすることができる。また、情報コード10cが256×256個のセルから構成される場合には、49個の教師コード領域13bを均等配置することで、同様に、どの位置にある情報セル12であっても、教師コード領域13bまでの距離をセル32個分の距離以下とすることができる。
【0050】
また、図8に示す例では、情報コード領域11の内部のみに教師コード領域13bを配置する構成を例示したが、この構成に限定されず、情報コード領域11の外側にも教師コード領域13を配置する構成とすることもできる(情報コード領域11の外側であって、情報コード領域11の端部18に接するように教師コード領域13を配置してもよいし、情報コード領域11から離れて教師コード領域13を配置する構成としてもよい。)。
【0051】
また、第4実施形態に係る教師コード領域13bの一例を、図9に示す。たとえば、情報セル12が4色で構成される場合、図9(A)に示すように、教師コード領域13bを構成する教師セル14を4色(たとえば青、赤、緑、黄)の教師セル14B,14R,14G,14Yで構成することができる。また、情報セル12が8色で構成される場合、図9(B)に示すように、教師コード領域13bを構成する教師セル14を8色(たとえば青、赤、緑、黄、紫、シアン、オレンジ、水色)の教師セル14B,14R,14G,14Y,14P,14C,14O,14Sで構成することができる。なお、図9(B)において、教師コード領域13bは、真ん中にセルは存在せず(空白のため印刷対象の色となる)、真ん中の空白を囲む8つの教師セル14で構成される。また、第4実施形態においても、図7に示すように(あるいは図2に示すように)、教師セル14を一列に配置して教師コード領域13を構成してもよい。同様に、上述した第1〜3実施形態においても、教師コード領域を図9に示すように全体として正方形となるように構成することもできる。
【0052】
第4実施形態においても、情報コード利用装置20の読取部21は、読み取り対象の情報セル12に最も近い教師コード領域13bを特定し、特定した教師コード領域13bを照合することで、読み取り対象の情報セル12の色を読み取ることができる。特に、第4実施形態に係る情報コード10cでは、情報コード領域11の内側に複数の教師コード領域13が存在するため、情報セル12から教師コード領域13までの距離を短くすることができ、その結果、情報セル12の判別精度を高めることができる。
【0053】
以上のように、第4実施形態では、情報コード10c(情報コード領域11)の内側に複数の教師コード領域13aを配置することで、情報コード領域11の中央側に位置する情報セル12についても、より近い位置に配置された教師コード領域13bを参照して、色を識別することができるため、情報セル12の判別精度をより高めることができる。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
10,10a…情報コード
11…情報コード領域
12…情報セル
18…端部
13,13a…教師コード領域
14…教師セル
15…広告コード領域
16…広告セル
17…切り出しシンボル
20…情報コード利用装置
21…読取部
22…情報処理部
23…表示部
110…情報コード生成装置
120…情報コード読取装置
【要約】
【課題】情報コードが記憶する特定情報を高い精度で読み取らせることが可能な情報コードを提供する。
【解決手段】2色以上の色付きの情報セル12から構成され、当該情報セル12を情報単位とする特定情報が記録された情報コード領域11と、情報セル12の色を識別するための、情報セル12と同色であり、かつ、情報セル12と同じ色数の教師セル14を有する教師コード領域13と、を有し、情報コード領域11の内側に教師コード領域13が配置されていることを特徴とする情報コード。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9