特許第6984852号(P6984852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984852
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】スイッチング電源回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20211213BHJP
   H02M 7/06 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   H02M3/28 K
   H02M7/06 P
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-554137(P2020-554137)
(86)(22)【出願日】2019年4月22日
(65)【公表番号】特表2021-517449(P2021-517449A)
(43)【公表日】2021年7月15日
(86)【国際出願番号】CN2019083637
(87)【国際公開番号】WO2019206067
(87)【国際公開日】20191031
【審査請求日】2020年9月30日
(31)【優先権主張番号】201810371989.5
(32)【優先日】2018年4月24日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520381160
【氏名又は名称】上海推拓科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI TUITUO TECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲じん▼紅
(72)【発明者】
【氏名】沈 卓
【審査官】 石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−133547(JP,A)
【文献】 特開平07−023560(JP,A)
【文献】 特開2002−027758(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0188270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
H02M 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Boostインダクタ、Boostコンデンサ、エネルギー蓄積コンデンサ、変圧器またはDC−DCインダクタ、第1スイッチングデバイス、出力整流素子、フィルタコンデンサ、フィードバック制御回路、第1整流回路および第2整流回路を含むスイッチング電源回路であって、
前記第1整流回路および前記エネルギー蓄積コンデンサは、第1整流回路を構成し、
前記第2整流回路および前記Boostコンデンサは、第2整流回路を構成し、
前記第1整流回路の出力端は、前記エネルギー蓄積コンデンサおよび前記Boostコンデンサの同極性端に接続され、
前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサ、前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記変圧器またはDC−DCインダクタおよび前記第1スイッチングデバイスは、Boost変換回路を構成し、
前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記変圧器またはDC−DCインダクタ、前記第1スイッチングデバイス、前記出力整流素子および前記フィルタコンデンサはDC−DCコンバータを構成し、
前記第1スイッチングデバイスが導通状態である場合、前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサおよび前記第1スイッチングデバイスは、第1Boost回路を形成し、前記Boostインダクタはエネルギーを蓄積するとともに、前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記第1スイッチングデバイスおよび前記変圧器またはDC−DCインダクタは、第1DC−DC回路を形成し、
前記第1スイッチングデバイスが遮断状態である場合、前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサ、前記エネルギー蓄積コンデンサおよび前記変圧器またはDC−DCインダクタは、第2Boost回路を形成するとともに、前記変圧器またはDC−DCインダクタ、前記出力整流素子および前記フィルタコンデンサは、第2DC−DC回路を形成し、
前記フィルタコンデンサは、エネルギーを負荷に提供し、
前記フィードバック制御回路は、特定の周波数およびデューティ比のチョッパに基づいて前記第1スイッチングデバイスの導通および遮断を駆動し、負荷への電圧、電流または電力の出力を制御することを特徴とするスイッチング電源回路。
【請求項2】
前記スイッチング電源回路は、第2スイッチングデバイスをさらに含み、
前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサ、前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記変圧器、前記第1スイッチングデバイスおよび前記第2スイッチングデバイスは、前記Boost変換回路を構成し、
前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記変圧器、前記第1スイッチングデバイス、前記第2スイッチングデバイス、前記出力整流素子、および前記フィルタコンデンサは、前記DC−DCコンバータを構成し、
前記第1スイッチングデバイスおよび前記第2スイッチングデバイスが導通状態である場合、前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサおよび前記第1スイッチングデバイスは、前記第1Boost回路を形成し、前記Boostインダクタは、エネルギーを蓄積するとともに、前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記第1スイッチングデバイス、前記第2スイッチングデバイスおよび前記変圧器は、前記第1DC−DC回路を形成し、
前記第1スイッチングデバイスが遮断状態であり、第2スイッチングデバイスが導通または遮断状態である場合、前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサ、前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記変圧器および前記第2スイッチングデバイスは、前記第2Boost回路を形成するとともに、前記変圧器、前記出力整流素子および前記フィルタコンデンサは、前記第2DC−DC回路を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
【請求項3】
前記スイッチング電源回路は、サージ制限回路をさらに含み、
前記サージ制限回路は、前記第1整流回路に結合され、前記第2整流回路、前記第1Boost回路、前記第2Boost回路および前記第1DC−DC回路に結合されない、ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
【請求項4】
前記スイッチング電源回路は、共振防止整流デバイスをさらに含み、
前記第1スイッチングデバイスが遮断状態であり、かつ前記Boostインダクタ電流がゼロに復帰した後、前記共振防止整流デバイスは、前記エネルギー蓄積コンデンサが前記Boostインダクタおよび前記Boostコンデンサを充電することを阻止する、ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
【請求項5】
前記DC−DCコンバータは、フライバック電源回路であり、
前記変圧器またはDC−DCインダクタは、フライバック変圧器であり、
前記フライバック変圧器は、二次コイルにより出力整流素子およびフィルタコンデンサを介してエネルギーを負荷に提供する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスイッチング電源回路。
【請求項6】
前記DC−DCコンバータは、フォワード電源回路であり、
前記スイッチング電源回路は、励起インダクタをさらに含み、
前記出力整流素子は、第1出力整流素子および第2出力整流素子を含み、
前記変圧器の二次コイルは、前記第1出力整流素子および前記第2出力整流素子により前記励起インダクタを充電し、
前記励起インダクタは、フィルタコンデンサによりエネルギーを負荷に提供する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスイッチング電源回路。
【請求項7】
前記DC−DCコンバータは、Buck−Boost回路であり、
前記変圧器またはDC−DCインダクタは、Buck−Boostインダクタであり、
前記Buck−Boostインダクタは、出力整流素子および前記フィルタコンデンサによりエネルギーを負荷に提供する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスイッチング電源回路。
【請求項8】
前記DC−DCコンバータは、ZETA回路であり、
前記スイッチング電源回路は、カップリングコンデンサおよび励起インダクタをさらに含み、
前記変圧器またはDC−DCインダクタは、ZETAインダクタであり、
前記ZETAインダクタは、前記カップリングコンデンサおよび前記出力整流素子により前記励起インダクタを充電し、
前記励起インダクタは、前記フィルタコンデンサによりエネルギーを負荷に提供する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスイッチング電源回路。
【請求項9】
前記DC−DCコンバータは、ダブルエンドプッシュプル回路であり、
前記スイッチング電源回路は、励起インダクタをさらに含み、
前記出力整流素子は、第1出力整流素子および第2出力整流素子を含み、
前記変圧器は、二次コイルは、前記第1出力整流素子および前記第2出力整流素子により前記励起インダクタを充電し、
前記励起インダクタは、前記フィルタコンデンサによりエネルギーを負荷に提供する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスイッチング電源回路。
【請求項10】
前記DC−DCコンバータは、SEPIC回路であり、
前記スイッチング電源回路は、カップリングコンデンサおよび励起インダクタをさらに含み、
前記変圧器またはDC−DCインダクタは、SEPICインダクタおよび前記励起インダクタを含み、
前記第1スイッチングデバイスが導通状態である場合、前記エネルギー蓄積コンデンサは、前記SEPICインダクタを充電し、エネルギーを蓄積し、前記カップリングコンデンサは、前記励起インダクタを充電するとともに、前記フィルタコンデンサが蓄積したエネルギーを負荷に放出し、
前記第1スイッチングデバイスが遮断状態である場合、前記SEPICインダクタは、前記カップリングコンデンサ、前記フィルタコンデンサおよび前記出力整流素子によりエネルギー出力を負荷に提供し、前記励起インダクタは、前記出力整流素子および前記フィルタコンデンサによりエネルギー出力を負荷に提供する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスイッチング電源回路。
【請求項11】
前記第1整流回路および前記第2整流回路は、ダイオードまたはスイッチングデバイスを整流デバイスとして含み、
前記整流デバイスがスイッチングデバイスである場合、前記スイッチング電源回路は、交流位相監視・整流制御回路をさらに含み、前記交流位相監視・整流制御回路は、前記第1整流回路および前記第2整流回路に入力された交流電流の位相を監視し、前記スイッチングデバイスの導通および遮断を制御する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスイッチング電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーエレクトロニクス技術分野に関し、特にスイッチング電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
Boost昇圧回路とシングルエンド、ダブルエンド型DC−DCコンバータ(フライバック、フォワード、Buck−Boost、プッシュプル、ZetaまたはSEPIC)とを組み合わせたスイッチング電源回路は、昇圧後の出力への変換、および交流力率補正の機能を実現することができる。
【0003】
電気設備は、交流送電網のAC−DC電源に接続され、IEC61000−3−2の電流高調波に対する強制要求を満たす必要がある。異なる設備および応用に対して、IEC61000−3−2には、ClassA、ClassB、ClassC、ClassDの電流高調波の限制標準が規定されている。
【0004】
現在のスイッチング型安定化電源技術は、主に以下の計画により対応している。ClassA:80W以下の電源である場合、対策なしで満たすことができる。80〜120Wの電源である場合、パッシブ素子(インダクタ、抵抗器)のパッシブPFC(力率補正)回路を使用する。80W以上の電源である場合、アクティブPFC回路(従来のBoost回路)を使用することができる。ClassB:100W以下の電源である場合、対策なしで満たすことができる。100〜150Wの電源である場合、パッシブ素子(インダクタ、抵抗器)のパッシブPFC回路を使用する。100W以上の電源である場合、アクティブPFC回路(従来のBoost回路)を使用する。ClassC:アクティブPFC回路(従来のBoost回路)。ClassD:アクティブPFC回路(従来のBoost回路)。
【0005】
力率補正を実現するPFC回路は、アクティブおよびパッシブに分けられる。以下は両者の性能比較である。
抵抗パッシブPFCは、実現方法が簡単で、コストが極めて低いが、損失が大きく、温度が高く、力率が低いため、大電力電源に適されず、ClassC、ClassD設備に適されない。インダクタパッシブPFCは、実現方法が簡単で、コストが低いが、損失が大きく、力率が低いため、大電力電源に適されず、ClassC、ClassD設備に適されない。Boost昇圧回路(アクティブPFC回路)は、力率が高く、効率が高く、ClassC、ClassD設備の要求を満たすことができ、大、中、小電力のいずれにも適されるが、回路が複雑で、素子の数が多く、コストが高く、体積が大きい。
【0006】
図1に示されるアクティブPFC(Boost昇圧回路)は、効果が最も高い力率補正回路である。従来のアクティブ力率補正回路を含むスイッチング型安定化電源は、整流回路500、Boost−PFC回路400およびDC−DCコンバータ300からなる。図1に示される実際の回路トポロジーにおいて、DC−DCコンバータ300は、フライバックまたはフォワードであり、Boost−PFC回路400およびDC−DCコンバータ300はそれぞれ独立して動作し、それぞれ互いに独立したPFCフィードバックPWM制御回路100およびDC−DCフィードバックPWM制御回路200により制御される。Boost−PFC回路の原理は、以下の通りである。1)Q200が導通され、インダクタL100はC100に交流入力された電圧により励起されてエネルギーを蓄積する。2)Q200が遮断され、L100上の誘導電圧とC100に交流入力された電圧とが重なり合い、C200を充電する。このようにして、C200上の電圧は常に交流入力電圧よりも大きいため、Boostは昇圧トポロジーである。Q200のデューティ比は、PFCフィードバックPWM制御回路により制御され、C200上の安定した電圧出力(一般には380Vdc)を実現する。上記従来の回路方式により、非常に高い力率が実現され、IEC61000−3−2の要求が満たされるが、以下の問題が発生する。(1)力率を向上させるために、複雑なPWM制御回路が必要である。(2) PFCにPWM制御回路を提供する給電回路が必要である。(3)独立したスイッチング素子と駆動回路、および電流サンプリング抵抗器R100が必要である。(4)比較的大きな基板空間が必要であり、回路設計が困難である。(5)素子が多く、成本が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来のBoost昇圧回路が複雑である問題を解決できるスイッチング電源回路を提供することを目的とする。
【0008】
上記問題を達成するための本発明に係るスイッチング電源回路は、Boostインダクタ、Boostコンデンサ、エネルギー蓄積コンデンサ、変圧器またはDC−DCインダクタ、第1スイッチングデバイス、出力整流素子、フィルタコンデンサ、フィードバック制御回路、第1整流回路および第2整流回路を含み、
前記第1整流回路および前記エネルギー蓄積コンデンサは、第1整流回路を構成し、
前記第2整流回路および前記Boostコンデンサは、第2整流回路を構成し、
前記第1整流回路の出力端は、前記エネルギー蓄積コンデンサおよび前記Boostコンデンサの同極性端に接続され、
前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサ、前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記変圧器またはDC−DCインダクタおよび前記第1スイッチングデバイスは、Boost変換回路を構成し、
前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記変圧器またはDC−DCインダクタ、前記第1スイッチングデバイス、前記出力整流素子および前記フィルタコンデンサはDC−DCコンバータを構成し、
前記第1スイッチングデバイスが導通状態である場合、前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサおよび前記第1スイッチングデバイスは、第1Boost回路を形成し、前記Boostインダクタはエネルギーを蓄積するとともに、前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記第1スイッチングデバイスおよび前記変圧器またはDC−DCインダクタは、第1DC−DC回路を形成し、
前記第1スイッチングデバイスが遮断状態である場合、前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサ、前記エネルギー蓄積コンデンサおよび前記変圧器またはDC−DCインダクタは、第2Boost回路を形成するとともに、前記変圧器またはDC−DCインダクタ、前記出力整流素子および前記フィルタコンデンサは、第2DC−DC回路を形成し、
前記フィルタコンデンサの出力は負荷に接続され、
前記フィードバック制御回路は、特定の周波数およびデューティ比のチョッパに基づいて前記第1スイッチングデバイスの導通および遮断を駆動し、負荷への電圧、電流または電力の出力を制御する。
【0009】
好ましくは、前記スイッチング電源回路において、第2スイッチングデバイスをさらに含み、
前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサ、前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記変圧器、前記第1スイッチングデバイスおよび前記第2スイッチングデバイスは、前記Boost変換回路を構成し、
前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記変圧器、前記第1スイッチングデバイス、前記第2スイッチングデバイス、前記出力整流素子、および前記フィルタコンデンサは、前記DC−DCコンバータを構成し、
前記第1スイッチングデバイスおよび前記第2スイッチングデバイスが導通状態である場合、前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサおよび前記第1スイッチングデバイスは、前記第1Boost回路を形成し、前記Boostインダクタは、エネルギーを蓄積するとともに、前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記第1スイッチングデバイス、前記第2スイッチングデバイスおよび前記変圧器は、前記第1DC−DC回路を形成し、
前記第1スイッチングデバイスが遮断状態であり、第2スイッチングデバイスが導通または遮断状態である場合、前記Boostインダクタ、前記Boostコンデンサ、前記エネルギー蓄積コンデンサ、前記変圧器および前記第2スイッチングデバイスは、前記第2Boost回路を形成するとともに、前記変圧器、前記出力整流素子および前記フィルタコンデンサは、前記第2DC−DC回路を形成する。
【0010】
好ましくは、前記スイッチング電源回路において、サージ制限回路をさらに含み、
前記サージ制限回路は、前記第1整流回路に結合され、前記第2整流回路、前記第1Boost回路、前記第2Boost回路および前記第1DC−DC回路に結合されない。
【0011】
好ましくは、前記スイッチング電源回路において、共振防止整流デバイスをさらに含み、
前記第1スイッチングデバイスが遮断状態であり、かつ前記Boostインダクタ電流がゼロに復帰した後、前記共振防止整流デバイスは、前記エネルギー蓄積コンデンサが前記Boostインダクタおよび前記Boostコンデンサを充電することを阻止する。
【0012】
好ましくは、前記スイッチング電源回路において、前記DC−DCコンバータは、フライバック電源回路であり、
前記変圧器またはDC−DCインダクタは、フライバック変圧器であり、
前記フライバック変圧器は、二次コイルにより出力整流素子およびフィルタコンデンサを介して負荷に出力する。
【0013】
好ましくは、前記スイッチング電源回路において、前記DC−DCコンバータは、フォワード電源回路であり、
前記スイッチング電源回路は、励起インダクタをさらに含み、
前記出力整流素子は、第1出力整流素子および第2出力整流素子を含み、
前記変圧器の二次コイルは、前記第1出力整流素子および前記第2出力整流素子により前記励起インダクタを充電し、
前記励起インダクタは、フィルタコンデンサにより負荷に出力する。
【0014】
好ましくは、前記スイッチング電源回路において、前記DC−DCコンバータは、Buck−Boost回路であり、
前記変圧器またはDC−DCインダクタは、Buck−Boostインダクタであり、
前記Buck−Boostインダクタは、出力整流素子および前記フィルタコンデンサにより負荷に出力する。
【0015】
好ましくは、前記スイッチング電源回路において、前記DC−DCコンバータは、ZETA回路であり、
前記スイッチング電源回路は、カップリングコンデンサおよび励起インダクタをさらに含み、
前記変圧器またはDC−DCインダクタは、ZETAインダクタであり、
前記ZETAインダクタは、前記カップリングコンデンサおよび前記出力整流素子により前記励起インダクタを充電し、
前記励起インダクタは、前記フィルタコンデンサにより負荷に出力する。
【0016】
好ましくは、前記スイッチング電源回路において、前記DC−DCコンバータは、ダブルエンドプッシュプル回路であり、
前記スイッチング電源回路は、励起インダクタをさらに含み、
前記出力整流素子は、第1出力整流素子および第2出力整流素子を含み、
前記変圧器は、二次コイルは、前記第1出力整流素子および前記第2出力整流素子により前記励起インダクタを充電し、
前記励起インダクタは、前記フィルタコンデンサにより負荷に出力する。
【0017】
好ましくは、前記スイッチング電源回路において、前記DC−DCコンバータは、SEPIC回路であり、
前記スイッチング電源回路は、カップリングコンデンサおよび励起インダクタをさらに含み、
前記変圧器またはDC−DCインダクタは、前記SEPICインダクタおよび前記励起インダクタを含み、
前記第1スイッチングデバイスが導通状態である場合、前記エネルギー蓄積コンデンサは、SEPICインダクタを充電し、エネルギーを蓄積し、前記カップリングコンデンサは、前記励起インダクタを充電するとともに、前記フィルタコンデンサが蓄積したエネルギーを負荷に放出し、
前記第1スイッチングデバイスが遮断状態である場合、前記変圧器またはDC−DCインダクタは、前記カップリングコンデンサ、前記フィルタコンデンサおよび前記出力整流素子によりエネルギー出力を負荷に提供し、前記励起インダクタは、前記出力整流素子および前記フィルタコンデンサによりエネルギー出力を負荷に提供する。
【0018】
好ましくは、前記スイッチング電源回路において、前記第1整流回路および前記第2整流回路は、ダイオードまたはスイッチングデバイスを整流デバイスとして含み、
前記整流デバイスがスイッチングデバイスである場合、前記スイッチング電源回路は、交流位相監視・整流制御回路をさらに含み、前記交流位相監視・整流制御回路は、前記第1整流回路および前記第2整流回路に入力された交流電流の位相を監視し、前記スイッチングデバイスの導通および遮断を制御する。
【発明の効果】
【0019】
本発明で提供されるスイッチング電源回路において、エネルギー蓄積コンデンサおよびBoostコンデンサに対する2つの入力整流回路出力電圧があり、エネルギー蓄積コンデンサとBoostコンデンサの同端は互いに接続され、エネルギー蓄積コンデンサは、Boost回路の出力コンデンサでもあり、DC−DCコンバータを有し、エネルギー蓄積コンデンサ(電圧正端)と、DC−DCコンバータの正入力端(変圧器の一次コイル、Buck−BoostインダクタまたはZETAインダクタなど)との間の第1スイッチングデバイスに接続され、BoostインダクタとBoostコンデンサは直列接続されてから第1スイッチングデバイスに並列接続され、Boostコンデンサの一端は、エネルギー蓄積コンデンサの電圧正端に接続され、他端は、第2整流回路により交流入力電圧両極(L,N)または直流入力負極に接続され、第1スイッチングデバイスのオン(導通)およびオフ(遮断)を制御するフィードバック制御回路により、スイッチング電源回路の変換出力を実現し、Boost回路とDC−DC(フライバック、Buck−boost、フォワード、プッシュプル、Zetaなど)従来のスイッチング電源トポロジーとの併用により入力電圧の昇圧および変換を実現し、交流給電に対する力率の補正を実現することができる。本発明のスイッチング電源回路は、アクティブPFC回路(boost昇圧回路)を有し、優れたアクティブな力率補正特性を有する。PFC回路を使用することにより、DC−DCコンバータ(フライバック、フォワード)におけるPWM(またはPFM)制御回路および電力スイッチング素子(第1スイッチングデバイス)において、従来のBoost−PFC回路におけるPWM制御および電力スイッチング素子が節約されるため、コストおよび体積が節約され、電源製品の設計が簡単化され、高性能、低コスト、小型化の利点を有する。
【0020】
本発明によれば、コストが低く、素子数が少なく、小型化可能で、アクティブ力率補正を有する電源回路が提供される。まず、その力率補正効果により、入力ACに近い正弦波電流波形を得ることができ、IEC61000−3−2の入力高調波の要求を満たすことができる。また、本発明のBoost昇圧回路とフライバック(またはフォワード)DC−DCコンバータは、1つのスイッチング素子を共用できるため、従来のPFC計画のスイッチング素子およびその駆動回路が省略され、複雑な力率補正フィードバック制御回路が除去されることにより、コストが低減し、素子の数が減少され、回路が簡単化され、信頼性が向上するとともに、小さい基板空間だけで取り付けることができる。さらに、DC−DC主変圧器は、スイッチング素子が遮断状態であるときの電流が、スイッチング素子が導通状態であるときの電流と反対であるため、部分的に変圧器のリセットを助けることができ、ことにより、磁気誘導強度Bmaxが減少され、鉄損が減少され、飽和が防止され、素子コストの削減に有利である。さらに、このアクティブ力率補正回路はDC−DCのPWM制御により、開ループ制御に設計され得るため、ループ安定性の問題がなく、従来のアクティブ力率補正回路の起動、動作時の閉ループ制御による騒音の問題もない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来の力率補正回路を含むBoost−PFCのフライバックスイッチング電源の模式図である。
図2】本発明の一実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図3】本発明の他の実施例の第1スイッチングデバイスが導通状態である場合の電流回路の模式図である。
図4】本発明の他の実施例の第1スイッチングデバイスが遮断状態である場合のBoost電流回路の模式図である。
図5】本発明の他の実施例の第1スイッチングデバイスが遮断状態である場合の共振電流回路の模式図である。
図6】発明の他の実施例のスイッチング電源回路の動作波形の模式図である。
図7】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図8】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の制御波形図である。
図9】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図10】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図11】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図12】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図13】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図14】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図15】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図16】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図17】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図18】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
図19】従来技術と本発明の力率補正された入力電流波形の比較図である。
図20】従来技術と本発明のスイッチング電源回路のIEC61000−3−2class Aの結果比較図である。
図21】本発明の他の実施例のスイッチング電源回路の回路模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、具体的な実施例により本発明に係るスイッチング電源回路についてさらに詳しく説明する。以下の説明および特許請求の範囲によれば、本発明の有益な効果および技術的特徴はさらに明瞭になる。なお、図面は本発明の実施例を理解しやすいように補助的な目的で用いられ、簡略化された形式により表示され、正確な比例関係を有しない。
【0023】
本発明の技術的思想は、従来のBoost昇圧回路が複雑である問題を解決するために、スイッチング電源回路を提供することである。
上記技術的思想を実現するために、本発明に係るスイッチング電源回路は、Boostインダクタ、Boostコンデンサ、エネルギー蓄積コンデンサ、変圧器またはDC−DCインダクタ、第1スイッチングデバイス、出力整流素子、フィルタコンデンサ、フィードバック制御回路、第1整流回路および第2整流回路を含み、
上記第1整流回路および上記エネルギー蓄積コンデンサは、第1整流回路を構成し、
上記第2整流回路および上記Boostコンデンサは、第2整流回路を構成し、
上記第1整流回路の出力端は、上記エネルギー蓄積コンデンサおよび上記Boostコンデンサの同極性端に接続され、
上記Boostインダクタ、上記Boostコンデンサ、上記エネルギー蓄積コンデンサ、上記変圧器またはDC−DCインダクタおよび上記第1スイッチングデバイスは、Boost変換回路を構成し、
上記エネルギー蓄積コンデンサ、上記変圧器またはDC−DCインダクタ、上記第1スイッチングデバイス、上記出力整流素子および上記フィルタコンデンサはDC−DCコンバータを構成し、
上記第1スイッチングデバイスが導通状態である場合、上記Boostインダクタ、上記Boostコンデンサおよび上記第1スイッチングデバイスは、第1Boost回路を形成し、上記Boostインダクタはエネルギーを蓄積するとともに、上記エネルギー蓄積コンデンサ、上記第1スイッチングデバイスおよび上記変圧器またはDC−DCインダクタは、第1DC−DC回路を形成し、
上記第1スイッチングデバイスが遮断状態である場合、上記Boostインダクタ、上記Boostコンデンサ、上記エネルギー蓄積コンデンサおよび上記変圧器またはDC−DCインダクタは、第2Boost回路を形成するとともに、上記変圧器またはDC−DCインダクタ、上記出力整流素子および上記フィルタコンデンサは、第2DC−DC回路を形成し、
上記フィルタコンデンサの出力(即ち両端)は負荷に接続され、
上記フィードバック制御回路は、特定の周波数およびデューティ比のチョッパに基づいて上記第1スイッチングデバイスの導通および遮断を駆動し、負荷への電圧、電流または電力の出力を制御する。
【0024】
本発明の一実施例に係るスイッチング電源回路は、図2〜5、7、9〜18、21に示すように、BoostインダクタL1、BoostコンデンサC1、エネルギー蓄積コンデンサC2、変圧器またはDC−DCインダクタT1、第1スイッチングデバイスQ1、出力整流素子Ds1、フィルタコンデンサCs1、フィードバック制御回路40、第1整流回路11および第2整流回路12を含む。上記第1スイッチングデバイスQ1は、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、IGBT、炭化ケイ素または窒化ガリウムトランジスタなどである。上記第1整流回路11および上記エネルギー蓄積コンデンサC2は第1整流回路を構成し、上記第2整流回路12および上記BoostコンデンサC1は第2整流回路を構成する。上記第1整流回路の出力端は、上記エネルギー蓄積コンデンサC2および上記BoostコンデンサC1の同極性端に接続される。上記BoostインダクタL1、上記BoostコンデンサC1、上記エネルギー蓄積コンデンサC2、上記変圧器またはDC−DCインダクタT1および上記第1スイッチングデバイスQ1は、Boost変換回路20を構成する。上記エネルギー蓄積コンデンサC2、上記変圧器またはDC−DCインダクタT1、上記第1スイッチングデバイスQ1、上記出力整流素子Ds1および上記フィルタコンデンサCs1は、DC−DCコンバータ30を構成する。上記第1スイッチングデバイスQ1が導通状態である場合、上記BoostインダクタL1、上記BoostコンデンサC1および上記第1スイッチングデバイスQ1は第1Boost回路を形成し、上記BoostインダクタL1はエネルギーを蓄積するとともに、上記エネルギー蓄積コンデンサC2、上記第1スイッチングデバイスQ1および上記変圧器またはDC−DCインダクタT1は第1DC− DC回路を形成する。上記第1スイッチングデバイスQ1が遮断状態である場合、上記BoostインダクタL1、上記BoostコンデンサC1、上記エネルギー蓄積コンデンサC2および上記変圧器またはDC−DCインダクタT1は第2Boost回路を形成するとともに、上記変圧器またはDC−DCインダクタT1、上記出力整流素子Ds1および上記フィルタコンデンサCs1は第2DC−DC回路を形成する。上記フィルタコンデンサCs1の出力(すなわち、両端)は負荷に接続される。上記フィードバック制御回路40は、特定の周波数およびデューティ比のチョッパに基づいて第1スイッチングデバイスQ1の導通および遮断を駆動し、負荷への電圧、電流または電力の出力を制御する。
【0025】
例えば、図2に示される具体的な回路構造において、上記第1整流回路11は、上記エネルギー蓄積コンデンサC2の両端に接続され、上記第2整流回路12は、上記BoostコンデンサC1の両端に接続され、上記BoostコンデンサC1の第1電極は、上記エネルギー蓄積コンデンサC2の第1電極および上記第1スイッチングデバイスQ1のソースに接続され、上記BoostコンデンサC1の第2電極は、上記BoostインダクタL1の第1電極に接続され、上記BoostインダクタL1の第2電極は、上記第1スイッチングデバイスQ1のドレインおよび上記DC−DCコンバータの正入力端(変圧器の一次コイルの入力端、Buck−Boostインダクタの入力端またはZETAインダクタの入力端など)に接続され、上記エネルギー蓄積コンデンサC2の第2電極は、上記DC−DCコンバータの負入力端またはセンタータップ(変圧器の一次コイルの出力端、Buck−Boostインダクタの出力端またはZETAインダクタの出力端など)に接続され、上記第1スイッチングデバイスQ1の制御極は、上記フィードバック制御回路40の出力端に接続され、上記フィードバック制御回路40の入力端は、上記DC−DCコンバータの出力端に接続され、すなわち、フィードバック制御回路40はDC−DCコンバータの出力端からその出力電圧をサンプリングし、出力電圧に基づいて第1スイッチングデバイスの導通および遮断を制御し、理想的な出力電圧値を実現する。
【0026】
本発明のスイッチング電源回路は、2つの入力整流回路、PFC力率補正回路(Boost昇圧)、シングルエンド型またはダブルエンド型DC−DCコンバータ、Boost変換回路20のBoostコンデンサC1に対数r第1整流回路11およびエネルギー蓄積コンデンサC2に対する第2整流回路12を備える。2つの整流回路は重なっているが異なる。重なっている部分は、BoostコンデンサC1の整流電圧正端およびエネルギー蓄積コンデンサC2の整流電圧正端(D5およびD6)である。第1スイッチングデバイスQ1は、整流DC電圧の高圧(正)端に接続され、DC−DCコンバータ変圧器T1の一次コイルに接続される。BoostインダクタL1とBoostコンデンサC1が直列接続された後、第1スイッチングデバイスの両端に並列接続される。BoostコンデンサC1の一端は整流DC電圧の高圧(正)端(エネルギー蓄積コンデンサC2の高圧端)に接続され、他端は入力整流素子D3,D4によりそれぞれ交流入力の両極に接続される。
【0027】
本発明の力率補正回路を実現する原理は以下の通りである。Q1は、フライバックまたはフォワードDC−DCコンバータのスイッチング素子であり、PFCの主なスイッチング素子でもあり、PWMの制御により、DC−DCの電力伝送過程における駆動と入力力率補正の駆動との両方を達成する。手順は以下の通りである。図3に示される状態1では、Q1が導通され、BoostインダクタL1がC1に交流入力され、D3、D4の電圧により励起されてエネルギーを蓄積する。同時に、Q1はDC−DCコンバータの変圧器T1を駆動する。Q1が導通状態である場合、エネルギー蓄積コンデンサC2上のエネルギーは、Q1を介して主変圧器T1の一次コイルNpに流れる。回路および方向は、実線の矢印に示される。DC−DC変換されたエネルギーはT1に蓄積される。同時に、交流入力電圧の変化を反映するBoostコンデンサC1上のエネルギーは、Q1を介してBoostインダクタL1に流れる。回路および方向は、点線の矢印に示される。Boost型昇圧変換されたエネルギーはL1に蓄積される。
【0028】
図4に示される状態2では、Q1が遮断され、変圧器T1は交流エネルギー伝送を実現する。L1上の誘導電圧とC1に交流入力された電圧とが重なり合い、DC−DC主変圧器T1の一次コイルを流れ、C2を充電する。T1に蓄積されたエネルギーは、一次コイル側に放出回路がないため、二次コイルNsを経過し、出力整流素子Ds1によりフィルタコンデンサCs1に出力され、出力負荷に放出される。このようにして、フライバックDC−DCコンバータの絶縁エネルギーの変換および伝送が完成する。エネルギーの伝送量は、フィードバック制御回路40により制御される。また、BoostインダクタL1に蓄積されたエネルギーは、Q1が遮断される瞬間に誘導電圧が発生し、BoostコンデンサC1上の電圧と重なり合った後、主変圧器T1の一次側コイルを介してエネルギー蓄積コンデンサC2を充電し、Boost昇圧変換が完成する。小さな部分のエネルギーはT1により二次側に伝送されるため、損失がない。Boost昇圧PFC回路は、BoostインダクタL1、BoostコンデンサC1によりそれぞれスイッチング素子Q1の導通および遮断時間帯において、交流入力された電圧および位相変化に基づいて、交流入力からエネルギーを取得し、交流入力電流を交流入力電圧に同期させることにより、力率補正の機能が実現され、素子の数およびコストが従来のアクティブPFCよりも大幅に減少された状況でIEC61000−3−2標準の要求を満たすことができる。
【0029】
図5に示される状態3では、BoostインダクタL1のエネルギーが完全に放出され、Q1が引き続き遮断状態である場合、電流共振が発生し、L1およびT1はQ1が導通されるときの状態と同様にエネルギー蓄積を行う。動作周波数が非常に高く、共振総インダクタンス(L1+T1)が非常に大きい場合、この共振電流は非常に小さく、時間はQ1の遮断時間よりも遥かに長く、無視することができる。このようにして、C2上の電圧は交流入力電圧よりも大きく、boost昇圧が完成する。Q1のデューティ比は、PWM制御回路により制御され、フィードバックによりデューティ比を制御することにより、安定したDC−DC電圧出力が得られる。このPWMは、PFC−boost昇圧も制御し、歩調がDC−DCに一致する。また、PWMのデューティ比が同じである場合、C2上の電圧およびDC−DCはデューティ比を比例関係に調節することにより、PWMはフィードバックによりデューティ比を調節してDC−DC出力を制御すると同時に、同方向にC2上の電圧を調整し、フィードバックのゲインを増大させ、DC−DC出力の波紋抑制に有利である。状態1から状態3の動作波形を図6に示す。Boostインダクタは、連続電流モードで動作する場合、状態3のBoostインダクタとBoostコンデンサの共振が発生しない。図21は、本実施例(図2)の負端に接続される回路模式図であり、動作原理は本実施例と一致する。
【0030】
アクティブPFCとフライバックDC−DCコンバータの組み合わせ部分:一次側のエネルギー蓄積コンデンサC2、スイッチング素子Q1、主変圧器T1、二次側の出力整流素子Ds1、フィルタコンデンサCs1およびフィードバック制御回路40は、シングルエンドフライバックDC−DCコンバータを構成し、スイッチング素子Q1、BoostインダクタL1、BoostコンデンサC1、およびエネルギー蓄積コンデンサC2は、Boost型アクティブPFC回路を構成する。
【0031】
具体的には、上記スイッチング電源回路において、上記第1整流回路は、第1整流デバイスD1および第2整流デバイスD2を含み、上記第2整流回路は、第3整流デバイスD3および第4整流デバイスD4を含み、上記第1整流デバイスD1および上記第2整流デバイスD2は第5整流デバイスD5および第6整流デバイスD6と共にフルブリッジ整流回路を構成し、上記第3整流デバイスD3および上記第4整流デバイスD4は上記第5整流デバイスD5および上記第6整流デバイスD6と共に他のフルブリッジ整流回路を構成する。あるいは、図9に示すように、上記スイッチング電源回路において、上記第1整流回路は、第3整流デバイスD3を含み、上記第2整流回路は第4整流デバイスD4を含み、第1整流デバイスD1および上記第3整流デバイスD3はハーフブリッジ整流回路を構成し、上記第1整流デバイスD1および上記第4整流デバイスD4は他のハーフブリッジ整流回路を構成する。ハーフブリッジ整流回路は、直流DCまたは全波、半波交流入力条件下で使用され、動作原理がフルブリッジ整流回路と一致し、入力を昇圧した後に変換することができ、入力低電圧動作範囲を拡大することができる。D1、D3、D4は、それぞれ低インピーダンスのスイッチング素子に代替することができ、同様に整流の機能を実現し、電源の効率を向上させることができる。
【0032】
さらに、上記スイッチング電源回路において、上記整流デバイスはダイオードまたはスイッチングデバイスである。例えば、図7に示すように、第3整流デバイスD3および第4整流デバイスD4は電界効果トランジスタである。いくつかの整流デバイスがスイッチングデバイスである場合、上記スイッチング電源回路は、交流位相監視・整流制御回路50をさらに含む。上記交流位相監視・整流制御回路50は、上記第1整流回路(第1整流デバイスD1および/または第2整流デバイスD2)および上記第2整流回路(第3整流デバイスD3および/または第4整流デバイスD4)が入力した交流電流の位相を監視することにより、上記電界効果トランジスタ(例えば第3整流デバイスD3および第4整流デバイスD4)の導通および遮断を制御する。図8は、位相監視整流制御に入力された後の波形例の図である。Boost入力整流素子ダイオードD3、D4は、低インピーダンススイッチング素子および電界効果トランジスタなどで代替されることにより、高効率と省エネの目的が達成される。このBoost動作原理は上記と一致する。整流部分によりエネルギー蓄積コンデンサC2を充電し、BoostコンデンサC1を整流充電し、制御回路により交流電圧および位相を監視することにより、D3、D4スイッチング素子の導通および遮断を制御し、全波整流のC1に対する充電を実現する。交流正方向半波過程において、D3またはD4スイッチング素子は、継続的に導通されるように設計できるため、スイッチング損失がなく、その効率はブリッジレス(Bridgeless)PFC回路よりも高い。D3、D4の駆動デッドタイムを制御することにより、耐サージ機能を向上できる。
【0033】
二重整流部分:D1、D2、D5、D6は交流入力電圧に対して全波整流を行い、そのエネルギーがエネルギー蓄積コンデンサC2に蓄積される。Boost回路が動作した後、Boostがエネルギーを出力することにより、C2上の電圧が交流入力電圧よりも高く、交流入力電圧がC2を充電しなくなる。Boost回路のエネルギー出力がC2上の電圧を交流入力電圧よりも高くするのに十分でない場合、交流入力は引き続きC2を充電することができる。D3〜D6は、他の全波整流回路を構成し、BoostコンデンサC1を充填する。Boostコンデンサの容量が小さいので、C1上の電圧は、基本的に交流入力電圧の全波整流された後の波形に近い。アクティブPFC−Boost回路において、C1の主な作用は、高周波数のスイッチングノイズを除去し、EMI干渉を低減させることである。
【0034】
図10に示すように、上記スイッチング電源回路において、上記スイッチング電源回路は、第2スイッチングデバイスQ2をさらに含む。上記BoostインダクタL1、上記BoostコンデンサC1、上記エネルギー蓄積コンデンサC2、上記変圧器T1、上記第1スイッチングデバイスQ1および上記第2スイッチングデバイスQ2は、Boost変換回路20を構成する。上記エネルギー蓄積コンデンサC2、上記変圧器T1、上記第1スイッチングデバイスQ1、上記第2スイッチングデバイスQ2、上記出力整流素子Ds1、上記フィルタコンデンサCs1は、DC−DCコンバータ30を構成する。上記第1スイッチングデバイスQ1および上記第2スイッチングデバイスQ2が導通状態である場合、上記BoostインダクタL1、上記BoostコンデンサC1および上記第1スイッチングデバイスQ1は第1Boost回路を形成し、上記BoostインダクタL1はエネルギーを蓄積し、上記エネルギー蓄積コンデンサL2、上記第1スイッチングデバイスQ1、上記第2スイッチングデバイスQ2および上記変圧器T1は第1DC−DC回路を形成する。上記第1スイッチングデバイスQ1が遮断状態であり、第2スイッチングデバイスQ2が導通または遮断状態である場合、上記BoostインダクタL1、上記BoostコンデンサC1、上記エネルギー蓄積コンデンサC2、上記変圧器T1および上記第2スイッチングデバイスQ2は第2Boost回路を形成し、上記変圧器T1、上記出力整流素子Ds1および上記フィルタコンデンサCs1は第2DC−DC回路を形成する。上記第2スイッチングデバイスQ2は、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、IGBT、炭化ケイ素または窒化ガリウムトランジスタなどであり、具体的な回路構造は、例えば、図10に示される。上記第2スイッチングデバイスQ2のソースは、上記DC−DCコンバータの負入力端に接続され、上記第2スイッチングデバイスQ2のドレインは、上記エネルギー蓄積コンデンサC2の第2電極に接続され、上記第2スイッチングデバイスQ2の制御極は、上記フィードバック制御回路40の出力端に接続される。本実施例において、シングルエンドフライバックコンバータは、シングルチューブQ1の代わりにダブルチューブ(すなわち、ダブルエンドフライバックトポロジー)Q1、Q2(Cascade−flyback)を用いることにより、低耐電圧のスイッチング素子を選択できるとともに、主変圧器の一次と二次の間の動作電圧を減少させ、一次と二次の間の安全耐電圧距離の要求を低下させることができる。また、D1、D2、D5およびD6によりBoostコンデンサC1に対して整流出力を行い、D3〜D6によりエネルギー蓄積コンデンサC2に対して整流出力を行う。エネルギー蓄積コンデンサC2に対する整流出力は、起動時にのみ動作するため、温度、損失、連続定格電流により制限されず、低コスト、低電流、小寸法の整流素子を使用することができる。2つの整流回路を合理的に選択することができる。
【0035】
図11に示すように、上記スイッチング電源回路において、上記スイッチング電源回路は、サージ制限回路をさらに含む。上記サージ制限回路は、上記第1整流回路に結合され、上記第2整流回路、第1Boost回路、第2Boost回路、第1DC−DC回路に結合されない。例えば、上記スイッチング電源回路は、第1インピーダンス素子Rth1を含む。上記第1インピーダンス素子Rth1の第1電極は、上記第1整流回路の出力端と上記エネルギー蓄積コンデンサC2の第2電極との間に接続される。本実施例では、エネルギー蓄積コンデンサC2の電圧負端と、エネルギー蓄積コンデンサC2に整流出力するD5との間に、サージ入力を防止する電流制限インピーダンス素子が直列接続されることにより、電源起動により出力される瞬時サージ電流を抑制する。この素子は、Boost昇圧の回路に位置しないため、電源動作時に損失がなく、従来のBoost回路に高損失のサーミスターまたは高価の継電器、サイリスタ耐サージ回路を用いる場合に比べ、効率を向上させ、温度を低減させ、コストを削減させる。
【0036】
図12〜13に示すように、上記スイッチング電源回路において、上記スイッチング電源回路は、共振防止整流デバイスをさらに含む。上記第1スイッチングデバイスQ1が遮断され、上記BoostインダクタL1の電流がゼロに復帰した後、上記共振防止整流デバイスは、上記エネルギー蓄積コンデンサC2が上記BoostインダクタL1および上記BoostコンデンサC1を充電することを阻止する。例えば上記共振電流デバイスはダイオード(例えば、図12のD7)または電界効果トランジスタ(例えば、図12のQ3)である。上記共振電流デバイスは、上記BoostインダクタL1の第2電極と上記第1スイッチングデバイスQ1のドレインとの間に接続され、上記BoostインダクタL1の第2電極と上記第1スイッチングデバイスQ1のドレインとの間の電流を上記BoostインダクタL1に一方向で流せる。
【0037】
本実施例は、本発明が低スイッチング周波数、低負荷、またはL1、T1インダクタンス量が比較的小さい設計条件下で、D7またはQ3を増加させることでC1、C2、L1、T1共振電流を減少する実施形態を示す。この方法は、以上のいずれかの実施形態との併用に適される。D7の代わりにスイッチング素子Q3を使用する場合、動作原理は同じである。Boost回路により独立したスイッチング素子Q3が増加するが、従来のBoostコンバータに比べ、高価のBoost整流電力素子が節約されるとともに、Boost整流電力素子上の損失が完全に除去され、電源の効率が向上し、スペースが節約される。スイッチング素子Q3の制御は、スイッチング素子Q1の制御駆動信号を直接使用することができ、さらにQ1が遮断されるときに、Q3の遮断時間を延長することでBoost過程のQ3インピーダンスを低くすることにより、損失を低減し、電源効率を向上させることもできる。この方法は、以上のいずれかの実施形態との併用に適される。
【0038】
図1〜13に示すように、上記スイッチング電源回路において、上記DC−DCコンバータは、シングルエンドフライバック電源回路であり、上記変圧器またはDC−DCインダクタT1は、フライバック変圧器である。上記変圧器T1は、二次コイルNsにより出力整流素子Ds1およびフィルタコンデンサCs1を介して負荷に出力する。つまり、上記シングルエンドフライバック電源回路は、変圧器T1、フィルタコンデンサCs1および出力整流素子Ds1を含み、上記変圧器T1の入力端(一次コイルNp)の両端はそれぞれ上記エネルギー蓄積コンデンサC2および上記第1スイッチングデバイスQ1に接続され、上記変圧器T1の出力端(二次コイルNs)の両端はそれぞれ上記出力整流素子Ds1の陽極および上記フィルタコンデンサCs1の第2電極に接続され、上記出力整流素子Ds1の陰極は上記フィルタコンデンサCs1の第1電極に接続される。
【0039】
本発明のスイッチング電源回路に適用される制御方式はPWMまたはPFMである。DC−DCコンバータは、フライバックDC−DCコンバータまたはフォワードDC−DCコンバータであってもよい。フォワードDC−DCコンバータのエネルギー伝送方式は、上記と同様である。パルス幅変調(PWM)方式は、一般的に他励式フライバックコンバータが呼ばれている。パルス幅変調(PWM)の場合において、周波数が特定の狭い範囲に固定または制御されるため、パルスのデューティ比を調節することにより出力電圧、電流または電力を調節する。周波数変調(PFM)方式の場合において、一般的に自励式フライバックコンバータ(Ringing−choke−convertor)が使用され、スイッチが導通状態であるときに変圧器の磁気コアに蓄積されたエネルギーは、スイッチが遮断されるときに、完全に二次側に放出されるとともに、スイッチング周波数の変化を調節することにより出力電圧、電流または電力を調節する。
【0040】
具体的には、図14に示されるスイッチング電源回路において、上記DC−DCコンバータはフォワード電源回路であり、上記変圧器T1は、二次コイルNsにより第1出力整流素子Ds1および第2出力整流素子Ds2を介して励起インダクタLs1を充電し、上記励起インダクタLs1は、フィルタコンデンサCs1により負荷に出力する。例えば、上記シングルエンドフォワード電源回路は、変圧器T1、フィルタコンデンサCs1、励起インダクタLs1、第1出力整流素子Ds1および第2出力整流素子Ds2を含む。上記変圧器T1の入力端は、上記エネルギー蓄積コンデンサC2および上記第1スイッチングデバイスQ1に接続され、上記変圧器T1の出力端の両端は、それぞれ上記第1出力整流素子Ds1と第2出力整流素子Ds2の陽極、および上記フィルタコンデンサCs1の第2電極に接続され、上記第1出力整流素子Ds1と上記第2出力整流素子Ds2の陰極は、上記励起インダクタLs1の第1電極に接続され、上記励起インダクタLs1の第2電極は、上記フィルタコンデンサCs1の第1電極に接続される。
【0041】
図15に示すように、上記スイッチング電源回路において、上記DC−DCコンバータはBuck−Boost回路であり、上記変圧器またはDC−DCインダクタT1はBuck−Boostインダクタであり、上記DC−DCインダクタT1は、出力整流素子Ds1および上記フィルタコンデンサCs1により負荷に出力する。例えば、上記シングルエンドBuck−Boost回路は、Buck−BoostインダクタT1、フィルタコンデンサCs1および出力整流素子Ds1を含む。上記Buck−BoostインダクタT1の第1電極は、上記第1スイッチングデバイスQ1と上記フィルタコンデンサCs1の第1電極に接続され、上記Buck−BoostインダクタT1の第2電極は、上記エネルギー蓄積コンデンサC2、上記出力整流素子Ds1の陽極に接続され、上記出力整流素子Ds1の陰極は、上記フィルタコンデンサCs1の第2電極に接続される。本実施例において、シングルエンドフライバック回路は、シングルエンドBuck−boost回路に変更される。Buck−boost回路トポロジーは、非絶縁のフライバックfly−backトポロジーであり、そのエネルギーの蓄積および非絶縁放出は、いずれもBuck−BoostインダクタT1により完成する。二重整流およびBoost部分の動作原理は、上記実施形態と一致する。
【0042】
図16に示すように、上記スイッチング電源回路において、上記DC−DCコンバータはZETA回路であり、上記変圧器またはDC−DCインダクタT1はZETAインダクタであり、上記DC−DCインダクタT1は、カップリングコンデンサCs2および出力整流素子Ds1により励起インダクタLs1を充電し、上記励起インダクタLs1は、フィルタコンデンサCs1により負荷に出力する。例えば、上記ZETA回路は、ZETAインダクタT1、第1フィルタコンデンサCs1、第2フィルタコンデンサCs2、励起インダクタLs1および出力整流素子Ds1を含む。上記ZETAインダクタT1の第1電極は、上記第1スイッチングデバイスQ1と第1フィルタコンデンサCs1の第1電極に接続され、上記ZETAインダクタT1の第2電極は、上記エネルギー蓄積コンデンサC2、上記出力整流素子Ds1の陽極および上記第2フィルタコンデンサCs2の第2電極に接続され、上記出力整流素子Ds1の陰極は、上記第1フィルタコンデンサCs1の第2電極および上記励起インダクタLs1の第1電極に接続され、上記励起インダクタLs1の第2電極は、上記第2フィルタコンデンサCs2の第1電極に接続される。本実施例において、シングルエンドフライバック回路は、ZETA回路に変更される。Q1によりBoostインダクタL1およびZETAインダクタT1が同時に駆動される。シングルエンドフライバックと同様に、D1〜D6およびC1、C2は、二重整流入力を構成し、Q1、L1、C1、C2、T1は、Boost回路を構成する。Q1、T1、Ds1、Cs1、Cs2およびLs1は、ZETA型DC−DC変換回路を構成する。
【0043】
図17に示すように、上記スイッチング電源回路において、上記DC−DCコンバータはダブルエンドプッシュプル回路であり、上記変圧器T1は、二次コイルNsにより第1出力整流素子Ds1および第2出力整流素子Ds2を介して励起インダクタLs1を充電し、上記励起インダクタLs1は、フィルタコンデンサCs1により負荷に出力する。例えば、上記スイッチング電源回路は、プッシュプルスイッチングデバイスQ4およびプッシュプルインダクタL2をさらに含み、上記プッシュプルスイッチングデバイスQ4は、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、IGBT、炭化ケイ素または窒化ガリウムトランジスタなどであり、上記プッシュプルインダクタL2の第1電極は、上記BoostインダクタL1の第1電極に接続され、上記プッシュプルインダクタL2の第2電極は、上記プッシュプルスイッチングデバイスQ4のドレインおよびDC−DCコンバータの負入力端に接続され、上記プッシュプルスイッチングデバイスQ4のソースは、上記第1スイッチングデバイスQ1のソースに接続され、上記プッシュプルスイッチングデバイスQ4の制御極は、上記フィードバック制御回路40の出力端に接続され、上記シングルエンドプッシュプル回路は、変圧器T1、励起インダクタLs1、フィルタコンデンサCs1、第1出力整流素子Ds1および第2出力整流素子Ds2を含み、上記変圧器T1の入力端の両端は、それぞれ上記プッシュプルスイッチングデバイスQ4および上記第1スイッチングデバイスQ1に接続され、上記変圧器T1の入力端のセンタータップは、上記BoostインダクタL1に接続され、上記変圧器T1の出力端の両端は、それぞれ上記第1出力整流素子Ds1および第2出力整流素子Ds2の陽極に接続され、上記変圧器T1の出力端センタータップは、上記フィルタコンデンサCs1の第2電極に接続され、上記第1出力整流素子Ds1および上記第2出力整流素子Ds2の陰極は、上記励起インダクタLs1の第1電極に接続され、上記励起インダクタLs1の第2電極は上記フィルタコンデンサCs1の第1電極に接続される。本実施例において、シングルエンドフライバック回路は、シングルエンドプッシュプル回路に変更するされる。Q1によりBoostインダクタL1および変圧器T1の一次コイルNp1が同時に駆動され、Q4によりプッシュプルインダクタL2および変圧器T1の一次コイルNp2が同時に駆動され、Q1およびQ4のプッシュプル動作により、BoostインダクタL1、プッシュプルインダクタL2は交互に動作し、交互式Boostモードを構成する。
【0044】
図18に示すように、上記DC−DCコンバータは、SEPIC回路であり、上記DC−DCインダクタまたは変圧器は、SEPICインダクタT1および励起インダクタT2を含み、上記SEPICインダクタT1と上記励起インダクタT2が結合して絶縁変圧器を形成し、絶縁出力の目的を達成する。第1スイッチングデバイスQ1が導通状態である場合、エネルギー蓄積コンデンサC2はSEPICインダクタT1を充電し、エネルギーを蓄積し、カップリングコンデンサC3は励起インダクタT2を充電するとともに、フィルタコンデンサCs1により蓄積されたエネルギーは負荷に放出される。第1スイッチングデバイスQ1が遮断状態である場合、DC−DCインダクタまたは変圧器T1は、カップリングコンデンサC3、フィルタコンデンサCs1および出力整流素子Ds1により負荷にエネルギー出力を提供し、励起インダクタT2は、出力整流素子Ds1およびフィルタコンデンサCs1により負荷にエネルギー出力を提供する。
【0045】
本発明に係るスイッチング電源回路において、エネルギー蓄積コンデンサC2およびBoostコンデンサC1に対する2つの入力整流回路出力電圧があり、エネルギー蓄積コンデンサC2とBoostコンデンサC1の同端(電圧正端)は互いに接続され、エネルギー蓄積コンデンサC2は、Boost回路の出力コンデンサでもあり、DC−DCコンバータを有し、エネルギー蓄積コンデンサC2(電圧正端)と、DC−DCコンバータの正入力端(変圧器T1の一次コイル、Buck−BoostインダクタL1またはZETAインダクタなど)との間の第1スイッチングデバイスQ1に接続され、BoostインダクタL1とBoostコンデンサC1は直列接続されてから第1スイッチングデバイスQ1に並列接続され、BoostコンデンサC1の一端は、エネルギー蓄積コンデンサC2の電圧正端に接続され、他端は、第2整流回路により交流入力電圧両極(L,N)または直流入力負極に接続され、第1スイッチングデバイスQ1のオン(導通)およびオフ(遮断)を制御するフィードバック制御回路40により、スイッチング電源回路の変換出力を実現し、Boost回路とDC−DC(フライバック、Buck−boost、フォワード、プッシュプル、Zetaなど)従来のスイッチング電源トポロジーとの併用により入力電圧の昇圧および変換を実現し、交流給電に対する力率の補正を実現することができる。本発明のスイッチング電源回路は、アクティブPFC回路(boost昇圧回路)を有し、優れたアクティブな力率補正特性を有する。PFC回路を使用することにより、DC−DCコンバータ(フライバック、フォワード)におけるPWM(またはPFM)制御回路および電力スイッチング素子(第1スイッチングデバイスQ1)において、従来のBoost−PFC回路におけるPWM制御および電力スイッチング素子が節約されるため、コストおよび体積が節約され、電源製品の設計が簡単化され、高性能、低コスト、小型化の利点を有する。
【0046】
図19は、本発明で得られる入力交流に近い正弦波電流波形およびPFC回路がないスイッチング電源回路の正弦波電流波形を示す。
【0047】
図20は、本発明に係るシングルエンドフライバックDC−DCコンバータを含むスイッチング電源回路と、PFC回路がないスイッチング電源回路のIEC61000−3−2classAとの結核比較図である。
【0048】
本発明によれば、コストが低く、素子数が少なく、小型化可能で、アクティブ力率補正を有する電源回路が提供される。まず、その力率補正効果により、入力ACに近い正弦波電流波形(図19)を得ることができ、IEC61000−3−2の入力高調波の要求(図20)を満たすことができる。また、本発明のBoost昇圧回路とフライバック(またはフォワード)DC−DCコンバータは、1つのスイッチング素子を共用できるため、従来のPFC計画のスイッチング素子およびその駆動回路が省略され、複雑な力率補正フィードバック制御回路が除去されることにより、コストが低減し、素子の数が減少され、回路が簡単化され、信頼性が向上するとともに、小さい基板空間だけで取り付けることができる。さらに、DC−DC主変圧器は、スイッチング素子が遮断状態であるときの電流が、スイッチング素子が導通状態であるときの電流と反対であるため、部分的に変圧器のリセットを助けることができ、ことにより、磁気誘導強度Bmaxが減少され、鉄損が減少され、飽和が防止され、素子コストの削減に有利である。さらに、このアクティブ力率補正回路はDC−DCのPWM制御により、開ループ制御に設計され得るため、ループ安定性の問題がなく、従来のアクティブ力率補正回路の起動、動作時の閉ループ制御による騒音の問題もない。
【0049】
図21は、本発明の第1整流回路において、Boostコンデンサとエネルギー蓄積コンデンサが負端において接続されるフライバックの回路模式図である。負端が接続され、第1スイッチング素子はエネルギー蓄積コンデンサの負端位置に位置することができるため、制御駆動回路の設計に有利である。
【0050】
以上のとおり、上記実施例において、スイッチング電源回路の異なる構成形態について詳細に説明したが、本発明の保護範囲は上記実施例に係る構成形態に限定されず、上記実施例に係る構成形態に基づいて改良や均等変換されたものは、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。なお、いわゆる当業者が上記実施例の記載に基づいて容易に想到できるものも本発明の保護範囲に含まれる。
【0051】
上記において、各実施例を順番に説明したが、各実施例におけるポイントは他の実施例との異なるところであり、各実施例において同じであるか類似の部分は互いに参照できる。また、実施例に係る構造は、実施例に係る方法とも対応するため、比較的に簡単に説明し、関連するところは方法に関する説明部分を参照すればよい。
【0052】
上記の説明は、本発明の好ましい実施例についての説明であり、本発明の保護範囲を限定するものではなく、いわゆる当業者が上記記載内容に基づいて行われるいかなる変更、改良も本発明の保護範囲に含まれる。
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